CP+では一昨年と昨年、サイトロンさんの枠でトークをさせて頂きました。それでもコロナ禍でのイベントのためオンライン形式になってしまうのは仕方なく、逆に夜の時間に当ててもらうことで2020年はリアルタイムで電視観望の実演ができ「カメラバカにつける薬」で取り上げていただくなど大好評。2021年は収録でしたが同時に一視聴者として参加することによりリアルタイムで質問に答えることができ、こちらも良い試みでした。
2023年のCP+の出だしは、11月の小海の星フェスの時くらい(もしかしたら志賀高原のイベントの時だったかもしれません)に遡ります。現地でサイトロンのスタッフの方からまた今年もCP+に登壇してもらえないかというオファーを頂きました。日程的には平日は仕事で厳しいですが、休日ならOKそうだったので、移動のことも考えて土曜の午後か日曜ということで話が進みました。でも今年のCP+、コロナの判断のせいでしょうか動き出しがずいぶん遅かったようで、具体的なお話がきたのが1月半ば過ぎくらいでした。もちろんお約束通りOKの返事をしたのですが、問題はテーマです。どうやらこの時点でリアル開催は確定のようなので、多くのカメラファンの方が集まるはずです。そこで、2年くらい前から試していた一眼レフカメラを使った電視観望でカメラファンの方に天文に興味を持ってもらえないかというコンセプトで話をしようと、この時に決めてサイトロン側にタイトルと概要を連絡しました。
この時点でCP+本番までほぼ1ヶ月くらいです。一番の問題は、全然晴れなかったことです。徐々に日にちが近づくにつれて、もう新しい撮影は諦めて過去にブログにアップした画像で誤魔化すしかないかと思い始めました。そんな日を過ごしながらもとうとう待ちに待った快晴の日が!でもなぜかそんな日に限って満月です...。でも貴重な晴れなのでしかたありません。実際の講演の中で話したようにEOS 6Dと古いNIKKORの50mmの明るいレンズ、普通の三脚と自由雲台という、ごく普通のカメラユーザーが持っているくらいの機材で電視観望を試してみますが、さすがにこれだけ月明かりだと本当に淡くしか出てきません。それでも最低限何か見えているのでよしとしました。CBPも使ってみたのですが、撮影していたオリオン座に月がかなり近くにあり、その迷光がすごいゴーストを作り、使うことが不可能でした。
満月で光害カットフィルターなしで撮影したのが、予告時に出した画像だったというわけです。
流石に満月はちょと辛いのでどうしようかと悩んでいました。
その後、満月から何日かして2時間ほどだけは月がない日がありましたが、透明度が悪く途中雲が出てしまし、あまり成果が得らません。ちなみに下の画像はその時観た火星とスバルとカリフォルニア星雲ですが、雲が出てきた時のもので「薄雲でも見えますよ」と言いたくて用意していたのですが、結局トークの中では使いませんでした。
その後、一日だけ新月に近い日に晴れて、そこでやっと今回のトークで使えるくらいの画像を撮ることができました。その後はもうCP+当日までほとんど晴れることがありませんでした。なんとかなりましたが、かなりギリギリな状況でした。そのため満月の映像を先に見せて、そこから改善していくというストーリーにしました。
2月25日の土曜の当日、CP+としては3日目になりますが、自宅から朝イチのバスに乗り富山駅に向かいます。富山からは新幹線に乗り、東京に向かいます。今回CP+に行く前にスターベースに寄るかどうか迷いました。スタベの開店時間が11時なので、朝イチで出ると少し早く着きすぎます。スタベはまた行けますがCP+はもう今日明日だけなので、今回はスターベースを諦めてCP+に直接向かうことにしました。
新幹線の中で朝ごはんです。新幹線ではほぼ毎回この「ますとぶり」です。富山のますのすしは有名かと思いますが、大抵は桶に入った円形タイプで2−3人前です。これは一人前でちょうどいい量で、しかもブリのすしと半々になっています。ブリのほうは、かぶらとにんじんで押し寿司になっていてい、鱒の寿司よりもむしろさっぱりしています。
ご飯を食べてから、少しトークの準備をしていたらもう間も無く東京です。富山と東京は2時間ちょいで着いてしまいます。北陸新幹線が通る前は飛行機を使っていましたが、新幹線が来てからは随分と楽になりました。
東京について、そのまま東海道線に乗り換え横浜まで移動します。こちらもわずか25分。東京-横浜間は近いので、この日の宿は東京駅近くに取りました。横浜周りはかなり高い部屋しか残ってなかったのです。
横浜からはみらい線に乗り換え、みなとみらい駅まで向かいます。
みなとみらい駅についてビックリ!サイトロンで溢れています。例えば階段や柱、
会場のパシフィコ横浜方向はサイトロンの広告が導いてくれます。カメラの祭典のはずなのに、天文ショップのこの存在感!
みなとみらい駅は地下3階にあり、ここから地上2階まで長いエスカレーターを上ります。
黒い壁に書いてある、これは詩でしょうか、結構インパクトがあります。今調べたら、シラーの詩だそうです。エスカレーターに乗りながらこの詩を読むと(といってもちょっと難解で、私は乗っている間には理解しきれませんでした)CP+に行く前に色々考えさせられました。
その後は建物の中をずっと歩いていき、建物から出るともうCP+会場手前です。
ホールとアウトレットコーナーは会場の手前で分かれ道があります。
ホール内に入り、早速サイトロンブースに挨拶に行きます。サイトロンブースは入り口すぐの所にあるのですぐにわかります。
会場には朝10時半頃に着いたのですが、スタッフの方と次の日のトークのことを少しだけお話しして、すぐに会場内を回ります。多分トークがあるとその日は落ち着いてみて回れないので、この日が勝負です。
よく考えたらCP+会場に来るのは2017年以来です。もう6年も前のことなので忘れていましたが、今回も同じ感想になってしましました。CP+の問題というよりは完全に自分のせいなのですが、結局のところ私はあくまで天文が好きなのでカメラを使っているわけであって、カメラ自身が趣味ではないということです。そもそも明るいところで一眼レフでまともに撮影した枚数はどれくらいでしょうか?多分100枚くらいだと思います。もちろんフラット撮影とかは除きますよ。暗い所では操作できるのに、明るい所だとパラメータもよくわかりませんし、そもそもBやM以外でどう撮ればいいのか?こんな自分なので、カメラメーカーのブースは遠くから眺めるだけです。
加えて天文関連のブースは数が少なく、サイトロンとVixen、Kenko TokinaにBORGがあるくらいで、やはりこれは星まつりとは違い、カメラのイベントだと実感してしまいます。まあこんな私ですが、既にCP+のレポートは多くの方に書かれているとは思いますので、独断と偏見で印象に残ったものを紹介しようと思います。
むしろ私には今週号の「カメラバカにつける薬」であったように島中にあるブースが面白かったです。一番インパクトがあったのが、Birodというブースの最長11.5mの一脚です。妖艶なお姉さま(?)が鳥の視点まで案内してくれます。
カーボンの多段ロッドで、持ってみたのですが重さも大したことないです。流石に振り回すわけにはいきませんが、360度カメラは真下をあまり写さなくていいはずで、かなり高い視点でまるで浮かんだように見ることができるはずです。イベント会場とかでこれ持ってたら、多分注目度No.1だと思います。
次はインプレスのブースですが、「カメラバカにつける薬」が既に完売していました。
聞いたら飯田ともき先生、この日は来ていないとのこと。今週号の連載でありましたが、どうやら初日だけの来場だったようです。このマンガが大好きで、カメラファンではない私でも十分に楽しむことができます。上にも書きましたが、一昨年のCP+の電視観望講演をCanonとかNikonと並んで2コマも使って漫画の中に載せてくれたお礼をぜひ言いたかったのです。残念ながら次の日もいらしていないということで、スタッフの方にお礼だけ伝えておきました。いつか直接お会いしてお礼を伝えることができたらと思います。
といっても島中もこれくらいで、あとは天文ブースです。まずはVixen。注目はもちろんVSDです。
でももう他の方に散々レポートされていて、私が新たに加えられるようなことはありません。それよりも話したいのは、この写真にも写っているファインダーです。
対物側は焦点距離200mm、口径50mmのレンズなのですが、接眼側がアメリカンサイズの普通のアイピースを挿せるようになっています。ということはここにCMOSカメラを取り付けることができて、なんと電視観望ができてしまうのです!しかも焦点距離と口径が、2年前に私の電視観望講演で話したEVOGUIDE50EDとかなり近く、昨年の講演で話したNEWTONYと全く同じです。EVOGUIDE50EDがなかなか在庫がないことが多いこと、NEWTONYに取り付けるカメラはCeres-Cのように中に入り込むタイプでないとピントが出ないので、もしかしたらこのファインダーがキラーアイテムになる可能性があります。今回Vixen社の社長と初めてお会いすることができ、結構長い間話をさせていただいたのですが「このファインダーは今後Vixenの全ての望遠鏡につける標準ファインダーになる予定だ」と言います。しかも、このファインダーのアイデアを出したというのが、以前福島の星まつりで話すことができた若手のI君だというのです。社長がI君と私が知り合いだということも認識されていて、そのことを教えて下さいました。I君はもちろん熱心な星マニアでもあるのですが、こういった若手の意見をきちんと取り入れて製品化するというのは素晴らしいことだと思います。なによりこのようなファインダーを標準搭載するということは、今後Vixenを購入した入門者の方に電視観望への強烈な道筋をつけてくれるということになります。国内入門機の圧倒的シェアを誇るVixenさんならではの手法で、これこそ私が長年願っていた方向性です。Vixenさんの英断、私的にはもう大絶賛です。
続いてはBORGです。ここの目玉は試作のカーボン鏡筒で、私も持たせてもらいましたが125mmでこの軽さならかなり取り回しが良いです。ついでに触らせて頂いたカーボンの円筒だけの素材も、多少押しても全く変形がわからないくらい頑丈なものでした。
下の写真の六角形の鏡筒もおもしろいのですが、私が注目したのは口径55mmの小さな鏡筒(すみません、写真撮ったと思ったのですが漏れていました。上の写真のカーボン鏡筒の奥と、下の写真の一番下にちらっとだけ写っています。)
そこにいた女性スタッフの方と話していたら「この小さな鏡筒で電視観望もできますよ」という話が出てきました。「まだ試していないけど、自分でもやってみたい」とのことで、でも「カメラをどうするか迷っている」とのことでした。「ちょうど明日の私のトークで一眼レフカメラで電視観望する話をします!BORGに一眼レフカメラをつけることができるはずなので、すぐに試せますよ!」とお伝えしたところ、本当にトークに足を運んでくださいました。BORGでの電視観望もかなり面白いかと思います。唯一残念だったのが、中川さんにお会いできなかったことです。直前までBORGブースにいたと聞いたのですが、いまだにお会いできたことがないので、一度お話しできたら嬉しいです。あの中川少年の日記はいつも楽しみにしています。
さて、最後は本命サイトロンです。もう欲しいものばかりです。個人的な最注目はCMOSカメラでしょうか。
この中の特に冷却カメラPoseidonはPlayer One初の本格的な冷却カメラになります。冷却カメラに関してはほぼZWO一強なので、どこまで牙城を崩すことができるのか注目しています。マチナカリモート天文台のMさんがサイトロンスタッフとして既に試写画像をTwitterにアップしています。実はMさんとは2017年末の志摩の観望会や、八ヶ岳の天リフイベントでご一緒させていただいて、今回かなり久しぶりにお会いすることができ、色々マニアックな話で盛り上がりました。MさんがアップしたPoseidonの画像を見る限り、かなり期待できそうです。冷却カメラも各社で競える時代になると、お互い切磋琢磨してよりユーザーにとってもいい状況になるのではと期待しています。
他にも鏡筒が目白押しですが、これでもまだ展示しきれていない機種がいくつもあるとのことです。
この中で個人的な注目は、一番手前に写っているAskarの新製品のFMA180 proでしょうか。スタッフも当日まで現物が展示されるのを知らなかったそうです。手持ちのFMA135は電視観望でフル活躍中ですが視野はAPS-Cまでです。一方FMA180はフルサイズ対応で、一度試してみたかったのですが結局試せずじまいで次バージョンになってしまいました。値段的にもそこそこ気楽に買えるものなので、短焦点撮影鏡筒という意味でも、遠くないうちに手に入れておきたいと思います。
他にも、試作のカーボン三脚が、大中小と3種類も展示されていました。
去年1年間使い倒してきたSCA260の新しいバージョンのものが出ていました。大きく変わった点が、副鏡のところのセンターの調節ねじがなくなってシンプルになったこと、取っ手がついたこと、フォーカサーの繰り出し長が伸びたこと、カメラ回転機構が手前になって、フォーカサーのつまみの回転位置が固定されただそうです。
特にフォーカサー関連は少し羨ましかったですが、光学設計は同じとのことなので、まあよしとします(ホントハチョットクヤシイデス)。
あと、私も以前試させていただいたVesperaですが間も無く販売になるということで展示されていました。アプリの方もとうとう日本語化されたそうです。さらに電視観望が簡単になるかと期待しています。
円安と、開発元のフランスでの値上がりが痛かったとのことでした。それでも頑張ってライバルのeVscopeに負けない値段設定にしたとのことです。今後の販売に期待でしょうか。こういった一体型の電視観望機器もどんどん広まっていって欲しいです。
まだまだ書くことはたくさんありますので、今回はとりあえずここまでとします。続きは次の記事で。
きっかけ
2023年のCP+の出だしは、11月の小海の星フェスの時くらい(もしかしたら志賀高原のイベントの時だったかもしれません)に遡ります。現地でサイトロンのスタッフの方からまた今年もCP+に登壇してもらえないかというオファーを頂きました。日程的には平日は仕事で厳しいですが、休日ならOKそうだったので、移動のことも考えて土曜の午後か日曜ということで話が進みました。でも今年のCP+、コロナの判断のせいでしょうか動き出しがずいぶん遅かったようで、具体的なお話がきたのが1月半ば過ぎくらいでした。もちろんお約束通りOKの返事をしたのですが、問題はテーマです。どうやらこの時点でリアル開催は確定のようなので、多くのカメラファンの方が集まるはずです。そこで、2年くらい前から試していた一眼レフカメラを使った電視観望でカメラファンの方に天文に興味を持ってもらえないかというコンセプトで話をしようと、この時に決めてサイトロン側にタイトルと概要を連絡しました。
トークの準備、でも晴れない
この時点でCP+本番までほぼ1ヶ月くらいです。一番の問題は、全然晴れなかったことです。徐々に日にちが近づくにつれて、もう新しい撮影は諦めて過去にブログにアップした画像で誤魔化すしかないかと思い始めました。そんな日を過ごしながらもとうとう待ちに待った快晴の日が!でもなぜかそんな日に限って満月です...。でも貴重な晴れなのでしかたありません。実際の講演の中で話したようにEOS 6Dと古いNIKKORの50mmの明るいレンズ、普通の三脚と自由雲台という、ごく普通のカメラユーザーが持っているくらいの機材で電視観望を試してみますが、さすがにこれだけ月明かりだと本当に淡くしか出てきません。それでも最低限何か見えているのでよしとしました。CBPも使ってみたのですが、撮影していたオリオン座に月がかなり近くにあり、その迷光がすごいゴーストを作り、使うことが不可能でした。
満月で光害カットフィルターなしで撮影したのが、予告時に出した画像だったというわけです。
流石に満月はちょと辛いのでどうしようかと悩んでいました。
その後、満月から何日かして2時間ほどだけは月がない日がありましたが、透明度が悪く途中雲が出てしまし、あまり成果が得らません。ちなみに下の画像はその時観た火星とスバルとカリフォルニア星雲ですが、雲が出てきた時のもので「薄雲でも見えますよ」と言いたくて用意していたのですが、結局トークの中では使いませんでした。
その後、一日だけ新月に近い日に晴れて、そこでやっと今回のトークで使えるくらいの画像を撮ることができました。その後はもうCP+当日までほとんど晴れることがありませんでした。なんとかなりましたが、かなりギリギリな状況でした。そのため満月の映像を先に見せて、そこから改善していくというストーリーにしました。
CP+へ向けて出発!
2月25日の土曜の当日、CP+としては3日目になりますが、自宅から朝イチのバスに乗り富山駅に向かいます。富山からは新幹線に乗り、東京に向かいます。今回CP+に行く前にスターベースに寄るかどうか迷いました。スタベの開店時間が11時なので、朝イチで出ると少し早く着きすぎます。スタベはまた行けますがCP+はもう今日明日だけなので、今回はスターベースを諦めてCP+に直接向かうことにしました。
新幹線の中で朝ごはんです。新幹線ではほぼ毎回この「ますとぶり」です。富山のますのすしは有名かと思いますが、大抵は桶に入った円形タイプで2−3人前です。これは一人前でちょうどいい量で、しかもブリのすしと半々になっています。ブリのほうは、かぶらとにんじんで押し寿司になっていてい、鱒の寿司よりもむしろさっぱりしています。
ご飯を食べてから、少しトークの準備をしていたらもう間も無く東京です。富山と東京は2時間ちょいで着いてしまいます。北陸新幹線が通る前は飛行機を使っていましたが、新幹線が来てからは随分と楽になりました。
東京について、そのまま東海道線に乗り換え横浜まで移動します。こちらもわずか25分。東京-横浜間は近いので、この日の宿は東京駅近くに取りました。横浜周りはかなり高い部屋しか残ってなかったのです。
横浜からはみらい線に乗り換え、みなとみらい駅まで向かいます。
みなとみらい駅についてビックリ!サイトロンで溢れています。例えば階段や柱、
会場のパシフィコ横浜方向はサイトロンの広告が導いてくれます。カメラの祭典のはずなのに、天文ショップのこの存在感!
みなとみらい駅は地下3階にあり、ここから地上2階まで長いエスカレーターを上ります。
黒い壁に書いてある、これは詩でしょうか、結構インパクトがあります。今調べたら、シラーの詩だそうです。エスカレーターに乗りながらこの詩を読むと(といってもちょっと難解で、私は乗っている間には理解しきれませんでした)CP+に行く前に色々考えさせられました。
その後は建物の中をずっと歩いていき、建物から出るともうCP+会場手前です。
ホールとアウトレットコーナーは会場の手前で分かれ道があります。
会場の様子
ホール内に入り、早速サイトロンブースに挨拶に行きます。サイトロンブースは入り口すぐの所にあるのですぐにわかります。
会場には朝10時半頃に着いたのですが、スタッフの方と次の日のトークのことを少しだけお話しして、すぐに会場内を回ります。多分トークがあるとその日は落ち着いてみて回れないので、この日が勝負です。
よく考えたらCP+会場に来るのは2017年以来です。もう6年も前のことなので忘れていましたが、今回も同じ感想になってしましました。CP+の問題というよりは完全に自分のせいなのですが、結局のところ私はあくまで天文が好きなのでカメラを使っているわけであって、カメラ自身が趣味ではないということです。そもそも明るいところで一眼レフでまともに撮影した枚数はどれくらいでしょうか?多分100枚くらいだと思います。もちろんフラット撮影とかは除きますよ。暗い所では操作できるのに、明るい所だとパラメータもよくわかりませんし、そもそもBやM以外でどう撮ればいいのか?こんな自分なので、カメラメーカーのブースは遠くから眺めるだけです。
Nikonブースです。Nikonカメラを持っていない私は中に入っていっていいのか?
中ではサーカスっぽいことをやっているようでした。
中ではサーカスっぽいことをやっているようでした。
Canonブースです。Canonのカメラは持っています。
でも天体改造とかしている私にここに入っていく資格はあるのか?
ハーフパイプの自転車を撮影するのですが、速い動きの写し方はよくわかっていません。
でも天体改造とかしている私にここに入っていく資格はあるのか?
ハーフパイプの自転車を撮影するのですが、速い動きの写し方はよくわかっていません。
加えて天文関連のブースは数が少なく、サイトロンとVixen、Kenko TokinaにBORGがあるくらいで、やはりこれは星まつりとは違い、カメラのイベントだと実感してしまいます。まあこんな私ですが、既にCP+のレポートは多くの方に書かれているとは思いますので、独断と偏見で印象に残ったものを紹介しようと思います。
島中
むしろ私には今週号の「カメラバカにつける薬」であったように島中にあるブースが面白かったです。一番インパクトがあったのが、Birodというブースの最長11.5mの一脚です。妖艶なお姉さま(?)が鳥の視点まで案内してくれます。
カーボンの多段ロッドで、持ってみたのですが重さも大したことないです。流石に振り回すわけにはいきませんが、360度カメラは真下をあまり写さなくていいはずで、かなり高い視点でまるで浮かんだように見ることができるはずです。イベント会場とかでこれ持ってたら、多分注目度No.1だと思います。
次はインプレスのブースですが、「カメラバカにつける薬」が既に完売していました。
聞いたら飯田ともき先生、この日は来ていないとのこと。今週号の連載でありましたが、どうやら初日だけの来場だったようです。このマンガが大好きで、カメラファンではない私でも十分に楽しむことができます。上にも書きましたが、一昨年のCP+の電視観望講演をCanonとかNikonと並んで2コマも使って漫画の中に載せてくれたお礼をぜひ言いたかったのです。残念ながら次の日もいらしていないということで、スタッフの方にお礼だけ伝えておきました。いつか直接お会いしてお礼を伝えることができたらと思います。
Vixen
といっても島中もこれくらいで、あとは天文ブースです。まずはVixen。注目はもちろんVSDです。
でももう他の方に散々レポートされていて、私が新たに加えられるようなことはありません。それよりも話したいのは、この写真にも写っているファインダーです。
対物側は焦点距離200mm、口径50mmのレンズなのですが、接眼側がアメリカンサイズの普通のアイピースを挿せるようになっています。ということはここにCMOSカメラを取り付けることができて、なんと電視観望ができてしまうのです!しかも焦点距離と口径が、2年前に私の電視観望講演で話したEVOGUIDE50EDとかなり近く、昨年の講演で話したNEWTONYと全く同じです。EVOGUIDE50EDがなかなか在庫がないことが多いこと、NEWTONYに取り付けるカメラはCeres-Cのように中に入り込むタイプでないとピントが出ないので、もしかしたらこのファインダーがキラーアイテムになる可能性があります。今回Vixen社の社長と初めてお会いすることができ、結構長い間話をさせていただいたのですが「このファインダーは今後Vixenの全ての望遠鏡につける標準ファインダーになる予定だ」と言います。しかも、このファインダーのアイデアを出したというのが、以前福島の星まつりで話すことができた若手のI君だというのです。社長がI君と私が知り合いだということも認識されていて、そのことを教えて下さいました。I君はもちろん熱心な星マニアでもあるのですが、こういった若手の意見をきちんと取り入れて製品化するというのは素晴らしいことだと思います。なによりこのようなファインダーを標準搭載するということは、今後Vixenを購入した入門者の方に電視観望への強烈な道筋をつけてくれるということになります。国内入門機の圧倒的シェアを誇るVixenさんならではの手法で、これこそ私が長年願っていた方向性です。Vixenさんの英断、私的にはもう大絶賛です。
BORG
続いてはBORGです。ここの目玉は試作のカーボン鏡筒で、私も持たせてもらいましたが125mmでこの軽さならかなり取り回しが良いです。ついでに触らせて頂いたカーボンの円筒だけの素材も、多少押しても全く変形がわからないくらい頑丈なものでした。
下の写真の六角形の鏡筒もおもしろいのですが、私が注目したのは口径55mmの小さな鏡筒(すみません、写真撮ったと思ったのですが漏れていました。上の写真のカーボン鏡筒の奥と、下の写真の一番下にちらっとだけ写っています。)
そこにいた女性スタッフの方と話していたら「この小さな鏡筒で電視観望もできますよ」という話が出てきました。「まだ試していないけど、自分でもやってみたい」とのことで、でも「カメラをどうするか迷っている」とのことでした。「ちょうど明日の私のトークで一眼レフカメラで電視観望する話をします!BORGに一眼レフカメラをつけることができるはずなので、すぐに試せますよ!」とお伝えしたところ、本当にトークに足を運んでくださいました。BORGでの電視観望もかなり面白いかと思います。唯一残念だったのが、中川さんにお会いできなかったことです。直前までBORGブースにいたと聞いたのですが、いまだにお会いできたことがないので、一度お話しできたら嬉しいです。あの中川少年の日記はいつも楽しみにしています。
サイトロン
さて、最後は本命サイトロンです。もう欲しいものばかりです。個人的な最注目はCMOSカメラでしょうか。
この中の特に冷却カメラPoseidonはPlayer One初の本格的な冷却カメラになります。冷却カメラに関してはほぼZWO一強なので、どこまで牙城を崩すことができるのか注目しています。マチナカリモート天文台のMさんがサイトロンスタッフとして既に試写画像をTwitterにアップしています。実はMさんとは2017年末の志摩の観望会や、八ヶ岳の天リフイベントでご一緒させていただいて、今回かなり久しぶりにお会いすることができ、色々マニアックな話で盛り上がりました。MさんがアップしたPoseidonの画像を見る限り、かなり期待できそうです。冷却カメラも各社で競える時代になると、お互い切磋琢磨してよりユーザーにとってもいい状況になるのではと期待しています。
他にも鏡筒が目白押しですが、これでもまだ展示しきれていない機種がいくつもあるとのことです。
この中で個人的な注目は、一番手前に写っているAskarの新製品のFMA180 proでしょうか。スタッフも当日まで現物が展示されるのを知らなかったそうです。手持ちのFMA135は電視観望でフル活躍中ですが視野はAPS-Cまでです。一方FMA180はフルサイズ対応で、一度試してみたかったのですが結局試せずじまいで次バージョンになってしまいました。値段的にもそこそこ気楽に買えるものなので、短焦点撮影鏡筒という意味でも、遠くないうちに手に入れておきたいと思います。
他にも、試作のカーボン三脚が、大中小と3種類も展示されていました。
現在実際に販売されているのは1種類だけなのですが、今後どんな三脚が欲しいかという傾向を掴むために3種展示したとのことです。最近仲が良いRamb君がちょうどその場にいて、一緒に好き勝手にリクエストを伝えておきました。かなり無理を言っていたので、果たして実現されることやら??? Ramb君と、サイトロンのスタッフさんを交えて、3人での三脚理想論についての議論ができたのは、いつになく楽しかったです。
去年1年間使い倒してきたSCA260の新しいバージョンのものが出ていました。大きく変わった点が、副鏡のところのセンターの調節ねじがなくなってシンプルになったこと、取っ手がついたこと、フォーカサーの繰り出し長が伸びたこと、カメラ回転機構が手前になって、フォーカサーのつまみの回転位置が固定されただそうです。
特にフォーカサー関連は少し羨ましかったですが、光学設計は同じとのことなので、まあよしとします(ホントハチョットクヤシイデス)。
あと、私も以前試させていただいたVesperaですが間も無く販売になるということで展示されていました。アプリの方もとうとう日本語化されたそうです。さらに電視観望が簡単になるかと期待しています。
円安と、開発元のフランスでの値上がりが痛かったとのことでした。それでも頑張ってライバルのeVscopeに負けない値段設定にしたとのことです。今後の販売に期待でしょうか。こういった一体型の電視観望機器もどんどん広まっていって欲しいです。
まだまだ書くことはたくさんありますので、今回はとりあえずここまでとします。続きは次の記事で。