ASI294MMで撮影後、画像処理をしていたのですが、一つトラブルがあったのでメモがてら記述しておきます。
NINAでライトフレーム
NINAを使い普通に天体を撮影しました。ASI294MMはセンサーにIMX492を使っていて、bin1だと8288x5644とかなりの高解像度になります。DSOだとそこまでいらないので、本来のASI294MC(IMX294使用)と同じ4144x2822になるようにNINA上でbin2モードでライトフレームを撮影しました。
SharpCapで補正用フレーム
画像処理用にバイアスフレーム、ダークフレーム、フラットフレーム、フラットダークフレームを撮影する必要があるのですが、画面のレスポンスやヒストグラムの見やすさなどから、SharpCapを使って、これらの後処理用のファイルを撮影しました。その時は解像度を 4144x2822にするために「11 megapixel」の方を選んでbin1を選びました。高解像度の場合には「47 megapixel」なのですが、この場合bin2は選べないようなので、4144x2822にするには「11 megapixelでbin1」が唯一の選択肢になります。
撮影自体はいいのですが、これらを使ってPixInsightで画像処理をしようとするとはまります。下の画像のように、ライトフレームに警告マークが入っていて、バイアス、ダーク、フラットどれも補正してくれにというのです。
最初何が悪いのかわからなかったのですが、色々触っているとどうもビニングの設定が、NINAで撮影したライトフレームは2x2、その他SharpCapで撮影したフレームは1x1となっているのが問題だとわかってきました。でもどちらも画素数は4144x2822です。
一番簡単な方法は、NINAで補正フレームをライトと同条件にして、全て取り直すことです。でもフラットフレームは撮り直すと合わないことがあるので、できればNINAでの撮り直しは避けたいです。
ここまで撮影してきたファイルをなんとか使うことはできないのでしょうか?
まずわかったのは、このビニング情報はFITSファイルのヘッダに書かれているテキスト情報をただ読んでいるだけなので、例えばライトフレームのヘッダの2x2を1x1に書き換えてやれば、PixInsight上で各種補正をしてくれることはわかりました。
そうすると次は、そもそもNINAで2x2ビニングと、SharpCapの11 megapixelで1x1ビニングは同じ効果なのか?ソフトウェアビニングが入る余地はないのか?などが疑問になってきました。
海外のページをあたっていくと、特にSharpCapで初期にASI294MMに対応したときに結構な時間をかけてZWOともコンタクトを取りながら決めていった過程を辿ることができました。おそらくは多分混乱のないようにわかりやすくするために高解像度でビニングのない47 megapixelモードと、低解像度で14bitにしたハードウェアビンニングの11 megapixelモードと、あからさまに切り分けたのかと思います。おそらくこの切り分け方が、本来のASI294MMの294の名を冠したことから考えると、正しいのかと思います。
もう一つ重要なことは、ASI294MM Prp発売当初、ここら辺のことで混乱した人が何人もいたようなのですが、先人達の色々な検証の結果一つ言えることは「どんなソフトでも2x2のビニングを入れると確実にハードウェアビニングが入る」ということのようです。なので、NINAで単にbin2を選んだとしても、ソフトウェアビニングになっていることはないということが分かります。
実際のところは自分で検証しない限りは確実ではないですが、調べている限りこの情報は正しいようなので、画像処理を進めるためにもとりあえず1x1と2x2で名前は違うけれど、共にハードウェアビンニングが適用され、4144x2822の画像ができていると思うことにします。
となると、あとはどうやってFITSヘッダーを書き換えるかです。一枚一枚書き換えていってもいいのですが、ここにあるキーワードの値を書き換える、PixInsight上で動くスクリプトが公開されています。
今回はこれを利用しました。実際にはXBINNING、YBINNINGをそれぞれ書き換える必要があるため、2回走らせます。注意はソースの途中の拡張子が「.fit」になっているてため、「.fits」にしてやることと、最初の方のoldKeywordValueなどの値が「2.」とか小数点まで入れてやらないと動かない時があることくらいです。
これでライトフレームを1x1ビニングと騙してやることで、下のようにうまくPixInsightのWBPPを走らせ、
きちんと各種補正も適用することができました。
さて、やっとこれでM27の画像処理を続けられます。
ASI224MC Proでの天体撮影
NINAでライトフレーム
NINAを使い普通に天体を撮影しました。ASI294MMはセンサーにIMX492を使っていて、bin1だと8288x5644とかなりの高解像度になります。DSOだとそこまでいらないので、本来のASI294MC(IMX294使用)と同じ4144x2822になるようにNINA上でbin2モードでライトフレームを撮影しました。
SharpCapで補正用フレーム
画像処理用にバイアスフレーム、ダークフレーム、フラットフレーム、フラットダークフレームを撮影する必要があるのですが、画面のレスポンスやヒストグラムの見やすさなどから、SharpCapを使って、これらの後処理用のファイルを撮影しました。その時は解像度を 4144x2822にするために「11 megapixel」の方を選んでbin1を選びました。高解像度の場合には「47 megapixel」なのですが、この場合bin2は選べないようなので、4144x2822にするには「11 megapixelでbin1」が唯一の選択肢になります。
WBPPできない⁉︎
撮影自体はいいのですが、これらを使ってPixInsightで画像処理をしようとするとはまります。下の画像のように、ライトフレームに警告マークが入っていて、バイアス、ダーク、フラットどれも補正してくれにというのです。
最初何が悪いのかわからなかったのですが、色々触っているとどうもビニングの設定が、NINAで撮影したライトフレームは2x2、その他SharpCapで撮影したフレームは1x1となっているのが問題だとわかってきました。でもどちらも画素数は4144x2822です。
解決法
一番簡単な方法は、NINAで補正フレームをライトと同条件にして、全て取り直すことです。でもフラットフレームは撮り直すと合わないことがあるので、できればNINAでの撮り直しは避けたいです。
ここまで撮影してきたファイルをなんとか使うことはできないのでしょうか?
まずわかったのは、このビニング情報はFITSファイルのヘッダに書かれているテキスト情報をただ読んでいるだけなので、例えばライトフレームのヘッダの2x2を1x1に書き換えてやれば、PixInsight上で各種補正をしてくれることはわかりました。
本当にこの方法でいいの?
そうすると次は、そもそもNINAで2x2ビニングと、SharpCapの11 megapixelで1x1ビニングは同じ効果なのか?ソフトウェアビニングが入る余地はないのか?などが疑問になってきました。
海外のページをあたっていくと、特にSharpCapで初期にASI294MMに対応したときに結構な時間をかけてZWOともコンタクトを取りながら決めていった過程を辿ることができました。おそらくは多分混乱のないようにわかりやすくするために高解像度でビニングのない47 megapixelモードと、低解像度で14bitにしたハードウェアビンニングの11 megapixelモードと、あからさまに切り分けたのかと思います。おそらくこの切り分け方が、本来のASI294MMの294の名を冠したことから考えると、正しいのかと思います。
もう一つ重要なことは、ASI294MM Prp発売当初、ここら辺のことで混乱した人が何人もいたようなのですが、先人達の色々な検証の結果一つ言えることは「どんなソフトでも2x2のビニングを入れると確実にハードウェアビニングが入る」ということのようです。なので、NINAで単にbin2を選んだとしても、ソフトウェアビニングになっていることはないということが分かります。
実際のところは自分で検証しない限りは確実ではないですが、調べている限りこの情報は正しいようなので、画像処理を進めるためにもとりあえず1x1と2x2で名前は違うけれど、共にハードウェアビンニングが適用され、4144x2822の画像ができていると思うことにします。
実際のヘッダー情報の書き換え
となると、あとはどうやってFITSヘッダーを書き換えるかです。一枚一枚書き換えていってもいいのですが、ここにあるキーワードの値を書き換える、PixInsight上で動くスクリプトが公開されています。
今回はこれを利用しました。実際にはXBINNING、YBINNINGをそれぞれ書き換える必要があるため、2回走らせます。注意はソースの途中の拡張子が「.fit」になっているてため、「.fits」にしてやることと、最初の方のoldKeywordValueなどの値が「2.」とか小数点まで入れてやらないと動かない時があることくらいです。
WBPPで処理再開
これでライトフレームを1x1ビニングと騙してやることで、下のようにうまくPixInsightのWBPPを走らせ、
きちんと各種補正も適用することができました。
さて、やっとこれでM27の画像処理を続けられます。