ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2021年06月

前回立山に登ったのが2019年の9月なので、2年近くぶりになります。前回は標高2000mの弥陀ヶ原に行きましたがが、あまりの天気の悪さで星が全く見えず、ブログの記事にもしていません。ブログの記事になっているのは2018年10月10日。この時も弥陀ヶ原です。突風と雲間の中少しだけ天の川を撮影したのを覚えています。

今回の行き先は弥陀ヶ原よりも少し上の標高2300mの天狗平。しかし、今回も天気が悪くてほとんど星の写真がありません。最近忙しくてブログ更新できていないので、日記がわりに気軽に書いておきたいと思います。


いざ立山へ

立山は規制が厳しく、マイカーで入山することは基本的にできません。一般の人が立山に登るのは大きく2通りの方法あります。一つは旅行会社が企画するツアーバスに乗って行く方法。富山県民はたいていはふもとの「立山あるぺん村」まで車できて、そこで観光バスに乗り込みます。富山駅から出ている観光バスも一部あるみたいです。勝手に連れて行ってくれるので簡単ですが、旅の楽しみは次の立山駅経由の方が楽しいかもしれません。

もう一つは地鉄(富山地方鉄道)で立山駅まで来て、そこからケーブルカーとバスで登る方法です。地鉄は富山駅から乗れるので、遠方から来る方はこちらの方が一般的かもしれません。

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立山駅です。

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ここ立山駅から美女平までケーブルカーに乗ります。

立山駅には「立山カルデラ砂防博物館」があります。かなりの部分が無料で見学できるので、時間があったら立ち寄るといいかもしれません。

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立山カルデラ砂防博物館入口。駅から徒歩1分くらいでしょうか。

美女平からはバスに乗り換えて、それぞれの目的地まで行きます。木々の間から称名滝が見えます。
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バスの最終地は標高2400mの室堂ですが、今回はその手前の標高2300m地点の天狗平にある立山高原ホテルが目的地です。

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この日泊まる宿「立山高原ホテル」です。

到着時には少し青空が見えていました。遠方に剣岳を見ることができました。

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中央奥に雲間から剣岳、通称「つるぎ」が見えています。
見えている建物は立山高原ホテルです。


散歩の途中に雷鳥をペアで見ることができました。つがいで見ることができたのは初めてです。

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もう雪の時の白い羽はかなり消えていて、夏に向けた茶色になってきています。赤いトサカがある方がオスだそうです。人を怖がる様子は全くなく、近づいて行っても逃げることはありません。これは雷鳥を驚かすようなことをしないからだそうです。立山に来ている人たちは、マナーが良いということの表れでしょうね。

夕方近くになると雲海が見えてきました。
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雄大な雲海の風景。小さく見える影が人です。


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眼下は雲海、太陽にはハロがかかっています。幻想的な景色でした。

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夕暮れの風景。山端に太陽が沈んでいきます。


立山高原ホテルでのスターウォッチング

今回泊まるホテルです。標高2300mとは思えないリゾートで、とても雰囲気のいいホテルです。奥が食堂になっています。

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夕食は豪華でとても美味しかったです。

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美味しそうな食事。実際とても美味しかったです。

夕食後、スターウォッチングがあります。スターウォッチングがあるのは大抵が週末です。開催日は限られていますので、興味がある方は宿泊日に開催されるかどうか、予めホテルの方にお問い合わせください。

この日は夕方こそ少しだけ青空が見えましたが、スターウォッチングが始まる19時半からはほとんど曇り。ごく稀に天頂付近のアークトゥルスが見えたりもしましたが、天の川が見えるようなレベルではありませんでした。そのため1時間くらいの星についてのお話をした後、お客さんと少しだけ外に出てみましたが、ほとんど星は見えず。用意しておいた超コンパクト電視観望機材もほとんど役目を果たすことはできず、ほとんどのお客さんはすぐに部屋に戻ってしまいました。

その中で一組だけ、お父様と二十歳くらいの息子さん二人の親子3人組がしばらく残っていてくれたので、少しだけ星の案内をしました。といっても夏の大三角と、北斗七星の尾っぽがかろうじて見えたくらいで、立山の星を満喫というには程遠かったです。その中で、彼らと富山市天文台について少しだけ話しました。

富山市天文台が今年3月に廃止になってしまったのですが、彼らも富山市民で子供の頃に何度も天文台に行っていたそうです。いろいろ思い出があるようで、今回廃止されたことを知ってとても残念そうでした。子供の頃に星を見たことは心に残っていて、その機会がなくなるのは寂しいというようなことを言っていました。こんな話を聞いてしまうと、やはり今回の天文台の廃止はとても残念で、子供たちの星に対する興味の受け皿という意味で、今後かなりの損失になるのではないかと思われます。今のところ代替施設ができているわけでもないので、地道に天文台の再開または代わりになる施設を市の方に求めていきたいと思います。


夜の撮影

天気が天気なので、スターウォッチングは早々に切り上げ、のんびりと温泉に入りあきらめモードだったのですが、温泉から出て部屋に戻る前に外に出てみると少しですが星が見えます。もしかしたらと思い、機材を持って撮影準備に取り掛かります。

ところが雲は晴れてくるどころか、時間と共にだんだん濃くなってきました。かろうじて撮れたのが夏の大三角方向にワンショット。少しだけ白鳥座付近に天の川らしきものが見えています。

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立山高原ホテルの上に夏の大三角が見えます。
雲越しに天の川の赤いところが一部見えています。

もう一つは南の方向。

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雲越しの南の空。さすがに天の川もほとんど見えません。
下に写っているブルドーザー、あだ名を聞いたのですがどうしても思い出せません。

右のさそり座の形がよく分かります。天の川の一番濃いところを見てるはずですが、雲越しでほとんどわかりません。

一方眼下を見ると、この時間帯には雲海もすっかり無くなり、富山の市街地の明かりがよく見えました。
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ブルーファイア現象 ?

今回の目玉は星ではなく、間違いなくこの写真でしょう。夜に地獄谷と呼ばれる方向を撮影したものです。
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真ん中に青白く光っている部分が見えるのが分かりますでしょうか?右に見える建物はこの日泊まった立山高原ホテルですが、これはずっと手前にあって、地獄谷はずっと上の室堂まで行って、そこから山を奥の方に下ってアクセスできる場所にあり、ここから見るとかなり遠くの下の方です。

今回は露光時間をかけての明るさですが、この光は実際に目で直接見ても周りからわずかに明るくなってるのが分かります。拡大してみます。

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闇夜に青白く輝く地獄谷。 

明らかに雲とは違う煙のようなものも確認できます。明るいところも均一な明るさではなく、広範囲にわたって強弱があるのが分かります。また、左の方にも暗いですが光が見えます。人工的な光だとこうはならないと思います。夜に地獄谷に行ったわけではないのでホントのところはわからないですが、やはり何か闇夜に光っているのかと思われます。

地元の富山県天文学会の方の意見では、こんなところに人工的な光はなく、おそらく硫黄のガスが燃えるブルーファイア現象なのだのことです。硫黄は低温で発火するとのことで、例えばジャワ島の火山が有名とのことです。

いつか夜にもっと地獄谷近くに行って撮影してみたいです。


プロのカメラマンの方と

実は今回、プロの写真家の方と一緒でした。ポートレートが専門ということですが、星を撮ってみたくなったとのことで今回友人にくっついてきたそうです。私はもっぱら天体写真のみで、普通で言う写真に関しては全くの素人なので、いろいろ聞きたかったことがありました。特に技術と感性に関してです。

夕食の時話す時間があったので、少しですがいろいろ興味深い話が聞けました。まず、技術に関しては昔ほど差がなくなっているとのことです。デジカメになって、どんどん高機能化してきて、昔必要だった技術、例えばフィルム巻きをいかに速くするかとかはもう今となってはもう必要なくなってしまった。こんなことがたくさんあるとのことです。だから逆にプロと言うからには、技術だけでない、その根拠が必要というような話を聞くことができました。

私が悩んでいるのは特に天の川を含む星景写真です。手順通りにやっていけばアマチュア天文家がいいと思うような写真にはなるのでしょうが、個人的にはそこまでいかずに、撮ったそのままの方が好みになることが多いです。例えば天の川を中央に持ってくるときは周辺減光がむしろ天の川を引き立たせてくれます。光害も私の好きな黄色から黄緑、青へのグラデーションを醸し出してくれたりします。

こんなことを聞いてみたら、やはり写真家としては写真に自分の考えを込めることが大切だとのアドバイスをいただけました。例えばポートレートでも、写真によってまるで別物のように結果が違ってくるそうです。

でも面白かったのはここからで、写真を見たときに良い悪いの基準はあるのか、例えばコンクールで良い悪いの評価は個人によるのかとかいう話になりました。そこで聞けたのは、やはり良い悪いを「言葉にする必要がある」ということでした。感覚、感情、思いなどはもちろん大事でしょうが、プロとしていいと評価する根拠みたいなのが必要だという意味なのかと思います。「もしかしたら将来AIが客観的な基準を示すような時代が来るかもしれませんね。」と無謀なことを聞いてみたのですが、笑いながら「そうかもしれません。」と少し神妙そうに答えてくれたのが印象深かったです。時間がそこまでなくて深いところまでは話せなかったですが、プロの方の意見はやはり大きいです。多分全く違う視線を持っているのかと思います。とてもいい経験になりました。


まとめ

今回のメインは星関連ではなくブルーファイアになってしまった感があります。ちなみにこの記事のタイトル「地獄谷の神秘の光ブルーファイア」は妻がつけたものです。私のオリジナルのタイトルはシンプルに「立山」でした。「そんなのだからいつもダメなんだ」と怒られました(笑)。

妻がいろいろアイデアを出してきました。ブルーファイア君とかゆるキャラを作って観光化すればいいとか、ブルーファイアソフトクリームを作ったらいいとか、市街地にテーマパークを作って3DのVRで見えるようにしたらいいとか、訳のわからないことを言っています。でも本当に実際の光を見てみたいようです。

確かに普通に立山に泊まる人も、夜に星を見ること位まではあってもわざわざ歩いて地獄谷が見えるところまでは行かないので、あまり知られていないというのも納得かもしれません。少なくともネットで立山の地獄谷でブルーファイア現象というのを検索しても何も出てきませんでした。でも裸眼でも光っているのが見えるので、地元の人は意外に普通に知っていることなのかもしれません。

でも結局妻は、あの画像は露光時間を延ばした故のものだということを理解してから、あまり興味を示さなくなりました。最後「期待して見に行ったらショボかった観光地の典型的なやつみたいだ」というようなひどいことを言っていました(笑)。淡い光ですが、目で見ても十分インパクトはあると思うので、きちんと説明しようとしたのですが、もう無駄でした。妻さえ説得できないようなら観光化は難しそうです(笑)。

そういえば、立山を旅行記のように書くのは初めてかもしれません。残念ながら星はあまり見えませんでしたが、コロナで昨年は立山に登れなかったので、本当に久しぶりに宿に泊まった気がします。ホテルの方から、やはりなかなかお客さんが戻ってきてくれなくて大変だとのことを聞きました。早く収束して観望会なども普通にできるようになって欲しいものです。


P.S.

最近、忙しいのでブログが全然更新できていませんでした。梅雨時で星が出ないのでネタがないということもありますが、実は余っている時間のほとんどを使って、来週6月27日28日に配信がある天リフの超会議拡大版「ガチ天2021」に使うトークの資料を作っていました。

今回は太陽について話すつもりです。まだプログラムは発表されていないようですが、太陽のHα生中継を考えているので、明るい早い時間帯になると思います。太陽について話すのは初めてなので、資料も一からで大変でしたが8割方完成しました。よろしければぜひ配信をご覧ください。

実は今日の午後から晴れる予定で、太陽撮影をしようと思っていたのですが、結局曇りで撮影できず。今書いてるブログ記事は写真を貼り付けるだけのシンプルなものにしようとしてたのに、意に反してどんどん長くなってしまいました。しかもTwitterでブルーファイアの写真だけ宣伝にでもと思って流したら、わずか4時間でいいねが既に200超え、リツイートも今見たら60超えです。こんなのは初めてでちょっとびっくりしてます。


皆既月食の敗北で打ちのめされ、仕事が忙しいのと、天気がイマイチでしばらく立ち直れなかったのですが、5月29日の土曜日、晴れたので今度山に行くための準備をしました。超コンパクトな電視観望システムの構築です。でもその後も、しばらく乗り気にならず、記事も今になってしまいました。

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皆既月食の日に一瞬だけ見えた月です。その後撤収まで二度と出てきてくれませんでした。夕方青空が見えてきたのでTSA-120とFS-60CBと50mm+6Dで広角とフル体制だったのに...。

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歩きでも持っていける電視観望システム

来週6月12日、久しぶりに立山に行きます。スターウォッチングの講師です。車は駅に止めてそこからケーブルカーとバスなので、持っていける荷物の量が限られます。立山のスターウォッチングも最初の頃は張り切ってAdvanced VXを丸々海外旅行用の大きなトランクに入れて持っていってたりしたのですが、そのうち機材の軽量化とともにNexstar、AZ-GTiと楽になっていきました。それでも鏡筒はずっとFS-60CBでした。前回FMA135で電視観望を試したのですが、口径3cmにもかかわらず、その性能の良さとコンパクトさもあり、すこぶる快適でした。



でも欲望にはキリがなく、これだけコンパクトになってくるとAZ-GTiでさえ大きいと思ってしまうのです。立山は歩きもありますし、荷物は軽ければ軽いほどいいです。もう少しコンパクトにならないか試してみました。ポイントは3つです。
  1. AZ-GTiを無くしてただの自由雲台に
  2. ついでに三脚も超コンパクトなものに
  3. ASI294MC Proの広いセンサー面積を利用
組み上げた様子はこんな感じです。

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重さは三脚まで合わせても1550g。これなら歩きでもほとんど苦にならないでしょう。でもコンパクトにしても使いにくかったらしょうがありません。そのため検証したいことが3つあります。
  1. 手動できちんと導入できるか?
  2. 星雲はリアルタイムで見えてすぐに見つかるか?
  3. M57などの小さな星雲を解像できるか?
ここら辺を順次確認してしていきたいと思います。


まずはいつものM57

立山でのスターウォッチングが20時くらいからだと思います。6月なので、その時間M57は確実に昇ってきています。M57を見るべく、まずはベガを目印として導入します。導入といっても自由雲台のネジを緩めて、ベガの方向に向けるだけです。ちょっと狙いをつけるのに手間取りますが、さすがに明るいのでPCの画面で見てもすぐに分かります。ただ視野角から言っても、こと座全体が入るか入らないかくらいなので、注意深くM57に向かいます。

問題はこの視野角で見るとM57は相当小さくて、恒星と区別がつきません。

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どこにあるかわかりますか?場所としては真ん中少し下の明るい2つの星の間です。拡大していくと見えてきます。

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明るい星2つを拡大します。明るい星が上下にあって、その真ん中らへんです。これでもまだ厳しいくらいですかね。

すごいのは、FMA135はかなりの解像度なので星が肥大することがほとんどありません。マイクロフォーサーズサイズのASI294MCなら四隅までほぼ完璧です。もっと拡大するとM57がちゃんと見えてきます。SharpCap上で600%まで拡大したものをiPnoneで撮影したものが下になります。これだけ拡大しても恒星とはっきりと区別できるのはさすがの性能です。

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それでもこれだけ拡大しているので、解像度はギリギリと言ったところでしょうか。中心星は残念ながら見えませんが、M57とはっきりと認識できます。


早速トラブル

でもいきなり問題点が露呈しました。気軽に机の上に置いて見ていたのですが、PCの操作をするたびに机ごと揺れるのです。

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そのため、まずM57の導入を済まし、Livestackを立ち上げたところでPCを膝の上に置いて、Livestackをリセットして画像をスタックします。そうしないとブレブレになってしまうのです。地面に置くか、別の独立した机に置いた方がいいかもしれません。

M57の結果:
  1. は一応手動で導入できたので合格。
  2. はリアルタイムで見るには小さすぎ。
  3. はギリギリ合格。
としました。


かわいいM27

次に昇りはじめのM27亜鈴状星雲です。

これはとにかく難しかったです。M57から下に下がっていけばいいのですが、目印がないと星図などと比べながらかなり注意深く移動していく必要がああります。ゆっくりやればいいのですが、お客さんがいて早く見せなくてはと焦ると多分導入できないと思います。M27はM57と比べると大きいですが、それでもかなり広角でとても小さいので、よほど注意深く画面を見ていないと見逃してしまいます。

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解りますでしょうか?下の木の左上、ぼやけた電線の少し上です。かわいいM27が見えています。時間的にも昇りはじめの頃です。

見つかった後は拡大すれば十分きれいに見ることができます。
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M57よりはだいぶん大きいので、M27ならもう十分な解像度かと思います。

M27の結果:
  1. の導入は難しい。
  2. はかろうじて星雲と認識できる。
  3. は十分解像する。
となりました。


屋根から昇る北アメリカ星雲

北に向かって白鳥座を見ます。ある程度時間が経ってくると白鳥座も昇ってくるので、観望会途中から見えてくると思います。北アメリカ星雲は相当大きいので、導入は簡単です。デネブを見つけたらその少し下にあります。ただし、やはりFMA135のF値では暗いのか、リアルタイムで見るには少し淡いです。でも場所は大体わかるので、露光時間を伸ばすかLivestackするかですぐに出てきます。

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屋根から昇る星雲シリーズですが、このネタ以前もやったことがあり、 私のお気に入りです。面白いのは、屋根と星雲の位置を調整するのに気軽に机を持ち上げて、ちょうど両方が視野に入るようにできることです。初期アラインメントとかが存在しないので、途中でも机ごとだろうがなんだろうが移動できます。

北アメリカ星雲の結果:
  1. の導入は簡単。
  2. は淡いのでリアルタイムだとちょっと厳しい。
  3. はもちろん余裕。
大きな星雲は楽です。


M8干潟星雲とM20三列星雲ここに文章を入力

一度南のほうに行きます。白鳥座が見えている頃には天の川中心も見えるようになっているでしょう。まずは大物のM8干潟星雲とM20三裂星雲です。

これは一発で導入できました。ここら辺まで明るい星雲だとFMA135でも探しながらリアルタイムで見ることができます。

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今回は自宅でのテストで、月がでいないと言っても光害もあるのでQBPをFMA135の先端に取り付けているので、三裂星雲の青はほとんど出ていませんが、立山でフィルターなしで試してみたら周りの青色も見えてくるかもしれません。本番が楽しみなところです。

M8とM20の結果:
  1. の導入は簡単。
  2. は探しながらリアルタイムで見える。
  3. 3はもちろん余裕。
明るくて大きな星雲は超快適です。


M16とM17

すぐ上のM16わし星雲、M17オメガ星雲も見つけるのは簡単です。

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評価はM8とM20と同じです。


最後は網状星雲

最後は白鳥座に戻って網状星雲。こちらは目印のデネブとサドルから少し離れているのと、やはり淡いのでリアルタイムでは見えず、導入に少し時間がかかりました。

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網状星雲結果:
  1. の導入は少し時間がかかる。
  2. は淡いのでリアルタイムだとちょっと厳しい。
  3. は視野角的にもいい感じ。
この頃には月も雲も出てきて明るくなってきたので、ここで撤収としました。

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ちなみに月も拡大するとこれくらいの解像度で見えます。

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月としては少し解像度不足の感もありますが、機材を変更しなくても見えるので、観望会ではこれくらいでも重宝するのではないでしょうか?


まとめ

FMA135とASI294MCProと自由雲台を使った超コンパクト電視観望システムですが、大きな星雲はマニュアル導入で問題ないでしょう。立山はかなり暗くて環境の良い空なので、淡くてもさらに見やすくなると思います。ただし、M57とかM27とかの小さな星雲はお客さんがいる場合はAZ-GTiがあった方が安全な気がしました。でもお客さんと一緒に導入の苦労まで楽しむとしたら、マニュアル導入でも良いかと思います。

FMA135の性能は特筆すべきだと思います。これだけ短焦点で、これだけの分解能で、この値段。相当小さいM57から大きな網状星雲の全景まで、かなりの範囲で見ることができます。鏡筒の性能が遺憾なく発揮され、これまでとは一線を画した電視観望システムです。

今回、相当コンパクトなシステムとなりましたが、ASI294MCがProでないノーマルモデルならさらにコンパクトになって、超々コンパクトシステムとか言えたかもしれません(笑)。

でももうこれだけコンパクトならカバンに常時入れておいてもいいくらいです。夜になったら突然サッと取り出して電視観望!なんかかっこよくないですか?

いや、普通の人から見たらかなり変な人ですね...。


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