先週に引き続き、今週も午前は名古屋人心の故郷のコメダ珈琲に。Twitterで昨日の画像処理研究会の議論の続きをしつつ、2時間近くも長居してました。
議論はPCCについてです。もともと昨日の研究会での議論は、PCCで撮影した画像の恒星を使い、合わせたカラーバランスは、星雲のカラーバランスにも適用できるか?というものでしたが、私の意見は星雲のカラーバランスは別物。理由はフィルターやセンサーのRBGの波長依存性があるので、たとえ恒星で合わせてもそれは必ずしも星雲のカラーバランスを保証するとは限らないのではというものです。APASSの参照カラーもTutrialにあるような特定のセンサーによって測定され、それは当然自分の持っているセンサー特性とは違うためです。
さらに今朝の議論は、星のカラーバランスも参照センサーと自分のセンサーの違いがあるので、厳密には正しくないのではないかということ。その通りかと思います。フィッティングしたグラフをよく見ると、各恒星の色データのばらつきは通常数10%程度はあり(グラフの数値は等級であることに注意、1は2.5倍の違いを表します)、それがセンサーバランスの違いと同程度のオーダーかと思います。なので、PCCはあるセンサーについてはベストエフォートのカラーバランスをしようとしているが、画像データだけからセンサー間の波長依存性の違いを補正するような魔法はないというのが私の考えです。
もう一つ別件で面白い議論をTwitterでしました。長焦点距離の電視観望は、短焦点距離の電視観望より効率が悪いのでは?というものです。シベットさんのC8での電視観望で効率が悪いという意見に端を発します。
シベットさんは実はLiveStackでとりこぼすので効率が悪いということを意味してたのですが、私は勘違いして長焦点そのものが効率が悪いと取り違えたのです。何でかというと、BKP200のF4の800mmでの電視観望と、FS-60CBでのF6の350mmでの電視観望、意外なほどFS-60CBの方が見えたりするのです。その後、cockatooさんからセンサーサイズやピクセルサイズが関係するのではという意見が出ました。最初私はあまりそれらのことは関係ないと思ってましたが、よく考えたら感度の悪いセンサーでQBPを使うと、むしろ悪化するという経験を思い出しました。もしかしたら、電視観望ではある明るさ以下になった時に途端に不利になるのではないかと考え始めました。例えば、
こんなことをずっと考えていたので、今日はコメダ珈琲では雑誌を読んだりすることもなく、午後1時前くらいに店を出ました。外が結構晴れてきてたので、自宅について少しだけ太陽撮影をしました。機材は最近流行のC8+PSTです。
太陽のHα像をまずはぐるっと見回すと、プロミネンス がいくつか出ています。光球面はダークフィラメントが少しありますが、あまり興味を引かれるほどではありませんでした。プロミネンス を4ショット撮っておしまい。その中の一つは結構大きくて、リング構造まで出すことができました。
もう少しプロミネンス の細かい構造が出て欲しい気もしますが、結構迫力はあるのでまあ満足です。
ついでにASI290MMのセンサー面の掃除をしました。細かいゴミがついているみたいで、黒いスポットを作っています。保護ガラスを外してもゴミがまだ見えたので、どうもセンサー面に直接ゴミがついているようです。目で見ても全くわかりません。綿棒でそれらしいところを擦ります。カメラをセットし、太陽を見て確認して、ホコリがまだ残っていればまた清掃というのを何度か繰り返します。ホコリが全て取れたことを確認してから、再び保護ガラスをかぶせて元に戻します。
これで次回以降はもう少しまともに撮れるはずです。
PCCのカラーバランスについて
議論はPCCについてです。もともと昨日の研究会での議論は、PCCで撮影した画像の恒星を使い、合わせたカラーバランスは、星雲のカラーバランスにも適用できるか?というものでしたが、私の意見は星雲のカラーバランスは別物。理由はフィルターやセンサーのRBGの波長依存性があるので、たとえ恒星で合わせてもそれは必ずしも星雲のカラーバランスを保証するとは限らないのではというものです。APASSの参照カラーもTutrialにあるような特定のセンサーによって測定され、それは当然自分の持っているセンサー特性とは違うためです。
さらに今朝の議論は、星のカラーバランスも参照センサーと自分のセンサーの違いがあるので、厳密には正しくないのではないかということ。その通りかと思います。フィッティングしたグラフをよく見ると、各恒星の色データのばらつきは通常数10%程度はあり(グラフの数値は等級であることに注意、1は2.5倍の違いを表します)、それがセンサーバランスの違いと同程度のオーダーかと思います。なので、PCCはあるセンサーについてはベストエフォートのカラーバランスをしようとしているが、画像データだけからセンサー間の波長依存性の違いを補正するような魔法はないというのが私の考えです。
長焦点距離の電視観望
もう一つ別件で面白い議論をTwitterでしました。長焦点距離の電視観望は、短焦点距離の電視観望より効率が悪いのでは?というものです。シベットさんのC8での電視観望で効率が悪いという意見に端を発します。
シベットさんは実はLiveStackでとりこぼすので効率が悪いということを意味してたのですが、私は勘違いして長焦点そのものが効率が悪いと取り違えたのです。何でかというと、BKP200のF4の800mmでの電視観望と、FS-60CBでのF6の350mmでの電視観望、意外なほどFS-60CBの方が見えたりするのです。その後、cockatooさんからセンサーサイズやピクセルサイズが関係するのではという意見が出ました。最初私はあまりそれらのことは関係ないと思ってましたが、よく考えたら感度の悪いセンサーでQBPを使うと、むしろ悪化するという経験を思い出しました。もしかしたら、電視観望ではある明るさ以下になった時に途端に不利になるのではないかと考え始めました。例えば、
- QBPで背景光が小さくなった結果、ノイズ(広がり)が大きくて中央値の小さい(例えば)リードノイズとかADCの量子化ノイズに埋もれた場合と
- QBPなしで、ノイズ(広がり)が小さくて中央値の大きい背景光に乗っかった場合
の違いです。まだアイデアだけですが、定量的に評価できたら機材にある一定の制限をあたえることができそうです。
自宅へ帰って、太陽撮影
こんなことをずっと考えていたので、今日はコメダ珈琲では雑誌を読んだりすることもなく、午後1時前くらいに店を出ました。外が結構晴れてきてたので、自宅について少しだけ太陽撮影をしました。機材は最近流行のC8+PSTです。
太陽のHα像をまずはぐるっと見回すと、プロミネンス がいくつか出ています。光球面はダークフィラメントが少しありますが、あまり興味を引かれるほどではありませんでした。プロミネンス を4ショット撮っておしまい。その中の一つは結構大きくて、リング構造まで出すことができました。
- 撮影日時: 2021/1/31 14:35から14時45分
- 撮影場所: 富山県富山市自宅
- 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
- エタロン: Coronado P.S.T.
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- カメラ: ZWO ASI290MM
- 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
- 撮影条件: ser形式でgain 150-170, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%を使用
- 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理
センサーのお掃除
ついでにASI290MMのセンサー面の掃除をしました。細かいゴミがついているみたいで、黒いスポットを作っています。保護ガラスを外してもゴミがまだ見えたので、どうもセンサー面に直接ゴミがついているようです。目で見ても全くわかりません。綿棒でそれらしいところを擦ります。カメラをセットし、太陽を見て確認して、ホコリがまだ残っていればまた清掃というのを何度か繰り返します。ホコリが全て取れたことを確認してから、再び保護ガラスをかぶせて元に戻します。
これで次回以降はもう少しまともに撮れるはずです。