7月31日は火星大接近。地元の富山市科学博物館でも大観望会が開かれます。
私もC8を持って参戦するため、前日に実際の機材をセットして最終チェックです。最近はMEADEの250mmをずっと触っていたので、C8は久しぶりです。とにかく軽い。20cmと口径は少し落ちますが、 随分と軽く感じます。あと、MEADEよりよく見える気がします。多分解像度の差ではなくて、光軸調整なのかと思いますが、未だにMEADEで満足に光軸が合ったと思えたことがありません。一方C8はかなり以前に気合を入れて合わせて綺麗に見えて以来、ほとんど微調整のみです。今回アイピースで見ても、星々がものすごくシャープに見えました。
この日はシーイングが良かったのもあるのでしょう。肝心の火星も綺麗見えていました。ASI224MCでちょっとだけ撮影してみましたが、砂嵐の影響がまだあるにもかかわらず、だいぶん模様が出ました。さすが最接近時です。結構気楽に撮ったのですが、私の中ではこれまででベストの火星です。
それでも眼視だと模様を見るのは辛く、本当にうっすらと何か黒っぽいところがあるかな?でも気のせいかな?といったところで、やはり砂嵐の影響はまだまだ出ているようです。
ついでにせっかくなので、先日購入したCelestronのMars Observing Filterを試してみました。 まずは眼視です。全体が紫っぽくなるのは、緑波長を透過させないというフィルターそのものの特性です。肝心の火星の模様ですが、フィルターなしで見えなかったのが、フィルターをつけると期待も混じってかほんの心持ち黒っぽくなるような気もしました。でもまあ、はっきり言ってしまうと誤差の範囲かと思います。そもそも3倍バローと20mmのアイピースで見ていたのですが、まだ明るすぎる気がします。模様が薄いので明るさに負けていると言うような意味です。
一方CMOSカメラにこの火星フィルターを取り付けて見てみました。比較してみます。最初がフィルターなし。
次がフィルターありです。
画面を撮影したものを比べても分かる通り、CMOSカメラの場合はフィルターをつけた方が明らかに黒い模様が見えやすくなったと「最初は」思いました。それでも、やはりこのフィルターは本質的には緑を落としてコントラストを上げているので、フィルターなしでCMOSカメラのカラーバランスを崩して緑を相対的に減らすと、同じようにコントラストが上がって見えます。また、フィルターをつけた状態で、カラーバランスをいじって相対的に緑をあげると、やはり同様に見にくくなります。
ここで色々と考えさせられてしまいました。まずカメラは人間の目に比べて圧倒的に多機能です。
一方、人間の目はなかなか調整が効きません。今回の火星観測フィルターを使うことで、人間の目に対して、ある特定の波長の透過率を変える機能を手に入れることができ、色のバランスを変えて、結果としてコントラストを上げていると言うわけです。そこでなのですが、果たしてこの「見やすくするためにカラーバランスを変える」のはアリなのか?と言うのが今回考えさせられたことです。
多分普通は、カメラを使った天体の撮影でカラーバランスが取れていない場合、おそらく非難ゴウゴウでしょう。実際、カラーバランスが取れていないのと、カラーバランスをあえて崩すのは違うことかと思います。なので疑問としては、「カメラでカラーバランスを変えてまで写りを良くするのはアリか?」ということなのかと思いますが、眼視でこれが認められるならば、カメラでも認めざるを得ないのではと言うしかないと思います。もちろん撮影をして残るような画像のカラーバランスがずれているのはあまりいただけないですが、普通の観望会でのアイピースを使った観望や電視観望で一時的に見るときに、カラーバランスをずらしても見やすくするのはアリなのだと思わされた一件でした。
今書いてて思いましたが、この考えがSAOカラー合成とかにつながるのでしょうかね?なんかちょっとフィルターを使った撮影も興味が出てきました。
とりあえず結論としては、電視に使うCMOSカメラは高機能すぎて、火星フィルターでできるようなことは標準の機能でできてしまう。なので、この火星フィルターは眼視限定ということが言えると思います。
あと、どうもこの火星フィルターは(一部の波長を)「暗くする」ことでコントラストを上げているので、明るすぎる鏡筒よりも、もう少し口径の小さい屈折とかで見る方が適しているのかもしれません。本番の観望会では、SukeがSCOPETECHの6cmを持っていくので、意外にそちらの方がこのフィルターが生きるのかもと推測しました。今晩試してみます。
私もC8を持って参戦するため、前日に実際の機材をセットして最終チェックです。最近はMEADEの250mmをずっと触っていたので、C8は久しぶりです。とにかく軽い。20cmと口径は少し落ちますが、 随分と軽く感じます。あと、MEADEよりよく見える気がします。多分解像度の差ではなくて、光軸調整なのかと思いますが、未だにMEADEで満足に光軸が合ったと思えたことがありません。一方C8はかなり以前に気合を入れて合わせて綺麗に見えて以来、ほとんど微調整のみです。今回アイピースで見ても、星々がものすごくシャープに見えました。
この日はシーイングが良かったのもあるのでしょう。肝心の火星も綺麗見えていました。ASI224MCでちょっとだけ撮影してみましたが、砂嵐の影響がまだあるにもかかわらず、だいぶん模様が出ました。さすが最接近時です。結構気楽に撮ったのですが、私の中ではこれまででベストの火星です。
富山県富山市下大久保 2018/7/30 23:42
C8 + X-Cel LX 3x Barlow + CGEM II + ZWO ASI224MC
F30, 5.0ms, 70fps, gain 330/600, 2500/5000 frames
それでも眼視だと模様を見るのは辛く、本当にうっすらと何か黒っぽいところがあるかな?でも気のせいかな?といったところで、やはり砂嵐の影響はまだまだ出ているようです。
ついでにせっかくなので、先日購入したCelestronのMars Observing Filterを試してみました。 まずは眼視です。全体が紫っぽくなるのは、緑波長を透過させないというフィルターそのものの特性です。肝心の火星の模様ですが、フィルターなしで見えなかったのが、フィルターをつけると期待も混じってかほんの心持ち黒っぽくなるような気もしました。でもまあ、はっきり言ってしまうと誤差の範囲かと思います。そもそも3倍バローと20mmのアイピースで見ていたのですが、まだ明るすぎる気がします。模様が薄いので明るさに負けていると言うような意味です。
一方CMOSカメラにこの火星フィルターを取り付けて見てみました。比較してみます。最初がフィルターなし。
次がフィルターありです。
画面を撮影したものを比べても分かる通り、CMOSカメラの場合はフィルターをつけた方が明らかに黒い模様が見えやすくなったと「最初は」思いました。それでも、やはりこのフィルターは本質的には緑を落としてコントラストを上げているので、フィルターなしでCMOSカメラのカラーバランスを崩して緑を相対的に減らすと、同じようにコントラストが上がって見えます。また、フィルターをつけた状態で、カラーバランスをいじって相対的に緑をあげると、やはり同様に見にくくなります。
ここで色々と考えさせられてしまいました。まずカメラは人間の目に比べて圧倒的に多機能です。
- 光を蓄積することができる
- 光を減らすこともできる
- 色に対して感度がいい
- 色のバランスを変えることができる
- シャープさを失う
- ダイナミックレンジが小さい
一方、人間の目はなかなか調整が効きません。今回の火星観測フィルターを使うことで、人間の目に対して、ある特定の波長の透過率を変える機能を手に入れることができ、色のバランスを変えて、結果としてコントラストを上げていると言うわけです。そこでなのですが、果たしてこの「見やすくするためにカラーバランスを変える」のはアリなのか?と言うのが今回考えさせられたことです。
多分普通は、カメラを使った天体の撮影でカラーバランスが取れていない場合、おそらく非難ゴウゴウでしょう。実際、カラーバランスが取れていないのと、カラーバランスをあえて崩すのは違うことかと思います。なので疑問としては、「カメラでカラーバランスを変えてまで写りを良くするのはアリか?」ということなのかと思いますが、眼視でこれが認められるならば、カメラでも認めざるを得ないのではと言うしかないと思います。もちろん撮影をして残るような画像のカラーバランスがずれているのはあまりいただけないですが、普通の観望会でのアイピースを使った観望や電視観望で一時的に見るときに、カラーバランスをずらしても見やすくするのはアリなのだと思わされた一件でした。
今書いてて思いましたが、この考えがSAOカラー合成とかにつながるのでしょうかね?なんかちょっとフィルターを使った撮影も興味が出てきました。
とりあえず結論としては、電視に使うCMOSカメラは高機能すぎて、火星フィルターでできるようなことは標準の機能でできてしまう。なので、この火星フィルターは眼視限定ということが言えると思います。
あと、どうもこの火星フィルターは(一部の波長を)「暗くする」ことでコントラストを上げているので、明るすぎる鏡筒よりも、もう少し口径の小さい屈折とかで見る方が適しているのかもしれません。本番の観望会では、SukeがSCOPETECHの6cmを持っていくので、意外にそちらの方がこのフィルターが生きるのかもと推測しました。今晩試してみます。