先日Polaris 80Lのマニュアル赤道儀に取り付けたモーターで、実際の星を見ていくつか追尾実験をしてみました。
まず極軸をiPhone5の方位磁針と角度センサーだけで適当に合わせた状態でためしました。1200mm の焦点距離の鏡筒に、20mmの焦点距離のアイピースをつけた60倍の倍率で試しています。安いアイピースなので見かけの視野角がわからないのですが仮に45度と仮定すると、視野角は0.75度となります。
自動追尾なしだとすると、天の赤道儀上の星は1時間あたり15度進むので、0.75度だと3分で視野の端から端まで移動してしまうことになります。実際に測って見ると、真ん中に入れたターゲットが1分40秒程度で真ん中と端の中間くらいまできてしまいました。天の赤道からは少し外れた星を狙ったのと、多少の誤差はあるのですが、まあほぼ計算通りです。
さて、この状態で同じ星を自動追尾をオンにして実測すると、真ん中に入れたターゲットが20分程度で真ん中と端の中間くらいまできてしまいます。これだけでも自動追尾無しよりははるかに安心して見ることができます。
自由研究の範囲で決めた要求値は、「真ん中に入れたターゲットが、10分経っても真ん中と端の中間を超えない」というものですから、すでに今の状況で満たしています。まあこれは元々は重りで自動追尾するとしたときの要求値なので、かなりゆるいです。
今回モーターを入れたので、実際に極軸をきちんと合わせたらどれくらいの精度で自動追尾ができるのかは興味があります。
2017/8/21の晩、庭に出るとちょっとぼやけてますが星は十分見えるので、CMOSカメラを取り付けてSharpcapの極軸合わせで合わせこみました。赤道儀全体を移動する微動装置がついていないすが、足ずらしや、ピッチネジのマニュアル微調整で、東西方向は20秒角程度、南北方向は2分角程度までは合わせ込むことができました。この時代の赤道儀だと多分ありえないくらいのいい精度だと思います。
この状態でアルタイルを導入し、アイピースで観察しました。自動追尾なしだと、4分33秒で視野の端から端まで移動してしまいました。
さて、いよいよ自動追尾した場合です。結果はなんとアルタイルは1時間経ってもアイピースの真ん中から目で見てわかる範囲では全く動くことはありませんでした。
さすがにこれだとあまりに定量的に何も言えていないので、極軸合わせの時につけたCMOSカメラでどれくらい動くか評価してみました。カメラには焦点距離50mmのレンズがつけてあります。カメラのサイズは1/3インチなので、4.8x3.6mmになり、画角は水平方向で約5.5度を見ていることになります。解像度は1304x976ピクセルなので、1ピクセルあたり15秒になります。
まずは自動追尾なしの場合。5分20秒間の移動ですが、当たり前のようにかなりの速さで動いていきます。ピクセル数から計算すると、約313ピクセル動いているの、この時間内に1.3度程度動いていることになります。1時間あたりに直すと14.6度程度動くことになります。
次に自動追尾ありの場合。動画で見てみます。ちょうど1時間分をタイムラプス映像にしました。
見ている限り、DC的な位置はほぼ固定で、かなりsin波に近い10分周期のピリオディックモーションだけが見えています。画像から解析して見ると、ピリオディックモーションの幅は(解像度があまり良くないので誤差も大きいですが)+/-2.5ピクセル程度になります。なのでこの赤道儀のピリオディックモーションは+/-38秒程度ということになります。以前測定したAdvanced VXが+/-15秒程度だったので、約倍と言ったところでしょうか。40年近く前の手動赤道儀だと思うと、十分な精度かと思います。
比較明合成して、ピリオディックモーションを除いたドリフトの最大幅を調べると赤緯方向(下の写真の縦方向)に4ピクセル、約60秒角になります。1時間あたりでわずか60秒角のズレなので、十分すぎるくらいの精度です。
このズレは極軸合わせの精度から来ているものと思われます。
目的の自動追尾は達成できたと言っていいでしょう。赤道儀としては、アイピースで見るぶんには十分すぎるほどの精度だと結論づけていい思います。
次は一軸ガイド撮影に挑戦でしょうか?
娘が興味を持てばですが。
極軸出しと測定に使った、ASI224MCが鏡筒に取り付けてあり、
赤く見えるのがわかると思います。
赤く見えるのがわかると思います。
まず極軸をiPhone5の方位磁針と角度センサーだけで適当に合わせた状態でためしました。1200mm の焦点距離の鏡筒に、20mmの焦点距離のアイピースをつけた60倍の倍率で試しています。安いアイピースなので見かけの視野角がわからないのですが仮に45度と仮定すると、視野角は0.75度となります。
自動追尾なしだとすると、天の赤道儀上の星は1時間あたり15度進むので、0.75度だと3分で視野の端から端まで移動してしまうことになります。実際に測って見ると、真ん中に入れたターゲットが1分40秒程度で真ん中と端の中間くらいまできてしまいました。天の赤道からは少し外れた星を狙ったのと、多少の誤差はあるのですが、まあほぼ計算通りです。
さて、この状態で同じ星を自動追尾をオンにして実測すると、真ん中に入れたターゲットが20分程度で真ん中と端の中間くらいまできてしまいます。これだけでも自動追尾無しよりははるかに安心して見ることができます。
自由研究の範囲で決めた要求値は、「真ん中に入れたターゲットが、10分経っても真ん中と端の中間を超えない」というものですから、すでに今の状況で満たしています。まあこれは元々は重りで自動追尾するとしたときの要求値なので、かなりゆるいです。
今回モーターを入れたので、実際に極軸をきちんと合わせたらどれくらいの精度で自動追尾ができるのかは興味があります。
2017/8/21の晩、庭に出るとちょっとぼやけてますが星は十分見えるので、CMOSカメラを取り付けてSharpcapの極軸合わせで合わせこみました。赤道儀全体を移動する微動装置がついていないすが、足ずらしや、ピッチネジのマニュアル微調整で、東西方向は20秒角程度、南北方向は2分角程度までは合わせ込むことができました。この時代の赤道儀だと多分ありえないくらいのいい精度だと思います。
この状態でアルタイルを導入し、アイピースで観察しました。自動追尾なしだと、4分33秒で視野の端から端まで移動してしまいました。
さて、いよいよ自動追尾した場合です。結果はなんとアルタイルは1時間経ってもアイピースの真ん中から目で見てわかる範囲では全く動くことはありませんでした。
さすがにこれだとあまりに定量的に何も言えていないので、極軸合わせの時につけたCMOSカメラでどれくらい動くか評価してみました。カメラには焦点距離50mmのレンズがつけてあります。カメラのサイズは1/3インチなので、4.8x3.6mmになり、画角は水平方向で約5.5度を見ていることになります。解像度は1304x976ピクセルなので、1ピクセルあたり15秒になります。
まずは自動追尾なしの場合。5分20秒間の移動ですが、当たり前のようにかなりの速さで動いていきます。ピクセル数から計算すると、約313ピクセル動いているの、この時間内に1.3度程度動いていることになります。1時間あたりに直すと14.6度程度動くことになります。
次に自動追尾ありの場合。動画で見てみます。ちょうど1時間分をタイムラプス映像にしました。
見ている限り、DC的な位置はほぼ固定で、かなりsin波に近い10分周期のピリオディックモーションだけが見えています。画像から解析して見ると、ピリオディックモーションの幅は(解像度があまり良くないので誤差も大きいですが)+/-2.5ピクセル程度になります。なのでこの赤道儀のピリオディックモーションは+/-38秒程度ということになります。以前測定したAdvanced VXが+/-15秒程度だったので、約倍と言ったところでしょうか。40年近く前の手動赤道儀だと思うと、十分な精度かと思います。
比較明合成して、ピリオディックモーションを除いたドリフトの最大幅を調べると赤緯方向(下の写真の縦方向)に4ピクセル、約60秒角になります。1時間あたりでわずか60秒角のズレなので、十分すぎるくらいの精度です。
このズレは極軸合わせの精度から来ているものと思われます。
目的の自動追尾は達成できたと言っていいでしょう。赤道儀としては、アイピースで見るぶんには十分すぎるほどの精度だと結論づけていい思います。
次は一軸ガイド撮影に挑戦でしょうか?
娘が興味を持てばですが。