ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2017年06月

CANPから帰って、いろいろ忙しくて画像処理が追いついていませんでした。やっとCANP前の2016年6月14日、実はこの日は誕生日だったのですが、かなりシーイングがよさそうなのと、大赤班が21時ころから現れるので、前回と同じくC8での撮影となりました。

前回からの進展ですが、これまで撮影時にDebayerをしていたのでSERファイルを8bitでしか保存していなかったのを、Debayerを解いて16bitのオプションにきちんとチェックを入れたとです。これが結果にどのくらい影響があるかは後日検証するとして、とりあえず今回まずは16bitで撮影することができました。

実際の撮影は3倍バローで5000フレームを4本、その後5倍バローで4本撮りました。まだHDDの容量が余っていたので、大赤班の移動を見るために5分くらいおきにあと7本撮ったのですが、徐々にシーイングが悪くなっていったように思います。

シーイングに関しては、最初はピント合わせで衛星を使っていたのですが、その衛星も徐々に見えにくくなっていったのと、大赤班もそれに伴って動画で確認しにくくなってきたので、1時間くらいの間にシーイングは結構変わっていったことになります。

画像処理を試したのですが、結局後半の方が5倍バローで画素が細かいだろうことと、大赤斑がより真ん中に来ていたので、こちらを処理することにしました。しかしながらかなりノイジーだったので、後半の11枚をWiJUPOSで全て使って一枚の画像にしました。そのため端のほうのクオリティーが落ちてがしまっています。


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富山県富山市 2017/6/14 21:33:09

C8 + Explore Scientific x5 barlow lense + ASI224MC + Advanced VX


F50, f=10000mm, Shutter 5ms, fps79, gain 480, 3000/10000frames x 11sets


やっと念願の大赤班を取ることができました。シーイングはよかったのですが、処理をするとあまり大したことはなかったのが少し残念です。

うわさですごいと聞いていたCAN(CCD Astronomy Network)の年一度の集まりのCANP2017に、車で富山から栃木県大田原市まで参加して来ました。CANPといってもテントに泊まるとかするわけではなく、普通の大きな部屋に集まってする天文の研究会です。

当日夜中の1時頃に目を覚まし、シャワーを浴びたり準備をしたりしていたら結局出発は3時頃になってしまいました。長距離なので余裕を持っての出発です。高速で夜明けに見た金星が印象的でした。途中横川で少しだけ仮眠をとった以外は至って順調で、8時頃には矢板インターを出て、少し寄り道をして9時頃には現地に到着しました。

研究会は午後からでまだ余裕があったので、付属の天文館という施設に行って来ました。ホテル宿泊者は料金が100円になるので一旦フロントに行ったりして、ちょっと開始時間の9時半に遅れてしまいましたが、客は朝も早いので私一人。三鷹光器の65cmのカセグレン型反射望遠鏡で金星を、タカハシのTSA-102で太陽を見せてもらいました。65cmは福島のスターライトフェスティバルで行った星の村天文台の65cmと同じものらしく、設置の際には色々助言をもらったとのことでした。途中お客さんが二人増え、3人で星座紹介の映像を見ておしまい。市でこれだけの施設を持っているのは羨ましいです。


IMG_2014


天文館が終わってもまだ時間があったので車の中で少し昼寝をして、昼少し前に会場に行ってみると準備が始まっていたので、お手伝いがてら受付を済ませました。その間に自分の展示の準備をしました。今回初参加ながら電視観望を実物とともに展示紹介させて頂きました。いつものRevolution ImagerASI224MCです。Revolution Imagerは50mmのCマウントレンズをつけてモニターに表示し、ASI224MCはFS-60CBに取り付けて展示しました。さらにパワポで自動で流れる3分くらいの紹介ファイルを作ってそれをずっと繰り返して流しておきました。準備の途中から興味を示してくれる方が何人もいらっしゃいました。実はこの展示をしていいのかどうか少し心配していて、というのも、元々この研究会はCCDでできるだけ綺麗に天体を写すというものから始まっているので、観望会用の一般の人向きとはいえとりあえず色付きで星雲が見えるというコンセプトが受け入れられるかどうかわからなかったからです。でも実際にはその心配は全く杞憂で、やはり観望会で同じように星雲をアイピースで見せて、写真などで見た星雲との違いにがっかりして帰って行く人たちを見ている人も多いので、かなり共感を得たようです。特にRevolution Imagerは計算機いらずの手軽さが伝わったのか、日本で買うことはできないのかと何人かの方から聞かれました。初日の公演が終わってからの展示の紹介の時には全員の方に説明を聞いてもらえ、かなり電視観望の宣伝になったと思います。

さて、メインの講演の方ですが、 さすがに噂通りレベルが高くてとてもおもしろいです。
  • 最初の天文のための電子工作は実物のSS-Oneを交えての話で、回路も好きな自分としては非常に興味深いものでした。マイクロステップモーターが自動導入の最高速度と最小分解能の比を良くするというのは知らなかったので参考になりました。
  • 次の引退後の天文ライフのお話は、タイトルからは全く想像できない天体ドームのリモート制御の話で、施設レベルの電源が必要になるなど自分の経験を交えての話で、将来天文ドームを持つ時にとても役に立ちそうでした。定年後20年も楽しめるなら、天文はすごくいい趣味なのかと思います。
  • 木星の話は閃光のビデオがインパクトがありました。富山の方が撮ったそうですが、隕石などが落ちた時に出る光だそうです。惑星は最近少し試しているので、聴きやすかったです。月惑星研究会に報告してほしいとのことでしたが、自分のレベルで報告していいものなのか少し心配です。質問したら構いませんとのことでしたが...。
  • 初日最後の話はRAW現像でノイズが落とせるという話で、空間的にスタックをするというが原理のようです。DXOというソフトに実装されているとのことですが、高い方のエリート版を買わないとこの機能はついてこないので注意とのことです。ディテールを壊さずにノイズを減らす威力はかなりのもののようでした。

4つの講演後、展示紹介があり、6人の展示を司会の方がインタビューする形式で紹介していきました。
  • 個人的には極軸にエンコーダー付きのシャフトを入れてピリオディックモーションを減らす機器が興味を引きましたが、値段もなかなかのものでした。
  • 展示の一つに、日本でもトップクラスの方の写真が紹介されていて、そのクオリティは圧巻でした。司会の方自身も興味があるようで、すごく細かいところまで突っ込んでインタビューしていました。
  • 大ベテランの方の写真や機器の紹介があったのですが、私は自分の紹介が終わったところでホッとしてあまり聞けていなくて、記憶に残っているのがフライパンと鍋を使ったタカハシのミューロンの鏡筒部の改造で、海外でこれで組み立てたとのことです。夜中の懇親会でこの方にこれまでの望遠鏡の歴史の写真をいろいろ見せていただいたのですが、すごい数で、どれも個性的で面白いです。幾つの望遠鏡を作ったのかお尋ねしたのですが、どういう定義で幾つと数えたらいいのかわからないとの答えでした。要するに数え切れないくらいたくさんということです。
  • 他にも4Kカメラの紹介や、日食の撮影機器の紹介など、まだ手を出せていない分野のものですが、どれも機器としてはとても面白そうなものでした。 
  • 自分の展示の紹介もなんとか思っていることを伝えることができました。あくまで観望会などの目的で究極的に天体を綺麗にみるものではないので、もしかしたらこんなものはあまり価値がないとか言われるかもとも思ったのですが、インタビューでも色々聞かれ、その後もかなりの人から好印象のコメントや質問をいただいたので嬉しかったです。
その後の夕食を兼ねた懇親会では、色々な方とお話しさせていただきました。天文雑誌の天体写真コーナーによく名前を見る方たちもたくさん来ていましたし、自分で機械工作や電気工作したりする方や、独自で天体ソフトを開発している方もいて、普段ではなかなか聞くことのできないとても有益な話をたくさんすることができました。特に画像解析に関してはこれまでプロブラミングをしたことがないので、実際の開発の話なども聞け、すごく参考になりました。

真の意味での懇親会は9時以降に始まる第2部からでしょう。宿泊部屋の何部屋かが解放され、そこに10人20人と入り込み、それぞれ色々なテーマで気のあった人たちとの話が 、色々なところで始まります。みんな星や宇宙が好きな人ばかりなので、どこもすごく盛り上がります。かなり専門的なことから、本当にどうでもいいくだらないこと、ここではかけないような裏話まで、夢のような時間でした。私は二部屋をはしごして、1時半頃に自分の部屋に戻ったら、そこでもまだ話が続いていて、結局2時過ぎまで話していました。

朝は寝坊して7時半過ぎに起こされたのですが、急いで朝食をとり、部屋を後にして2日目の公演に入ります。
  • 一つ目の講演は撮影に関しての、恐らく今の日本の天体写真で最も活躍されている方のお話です。この講演には参りました。お話自体もとてもうまく、なんども笑いが起こったのですが、それにも増して内容が素晴らしかったです。すごいレベルで、緻密に、計画的に、理念を持って、論理立てて撮影を進めています。もちろん撮影に時間をかける努力もしていて、その姿勢にも驚かされます。短期間の間に多くの入賞をされているのも当然というくらいの進め方で、すごく納得させられました。なかなか真似もできないでしょうし、真似をしても仕方ないのですが、その方向性や姿勢は自分にないところなので、できる限り取り入れるべきだと強く思いました。
  • 次の天体写真の活用についての話は、CGクリエイターらしい切り口で、面白い映像を紹介してくれました。また、惑星状星雲と超新星爆発の色と元素の関係を考えるなど、科学的に考えると面白いという話はすごく共感できました。
  • アストロアーツのステライメージの紹介講演がありました。私は11月に前バージョンを買ったばかりなので、まだ最新版にバージョンアップしていないのですが、思ったより進化していてバージョンアップの価値があると思いました。日食撮影ソフトの紹介もあり、次の日食撮影の講演と合わせて、ほんの数分の皆既日食にかける情熱が伝わってきました。今回の皆既日食はアメリカで、私は見に行きませんが、太陽を始めていたらどうしても行きたくなっていたかもしれません。

帰りに仲良くなった方を乗せて駅まで車で行きました。その中で教えてもらったのですが、まだまだ関西にも面白い方達がたくさんいるようです。来年は関西の開催ということでますます楽しみです。帰り道、マヨネーズとんこつラーメンというちょっと変わったラーメンを食べてから富山までまた5時間の運転でした。途中眠くて少し昼寝したのですが、無事に自宅に着くことができました。

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二日間の研究会でしたが、とても濃い内容で、来ている方も興味深い方が多く、たくさんの方と知り合いになることができました。初参加で温かく迎えていただきありがたく思っています。来年もぜひ参加したいと思っています。


6月11日、県天の例会終了後、Costcoによって買い物と夕食をすませてから、去年に引き続き今年もホタルの撮影に向かいました。去年は完全な曇りだったので、星と関係のない写真になってしまったのですが、今年は何としても星と一緒に写したいと気合を入れて行きました。全然関係ないですが、コストコの北海道ソフトクリームは無茶苦茶美味しいです、生クリームを食べているみたいです。しかもそれほど甘くない。よく売っている名物クラスのソフトクリームよりはるかに美味しかったです。あの味とあの量で200円は安すぎです。 

さていつものホタルの場所に来たのですが、まだ明るくて誰もいません。30分くらいして午後8時前頃でしょうか、少し薄暗くなってくると、ホタルも光り出してきて、程なくしてやっと他の見物の人達も何人か現れはじめました。明るいうちはまだ空は晴れていたのですが、まず暗い東側が雲に覆われてしまい、西側に構図を移し暗くなるのを待っているうちに、西側もだんだん雲が出て来てしまいました。仕方ないので空の面積を減らし、ホタルの地上の面積を増やしました。

ホタルが飛び始めた頃には半分以上雲に覆われてしまいましたが、ホタルは今年も相変わらず綺麗でした。その頃には15人くらいの人がいて、撮影の間に木星と土星が見えたので、何人かの人と少し星空観察をすることもできました。画像はぜひクリックして拡大して見て欲しいです。少しだけですが星が写っているのがわかるかと思います。


output_comp

富山県富山市, 2017年6月11日20時33分から20時54分
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO800), 露出20秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
JPEG56枚をSiriusCompで比較明合成

もうこの場所何回目になるでしょうか。富山に来てから結構すぐに来たので、多分5-6回以上になると思います。今年も無事にホタルが見えて良かったです。いつかホタルと天の川を撮って見たいですが、これは相当難しいですね。


2016/6/10の夜8時ころ、空が少し晴れてきたので自宅で何か見ようと思い望遠鏡を出し始めたところに、県天のK会長から電話があり、明日の県天の例会での画像講習会の講師をやってくれないかと、突然の依頼がありました。しかも今牛岳にいるとこのことで、とりあえず講演の準備はそっちのけで、せっかく出した望遠鏡をしまい急きょ娘のNatsuと一緒に牛岳に行くことにしました。

満月なのと、雲が少し出ているので、来ているのはKさんだけで、ほかの一般の人も全部で数人夜景を見に来たくらいの、寂しい状態でした。講演の準備はまあ朝にでもやればいいやと、C8とFS-60CBを出して、まったり話しながら、晴れ間を待っているような感じでした。Natsuはシートをひいて毛布にくるまりながら寝袋の中へ、一体何のために来たのかと思うくらい一瞬で眠りにつきました。

この日はうす曇りが続くのですが、アイピースで見ても木星の縞がはっきり見え、土星もカッシーニの間隙までくっきり見えます。撮影をする気はあまりなかったのですが、これだけシーイングがいいのなら今年まだ撮っていない土星を撮っておこうと思い、撮影を開始しました。

木星では気にならなかった大気収差が、土星だと動画の時点ですごく気になります。というわけで昨年買って結局使う機会がなかったADCを初めてまともに使ってみました。FireCaptureには赤と青を分離してサークルで表してくれる機能があるので、それを見ながら合わせます。基本的に大気収差は水平に対して縦方向にのみ出るので、ADCは最初水平に設置してやります。縦方向の収差成分はほぼ消えるのは確認したのですが、横方向の収差成分が、残ったというよりは最初より大きくなった気がします。ADCの水平の精度の問題なのか、もう少し調査する必要があります。

さて、撮り終わった動画を見るだけでも、カッシーニの間隙が綺麗に撮れています。これは処理が楽しみです。

と、次の日の朝に動画ファイルを改めて見ていたら、致命的なことに気づきました。なんとSERファイルが8bitで撮影されているのです。FireCaptureを注意深くみると、ROIの設定のすぐ上のところに16bitで撮影するオプションがあるではないですか。今まで全く気づいていませんでした。それでもこれまで木星もそこそこは出ているので、ビット数はそこまで影響ないのかもしれません。

結局その晩は3倍バローで4本、5倍バローで4本、それぞれ5000フレームとってHDDがいっぱいになったので終了としました。土星を撮影したら満足してしまって、夜中の12時半頃に解散となりました。自宅に着いた時には空に結構雲がかかっていました。


県天の例会で土星の動画を見せても、結構取れているのではとの評判でした。例会では惑星撮影の講演がNさん。星雲の画像処理の担当が私でした。惑星の方は撮影時にフリップミラーを使うと楽だというのや、議論の中であったDebayerをせずに録画した方がfpsを稼げるなど、有益な情報がいくつもありました。私がこれまでDebayerしてもfpsが出ていたのは8bitで録画していたからかもしてません。後日チェックし直します。

講演の方ですが、私の担当分はなにぶん昨日の今日で、朝の準備しかできなかったので、パワポで作った初心者向けの大まかなものと、以前のこのブログの記事をワードでまとめた細かいものの2本立てとしました。みなさんやはり興味があるので、トーク中も質問が次々でて、かなり盛り上がって楽しかったです。ただ、後半は少し細かい話になりすぎた感もあり、画像処理をやったことがない人にとっては初めて聞く単語ばかりになってしまい、少し申し訳なかったです。でもやはり画像処理はソフトに依存した話になってしまうのもある意味仕方なく、皆さんの使い方もいろいろ聞くことができたので、個人的にはすごく有益な講習会でした。


とりあえず土星の撮影時のパラメータとファイルを処理したので、アップします。5倍バローの方を処理しました。

2017-06-10-1510_0-RGB_rot

富山県牛岳 2017/6/11 00:07:05
C8 + Explore Scientific x5 barlow lense + ZWO ASI224MC + Advanced VX 
F50, Shutter 15ms, 65fps, gain 560, 6000/20000 frames
 

C8にしてはかなりでているのではないでしょうか。やはり気流のいい日は結果もよくなるのだと思います。昨年撮った土星がこちらになります。こちらと比較してもだいぶんよくなっているのがわかります。シーインが良かったせいもあるかと思いますが、ADCを使ったことと、昨年から画像処理の技術も向上しているのだと思います。

2017年6月9日、この日は満月。先日までの木星撮影は(見え方もイマイチだったので)休憩して、CMOSカメラのASI178MCの高解像度を利用して、動画で月を撮影してみました。


2017-06-09-1258_5-RGB-Moon_lapl3_ap2252_Drizzle15_w_view

富山県富山市 2017/6/9 21:58
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 2ms, 21fps, gain 110, 950/1000 frames

機材はFS-60CB+flattener (f=374mm, F6.2) + ASI178MC。このセットアップでちょうどいい具合に月が全て枠に収まります。赤道儀はいつものAdvanced VXです。FS-60はC8の上に亀の子状態で乗っかっています。この日も自動導入とかなしで、マニュアル導入。追尾モードは月にしておきます。

撮影方法は惑星の時のを応用しています。FireCaptureの重要そうなパラメータだけ書いておきます。
  • Frames captured=1000
  • File type=SER
  • Binning=no
  • ROI=3096x2080
  • FPS (avg.)=21
  • Shutter=2.000ms
  • Gain=110 (21%)
  • WBlue=99
  • WRed=60
  • Brightness=100
  • Sensor temperature=36.6 °C
 その後の処理も惑星と似ています。大きく違うところだけ書いておくと、AutoStakkert3で「Noise Robust」は2にしました。Analysisをしたらクオリティーの100から0まで、波打つように構造体がはっきり見えたので、明るいものを見ているのである意味当たり前なのですがほとんどクオリティーが高いと判断して、95%をスタックしました。1.5倍Drizzleはダウンスケール以外は推奨しないとか出るので恐れていたのですが、元の解像度がすでに3000x2000とかなので3倍はきつかろうと思い、今回試しに1.5倍を使ってみました。

意外なのはRegistaxでした。すでに細かい画像だからなのか、ほぼ空間周波数の一番細かい1だけの使用でこれもそこまできつく使えず、あとほんの少しだけ2を使ったくらいです。 これでもかなり細かいところまで出るので、あとはPhotoshopで適当に処理しました。

出来上がった画像が上のものになります。月をまともに、しかも動画で撮影したのは初めてなのですが、満月ということと、結構綺麗に出たみたいなので、まあ満足です。


あと、おまけでストロベリームーンです。なんでも北米のイチゴの収穫時期なのでこう呼ぶのだとか。

2017-06-09-1258_5-RGB-Moon_lapl2_ap2252_strawberry

実は私の誕生日が6月で、うちでは家族の誕生日は必ず手作りのショートケーキを作り、カレーライスを食べます。ケーキ作りは私の担当なのですが、いつもイチゴをたっぷり使います。ただし私の誕生日だけは妻と子供がケーキを作ってくれますが、なぜかイチゴが売っていなかったり高かったりで、このストロベリームーンの月だけイチゴが入っていません。

IMG_0989






 

先日の木星画像をFacebookのデジタル天体写真グループに投げたところ、いくつかのコメントをいただき、とくにベテランの方から具体的な数値とともにアドバイスをいただきました。まとめておくと
  • 200秒は長い。自転でブレる可能性がある。120秒くらいまでならAutoStakkertでアラインしてくれるはず。
  • シャッター速度は5msから10msでいい(思ったより早いです)。
  • C8の場合、ゲイン350くらい、ガンマ40くらいで撮ることが多い。
  • スタック時は端はアラインメントポイントに入れていない。
  • スタックするのは気流が悪いと40%、下手したら30%の時もある。

これらのアドバイスをもとに、昨晩2016/6/8の曇りの晴れ間に撮影してみました。
  1. C8で3倍のCelestronのバロー(前回は5倍)にASI224MC
  2. FireCaptureでシャッター5ms(前回は10msと20ms)、ROI600x600で、平均で102FPS(前回は80-50FPSくらい)、Gain450(アドバイスでは350くらいでしたがこれだと暗すぎました。前回は400ちょいでした)、ガンマは結局オフにして、5000フレームを5本(前回は4本)です。撮影時間はそれぞれ50秒ほど(前回は100秒と200秒)になります。
  3. その結果をAutoStakkert3で上位40%分(前回は50%)を3倍のdrizzleでスタック。
  4. RegistaxでWavelet変換。
  5. WinJUPOSで5枚(前回は4枚)重ねる。
ということをしました。前回WinJUPOSまで持っていった場合との違いを赤で書いておきました。

結果ですが、以下のようになりました。

2017-06-08-1241_5-RGB2

結論としては、ほとんど変わらないか、もしくは少し悪いくらいかもしれません。それでもアドバイス頂いた方向性は正しいと思います。悪かった原因はだいたいわかっています。
  • C8の副鏡の調整不足が第一。
  • 出してすぐに撮影したので、筒内気流が収まっていなかった可能性が高い。
  • トータル時間は以前の方が長い。
  • Registaxの合わせこみが不足、または1本目の動画に合わせたWaveletが2本目以降にあっていない。
  • Photoshopでの最終処理で多少劣った。
などです。動画を見る限り、シーイングは良くはないですが、先日と比べてそれほど悪いこともないと思います。曇りで大赤斑もないことはわかっていたので、もともと撮影は考えていませんでしたが、晴れてきたら、いてもたってもいられなくなって撮影したので、あせっていました。やはり少しマシな日にまずは落ち着いてやろうと思います。しかも途中でPCのバッテリーが無くなるなど、結構イマイチな日でした。やっぱりドームとはいかないまでも、ベランダとかに常駐させて、電源とかの心配をせずに撮影できる環境が欲しくなってしまいます。

あと、この日気づいたことですが、雲がなくなってきて時間がもったいなかったので、極軸望遠鏡とファインダーで導入しました。電子極軸や自動導入を全く使っていないという意味です。もちろん自動追尾はしていますが、それでも準備時間が圧倒的に短く、アナログをバカにしてはダメだと改めて思いました。特に最近FS-60Qでファインダーを取っ払ってしまっていて、ファインダーそのものを使う機会が減っていたので、改めてファインダーでの両目導入の手軽さを実感しました。


ここ最近ずっと惑星なのですが、これがまた結構面白くなってきました。手持ちの機器でとりあえず試したいことが出てきています。
  • ADCをつかった土星の撮影のリベンジ
  • MagicLanternでの惑星撮影
  • ASI178MCでの月の撮影(次の日の2017/6/9に試しました。)
今晩は満月なので、天気が良ければまずは月でしょうか。


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