ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2016年10月

K-ASTECのアダプターを幾つか注文してあったのが届きました。

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前後の鏡筒バンド「FS60CB用TB-80/60AS鏡筒バンドセット」と169mmのアルカスイス互換のプレートが2枚、180mmのVixen規格のアリミゾが1枚です。 

これまで使っていた鏡筒バンドを外して、代わりに到着したアダプターを付けて、さらにウェイトとドイツ式にするバーを外すと、かなり軽量化されました。ついでに光学式ファインダーもとうとう外しました。

ビフォアーで

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アフターです。

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どんどんかっこよくなっている気がしています。多分ただの自己満足です。

ドイツ式にするバーを外すと、普通は天頂付近しか見えないのですが、下に Vixenアリミゾを入れてあるのがミソで、ギリギリどこも当たらないくらいで全方向回転させることができ、全天が見えます。

ちょうど同じ便で、アマゾンに注文していた安い50mmのCマウントレンズも届きました。

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手持ちのASI224MCはCSマウントにするアダプターが付いているのですが、Cマウントレンズはそのままでは取り付けられない(取り付けることはできますが、合焦しない) ので、CマウントからCSマウントに変換するアダプターも一緒に買いました。取り付けた様子は、すでに上の全体像のCCDのところを見るとわかります。

今日は雨なので、 機器の改造で我慢です。

昨晩その後の牛岳での電視観望で学んだSharpCapのちょっとしたコツなどを書いておきます。ただし、ASI224MCを繋いだ時の話で、あくまで電視観望用に見栄えが良くなるという観点です。あまり正しい説明ではないと思いますので、各自で実際に試してみてください。


露光時間:
  • 天体の輝度によって調整しますが、明るいもので0.25秒から、暗いものでも10秒くらいまでにしています。

Gain:
  • Maxは600(=60dB=1000倍のこと)まで行きますが、300(=30dB~30倍のこと)以上はソフト上のゲインアップなのであまり得しません。300とか350で使っています。それよりも下のDisplay Contrastなどで調整した方がすぐに結果が反映されるので楽です。

Image Controls: (2018/3/2追記: 現行バージョンの3.1ではこの機能はなくなってしまいました。その代わりにヒストグラム機能であぶり出すことができるようになっています。)
  • Image Controlsは露光及びスタックが始まると、いじっても遅れて効果が出てくるので、ほとんど固定です。
  • Gammaは50で標準。
  • Brightnessは色を出すために最大の240にしてあります。下げて試したりもしたのですが、特に淡い天体ではあまり得しないような印象です。
  • White Balance(R)とWhite Balance(B)はかなり効くので、触ったとしてもほどほどに。以前はこれを盛大にいじって色を無理やり出していましたが、今はIR/UVカットフィルターを入れて、昼間に自然な色合いになるように特に緑色をきちんと合わせて、そこから天体の色に応じてほんの少し見栄えを良くするためにいじるくらいです。

Display Controls: (2018/3/2追記: 現行バージョンの3.1ではこの機能はなくなってしまいました。その代わりにヒストグラム機能であぶり出すことができるようになっています。)
  • スタック途中でもリアルタイムで反応があるDisplay Controlsは微調整に便利です。
  • Gammaは低いほど星雲が滑らかな階調になります。色が濁りますが、あまり気にしません。気になるようなら真ん中らへんにしておきます。逆に背景の黒を締めたいならGammaは高くします。高くしすぎるとつぶつぶ感が出ます。
  • Contrastが高いほど、星雲がはっきり出ます。次のBrightnessとhistgramのタテ軸と合わせて調整します。
  • Brightnessはできるだけ低くします。その分Contrastを上げたほうが見栄えがいいです。

Live Stack:
  • Align Frameは星が見つからないと警告が出るとき以外は基本的にオンにします。多少極軸がずれていても、星を認識して画面上で追いかけてうまく重なるようにスタックしてくれので、多少のズレはカバーしてくれます。一回の露光中に星が流れるくらいだと、さすがに極軸がずれすぎで、Align Fameでも補正しきれません。
  • Align FramesタブののNoise reductionはオン、オフ切り替えて、うまく認識できるように場合によって使い分けてください。
  • Histgramの調整がかなり効きます。この機能はスタックしたときのみ効いて、Individual Framesでは機能しません。横軸の下のつまみをヒストグラムが盛り上がるところらへんに合わせると、背景が黒で締まって、かつ欲しい色を落としません。タテ軸のつまみは欲しい色の立ち上がりを調整しますが、全体の明るさとも大きく関係するので、上のDisplay ControlのContrast及び、Display ConrolのBrightnessと合わせて調整します。横軸の上のつまみが明るい部分の立ち上がりををどこまで引き下げるかですが、淡い星雲ではあまり得することがないので普通はデフォルトのMaxにしておきます。
  • 注意ですが、設定によってはIndividual FramesとStackで全く違う画面になってしまいます。それぞれ得意な値が違うので、切り替え時に適時調整するようにしています。
  • 特に暗い天体はIndividual FramesとStackでは相当印象が違います。明るい天体はIndividual Framesでも十分綺麗に見えますが、それでもStackするとさらに細部が浮き出てきます。

その他:
  • OptionのFull Screenを選ぶと上部のメニューを非表示にすることができます。カーソルを上に持っていくとメニューが現れます。
  • 各種パネルの右上のピンマークをクリックすると、パネルを非表示にすることができます。その際出てくるタブの所にカーソルを持っていくと、パネルが出て来ます。 
  • これらを使うと天体をほぼ画面いっぱいに映し出すことができるので、より迫力が出ます。
  • メニューにあるFXというプラグイン(多分スクリプトで書いたもの)のようなものがいろいろ使えそうです。まだあまり試していませんが、回数を決めたスタックや、イメージブーストも試してみようと思います。画面の一部分だけ効果を適用するというようなこともできるみたいです。

SharpCapを使い込んでいくと、電視用に使うことに関してはどんどん不満がなくなってきました。もう手放すことができないです。あえて言うなら、普通のカメラの設定にあるシャープネスとかもあればいいなと思います。

2016/10/24、今日は久しぶりに空が晴れ渡っています。透明度もまあまあで、自宅から天の川は見えないまでもかなりの数の星が見えています。すばるは肉眼で余裕、M31がなんとかといったところでしょうか。

というわけで、昨日のFS-60Qの単焦点化によりFS-60CB相当になり、さらにレデューサーが入っているので焦点距離は180mm程度、それに加えて今回初めてIR/UVカットフィルターを入れて試します。今回は絶好のテスト日和となりました。自宅庭での電視で、カメラはいつものASI224MCです。

結論だけ言うと、大満足。観望会でこれだけ見せることができたら、きっと誰もが大喜びだと思います。

iPhoneでPCの画面を撮った順の、時系列でいきます。まずは北アメリカ星雲とペリカン星雲を連続で。同じ設定で、少しだけ位置をずらして撮っています。

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10秒露光です。十分色が出ているのがわかると思います。以前8mmのCSマウントレンズで撮った時は無理やり色を出していた感はありましたが、今回はそんなことをせずとも、はっきりと色と形が出ています。さらに言うとIR/UVカットフィルターが効いていて、赤カブリの無いかなり自然な色合いになっています。ただ、この時点ではSharpCapの調整がまだ最適化まで程遠く(特にDisplay Gamma)、次の写真を見るとわかるように、今ならもう少しうまく出すことができるかもしれません。

次は昨日のリベンジのM45: すばる(プレアデス星団)です。 

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圧倒的に綺麗になっているのがわかると思います。青い星間ガスも完全に見え始めています。これも10秒露光です。天気がいいのももちろんありますが、SharpCapの調整に慣れてきたことが大きいです。

続いてM31: アンドロメダ星雲です。なんと微細構造も見えてしまっています。

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M32も見えていますね。実は普通に出回っている画像と逆さまになってしまいました。撮影した時間帯ではほぼ天頂にあったので、カメラの向きがどちらか確定しなかったからです。それと、あと少しずらしていればM110も入ったのにと、後から気付きました。

最後はM42: オリオン大星雲です。

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2秒露光で余裕で見えます。スタックなしで250m秒でも鑑賞に堪えました。スタックすると相当細かい構造が見え始めます。

まだ天気はいいのですが、明日の仕事のこともあり、ここで撤収しました。もし観望会で、これだけ見せることができれば、皆さんかなり満足するのではないでしょうか。今回はオリオン大星雲を除いて、すべて10秒露光と、リアルタイム性には少し欠けますが、観望会中の、この場所の、この空に出ているものをこれだけのレベルで見せることができたら、多少時間がかかってもいいのではないかと思います。以前KyoeiのMさんが言っていましたが、長くかかることがわかると、お客さんからカウントダウンが始まるらしいです。そんな雰囲気になるのもまた面白いのではないかと思います。

ただ注意すべきことは、これらの画像はSharpCapの調整を駆使した後に出てきたものです。その場で調整をし出すとかなりの時間を食ってしまうことになると思います。なので、あらかじめ調整を詰めておいて何通りかの設定ファイルに残しておくなどの必要があると思います。


今回の撮影で、やっと電視観望に少し満足しました。α7Sも欲しいですがなかなか予算が取れないことと、SharpCapの機能がすごいので、しばらくはこれでいこうと思います。できるだけ準備にかける時間も少なくして、手際良くやる練習をしておきたいです。電視ファインダーは必須ですね。

やっと観望会で喜んでくれるお客さんの顔が想像できるようになりました。早く実戦で試してみたいです。

 

昨晩からの泊まりがけの星見会での反省から、自宅に戻りFS-60Qを短焦点化しました。

やはりFS-60Qの焦点距離が長く、いまいち電視観望でさっと見るには機動性に欠けるので、エクステンダーを外し、さらに手持ちの簡易0.5倍レデューサーを入れ、視野を広げました。多分180mmくらいの焦点距離になっているはずで、視野角もASI224MCで2度くらいのオーダーになったはずです。本来専用のレデューサーを入れるべきなのですが、ここは電視観望用と割り切って、簡易レデューサーを入れてあります。

さらに、色がどうしも赤寄りになっているので、もう少しまともにしようとRevolution ImagerについていたIR/UVカットフィルターを入れました。昼間に見る限りは相当目で見た色に近づいたと思います。

この状態で、曇っていたのですが、少しの晴れ間からすばるを電視してみました。

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画角は悪くないと思います。電視としては自宅からなのと、雲間なので、これくらいが限界です。10秒露光ですが、かなり画質を合わせ混んで、やっと星間の淡い青がかろうじてあるのかな、というくらいでしょうか。

あとHαがどこまででるか、もう少し条件のいい夜に試してみようと思います。(追記: 2016/10/24、次の日に試しました。)


 

我々の中では富山県天文学会のことを略して県天といいます。土日は県天の皆さんに誘われ、メンバーの一人が持っている大長谷(おおながたに)というところにある、山小屋のようなところで泊まりがけでの星見会でした。といっても天気がほとんどダメだったので、実際はほぼ完全に飲み会でした。

午後3時頃近くのスーパーにみんなで集まり、買い出しをして、そのまま直行です。集まったのは全部で9人。皆さん県天のベテランの方々で、それこそ子供の頃から天文少年だった方たちばかりです。着いた途端に準備もそこそこに飲み始めていました。メニューはたこ焼き、さがり(ホルモン焼きのこと)、新鮮なお刺身、メンバーの方が朝から山に入ってとってきたこけ(富山ではキノコのことをこう呼ぶらしいです。)の網焼き、焼きそば、こけの味噌汁と、かなり豪華です。

飲み会中の話は、意外に天体関連のことは少なく、2-3割でしょうか。みんなとりとめのないことをずっと話しています。それでも自ら撮ったオーロラや惑星、星雲の写真を見せ合ったり、望遠鏡やカメラなどの天体機器のことを話したり、美味しいご飯のせいもあり、とても楽しかったです。

夜10時頃でしょうか、一部空が晴れ始め、何人かの人がカメラで撮影を始めました。私も最初はFS-60Qを出して電視を始めたのですが、600mmではやはり視野が狭すぎるので、途中からASI224に16mmレンズをつけた単体での電視にしました。すばる、アンドロメダ星雲、ペルセウス座の二重星団など、高感度CCDカメラと安いレンズだけという簡単な機材でかなり綺麗に見えるので、皆さん驚かれていたようです。オリオン座が昇り始め、M42を見ようとしたところで再び少しづつ雲がかかり始め、それでも薄雲でなんとか星雲の形はあぶり出し、そのうち雲が厚くなってお開きになりました。NさんとSさんは最後まで付き合ってくれて、特にNさんは興味津々のような感じで見てくれました。PCの画面を見ながら、「昔は写真でこれくらい撮るくらいが精一杯だった。すごい時代になったなあ。」と、しみじみと言われていたことがとても印象的でした。私は本当に最近のことしか知らないので、幸せな時代に始めることができたのだなあと、改めて実感しました。

次の日は朝7時前に目が覚めて、簡単な朝ご飯を頂き、少し後片付けをして解散となりました。帰りがけにその場で掘った里芋を小屋のオーナーのYさんから頂きました。どうもありがとうございました。

このような会は県天で年2回ほどあるとのことです。今回はとても楽しい時間を過ごすことができました。この星見会を計画、準備してくれた皆さん、山小屋のオーナーのYさん、本当に有難うございました。また誘ってもらえると嬉しいです。


今週末は星三昧でした。といっても、天気はお世辞にもいいとは言えなかったです。

金曜日はオリオン座流星群で、牛岳に富山県天文学会のメンバーで集まる予定でした。それに備えて、下の子のSCOPETECHの鏡筒にドリルで穴を開け、タップでネジを切り、余っていたファインダーを取り付けました。これでRevolution Imagerに挑戦してもらおうと思っていました。

ところが天気予報の午後ずっと晴れに対して、実際は午後はずっと曇りで、夕方前に集まりの中止の連絡が来ました。それでも夕方にうろこ雲が残る様子でしたが、青空も少し見えたので、急いで夕食をとり夕方6時過ぎに家族4人で牛岳へ一応向かいました。妻はそのまま途中の温泉へ直行。月が夜10時前に出てくるので、午後10時に温泉に迎えに行く約束で、我々は牛岳に。到着しても空は一面の雲で、一つか二つ、かろうじてうっすらと星が見え隠れする程度でした。

どうしようもないのでしばらく寝ていたのですが、何人かの方が来たので、高感度COMSカメラのASI224MCで雲の中の星を見ることにしました。目で見てもほとんど何も見えないところに星が写っているので、驚かれたようです。途中少しだけ晴れるときもあって、みんなで展望台に登ったり、夏の大三角や、双眼鏡ですばるを見たり、流星はほとんど見られませんでしたが、それなりに楽しい時間でした。雲があっても意外に双眼鏡はよく見えます。実感としてはASI224MCにCSマウントカメラを付けた時と同じくらいでしょうか。

入れ替わり立ち代わりで、多分7-8人くらいの方が来ていたのですが、今回来ていた方たちは、ペルセウス流星群のときに牛岳に来た方が多かったです。3歳の小さな男の子がとても可愛くて、娘が色々相手をしていました。途中コーヒーをご馳走になりました。寒い中あったかいコーヒーはとても美味しかったです。どうもありがとうございました。

肝心のオリオン座流星群はというと、雲でほぼ全滅です。娘は流れ星を一つだけ見たそうです。私はPCの画面上で一つだけ見ました。

今回も下の子は到着後すぐに寝袋を地面に敷き、わずか10分くらいで寝息を立てていました。どうどうと真ん中で寝ているので、車が来るたびにつぶされないかが一番の心配事でした。

9時半頃にいつもの天文学会の人たちが何人か来ましたが、私は温泉に妻を迎えに行かなければならないので、片付けを始めて、間もなく下山しました。でもまたこのメンバーとは次の日に会うことになっているんですけどね。実は次の日、牛岳に来ていたメンバーに聞いたら、我々が帰ってから10分くらいしたらかなり晴れたらしいです。確かに自宅に着いた時は結構星が出ていました。でもこの日は明日に備えて寝ることにしました。



 

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