ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2016年07月

ずっと梅雨だったのですが、週末やっとASI224MCを試すことができました。前回の拡大撮影からのリベンジです。

C8の光軸調整を終え早速、夜に覗いてみたらやっと念願だったカッシーニの空隙を眼視でもはっきり見ることができました。

この状態で、この間買ったASI224MCを使って撮れた土星と火星です。

Sat_214923_g4_ap374_w

Mars_205146_g4_ap19_Drizzle15_w


これまで一眼レフの動画だとさすがに厳しかったのですが、やっとまともなCCDで撮った初画像になります。以下の情報も初めて書くのですが、こんなところでいいのでしょうか。これを写真に書き込んでしまえばいいみたいですね。

Saturn on 30 July 2016 21:48:58 JST
Celestron C8 (20cm Schmidt Cassegrain) with Celestron X-Cel LX 3x Barlow + ZWO ASI224MC
@F/30, 10.00ms, 99fps, gain 460/600, 2500/5000 frames stacked by Autosttakkert!2
Seeing 3~4/10?, Transparency ??
Toyama city, Toyama, Japan


Mars on 30 July 2016 20:51:32.631 JST
Celestron C8 (20cm Schmidt Cassegrain) with Celestron X-Cel LX 3x Barlow + ZWO ASI224MC
@F/30, 5.50ms, 181fps, gain 260/600, 2569/5139 frames stacked by Autosttakkert!2
Seeing 3~4/10?, Transparency??
Toyama city, Toyama, Japan


シーイングと透明度がどうやって決まるのかがまだわかっていません。この日はそれほど悪くなかったとは思うのですが、これから映り具合との関連を調べていこうかと思っています。

結局惑星を撮影するためのポイントは、
  1. 長焦点距離の口径の大きい鏡筒を使う
  2. 光軸をきちんと調整する
  3. シーイングのいい日を選ぶ
  4. バローレンズで拡大し、直焦点撮影をする
  5. 細部データを落とさない高い転送レートのCCDカメラで撮影する
といったところでしょうか。色々回り道をしましたが、やっとある程度正しい方向がわかってきました。

とりあえず惑星はやっと少し満足できてきました。でも、写真を見たらすぐ気づくのですが、色収差が激しく、出来上がりを見てプリズム補正の必要性を実感したところです。ZWOで安いADCが出ているみたいなので、早速買って試してみようと思っています。 

また、ソフトも通り一遍のことをしただけで、まだ色々最適化できるところがありそうです。もう少し挑戦してみます。

C8の光軸調整の途中で、補正板の洗浄も行いました。

C8に入札する前に、補正板が多少汚れていることを、店舗に行ってみてきていたのですが、うまく掃除をすれば取れそうなので、色々試してみました。

まず使った溶剤ですが、
  • 無水エタノール
  • TAMIYA RC cleaner spray (イソプロピルアルコール)
の2種類、ふき取りには
  • FUJI FILM: lens cleaning paper
  • スコット: ショップタオル
  • ノーブランド: メガネ用曇りとり布
の3種で試しました。

最初は慎重に、無水エタノールをスポイトで一滴補正板に垂らし、lens cleaning paperを上からかぶせて、ペーパーの端に液体がいかないように、乾いていく途中でペーパーをずらしながら拭き取る方法です。 光学部品の洗浄ではよくやるテクニックです。利点は拭き取り残しがなくなるので、残った液体が渇く時にできるシミみたいに残るのを避けることができます。ただし、多少の汚れは拭き取れるのですが、しつこい汚れはなかなかとることができません。

今回有効だったのが、イソプロピルアルコールを少し丸めたlens cleaning paperにつけて、cleaner自身をくるくる円を描くように回しながら動かして、補正板を拭き取る方法です。力を入れることができるので、多少しつこい汚れも取れるのと、円を描いている途中に乾いていくので、うまくやるとシミ残りを避けることができます。

メガネクリーナーは期待をしていたのですが、ほとんど役に立ちませんでした。溶剤を垂らさずに、普通のメガネを拭くように、乾いた状態でやったからかもしれません。

一般的に汚れの分子数のよく似た溶剤でよく取れるのですが、一般的にエタノールは弱いので、今回は不十分でした。ただし、強い溶剤はコーティングを犯すことがあるので、必ず目立たないところで一度試すことが必要です。

その後、主鏡もこの方法で綺麗にしましたが、補正板、主鏡ともに今のところ目立ったコーティングの剥がれなどは見えません。


 

幾つかのHPを参考に、夜間に星を見てC8の光軸調整を何度かしてみたのですが、いまいち暗い中での星を見ながらの調整のさじ加減がよくわからないのと、何度か調整しても惑星の見え味もあまり変化がないので、試しに7月30日土曜の昼間、ほぼ半日かけてC8の光軸調整をしてみました。これくらいの時間をかけたことと、昼間の像を見て、やっと光軸調整の意味と必要性が感覚的にわかってきました。全くの我流で、正しい方法ではないと思いますが、それでも自分で納得できたのでまとめておきます。

まず、赤道儀に普通に鏡筒をセットして、適当なターゲットを見つけ、導入します。鏡筒さえターゲットを向けばいいので、赤道儀の向きなどはどうでもいいです。ターゲットは遠くの細かいものがいいと思います。今回は100mほど離れたところにある、衛星放送用のアンテナに描いてある文字を見ることにしました。文字は形が認識できるのと、キレがいいので、シャープさの確認に適していると思います。また、最終確認はアンテナのビスの縁の形を使いました。

像を確認しながら調整ネジを回す必要があるので、アイピースをいちいち覗くのは面倒です。アイピースに何らかのカメラをつけて、離れたところからでも像が見えるようにするといいと思います。今回はASI224を使い、コンピュータのモニタ上の画面を見ました。一眼レフカメラのバリアングルモニターでも、そのままアイピースを覗くよりははるかにマシだと思います。

調整の仕方はいたって単純です。副鏡のところにある3つのネジを回すだけです。

IMG_0061


もしネジが無い、もしくは見えない場合は副鏡のところにキャップ(私のはオレンジ色でした)がかぶせてあるだけなので、それを外します。ネジはサイズの合う六角レンチで回します。実は今回、補正板の回転なども試しましたが、未だに補正板の最適位置がわからないので、結局ネジのみの調整ですが、かなり十分なくらい追い込むことができます。

まず、ピントをできるだけ合わせます。光軸があっていないとこの状態でボケた像になります。どのネジから始めるかの順番はあまり重要ではないと思いますが、もし迷った場合は補正板の3つのネジのそれぞれの方向の口径部を、手などで覆ってみると、少し暗くなって、少し綺麗な像に見えると思います。綺麗な像に見えたときに覆った方向が、ずれている方向なので、まずはそこのネジから始めるのがいいかもしれません。

合わせ具合ですが、慣れないといまいちどれくらネジを回したらいいかよくわからないと思いますので、そんな時は思い切って90度くらい回して、明らかに良くなるか、明らかに悪くなるのかを見ます。この時、ネジを回した後に「毎回」必ずピントを合わせ直すことを忘れないでください。

もし、 明らかに悪くなったら次は反対方向に行きます。今度は良くなっていくはずです。もし反対方向に行ったのに悪くなったら一度にネジを回す量が多すぎるので、少し減らして繰り返します。

もし一回目で、明らかに良くなったら、再び同じ方向に回して、さらに良くなるのか、逆に悪くなるのか見極めます。ポイントは良くなった方向を続けて、一番いいポイントを通り越して、悪くなるのが見えるまで同じ方向で続けることです。悪くなったら逆方向に、今度はもう少しネジの回転量を減らして、繰り返します。どこまでいくと悪くなるのかを両方向でわかれば、最適点はその真ん中にくるはずです。これで最適点を探していきます。

ポイントは、もう一度繰り返しますが、自分が今悪い方向に行っているのか、いい方向に行っているのかを必ず認識してから進めることです。認識できないうちは同じ方向に動かして、あからさまに悪くなっていくのを見てから反転します。

これらを3つのネジそれぞれに繰り返しますが、2巡くらいしたほうがいいかもしれません。もし途中でネジが硬くなりすぎたり、ゆるくなりすぎたりした場合は、それ以上進めないで、他の2本を相対的に逆に回して、今のネジが硬すぎず、ゆるすぎず、真ん中らへんで動くようにします。

写真を載せておきます。調整し終わった後(上)と、一つのネジのみ90度くらい回してピントを合わせ直したもの(下)です。

Capture_0006

Capture_0007


たかだか一つのネジが90度ずれただけですが、これだと明らかにずれすぎで、光軸がずれていると、いくらピントを合わせても無駄だということがわかると思います。合わせこんでいくとネジの回転角にして10度くらいの単位で違いが十分見えてくると思います。

元々中古で購入したもので、夜に調整をしたと思っていたのですが、それでも光軸はやはり相当ずれていました。今回の調整で見え味は相当改善されたはずなので、今まで見えなかった惑星がどのように実際に見えるか、とても楽しみです。


あと注意点として、調整自身は昼間なので、部屋の中でやってもいいのですが、窓ガラスを通して像を見ると、窓ガラスの振動をもろに読み取ってしまって像がぶれまくるので、部屋の中でやるとしても窓ガラスを開けて調整するようにしてください。最初なぜか像が揺れたのですが、空気揺らぎや、鏡筒内対流かと思いましたが、結局暑い中窓を閉め切って、クーラーをつけて涼しくしながらやっていたことが原因でした。


7月23日、実家に用事があったので、久しぶりに望遠鏡を購入した実家の近くの天体ショップSCORPIOに娘と一緒に足を運びました。

先の写真でどうしてもコマ収差が出てしまうので、オススメのコマコレクターを購入しました。ネットで調べる限り評判は悪くなさそうです。次回星雲撮影の時に試してみたいです。

他にもポケット人工星ジェネレーターも購入しました。

実は、店長さんのアドバイスで拡大撮影は、拡大撮影アダプターを使わなくともHyperionに直接カメラを取り付けることを聞いていました。ところが、5mmのアイピースの方にはうまくカメラが付いたのですが、13mmの方がどうしても最後まで締めてもネジが緩くてガタガタしてしまうのです。

店長さんが最初国際光器に送り返して聞いてみてくれると言っていたのですが、そのうちにリングが付いていなかったですか?と聞かれ、そういえば最初にあったのに気付いたら何処かに行ってしまっていたなと思っていたところでした。店にあったリングを間に入れてやれば見事に13mmのアイピースもきちんとカメラと固定されるようになりました。自宅に帰ってから一度探してみます。 

Advanced VXの調子がイマイチです。結構深刻で、Advanced DVの赤経方向のマイナス側のモーターが動き続けてしまいます。コントローラーで一度マイナス側のボタンを押すと、ボタンを離しても止まらずに、ゆっくりですが、そのまま動いていきます。300倍した星が視野の真ん中から20-30秒ほどで視野の外まで行ってしまうくらいのスピードです。モーターのスピードを速くしボタンを押しても、ボタンを離してからの流れていくスピードは、上に書いたようなスピードになりいつも一定で、モータースピードの設定に依らずに起こる現象です。
プラス側のボタンを押して移動してから離した場合はピタッと止まります。一度プラスボタンを押すと、マイナス側に流れていっているのも止まるようになるので、現状はこれで流れていくのを止めています。

赤緯側はプラスもマイナス側も押したら動いて離したらぴったり止まります。

赤経側の荷重バランスが悪い可能性を疑い、例えばあえてプラス側を重くしたりしたのですが、いずれの場合もマイナス側のみモーターが止まりません。バックラッシュの設定などは、英語のマニュアルにも目を通し、試せることは(特に赤経マイナスの値の変更で、マイナス側ボタンを離したときに一旦プラスがわに戻るのですが、それでもその後すぐにそのままマイナス側に流れていきます)一通り試してみたのですが、特に改善は見られませんでした。

可能性としてはソフトウェアのバグ、回路の問題、機械的な問題とあると思いますが、いずれの可能性も否定できてはいなくて、重さバランスの問題ではなかろうということくらいしか言えません。ただ、ネットをあさると


というような記事がみられ、状況としてはよく似ています。推測ですが、おそらく回路の問題で赤経マイナス側を押して離したときのみオフセット電圧が残ってしまい、それがモーターを回し続けるのではないかと思います。 

7月5日、販売店の方と連絡を取り、メーカーの方に修理に出すことになりました。

その後一週間ほどして戻ってきました。基板の取り替えで直ったとのことでした。

改めて、天気のいい日を狙ってまたテストをしたのですが、今回は動き続けることはなくなり、一応なんとか止まるようにはなりましたが、同じ赤径のマイナス側のみ止まるまでにまだ4-5秒かかります。上記リンク先とよく似た状況です。 他の方向はボタンを離すとピタッと止まるので、やはりまだ完全に解決というわけではなさそうです。

設定でバックラッシュを調整することもできるのですが、調整幅が大きいと逆に戻る量が多くなりすぎ、小さいと流れるのを止める時間が延びてしまいます。しかも戻る量や流れが止まるまでの時間が、ボタンを押している時間に依存するので、一つの値での調整では対応できなくなっていて、最適点が存在しません。どうやらもう一度修理コースかもしれません。 

天文ガイド8月号の記事にちょうど一眼レフカメラとZWO社のASI224MCで撮った火星が載っていて、これによると一眼レフカメラのローパスフィルターや画像処理、動画での圧縮時に模様が消えてしまうとのことです。惑星撮影においては一眼レフカメラの動画撮影からのスタックではどうにもならないことがわかってきたので、同記事で非常に評価が高かったこともありZWO社のASI224MCを導入しました。

星見屋さんの海外直接発送で注文しましたが、7月1日に発注して7月9日に届きましたからほぼ1週間なので海外と思えないくらい早い到着でした。実際星見屋さんの在庫がなかったので海外発送とどちらが早いか聞いたら両方とも同じくらいの納期になるとのことだったので、値段の安い海外発送にしました。 


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