以前の記事でSWATの揺れが風と特定したと書きましたが、どうやらこれは嘘を書いていたことが判明してきました。つい先日の晴れ間のテスト (その後、こちらに移動)で3秒のトラベジウムが赤経方向にのみ伸びているので、ガイドが悪さをしているのではないかと疑いを持ち始めたわけです。これに決着をつけるべく、同様にトラペジウムをガイドのあるなしで撮影し、優位に差が出るのかを試しました。
まずは、前回の再現です。条件は、FS-60Q(焦点距離600mm)、SWAT-200での一軸追尾、極軸合わせはSharpCapで今回は1分程度の精度。撮影のカメラはEOS 60D、Backyard EOSでピント合わせをしています。その上で焦点距離50mmのガイド鏡(ASI224MCにCマウントレンズを組み合わせたもの、1ピクセル3.75umで、1ピクセルあたり15秒角とかなり大きい)を用いたPHD2での一軸のガイドありで、ISO1600、3秒露光で撮ったトラベジウムです。ガイドの条件はCCDが1秒露光で、あとはデフォルトの状態です。ただし、鏡筒の取り付けをより安定にするために、SWATから鏡筒への部品点数をできる限り少ない状態にしました。これは外乱による揺れの影響をできる限り避けて検証したかったからですが、少し条件が変わってくるので、ここが影響するようならまた別に検証する必要がありますが、以下の結果を見る限りその心配はなさそうです。さてこの状態で撮影すると以下のようになりました。

写真を見る限り以前のブレの再現性はあり、赤経方向に明らかに流れているものが20枚中13枚、気持ち赤経に流れているようなものが4枚、真円に近いものが3枚でした。その際のPHD2の制御状況を見て見ると、RMSでは赤緯の方が小さくなっています。
これは赤経の方がガイドにより乱されているという結果と一致します。赤緯の方のピーク値があまりずれていかないのは、極軸の精度がそこそこあっているからです。先日試した時には北極星が見えなくて、適当な極軸合わせでやってしまったので、赤緯のピーク値(オフセット)がどんどん大きくなっていきましたが、今回はそんなことはないようです。
次に、ガイドを切ってSWAT-200の赤経方向の追尾だけで撮影しました。条件はガイドがなくなっただけで他は全て上と同じです。

これは典型的なものですが、写真を見ると明らかに赤経方向の伸びがなくなっているのがわかります。20枚取って赤経方向のみに流れているものは一枚もありませんでした。その後さらにガイドありなしで何度か繰り返してでやってみましたが、再現性もあるため原因はこれでほとんど確定です。さらにミラーアップの影響があるかどうかを3秒のディレイを入れて試してみましたが、有意な差は見られませんでした。
ここまでの結論は、やはり焦点距離50mm、ASI224MCとの組み合わせのガイド鏡では、PHD2によるガイドだと4秒角程度の精度でしか合わせることができず、ガイドをすることによりむしろ誤差を増やしてしまっているということが言えると思います。
次に、ガイドレンズを200mmにしてみました。一番最初の頃に買ったEOS X7についてきた55-250mmのズームレンズです。これを200mmに合わせて、以前買ったCanonレンズをASI224MCに取り付けることができるマウントを使って、55mmから250mmの可変のガイドCCDを実現しました。
統計情報を見てみると、1.5秒程度の揺れに収まりほぼ期待通りの結果になっています。この状態で撮った写真が以下のようです。

微妙なとことで、赤経方向に伸びているものもあれば、真円に近いものもあるという、言ってみればまだ精度が足りていないような感じの結果でした。内訳は20枚のうち、明らかに赤経に流れているものが5枚、流れているような気がするものが8枚、流れていないものが9枚でした。
少し納得できなかったので、EOS 60Dでの位置ピクセルあたりの画角を計算してみました。すると1.6秒程度と、今回の精度とほぼコンパラな値です。実際に画像に写るのは揺れのバラツキなので、それをルート2倍ほどとすると、まあガイドにより画面で見て伸びが見えたり見えなかったりというのは納得できるような結果かもしれません。言い換えると、もう2倍ほど、できれば1秒以下くらいの精度が欲しいということになります。精度を上げるとすると、300mmクラスのレンズにするのか、もっとピクセルサイズの小さいCCDを使うのか、Def-Guiderなどでソフト的に精度を上げるかなどですが、もう少し検討です。
あと驚くべきことは、赤緯方向も短時間ならガイドをしなくても少なくとも1秒角ちょっとの精度が出ていることです。CCDのピクセルあたりの誤差が大きいので、実際にはもっといいかもしれません。200mmレンズの結果を見てもまだ赤経の方が伸びている場合が多いので、赤緯の精度は見えていないだけで実際もっといいと言えるでしょう。実はノータッチガイドの時の精度は正直もっと悪いかと思っていました。ここら辺の見込み違いが今回の誤解につながっていることは否めません。
さてこの結果を踏まえて、この日は空が晴れわたっていたので、月も沈んだ0時頃から満を持して撮影に入ろうとしたのですが、何と大結露大会で鏡筒はおろか、CCDのレンズ、カメラ本体に至るまで全て結露し、しかもだんだん凍りついてきたので、泣く泣く退散しました。真冬の深夜の撮影は思ったより厳しく、ヒーターを増強させる必要があります。
追記: 2017/3/26、やっと3分露光で星像が真円になりました。
まずは、前回の再現です。条件は、FS-60Q(焦点距離600mm)、SWAT-200での一軸追尾、極軸合わせはSharpCapで今回は1分程度の精度。撮影のカメラはEOS 60D、Backyard EOSでピント合わせをしています。その上で焦点距離50mmのガイド鏡(ASI224MCにCマウントレンズを組み合わせたもの、1ピクセル3.75umで、1ピクセルあたり15秒角とかなり大きい)を用いたPHD2での一軸のガイドありで、ISO1600、3秒露光で撮ったトラベジウムです。ガイドの条件はCCDが1秒露光で、あとはデフォルトの状態です。ただし、鏡筒の取り付けをより安定にするために、SWATから鏡筒への部品点数をできる限り少ない状態にしました。これは外乱による揺れの影響をできる限り避けて検証したかったからですが、少し条件が変わってくるので、ここが影響するようならまた別に検証する必要がありますが、以下の結果を見る限りその心配はなさそうです。さてこの状態で撮影すると以下のようになりました。

写真を見る限り以前のブレの再現性はあり、赤経方向に明らかに流れているものが20枚中13枚、気持ち赤経に流れているようなものが4枚、真円に近いものが3枚でした。その際のPHD2の制御状況を見て見ると、RMSでは赤緯の方が小さくなっています。
これは赤経の方がガイドにより乱されているという結果と一致します。赤緯の方のピーク値があまりずれていかないのは、極軸の精度がそこそこあっているからです。先日試した時には北極星が見えなくて、適当な極軸合わせでやってしまったので、赤緯のピーク値(オフセット)がどんどん大きくなっていきましたが、今回はそんなことはないようです。
次に、ガイドを切ってSWAT-200の赤経方向の追尾だけで撮影しました。条件はガイドがなくなっただけで他は全て上と同じです。

これは典型的なものですが、写真を見ると明らかに赤経方向の伸びがなくなっているのがわかります。20枚取って赤経方向のみに流れているものは一枚もありませんでした。その後さらにガイドありなしで何度か繰り返してでやってみましたが、再現性もあるため原因はこれでほとんど確定です。さらにミラーアップの影響があるかどうかを3秒のディレイを入れて試してみましたが、有意な差は見られませんでした。
ここまでの結論は、やはり焦点距離50mm、ASI224MCとの組み合わせのガイド鏡では、PHD2によるガイドだと4秒角程度の精度でしか合わせることができず、ガイドをすることによりむしろ誤差を増やしてしまっているということが言えると思います。
次に、ガイドレンズを200mmにしてみました。一番最初の頃に買ったEOS X7についてきた55-250mmのズームレンズです。これを200mmに合わせて、以前買ったCanonレンズをASI224MCに取り付けることができるマウントを使って、55mmから250mmの可変のガイドCCDを実現しました。
統計情報を見てみると、1.5秒程度の揺れに収まりほぼ期待通りの結果になっています。この状態で撮った写真が以下のようです。

微妙なとことで、赤経方向に伸びているものもあれば、真円に近いものもあるという、言ってみればまだ精度が足りていないような感じの結果でした。内訳は20枚のうち、明らかに赤経に流れているものが5枚、流れているような気がするものが8枚、流れていないものが9枚でした。
少し納得できなかったので、EOS 60Dでの位置ピクセルあたりの画角を計算してみました。すると1.6秒程度と、今回の精度とほぼコンパラな値です。実際に画像に写るのは揺れのバラツキなので、それをルート2倍ほどとすると、まあガイドにより画面で見て伸びが見えたり見えなかったりというのは納得できるような結果かもしれません。言い換えると、もう2倍ほど、できれば1秒以下くらいの精度が欲しいということになります。精度を上げるとすると、300mmクラスのレンズにするのか、もっとピクセルサイズの小さいCCDを使うのか、Def-Guiderなどでソフト的に精度を上げるかなどですが、もう少し検討です。
あと驚くべきことは、赤緯方向も短時間ならガイドをしなくても少なくとも1秒角ちょっとの精度が出ていることです。CCDのピクセルあたりの誤差が大きいので、実際にはもっといいかもしれません。200mmレンズの結果を見てもまだ赤経の方が伸びている場合が多いので、赤緯の精度は見えていないだけで実際もっといいと言えるでしょう。実はノータッチガイドの時の精度は正直もっと悪いかと思っていました。ここら辺の見込み違いが今回の誤解につながっていることは否めません。
さてこの結果を踏まえて、この日は空が晴れわたっていたので、月も沈んだ0時頃から満を持して撮影に入ろうとしたのですが、何と大結露大会で鏡筒はおろか、CCDのレンズ、カメラ本体に至るまで全て結露し、しかもだんだん凍りついてきたので、泣く泣く退散しました。真冬の深夜の撮影は思ったより厳しく、ヒーターを増強させる必要があります。
追記: 2017/3/26、やっと3分露光で星像が真円になりました。




コメント
コメント一覧 (2)
結論として、現状のSWAT(をはじめ某掲示板で『回転板』と揶揄される形式のポタ赤)では、「数分毎に、2~4秒間に十数秒角追尾が乱れる」という現象があるようです。
対策としてはズレ量検出精度を上げることより、制御周期を高速化すること。フィードバック制御周期を1秒内外以内に追い込めば、この乱れを対策できます。
コマ露出時間を削りすぎるとシンチレーションの悪影響をモロに受けるのですが、こちらも実験では 0.4sec 以上のコマ露出を掛ければ、シンチレーションの影響がほぼ収束することが判りました。安全のため、0.6sec 程度のコマ露出を掛けています。
残る0.4secでフィードバック制御を終わらせるのは、画像転送速度を考慮するとかなり難しいのですが、MaxImDL を使うと「ガイド星の周りの 16x16 or 32x32 or 64x64 ピクセルだけを転送する」ということができ、画像転送時間を極小に抑えることができます。結果として、コマ露出0.6secで約1秒でフィードバック制御を掛けることができました。
MaxImDL には MultiStarGuiding 機能もあるようですが、今一つ動きがよく判っていません。これを使えばコマ露出を更に減らし、フィードバック制御周期を更に高速化できると思うのですが…
ご指摘の
>「数分毎に、2~4秒間に十数秒角追尾が乱れる」
ですが、全く知りませんでした。今回は3秒が数十枚と短時間なのと、撮影がBYEのため3秒ごとにPCに画像を落とすダウンタイムがあるので、気付くことはできませんでした。一度自分でも、レリーズなど使ってダウンタイムがない方法できちんと検証したいと思います。もっと起こる頻度が少なければ、ダメな画像だけ捨てればいいのですが、確かにこの頻度だと厳しいかもしれませんね。
高速化ですが、PHD2でROIを使ってもやっぱり遅いですかね?一応マニュアル上ではそれで一部画像が切り抜きできるようなことが書いてますが、まだ試したわけではありません。また、これまで見ている限り露出時間で赤道儀に返す間隔が明らかに変わっているので、こちらもどこまで速い方向にいけるか一度試して見ます。いずれにせよ晴れてくれないとどうしようもないですが。