ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2026年5月16日(土)、この日は所属する富山県天文学会 (県天) の観望会で、牛岳に集合です。主な目的は会員同士の交流です。


ずっと牛岳に行っていなかった

前回牛岳に行ったのは、いつのことかもう忘れてしまっているくらいで、本当に久しぶりの牛岳です。牛岳は、2016年に星を始めてから最初に行った地元のメジャーな星見場所で、基本のような場所だったはずです。

このブログで記録を調べてみると、最後に牛岳に行ったのは、2022年のゴールデンウィークでした。コロナが少し落ち着いてきたところでしたが、まだその後もコロナが続いたこと、その後体調を壊したこともあったのでしょう。実は去年も同じ時期の5月24日に牛岳で観望会が計画されていたのですが、記録を見たら雨で中止になっていました。それにしても2022年以来、4年ぶりとは信じられないくらい月日が早く経ってしまっていることにびっくりです。


準備と到着、そして火事

この土曜日は朝から太陽撮影で、次の日の日曜も晴れそうで朝から太陽撮影の予定なので、夜の星の方は相変わらずあまり気合いが入りません。一応機材は持っていきますが、前半はまだ夏の星座には早くて銀河がメインになるのに、撮影用に持っていったのはε130DとRedCat51で、短焦点鏡筒だけです。もしかしての時の電視観望のFMA135は車に積みっぱなしにしています。まあ、夜中からの後半に短時間撮影できたらラッキーというくらいでしょうか。

牛岳の山頂に近いスキー場のリフトの降り口の駐車場に到着したのは、18時半くらいでした。すでにSさんが到着していて、もう機材まで設置済みでした。

展望台もあるこの駐車場は、県天メンバーだけでなく、他の一般の人もたくさん来ます。展望台まで登ってしまえば南側の天の川がよくみえるのですが、機材が設置できる駐車場では南側が建物で塞がれていて、南の低空撮影は難しいです。かといって、北は街明かりで明るいので、天頂近くなどある程度高度がある天体を狙うのが手です。

もし南の低空を狙うなら、50mくらい下に下がったところがいいのですが、そこだと今回の目的の交流は難しいです。まあ撮影するなら夜中に移動すればいいかと思い、この駐車場では機材を出すのも躊躇していました。

到着後けっこうすぐに気づいたのですが、まだ明るいうちから北の眼下の遠くに大きな火の手が上がっています。火事です! 双眼鏡でも見てみますが、かなり遠くなのでイマイチ状況がわかりません。そうか、望遠鏡があると思い、RedCat51とカメラで見てみました。どうやら高岡の中心あたりで、高岡駅のもう少し北側でした。

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駅の大きさと比べても、燃えている範囲がかなり広いのがわかります。メンバーに高岡に住んでいるという人からの写真なども届き始め、どうやらお寺が燃えているとのこと。火は全然消える様子もなく、暗くなって目では火が小さくなったようには見えても、画面ではずっと赤い火が見えていて、画面で火の手が見えなくなったのは21時近くのことでした。無事に鎮火できてよかったと思っていたのですが、あとでニュースで見たら、出火が18時45分で、実際の鎮火はそれから8時間40分も経ってからだそうです。


まったりモードで、一組のお客さんが

その後も、他のメンバーの機材を見ながら話していたくらいで、私自身は特に何をするでもなく、ものすごくまったりしていました。

肝心の天気はというと、低空はガスっていてほぼ全滅で、北極星の下に星が何も見えないとか、ちょっと変わった状況でした。それでも天頂付近はよく晴れていて、撮影しようと思えば十分でき、三つ子銀河とかは狙い目だったと思います。でも持ってきている機材が機材で、短焦点なので結局RedCat51を出しっぱなしにして、ほったらかしでした。

途中、学生のカップルが来て、メンバーのSさんのμ210で木星を見てもらっていたのですが、なんか微妙に詳しくて反応がいいので、もしかしてと思って聞いてみました。なんでも昼間は科学博物館に行ってプラネタリウムで星の解説を聞き、夜は星を見にきたそうで、今どきの若い子にしては珍しいくらいの感心のデートコースです。さらに聞いてみると、男の子の方は天文を研究している地元の富山大の院生で、銀河が専門のようです。研究だけでなく結構実際の星にも興味がありそうだったので、県天メンバーも集まってきて、星や星座のことをいろいろ話していました。

もうそのころにはベガはかなり上の方まで昇っていたので、星座ビノでこと座の形を見てもらい、Sさんがμ210ですぐにM57を入れてくれたので、見てもらいました。

さらにμ210でM13も見てもらったのですが、Y会長が「昔は裸眼でM13を見ていた」と言うので、M13を星座ビノで探してもらいました。星座アプリで「ヘルクレス座の中心の四角形の上の2つの星の、真ん中から少し左より」と位置を確認しながら探したのですが、星座ビノだけだとちょっと厳しそうでした。そこで、四角形の上の2つの星の位置を改めて確認してもらい、双眼鏡を渡しました。最初は倍率が上がったので、その2つの星の特定にてこずってましたが、やがて二人とも2つの星と四角形の位置がわかり、無事にM13も双眼鏡で見ることができていました。双眼鏡で見ることができると、改めて星座ビノで見てもわかるようになるはずで、無事に二人とも星座ビノでも認識できているようでした。

二人ともかなり反応が良かったので、私も少しやる気が出てきて、せっかくなのでCGEM IIにセットしてあったRedCat51を取っ払って、代わりに全然サイズがあっていないFMA135を載せて、電視観望でM57とM27と北アメリカ星雲を見ました。

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二人とも、すごく喜んでいました。

21時台の早い時間から来ていたこのカップル、天の川が見たかったらしいのですが、「天の川が見えるのは23時頃ですよ」と言うと、「あと2時間もあるのかぁ」と残念がっていたのですが、こんな風にいろいろ見てもらっていたら、いつの間にか天の川も昇り始める時間になっていました。南が見える展望台の方に一緒に行くと、低空はまだ少しガスってましたが、うっすらと天の川の存在もわかりました。女の子の方は天の川を見たことがなかったらしくて、さらに流れ星もこの日生まれて初めて見たとのことで、とても喜んでいました。


結局そのまま帰ることに

気づくともう0時前になっています。残ってるメンバーもだんだん少なくなってきました。撮影をするか少し迷ったのですが、そこまでの空ではないせいか、皆さんももう帰るそうです。一人だとクマも怖いので、私も片付けることにし、0時過ぎに牛岳を後にしました。少し車で下ったところで改めて外に出て東から南の空を見ると、天の川がかなり濃くなってきていました。そういえば今年初の天の川だったことにこの時気づきました。

自宅には1時頃に着いて、結局寝たのは4時前くらいでした。朝は結局8時頃になってしまいましたが、この日も太陽撮影でした。太陽のことは、また別の記事で書こうかと思います。



Phoenixの大口径化でとうとう出ました。
ものすごい分解能です。

焦らずに順に説明していきます。


これまで

前回までで、フェニックスに口径の大きな鏡筒を組み合わせて太陽のHα画像を撮影してきました。

最初の記事 (その1) では、途中に入れたコリメートレンズの収差が分解能を制限していました。その後、(その2) で収差を改善し、 (その3) の撮影結果から、 (その2) で得られた画像ではシーイングが分解能を決めていたことを確認しました。

 (その3) では、口径12cmのTSA−120と組み合わせてある程度の分解能が出てきましたが、シーイングが良かった時の撮影ではなかったせいか、市販品の口径10cmのヘリオスター100Hαで出した分解能に比べると、まだ12cmの口径を活かし切っているとは言えません。シーイングが良くなればもっと改善するのか、それとも再び収差でリミットされた状態で分解能はここで頭打ちなのか、もう少し試そうと思ったのが、今回の記事の動機になります。


撮影

分解能を制限している原因を探ることは重要ですが、一番の目的は口径の大きさに見合った分解能を引き出すということなので、判明した問題点は随時気づいた時点で改善してきます。今回、撮影の前に2つのことをしました。

一つはカメラを普通のローリングシャッターのG3M678MからグローバルシャッターのApollo-M MINIに変えたことです。SharpCapの画像をリアルタイムで見ていると、大きなうねりのような歪みが見えます。特に赤道儀を動かした時は顕著です。撮影時は赤道儀は止めたままなのでそこまで影響はないかもしれませんが、風などが吹いて揺れた時は確実に影響があるでしょう。

今の設定では合成焦点距離が2000mm程度と、すでに結構長くなっているので、ピクセルサイズの細かいG3M678Mだと完全にオーバーサンプリングになってしまっています。Apollo-M MINIはピクセルサイズが4.5μmとオーバーサンプリングを解決するとともに、多少センサー面積が大きくなるため、さらに大きな視野を見ることができます。また、画素数が1944×1472とあまり細かくないため、撮影動画ファイルのサイズがあまり大きくならないことも助かります。これまで1ファイルで3GB超えでしたが、今回は1GB程度に抑えられます。使っているPCのトータルのSSDのサイズが1TBなので、120ショット撮って400GB程度になるのか、100GB程度で抑えられるかは大きな違いです。

もう一つの改善点は、TSA−120とフェニックスの距離を調整したことです。正確には、TSA-120に対するコリメートレンズの距離と言ってもいいかもしれません。コリメートレンズはより手前に置いた方が分解能が出るようです。これらの理由については、また別途記事を書くかもしれません。

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撮影は、2026年5月10日の日曜の朝早くからです。この日は快晴で、風もほとんどなく、しかも暑くもなく寒くもない、一年でも数少ない相当快適な日でしょう。しかも朝早いからか、肝心のシーイングもかなり良さそうです。撮影はいつものように、30秒ごとに1ショットで200フレーム、合計120ショットでトータル1時間程度になります。


すごい結果に

一番大きな黒点群AR4432付近を撮影します。最初の1枚を撮った段階で、すでに相当いい結果が出たので、速報としてすぐにXに投稿しました。前回とは比べるまでもないくらいに、はるかにはるかに分解能が出ています。

でもこれは、まだ最初の1枚目です。120ショット撮影し終えてから、全部を見比べてみると、最初に撮ったものは一番いいわけでは全然なく、それよりもっと分解能が出ている画像が何枚もありました。その中で一番いいものを示します。一部をクロップした画像になります。

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  • 撮影日時: 2026年5月10日9時46分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒:  ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5) + Takahashi TSA-120 (f900mm、F7.5)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: PlayerOne Apollo-M MINI
  • 撮影: SharpCap Gain 200 (= 20dB)、露光時間2.5ms、180/200 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、PixInsight SolarTools、Photoshop


どうでしょうか?上の画像の黒点周りの画像は、このページにもあるヘリオスター100Hαの画像と比べても、よりシャープな線が出ていて、12cmの口径の性能を引き出し切ったと言っても過言ではなさそうです。

その一方、一番解像度が出ていないものを載せておきます。ここまで違うのかと思うくらいの分解能になってしまっています。

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全く同じ設定で、時間によってここまで変わるのはこれまでの傾向と同じで、長時間撮影してその中でいいものを選ぶことができます。C8ヘリオスター100Hαに続いて、TSA-120で3例目で、「いいシーイングを確実に選んで撮影する」という、一つの手法を確立できたと言っていいのかと思います。

さらに、少し小ぶりの東側の新しく出てきた別の黒点AR4436も撮影してみました。こちらも同様に120ショットのうちからベストを選んでいます。こちらも一部をクロップした画像になります。

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  • 撮影日時: 2026年5月10日11時44分
なんと、黒点周りの噴き上がりが立体的に見えています。これまで口径20cm+PSTでも上手く撮れなかった像です。

この日は全体的にシーイングが良かったこともあると思いますし、グローバルシャッターが効いた可能性もあります。口径としては20cmには劣る12cmで、ここまで撮れたのはかなり嬉しいです。エタロンがPSTのものから、半値幅が大幅に改善されたフェニックスのものにした甲斐があったのかと思います。

いずれにせよ、このレベルなら口径12cmの限界近くを引き出していると言ってもいいでしょう。市販品ではなく、改造品でここまで出せたのは、自由に機材を扱うことができるという、アマチュア天文冥利に尽きるのかと思います。

その一方、太陽望遠鏡は常に危険と隣り合わせなので、安全に対しての責任は自分が負うことになります。フェニックスの改造は世界的にも、日本国内でも例がどんどん出てきているので、今後も増えていくかと思われます。自分だけは大丈夫だとか、間違ったことなど起こるはずがないなど、思い込みはとても危険です。決して油断することなく、安全には十分に気を付けることが大切です。


課題

ここまではいいことばかりを示していますが、まだまだ問題点もあります。改めて、1枚目の全体像を、鏡像反転する前の状態で示します。
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左下が視野の範囲外になってしまっていて、撮影できていません。これはTSA-120とフェニックスの取り付け位置が相対的に平行にずれてしまっているからです。TSA-120とアルミフレームを固定するためのアルカスイス互換プレートが、TSA-120の中心軸に対して1cm程度のオフセットをつけて取り付けられていることは、以前述べた通りです。さらに、よく見ると高さ方向もTSA-120とフェニックスで相対的にずれていることに気づきました。

これらを直したとして、それでも分解能が出ている範囲が円状のエリア内だけになっていることは深刻です。先に見せた画像ではいい分解能の範囲だけを見せていますが、その外側にリング状にボケて見える部分があるのがわかるかと思います。これは収差なのでしょうか?それともエタロンの中心範囲がずれているからなのでしょうか?ここはもう少し探る必要がありそうです。

ただ、そうは言っても今回使ったカメラApollo-M MINIが2/3インチサイズで面積が大きいので、上の画像は相当広い範囲を見ていて、これまで使っていたような例えば1/3インチのASI290MMを使えば、ちょうど良像範囲がカメラ面積に一致するくらいになりそうです。ただし、今回のグローバルシャッターがどれくらい効果があったのかはきちんと把握しておくべきかと思っています。もしグローバルシャッターがこの分解能を出すのに重要ならば、カメラを替えることよりは、バローレンズなどで拡大撮影する方がいい結果になるかもしれません。


まとめと今後

まだ課題はありますが、画像の中の一部だけでもかなりの分解能を出せることを示すことができたということは非常に心強いです。今回のようなチャンピオンデータを出せたら、それを目指して全体を調整していくという方向性でいいでしょう。

ここまで分解能が出ると、口径20cmのC8にする必要性があるかどうかもちょっとわからなくなってきます。それでもやはり、更なる大口径とフェニックスエタロンの可能性をもう少し見てみたい気もします。ただ、20cmへの移行はまだあまり準備が整っていないので、もう少しだけ12cmで議論を続けたいと思います。特に、収差に関してはこの段階である程度はっきりさせておきたいです。




実際のフェニックスの大口径化作業がどんどん進んでいて、ブログ記事の方が追いついていないです。とりあえず連休中の分を書いておきます。


前回までは、エタロン前に置いたコリメーターレンズの収差と思われるのが原因で、像がボケボケだったものを、PSTのエタロンに付いていた対物側の焦点距離-200mmのレンズを使うことで、分解能が一気に出たことを書きました。でも、この分解能が果たしてまだ収差に制限されてしまっているのか、それともシーイングが制限になってしまっているのかが不明でした。今回はこれに決着をつけたいと思います。


分解能を制限しているのは何?

今回は、これまでのように30秒ごとに1時間程度、合計120ショット撮影を続けて、その中で前回撮影したものより明らかに分解能が良いものがあれば、前回の撮影はシーイングリミットだった、ほとんど変わらないなら収差リミットだったと言えるのかと思います。もう少し言うと、前回は12cmよりも10cmの方が若干分解能が良く、少なくとも10cmに比べて12cmの口径としての分解能は確認できていません。シーイングは時間によってばらつきがかなりあることはわかっているので、前回の10cmと12cmでみた逆転や差は誤差の範囲内の可能性が高いと思っています。

さて、2026年5月6日のゴールデンウィーク連休最終日、実際に撮影してみました。実際には前回の記事の撮影日の次の日に撮影していて、比較のためにもセットアップは何もいじっていなくて、全く同じ状況での撮影になります。

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シーイングができるだけいい時間帯ということで、撮影は午前中にしましたが、あいにく全体に薄雲が掛かっている状態で、時折晴れに近くなったり、時折熱い雲が通ったりと、状況的にはかなりイマイチでした。それでもその中で1枚でも前回よりいい分解能で見えるなら、前回の撮影は収差リミットでなかったと言えるので、撮影を敢行しました。

曇が通ると写らないこともあるので、結局合計235ショットを撮影しました。曇りのせいか、そもそもこの日はシーイングが悪いのか、ほとんどの画像は分解能は出ていませんでした。前回程度のものもありますが、前回よりも数多く悪いものもあります。でもその中の少なくとも9ショットは、やはり明らかに分解能が出ているものがありました。その中で、ベストのものがこれになります。
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前回のものが以下になります。明らかに上の方がいいですね。
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少なくとも前回を越すものが1枚でもあったということから、前回の結果は収差リミットではなく、シーイングが悪く、改善の余地はあったということがわかります。また、前回は10cmと12cmの分解能が逆転していましたが、今回は前回の10cmで撮影した結果よりも分解能も出ているので、前回はシーイングのばらつきでたまたま順位が変わったと考えてよさそうです。


まだ結論は出ていない

た、だ、し、だからと言って、今回撮影した結果がまだシーイングリミットなのか、これで収差リミットになったのかは判断がつきません。特にこの日は曇りで、平均的にシーイングがそもそも良くなかったと思われるので、まだシーイングリミットの可能性もあります。上の画像は、その中でもシーイングがいい時間帯を選んだことになるので、この画像の時は十分シーイングとしては良く、実際に分解能の制限に効いているのは改めて収差になった可能性もあります。というのも、上の画像でもまだ口径10cmのヘリオスター100Hαに迫っているとは言えず、口径12cmの性能を引き出し切っているとはとても思えないからです。

シーイングリミットにしろ、収差リミットにしろ、もしくはその他の原因にしろ、統計的に考えたら、無相関なバラツキの和になるので、それぞれのブレの2乗和のルートで効くと考えればいいはずです。全体で見ると、大きなブレが支配的になり、ブレが小さい成分は効きが一気に弱くなります。
  • 例えばシーイングのブレ成分が1として、それに収差のブレ成分が半分だとして混ざると考えたら、2乗和のルートで考えるとsqrt(1^2+(1/2)^2) = sqrt(1+0.25) ~ 1.18なので、ブレは2割も増えません。
  • シーイングのブレ成分が1で、収差のブレがその10分の1なら、sqrt(1^2+(1/10)^2) = sqrt(1+0.01) ~ 1.004と、それぞれの成分で見て1割あったはずの増加分は、全体で見るとわずか0.5%以下の増加になります。
  • 収差のブレが1で、シーイングのブレが同じ程度の1あったとしても、全体ではsqrt(1^2+1^2) = sqrt(2) ~ 1.4倍程度にしかなりません。
大きなブレがあると、それが支配的になりやすいということです。

なので今回言えることは、「このセットアップで、少なくとも今回撮影したところまでの分解能を出す性能があることはわかった」ということだけなのかと思います。繰り返しになりますが、今回の撮影で得た分解能を制限している原因はまだ分かっていません。でも、今回の撮影の結果から、前回の分解能が収差で制限されていたわけではなかったということは言えますね。


次は?

次に確かめるべきこととしては、明らかに今回よりもシーイングのいい時を狙って、さらに分解能が改善されるかどうかを見るべきでしょう。もうこれ以上改善されないなら、収差制限か、もしかして他の原因による制限かもしれないけれど、それが今のセットアップでの限界ということになるので、その原因を取り除くような改善をしていくべきなのでしょう。

さて次回ですが、実はもう撮影は終わって暫定的ですが結果も出ています。また記事にします。



趣味として星を始めたのは2016年のゴールデンウィークのことです。今年2026年のゴールデンウィークで丸々10年経ったことになります。月日の経つのは本当に早いものです。

これまで年間のまとめはしてきました。ここに10年分の年間のまとめをまとめたページがあります。

こちらを見ると何をやってきたかがある程度わかるのですが、これでも内容的には多すぎるので、今回から数回の記事で、この10年間の天文生活を俯瞰して書いておきたいと思います。


天文趣味のはじまり

2008年にアメリカから帰国して、富山の暮らしを始めました。趣味として広い庭を利用してラジコンカーに走ったのですが、今ではいつくらいから始めたのかも忘れてしまいました。そろそろ何か他のことをしたいと思っていたのが2016年でした。ラジコン趣味の時の反省は、
  • 何も記録を残していなかったので昔のことは記憶が薄れてしまうこと
  • メーカー縛りが激しくもっと自由な趣味にしたかったこと
  • 技術的な根拠を求めようとしても、趣味全体としてあまりその方向には行かないこと
  • 基本的にドンくさいので、レースみたいなタイムアタックではなく、もっと落ち着いて考えることができることをやってみたかった
などから、天文を趣味として、今度は「きちんと記録を残しておくこと」にしました。これがこのブログを書き始めたきっかけです。なので最初はブログの目的は記録でした。

2016年4月末、実家の名古屋にあったスコーピオで、「最初はポルタがいいよ」という店長の言葉を全然無視して、赤道儀と20cm反射鏡筒を買って始めたのですが、この天文という趣味はかなり自分の性格に合っていました。
  • 見えないものが見えるという探究心をくすぐること
  • 宇宙というキリがないものを扱うこと
  • 突き詰めていくと技術がベースになっていること
  • 自分で考えた技術改善で、効果が目で見てわかり実感できること
などです。特に、最後の「自分で考えたこと」を「自分で確かめることができる」ような、ちょうどいい規模感が心地よく、10年経った今でも飽きることもなく、まだまだ続けることができそうです。

10年間で何をやってきたかを、まずはテーマ別に振り返っていこうと思います。


電視観望

私にとって電視観望はこの10年間のライフワークだったと言ってもいいでしょう。2016年の、それこそ星を始めてすぐの胎内の星まつりで、一眼レフカメラの出力をHDMIでカラーで星雲を見せていたことに刺激を受け、自宅に帰ってすぐに惑星撮影用に持っていたASI224MCをBKP200に取り付けて試してみました。意外にも簡単にM57やM27が色付きで見えたのにかなり衝撃を受けました。

その後、大きな口径もあまり必要なく、焦点距離はむしろ短い方がいいということに気づき、同じ年の2016年10月にはすでに口径6cmのFS-60CBをメインに移して、その後電視観望の基本的な技術をずっと公開してきました。電視観望は、星まつりでのデモでは天文マニアに注目を集め、



観望会では観望方法の一つになっていきました。


その後何度か講演などにも呼ばれ解説してきました。特に、最初の小海での講演は短時間でしたが、重要なコンセプトはほとんど詰め込んでいます。


内容は今読んでもあまり遜色ないかと思います。


その後も、
など、電視観望関連で全国で多数の講演をしてきました。

2021年には今も常用形態のFMA135を使った口径わずか30mmのミニマム電視観望体制に移行しています。今のスマート望遠鏡のSeestarS S30やDWARF3も口径30mmや口径35mmで焦点距離も似通っているので、行き着く先はまあ同じなのでしょう。Seestar S30やDWARF 3の発売開始が2024年の夏以降なので、かなり以前からその状態に辿り着いていたということになります。もっと言うと、eVscpeが2018年頃の発売で、その頃はまだ100mmという大口径を売りにしていました。ほしぞloveログでは2016年以降はすでに小口径の60mmに舵を切っていて、その後Seestar S50が2023年9月にやっと50mmで小口径に舵を切って、その後もスマート望遠鏡全体の小口径化が進んでいったので、この方向性は当初からかなり正しかったと言えそうです。

カメラは最初こそASI224MCでしたが、2017年にASI294MCが出てからは一気に世界が変わりました。フォーサーズという大センサーサイズを利用して、より広範囲で見えるようになったのです。これまでのASI224MCが1/3インチサイズだったので、一辺で4倍、面積にするとざっくり16倍の範囲が見えるようになったのです。これまで見えにくかった大型の天体、アンドロメダ銀河や、オリオン大星雲、バラ星雲などが一度に捉えられるようになりました。その後、焦点距離はさらに短くてもいい方がさらに広範囲も見えることがわかりFMA135に移した際に、カメラも無理をせずに少し面積の小さいUranus-Cに落ち着きました。スマート望遠鏡では、最近発売開始のSeestar S30 Proが、Uranus-Cと同じIMX585センサーを使いようやく面積を増やそうとしています。カメラセンサーがコストに一番効くはずなので時間がかかったことも理解できますが、ほしぞloveログで常用しているセンサーと同じところに行き着いたということは、やはりこの方向がある意味最適解に近いということになるのかと思います。

電視観望は、観望会にある意味革命を起こしたといっていいのかと思います。観望会は安全を考慮して、明るい街中で行われることの方が多いのですが、一般の人にも星雲や星団、銀河など、暗いところに行って大口径の望遠鏡を使ってしか見えないようなものまで、モニター上にはなりますが、リアルタイムで見せることができるのです。一般の人が驚くだけでなく、天文マニアにとってもかなりインパクトは大きかったようで、その後各地の観望会で電視観望が普通に試されるようになっていきました。ここら辺はこのほしぞloveログが貢献できたところかと思っています。

その後、スマート望遠鏡が出てきて、さらに多くの人が気軽に電視観望相当のことができるようになりましたが、実は現在のスマート望遠鏡のメインの使い方は、私が考えていた電視観望の使い方とは違うように感じています。電視観望は原則はあくまで観望会のためと思っていて、撮影のようなことも何度か試してブログ記事にもしていますが、やはりあくまで観望会でその場で見ることがメインです。一方、スマート望遠鏡はその場でのリアルタイム観望というよりは、天体写真撮影が簡単にできるというのがメインの気がしています。まあ、機器構成はかなり近いものがあり、大きく違うところはソフト部分で、スマート望遠鏡のハードソフトあわせての一体型設計で体験できる簡単さというのが、撮影を簡単にするというところに大きく貢献しているのかと思います。私は撮影は別機材にしてしまうので、スマート望遠鏡や電視観望機器に対して、撮影での要求はほぼないので、ここら辺がメインの使用方法の違いにもつながっているのかもしれません。


DSO撮影

このブログは電視観望がメインのように扱われてしまうことも多々あったのですが、実際にはDSO(Deep Sky Object、星雲・星団・銀河のこと) 天体写真撮影もかなりの数をこなしています。

初のオートガイドをつかた本格的な長時間撮影は、星を始めた年の2016年11月のことで、FS-60Q+EOS 60Dでアンドロメダ銀河とスバルを撮影しました。その後カメラはフルサイズの天体改造6Dになりましたが、撮影用のカメラといえばしばらくの間は一眼レフカメラオンリーでした。その後、電視観望目的で買ったASI294MCが感度がいいので撮影に使ったりもしましたが、Proでない常温モデルなので、撮影に本格的に使用するには至りませんでした。

その後、冷却カメラのASI294MC Proを手に入れたのは2019年1月でしたが、評価ばかりしていて、実際の撮影に冷却機能を使ったのはかなり後で、2020年3月のことでした。結局、撮影にCOMSカメラを使いはじめることができたのは、やっとこの頃のことになります。でもこれには理由があって、当時CMOSカメラのディザー撮影に対応していたソフトがほとんどなかったのです。その一方、6Dの場合はBackYardEOSというソフトがディザーまで安定にできていたので、なかなかCOMSカメラに環境を移すことができなかったというのが正直なところでしょうか。私はAPTでやっとまともなCMOSカメラの撮影を始めることができました。APTは課金までしたのですが、そのすぐ2ヶ月後の2020年5月にはNINAに移ってしまい、そこでやっとCMOSカメラで安定した撮影環境が構築できたといっていいでしょう。今となってはなかなか考えられないですが、当時はまだCMOSカメラの撮影に模索していたのです。まだわずか6年前のことですね。

この当時でもまだしばらくの間はカラーカメラだけで、モノクロカメラを手に入れてナローバンド撮影を始めたのはそこから1年半くらい経った2021年10月のことです。RGB撮影を始めたのは2021年11月LRGB撮影はそこから1年後のことで2022年10月です。こうやって見ると思ったより最近で、この理由はひとえに財政的なことによります。要するにカメラと、フィルターホイールと、フィルターをRGBとナローバンド全部揃えるのが大変だったというわけです。

せっかく揃えたナローバンドですが、HOOはまだいいのですが、SHOはハッブルパレットなど、色使いがいまだにあまり好きになれずに、作例はごくわずかしかありません。LRGBやRGBにHαやOIIIを混ぜる方が多いでしょうか。その後、フルサイズのASI6200MMを手に入れて、こちらを2インチフィルターのセットでε130Dに、ASI294MMの方はSCA260に取り付けて2023年5月ころから稼働しています。

撮影用の機材はどんどん高価になり、どんどん大型化していきます。その一方で、お手軽撮影の方向にもいくつか走っています。電視観望でライブスタックを利用して撮影するのも一つですし、SWAgTiと名付けたSWATとAZ-GTiをくっつくて、SWATの追尾精度とAZ-GTiの多機能性を活かし、ガイドなしで3分間露光を実現したりしています。

ガイドは無いけれどもディザーは有りという少し変則的な撮影方法ですが、ガイド教を使わなくて良かったり、鏡筒にRedCat51を使いカメラにUranus-C Proを使って周辺減光がほとんどないようなセットアップで撮影しているので、フラット補正もダーク補正もせずに、画像処理も楽になるようにして撮影したりしています。明るい天体はいいのですが、やはりある程度淡い天体はこのような簡易撮影では厳しいので、ε130DやSCA260などの光景が大きくかつF値が小さい鏡筒で撮影しています。


太陽

太陽を始めたのは2018年2月と、今思うと意外に初期のころで、星を初めてから2年も経たないころです。その前の年の2019年の福島の星まつりで太陽を見せてもらって興味を持ったのと、富山の冬が全然晴れないことに郷を煮やして、せめて昼間でも何か楽しめないかと考え、たまたま出ていた中古のジャンクのPSTを手に入れました。暗くて見えにくいという理由でジャンクになっていたのですが、例によって手に入れてわずか2日後には分解していて、その後BF (ブロッキングフィルター) を清掃したら、十分使えるようになりました。

でも口径4cmで撮影できる像は限られていて、なんとかして分解能を上げたくなり、PST modとよばれている大口径化を目指しました。PSTを手にいれてわずか20日後のことでした。最初は口径8cmで分解能が上がることを確認し、4月にはすぐに10cmに移行しました。順調に分解能も上がり、2018年6月、次にC8で口径20cmを目指しましたが、ここで赤色のフィルターを熱で割ってしまうという事故があり、それ以降は大口径化はしばらくの間お蔵入りになっていました。

大口径に動きがあったのは、事故から2年半近く経った2020年11月のことで、吸収型のフィルターを使わずに、反射型のフィルターにすればいいと思いついたときです。UV/IRカットフィルターを入れて熱をある程度入射側に逃してやることで、エタロンなどを損傷することなくC8をPSTを接続することができ、これまでとは比べ物にならない分解能を実現することができました。

これらの成果は天リフさん主催の2021年6月の『天リフ超会議「ガチ天2021」』において「太陽Hα分解能への挑戦」というタイトルで話させていただきました。他にも太陽関連の講演として2025年2026年のCP+で話させてもらっています。2025年は主にフェニックスについて、2026年は主にヘリオスター100Hαについて話しましたが、ヘリオスターでは3分周期の黒点振動というのが撮影でき、大きなインパクトがありました。

C8やヘリオスターなどある程度口径が大きくなると、分解能はもう口径リミットではなく、シーイングリミットになることが多く、いいシーイングを探す方法を模索しました。2025年4月にC8で、2026年2月にヘリオスターで試し、1時間で100枚オーダーで撮影すると、そのうち数枚レベルでものすごくいいシーイングをキャッチできることがわかってきました。

太陽で大きな機転があったのは、2025年4月にSHG700を使った分光撮影に手を出したことでした。

数年前にSol'Exが流行った時代があったのですが、その時は解像度を出すのが難しそうだったので見送りました。SHG700は重要な調整自由度にマイクロメーターを使うなど、Sol’Exの弱_点を克服して、分解能を出しやすく改良しています。分光撮影は波長を分けて見ることになり、その波長の中にはもちろんHαを含めることもでき、波長を広げることでさらに多くの太陽の様々な側面を見ることができます。Hα周りの短波長側も超波長側も同時に見ることができるので、うまく処理するとドップラーシフトを見ることもできます。このドップラーシフトは太陽が自転していることとも関係していたり、これまでと普通に単に望遠鏡で見る撮影方法とは違い、見えるものが全く違ってくるので、かなり面白いです。鏡筒は最初FC-76で始めましたが、その後さらに口径の大きいTSA-120に拡張することを模索しています。

その後、再びHα望遠鏡に戻って今に至るのですが、PSTエタロンはもうかなり昔に設計されたものなので、半値幅が大きいというのと、面内精度がイマイチという不満がありました。CP+で使わせてもらったフェニックスがかなり良かったので、結局自分で購入してしまい、最近はこのフェニックスのエタロンを使って、PSTエタロンと同じような大口径化することを考えています。こちらも20cmまで持っていきたいのですが、ちょっと大変そうだということもわかってきました。


惑星

このブログでは惑星についてはあまり取り扱っていませんが、鏡筒と赤道儀を手に入れてすぐの2016年5月、一番最初の本格的な撮影は惑星でした。20cmニュートンのBKP200では直焦点撮影で点のようにしか写りませんでした
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初めて撮った土星です。え、何も写っていない?
画面をクリックして拡大してみてください。

その後、拡大撮影を試みたのですが、全然綺麗に撮れません。焦点距離が足りないと理解して、2ヶ月後の2016年7月には中古のC8に手を出しました。C8も同じ20cmですが、こちらも最初は全然と言っていいほど見えませんでした。中古で安く手に入れたものだったので、半分壊すようなつもりでほぼ全バラ状態にして、どこをどういじればよく見えるようになるかを学ぶことができました。

こうやって振り返ると、わからなかったら分解してでも突き詰めるというのは、最初の頃から今に至るまであまり変わっていない気がします。それに加えて、C8と同じく7月にCMOSカメラのASI224MCに手を出したのが、一つの大きな転換点でした。一眼レフカメラで撮影した惑星は、どうやっても細かい模様が出なかったのです。あとで、一眼レフカメラの動画は圧縮されているとわかって、CMOSカメラのRAWで動画を撮ることがいかに重要かを実感することができました。こうやってとうとう、圧倒的に高画質な土星が撮れたのです。これが沼にはまった瞬間だったのだと思います。


全体を見てみると

上記の4分野の他にも、もちろんいろいろやっています。星景や月や彗星は定期的にブログ記事になっていますし、読み返すと眼視ネタもたまにあったりします。でもいずれも数が多いわけではないので、まとめようとするとちょっとネタ不足です。

機材関連はたくさんネタがあるので、これは別にまとめようと思っていますし、画像処理とかのソフト的な話もたくさんあります。でもこのブログのテーマでもあるように、単にやったと言うだけでなく、なぜこうなったかとか、どうしたらいいのかというのが、記事としては面白かったのではないでしょうか。

あ、ついでにこのブログの方針みたいなことも少しまとめておきましょう。元々は日記のようなものでしたが、機材とかの細かいことを書いていると、やはり読んでくれる人が増えてくることがわかってきました。そして意外にも、自分で得たの経験が他の人の参考にもなるのだと気付いてからは、読者のことにも気を使って記事を書くようになりました。自分だけのことだと大抵独りよがりになってしまうので、多少長くなってもやっていることが伝わるように、わかりやすく詳細に記事を書こうというのをずっと心掛けてきました。根本のところは、見えないものが見えてくるのが楽しいので、なにか自分で改造などして、その成果を撮影などで確認するというのがパターンになっています。

自分で考えてやることが基本なので、自分にとっても新しいことが多いです。当然他の人にとっては初めてのことのように映ると思うので、できるだけわかりやすい文章にすることがとても大切だと思っています。進歩が好きなので、逆にいうと同じことをやるのは結構苦痛だったりします。なので、なんの進化もなく同じ天体を写すとかはこれまでもほとんどないのかと思います。太陽は刻一刻と姿を変えるのですが、それでも記録的に義務みたいに撮るのはあまり気乗りしなかったりもします。じっくり観察するという天文向きの性格ではないのは自覚しています。やはりどちらというと物理屋っぽい考えなのかと思います。

進化すること自体が面白いので、手法には全然こだわっていません。電視観望もあくまで一手法として面白かっただけで、これが全然別の、あまりやってこなかった例えば眼視や双眼鏡に夢中になっていた可能性もあります。太陽はその典型的な例でしょう。ここまで夢中になるとは思っていませんでした。面白くなると集中してしまうのも悪い癖で、今は本当に太陽がメインで、夜の撮影はかなり怠けてしまっています。太陽が一段落したら、また別のテーマを見つけるかもしれないですし、もしかしたら天文趣味以外に道を見つけることもあるかと思います。要するに自分がいいと思ったことをやればいいと思っているので、他人のやることに口を出すこともあまりしたくありません。

あ、あまりブログ記事になっていないことがありました。人に教えることです。特に画像処理とかでしょうか。いくつかは記事にもなっていますが、記事になっていない(していない)ことの方がはるかに多いです。画像処理はオンラインでできるので、休日前の明るい月の時は、結構知り合った人と夜に画像処理でいろいろやっていたりします。個人的な付き合いなので、記事にしないことが多いです。

あと、こちらはまだ記事にも随所に出てきますが、子供たちにいろいろ教えることも大好きです。記事にしていないローカルな教育っぽいこともたくさんやっています。子供だけではないですね、自分が理解したことを伝えるのも好きなので、講演や直接人と話す機会をできるだけ設けて話すようにしてきました。全国に星友がたくさんできたのも、ブログにこまめに記事を書いて、それをネタに話してきたからかと思います。

一言でいうと、かなり幸せな10年間でした。

宇宙というあまりに広い道の場所を探索しているので、富山のような田舎でも全くつまらないこともなく、充実した趣味生活を送れているのかと思います。


振り返り (その1) のまとめ

春頃からのんびりとこの記事を書き始めたのですが、いつもの悪い癖で膨大になりすぎてしまい、連番でいくつかの記事に分けることにしました。今回の記事は、やってきたことのテーマ別の話です。

でも書いていて、何のために書いているのかちょっと自問自答していました。本来は自分の振り返りなのですが、自分自身だと過去ブログを読んでいれば大体把握できる気もします。じゃあ、このブログを読んでいる人向けにまとめがてら見てもらうためかというと、まあそんな気もしています。でももしそうなら、もう少し10年を見渡しての新規のことを書けばいいと思うのですが、振り返ってまとめるだけで精一杯で、あまりうまくいきませんでした。

それでも一区切りでまとめておく価値は、たぶん将来見たらあったと思うと期待することにして、懲りずにもう少し書いていこうと思います。

次回はこのブログで提案してきたことを中心にまとめるつもりです。今の所3回分の記事で収めるつもりですが、どうなることやら。さすがに10年は長いです。


先週試したフェニックスに口径10cmの鏡筒を付ける試みですが、半分成功、半分失敗といったところでしょうか。少なくとも口径4cmのオリジナルのフェニックスよりは分解能は出ましたが、なんかボケボケで、まだ口径10cmの性能が出ているとは思えません。今回は、なぜ分解能が期待通り出ないのか、どうすればいいのかを試してみました。


3枚レンズの合成焦点距離

前回の記事のコメントで、銀命堂さんが合成焦点距離に関して有益な情報を提供してくれました。銀命堂さんには、以前VISACの光軸調整のシミュレーションのページでお世話になり、このブログにもコメントをいただいた方で、光学設計に詳しく、同ブログにある天体写真を見ても相当な実力をお持ちの方です。

3枚レンズの合成焦点距離は、銀命堂さんがコメントに式も書いてくれていますが、、今回の合瀬焦点距離はきちんと計算にはこのページが便利です。



物体距離を1000000とかかなり大きな数にして、物体距離 
  • 第1レンズの焦点距離: 1000
  • 第1-2レンズの間隔: 800
  • 第2レンズの焦点距離: -200
  • 第2-3レンズの間隔: 50
  • 第3レンズの焦点距離: 400
と順次数値を入れて計算を実行すると、合成焦点距離が2000mmと出ます。これも便利なのですが、簡易的な計算としては銀命堂さんがおっしゃるとおり、1000mm/200mm =5 倍のガリレオ式望遠鏡と考え、この倍率にフェニックスの対物レンズの焦点距離400mmを掛けた 5 x 400mm =2000mmと出すのが、暗算でも求められるので簡単です。

ちなみに、C8+PSTだと合成焦点距離は2000mmでした。これはC8の2000mmに-200mmのレンズで10倍、それにエタロン後部の200mmを掛けて2000mmと同様に暗算でも計算できます。今回焦点距離が1000mmの鏡筒なのに合成焦点距離が伸びてしまったのは、コリメートレンズを-200mmにして、フェニックスの対物レンズが倍の400mmと絶対値に違いがあるからです。

コリメートレンズの焦点距離を決めると、平行光の条件 (1/f = 1/f1 + 1/f2 - d/(f1*f2) で f=∞ を解くとd = f1+f2、今回の場合d = 1000 -200 = 800mm) でレンズ間距離が一意に決まります。鏡筒の焦点距離の手前に、コリメートレンズの焦点距離部だけ鏡筒側に食い込んで置かなければならず、今回のMagellanもフォーカサー部を外すことでこの条件の位置に置くことができました。前回記事のコメントでエレキさんが言われたように、もっと焦点距離が負側に長いコリメートレンズを置けば収差が減っていいのかもしれませんが、そうなってくると鏡筒を切断するとか、別途鏡筒に変わる何かを用意する必要がありますし、そもそもパッと探した限り-300mmくらいの凹レンズが最長で、それ以上は簡単には手に入れることができません。


エタロンの中央遮蔽が問題?

ここら辺までが、前回のブログ記事をアップしてからジタバタ考えていたことでした。今回まず試したいことは、前回ブログの最後の方にも書いた、このボケがフェニックスエタロンの中方遮蔽から起こるのではないかという推測の確認です。方法は、手持ちの口径8cm、焦点距離400mmの鏡筒に同じ-200mmのコリメートレンズを付けてフェニックスを接続してやります。エタロン位置での平行光条件から、最初のレンズから200mmの位置にコリメートレンズを置くようにすると、エタロン位置でのビーム径が40mmになり、前回のビーム径20mmに比べて十分に大きく、中央遮蔽を避けることができるはずです。これでボケボケなのが解決されるなら、中央遮蔽が悪かったということになります。

10cm鏡筒が載っていたアルミフレームには、アルカスイス互換のクランプが取り付けてあります。鏡筒側にアルカスイス互換のプレートを取り付けていれば、クランプの開け閉めだけで、鏡筒をを容易に取り替えることができます。

持ち手代わりのためと、ガイド鏡やファインダーを付け替え可能にするために、ほとんどの鏡筒にアルカスイス互換プレートをつけるようにしています。なので10cmの鏡筒を8cmのものにすぐに交換することができます。ただし今回の場合は、二つの鏡筒の光軸を合わせるために、特に「高さ」を調整して合わせなければいけません。8cm鏡筒と10cm鏡筒はまた交換したくなるかもしれないので、今回はフェニックス側の高さは変えずに、8cm鏡筒の高さを間にプレートを挟むことで調整しました。

高さ調整後、アルミフレームに2つの鏡筒を載せた状態にします。2つの鏡筒の相対的な距離に関しては、アルカスイス互換のクランプを緩めることで、かなりの範囲を位置を調整できます。

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結果はというと、SharpCapの画面上で見ても相当ボケボケでした。ピントが合う位置が無いような状態で、10cmの時より全然ひどいです。

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全く改善がないということで、中央遮蔽は関係なく、コリメートレンズの収差が問題だという可能性が高くなってきました。

ここで疑問が湧きます。今回のコリメートレンズはAmazonで見つけた安いもので、直径50mm、焦点距離-200mmの球面の凹型の単レンズです。単レンズでは収差を避けることができないので仕方ないのですが、ではなぜPSTでは8cmや10cmと組み合わせてもきちんと見えていたのでしょうか?

改めてPSTのエタロンの対物側のレンズを外して確認にしてみたのですが、やはり以前見たとおり単レンズにしか見えません。

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理由がよくわからないのですが、少なくともPSTの大口径化ではうまくいっていたと考え、とりあえず試しにこのPSTエタロンの対物側のレンズを使ってみることにしました。

このレンズは焦点距離は-200mmで同じですが、径が23mmで、Amazonで買った50mmのレンズに比べて小さいです。光はこの径しか通り抜けることができないので、フェニックスエタロンの中央遮蔽の影響はより出るはずですし、このレンズ径で制限されるとすると8cmになった口径を生かしきれないので、分解能的に不利になるはずです。不利なことしかない気がしますが、それでも像が改善されるなら、収差がなくなるような何らかの理由が存在すると思っていいでしょう。

こちらも簡単に、テープでフェニクス前面に貼り付けてやります。さらにその上にUV/IRカットフィルターを付けます。
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結果はどうなったかというと、SharpCapで見る段階で大幅に改善しています。
スクリーンショット 2026-05-05 111938

うーん、なぜなんでしょう?それでも、少なくともこの結果から、中央遮蔽の影響は象には関係ないと言えそうです。


10cmをPSTレンズで再び試す

中央遮蔽の問題ではないことが確認できたので、ビーム径は小さくてもいいと考え、再び口径8cmから口径10cmに戻します。その際に、PSTレンズも10cmの方に付け替えてやります。F10鏡筒なので、エタロン位置でのビーム径が20mmになり、PSTレンズにほぼぴったりの径になります。

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SharpCap上で確認すると、口径10cmの場合でも、PSTレンズを使えばかなりの分解能が出ることが確認できました。
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せっかくなので、動画で撮影して画像にまで仕上げてみました。
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これならば十分な解像度が出ていると言えます。

ついでにフェニックスオリジナルと比較してみましょう。左がフェニックス単体、右が口径10cm+フェニックスになります。
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前回のアマゾンで買ったコリメートレンズの時よりも、明らかに細かい線が出ていて、分解能が上がっていることがわかります。

あと、それぞれの画像の下にある倍率を見ると505%と100%となっていて、5倍の違いになっているのがわかります。これはフェニックスの400mmの焦点距離が、2000mmになって5倍になったのと一致しているので、実際に合成焦点距離が計算通りに出ていることがわかります。



TSA-120を使い、口径12cmに

調子に乗って、口径12cmのTSA-120で試します。こちらは合成焦点距離が900mm / 200mm x 400mm =1800mmとなり、エタロンでのビーム径が120mm x 200mm/900mm = 27mmとなります。その手前のレンズ径が23mmなので、120mmの口径は完全には生かしきれず、単純には120mm x (23mm/27mm) = 104mm相当になります。 

ただし、TSA-120は鏡筒の外径が大きいため、光軸を合わせるために、今度は高さの低いフェニックス側の高さを調整する必要があります。それだけならいいのですが、TSA-120に取り付けてあるアルカスイス互換プレートは、ネジ穴位置の関係から鏡筒バンドの中間に取り付けられていなくて、中心から1cmくらいオフセットがあります。下の写真でわかりますでしょうか?
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鏡筒バンド上部に取り付けてあるプレートが、
3つあるねじ穴の2つを利用して固定されているので、
片側に寄ってしまっています。

このオフセットを取り除くのはネジ穴加工が必要となるため、今回はとりあえず保留としました。TSA−120とフェニックスをきちんとアルミフレームに合わせて平行に取り付けると、1cmくら光軸がずれてしまいますが、まあなんとかなるでしょう。うまくいったらプレートの方を加工し直そうと思います。

赤道儀に乗せる際ですが、もともとアルミフレームの下側にVixen規格のアリガタを取り付けてあるのですが、ちょっと心もとないので、上下をひっくり返してTSA-120についているLosmandy規格のプレートで赤道儀に固定することにしました。そのため、フェニックスは上から吊り下げられたような状態になってしまいますが、これで問題なく安定に固定できています。

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なんか魔改造っぽくなってきました。

さて、結果はというと、
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と遜色ない分解能が出ています。10cmの場合と比べると、今回の12cmの方が少し分解能が落ちているようですが、シーイングは時間的にかなりのばらつきがあることはわかっているので、誤差の範囲内でしょう。


コリメートレンズの謎

分解能を出すという意味では、一応ここまでの結果を見る限り、大成功と言っていいのかと思います。

ただし、なぜAmazonで買ったレンズではダメで、PST付属のものだと収差がなくなるのか、その理由がまだわかっていません。焦点距離は同じで、両方とも単レンズです。同じようなレンズなので、単純に考えても収差がなくなる理由がよくわかりません。それとも収差ではない、何か他の原因があるのでしょうか?

色々考えていて、ふと思いつきました。もしかしたらPST付属のレンズを使った場合は「テレセントリック条件に近くなっているのではないか?」ということです。テレセントリック系を構築するには絞りが必要になります。平行光に近い焦点位置近くに絞りを入れることにより、その後のレンズで平行光に戻す際にはどの光束も全て平行になります。今回はコリメートレンズ以降が平行光になり、そのコリメートレンズの径が小さくなったということは、絞りを入れたことと同等の効果があります。もちろん完全なテレセントリック条件ではないですが、近いことは起こるはずです。

もっと単純に言い換えると、レンズ系を絞ったことにより、レンズの端の影響の球面収差を抑えることができたり、光束が細くなりコマ収差や非点収差が軽減されると考えてもいいでしょう。

いずれにせよ、収差に関してはレンズ径が小さい方が有利そうです。その一方、暗くなったり、エタロンの径を生かしきれないという不利な点が出てくることになります。


まとめと今後

PSTレンズを使うことで、口径8cm、10cm、12cmのいずれの場合も分解能が出るということがわかりました。実際には、PSTのレンズというよりは、小さいレンズ径が有利ということもわかってきました。

でも、このレンズ径の小ささで十分収差は除去されているのかというと、それはまた別の問題のはずです。今の像がまだ収差で制限されているのか、それともシーイングなどで制限されているのかというのが疑問として残ります。

シーイングリミットならもうシーイングのいい時を待つしかないのですが、もしまだ収差が問題だというのなら、これ以上径を小さくするのは分解能を制限する方向なっていって、あまり現実的ではなくなってきます。そうなると次は、収差の小さいレンズを作ることが次の課題になります。

次回は、今の疑問のシーイングリミットか、収差リミットかの切り分けをしてみたいと思います。希望的観測としては、PST+C8でもシーイングリミットが大半で、(収差が問題になるようなことはなく) きちんと分解能が出ていたという事実があります。


最終的には口径20cmのC8と繋ぐことを目指しているのですが、フェニックスをC8にそのまま繋ぐと合成焦点距離が4000mmとさすがに長すぎになってしまいます。前回と今回の検討から、今後の合成焦点距離も課題として持ち上がってきたことになります。



今年のゴールデンウイークですが、前半に関東で用事があって、富山から車で移動していました。その帰り道の日曜日、せっかくの休みで時間をあまり気にしなくていいので、少し遠回りをしてこようと思い、観光がてら途中から高速を抜け出し、下道で観光です。


朝早く富山に向けて出発

渋滞を避けるために朝早くから出発し、すでに混み始めている中央道の渋滞の、先頭くらいを走っていました。長坂インターで降り、そのまま北に清里方面に向かいます。清里はかなり昔に一度行ったことがあり、今回最初に行った清泉寮も、朧げながらですが茶色い建物だったことを覚えていました。でも今回見たら黒い壁になっていて少し記憶と違いましたが、もう30年近くも前のことなので、ペンキを塗り替えたか、記憶違いかもしれません。

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そこでソフトクリームを食べ、富士山を見ながら食べ、さらに30%オフの袋詰めのパンを買い込み移動します。本当はハンバーガーとかメニューにあったので食事をしたかったのですが、朝早くはアイスや飲み物だけしか販売していませんでした。

清里と言えば、バブル期に芸能人ショップなどが乱立し、ものすごい賑わいだった場所です。そこが今どうなっているのか、廃墟のようになっているとも聞きます。その現場である清里駅前まで、車で5分くらいの距離を移動します。駅に通じる道から確かにもう使われていないと思われる、ちょっと変わった建物が見え始めます。でも、駅前自体は思ったより普通でした。

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観光客も多少はいますし、店も普通に開いています。電車で来ていると思われる人も結構いて、廃れ切っているというわけではなさそうです。車は朝早かったせいか、駅の隣に公共の駐車場が空いていて、短時間の観光なら停めてもいいとの説明書きがあったので、少しの間駐車しておきます。歩いて駅の周りを歩くと、お城のような建物が使われずに佇んでたり、期待していた感じで満足です。お城のてっぺんをドームにして望遠鏡を入れるのも面白そうです。

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電波望遠鏡

次はいよいよメインの野辺山宇宙電波観測所へと移動します。と気合を入れていたのですが、清里からかなり近く、車で10分くらいだったでしょうか。この日はゴールデンウィークで、天文台の敷地内に車を止めることはできずに、野辺山スキー場の駐車場に案内されます。駐車場からは山の上なので、眼下の遠くに電波望遠鏡が見えます。

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天文台までシャトルバスで移動になります。シャトルバスは補助席まで含めて30人くらいは乗れます。10分おきくらいにバスが来るので、ほとんど待ち時間は気にならなかったです。天文台まではシャトルバスで5分くらいです。

天文台の駐車場に到着し、バスから降りて、早速電波望遠鏡がある方向に行きます。入り口には受付があり、人数とどこから来たかをタッチパネルで入力する必要があります。

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その先にテントがあり、スタッフらしき方がいたので聞いてみると、ゴールデンウイークのこの日は特別のガイドツアーがあるとのことです。11時からというので、時計を見ると10分前の10時50分でした。まだ席があるということで、有料で1人1000円ですが、40分ほどの解説と最後に普段は入れないところも入れるというので、早速申し込みます。

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ご存知の方が多いと思いますが、この電波天文台は昨年の名探偵コナンの映画の舞台になったところで、しかもつい先日テレビでその映画が初放送されたばかりなので、天文ファンだけでなく、コナンファンも来ています。というよりは、天文ファンよりもコナンファンのほうが多かったような感じでした。かくいう私もテレビ放送を見ておいたので、今回のツアーは十分に楽しめるはずです。

そうこうしているうちに11時になり、ガイドツアーに申し込んだ人達が集まりだし、解説してくれるという研究者の方が登場しました。今回解説してくれてのは、何とコナン君に扮したこの電波観測所の所長です!所内施設をとてもわかりやすく、しかも十分に笑いをとれるレベルの会話術で解説してくれました。子供達にも親切に話しかけていて、とても好感が持てました。

最初のパネル展示の解説が終わり、いよいよ映画でも出てきた、「ここから先は携帯電話禁止エリアです」という場所にきました。
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必ず電源を切るのかと思ったら、マナーモードでもいいそうです。確かに、電源を切ってしまったらスマホで写真を撮れなくなってしまいます。タブレットとか、PCのネットワークやBluetoothは大丈夫かと心配になりましたが、何も言っていなかったので、やはり携帯の電波が観測の邪魔になるようです。実はその時タブレットもPCも持っていて、心配だったので事前に電源を切っておきました。

少し歩いていくと、目の前に10メートルの電波望遠鏡がいくつも並んでいるのが見えてきます。10メートルというのは円盤の直径だそうです。

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下の写真にも写っている、黄色い3つの設置台で支えるらしくて、その台に置くために望遠鏡を載せて移動させる車があるそうです。そう、コナンの映画でも出てきたあの黄色い車のことです。10メートルの望遠鏡は製作時当時で1台7億円。設置台はまだ数があったのですが、予算の都合で全部載せるまでは数を作ることができなかったそうです。

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10メートルでも十分に迫力があるのですが、遠くに一つ、もっと大きく見える電波望遠鏡があり、そちらに向かって歩いて行きます。この望遠鏡、直径が45メートルもあり、近くで見ると圧巻です。

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ここでは解説もあと、質問タイムも設けられていて、お客さんからいくつも質問が出ていました。実はこの日は妻と一緒に来ていたのですが、高校生の時にここに来たことがあるというのです。あまり覚えているわけではないようですが、こんなにたくさんの望遠鏡はなく、もっとシンプルだったとのことで。何でも所長の解説によると、ここができたのが40年前、妻が訪れたのはおそらくまだできて間もない頃だったと思われます。でも、ここへの訪問も直前に決めたので、妻はコナンの映画を見ていたわけでもなく、今いちピンときていなかったみたいでした。

最後はこのツアーのメインの、あの黄色の望遠鏡移動車に乗り込むことができるイベントです。普段は関係者以外は立ち入り禁止のエリアに保管してあり、今回のような特別なガイドツアーでのみ体験できるとのことです。一人一人乗り込むことができ、それぞれが写真を撮ったりして映画の気分を味わえます。

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映画ではこの車がすごいスピードで動いていて、後ろから他の車とカーチェイスを繰り広げるなど、最後の場面で重要な役割を果たすのですが、残念ながら実際のスピードはせいぜい早歩きくらいで、コナン扮した所長曰く「これが真実です。」とのことでした。

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映画ではここを移動車が走り抜けて行きました。

黄色い移動車で順番に写真を撮っている間は、所長を囲んでの質問タイムにもなっています。夏は大気の揺らぎで電波が乱されるので、電波観測ができなくて、主に冬の間が観測期間になるとのことです。今はまだ冬の季節の最後らしくて、5月初めまでがちょうど最後の観測期間だとのことでした。私も「昼間も観測はできるのですか?」と聞いてみると、可視光でないので昼でも、今この瞬間も観測しているとのことです。そうすると「天体を追尾しているのですか?」と聞きたくなるので実際に聞いてみると、やはり微動で追尾しているそうです。1周360度回転するのに10分程かかるというので。見ている限りほとんど動いている様子は分かりません。「見ている天体を移動するときは速く動きます」とのことでした。他にも「アンテナ面の掃除はどうやってやるのですか?」と聞いてみると、何と「掃除はしない」とのことです。大きすぎて大変なのでしょうか?そうすると他の女性の方が「鳥のフンは問題にならないのですか」と面白い質問を投げかけました。「海の近くの望遠鏡ではカモメの分が問題になっているが、ここではほとんど問題にならない」とのことでした。

と質問時間の最中、突如「ウィーン」というモーター音のようなものが聞こえ始めました。もしかして、と思ったらやはり45m望遠鏡が回転を始めた音でした。その後、5分ほどかけてほとんど反対向きになるまで180度くらい回転しました。ずっと回転を追うことができて、非常にラッキーな場面を見ることができました。下の写真と上の写真を比べてみると分かりますが、望遠鏡の向きが反対になっているのがわかるかと思います。

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楽しかったツアーも終了です。実は所長とは少し面識があり、最後に少し挨拶をして、帰り際に展示室を少し覗きました。途中、電波でのヘリオグラフで太陽を観察しているという看板がありました。分光で太陽のヘリオグラフをやっているので、電波でもできるのかと感慨深かったです。

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帰りもシャトルバスに乗ってスキー所の駐車場まで戻ります。もう13時頃になっていて、昼食を食べに移動します。


昼食かを食べ、下道移動が続く

昼食は野辺山エリアの「レストラン141」という所に行きました。国道141号線にあるので「141」とのことです。私は牛筋シチューを頼みました。柔らかく煮込まれた肉が「ゴロゴロ」、というより「ドカンドカン」と入っていて、じゅゅうぶん満足できる量でした。

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ランチメニューで焼肉とかもあり、テーブルで焼いて食べることもできるようです。隣の人が焼肉を焼いていて、そちらも美味しそうでした。

お腹も一杯になり、そこからも下道で、今度は松本方面に抜けます。少し眠くなったので妻に運転を代わってもらいました。途中バルーンフェェスタの看板があり、少し心惹かれましたが、油断していると遅くなってしまうので頑張って素通りです。この道は昔一度走ったことがあって、上田から足を伸ばして、この道沿いにある「鹿教湯温泉」というところで一泊したことがあります。途中大きな事故があるのを見て、安全運転に改めて気をつけながら、松本に近づきます。

松本からは大町、白馬、小谷を経由して糸魚川に抜ける下道で、100kmほどの行程です。ほとんど移動だけでしたが、途中青木湖というところのほとりに、まるで外国のリゾート地にあるような雰囲気の喫茶店がありました。「ao LAKESIDE CAFE」という名前なのですが、少しだけ覗いてみると、まるで隠れ家のような佇まいで、とても雰囲気が良さそうで、おしゃれな人が集まるようなところでした。寄っていくか迷ったのですが、まだ富山まで時間もかかりそうで、いつかこのためだけに来ようと思いつつ、お店と湖を後にしました。雨の中の湖でしたが、本当に日本じゃないような雰囲気で、後で調べてみるとこの青木湖は透明度ランキング9位に入っているような綺麗な場所のようです。 

糸魚川についてからは高速に乗り、そのまま富山に向かいます。この日はずっと観光でしたが、前日まではかなり忙しかったので結構疲れていていて、あまり遅くならないようにと思い、それでも自宅に着いたのは20時頃になっていました。


まとめ

最終日がまるまる空いたので、突然決めた観光と、さらに直前に決めた野辺山の電波天文台でしたが、ゴールデンウィークだったこともありガイドツアーにも参加でき、とても楽しい一日でした。今後もちょくちょく関東を行き来することになりそうなので、またこんなふうに観光がてらの移動も楽しめればと思います。


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