ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:VISAC

皆既月食の一連の結果です。前回の広角撮影の記事からの続きです。


今回の記事は天王星食です。

機材

天王星食は2つの機材で臨みました。一つはその2で示した、TSA120 + ASI294MC Pro (常温) + CGEM IIでの自由撮影です。もう一つは、拡大撮影にと思って、他3つの機材の設置が終わってから準備したVISAC (VC200L) + Uranus C + CGX-Lです。

でもVISACの方は結局失敗でした。調整がものすごく難しくて恒星がおにぎり型になりやすく、天王星を見たらツノがピンピン立っていました。このことは天王星を見た直後に気付いた(思い出した)のですが、時すでに遅しで、一応撮影はしましたがあまり公開するに値しません。

TSA-120の方は焦点距離が900mmとそこまで長くないので分解能が心配でしたが、まあさすがのタカハシです、下手な大口径長焦点よりもはるかに結像してくれます。潜入の瞬間と出現の瞬間は動画で撮影し、.ser形式で保存しました。ただし、フルの解像度だとフレームレートが10以下になってしまうので、ROIでクロップしてフレームレートが20以上になる範囲で一番広い画面(3104x2116)になるように設定しました。


潜入時

まずは潜入時です。


できればクリックして画面一杯で見ると迫力があります。いやホント、すごいです。何度見ていても飽きないです。

その中の800x600ピクセルを切り出して拡大したものです。


まるで天王星が月にめり込んでいくみたいです。ピントはかなり気をつけたと思いますが、もしかしたらめり込んで見えるのはピントがずれていたせいなのでしょうか?空気の揺らぎもあるので、多少はこのように見えるのは仕方ないのかもしれません。それとも一般的にはこれがまともな見え方でいいのでしょうか?


出現時

続いて出現時です。全体像は明るい部分が多すぎて少し見にくいのですが、最下部より少し右に天王星が出てくるのがわかるかと思います。

拡大版です。こちらもあまりコントラストがよくないですが、出現時の様子がわかるかと思います。




VISACは没

ちなみにVISACで撮ったものはというと...、動画から1枚だけ抜き出した画像を示しますが、よく見ると天王星に角が立ってしまっています。
_2022_11_08_1136_1_RGB_VNG
Uranus-Cで天王星(Uranus)を撮ったので使いたかったのですが、残念ながらお蔵入りです。


そのうちに追加

まだ未処理画像がたくさんあるのですが、ちょっと時間が足りなくて未消化気味です。時間のある時にもう少し処理を進めて、適時追加していきます。



 
 
 
 
 
 
 
 


以前光軸調整したVISAC。


その後の進展状況です。


実際に星を見る

ある晩、期待に胸を膨らませ、実際夜に星を見てみました。

結果は見るも無惨で、内外で三角形と細長の形を行き来しているような状態でした。焦点近くでは点像に全くならずに、 三角と細長が混ざったようなひどい形。

光軸が「全然」ダメなのか、「微」調整が取れていないからダメなのかも全くわからないくらい惨敗です。最初は副鏡だけでしたが、そのうち主鏡も、接眼部も、全部の調整ネジを闇雲にいじったのですが、よくなっていく様子は全くなく、どんどん悪くなって全く手がかりなし状態になってしまいました。


昼間に調整

しかたないので別の日の昼間の明るいうちに、再びコリメーターと、こんどは点光源に近いものを実際に見て、それがどういう形になるのか視野をカメラで映してじっくり見ながら調整してみました。

あらためて明るいところでやってみると実感するのですが、どうやらこのページが示しているように、調整時にものすごい精度が必要なようです。何度曲げるとかよりは、ネジを少し力を入れて締め込む、ネジを心持ち緩めるとかで、その形が劇的に変わります。反射では普通は3つのネジのうち2つをいじれば角度に関しての自由度は足りるのですが、VISACは3つのネジが形を歪ませるように効くようで、3つともいじる必要があります。

気になるのは内外像が全く違うこと。片方は中心遮蔽部がものすごく大きくて、明るいところが1-2割とかしかなく、もう片方は遮蔽部がかなり小さくて、明るい部分が8-9割くらいで筒内気流がよく観察できるような感じです。

IMG_3434
スパイダーが上下左右4本見えていますが、全体の形は三角です。


IMG_3439
どっちが内でどっちが外かわかりませんが、
内外でこれくらい差があります。

焦点近くになってくると、3つの像が重なるような形になります。

IMG_3428
全部が重なるとそこそこ丸くなるようにも見えます。一度これで星を見てみることにします。

あと、今回の補正は主に主鏡の方で行いました。副鏡の調整がいまいちどこに効いているか分かりにくいです。唯一分かったのは、内外像の形を変えるというより、光の中心をずらす効果が大きいように思えました。

01_sub_bad
1. 副鏡を縦にずらし、主鏡で補正した場合。

01_sub_better
2. 副鏡をすこし戻し、主鏡で再び補正した場合。

03_sub_best
3. 副鏡を元に戻し、主鏡で再補正した場合。

光の強度の中心が上下にずれるのがわかると思います。でも内外像を見ると、像の形自身はほどんどずれてないんですよね。ただし副鏡のずれは主鏡とも自由度がカップルしているようで、そこまではっきりとしたことは分かりませんでした。

あと、途中迷走してどうにも状態がわからなくなった時はコリメータを入れて目で見ると良かったです。こんな時は十字線が大きくずれてしまっていて、まずはコリメータで見てそこそこおかしくないように合わせます。副鏡は中心の円が同心円になっていない場合は大きくずれているようですが、微調整まではコリメータでは分かりませんでした。主鏡は十字線が合うようにすればいいので、難しくないです。コリメータでそこそこあってれいれば、内外像の微調整レベルになってきます。逆に、内外像で調整済みのものをコリメータで見ると、これでもかというほどぴったりあっているように見えます。

少なくとも明るいところでの調整は再現性もあり、やり尽くした感があります。そこそこ点像になっている気がします。


星を見てみる

実際に星を見ると、やはり三角。というより結局今回の調整は歪(いびつ)な三角形を頑張って正三角形にしたような感じです。だめですね。

キャプチャ


何がおかしい?

  • やっぱりVISACって本質的に三角なんですよね。これが何かの2次的な効果で出てくるのかとしたら、調整はよほど難しいということになります。
  • そもそも、スパイダーは4つ割です。3つ割になっているところは限られていています。副鏡は真ん中のネジを緩めても像は変わらないので、多分歪みとは関係なし。接眼部は反射も透過も、とにかく光学系がないので多分白。主鏡はあやしいです。全バラして固定ネジを緩めた方がいいかもです。
  • 内外像の差はもしかしたら副鏡位置が間違ってるかもです。副鏡を取り付ける際ワッシャーが何枚かはいっていました。これを調整すると何か変わるかもしれません。もしくは、CMOSカメラの位置が間違っているか?
  • 接眼側に補正レンズが入っているので、バックフォーカスは重要なはずです。とりあえずカメラを適当に置いているので、問題かもしれません。
  • あと、鏡筒が地面に対して垂直に立っている時もしくは水平とは違う時と、調整時と同じ水平になっている場合で三角の鋭さが違う気がしました。水平の方が円像に近くなります。これは主鏡に重力がかかっているからなのでしょうか?

すごいシミュレーション結果を載せているページが!

また落胆してたのですが、バックフォーカスを調べている途中でものすごいページに行き当たりました。「銀命堂」様のページです。その中のVISACのシミュレーションのページが超秀逸です。このような解析をしていただいて、ものすごく感謝しています。



4年越しの計算ということで、かなり苦労されたようですが、三角形の像をものの見事に再現しています。このシミュレーションを信じると、主鏡の端で0.05mmズレたらもう像はボロボロです。ネジのピッチが0.5mmだとして、10分の1回転=36度で激変とすると、少なくともその10分の1くらいが調整の単位でしょう。ネジの回転でわずか3度ですよ!これなら難しいのも納得ですし、実際の微調整具合とオーダーで間違っていない気がします。

副鏡のずれを主鏡で直せそうと書かれていますが、その像を見るとやはり三角形。ということは、副鏡も主鏡も両方ともばっちりあってやっと円になるということです。

このシミュレーションから、光軸合わせがものすごく難しいことはよーくわかりました。それでもこれは大きな大きなヒントです。どこをどういじると、像はどう変わるのか。しかもそのいじる量のオーダーもわかります。

次回晴れた日の休日、昼間にまた点光源を見ながら調整してみます。

前回の記事で主鏡止めマスクを作りました。



再び主鏡部を鏡筒に嵌め込み、ネジで固定したのですが、位置がいまいち確定しないので今回改めて光軸の取り直しです。


前回光軸調整の問題点

まず前回の光軸調整の反省です。前回は一度光軸調整が終わったと思って、カメラを180度回したら全くズレてしまったので、カメラにつけたCマウントレンズの光軸がずれていると考えました。そのためカメラをアダプタに押し付けながらクルクル回転させて画面の回転中心を求め、それがターゲットの副鏡固定ネジの穴の周りを回転するように、VISAC接眼部の角度を調整しました。ただ、カメラを回転させた時の中心を基準にするのであまり安定せず、この部分の誤差は大きかったはず。この誤差を小さくできないか考えてみました。


コリメータを有効利用

持っている機器で使えそうなものはレーザーを使わない一般的なタイプのコリメータです。覗き込む所の真ん中に小さな穴が開いているので、接眼部「中心から」のみ覗くことができます。また、内部に円柱の真ん中に穴を開けて斜め45度でカットしてある金属部があり、接眼部から覗いた時にこれが描く同心円から光軸調整ができるようになっています。

IMG_3279

また、コリメータの先端に十字のワイヤーが張ってあるので、覗いた先の方の中心もわかります。覗き口の中心と十字の中心が確定するので、軸が精度よく出るという仕組みです。よく考えてありますね。

これを接眼部に取り付けて、のぞき穴からカメラで見てみます。

IMG_3263

この方法の利点は、カメラで写った画像の中心点を全く気にしなくていいことです。前回は画像の中心点に、合わせたい対象の中心が来なかったことが精度を疑う要因になっていました。そのためカメラに取り付けたレンズの光軸がずれていると仮定しました。

今回の方法では、カメラで見ている「近く」と「遠く」の中心が確定するので、映っている画像の中心点は気にしなくていいです。その代わり、カメラが接眼部の「ある程度中心」から覗いているという保証が必要です。例えば極端な場合、カメラが鏡筒の横から見ていたらどうやっても十字ワイヤーと副鏡固定ネジ穴一致することはありません。これについては、コリメーターの覗き口の中心の「小さな穴」が保証してくれます。これがカメラの覗く方向をうまく制限してくれるというわけです。その証拠に、カメラのガタつきを利用して多少見ている角度を変えても、写っている画面での十字ワイヤーと副鏡固定ネジ穴の関係は全く変化なしでした。


接眼部の調整時の問題

いろいろ試したのですが、大きく分けて2つの合わせ方を検討する必要があると考えました。

 1. まず一つ目。VISACの接眼部ネジを調整して、
  • この十字ワイヤーの中心と、
  • 副鏡固定ネジの穴中心を
合わせるやり方。実際に合わせた結果が以下の写真になります。十字ワイヤーはわかりやすいように45度回転させてスパイダーとずらしています。

IMG_3260

確かに、十字ワイヤーが副鏡固定ネジの穴中心になるように合っていますが、これだと明らかにスパイダーの十字が左いずれていて、一番外側のバッフルの中心ともずれていることが分かります。


 2. もう一つの方法は、
  • 主鏡の先についている黒い筒(以下バッフルと呼びます)の先の円の中心と、
  • 副鏡固定ネジの穴中心が
重なればいいのではという考え方です。コリメータを使わない場合は、おそらくこの方法がよりどころになるはずです。この考えで合わせたのが下の写真になります。

IMG_3257


ところが、この合わせ方ではコリメーターについている十字ワイヤーがずれてしまうのです。中心のすぐ右にピントはボケていますが黒い線が見えているのがわかると思います。縦のスパイダーのすぐ右のところにもずれたワイヤーが見えています。


少し議論

上の二つの方法ですが、どちらが正しくて何がずれているのでしょうか?

ここでは、十字ワイヤーはかなり精度が出ていることが確認できていたので、バッフルの方がずれていると考えました。最初の1の方法が正しくて、2はずれたバッフルに合わせてしまっているというわけです。要するに、接眼部に対してバッフルが垂直に固定されていないかもしれないと考えたわけです。これは十分にあり得ます。単純に考えても、その垂直の精度よりも、十字ワイヤー ~ 幅鏡間の方が距離も長いので精度が出るでしょう。

写真では十字ワイヤーが副鏡固定ネジの穴中心に合っているように撮影していますが、十字ワイヤーの中心精度もそこまで正確ではなくて、コリメーターを回転させると十字の中心が円を描くので、実際には十字中心が描く円の中心が副鏡固定ネジの穴中心になるように合わせました。

ここまでさらっと書いていますが、もしこの実測が正しいならこれはバッフルの初期設置角度が十分でないというある意味驚愕の結果になります。いや、十分か不十分かどうかは星像を見て判断すべきです。オーバースペックの可能性もあります。いずれにせよ、ユーザーレベルでこれが認識できるというのは、おもしろいです。

というのは、今回はカメラを使って拡大して見ていますが、実際にはかなり小さな部分を見ているので、これを目で直接見た場合はこの二つの違いはほとんど認識できません。どちらの場合も十分あっていると判断してしまうと思います。カメラだけだと前回のように精度が出ませんでした。コリメータとカメラを併用して初めてよくわかるようになったということです。


副鏡の角度調整

次にやったことは、副興を取り付けてその角度を調整することです。これは写真を見ながら説明します。

IMG_3268

まず大前提ですが、上の写真に写っているものは全て副鏡面内に写っているものです。さらに上の写真は全て調整し終わった後のものです。調整前はいろいろとバラバラですが、写真を撮るのを忘れてしまいました。なのでちょっとややこしいですが、言葉で説明します。

副鏡に写っているものは何かというと
  1. 真ん中の黒丸がコリメータの中心の穴。
  2. その外のXになっている十字線がコリメータについているワイヤー。
  3. 十字の端にある線で書かれている円がコリメータの斜め45度にカットされている金属部分の外径。
  4. その円の外の狭い明るい部分が、コリメータのバッフル部分。
  5. 明るい部分の外側のしばらく黒くなっているところは接眼部から出ている筒、すなわちバッフルです。
この中で、最初4のところがしばらく正体がわかりませんでした。コリメータを外してよく確認してやっと理解できました。コリメータのお尻側から覗いて見てみると、筒の長い部分を見ているだとわかります。これを副鏡に反射させると実質遠くから見ていることになり、白い金属部分に比べて、いくつもの同心円に見えるつの部分がどんどん狭く見えて、4のように極僅かのエリアとして見えているということです。

IMG_3281_cut

でもこのエリアはすごく重要で、この4のことを理解していると副鏡をどう合わせたらいいかがわかってきます。

まず試しに、副鏡のネジを緩めてグラグラの状態で適当に動かしてみて、画面のどこが動くかよく見てみました。3と5の内側の相対的な位置が変わって4の面積が変わります。要するに、コリメータの筒に対して副鏡が垂直になっているかどうかが3と5の内側を見ることによってわかるというわけです。なので今回はこの3と5の内側が同心円になるように中心を合わせることにしました。

副鏡の調整が終わった段階では、5のバッフルの内側の円の中心と外側の円の中心はずれていましたが、最初にバッフルが接眼部に対して垂直についていないと考えたので、不思議はありません。ここではさらに外側のスパイダーの中心も、1とはずれています。


主鏡の調整

その後、主鏡の角度を調整すると、スパイダーの位置を移動することができるので、スパイダーの十字の中心が1と一致するようにします。これを終えたものが上の写真となります。

ここでもう一つの謎に気づきました。主鏡調整でスパイダーを合わせるとなぜか5のバッフルの外側の円の中心が自動的に1に一致し、全ての円が同心になるのです。バッフルが接眼部に対して垂直についていないと考えたのはどこにいってしまったのか?バッフルの外側の円はズレてもいいはずです。

この謎はもっと広角で手前から輝度を落として見ることで解決しました。 iPhoneで撮ったものですが、以下のように見えました。
IMG_3280_cut

明るい外の景色が写っている部分が、主鏡を副鏡の反射を通して見たものです。そこの外端の方にずれている円が見えると思いますが、これが接眼部から伸びるバッフルを(反射じゃなくて)直接見ているものです。これは結局バッフルの向きが接眼部と垂直でないことを表していて、ここだけは同心円にはなり得ませんでした。このことは最初に仮定したバッフルの向きが接眼部と垂直でないということに矛盾しません。

これで調整は終わりとしました。いくつか途中の写真が撮り切れていないですが、いったん合わせた状態を崩したくないので、これで星像でのテストをしてみます。一番まともそうなVISAC調整のページのかなり最後の方で述べられているのですが、結局最後は微妙な調整が重要だとのことです。




まとめ

今回の記事はちょっとややこしくて申し訳ないです。色々紆余曲折していて、いくつか重要な写真を撮るのを忘れてしまっています。

それでも接眼部の調整は明らかに前回より精度は出ているはずで、バッフルの取り付け誤差を議論できるくらいになっています。副鏡の調整は最初かなり迷ったのですが、最終的にはきちんと理解できて、全体としてはかなりの精度で合わせ込みができたのかと思います。それでもやはり最後は星を見て調整することが必要です。

でも梅雨が終わってほんの少し晴れた以外、お盆以前から本当に晴れてくれません。予報ではまだしばらくグズつくようようです。さすがにそろそろ晴れて欲しいです。


蛇足1: レーザーコリメータについて

ちなみにレーザータイプのコリメータも持っています。こちらも悪くないですが、VISACに取り付けてコリメータを回転させると、レーザーの光が小さな円を描きます。よく見てみると出射光の形も円ではなくかなり細長い円弧形をしています。それよりは普通のコリメータの方が精度が出そうでしたので、今回はレーザーコリメータを使うことは諦めました。

でも回転させて描いた円の中心を真の中心と思えば、レーザーコリメーターも使うことができるはずです。本当は分解してレーザーダイオードの向きを調整できればいいのですが、これはまたいつかの機会に。


蛇足2: Cマウントレンズの光軸

前回の光軸調整で、Cマウントレンズの光軸がずれているのではと仮定しましたが、実際に簡易測定してみました。

VISACとは独立に、CMOSカメラに取り付けた50mmのCマウントレンズを窓についている網戸に向けます。

IMG_3207

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、赤の十字線の真ん中だけ網戸に汚れがあって黒く目立っています。

この状態からカメラについているレンズのみを、ネジを緩めて180度回転させます。ガタガタするので、そのガタつきの範囲を見るために手で上下、左右いっぱいにずらしてみました。

cmountlens1

明らかに左にずれていることが分かります。左に2マス、下に0.75マス程度ずれていることが分かります。

さらにもう180度回転させて、合計360度一回転した状態にして同じことをします。
cmountlens2
左に0.25マス、下に0.6マス程度のズレになります。

ガタつきの誤差もあるのですが、180度の時と360度の時で有意に差があると言っていいと思います。今回はレンズのみを回転させてこのズレが出ているので、言い換えるとやはりレンズで光軸がずれていると言っていいと思います。

この赤丸で表されている範囲は、最初にやったVISACに取り付けてみている範囲(角度)と同じです。前回の光軸調整の時にずれた範囲と比較しても、横方向に主にずれていること、またずれている量もよく似ているので、やはりこのズレはレンズの光軸のズレからきていると言ってそれほどおかしくないと思います。



ちょっと前にVISACの光軸調整の記事を書きました。


そのちょっと前に、3つの主鏡止めが接眼側からバッチリ見えていることに気づいていたので、リングで隠してしまおうと思っていました。

IMG_2873
3っつの主鏡止めがはっきり写っていて、明らかに撮影に影響がありそうです。

程なくしてAmazonで頼んでおいた厚さ0.75mmの黒いプラスチックシートが届いたので、さっそくこの主鏡止隠しリングを製作します。あまり薄いと波打つ可能性があるのと、あまり厚いとサークルカッターで切るのに苦労します。




主鏡側を鏡筒部から外してみると、下の写真のようになっています。

IMG_3170

黒いところを反射している部分を見るとわかりますが、それにしてもこの主鏡汚いですね。以前分解した時に掃除したのですが、ついでなので再度掃除しました。

VISACの主鏡の直径を測ると200mmか201mm程度。これは中心の筒を固定するアダプターの外径をノギスで測り、筒の外から主鏡の端までを左右測定することで求めました。この測定の際気づいたのですが、実は筒の中心と主鏡の中心は1mmくらいのオーダーでずれていることがわかりました。でもアダプターのところに出っ張りがあって、かなりキツキツにハマっているようで、ずらして補正するようなことはできないようなので、放っておきました。

3つの主鏡止めはゴムでできていて、上部に薄い金属の板が被せてあります。この板はネジの力が均等にかかるようにするためでしょう。このゴムの部分のとっかかりが3mmほどあるので、これを隠すためのリングの内径は 200mm - 3mm x 2 = 194mm以下にすれば(主鏡止めは3つで120度おきにあって、円の180度反対側にあるわけではないので6mm引く必要がないが、)確実です。念の為、切りしろのことも考えてさらに1mm余裕をみて、内径は193mmとしました。

外径はどう留めるかによります。迷ったのですが、少しはみ出す202mmとして、主鏡止めと主鏡の間に置いて、主鏡ドメをネジ止めすることでリングを固定することにしました。外径を小さくしすぎると主鏡部分が外側ではみ出て迷光になる可能性があること、外径が大きすぎると主鏡止めのネジを締めるときにリングに力がかかり浮いてしまう可能性があります。

切り出しには下のようになサークルカッターを使います。出来上がり精度は、切りしろやら、刃をネジで占めて固定することなど、色々考慮に入れると0.5mmが厳しいくらい。サイズは上のように予備を入れてまあいい仕上がりになりそうなくらいです。

IMG_3272

出来上がったリングの写真を撮り忘れてしまいましたが、主鏡に取り付けてみると以下のようになります。

IMG_3171

まあいい感じです。とりあえず接眼部から覗いてやると、3つの主鏡止めは完全に見えなくなっています。

IMG_3244

でもこれを見るだけでもわかる通り、光軸が再びずれているので、次回の記事で光軸合わせについてもう少し補足しようと思います。

 


ASI294MM Proで試したかった高解像度撮影です。対象はM57です。


とうとうモノクロ撮影に

実は今回が初のまともなモノクロセンサーを使った撮影になります。一応ASI290MMは持っていて、太陽とかはもちろん本当のモノクロ撮影なのですが、モノクロセンサーにフィルターというので最後のカラー化まで仕上げたのは今回が初めてです。

ASI294MMProを使いたかった理由の一つが、ピクセルサイズの小ささです。Bin1モードのピクセルサイズ2.3μmは、これまで持っていた最小のASI178MCの2.4μmよりも小さく、しかもモノクロなので単純にはさらに半分のピクセルサイズと同等。ASI294MC Proから見たらBin1モードとモノクロで一辺4分の1、面積にしたら16分の1のピクセルサイズと同等です。手持ちのASI290MMのピクセルサイズ2.9μmと比べてもまだ有利になりそうです。

その一方、今回はM57と小さい惑星上星雲なので、広視野はあまり得をしませんが、それでもASI290MMのセンサーサイズの1/2.8インチと比べると、一辺で約4倍、面積で約16倍(実際は13.9倍)です。これくらいあると比較的大きな天体まで狙えることになります。小さな天体はROIで撮影時にカットしてしまえばいいので、こちらは大は小を兼ねるになっています。

その代わりBin1モードはダイナミックレンジと感度は落ちるので、そこをどううまく回避していくか、適材適所で使う必要があります。


小さなM57を綺麗に出したい

実はM57ですが、随分以前から分解のベンチマークとも言える挑戦を続けています。今までの最高がVISACとASI178MCでの撮影で、もう2年ほど前のことになります。

 

ブログの記事にはしてませんが、その後もちょくちょく、2020年にはTSA120やVISAC、ASI178MCやASI290MM+RGBフィルターなどを色々組み合わせて撮影を続けてました。2021年の今年に入ってからも5月と6月にVISACとNeptune-CIIやASI294MM Pro+RGBフィルターで撮影していたのですが、いずれもシンチレーション が悪かったり、雲が途中から出てRGB全部撮れなかったりで、すべてボツになっていました。たとえ仕上げたとしても2年前のものを全く超えられそうになかったのです。

梅雨が明けてからしばらく、かなりシンチレーションがいい日が続いていて、これは分解能をためすまたとないチャンスです。鏡筒はVISAC。ただしやはりこの鏡筒はじゃじゃ馬の呼び声高く、星像がどうしても落ち着きません。


撮影

撮影の様子は7月17日の記事に書いてあります。重なるところもありますが、改めて書いておきます。

今回は初のモノクロ撮影ということで、RGBフィルターで試してみることにしました。もう何年も前にKYOEI Tokyoで特価で売っていたBarderのRGBフィルターをずっと持っていたのですが、やっと日の目を見ることができました。あと、ZWOの1.25インチフィルターが5枚入る電動ホイールもかなり前にKYOEI Tokyoの店舗で買ったものです。もう東京にしばらく行っていなくて最近はネットでの注文ばかりですが、たまにはやはり店舗で色々話ながら購入したくて、懐かしくなってしまいます。

IMG_2825

写真にはオフアキ用にASI178MCが付いていますが、これはまだ試していなくてとりあえず付けてあるだけです。

今回はL画像は撮影せずにRGBだけにしてみました。Lは全波長入ってくるので、この解像度だと色収差と大気収差が気になる可能性があるからです。



このように収差に関してもモノクロセンサーは有利になるはずです。これもASI294MM Proを試したかった理由の一つです。

今回は分解能狙いなので、露光時間10秒のラッキーイメージライクにしてみます。実際に撮影時の画像を何枚も見ていると、10秒露光でさえもいい時と悪い時が相当変わるので、シンチレーションの影響が効いているのでしょう。この中から比較的星像が小さくキリッとしているものを後で選ぶことになります。

これまでの結果から、短時間露光では星像が多少は小さくなること、その代わり長時間露光に比べて微光星の写りが悪くなり暗い星が写りにくくなることがわかっています。



なので今回は分解能は出ても、淡いところは長時間露光にかなわないため、M57のさらに周りの淡い部分や、近くにあるIC1296は難しいと思います。

露光時間はR、G、Bそれぞれ30分。その中からいいものを選ぶのでトータルでは1時間半を切ることになり、そこまで長い撮影とはならないです。それでも10秒と短いので各色180枚、トータル480枚となってそこそこの枚数と容量になります。その代わり、ASI294MM Proのフルサイズで撮影するのではなく、ROIで一辺を2分の1にしたので、画像サイズとしては4分の1になります。

撮影にテストで見てみると、Rはキリッと出ても、Gは結構ぼやける、Bはさらにぼてっとするようです。ピント位置のせいかと思い合わせ直したりもしましたが、劇的な改善はしなかったので、今回はRでピントを合わせて、GとBのピント位置はそのままいじらずに撮影しました。そもそもフィルターが同じ厚さなのでピント位置はそのままでいいのか、鏡筒に色収差が多少なりともあるはずなので、やはり合わせ直した方がいいのか、今後もう少し検証する必要があるかと思います。

IMG_2823


後日、 flatやdarkの撮影

撮影後、日を置いてflat、flatdark、darkの各フレームを撮影しました。

flatはフィルターがRGBとそれぞれ違うので、それぞれに128枚撮影しました。ただ、少し失敗してしまい、ゲインを220で撮影時と同じにして、露光時間を明るさによってRが20ms、GとBが50msとしたのですが、GとBの露光時間がflatdarkの露光時間と違ってしまい、PixInsightで最初flatdarkが当たらないというトラブルがありました。一応あらわにflatdarkを指定してやることでことなきを得ていますが、もしかしたらflatdarkも別個に撮った方がいいのかもしれません。

そんなこともありflatdarkはゲイン220、(気づかずに)20msで共通で128枚です。さらにですが、もしかしたらflatdarkの枚数が少なかったかもしれません。flatのトータルが384枚なので、せめて倍の256枚か、512枚の方が良かったかもです。

darkはlightと同じ設定、ゲイン220、露光時間10秒、温度-10度で256枚です。最初少しでも暗いところと思い、箱の中に突っ込んでおいたら熱くなったので、再度もう1セット取り直しました。256枚でも1時間弱なので、楽勝です。


初めてのRGB画像処理

RGBの画像処理も初めてです。実際には去年ASI290MMでM57を撮影した時に少しだけ試したのですが、その時はまだテスト撮影みたいなもので、なぜか色バランスが無茶苦茶になったなど仕上げる価値なしと判断しました。なので、まともなRGBでの画像処理は今回が初めてになります。

各lightフレームはPixInsightのBlinkで読み込んで、見た目でだめそうなものを弾きました。SubFrameSelectorもかけたのですが、ある程度は見た目と結果が一致するのですが、明らかに目で見てだめなのに、数値で見るとよく見えてしまうものなどがあったからです。でもこれからするWeighted Batch Preprocessing(WBPP)ですが、処理中に内部でSubFrameSelectorを呼び出してウェイトをつけて判断しているみたいです。もしかしたらきちんと注意してみてやらないとダメなのかもしれません。

実際のWeighted Batch Preprocessing(WBPP)ですが、RGBをいっぺんに放り込んでも処理してくれるものなのでしょうか?まあわからなかったので最初はR、G、Bをそれぞれ処理することにしました。


スタック時の位置決めがうまくいかない!?

まず困ったのが、しょっぱなのRの処理の時から位置合わせがうまくいきません。3枚くらいしか位置合わせできないとエラーを吐かれました。

原因はおそらく星の数が少ないことと、星像が丸ではないことです。過去のVISACの撮影の時も同様なことがありました。今後もこのままだと使い物にならないので、別途StarAlingmentを走らせて、回避する方法を探りました。

この問題2つに分かれます。

1. まずは星を星として認識にない場合。
IMG_3066
のようなエラーが出ます。この場合はStarAlingmentの中の「Log(sensitivity)」を-2.00とかまで下げます。もしくは「Peak response」を0.9とか1.0まで上げると効果的です。

2. 次にうまく位置が認識されない場合は
IMG_3069
のようなエラーが出ます。ここは「Star Matching」の「RANSAC tolerance」の歪許容量を上げることが効果的です。

でも難しいのはここからで、位置が認識されないエラーがでる場合でも、どうも星自身が認識されていないことが原因の場合がある時です。こんな時は「Star Detection」の「Noise reduction」が劇的に効くことがあります。ここを1または2くらいまであげてください。また、「Detection scale」が効くこともあります。こうやって考えると、位置決めの時も星がきちんと星として認識されているかどうかが重要であるのがわかります。むしろ、位置決めがうまくいかないと最初から出た場合、RANSAC toleranceをいじるよりもNoise reductionを増やした方が解決になることも多いです。まずはこちらを試すのがいいのではと思います。

その他のパラメータは色々試しましたが、ほとんど効かないか、効いてもごく僅かでした。

これらのStarAlignmentでの経験をWBPPに反映させます。いじるのは「Lights」タブの「Image Registration」です。StarAlignmentとよく似たパラメータがありますが、StarAlingmentほど細かくありません。とりあえずは一番効果のあるNoise reductionを増やします。これで一応Rは全て位置合わせができてスタックまで完了しました。

ところがです、G(緑)がまだダメなんですよね。Gでは結局WBPPのNoise reductionを2、Detection scaleを6、Log(sensitivity)を-2.00、Peak responseを0.9までして、やっと全枚数スタックされました。

さらにところがです、B(青)はWBPPでは全然ダメなんです。どうパラメータをいじっても数枚しかスタックされませんでした。ところが、StarAlignmentではRANSAC toleranceをあげることができ、そうするとうまく位置決めができます。今回は結局WBPPでは諦めました。WBPPでどうしてもダメでもStarAlignmentの方がもう少し足掻くことができるということは覚えておいてもいいのかもしれません。


縞ノイズ(縮緬ノイズ)が出てる!? 

出来上がったR画像を見てやると、縦方向に縞ノイズが入っています。縮緬ノイズとも言われているやつです。

integration

よくよく調べると、WBPPの振る舞いが少し変わったようで、そのままだとbiasが使われない設定になっていました。理由はdark frameにflat frameにもbiasが含まれてるので撮影したbias frameは使わなくてもいいということのようです。

私はこれが気に入らなくて、master flatを作る際にbiasを使うようにしました。これはイコールflatdarkを使わないということになります。これが問題だったようです。以前flat補正をする際に縞ノイズが乗っかるのはフラットが何かしらで汚くなる(その時は撮影時間が短くてノイズが載るという理由だった)というのを示したことがありますが、flat frameのダーク補正をしないと、残ったダークノイズが縞ノイズを作るということが今回改めて示されました。こたろうさんが以前この件について言及されていたと思います。

というわけで、biasの代わりにflatdarkを使うと次の写真のように縞ノイズは無くなりました。


RGBの合成前の画像

RGB合成前の画像を示しておきます。

まずはR。かなり鋭い星像となっています。縮緬ノイズも消えているのがわかります。
masterLight_BIN-1_EXPOSURE-10.00s_FILTER-Red_Mono

Greenは以下のようになりますが、Rに比べると明らかに暗い星が少なく、星像も甘いです。
masterLight_BIN-1_EXPOSURE-10.00s_FILTER-Green_Mono

Bはさらにその傾向が強く、星像もかなり大きくなっていて、明らかに星の数も少ないです。
integration

このような傾向は普通のことなのでしょうか?それともピントがずれているのでしょうか?でもテストで画面を見ていた限り、ピントをどう合わせてもRがいつも鋭くてBは散々でした。

また、これらのズレは画像処理に影響がないのでしょうか?


Linear Pattern Subtraction

さて、上の画像をみると、横縞が結構多く残っているので、WBPPの新機能のLinear Pattern Subtractionを試しました。結果だけ言うと、あまりうまくいきませんでした。いくつかの横縞は目だたなくなるのですが、下のようによりハッキリした横縞となぜか縦縞が余分に加えられてしまうようです。

masterLight_BIN-1_EXPOSURE-10.00s_FILTER-Red_Mono_c3

今回はまだあまり試していないですが、一旦ここではLinear Pattern Subtractionを使わないで、次に進みます。


RGB合成とBanding noise除去

これでやっとR,G,Bのスタックしたものが出来上がりました。ただ、これらをそのままChannelCombinationなのでRGB合成しても星の位置がずれてしまいます。そのため、StarAlignmentで改めてこの3枚を位置合わせしました。これでやっとカラー画像が出来上がりました。

Image04_clipped

でもR画像で見たときのように、やはり横の線が気になります。なので今回はRGB合成後、ScriptのUtilitiesからCanonBabdingReductionを使いました。これはかなりよかったです。いくつかパラメータを試しましたが、Active Previewはほとんど役に立ちませんでした。値を変えて何度か試した方が良さそうです。デフォルトの1でもほとんど大丈夫でした。0.2だとノイズが消しきれません。また、2だとノイズが加えられるような感じです。0.5と比べると1の場合は少し黒い部分が残っている感じがしました。結局最後0.7としました。要するに大きすぎても小さすぎてもダメなので、いくつか試すといいということです。結果は以下のようになります。

Image04_clipped_banding

かなり良くなりました。


ここからはカラーでの画像処理

ここまで来れば、あとはこれまでのカラーの画像処理と同じです。

まずカラーバランスが滅茶苦茶なので、念のためDBEで少しカブリをとってからPCCでカラーバランスを整えます。PCCで恒星の色はそこそこまともになりました。ただ、鋭さがR>G>Bの順でかなり差があるので、鋭いRとボケたBの差で、赤が強いところは赤ハロが、青が広がってしまっているところは青ハロがあるようにも見えます。逆に言えば恒星の色がよく出ているようにも見えます。

その一方、PCCをかけてもどうしても背景が青く見えます。これはヒストグラムを見て理由がわかりました。背景のノイズが青が一番多いのです。おそらくRGBの感度に差があり、Rが一番感度がいいためノイズが少なく、次がG、Bは感度が低いためノイズが大きくなるのかなと推測していますが、実際のところはよくわかりません。もう少し検証が必要かと思います。

いずれにせよ今回はPhotoshopに持っていった際に、背景のRGBのヒストグラムを合わせる事でカラーバランスを整えることにします。


星像に苦労

あとは、ArcsineStretchなどでストレッチしてPhotoshopに渡すのですが、よく見ると星像がガタガタです。

特に短時間露光の場合に多いのですが、VISACの星像にはいつも苦労します。今回はなぜか4方向に尖って見えます。しかもスパイダーの方向ではなくて、なぜか45度傾いた方向です。MophologicalTransformationで少し整えますが、星マスクが必要です。

この星マスクも苦労しました。ストレッチ後、StarNetで恒星と背景を分離しようとしても、星の3割ほどしか分離できません。分離できない理由は、星像が汚い、中心のピークが出ていない、明るすぎる、暗すぎるなどです。きちんと丸になっていて、中心がサチり気味の方がうまく分離できるようです。そのため、今回は
  1. ストレッチ前のカラー画像をL画像にしてから
  2. いったんSTFでオートストレッチして
  3. HistgramTansformationで適用、
  4. その後ExpornentialTransformationでPIPのOrderを1.5にして適用、
  5. STFで真ん中の三角をを右に移動して暗くする
とい過程を取りました。4、5は2回繰り返しました。これにStarNetをかけることでM57の中にある以外の恒星は全て救い上げることができました。M57の内部にあるいくつかの恒星は分離できませんでしたが、こちらは別途RangeSelectionでうまく分離します。

こうしてできた星マスクを適用して、MophologicalTransformationで十字型にDilationで伸ばし、X字型にErosionで縮めることで円に近づけていきます。これでやっとPhotoshopに引き渡しです。


Photoshopでの仕上げと結果

今回はPhotoshopではほとんどたいしたことはしていません。ノイズ処理もなしです。ノイズ処理をすると背景がボテボテになり、星像の鋭さと合わなくなってしまうからです。

Image04_clipped_banding_DBE_PCC_AS_HT2_MT_PCC_ok
  • 撮影日: 2021年日7月17日1時16分-2時51分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: Bardar RGBP
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO AIR294MM Pro -10℃
  • ガイド: なし
  • Light: SharpCap、Gain220、 露光時間: 10秒 x 461枚(R:163、G129、B169 x 19枚) = 1時間16分50秒
  • Dark: Gain220、10秒 x 256枚
  • Flat: Gain220、R:20ms x 128枚、G:50ms x 128枚、B:50ms x 128枚
  • Flat Dark: 20ms x 128枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

2年前のVISACとASI178MCで撮ったものと比べます。左が以前のもの、右が今回のものです。

comp

今回は自己ベストかと思ったのですが、分解能だけ見たらもしかしたら以前の方がいいかもしれません。いやこれは画像処理のやりかたのせいで、見栄えをよくしようとした前の方が一見よく見えているだけかも。

もし以前の方がいいというなら、機材は今回の方が圧倒的に有利なので、これは完全にシンチレーション勝負になると思います。2年前の時はよほどシンチレーションがよかったのを覚えています。その他星の色、星雲の自然さ、背景の素直さなどは今回の方が格段に上でしょうか。

そういえば、この撮影の後になってVISACの光軸調整をしたのでした。その結果は反映されてないので、今一度シンチレーション のいい日を狙うとかでしょうか。


まとめ

初のRGBフィルターでの撮影と画像処理。いろんな新しいことがあってブログ記事が長くなってしまいまた。次回はもう少し早く処理できそうです。

分解能に関しては、やっぱり最後はシンチレーション なのでしょうか。リアルタイムで露光時間を1秒以下にして見てても、明らかに揺らいでいて、10秒ではこれくらいになってしまいます。次は揺れない日を狙うことになるのかと思います。

どうやらM57はAOOでもそこそこ色が出るみたいなので、次はナローのもしかしたら逆に長時間露光で、淡いところに挑戦するかもしれません。


おまけ

もう一つ、PixInsightの細かいテクです。projectファイルを保存して、ファイルのフォルダ名を変えたり、ファイルの場所を変えたりした時に、WBPPのインスタンスを右クリックして「Excecute in the global context」から再度開こうとすると、以下のようなエラーが出ることがあります。

IMG_2922

この場合、WBPのインスタンスををダブルクリックして出てきたMD5 checksumを消してやって、再びインスタンスをPI内で保存。それを右クリックのExcecute in the global contextで開くと普通に開けるようになります。

昨日光軸調整したVISACですが、その日の夜遅くに晴れてきたので、少し見てみました。

結果だけ言うと、シンチレーションがいまいちで星が揺れていて、いろんな方向にぶれていたので評価は保留です。まだ3つの固定具を視野から隠してないこともあるので、きちんとした評価はそれが終わってからにしようと思います。ただ、一応ある程度きちんと星には見えていたので、少なくとも光軸調整が全然間違っていたということはなさそうです。


満月間近の月

その後少しだけ月を撮影しましたが、画面で見ていても細かい揺れが多く、細部を比べると前回ほどの解像度は出ませんでした。やはりシンチレーションがよくなかったのかと思います。それでも全体を写した月と思えば、強拡大しない限り細部にそこまでこだわる必要もないので、私的には満足です。

00_36_22_lapl2_ap8304_IP-denoise2-standard_stitch

  • 月齢12.7日
  • 撮影日: 2021年7月23日0時22分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間5ミリ秒x125/250枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、ICE、DeNoise AI
でもこれ実は画像処理で少しインチキしています。画素数が多過ぎてRegistaxが使えないので、ImPPGを使っているのですが、どうしても細かいノイズがのってしまいます。ノイズ除去をするために、ここにDeNoise AIをSharpを1と最低にして、ノイズ除去を20と軽くかけてみました。

DeNoiseの処理としてはかなり軽くて、暗い部分のノイズはてきめんに減りましたが、明るいところのノイズがまだ残っています。ただ、やはり月の場合は偽線が出る可能性が否定できなく、今回は試しに使ってみましたが、明るいところのノイズが消えるくらいまで強くするとどうしても不自然に見えてしまい、あまり使いたくないなあというのが正直な感想です。今回は最低限のノイズ除去だけという感じです。ちなみに、Sharpen AIも試しましたが、こちらは偽線が出まくりでさすがに使うのを躊躇しました。

Registaxが使えないという理由でImPPGを使い続けるなら、うまく相性が合うノイズ処理を見つけるのが課題かと思います。


赤外の透過波長の違いの比較

今回の撮影は少し余裕があったので、IRパスフィルターの比較をしてみました。使用したのはサイトロンのIR640、IR720、IR800で、それぞれ640nm、720nm、800nm以上の波長のみを通します。

撮影したのは上の画像の左上の方。上の写真は撮影後回転しているので、下の写真では右上に見えてしまっています。ASI294MM Proを常温で、Bin1モードにして分解能を上げ、画角を一辺4分の1の2072x1410にしました。露光時間を5ミリ秒に固定していますが、ゲインは画面の明るさに合わせてヒストグラムがフルになるように変えています。IR640、IR720、IR800の順にそれぞれゲイン200、270、340です。

撮影中の動画で見ている分にはIR640、IR720はあまり変わらなかったですが、IR800は明らかに見た目で揺れが少なくなっているようでした。もちろんその分IR800では暗くなります。

画像処理はAS!3でRegistaxになります。Waveletのパラメータは比較しやすいように全て同じにしてあります。画素数を少なくしたのでこれらの画像はRegistaxを使うことができました。RegistaxのDenoiseが細かいノイズに結構効くので、ImPPGよりももう少し攻めることができます。

とりあえず3枚並べます。

00_50_43_lapl2_ap3043_RS
IR640

00_52_38_lapl2_ap3189_RS
IR720

00_56_05_lapl2_ap3279_RS
IR800

わかりやすいように一部切り出して拡大します。

comp

左からIR640、IR720、IR800です。IR640、IR720はほとんど変わりませんが、細かいところを比べるとIR800は解像度が明らかによくなっています。ただ、IR800の場合は光量が減ったのを補正するためにゲインを上げたせいかと思いますが、ノイズが少し残っています。

波長が長くなれば揺れが小さくなるという、まあそこそこ予測通りの順当な結果ですが、分解能の違いがあると言ってもごくごくわずかで、シンチレーションの違いで出るさの方が遥かに大きい気がします。なので無理してIR800以上で撮るとかよりは、揺れの少ない日を狙った方が素直な気がします。


かゆくて、かゆくて

本当はもっと続けたかったのですが、とにかく蚊が多くて、あまりにかゆくて自宅に引き返しました。明るいところで見たら三十箇所くらい刺されてました。自宅なのでゆるゆるの格好で、Tシャツ、短パン、サンダルとかなので、そりゃあだめですよね。

ムヒを塗って痒みが収まってきたところで再び外に出たら相当曇ってきてました。雨の心配もあったのでその時点で撤収することにしました。


まだまだ連休

連休中は天文イベント目白押しです。

今回の月の撮影は木曜夜のことで、ブログは次の日の金曜夜に書いてますが、この金曜の夜はMちゃんが自宅に来てくれました。そのことも記事にしたいのですが、ネタがどんどん溜まって書ききれなくなりそうです。

しかも明日の土曜は13時から天リフの「星と宇宙の夏ライブ2021」です。こちらもかなり楽しみです。




わたくしSamがオススメの重力波のお話、よかったら聞いてみてください。




連休初日、朝からVISACにかかりきりでした。懸案事項だった光軸調整です。色々やりましたが、多分正しい方法に辿り着いたと思います。


準備

道具はASI294MCと小さなCマウントレンズ。副鏡あたりにピントを合わせて見るために、別途レンズが必要です。VISACには2インチのアイピースなどが取り付けられるアダプターを使います。カメラで映した画面を見るためのPCなども必要です。

IMG_2889


最初の試み

まずは最初の挑戦です。これは失敗その1となります。

1. ASI294MCに50mmのCマウントレンズを取り付ける。
2. VISACに2インチアダプターを取り付け、そこにレンズごとASI294MCを取り付ける。
3. 取り付ける際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けること。
4. カメラの像をPCに映す。使ったソフトはSharpCapです。同心円状のガイド線を出すとわかりやすいです。
IMG_2859
画面を見る限り、中心から明らかにズレているのがわかります。

5. 画面に見えている副鏡の中心が、画面の中央に来るように、鏡筒手前の内側の3つの押し引きネジを調整する。
IMG_2862
すでに結構あっているように見えます。でもまだ早とちりです。

6. 画面に見えている中心の副鏡の外周が中心に来るように、副鏡の角度を3本の押しネジと、1本の真ん中の引きネジで調整しようとしたら、画面に見えている副鏡の中心も動いてしまったので、接眼部の調整が全く意味が無いことになり、ここで行き詰まります

ざっと試してみてこの段階で分かったことは、2インチアダプターにカメラを挿入しても結構隙間があるのでガタガタ。横に揺れるというよりは、ぐらぐら回転してしまいます。ネジの固定具合で画面の中心が簡単にずれてしまいます。ネジを占める際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けると、毎回同じように固定でき再現性があることがわかりました。


2ndトライアル

少しVISACの光軸調整で検索してヒントを得ることにしました。すると副鏡を外すことで、そのねじ穴を接眼部の調整の指標にするアイデアが見つかりました。でも結局はこの方法も途中で行き詰まり、失敗2となります。新しいところは赤で書いておきます。

1. ASI294MCに50mmのCマウントレンズを取り付ける。
2. VISACに2インチアダプターを取り付け、そこにレンズごとASI294MCを取り付ける。
3. 取り付ける際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けること。
4. カメラの像をPCに映す。
5. 副鏡を取り外す。
IMG_2870
外した副鏡の鏡面を見てみると、大したことないですが少し汚れてました。
良い機会なので掃除をしておきます。

6. 副鏡を取り付けるネジ穴の位置を画面上で確認。
7. ネジ穴の中心が画面の中心にくるように、鏡筒手前の内側の3つの押し引きネジを調整する。
IMG_2869

8. 副鏡を再度取り付け、
画面に見えている中心の副鏡の外周が中心に来るように、副鏡の角度を3本の押しネジと、1本の真ん中の引きネジで調整する。
9. 鏡筒手前の外側の3つの押し引きネジを調整し、4本のスパイダーが中心になるように持っていく。
IMG_2873

10. これで完了と思ったのですが、ASI294MCの前面をアダプターにぴったりくっつくようにしながら、アダプターのネジを緩めて、カメラを180度回転させると、なんとが全てあっていた同心円とスパイダーが画面中心からずれてしまいました。ここで失敗と判断しました。

IMG_2877
合わせ終わったと思ったところ。

IMG_2878
カメラを180度回すと、画像の中心から全然ズレてしまいました。


一体何がおかしいのか

ここでかなり迷いました。何がおかしいのか?ずれている可能性があるものを挙げてみると
  1. カメラセンサーの法線と、カメラの円筒ケースの軸もしくはカメラの前面の平面がずれている。
  2. フォーカサーが接眼部の軸と平行に取り付けられていない。
最初に考えたのはこの二つです。

でも1はこれまでもカメラを回転させたりして撮影していますが、ここまで顕著にずれが見えたことはありません。
2についてはフォーカサーを前後に動かしてみましたが、画面は対称に拡大縮小されるので、恐らくこれも大丈夫そう。

ここで思いついたのが、もしかしたらCマウントレンズの光軸がズレているのではというものです。

最初床の上でレンズをつけたままカメラを転がしてみたのですが、どうもよくわかりません。ここで、副鏡を外したVISACに取り付けて、カメラをアダプターにピッタリつけたまま回転させてみました。センサーがきちんと取り付けられていて、レンズの光軸もずれていなければ画面の中心を軸として画面が回転するはずです。ここで明らかにずれが見えたので、レンズの軸がずれていると考えることにしました。


3度目の正直か

レンズの光軸にずれがあると仮定して、どうしたら光軸調整ができるか考えたのが、次の方法です。
  1. ASI294MCに50mmのCマウントレンズを取り付ける。
  2. VISACに2インチアダプターを取り付け、そこにレンズごとASI294MCを取り付ける。
  3. 取り付ける際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けること。
  4. カメラの像をPCに映す。
  5. 副鏡を取り外す。
  6. 副鏡を取り付けるネジ穴の位置を画面上で確認。
  7. ASI294MCの前面をアダプターにぴったりくっつくようにしながら、アダプターのネジを緩めて、カメラのみ回転させる。
  8. 回転させた時の画面上の回転中心が、ネジ穴の中心になるように、鏡筒手前の内側の3つの押し引きネジを調整する。これはレンズの光軸ががカメラセンサーの法線とずれている可能性があるからです。
  9. カメラのみをアダプターから傾けて、画面の中心にネジ穴の中心が来るように、頑張ってアダプターのネジを調節し固定する。このアダプターですが、ネジが2つしかないので、もう一つ穴を開けタップを切って3つのネジにしたほうがいいかもしれません。
  10. 上手く固定できたら、それがずれないように気をつけながら副鏡を取り付け、画面に見えている中心の副鏡の外周が中心に来るように、副鏡の角度を3本の押しネジと、1本の真ん中の引きネジで調整する。
  11. 同じくカメラがずれないように注意しながら、鏡筒手前の外側の3つの押し引きネジを調整し、4本のスパイダーが中心になるように持っていく。
IMG_2885
最終的に合わせ終わったところです。
まだカメラは傾いたまま取り付けられています。

写真を撮る余裕がなかったので、取れたのは調整後の写真だけです。 

最後に、カメラのズレを直して見てみました。
IMG_2887

なんと、上下は少しずれてますが、触る前の一番最初の写真の位置とよく似ています。おそらく、最初から光軸はかなりあっていたと思われます。長くかかりましたが、そのことに確証が持てただけでも良かったのかと思います。


まとめ

この方法、原理的には多分正しいと思います。少し心配なのは、
  • カメラをずらして固定するのが難しかったので、少しズレがあるかも。先にも書きましたが、3つ目のねじ穴を空けた方がいいかもしれません。
  • そもそもカメラをずらした方が良かったのか、カメラをずらすのでなく見えている中心を画面中心と改めて定義してから合わせた方がいいのか?
2つ目の疑問は、多分前者の方が正しいと思います。全然間違ったことをやっていないか、星像を見て試そうと外に出たのですが、曇りで月も見えません。なのでこのブログを書いているというわけです。
(2021/8/22 追記: レンズの光軸ずれの誤差が大きいと思い、その影響を小さくする光軸調整の方法を考えていました。)




あと、今回の記事の鏡筒内のどの写真にも写っていますが、主鏡の固定具でしょうか3つの遮蔽物がかなり目立ちます。おにぎり星像の原因の可能性大です。本当は光軸調整よりこちらを隠すようなリングを作るべきなのですが、今回は光軸調整としました。(2021/8/21 追記: 主鏡どめのマスクを作りました。)




四連休は

明日の金曜はMちゃんが来る予定。UV/IRフィルターを入れて星像がどう変わるか試してみようと思っています。
明後日土曜はいよいよ天リフさん主催の「星と宇宙の夏ライブ2021」です。気合を入れて参加します。


 

やっと梅雨が明け、とてつもなく暑いですが、連日晴れの日が続くようになりました。これから満月期に向かっていくので、月もそこそこの時間まで出ています。平日でそこまで遅く起きているのも大変なので、気軽に月の撮影としました。


ASI294MM Proでの広角、高分解能の月撮影

やりたかったのは、ASI294MM Proのbin1モードでピクセルサイズ2.3um、8288×5644の高解像度でどこまで月の分解能が出るか確かめたかったことです。具体的な比較として今後も含めてやりたいことは
  1. ASI294MCとASI294MMのbin2での同ピクセルサイズでカラーかモノクロ化の直接比較->分解能は2倍違うはず。
  2. ASI294MCとASI294MMのbin1でのピクセルサイズ半分でカラーとモノクロの違いの比較->分解能は4倍違うはず。
  3. ノーフィルターとサイトロン製IRパスフィルターの640nm、720nm、800nmで違いがあるか?
です。
 
今回は初日ということで、とりあえずの条件出しです。
  1. 鏡筒はVISAC、赤道儀はCGEM II。揺れが効きそうだったので三脚の各足の下に手製の防振パッドを入れています。
  2. ASI294MM ProをBin1の常温で撮影。
  3. フィルターは640nm以上を通すように。
  4. 露光時間はとりあえず10ms、Gian120。
  5. 枚数は500枚のうち上位50%の250枚をAutoStakkert!3でスタック。
  6. あぶり出しはImPPG、仕上げにPhotoshop。
としました。

撮影は、1枚だと月全体が画面内にギリギリ入るか入らないかだったので、2枚としICEでモザイク合成しました。問題はファイルサイズ。SharpCapで500枚をser形式で保存すると1ファイルが50GBになります。処理もかなり時間がかかります。本当は上にあるように、きちんと条件を変えて色々撮影したかったのですが、今回はこのファイルサイズでめげてしまって、モザイク分2枚撮影しただけで諦めました。

あぶり出しはこれまでのようにRegistaxを使いたかったのですが、大きすぎる画像は処理できないようで、今回はImPPGを使いました。ところが、多分Registaxに比べた弱点だと思うのですが、処理を強くすると細かいノイズが出てしまいました。RegistaxのDenoiseに相当することができないようです。太陽だと気にならなかったのですが、のっぺりした面がある月ではそのノイズが目立ってしまいダメでした。なので弱く炙り出すに留めてます。他にはNik CollectionのOutput Sharpner、TopazのSharpen AIなどはわざとらしくなってしまったり、偽線が出てしまう可能性があるので使えませんでした。PixInsightが使えそうなのですが、今回は使う余裕がなかったので、今後の課題にしたいと思います。


結果

一応画像処理まで終えて、結果は、以下のようになりました。

21_56_42_lapl4_ap7882_IP.2tif_stitch
  • 月齢9.5日
  • 撮影日: 2021年7月19日21時56分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間10ミリ秒x250/500枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、Photoshop CCI

撮ったのはこの1枚(2枚合成)だけなので、その他パラメータとの比較はできませんが、かなり解像度も出ている感じです。そこそこ満足の結果です。

昨晩はここまで、次の日も仕事なのでここで就寝です。


少し比較してみた

せっかくなので、いくつか以前の結果と比較してみたいと思います。


リンク先ページの1枚目の写真と比較してみます。VISACではこれまで最も分解能が出ていたと思っているものです。鏡筒は同じ、ピクセルサイズも同じなので、カラーかモノクロかの違いになります。右がASI178MC、左が今回のASI294MM Proです。

VISAC_178MC


うーん、どうでしょう?クリックして拡大して比べてもらった方がわかると思いますが、同等か、下手したら右の178MCのほうが分解している気もします。

もう一つ比較してみましょう。


C8_01

右の178MCはピクセルサイズが問題になってきそうなくらい分解能を使い切った感じ。対する左の294MMはモノクロになった分ピクセルサイズに余裕が出たものの、細部はそれほど出ていない感じです。


まとめ

どうやら今回のASI294MMでの撮影は、過去のもっとよかったものに比べると、カメラの性能では優っているはずが、シンチレーションがそこまでよくなかったか、もしくはピントを合わせ切れていないかでしょうか。これはリベンジ案件ですね。余裕があったらもう少し続けてみます。

といっても、ここまで解像度が出て、月全体を丸々撮れているので、自分的には十分満足なのですが。

続けるにしてもファイルサイズが大きすぎるので、もう少し小さな面積で分解能比較はしたいと思います。あと、もしこれ以上高分解能を追求するならバローを入れた方がいいかもしれません。あとはシンチレーション の良い日を狙うのでしょうか。


久しぶりのブログ更新

梅雨でなんのネタもなくて、仕事など他でもいろいろ忙しかったので、ずーっとブログ更新をサボってました。こんなに長い間書かなかったのは初めてです。

と言っても天文関連のことを何もやってなかったかというと、そうでもなくて、来週必要なスライド作りなんかは結構進みました。特に富山市で廃止になってしまった天文台に関しては色々議論や実作業もあり、かなりの時間を割いていました。ここら辺のことについてはいつか書ける時が来たら書きますね。

ブログを再開する気分になったのは、昨晩7月16日の夜遅くにとうとうまともに晴れたからです!しかも金曜なので休日前。月齢6日なので23時頃には月も沈みます。実は22時に外に出た時はまだかなり雲があって、SCWの予報も雲が多そうだったので諦めてたのですが、気楽に「脱力タイムズ」を見てる途中に外に出てみたら、天頂がかなり晴れてます。10分くらい見てたら下の方のガスってたのが消えはじめ、白鳥座の羽の先も見えてきました。天頂は天の川もうっすら見え始めたので相当透明度が良さそうです。


久しぶりの望遠鏡

IMG_2822

これは望遠鏡を出さないわけにはいきません。今回のターゲットはVISACでのM57です。もうかなり前に到着したASI294MM Proをやっと試せます。今回はRGBで撮影するので、フィルターホイールをVISACに取り付けます。ZWOのアメリカンサイズが5枚入るフィルターで、カメラのUSB端子を利用してカメラに付属のUSB2の短いケーブルで繋ぎます。
IMG_2827

オフアキ用のカメラがついてますが、これは今は穴塞ぎのためだけで、将来のためです。

さてさて、久しぶりの極軸合わせをして、その後ベガでCGEM IIの初期アラインメント。さらにカメラの回転角をベガを画面上で左右に移動することで合わせます。その後M57を自動導入します。どうやら、一見しただけでもかなりシンチレーションが良さそうです。

実はASI294MM Proのファーストライトは1ヶ月以上前で、6月10日に同じM57を試しています。でもシンチレーションがメタメタで、雲も多くて結局Redを撮った後、Greenを撮っている途中で曇ってしまい、お蔵入りにしました。その時の画像と比べても、この日はあからさまに星が小さいです。M57の中心星も余裕でくっきり見えています。

でも星像がまだいまいち決まりません。一応副鏡の調整を六角レンチでしましたが、どうしても斜め方向に十字のようなものが残ります。四隅だけでなく中心部でも同じ状況が見えるので、接眼側を合わせる必要がありそうです。これは至急の課題なので、土日の昼にでもやってしまおうかと思います。

とりあえず星像に関しては諦めて、ピントを合わせます。今日はモノクロ撮影の手始めなので、RGBフィルターを使って撮影してみようと思います。でまずはフィルターホイールでRedに合わせ、M57のすぐ近くにある2つの星を使ってピントを合わせます。これがよく分離できるようなところに合わせました。


久しぶりの撮影

撮影方法はSharpCapで、露光時間10秒、Gain220のラッキーイメージングです。短時間撮影なのでオートガイドもなしです。撮ってる画像を見ていると、星像が小さいものと、流れてしまうなもの、大きくなっているもの、同じ10秒でも一枚一枚で相当差があります。この中の良いイメージのみを採用するつもりです。

Redを30分、180枚を撮影。その後Greenに移って同じく30分撮影しますが、Redに比べて恒星が明らかに少ないです。これは緑の恒星はほとんどないことから納得です。さらにBlueも30分。Blueの恒星はもっと少ないです。これだとほとんど赤い星になってしまいそうですが、こんなんでホントに良いのでしょうか?

01_16_15_Capture_00054 01_25_22_Red
Redの10秒1枚どり。オートストレッチしただけです。

Blueを取り終わったところでちょうど午前3時前。薄明の始まる時間です。空を見上げたら、白鳥座の羽の先まで凄くはきり見えます。それどころか、白鳥座あたりから西の低い方はそれほどでもないですが、北の方向へ、冬の天の川までかなりはっきり見えました。1年に数回しかないレベルの透明度です。星を見つつこの日は撤収。

RGB処理はほぼ初めてなので時間がかかりそうです。画像処理は土曜以降。まずはブログの再開からです。処理が終わったらまた書きます。


ASI294MM Pro

ASI294MM Proにした理由ですが、まず第一はASI294MC Proを持っていること。これにMMが加わると、カラーでRGB、モノクロでLなどができます。さらに、最も大きな理由が、ピクセルサイズがMMだと半分になることです。同じマイクロフォーサーズですが、MCはピクセルサイズが一辺4.63μmで、4144×2822、MMはBin1モードにすると一辺2.32μmで、8288×5644まで解像度が上がります。そもそもカラーからモノクロにした時点で解像度が倍、さらに特殊なBin1モードで倍なので、一辺4分の1になるわけです。これまで1ドットで表されていたのが、実行的に16ドットで表すことができるようになります。これは分解能を出したい時には条件次第で相当有利になるはずです。その代わり、ダイナミックレンジはMCの14bitあったものが、MMでは12bitになってしまいます。また、IMX294系の最大の欠点アンプグローはMMのIMX492になってもそのまま残るようです。

なので多少の欠点は存在するものの、ASI294MC Proと併用することもあり、解像度の点でASI294MM Proを選びました。

普段太陽撮影にはASI290MMを使っていますが、こちらのピクセルサイズが2.9μmなので、こちらもASI294MMに置き換えることを考えてます。290よりもピクセルサイズが小さいため、C8 +PSTとの組み合わせで、十分明るい太陽ではかなり鏡筒の限界まで迫ることができるので、シーイングさえ良ければ分解能がさらに上がる可能性があります。面積はどうせPSTのエタロンの平行度の限界から、一部しか使えないので、ROIでバッサリ切ってフレームレートを上げてしまえばいいかと思います。


まとめ

久しぶりのブログなので、土曜の朝なのに起きてぱっと書いてしまいました。この日も朝から晴れなので、太陽撮影です。あ、どうせ朝から赤道儀出すなら片付けなければよかった...。

(土曜朝に追記:  暑すぎです。午前中に太陽撮影しようとしたら、C8が外に置いているだけで熱くなります。撮影まで心配なので鏡筒前面に蓋をしておくのですが、その黒い蓋が既にもう熱い。気付くとCGEM IIも撮影用のPCもかなりの温度でした。PSTはC8の影になっていて、外して触ってみても熱くなかったので大丈夫だとは思いますが、ちょっと熱さ対策ができるまで怖いのでC8での撮影はストップします。)

前々回前回とVISACで試した、10秒露光の30枚ライブスタック


 

を普通の300秒露光で以前撮影したM104ソンブレロ銀河で再び試してみました。でも今回は結果が出なかったので、単なる記録記事です。


撮影と結果

今回の撮影時間は 10秒露光x30枚ライブスタックx32枚 = 2時間40分です。スタックした直後の画像をオートストレッチして見てみます。

masterLight_ABE_ABE_PCC

前のM104と比べてみます。左が前回の連続300秒露光、右が今回10秒露光の30回ライブスタックです。

comp

違いは
  1. ○ 今回の方が星像はほんの少しだけ締まっています。
  2. × ノイズは今回の方が圧倒的に多いです。
  3. × 微恒星も今回は完敗です。
これはNGC4216で見た傾向と全く同じです。というか、トータル露光時間のさは前より小さくなっている(前は7時間と1時間、今回は4時間と2時間半)のに、ノイズに関しては差がさらに大きく出ています。ノイズに関しては2つ理由が考えられます。

まず一つは読み出しノイズです。そもそも読み出しノイズは一回露光したら必ず読み出されるノイズなため、一回の露光時間を伸ばすのが唯一の改善策です。もちろん撮影枚数を増やすことでもへらすことができますが、その効果は小さいです。実際、300秒から10秒にしたので、√30で5.5倍くらいになります。トータル撮影時間が前回が4時間10分で、今回が2時間40分なので、250分/150分 = 5/3のルートで1.3倍。読み出しノイズがゲイン120のところと420のところでまあ1.3倍くらいよくなるので、これでトータル露光時間での悪化と相殺とすると、やはり5倍強程度悪くなっていることになります。

もう一つは、リアルタイムのダーク補正をしているのですが、このダークファイルのノイズがコヒーレントに重なってしまっていることが考えられます。ダークファイルは10秒露光で8枚撮影して平均したものです。ライトフレームのトータル露光時間減るべきノイズよりも、ダークファイルのノイズの方が遥かに大きい状況かと思います。ディザーが十分なら、適当にちらされるはずなのですが、どうもディザーの振幅が小さかった可能性があります。ホットピクセルやクールピクセルは後で検出して画像処理で除去できるので、もしかしたらダーク補正はしないほうがいいのかもしれません

一応最後まで仕上げましたが、やはりノイズが大きいことが災いしてか、全くダメです。

masterLight_cut_ABE_ABE_PCC_ASx3_ET3

どうも露光時間を30分の1にしているのに、星像の改善があまりにも少ないです。また、ノイズと微恒星に関してもちょっと厳しい結果になっています。もう少しやり方を変えた方がいいのかもしれません。

星像の改善に関しては少し計算して見ました。結構面白い結果が出たので、これについてはまた記事にします。


最近の撮影時のトラブル

VISACでの銀河撮影を始めて、ASCOM経由で接続している赤道儀が動かないことが2−3度ありました。一度はケーブルを赤道儀のコントローラーに繋いでいないという間抜けなミスでした。あとはちょっといやなトラブルで、接続されていると表示されるのに信号を送っても赤道儀が反応しないというものです。接続しているソフトやセレストロンドライバーを落とした後に発生するみたいで、これが起きるとPCを再起動する以外は解決策がなかったです。

銀河撮影の後に、FS-60CB(青い馬星雲を撮影しました。また画像処理して記事にします。)で撮影した時、BackYarEOS (BYE) でカメラに接続できないことが一度ありました。カメラの電源が切れたのかなと思ったのですが、そうでもありません。また、PC再起動直後だったので前の接続がとかいうことはありません。結局BYEを再起動することで解決しました。

あと、PHD2が何故が赤経側の一方向にずっとドリフトがあり、補正信号を出し続けているという現象が起きました。最初VISACの固定方法を疑ったのですが、問題になるようなところは見当たらず、その後に変えたFS-60CBでも同様のドリフトが起きたので、PHD2自身か赤道儀に問題がありそうです。でもこれは赤道儀の電源を入れ直したら直りました。


VISACのさらなる強化

今回のM104撮影後、まだどうも鏡筒を横から弾くと星が振動します。一番の問題はやはり一つの鏡筒バンドに対して、下側一本のネジで固定していることです。鏡筒が赤道儀から横に転げ落ちるようなモード(一般的にロールモードと言います)が弱いです。鏡筒がお辞儀するようなピッチモードや、水平面に回転するようなヨーモードは、たとえ鏡筒を叩いて励起しても、星像はほとんど揺れません。

ただ、ネジを補強するにしてもどうやればいいのか?鏡筒バンドとアリガタとの設置面積がちいさいので、ネジなどをつけるのもなかなか大変です。

Twitterで呟くと、何人かの方反応してくれました。その中でrimpaさんがアリガタ下からの押しネジでリングを固定しているとのこと。「そうか、押しネジでいいのか!」と思い、さらにシンプルに改良しました。

もともと橋頭バンドとアリガタを取り付けたM6のネジの左右に、M8のいもネジを入れました。これで押し引きネジ構造になります。

IMG_2194

下の写真の左側、鏡筒の先の方は穴にねじ山が切ってあったのですが、右側、接岸側はただの穴でした。そのためM8のタップを切り、そこに同様にいもネジを入れました。

IMG_2192

手で触っても違いがわかるくらいガチガチになりました。次回これで撮影を試してみます。


まとめ

VISACについてはある程度クセが見えてきました。強化は必須ですね。まだ不十分かもしれません。

光軸は副興側はある程度調整しましたが、接眼側もふくめて調整する必要がありそうです。今のところおにぎり星像が出る確率は減ってきました。でもこれは光軸調整がまだ不十分だからという可能性もあります。

ラッキーイメージはもう少し見直します。シンチレーションも大いに関係するのですが、分解能ができるだけ出るようなパラメータをもう少し見つけたいと思います。


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