ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:SharpCap


その1: 準備編
からの続きです。


メシエ天体が実際に電視で見えるかどうかはSharpCapの設定に大きく関わってきます。以前解説を書いたのですが、バージョンが上がって新しい機能が追加されていることなどもあるので、今一度簡単に書いておきます。本質的にはSharpCapのパラメータは以前書いたものとあまり変わらず、8秒露光、ゲインは350程度、Image Controlsのgamma 50、Brightness 240で固定、あとはDisplay Controlsでいじります。

ポイントはLiveStack機能のタブの一つのhistgramでのレベル補正が、特に淡い天体の場合の見やすさにかなり効いてきます。基本的にはdark側のスライドをピークの左側の裾野くらいまで持ってくることです。あとは左側の上下スライドでダークの効き具合をいじるだけです。

見たという事実が大事で、見え方は所詮低解像度のカメラでそれほどこだわらないので、これくらいの設定で十分だと思います。

次に画像の保存方法です。SnapshotファイルはStackした画像とは必ずしも一致しないようで、たいてい画面で見ているより保存された画像の方がイマイチな場合が多いです。さらにSnapshot機能はLive Stack機能がオンになっていると使えないので、
  1. 一旦StackをPauseしてから
  2. Live Stack機能をオフ
  3. SnapShotボタンを押してPNG画像ファイルを保存
  4. Live Stack機能をオン
  5. Auto saveにチェックを入れる
  6. Clearボタンを押してfits形式で保存
  7. Auto saveにチェックを外し、次のメシエ天体へ
というような手順でStackの機能があまり反映されないsnapshotファイルと、Stackの機能が反映されたfitsファイルを保存します。さらに注意点ですが、Live機能をオフにしてからDisplay Controlsなどのパラメータを変えると保存されるSnapshotファイルの色などが落ちてしまい、みすぼらしくなるので、LiveStack機能をオフにしたら何も触らずにすぐにSnapShotボタンを押してPNG画像ファイルを保存するようにします。

今回はそれに加え、何枚かPCの画面を直接iPhoneで撮影するという、これまでよくやっていた方法でも画像を撮りましたが、メシエマラソンの場合は時間との勝負で、画質にはこだわらないので、実はこの方法が一番いいのではと後から思いました。

実際に撮った写真を、数が多いのでちょっと迷ったのですが、参考になればと思い全部載せることにしました。
  • 20時21分: とりあえず見やすいM45 (プレアデス星団、すばる)。月明かりもあるため星間分子ガスなどは見えず。左下に大きなゴミがあるみたいで写り込んでしまっています。最初の頃はSharpCapのSnapshotで保存です。
Capture 20_21_36_0001_M45


  • 20時30分: やはり見やすいM42とM43 (オリオン大星雲)。さすがにこれは月明かりがあってもよく見えます。
Capture 20_21_36_0002_M42_M43

  • 20時35分: M103。SharpCapの使い方ミス(Stackをオフにしてからパラメータを触ってしまった)で白黒になってしまいました。
Capture 20_21_36_0003_M103


  • 20時44分: M52。ゴミの写り込みが目立ちます。
Capture 20_21_36_0007_M52

  • 21時03分: M41。かなり下の方に来ていて、気付いた時には木に隠れかけていました。枝が写り込んでしまっています。これも焦っていて白黒に。この直前にCMOSカメラをクリーニングしたため、ゴミの写り込みがなくなっています。
Capture 20_21_36_0008_M41

  • 21時17分: M78。写っているのか写っていないのか、真ん中に何か見えますが、かなり薄くしか見えていません。
Capture 20_21_36_0009_M78

  • 21時44分: M1。月がすぐ真横にあるせいなのか明るすぎるのと、これまで見たことないような変な模様が写ってしまっています。真ん中に薄くぼんやりと何か写っているのですが、これだけ写すだけでもかなり手こずって、すごく時間を費やしてしまっています。
Capture 20_21_36_0010_M1

  • 21時48分: M38。星雲に比べると星団は楽で、導入と電視、ファイルの保存までわずか4分しかかかっていません。
Capture 20_21_36_0011_M38


  • 21時52分: M36。こちらもわずか4分。
Capture 20_21_36_0016_M36

  • 21時55分: M37。これは星が集まっていて綺麗です。
Capture 20_21_36_0017_M37

電視中のものをiPhoneで撮影すると下のようになります。実際の電視中の印象にとても近いです。これくらいの印象になると思ってもらえるといいです。

IMG_1614_M37


  • 21時59分: M35。
Capture 20_21_36_0018_M35

  • 22時03分: M50。
Capture 20_21_36_0019_M50

  • 22時05分: M47。散開星団続きでつまらないで、ちょっと飽きてきたところです。
Capture 20_21_36_0020_M47

  • 22時11分: M46。
Capture 20_21_36_0021_M46

上のは撮って出しですが、下のは画像処理をしたものです。と言ってもホワイトバランスとレベル調整だけです。
Stack_32bits_4frames_32s_M46


  • 22時14分: M48。
Capture 20_21_36_0022_M48

  • 22時21分: M44。これも白黒になってしまいました。
Capture 20_21_36_0023_M44

  • 22時25分: M67。星がたくさん集まっていてちょっと変化があります。
Capture 20_21_36_0024_M67

  • 22時37分: M65とM66。系外銀河です。SharpCapのパラメーターが変わるので、ファイルにするまでに時間がかかりました。系外銀河は見にくいので画像処理をしています。
Stack_32bits_10frames_80s_M65_M66


  • 22時42分: M98。系外銀河もパラメータさえ決まるとすぐに写ります。ちなみに、今回ほとんどのものが8秒露光の複数スタックです。
Stack_32bits_12frames_96s_M98

  • 22時46分: M99。渦までよく見えます。画像処理済みです。
Stack_32bits_13frames_104s_M99

ちなみに撮って出しだと下のようになります。これでも渦はなんとか見えますね。電視上はこんなもんです。
Capture 20_21_36_0028_M99


  • 22時48分: M100。
Stack_32bits_16frames_128s_M100



この時点で、あまりに寒いのと明日の仕事があるので撤収することにしました。結局20時20分ころから22時50分頃と約2時間半で、23天体。一時間あたり10天体くらいはいけるので、練習としては上出来かと思います。実は自動導入付きのドーピング部門なのでもっと早く進めることができるのではと鷹をくくっていたのですが、スタック時間や撮影に多少かかってしまい、これくらいのスピードになってしまいました。完走するのに結構ギリギリのペースです。もし普通の星図片手にマニュアル導入でのメシエマラソンだと相当なペースで進めないと完走しないこともよくわかりました。

こうやって並べてみると、ホワイトバランスもめちゃくちゃだし、収差もあるし、解像度も低いしなので、iPhoneで写すのでやはり十分な気がします。そんなことより、次々見えるメシエ天体が楽しくて楽しくて。人がたくさんいたらみんなで一つの画面を共有して見ながらできるので、とても盛り上がると思います。

電視の利点の一つに、Stick PCでのリモート観望というのがあるので、実はメシエマラソンでもリモートでほぼ全ての操作が可能で、自宅内からでも可能なのですが、やはり空を見ながらやることに意義があると思い、今回は全て外で見ることにしました。でも結局一人で電視だと画面とにらめっこで、あまり外に出ている意味がなかったです。やはり何人かで手分けしてやるのが楽しい気がしました。たとえばソフトで次の天体をどれにするか決める人、天体をあぶり出す人、画像を記録する人、タイムキーバー、記録係などです。多分これが本来のメシエマラソンのやり方であり、楽しみ方なのでしょう。

ちなみに子供達は春休みの最中なので、一緒に外に出て星を見ていたのですが、早々と寝袋にくるまって眠ってしまい、マラソンどころでは全くありませんでした。

昨日のTG-SPの自動追尾テストに引き続き、追尾の精度を出すためにSharpCapで極軸の調整をしてみました。使った機材は手持ちのCMOSカメラASI224MC16mmのCSマウントのレンズです。

はっきりいってむちゃくちゃ便利です。しかもとても簡単です。あえて難しいところを言うなら、日本語に対応していないところだけでしょうか。

1. まず、CMOSカメラをどこかにマウントします。今回は高橋の鏡筒バンドの上に固定しました。

IMG_0274


2. CMOSカメラを赤経用の回転軸とだいたい同じ方向に向けます。SharpCapの途中の説明の中には1度から5度までの精度と書いてありました。

3. 次に、赤経回転軸がだいたい北に向くように三脚ごとでいいので、方向を合わせます。これも5度くらいの精度でいいでしょう。実際にはカメラ画像に北極星周りが入ればよく、その範囲はカメラの画角で決まるので、今回のASI224MCで16mmのレンズを使うの場合、横17度、縦12度くらいの範囲が見えます。なので画面の真ん中あたりを中心に使うとすると、5度までというのは的を得た値だと思います。

4. SharpCapを立ち上げ、ToolメニューからPolar Alignを選びます。最初に説明が書いてあるので読んだほうがいいですが、書いてあることは、
  • 赤道儀が必要。
  • 1度から5度までの画角が必要。200mmの焦点距離のガイダーが理想。(と書いてますが、今回の16mmでも十分使えています。)
  • 10個から15個の星が見える必要がある。
  • 初期のアラインメントは5度くらいの精度が必要。
  • 赤道儀は望遠鏡が上方を向くホームポジションから始めるといい。
逆に必要のないものは
  • 正確なファインダーのアラインメントやコーンエラーを正すこと
  • 自動導入
  • 他のソフトやインターネット接続
など、何が必要で何が必要ないかという一般的なことで、大したことではありません。

5. Nextを押して、いよいよ北極星周りの認識です。15個くらいの星を認識しないとダメみたいです。
この時点で北極星周りがきちんと見えていると、Plate solvingでデータとして持っている星図と比較して、各星の位置が認識され、極軸周りに同心円が多数見えます。

IMG_0271

6. 星の認識がうまくいくと、右下のCould not soleveがSolevedに変わります。CMOSカメラの露出時間とゲイン、およびPolar Align設定の中のNoise Reductionが結構効きます。私は0にしました。うまくいくと写真のようになります。

7. Solvedの状態がある程度続くようになったら、Nextを押します。

8. CMOSカメラを含めて、赤道儀を赤経方向に90度位回転させます。

9. 再び星の位置が認識され、写真のようにターゲットの星を矢印のところまで持って行けという指示が出ます。

IMG_0276

10. 三脚をずらすなどして赤道儀全体を動かして、微調整します。このとき注意なのですが、当然赤道儀のモーターを利用して合わせてはいけません。あくまで、架台の方の移動(大きな赤道儀には微調ネジがついていますが、ポタ赤などにはそんな豪華なものは付いていないので、本当に三脚をずらします。)で位置を調整します。合わせている途中で、移動量に応じてターゲットの位置もリアルタイムでずれていきます。ほぼ合わせ終わったのが下の写真です。

IMG_0277


11. ある程度合わせてからNextを押すと、誤差がどれくら残っているか表示されます。

IMG_0280


初めてやったにもかかわらず、実作業は15分くらいでした。この記事を書いている時間の方がはるかに長いです。慣れれば、ものの数分で終わると思います。恐ろしく簡単です。

途中画面上で星の位置を移動して合わせるのに、三脚の足の長さを変えて微調整したのですが、星の村のスターライトフェスティバルでHUQさんに見せていただいた、

IMG_0199


のようなものがあると便利そうです。これどこのメーカーのものなのでしょうか?(2016/10/20 追記: タカハシ製でした。Vixenでもよく似たものを出しているみたいです。「三脚アジャスター」で検索すると出てきます。)

赤道儀の水平出しはしなくていいのでしょうか?とか、考えていたのですが、赤道儀自身がポタ赤で自動導入はしないので赤径の回転軸さえあっていればよく、そもそも水平などもなす必要がないために、このような簡易調整で十分なのですね。

それと似た話で、実は最初極軸を合わせる前、CMOSカメラの中心は赤径の回転軸と合ってなくていいのだろうか?とか、センサー平面は赤経回転軸に垂直になってなくていいのだろうか?など、いろいろ考えました。でも無限遠のものに合わせて回転させて見ているので、場所も角度も極軸が画面内に入るくらい大雑把でいいという事が、やっと理解できました。いやあ、簡単です。(追記: 2016/11/3 牛岳でAdvanced VXにBKP200を乗せ、その上にFS-60を乗せて、さらにその上にASI224を乗せて試した時は全くうまくいきませんでした。合わせ終わって回転させると、回転軸が全く極軸からずれたところで回っています。その後2016/11/7に自宅で試した時はうって変わってうまくいきました。BKP200を無くしたからかもしれません。)



さらにHUQさんが以前コメントで教えてくれたのですが、CMOSカメラが完全にファインダーの代わりになります。しかもより広範囲を明るく見ることができるのと、無理な体勢で覗かなくていいので、はるかに便利です。これでFS-60Qについているファインダーを外して、さらに軽量化する目処がつきました。取り外したファインダーは青色でかっこいいので、同じ青色でまだファインダーのついていないMEADのLX200-25に取り付けようかと思います。

さて、極軸調整の結果ですが、今回は誤差にして10分の1度くらいのオーダー、写真で撮ると20秒くらいは追尾できるようになりました。

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それよりも他の問題が発生して、どうも追尾できるときと全く追尾しない場合で別れる現象が見られました。どうもギヤの駆動に合わせてどこかでスリップしているみたいです。撤収してから明るいところで調べたら、2箇所ネジが緩んでいました。これは自分のミスです。また、赤道儀自身も中のネジが調整されていないと精度が出ないという記事もどこかにありました。これはメーカーの方で調整する部分だそうです。まだ犯人は確定していませんが、とりあえず自分で閉め忘れていた箇所は締め直し、今晩以降、再度検証です。(追記: 2016/10/17に解決しました。)

あと、追尾がうまくいっているときに問題になるのが、風です。結構揺らされて星像が流れます。さらに機材を軽くしたいのですが、風の揺れのほうで問題になるのかもしれません。三脚がまだたわんで揺れるので、もう少しいい三脚が欲しいです。



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