ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:SCOPETECH


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以前ユーシートレードで購入した、古い屈折型ですが、色々調べたらMIZAR(ミザール)がまだ日野金属産業だった頃のニューアポロ型というもので、生産販売開始 1969年で1980年頃終了、当時の値段は発売当初が34500円、生産終了時の販売価格が68000円とのことでした。譲ってもらった金額はさすがに古いので定価の10分の1以下で、子供でもちょっとしたお小遣いで買えるような値段です。レンズだけは店長さんに少し見てもらい、曇りも光軸ズレもほとんどないとのことでした。

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口径は68mmで焦点距離は1000mm、F14.7になります。マニュアル(まだモーター式が珍しかったので当然なのですが)で動かす赤道儀が付いています。三脚は今となっては珍しい木製。対物レンズは全然大丈夫そうでアクロマートレンズとのことです。ウェイトもついているので、カメラなどを取り付けても重さ調整などもできそうです。ファインダーも十分なものがついています。

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問題の一つがフレキシブルハンドルが一つしかないこと。下の写真に一つフレキシブルハンドルがついていますが、

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すぐ横に見えるところにもう一つもともとついていたのかと思われます。残念なことに、購入時にすでに失われていたとのことで、それでも使って見たところ導入の時には赤緯はフレキシブルでない普通のつまみで調整して、導入後赤経を追う時にフレキシブルハンドルを使うというのでまあなんとかなりそうです。

決定的な難点が、アイピースの差し込み口の径が25.4mmの昔の小さい径で今の規格に合いません。幸いなことに変換アダプターの前のネジは普通の36mm?だったので、Vixenの31.7mmへの変換アダプターを買って取り付けることができました。

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新品なので当たり前ですが、むしろこれが望遠鏡本体と比べて相対的に高かったです。31.7mmのアイピースは当然として、25.4mmのアイピースも付属していませんでしたので、それでも何か別途購するか手持ちのものを使う必要があります。


さてちょっと前の晴れた日に実際に見て見たところ、最初いくつかのネジの緩みが気になりました。特に赤道儀のところはガタで星が視野の端から端まで移動してしまうくらいでしたが、写真


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のネジを締め直したらピタッと止まるようになりました。赤道儀の目盛りの位置もズレていたので直したところ、少なくとも普通に眼視する分には十分に使えるレベルです。極軸合わせは、極軸望遠鏡などはないのであまり精度よく合わせることはできませんんが、撮影などはあまり想定していなかった時代の機種と思われ、この時代のものはおおらかにだいたい北向きに置いていたとのことです。それでも時間とともに逃げていく星を追っかけるのは下の子が使っている手持ちのSCOPETECHの経緯台式よりははるかに楽でした。

見え味ですが、同じアクロマートの口径60mm、 焦点距離800mm、F13.3のSCOPTECHとよく似ている印象です。SCOPETECHは入門機ですが、レンズは手を抜かずに入門機と思えないほどのものを使っているといいます。今回はアイピースもSCOPETECHについて来たものを使いましたが、月などはとても綺麗によく見えます。たまたま金星が綺麗に見える夕方でしたので、半分欠けている金星を見ましたが、どちらも形がきちんとわかる位によく見えました。調子に乗って、9mmのアイピースにさらに3倍のバローをつけてどこまで見えるか試しました。ニューアポロが1000/9x3=333倍、SCOPETECが800/9x3=267倍と明らかに拡大しすぎですが、ここまでくると上が赤、下が青く滲んで来て両機種とも収差が確認できます。逆に言えば、ここら辺までは十分に見ることができるということで、値段から言ったら驚異的なパフォーマンスかと思います。

欠点は三脚と鏡筒の取り外しができないこと。持ち運びに大変かもしれません。特に三脚は三角板を外さないと全部閉じることができないので、蝶ボルト3つで手で外せるのですが、毎回取り外すのはちょっと面倒かもしれません。

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手持ちの余っている天頂プリズムとアイピースをつけて、誰かすごく興味がありそうで、かつなかなか望遠鏡が手に入れられない子に譲ろうと思います。


Revolutio Imager (以下RI)で一つやり残していることがあります。

入門用の望遠鏡にRIをつけた場合星雲に色がつくかどうかです。RIを使うのは機器をPCなどに接続することや、カメラでの撮影に手が出ない人なども想定されるので、その人達が楽しめるレベルの鏡筒で動くことを確認したかったのです。

とりあえず子供が使っているSCOPETECHの口径60mm、焦点距離800mmの屈折型望遠鏡に、0.5倍のレデューサーを装備したRevolutio Imagerをつけて、焦点距離400mmで試しました。ターゲットはこれまで何度となく見ている、輝度の高いM57です。これが見えなければ他は厳しいという判断です。場所は富山の自宅の庭で、条件が良いと天の川がかろうじて見えるくらいの場所ですが、この日は天の川は見えていませんでした。

まずSCOPTECHの結果ですが、M57が小さすぎて見つからない。望遠鏡は経緯台に乗っているのですが、これまで赤道儀での自動導入しかしたことがないので、明らかに自分の経験不足です。さすがにファインダーもなく、あるのは鏡筒についている2つの穴だけなので、暗い星が全く見えず、ターゲットの場所を特定するのが難しいです。M31やM42などの大きなものだとまだましなのかもしれません。

小一時間奮闘し、結局見つからなかったので、とうとう諦めて一昨日整備したFS-60QとCCDファインダーに頼ることにしました。焦点距離が600mmと少し短くなるので、レデューサーは外しました。

こちらに変更してからは、ファインダーの精度も十分に出ているせいか、ほぼ一発でM57を視野に入れることができました。まあ鏡筒の値段が全然違いますが、口径は同じ60mmなので、集光力は同じと考えて、SCOPETECHでもうまく導入できれば同様に見えると思うことにしましょう。

結果は写真を見ればわかりますが、なんとか色が出るくらいでしょうか。これをすごいと思うか、まだまだだと思うかは人によるかと思います。それでもアイピースと比べるとはるかにはっきり色も形も出るということは言えるかと思います。

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RI付属のCCDの設定項目を相当調整した結果なので、初心者が一発でこの画像を出すのは少し厳しいかもしれません。ちなみに時間的には20時頃で、月齢16日のほぼ満月が少し登りかけてきていたので、空はそれほど暗いわけではありません。というかかなり明るい日で、この条件下で頑張ればこれだけ見えるというのはある意味すごいとも言えます。

あと、赤道儀のTG-SPがやはり絶不調で流れまくっていたので、もし流れるのを抑えることができるともう少しスタックの回数を増やすことができて、多少マシになるかもしれません。でもよく考えると、初心者で経緯台で試す人もいるはずなので、今回の条件の方が実際の使用に近いのかもしれません。

ちなみにこちら

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が同じFS-60QでASI224MCで撮ったものです。公平を期すためにSharpCapのスタック機能は無しの場合です。

さらにオートアラインがついたスタック機能をオンにすると

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はるかに綺麗に見えます。やはりソフトでの調整もあり、ASI224MCの方が見えやすいという結論は以前と変わりありません。

さて今回のポイントの、入門者が色のついた星雲をRIで見ることができるかですが、見ることはできるが、思ったより敷居が高いというのが私なりの結論です。経緯台での星雲の導入が思ったより難しい(これはRIに関係ないのかもしれません)ことと、たとえそれを乗り越えたとしても、例えば今回の画面を初心者が見て色がついた星雲と思えるかどうかという点だと思います。そもそも口径60mmで眼視で星雲を見るのは至難の技なので、それから言ったらはるかに見えるようになっているのかもしれません。それでも口径200mmでのM57ははっきり色がついていると誰もが言うと思います。やはり初心者が最初に手にする60mm程度の口径では本当にギリギリというところだと思います。

逆にいうと、タイトルの趣旨とは違って来てしまいますが、例えば自動導入付きの赤道儀に、口径200mm程度の鏡筒を持っている方には、是非とも電視のインパクトを存分に味わってもらえればと思います。電視は自動導入との相性がとてもいいです。口径も60mmでは少し厳しかったですが、200mmもあれば全く見え味は違ってきます。アイピースと電視で星雲を見比べてみると、これまでとは全く違った楽しさに出会うことができると思います。こういった意味ではコンピューターなど追加アイテムが一切いらないRevolution Imagerは手軽に電視観望を実現できるすごく有効な手段だと思います。

それでも、今回の経緯台で小さなM57を探す過程は面白かった(結局私はSCOPETECHでは見つけられませんでしたが、一番の理由はファインダーがなく、かわりに2つの小さな穴が鏡筒に付けてあるだけで、ベガなどの明るい星はよく見えるのですぐに導入できるのですが、琴座の他の星はこの日はほとんで見えなかったのが原因なのだと思います。)ですし、初心者ならばより口径の大きい望遠鏡への興味もわくだろうし、カメラでの撮影の方にも興味が行くのではと思います。より天体観測への深い興味を持つためのきっかけにはなるのかなとは思いました。

ただ、このために初心者が299ドル、日本に持ち込むともう少し高い値段になるでしょうが、それを払うかどうかは、うまく魅力を伝えていかなければならないのだと思います。実際ひと昔前からみたら、電視なんて考えられなかったでしょうし、眼視とカメラ撮影の中間だと思うのですが、カメラで撮影するよりも安く済むのも事実でしょう。また、技術革新が早い機器でもあるので、5年後にはもっとすごいものがもっと安価に出ているかもしれません。この過渡期に、リアルタイムでの電視観望に興味を持てる人にとっては、お手軽な面白い機器なのだと思います。


ついでにRevolution ImagerでM27も撮ってみました。

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本当にうっすらと見える程度ですが、繰り返しになりますが、月齢16日の明るい状況下ででの見え味です。

今回のことから、星まつりで安く手に入れたファインダーが余っているので、SCOPETECHにネジ穴を開けて取り付けてやって、子供にM57とM27を探させてみようと思います。見えたら喜ぶかなあ? (追記:後日余っているファインダーを取り付けました。)


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