ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:PST

先週末の2月27日の太陽ですが、ほとんど忘れてましたが、一応撮るには撮ったのでブログに記録だけしておきます。

この日はCP+の中継の前日で、スライドとか機材とか色々準備してた最中でしたが、晴れてしかも黒点が出てるという情報で、我慢できなくなって撮影しました。もう裏側へ回り込む直前ですが、前回(2/21)と違い今回ははっきりとした黒点になっています。

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が、見ての通りシンチレーションが悪くてボケボケです。

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プロミネンスが光球面のフィラメントとつながっています。いまだに両方をうまく出すのが難しです。と言っても今回はこのボケ具合であまり気合い入らず、光球面とプロミネンス層の境界の処理も適当です。こんなのを、シンチレーションのいい日にアニメで撮りたいです。でも処理が大変だろうなあ。

あとは多少大きなプロミネンスがいくつか。
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最後二つはかなり淡いものです。

と今回はこんなところです。少し活発になってきたので、また晴れたら撮影します。

一応データです。
  • 撮影日時: 2021/2/27 13:01-13:011
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 110-150, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%もしくは30%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理

2月11日、せっかくの晴れなのでこの日も太陽タイムラプス映像にチャレンジです。前日に同様の処理をやっていたので、ある程度繰り返しでできます。


プロミネンスをいくつか

でもこの日も黒点はなし。小さなプロミネンスがいくつかと、南西方向と、北東方向に少し大きめのプロミネンスが出ています。まずはプロミネンスをいくつか撮影。でもシンチレーションがそこまでいいわけではないので、処理も簡単に済ませました。明らかに手抜きなところも見えますが、ご容赦ください。

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  • 撮影日時: 2021/2/11 13:09-13:20
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 130-160, 1.25ms x 2000フレーム中上位60%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理

北東のカラー化したものを除いて、どれも結構淡いです。シンチレーションの成果、そこまで解像度はよくありません、それでもスピキュールくらいは見えています。
  • 面白いのは上から3番目のやつ。プロミネンスが浮かんでいます。おそらくこれ、前日に捻れてたプロミネンスが出てたので、それが千切れたのではないでしょうか。
  • 1枚目の右下のプロミネンスも淡いですがそこそこ大きくて、リング構造が見えています。
  • 一番下のはかなり淡いですが、高く飛び出しているのがわかります。
数は多いですが、どうもインパクトには欠けます。やはり黒点が待ち遠しいです。


プロミネンスのタイムラプス

続いてタイムラプス映像です。位置合わせは今回もImPPGがうまくいかず、結局Photoshoになりました。枚数も昨日と同程度なのでそこまで苦になりません。


最後にしたの方でなんどか火柱が立っています。メインのプロミネンスの動きはそれほどでもないですが、でも動画にしてみると動いているのがよくわかります。

でも今回のタイプラプス映像、1時間15分程度のものですが、撮影時間は13時半頃から14時半頃と、約3時間かけてます。でもその間に雲で遮られたり、ガイドがうまくいかなくてズレてしまったりで、その中の連続した一番長い1時間15分ぶんを切り出しています。しかも1回の撮影枚数を400枚くらいに増やしたら、1ファイルで1GB越え、これが180個くらいあって全体で200GBを超えています。一回でこれだけの量になると少し考えものです。週末の土日は晴れてましたが、新月木で夜の撮影もあるので、太陽は少し休憩です。

黒点が出たら超長時間の撮影で、黒点の変化をみてみたいです。5分おきで8時間分とかでしょうか。


2021年2月6日の太陽です。南東方向に大きなプロミネンス が出ていました。

この日の朝、ゆっくり寝ていたら朝9時過ぎ、部活に行っている子供から電話がかかってきて、
「制服忘れた、午後からサイエンススクールで制服いるから持ってきて」
とのこと。 外を見ると曇りなので「いいよ、じゃあ昼ごはんどっかで食べよう」と電話を切りました。

午前11時過ぎ、そろそろ出ようと外に出るとなんと快晴!?
「くっそー、こんな日に忘れ物しやがって」
と朝の言葉とは裏腹に、子供を恨みつつ後ろ髪を引かれながら車に乗って子供の元へ。

議論の結果早く済むCoCo壱番でカレーを食べ、頑張って早く戻りましたが、自宅に着いたのは結局14時近く。もう太陽も少し西に傾きかけてます。貴重な休日の快晴なので、早々とC8とPSTの準備をします。太陽は準備が楽ですね。極軸もどうせ取れないので、そこそこあっていればよく、初期アラインメントも太陽の反射光がきちんとシュミット補正版の真ん中にいけばそのままカメラの視野に入ってきます。準備時間は実際10分くらいでしょうか。

まずはぐるっと見渡しますが、目立った黒点はなく、南東方向に大きなプロミネンスがあるくらい。南の方にフィラメントがありましたが、そこまで大きくはないので興味は引かれませんでした。とりあえずプロミネンスを撮影。

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撮影日時: 2021/2/6 14:35
撮影場所: 富山県富山市自宅
鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
エタロン: Coronado P.S.T.
赤道儀: Celestron CGEM II
カメラ: ZWO ASI290MM
撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
撮影条件: ser形式でgain 150, 1.25ms x 2000フレーム中上位60%を使用
画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理


撮影できそうなのがプロミネンス だけで、まだ少し時間があったので、撮影ソフトをFireCaptureに移し、赤道儀をASCMO経由で接続してガイドして、連続撮影をはじめました。うまくいくとC8での初の太陽タイムラプス映像になります。

5秒で50フレームほど撮影し、55秒休むというのを繰り返す設定です。安定していそうだったのでそのまま放っておいて、前回の記事で書いたケーキ作りの材料の買い出しに行きました。帰ってからもまだきちんとガイドしていましたが、もうかなり西に傾いていて、間も無く暗くてガイドが外れ、そのまますぐに太陽が屋根にかかって撮影は終了です。後で見ると、81個の動画ファイル、すなわち81分ぶんの太陽の変化が撮れていました。

FireCaptureを使った撮影時のガイドのやり方や、太陽画像のタイムラプス映像の作り方はこちらから。


でも、残念ながらImPPGでの位置合わせがどうやっても(先に暗くして円弧を出したり、明るくして扇型にしたりなどなど)うまくいきません。焦点距離が長く円弧が滑らかになるので、うまく中心と半径が掴めないようです。コントラストで見分けて位置合わせするのもやってみましたが、やはりガタガタしてしまいます。しかたないので、81枚をPhotoshopで一枚一枚手で位置合わせしました。「ファイル」->「スクリプト」->「ファイルをレイヤーとして読み込む」ですべて最初からレイヤーにしてしまうとそこそこ楽にできます。その際「名前順で並べ替え」で読み込むようにするのを忘れないようにしてください。

あとは上記リンク先の手順で大丈夫でした。10枚を1秒で表示したので、約8秒の映像になります。出来上がったタイムラプス映像です。


久しぶりの処理なので少し時間がかかりましたが、なんとか映像までなりました。思ったより動いていることがわかります。最後のところで大きな火柱が上がるのですが、この後を撮影できてたらと思います。

各コマ50フレームちょいしか撮ってないので画質が心配でしたが、アニメにすると多少のアラは目立たなくなります。時間軸があるのでかなり補完されるみたいです。少し処理は不満なところがあるのですが、Photoshopの位置合わせをできればやりたくないので今回はこれで完成とします。

明日は休日ですが晴れるかもしれません。晴れたらまた挑戦したいです。


先週に引き続き、今週も午前は名古屋人心の故郷のコメダ珈琲に。Twitterで昨日の画像処理研究会の議論の続きをしつつ、2時間近くも長居してました。


PCCのカラーバランスについて

議論はPCCについてです。もともと昨日の研究会での議論は、PCCで撮影した画像の恒星を使い、合わせたカラーバランスは、星雲のカラーバランスにも適用できるか?というものでしたが、私の意見は星雲のカラーバランスは別物。理由はフィルターやセンサーのRBGの波長依存性があるので、たとえ恒星で合わせてもそれは必ずしも星雲のカラーバランスを保証するとは限らないのではというものです。APASSの参照カラーもTutrialにあるような特定のセンサーによって測定され、それは当然自分の持っているセンサー特性とは違うためです。

さらに今朝の議論は、星のカラーバランスも参照センサーと自分のセンサーの違いがあるので、厳密には正しくないのではないかということ。その通りかと思います。フィッティングしたグラフをよく見ると、各恒星の色データのばらつきは通常数10%程度はあり(グラフの数値は等級であることに注意、1は2.5倍の違いを表します)、それがセンサーバランスの違いと同程度のオーダーかと思います。なので、PCCはあるセンサーについてはベストエフォートのカラーバランスをしようとしているが、画像データだけからセンサー間の波長依存性の違いを補正するような魔法はないというのが私の考えです。


長焦点距離の電視観望

もう一つ別件で面白い議論をTwitterでしました。長焦点距離の電視観望は、短焦点距離の電視観望より効率が悪いのでは?というものです。シベットさんのC8での電視観望で効率が悪いという意見に端を発します。

シベットさんは実はLiveStackでとりこぼすので効率が悪いということを意味してたのですが、私は勘違いして長焦点そのものが効率が悪いと取り違えたのです。何でかというと、BKP200のF4の800mmでの電視観望と、FS-60CBでのF6の350mmでの電視観望、意外なほどFS-60CBの方が見えたりするのです。その後、cockatooさんからセンサーサイズやピクセルサイズが関係するのではという意見が出ました。最初私はあまりそれらのことは関係ないと思ってましたが、よく考えたら感度の悪いセンサーでQBPを使うと、むしろ悪化するという経験を思い出しました。もしかしたら、電視観望ではある明るさ以下になった時に途端に不利になるのではないかと考え始めました。例えば、
  • QBPで背景光が小さくなった結果、ノイズ(広がり)が大きくて中央値の小さい(例えば)リードノイズとかADCの量子化ノイズに埋もれた場合と
  • QBPなしで、ノイズ(広がり)が小さくて中央値の大きい背景光に乗っかった場合
の違いです。まだアイデアだけですが、定量的に評価できたら機材にある一定の制限をあたえることができそうです。


自宅へ帰って、太陽撮影

こんなことをずっと考えていたので、今日はコメダ珈琲では雑誌を読んだりすることもなく、午後1時前くらいに店を出ました。外が結構晴れてきてたので、自宅について少しだけ太陽撮影をしました。機材は最近流行のC8+PSTです。

太陽のHα像をまずはぐるっと見回すと、プロミネンス がいくつか出ています。光球面はダークフィラメントが少しありますが、あまり興味を引かれるほどではありませんでした。プロミネンス を4ショット撮っておしまい。その中の一つは結構大きくて、リング構造まで出すことができました。

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  • 撮影日時: 2021/1/31 14:35から14時45分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 150-170, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理
もう少しプロミネンス の細かい構造が出て欲しい気もしますが、結構迫力はあるのでまあ満足です。


センサーのお掃除

ついでにASI290MMのセンサー面の掃除をしました。細かいゴミがついているみたいで、黒いスポットを作っています。保護ガラスを外してもゴミがまだ見えたので、どうもセンサー面に直接ゴミがついているようです。目で見ても全くわかりません。綿棒でそれらしいところを擦ります。カメラをセットし、太陽を見て確認して、ホコリがまだ残っていればまた清掃というのを何度か繰り返します。ホコリが全て取れたことを確認してから、再び保護ガラスをかぶせて元に戻します。

これで次回以降はもう少しまともに撮れるはずです。

 

皆様、新年明けましておめでとうございます。ほしぞloveログのSamです。今年も頑張って星活動を楽しみたいと思います。

さて、新年初記事になりますが、内容は年末の太陽黒点のことです。


12月後半の大黒点

2020年12月後半、また大きな黒点が出ているようです。21日の週の初めくらいだったでしょうか、黒点が出てきたという情報が聞こえてきましたが、仕事もありますし、相変わらず北陸の天気は全然だめです。

それでも休みの12月27日の日曜日、ほんの少しだけ太陽が見えました。と言っても薄ーい雲がほぼ全面にあるような状態だったので、いずれも薄雲越しです。機材はまだテスト段階といっていい口径20cmのC8にPSTを取り付けた状態での撮影となります。

ほんの30分くらいでしたが、なんとか撮影だけはできました。シンチレーションは良くもなく悪くもなくでしょうか。少なくとも前回の最悪の時よりは遥かにマシでした。撮影できた時間は30分くらい、その後は雲が厚くなり撮影も諦めました。


結果

画像処理はAutoStakkert!3とImPPGとPhotoshopとSharpen。とりあえず結果だけ示します。どの画像も少しトリミングしています。

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  • 撮影日時: 2020/12/27 12:58から13時4分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 150-300, 1.25ms x 2000フレーム中上位30-50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理

考察

解像度はさずがにシンチレーションが酷かった前回より普通に出ています。撮影時にもわかるくらいだったので、ある意味当然の違いかと思います。口径20cmのC8の性能が効いてきていると言ってもいいくらいにはなっているのかと思います。

ただいくつか問題も露呈してきました。
  • まずはセンサー面に細かいゴミがあったこと。細部を出そうとするとそのゴミが目立ちます。今回は画像処理でごまかしてしまいましたが、これは邪道です。センサーの掃除を相当気合を入れてやる必要がありそうです。もしくはフラット補正、しかもリアルタイムの補正が役に立つのでしょうか?
  • あと、プロミネンス を見てもわかるのですが、いまいち細部が出切っていません。やはりシンチレーションがそこまでいいわけではなかったというのはここからの判断です。
  • 一番の疑問は、画像処理においてここまで細部を出していいものなのか?Sharpenの威力は相当なものです。炙り出していくと擬線のようなものも出てくるのかと思います。あまりにおかしくなるような設定は避けているつもりですが、どこまで出すのが正しいのか?まだ私には判断できていません。
  • あと、周辺部改善のために前回の撮影からERFを外してHαフィルターに交換したのですが、周辺部がよくなかったかどうかの判断はまだつきません。これはもう少し時間をかけて直接比較したいです。今回は晴れている時間も限られていたので、結論は出せずじまいでした。


まとめと今後

撮影日は日曜は実は天気予報は悪くて期待してなかったのですがなんとか撮影できました。さらに月曜と火曜は天気予報はそこそこ晴れだったので期待していました。でも実際には晴れることはほとんどなく、その後の年末年明け以降もしばらく天気が悪そうなので、一旦ここで記事にしてしまいました。

せっかく解像度が出るようになってきたので、もう少し時間をかけていろいろ試したいのに、天気がどうしようもないです。晴れてくれー!

とうとうC8にPSTを取り付けて口径20cmで太陽のHαを撮影することに成功しました!


太陽光を見ることの危険

(初記事で興奮のあまり安全性について書くのを完全に失念していました。追記しておきます。)

太陽を望遠鏡で見ることは大変危険です。特に、望遠鏡で集められた光を目で見るようなことは失明に直結するの恐れがあります。

本記事では太陽望遠鏡の改造について記述してありますが、私は改造をしてからはアイピースなど、目で覗くようなことはしていません。カメラで見るのみにして、これを頑なに守っています。

改造しても壊れていないからいいとか、自分は大丈夫など、絶対過信することなく、メーカー推奨以外の改造をしたら万が一のことは十分に起こり得ると覚悟し、決して目で覗くようなことはしないでください。ましてや、改造した太陽望遠鏡を観望会などで他人に覗いてもらうなどということは、自己責任の範囲超えていますので絶対にやめてください。他人に何か事故を負わせたときに取り返しのつかないことになる恐れがあります。

さらに本記事では大口径鏡筒使い、集光力を高めているため、発熱、火事などの危険も伴います。もし同様のことを試す場合にも、くれぐれも安全には気をつけて、自己責任の範囲内でテストするようにしてください。

くどいようですが、繰り返し書いておきます。

改造した太陽望遠鏡は決して
安全なものではないです。
もし太陽望遠鏡を改造する場合は、
絶対目で覗くことのないよう、
また火事などの事故にも気をつけて、
自己責任の範囲内で楽しむに留めて下さい。

なお、本記事では太陽望遠鏡の改造について記述してありますが、決して改造を勧めることを意図してはいません。あくまで自己責任の範囲内で、アマチュア天文機材の可能性をテストしているだけです。もし同様のことを試される場合も、くれぐれも自己責任の元でテストするようにして下さい。


口径と分解能

これまで撮影で使ってきたのは10cmの屈折なのですが、口径で分解能が支配されているのはわかっています。分解能を上げるためには口径を大きくするのが一番近道なのですが、以前熱問題でフィルターを割って以来、かなり慎重になっていたのと、長らく太陽の活動が停滞していたので、なかなか試す気になれませんでした。

最近太陽も活動期に入りつつあり、黒点もかなりの頻度で出ています。先月今月、2度撮影しましたが、まだ黒点も小さく今の分解能では細かく見えないのでいまいちパッとしません。なんとか分解能のいい黒点撮影ができなかと思っていました。


車用の遮光フィルム

今回まず試したのが、遮光フィルムです。ホームセンターで車の窓用に売っているものです。とりあえず透過率が13%と謳っているのを買って試してみました。

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とりあえずテストなのでかなり適当につけてあるのですが、取り付け方が全く問題にならないくらいに実際の映像は全然ダメ。ボケボケです。これはピントが合っていないとかではなく、どうも光が拡散されて迷光が多くなりすぎているようで、コントラストが著しく落ちたような状態です。その証拠にエタロンを回すとゴースト光が動いているように見えてしまいます。フィルターで反射しているのかとか思い、元々付けていたMARUMIの赤のR2フィルターを外したり、手持ちのカメラ用のUVカットフィルターに変えたり、HαフィルターをCMOSカメラに付けたりしたのですが全然ダメです。


UV/IRフィルターが救世主に

外で撮影しながら悩んでいるとき、たまたま何日か前に頼んでいたSVBONYの2インチのUV/IRフィルターが配達されてきました。これはもともとは夜の撮影用で、TSA-120で少し赤外と思われるハロが出たので、それを回避するためのものです。ダメ元でと、とりあえずこのフィルターを入れてみると、まだまだボケてますがそれでも像が多少マシになります。これまでのR2フィルターでは迷光が取り切れていなかったものと思われます。

いずれにせよこの時点でフィルムは使い物にならないと判断し、取り外しました。その代わりにC8の対物側の蓋を取り付け、少しだけずらして光をいれてCMOSカメラで像を見てみるということをしてみました。するとこれまでコントラストが全くダメだったものがものの見事に改善されたのです。やはりフィルムが悪さをしていたようです。

さらに気づいたことが、これまでの10cm屈折でやっていた時より、カメラに到達する光の量が全然小さいことです。これは10cm屈折で撮影するときの露光時間とゲインと比較することでわかります。少しづつ蓋をずらしていって光の量を見ますが、最後まで蓋を外しても、口径20cmにもかかわらず、口径10cmの時の光の量と同じか、むしろ少ないくらいです。違いはR2フィルターかUV/IRカットフィルターかの違いです。どうやら今回のUV/IRカットフィルターはR2フィルターに比べて、太陽光を4分の1以下にするようです。

ここで心配になったのはフィルターの温度です。透過量が少なくなったので、その分熱くなってるのかと思いましたが、全然熱くありません。普通に触って少し暖かいかなというくらいです。ということはフィルター部でエネルギーを吸収しているのではなく、光のかなりの部分を反射していることになります。これで少し安心して、試しに撮影してみることにしました。

全然関係ないですが、最近SVBONY製品を使うたびに「SVBONY」が「走れジョリー」の主題歌にのって頭でずっと回ってます(笑)

♪♪
SVBONY トゥルルル、ルルルル、ルルルル、ルルルル
SVBONY トゥルルル、ルルルル、ルルルル、ルルルル
テケテケテケテケ、テケテケテケテケ、S、V、BONY

と言った感じです。今日はSVBONYのフィルターのおかげで解決したのでさらに激しく頭の中で鳴り響いています。


口径20cmでの撮影結果

まずは蓋を半分ずらした状態で2000フレーム。フィルターの温度も、カメラに入る光量も全然問題なさそうなので、次に蓋を全部外して2000フレームです。画面を見ている限り分解能には明らかな違いがありそうです。

その後画像処理をしたのが下の画像です。少なくとも私にとっては初めてみるような物凄い分解能です。さすがに口径20cmの威力と言ったところです。この結果にはさすがに満足です。

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  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影時間: 2020/11/21 15:02 ser形式でgain 300, 10ms x 2000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理
カラーにしたものも載せておきます。

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同日の10cmでの結果

ちなみに、C8を試す前に10cm屈折で比較参照のために撮影しておいたものが下です。2時間半くらい前の撮影で、その後ホームセンターに遮光フィルムを買いに行きました。

実はこの日はシンチレーションがかなり良かったようで、10cmでもかなり綺麗に撮影できています。

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  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影時間: 2020/11/21 12:19(上)、12:24(下)、設定はともにser形式でgain 300, 10ms x 5000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理
特に、2枚目新しく出た小さな黒点は、プロミネンスからダークフィラメントも伸びていて、長いこと撮りたかったものの一つでした。ただし、黒点自身が両方ともそもそも大きくはないので、やはり細かくは見えません。

試しにC8で撮ったものと同じくらいの拡大率で見てみると、明らかに分解能の違いが分かります。

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わかりやすいように、黒点部分を拡大して並べてみます。左が口径20cmのC8、右が口径10cmの屈折です。

comp


やったー!

10cmと20cmの撮影結果は、撮影時間に2時間半くらいのズレがあること、ピント位置とエタロンの調整が必ずしも一緒でないことなど、条件も完全には一致していないのですが、それを差っ引いてもあからさまな差があります。20cmの圧勝です!

惑星もそうですが、動画での超多数枚のスタックはシンチレーションの影響などを軽減することができるので、口径の差がそのまま結果に反映されることが多いです。今回も多分にもれず口径を大きくした効果がそのまま出るような結果になったと思います。

この大口径太陽Hα望遠鏡プロジェクトは、ジャンク製品を多用しものすごく安価に仕上げています。多分値段を言うと、真剣に太陽をやっている方から怒られてしまうような額かと思います。その代わりに、性能はPSTのエタロンやブロッキングフィルターの精度や大きさに依存し、綺麗に見える範囲は大きくはありません。アイデア次第で光学機器の性能を上げるのはアマチュア天文の醍醐味の一つだと思っていますが、それゆえ別の面での性能の制限もあることをご理解いただければと思います。

それでも今回の結果はとても嬉しいものでした。

2年越しの計画がやっとできたー!!

これからの太陽活動期が楽しみになってきました。どんどん撮影していきます。


梅雨なのに日曜は朝から快晴で、太陽撮影。昨日の観望会に引き続き、今週は盛りだくさんです。

前回割れてしまったMAMUMIの赤色フィルターを再度買いなおして、おとなしく10cmで観測です。さすがに10cmだとフィルターがほんのり暖かくなるくらいで手で持てなくなるほど熱くなるようなことはありません。今回は少し大きめのプロミネンスとプラージュが見えていたのでそこを中心に撮影しました。

先ずはASI294MCでによる全体像です。センサー面積が広いため一度に全体像を取ることができます。プラージュあたりにエタ論を調整しました。右半分はさすがに写っていません。ここらへんがPSTエタロンの限界かと。

2018-06-17-0103_5_lapl6_a_red_cut
102mm, F10 achromat + P.S.T. + ASI294MC + CGEM II
富山県富山市 2018/6/17 10時03分 Shutter 20ms, 15FPS, gain 170, 800/1000 frames
Autostakkert3 + Registax + Photoshop CCで画像処理


ホタル動画の反応が良かったので、少し動画をお見せします。実際の撮影時に、画面上でどんなものが見えているかという映像です。何の加工もない撮って出しです。アップ用に圧縮はしてあるので、多少画質が落ちているかもしれません。内容は、プロミネンスを二つ見て、露光時間を160msから20msに切り替えて採光面を見えるようにしてプラージュまで移動。そこから少し採光面を移動します。

102mm, F10 achromat + P.S.T. + ASI294MC + CGEM II
富山県富山市 2018/6/17 14時13分 Shutter 160ms, 15FPS, gain 120

途中横切る小さな影がいくつか見えますが、おそらく虫か鳥かと思われます。リアルタイムでHαもこれくらい見えるので、昼間の観望会などで電視観望として見てもらっても十分楽しめるのではないかと思いました。去年の福島でPSTにASI178MCを取り付けさせてもらってその触りは試したのですが、あれから相当技術も上がったので、うまくいくようなら原村の星まつりで披露したいと思います。でも、一番の問題は炎天下の明るい中でPCの画面がきちんと見えるかです。カバーとかフードのようなものを考える必要があるかもしれません。


上記画像とは別で撮影したものですが、プラージュと二つのプロミネンスとを画像処理したものが以下になります。

2018-06-17-0559_9_lapl6_ap2113_conv
102mm, F10 achromat + P.S.T. + ASI290MM + CGEM II
富山県富山市 2018/6/17 14時59分 Shutter 10ms, gain 300, 400/500 frames
Autostakkert3 + Registax + Photoshop CCで画像処理

このプラージュは露光時間160msで何ショットか撮って、最後に一本比較のために10msで撮ったのですが、一本だけ撮った10msの方がより細部まで写っていたため160msで撮ったものは全てお蔵入りです。やはり160msは長すぎるようで、細かい部分が時間的に平均化されてしまって実質的な分解能が下がってしまうようです。短い露光だとゲインを上げるために多少ノイズは載りますが、スタックしてしまえば問題なくなるので、ある程度短い時間の方が細かく撮れるということがわかりました。

2018-06-17-0211_2_lapl6_ap81_RS_cut

2018-06-17-0456_4_lapl6_ap63_RS_cut

2枚目のプロミネンスの周りにピンピンと細かく出ているのをスピキュールと言うのでしょうか?「表面に無数にある、ほぼ垂直に伸びる針状の微細構造」らしいのですが、まだ私自身よくわかっていません。


もう一つ、プロミネンスのアニメーションを用意していますが、処理に時間がかかっています。また出来上がったらアップします。

梅雨なのに休日に晴れてくれたので時間をかけて撮影することができました。充実した天文週末でした。



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