週末金曜土曜と撮影したバラ星雲とマルカリアンの銀河鎖の画像処理を日曜日の一日をかけてやってみました。基本的には以前書いた「画像処理(その1): 一連の工程を試す」に沿って進めました。フラットに関しては「画像処理 (その2): フラットフレーム」で検討したように、PCの真っ暗になる手前一段階明るい光を1秒露光、iso100で撮影したものに、フラットダーク補正をして使っています。

これまでフラットフレームをずっと前に作ったもので使いまわしていたのですが、今回新たに取り直しました。すると明らかに以前のものより黒い丸が増えていることがわかりました。以前からある黒丸もほとんどのものは残っていました。だんだん汚れていっているのがわかりますが、これはカメラのセンサーの汚れと思われるので、そのうちにクリーニングか、メンテナンスに出す必要がありそうです。

ダークファイルも今回240秒といままで取ったことのない時間にしてしまったために、ダークライブラリーがなくて、また冷蔵庫などを駆使して追加しました。撮影するときの露出時間はあまり種類を多くしない方がいいとやっと気づきました。


1. バラ星雲

前回色を出すのにかなり苦労をしたのですが、今回やっとある程度の色を出すことができました。それでもまだ少しざらざら感はあるので、もう少し撮影時間を延ばすか、より暗いところで撮影した方がいいかもしれません。次のマルカリアンの銀河鎖で気付いたのですが、Nik collectionのColor Effect Pro 4の「ディテール強調」を使うとザラザラ感が強調される傾向があります。もしかしたらこれが効いているのかもしれません。それでも月齢4日のさなかに自宅の庭で撮ったと思えば上出来ではないでしょうか。やっと1月6日以来のリベンジが果たせました。

final3

C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月3日21時48分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x36枚 総露出72分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


バラ星雲であと一つやってみたかったことがあります。

縦にするとドクロです。

final3bonepapa


でも、方向的にはこの向きの方が正しいみたいです。バラ星雲で縦向きってのもありなのでしょうか?



2. マルカリアンの銀河鎖

初めての銀河群の写真処理です。最初二日目に撮れた14枚だけで処理をしたのですが、枚数が足りないと判断し、初日に撮った23枚を追加して処理をしました。初日の文は結構星像が流れてしまっていると思っていたのですが、コンポジットしてしまうと多少ランダムに加わるので、一枚一枚で見るよりも流れは目立たなくなるようです。それよりも、きちんとカメラの角度を合わせていなかったので、日にちが変わった後は画角が少しずれてしまい、使える面積が少し小さくなってしまったのが惜しかったところです。やはりカメラの角度は簡単に合わすことができる仕組みを考えた方がいいと思いました。

あと、上でも既に書いたのですが、Nik collectionのcolorのディテール強調は銀河周りの滑らかなグラデーションを壊し、ざらざらにしてしまいます。やはり得意不得意があるみたいです。ここではNikはSharpner Pro 3: (1) RAW PresharpnerとDfine 2をメインにしました。背景の暗さが効いてくるので、Dfine 2の効果が結構大きかったです。できあがったものです。

MARKARIAN_edit2

Markarian's chain
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月4日1時16分から23枚に2017年3月5日0時0分から14枚を追加
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出4分x37枚 総露出2時間28分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


自分としてはこれは結構満足です。きちんと鎖型にもなっていますし、M87も入れることができました。実際結構な数の銀河がパッと見ただけでもたくさん確認できます。写っている銀河に印をつけると、

markarian_signed_final

拡大して見てもらうとわかりますが、PGCまで入れるとすごい数です。M: 3個、NGC:12個、IC:10個、PGCはまだまだ取りこぼしている分もありますが、写っている(さすがにうっすらと写っているものばかりですが)のを確認できただけで30個で、なんとトータル55個の銀河が写っています。