ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:Hα

今回のターゲットはぎょしゃ座とおうし座の間にある、とーっても淡いSh2-240、通称スパゲッティ星雲です。しかも自宅からの挑戦。初の12時間越えの撮影になりました。


自宅から淡い天体を目指す

TSA-120を購入してから1年くらい、一部を除いてほとんどTSA-120ばかりで撮影していましたが、焦点距離900mmで撮れるのもだいぶ尽きてきたので、久しぶりに別鏡筒です。ターゲットは迷ったのですが、自宅からの撮影で淡いのがどこまで出るのかを知りたくて、Sh2-240にしました。前回のM78もそこそこ淡いのですが、今回のは無理ナントと言われるくらい淡いレムナント(超新星残骸)です。

淡くても大きい星雲なので、機材は焦点距離が370mmと短いFS-60CBに、マルチフラットナー + フルサイズのEOS 6Dです。新月期ですが、自宅周りで光害の影響は避けられないので今回はCBPを取り付けます。

淡くてもうまく全景が分かるくらい写るのか、あわよくば青いOIIIまで写るのか?どれくらいの時間をかけるべきなの?いろいろ楽しみです。


撮影


実際の撮影の状況です。撮影は3日に渡るので状況は色々変わります。

  • 1日目、2月6日(日): そこそこ晴れているので21時過ぎから撮影開始、雲が途中少し出たが、続行。西に傾くにつれ明るくなり、午前1時半頃で屋根に遮られおしまい。次の日仕事なのでここでキザを片付け中断。
  • 2日目、2月11日(木): 休日: 機材はそのままの継続撮影なので、すぐに準備もでき、天体薄明終了後すぐの19時過ぎから撮影開始。天気があまり良くなく、時折雲に邪魔されます。西に傾き明るくなってきた午前1時頃に、これまた次の日仕事なのでここで撤収。
  • 2月12日(金) 夜中くらいまで天気が悪そうだったので、この日の自宅での撮影は諦め真脇遺跡へ遠征(このことはまたブログにまとめます)。
  • 3日目、2月13日(土): この日も19時くらいに撮影開始。風が強くなってきた午後1時前に撮影中止。天気はまだ良かったのですが、あまりの風の強さに撮影は無理と思い撤収。

3日目の撮影開始時に、カメラのワイドアダプターのネジが緩んでいてガタガタになっているのに気づきました。カメラを一度外したので、カメラの回転角は合わせ直したのですが、ピントは一見大丈夫そうだったので合わせずじまい。おそらく3日目の分はごくわずかピントがずれています。でも仕上がりを見たらまあ気になるほどではなかったです。でもやはり少なくとも何かずれていたら、きちんと見直すべきかと反省しました。


電源トラブル

 長時間撮影なので、カメラをモバイルバッテリーで駆動させましたが、このバッテリーにAC出力がついていたので、機材簡略化のためにStickPCを試しに同じバッテリーから電源を取って動かしてみました。結果、ASCOMで赤道儀のCOMポートを認識しない(ごくたまに認識するが、すぐにまた認識しなくなってしまう)というトラブルが起き、その後StickPC自体が落ちてしまいました。

COMポートの認識が不安定だったり、まるまる認識できなくなるという事態は初めてでした。最初電源のせいだとは疑わなかったです。でもいつもはできていて、今日は調子が悪い。何か変わったところがあるはずだと考えると、やはり電源が最初に浮かびました。結局StickPC用にいつも使っている別の独立したモバイルバッテリーを用意したところ、ASCOMも安定し、落ちるようなことは無くなりました。

ということはやはり今後も
  1. 赤道儀用にCelestronのPower Tank(のバッテリーを入れ替えたもの
  2. Stick PC用のAC出力付きのバッテリー
  3. カメラ用にUSBが2系統取れるバッテリー
と計3つを使うことになります。


PHD2のマルチスターガイドのテスト

今回新しく試したのは、PHD2の開発者バージョンで実装されたマルチスターガイドです。下の写真は初日の様子です。

IMG_1752

縦軸のスケールは+/-8秒角ですが、ほぼ真ん中に維持されていてrmsで1秒角程度で、非常に調子がいいです。おそらくこれまでで一番きれいにガイドできています。一番右の大きなピークはディザリングです。

一方、下の写真は3日目にかなりの強風時の様子です。

IMG_1773

風のせいで揺れ幅が大きくなっているのが分かると思います。RMSで2秒近くなので、倍くらいの揺れです。右から2つ目の大きなピークはディザーですが、一番右のピークは部屋にいてビューという大きな風の音がした直後の揺れです。これで撮影中止を決めました。

PHD2の新機能のマルチスターですが、相当いい感触です。焦点距離が短いガイド鏡でピクセル以下の位置精度を求めようとしているので、そもそも感度限界に近いところを攻めているわけです。多数の恒星を測定することでそこのエラーが恒星の数のルート分の1で減るはずなので、かなり効くことが期待できます。今回試した限りでも、実際の場合で相当の効果があることが分かります。


画像処理

今回はlightフレームの数が多いので、手持ちのダークフレームの数が足りなくて、冷蔵庫を使って追加でダークを取り直しました。

結果今回は
light frame: 147枚 (ISO800、露光300秒)
dark frame: 100枚 (ISO800、露光300秒)
flat frame: 128枚 (ISO800、露光1/400秒)
flat dark frame: 128枚 (ISO800、露光1/400秒)

になります。flatは最近TSA-120でM87を撮ったときに試した、曇りの日の部屋の中で外光が当たっている壁を写しました。flat dark frameはflat frame直後に鏡筒に蓋をして撮影しました。

上記ファイルを全てPixInsightのWBPPで処理します。WBPP終了後の画像をオートストレッチしたもですが、これを見てちょっと引いてしまいました。

masterLight-BINNING_1-FILTER_NoFilter-EXPTIME_300.3

12時間撮影してこの淡さです。しかもゴミが多すぎ。一度センサーを徹底的に掃除する必要がありそうです。

これ以上撮影時間を増やすのも価値がないと思い、気を取り直して画像処理を始めます。普段の炙り出しが簡単に思えるほど、画像処理には相当苦労しました。PixInsightでストレッチまでした後、さらにPixInsight上で細部出しなどの処理を続けようと思いましたが、これだけ淡いのを出すのはPixInsightでは私はまだ経験不足。今回はStarNetで背景と恒星を分離してから、早々とPhotoshopに移り、背景と恒星を別々の状態で処理を進めました。ただし、恒星との境に不自然沙が生じないよう、背景のみの画像に恒星から作ったL画像をマスクとしてかけながら処理しました。

この淡い天体に対して、Photoshop上でDeNoiseも含め、持ってる技術を注ぎ込んで炙り出しました。そのため多少不自然なところも残ってしまっているのは否めません。かなり炙り出しているのでノイジーなのも否めません。それでも自宅から12時間でここまで出たのは喜ぶことなのかもしれません。

masterLight_cut_ABE_PCC_AS2_SFT_all6_bright
  • 撮影日: 2021年2月6日21時22分-2月7日1時30分、2月11日19時19分-2月12日0時25分、2月13日19時10分-2月14日0時47分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: 鏡筒: Takahashi FS-60CB + マルチフラットナー
  • フィルター: SIGHTRON Comet Band Pass (CBP) filter 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO800, RAW)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間300秒x147枚 = 12時間15分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC、DeNoise AI

そもそもHαの赤を出すだけでも相当苦労しましたが、OIIIの青は全くと言っていいほど出ませんでした。CBPはある程度青も通すはずですが、それでも全然無理なのか、それとも露光時間が絶対的に足りないのか?そのうちOIIIフィルターを使って単体で撮り増しするかもしれません。


まとめ

今回の撮影も自宅庭撮り祭りの一環で、私にとってはある意味挑戦の一つです。その結果、こんな淡い天体ですが、自宅から出す手段があることはわかりました。あとは青いところをどう出すかが次の課題です。

今回は大きな星雲を久しぶりに短焦点鏡筒で撮影しました。逆方向、長焦点での小さな銀河を分解能取る方向もまた再開したいと思っています。


2月11日、せっかくの晴れなのでこの日も太陽タイムラプス映像にチャレンジです。前日に同様の処理をやっていたので、ある程度繰り返しでできます。


プロミネンスをいくつか

でもこの日も黒点はなし。小さなプロミネンスがいくつかと、南西方向と、北東方向に少し大きめのプロミネンスが出ています。まずはプロミネンスをいくつか撮影。でもシンチレーションがそこまでいいわけではないので、処理も簡単に済ませました。明らかに手抜きなところも見えますが、ご容赦ください。

13_08_26_lapl4_ap2357_IP_cut

13_09_55_lapl4_ap1048_IP

13_10_52_lapl4_ap942_IP

13_11_43_lapl4_ap879_IP

13_12_37_lapl4_ap1199_IP

13_13_25_lapl4_ap1129_IP

13_14_37_lapl4_ap1182_IP

13_15_24_lapl4_ap1977_IP

  • 撮影日時: 2021/2/11 13:09-13:20
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 130-160, 1.25ms x 2000フレーム中上位60%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理

北東のカラー化したものを除いて、どれも結構淡いです。シンチレーションの成果、そこまで解像度はよくありません、それでもスピキュールくらいは見えています。
  • 面白いのは上から3番目のやつ。プロミネンスが浮かんでいます。おそらくこれ、前日に捻れてたプロミネンスが出てたので、それが千切れたのではないでしょうか。
  • 1枚目の右下のプロミネンスも淡いですがそこそこ大きくて、リング構造が見えています。
  • 一番下のはかなり淡いですが、高く飛び出しているのがわかります。
数は多いですが、どうもインパクトには欠けます。やはり黒点が待ち遠しいです。


プロミネンスのタイムラプス

続いてタイムラプス映像です。位置合わせは今回もImPPGがうまくいかず、結局Photoshoになりました。枚数も昨日と同程度なのでそこまで苦になりません。


最後にしたの方でなんどか火柱が立っています。メインのプロミネンスの動きはそれほどでもないですが、でも動画にしてみると動いているのがよくわかります。

でも今回のタイプラプス映像、1時間15分程度のものですが、撮影時間は13時半頃から14時半頃と、約3時間かけてます。でもその間に雲で遮られたり、ガイドがうまくいかなくてズレてしまったりで、その中の連続した一番長い1時間15分ぶんを切り出しています。しかも1回の撮影枚数を400枚くらいに増やしたら、1ファイルで1GB越え、これが180個くらいあって全体で200GBを超えています。一回でこれだけの量になると少し考えものです。週末の土日は晴れてましたが、新月木で夜の撮影もあるので、太陽は少し休憩です。

黒点が出たら超長時間の撮影で、黒点の変化をみてみたいです。5分おきで8時間分とかでしょうか。



すごい雪

もう天気があまりに悪くて、全くネタがありません。たまに昼間晴れるときや、たまに雲間から星が見える時もありますが、長くは続かず、撮影も電視観望も厳しいような状況です。それにまして雪が酷すぎます。今日あたりやっと少し溶けてきましたが、庭に望遠鏡を出すのを躊躇してしまうような雪の量でした。先週末はずっと降り続いていました。自宅周りでの積雪は1mを優に超えました。

IMG_1430


日曜、久しぶりに青空を見ました。太陽望遠鏡を出そうとも思いましたが、庭も犬走りも雪で埋まって断念。それよりも車の雪かきの方が優先です。

IMG_1441

IMG_1449


際画像処理

何もネタがないので、昔の画像の再処理をしてみました。約2年前に撮影したIC443くらげ星雲です。自宅庭撮りの一環で、QBPを手に入れて結構すぐのものです。FS-60QとEOS 6Dで、ISO3200で300秒露光、約2時間半の露光時間になります。

これがBeforeで
light_DBE1_PCC_stretched_sat_ps_denose_ps2a

これがAfter

masterLight_cut_ABE_PCC_AS_MS_STF_star_Saturation2_cut


QBPを手に入れて初期の頃の上の画像と、いろいろクセなど分かった上での画像処理を施した下の画像を比較すると、随分変わっていることがわかります。細部が出ているのはもちろん、恒星の色の再現がかなりマシになりました。恒星の肥大も防げています。Hαも赤一辺倒から、青成分、緑成分も入り階調豊かになっています。


相違点

画像処理において前回と違うところがいくつかあります。
  • 同温度のダークフレームのストックがあったので枚数を増やしたこと。
  • バイアスを枚数の多いものに変えたこと。
  • PixInsightでの処理もBPPからWBPPになったこと。
などありますが、ここら辺はあまり影響ないです。大きく違うところの一つは、ストレッチ方法が柔軟になったこと。以前はおそらくArcsinhStretchで恒星が真っ赤になって、STFだけで済ませてたのが、今回は
  • ArcsinhStretchとMaskedStretchを併用したこと、その結果恒星の色がかなり豊かになっています。
多分一番影響が大きかったのがStarNetの存在です。
  • StarNetで背景と恒星部分に分けることで、背景を思う存分いじることができます。
背景の炙り出しに集中できる状態にして、どこまで炙り出せるか限界を知ることができます。いちばんの問題は、どうやって恒星を合わせるか。Photoshopで背景と恒星を合成できますが、やはりどうしても不自然さが残ってしまいます。なので最近は恒星部分をマスクとして保存し、StarNetで分ける前の画像にPhotoshop上で適用しています。それでも星マスクをうまく適用しないと、不自然さが出てしまうので大変さは残ります。Before画像の2年前はマスクを使ったりしていなかったので、背景を炙り出し切ることができていませんでしたし、逆に恒星は肥大化してしまっています。


QBPの色について

恒星に関してですが、QBPの欠点でオレンジの恒星はやはり出にくいのは補正し切れなくて、赤い星のようになってしまっています。これはUV/IRカットフィルターを併用すると解決するかもしれません。もしくはCBPだと星のオレンジ色は出ているので、再度撮影からするときはQBPよりもCBPの方がより自然になるかもしれません。

あと、星雲の色に関しての処理も初期のQBPの時の扱いから大きく変わっています。QBPはその名の通り4つの輝線スペクトルを取り出すようなフィルターのため、カラーバランスがどうしても崩れてしまいます。PCCで恒星の色は合わせますが、そのことが星雲部の色を合わせている保証は何もないはずです。しかも、そもそも恒星の色も限られた波長から、既存のデータベースとできるだけ一致するように合わせたというだけなので、一見合っているように見えても元のスペクトルが全然違い、正しいとは限りません。とりあえずは見た目で合っている恒星の色のバランスは崩さないように、星雲の方の色バランスは結構ずらしています。具体的には
  • トーンカーブで星雲の青と緑の成分を増やすことで、階調よく見えるようにしている。正しい色はわからないので、これは自分の好みに。
と言ったところでしょうか。この方法が正しいかどうかは全くわかりませんが、少なくとも赤一辺倒の、のっぺりした色よりは(見た目だけでも)良くなるのではと思っています。


ノイズ

あと、ノイズに関しはそもそも露光時間がそこまで長いわけではないので、素材としてまだノイジーなのは否めません。
  • 今回DeNoiseを使っているので、ノイズに関してはかなり軽減できています。
それでも拡大すると分かる通り背景のノイズが取り切れてなくて、多少星雲部も不自然なところが残っています。DeNoiseは細かいノイズは得意なのですが、大きなノイズがどうも苦手みたいです。もやもやのカラーノイズのようなものがどうして残ってしまいます。Nik CollectionのDfine2を掛けてからDeNoiseを施すと比較的カラーノイズが出にくくなることもあるのですが、今回は細部が出にくくなってしまったのでDfine2は使ってません。


今後の課題

この背景のモコモコカラーノイズは課題の一つです。露光時間を伸ばすのが一番の解だと思うのですが、露光時間が稼げない時もあり、画像処理でもっとうまくなんとかならないかといつも思っています。

いまだにPixInsightでのノイズ除去や、細部出しの処理を実戦投入できていません。かと言って、使ったことがないわけではなく、毎回いろんな方法を試しています。でも今のところPhotoshopとDeNoiseなどのツールとの組み合わせに結果として勝つことができていないような気がして、結局元に戻ってやり直してしまっています。DeNoiseを使うのは少し悔しい気もするのですが、今のところまだ他の手法を確立し切れていません。


 

皆様、新年明けましておめでとうございます。ほしぞloveログのSamです。今年も頑張って星活動を楽しみたいと思います。

さて、新年初記事になりますが、内容は年末の太陽黒点のことです。


12月後半の大黒点

2020年12月後半、また大きな黒点が出ているようです。21日の週の初めくらいだったでしょうか、黒点が出てきたという情報が聞こえてきましたが、仕事もありますし、相変わらず北陸の天気は全然だめです。

それでも休みの12月27日の日曜日、ほんの少しだけ太陽が見えました。と言っても薄ーい雲がほぼ全面にあるような状態だったので、いずれも薄雲越しです。機材はまだテスト段階といっていい口径20cmのC8にPSTを取り付けた状態での撮影となります。

ほんの30分くらいでしたが、なんとか撮影だけはできました。シンチレーションは良くもなく悪くもなくでしょうか。少なくとも前回の最悪の時よりは遥かにマシでした。撮影できた時間は30分くらい、その後は雲が厚くなり撮影も諦めました。


結果

画像処理はAutoStakkert!3とImPPGとPhotoshopとSharpen。とりあえず結果だけ示します。どの画像も少しトリミングしています。

_12_58_34_lapl4_ap2556_IP_DBE_cut

_12_59_24_lapl4_ap2549_IP_ABE_cut

13_01_41_lapl4_ap2492_IP_cut

13_04_16_lapl4_ap2361_IP_cut
  • 撮影日時: 2020/12/27 12:58から13時4分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 150-300, 1.25ms x 2000フレーム中上位30-50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理

考察

解像度はさずがにシンチレーションが酷かった前回より普通に出ています。撮影時にもわかるくらいだったので、ある意味当然の違いかと思います。口径20cmのC8の性能が効いてきていると言ってもいいくらいにはなっているのかと思います。

ただいくつか問題も露呈してきました。
  • まずはセンサー面に細かいゴミがあったこと。細部を出そうとするとそのゴミが目立ちます。今回は画像処理でごまかしてしまいましたが、これは邪道です。センサーの掃除を相当気合を入れてやる必要がありそうです。もしくはフラット補正、しかもリアルタイムの補正が役に立つのでしょうか?
  • あと、プロミネンス を見てもわかるのですが、いまいち細部が出切っていません。やはりシンチレーションがそこまでいいわけではなかったというのはここからの判断です。
  • 一番の疑問は、画像処理においてここまで細部を出していいものなのか?Sharpenの威力は相当なものです。炙り出していくと擬線のようなものも出てくるのかと思います。あまりにおかしくなるような設定は避けているつもりですが、どこまで出すのが正しいのか?まだ私には判断できていません。
  • あと、周辺部改善のために前回の撮影からERFを外してHαフィルターに交換したのですが、周辺部がよくなかったかどうかの判断はまだつきません。これはもう少し時間をかけて直接比較したいです。今回は晴れている時間も限られていたので、結論は出せずじまいでした。


まとめと今後

撮影日は日曜は実は天気予報は悪くて期待してなかったのですがなんとか撮影できました。さらに月曜と火曜は天気予報はそこそこ晴れだったので期待していました。でも実際には晴れることはほとんどなく、その後の年末年明け以降もしばらく天気が悪そうなので、一旦ここで記事にしてしまいました。

せっかく解像度が出るようになってきたので、もう少し時間をかけていろいろ試したいのに、天気がどうしようもないです。晴れてくれー!

梅雨なのに日曜は朝から快晴で、太陽撮影。昨日の観望会に引き続き、今週は盛りだくさんです。

前回割れてしまったMAMUMIの赤色フィルターを再度買いなおして、おとなしく10cmで観測です。さすがに10cmだとフィルターがほんのり暖かくなるくらいで手で持てなくなるほど熱くなるようなことはありません。今回は少し大きめのプロミネンスとプラージュが見えていたのでそこを中心に撮影しました。

先ずはASI294MCでによる全体像です。センサー面積が広いため一度に全体像を取ることができます。プラージュあたりにエタ論を調整しました。右半分はさすがに写っていません。ここらへんがPSTエタロンの限界かと。

2018-06-17-0103_5_lapl6_a_red_cut
102mm, F10 achromat + P.S.T. + ASI294MC + CGEM II
富山県富山市 2018/6/17 10時03分 Shutter 20ms, 15FPS, gain 170, 800/1000 frames
Autostakkert3 + Registax + Photoshop CCで画像処理


ホタル動画の反応が良かったので、少し動画をお見せします。実際の撮影時に、画面上でどんなものが見えているかという映像です。何の加工もない撮って出しです。アップ用に圧縮はしてあるので、多少画質が落ちているかもしれません。内容は、プロミネンスを二つ見て、露光時間を160msから20msに切り替えて採光面を見えるようにしてプラージュまで移動。そこから少し採光面を移動します。

102mm, F10 achromat + P.S.T. + ASI294MC + CGEM II
富山県富山市 2018/6/17 14時13分 Shutter 160ms, 15FPS, gain 120

途中横切る小さな影がいくつか見えますが、おそらく虫か鳥かと思われます。リアルタイムでHαもこれくらい見えるので、昼間の観望会などで電視観望として見てもらっても十分楽しめるのではないかと思いました。去年の福島でPSTにASI178MCを取り付けさせてもらってその触りは試したのですが、あれから相当技術も上がったので、うまくいくようなら原村の星まつりで披露したいと思います。でも、一番の問題は炎天下の明るい中でPCの画面がきちんと見えるかです。カバーとかフードのようなものを考える必要があるかもしれません。


上記画像とは別で撮影したものですが、プラージュと二つのプロミネンスとを画像処理したものが以下になります。

2018-06-17-0559_9_lapl6_ap2113_conv
102mm, F10 achromat + P.S.T. + ASI290MM + CGEM II
富山県富山市 2018/6/17 14時59分 Shutter 10ms, gain 300, 400/500 frames
Autostakkert3 + Registax + Photoshop CCで画像処理

このプラージュは露光時間160msで何ショットか撮って、最後に一本比較のために10msで撮ったのですが、一本だけ撮った10msの方がより細部まで写っていたため160msで撮ったものは全てお蔵入りです。やはり160msは長すぎるようで、細かい部分が時間的に平均化されてしまって実質的な分解能が下がってしまうようです。短い露光だとゲインを上げるために多少ノイズは載りますが、スタックしてしまえば問題なくなるので、ある程度短い時間の方が細かく撮れるということがわかりました。

2018-06-17-0211_2_lapl6_ap81_RS_cut

2018-06-17-0456_4_lapl6_ap63_RS_cut

2枚目のプロミネンスの周りにピンピンと細かく出ているのをスピキュールと言うのでしょうか?「表面に無数にある、ほぼ垂直に伸びる針状の微細構造」らしいのですが、まだ私自身よくわかっていません。


もう一つ、プロミネンスのアニメーションを用意していますが、処理に時間がかかっています。また出来上がったらアップします。

梅雨なのに休日に晴れてくれたので時間をかけて撮影することができました。充実した天文週末でした。



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