ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:CP+2023

この記事はCP+2023参加記(前編)からの続きになります。



天文仲間の溜まり場所

前編記事で会場の見どころの様子をお伝えしました。大したところを見ていないと思われるかもしれませんが、実際にホントにこれくらいで、あとは多少毛が生えたくらいしか見てないんです。じゃあ何をしていたかというと、サイトロンブースのところでウロウロしていると、天文の人がかなりの頻度で訪れて、そこでずっと話しこむことになるというわけです。

今回天文の人にとってはサイトロンとVixenとBORGくらいがメインで、あとはやっぱりカメラなんです。なのでサイトロンブースが入り口にあることもあり、天文民ホイホイ状態になっているわけです。首から下げているCP+の参加証のところにに「Sam」と書いたネームプレートを入れておくと、ブログを読んでいる人が話しかけてきてくれます。実際、初顔合わせの方がかなり多くて、ふだんTwitterなどでよく知っていてハンドルネームだけ認識しているなど、やっとお顔が認識できた方も何人かいました。

一番大きかったのは、初日夕方近くのことですが、KAGAYAさんと直接話せたことでしょうか。以前「ノイズ飲み会」の時にZoomで参加して頂いてお話ししたことはあるのですが、直接顔を合わせたことは初めてでした。話していると、まだ私が20代の頃仕事でKAGAYAさんに(私から直接ではないですが)絵を依頼したことがあって、そのことをKAGAYAさんが覚えていてくれていて、私が思っていたよりはるか前からつながりがあったことがわかりました。今月末で閉館になってしまうKAGAYAさんの全作品を上映している飛騨プラネタリウムの話や、もちろんZoom飲み会の話でももりあがりました。ちょうどその時のメンバーが星ナビさんのTweetで流れてましたが、そうそうたるメンバーで少し気後れしてしまいます。



そういえばこのメンバー、星ナビ編集部のお二方は、以前まだZoomが流行り始めたことに一緒に電視観望中継で参加してくれて、そのことを星ナビの記事にしていただきました。また今回同じサイトロンブース枠で講演もされたカメラマンの飯島さんは、これまた天リフの超会議でZoomで朝の5時まで、最後二人になって話し込んでいました。KAGAYAさんも含めて、Zoomで話したメンバーがこうやってリアルで写真に収まるというのは、コロナもやっと終わりになってきたと実感でき、感慨深いものがありました。

このあと天リフ編集長と夕食に行くのですが、ちょっと食事事情を書いておきます。

食事事情

初日昼食は会場内を見ていたらすぐに時間が来てしまって、ヒロノさんからちょうど昼食を取るところだ連絡があり、駅に向かう途中の和食レストランでかま飯を食べました。結構な人が待っていたのですが、先にヒロノさんが席を取ってくれていたので、すぐに注文して食べることができました。この時点でもう会場はあらかた見ていたので、のんびり食べていたら14時過ぎになってしまいました。

結局夕方過ぎまで会場にいて、ちょうど収録が終わった天リフ編集長と桜木町駅に向かうところで夕食を取るところを探しました。最初ディンダイフォン(鼎泰豐)に行こうとしたのですが、待っている人がいっぱいです。よく見ると他のレストランもかなり満席に近い状態です。上の階にあったバーが小さいテーブルですが二人座れるということで、そこでハンバーガーを食べました。その後ヒロノさんから連絡があり、3人席に移って合流。21時半近くまで話していました。

今回会場内のレストランとかはほとんど見なかったのですが、コンビニは2軒あるので不便に思うことはないはずです。また駅に向かう途中にレストランはたくさんあるので、困ることはほとんどないはずです。でもさすが横浜です、富山と比べるとどこも混んでいるので久しぶりに都会の気分を味わうことができました。


2日目: 再びCP+会場へ

実はこの日の宿は東京駅近くに予約をとっていました。2月過ぎに宿を探した時は横浜周りには高いホテルしか残っていなくて、電車なら30分の距離で大したことないので、いっそのこと東京でもいいかと思ったからです。あと、当時はスターベースとかに寄ることも考えていて、初日にCP+会場に行くか迷っていたという理由もあります。途中コンビニなどに寄ってのんびり移動しても22時半過ぎにはチェックインでき、そこから少し次の日の公演の準備をして、それでも早めに寝てしまいました。

朝はそこまで慌てていません。11時50分からリハーサルなどの準備ができるというので、最悪それまでに会場に行けばいいのです。それでも9時にはホテルを出て電車で横浜まで移動し、みなとみらい線に乗り換えます。みなとみらい駅からは、普通は建物の中をずっと歩いて行けばそのままパシフィコ横浜に着くのですが、この日は少し外を歩いてみました。横浜をうろうろしていたのは学生の頃でもう30年くらい前になります。景色もすっかり変わっていますが、赤レンガ倉庫とかが観光地化されてまだ残っているみたいでした。昨晩は横浜駅で雪がちらついていたのですが、この日は朝から青空が広がり、とてもいい天気です。

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会場の様子

CP+会場に着いたのは10時半くらいだったでしょうか。ずいぶんお客さんが少なかったのに気づいたのですが、後から聞いたら宇都宮ら辺で事故が起きて、宇都宮線直通にあたる東海道線が止まっていたらしいです。私は、ちょうどこの日は地下鉄都営浅草線から京急経由で横浜まで移動したので、東海道線を使わずにラッキーでした。

会場についてからすぐにサイトロンのスタッフさんと共に、講演ステージの下見と、何時から入れるか、どこから入ればいいかだけ確認しました。あとは少しだけ会場内のブースを見たあと、ほとんどサイトロンブースで人と話していました。あ、今日の長尺一脚の妖艶お姉さま(?)はこんな衣装でポーズをとって下さいました。

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自分の講演の直前でしたが、サイトロンブース内で聞いた変形菌の撮影トークがものすごく面白かったです。すごい拡大率のマクロレンズで菌を接写するのですが、ピントが合う範囲がものすごい限られているので、カメラをステージに乗せて少しずつ位置をずらすことで何十枚も撮影し、ピントが合っているところだけをつなぐ深度合成という手法を使うそうです。会場で実際に何枚も撮影して、画像処理でピントが合っていく様子を見せてくれました。下の写真で、右の方がピントが合っている範囲が多いのがわかると思います。

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多少のサイド出しはしているのかと思いますが、それにしても菌の世界はビックルするほど色鮮やかです。もしかしたらちょっと面白いかもと思ってしまいました。


とうとう自分の講演

サイトロンブースには講演の案内が出ています。記念に写真を撮っておきました。

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なんとあこがれのKAGAYAさんと隣同士で並んでいます!
あぷらなーとさんもいます!

講演の準備はほとんどしてあったのですが、やはり直前に準備をする時間はほとんど取れなかったので、きちんと準備しておいて正解でした。事前の申し込みでは締め切り前に少しトラブルがあったとのことで、当日の人数的にはまだ余裕があったようです。当日ステージに並んでの入場も可能で、全員入れたかどうかはわかりませんでたが、ステージ内の座席はほぼ埋まっていました。

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実は今回の話は、天文の人よりもむしろカメラが好きな人に聞いてほしかったので、会場に来ていた方が飛び込みで参加してくれるというのは願ったり叶ったりです。多分CP+に来るような人なら、一眼レフカメラと50mmくらいのレンズ、三脚と自由雲台を持っている人が多いのではないか、そんな人が手持ちの機材で星雲を見ることで、少しでも天文に興味を持っていただければと思っています。

ちょっと緊張してましたが、講演は無事に滞りなく終わりました。会場の中で一人大きく頷きながら聞いてくれた方がいたので、その方の反応を見ながら話すことができ、うまくペースを掴むことができました。多分天文の方だとは思いますが、SharpCapを一眼レフカメラに接続するのも詳しそうな反応でした。

講演のアーカイブ配信はこちらにあります。一眼レフカメラをお持ちでこれまで星雲とか見たことない方、是非この配信をご覧ください。これまでと違った面白い世界が見えてくるはずです。

この配信ですが、最初の方で話と身振りが合っていないところがありますのでご了承ください。機材のトラブルで、当日のリアルタイム配信もうまくいってなかった時間があったと、講演終了後に天リフ編集長から本当に申し訳あまりませんという謝罪を受けました。私は天リフ編集長がたった一人でどれほど熱心に活動されているかよーく知っているので、謝罪なんてとんでもなく、いつも本当にありがとうございますという気持ちで一杯です。すぐに(450GBもある)プレゼンファイルをパワポ形式のまま渡して、後日再編集していただき、晴れて上のアーカイブ配信となりました。

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サイトロンブースの脇でファイルを渡す時の写真。
(結局大きすぎてネット経由で渡しました。)

と、こんな事情があったので、配信を見るときはご注意ください。この動画を見てもらうことで、ジワジワでいいので、カメラ民が天文民に流れてくれることを密かに期待しています。

講演終了後も、サイトロンブースのほうで講演に参加してくれた方から質問を受けたり、何人かの天文仲間と話していました。それでも昼ごはんを食べていなかったことと、さすがに少し疲れてきたので、午後2時半頃には会場を後にしました。


中華街へ

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ちょっと遅めのお昼ですが、何にしようか迷っていて、まだ少し時間があるから久しぶりに中華街に行ってみようと思い立ちました。昔はJRしかなくて、パシフィコ横浜の位置からだと少し歩く必要があったのですが、今はみなとみらい線があるので、ほぼ直通です。中華街は確か日本に帰ってから一度行っているはずなのですが、ほとんど記憶がありません。昔と違うなーと思ったのは、学生の頃はまだスマホとかなかったので、地図をその場で確認するわけにもいかず、当然中華街の地形図はある程度覚えていました。でも今回はどこを歩いたかさえ認識できなかったです。スマホの地図さえ見ていれば、どこにいても駅の方向がわかります。日曜であまりに混んでいたのと、ちょっと道に入って買い食いして、あとは駅のほうに戻ってきてしまいました。

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でも昔って、こんなに食べ歩きがメインでなかった気がします。もちろん今も普通のレストランもありますが、昔はレストランがメインで、普通に店の中で食べて、歩きながら店頭でパッと買えるものはもっと少なかった気がします。と言ってももう20-30年位前のことなので、ずいぶん変わったのでしょう。今回は時間がなくて、そのまま横浜経由で東京駅のほうに向かいましたが、そのうち時間がある時に若い頃歩いたところをいろいろ見て回れればと思います。

17時の新幹線に乗ることができ、自宅には20時頃に到着しました。これより遅くなるとバスの本数も少なくなって余計に時間がかかってしまうので、ちょうどいいくらいの帰宅時間になりました。


まとめ

4年ぶりのリアル開催のCP+で、実際に自分が行くのは6年ぶりです。いろんな人に実際に会うことができてとても楽しかったです。講演も多くの方に興味を持って頂けたようで、電視観望がジワジワと広まっていって、さらに天文ファンが増えてくれればと願っています。

このような機会を与えて頂いたサイトロンさんにはとても感謝しています。本当にありがとうございました。

よく考えると、そもそも関東で星に関するイベントってあまりないんですよね。実際に星を見るわけではなくて、明るい場所のみで会うという、ちょっと星まつりとは違っている状況が、予想に反して面白かったです。カメラの方をもっと楽しめると尚よかったですが、これは次回CP+にリアル参加するときの課題にしておきたいと思います。






CP+では一昨年昨年、サイトロンさんの枠でトークをさせて頂きました。それでもコロナ禍でのイベントのためオンライン形式になってしまうのは仕方なく、逆に夜の時間に当ててもらうことで2020年はリアルタイムで電視観望の実演ができ「カメラバカにつける薬」で取り上げていただくなど大好評。2021年は収録でしたが同時に一視聴者として参加することによりリアルタイムで質問に答えることができ、こちらも良い試みでした。


きっかけ

2023年のCP+の出だしは、11月の小海の星フェスの時くらい(もしかしたら志賀高原のイベントの時だったかもしれません)に遡ります。現地でサイトロンのスタッフの方からまた今年もCP+に登壇してもらえないかというオファーを頂きました。日程的には平日は仕事で厳しいですが、休日ならOKそうだったので、移動のことも考えて土曜の午後か日曜ということで話が進みました。でも今年のCP+、コロナの判断のせいでしょうか動き出しがずいぶん遅かったようで、具体的なお話がきたのが1月半ば過ぎくらいでした。もちろんお約束通りOKの返事をしたのですが、問題はテーマです。どうやらこの時点でリアル開催は確定のようなので、多くのカメラファンの方が集まるはずです。そこで、2年くらい前から試していた一眼レフカメラを使った電視観望でカメラファンの方に天文に興味を持ってもらえないかというコンセプトで話をしようと、この時に決めてサイトロン側にタイトルと概要を連絡しました。


トークの準備、でも晴れない

この時点でCP+本番までほぼ1ヶ月くらいです。一番の問題は、全然晴れなかったことです。徐々に日にちが近づくにつれて、もう新しい撮影は諦めて過去にブログにアップした画像で誤魔化すしかないかと思い始めました。そんな日を過ごしながらもとうとう待ちに待った快晴の日が!でもなぜかそんな日に限って満月です...。でも貴重な晴れなのでしかたありません。実際の講演の中で話したようにEOS 6Dと古いNIKKORの50mmの明るいレンズ、普通の三脚と自由雲台という、ごく普通のカメラユーザーが持っているくらいの機材で電視観望を試してみますが、さすがにこれだけ月明かりだと本当に淡くしか出てきません。それでも最低限何か見えているのでよしとしました。CBPも使ってみたのですが、撮影していたオリオン座に月がかなり近くにあり、その迷光がすごいゴーストを作り、使うことが不可能でした。

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満月で光害カットフィルターなしで撮影したのが、予告時に出した画像だったというわけです。
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流石に満月はちょと辛いのでどうしようかと悩んでいました。

その後、満月から何日かして2時間ほどだけは月がない日がありましたが、透明度が悪く途中雲が出てしまし、あまり成果が得らません。ちなみに下の画像はその時観た火星とスバルとカリフォルニア星雲ですが、雲が出てきた時のもので「薄雲でも見えますよ」と言いたくて用意していたのですが、結局トークの中では使いませんでした。

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その後、一日だけ新月に近い日に晴れて、そこでやっと今回のトークで使えるくらいの画像を撮ることができました。その後はもうCP+当日までほとんど晴れることがありませんでした。なんとかなりましたが、かなりギリギリな状況でした。そのため満月の映像を先に見せて、そこから改善していくというストーリーにしました。


CP+へ向けて出発!

2月25日の土曜の当日、CP+としては3日目になりますが、自宅から朝イチのバスに乗り富山駅に向かいます。富山からは新幹線に乗り、東京に向かいます。今回CP+に行く前にスターベースに寄るかどうか迷いました。スタベの開店時間が11時なので、朝イチで出ると少し早く着きすぎます。スタベはまた行けますがCP+はもう今日明日だけなので、今回はスターベースを諦めてCP+に直接向かうことにしました。

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新幹線の中で朝ごはんです。新幹線ではほぼ毎回この「ますとぶり」です。富山のますのすしは有名かと思いますが、大抵は桶に入った円形タイプで2−3人前です。これは一人前でちょうどいい量で、しかもブリのすしと半々になっています。ブリのほうは、かぶらとにんじんで押し寿司になっていてい、鱒の寿司よりもむしろさっぱりしています。
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ご飯を食べてから、少しトークの準備をしていたらもう間も無く東京です。富山と東京は2時間ちょいで着いてしまいます。北陸新幹線が通る前は飛行機を使っていましたが、新幹線が来てからは随分と楽になりました。

東京について、そのまま東海道線に乗り換え横浜まで移動します。こちらもわずか25分。東京-横浜間は近いので、この日の宿は東京駅近くに取りました。横浜周りはかなり高い部屋しか残ってなかったのです。
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横浜からはみらい線に乗り換え、みなとみらい駅まで向かいます。
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みなとみらい駅についてビックリ!サイトロンで溢れています。例えば階段や柱、
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会場のパシフィコ横浜方向はサイトロンの広告が導いてくれます。カメラの祭典のはずなのに、天文ショップのこの存在感!
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みなとみらい駅は地下3階にあり、ここから地上2階まで長いエスカレーターを上ります。
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黒い壁に書いてある、これは詩でしょうか、結構インパクトがあります。今調べたら、シラーの詩だそうです。エスカレーターに乗りながらこの詩を読むと(といってもちょっと難解で、私は乗っている間には理解しきれませんでした)CP+に行く前に色々考えさせられました。

その後は建物の中をずっと歩いていき、建物から出るともうCP+会場手前です。
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ホールとアウトレットコーナーは会場の手前で分かれ道があります。
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会場の様子

ホール内に入り、早速サイトロンブースに挨拶に行きます。サイトロンブースは入り口すぐの所にあるのですぐにわかります。
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会場には朝10時半頃に着いたのですが、スタッフの方と次の日のトークのことを少しだけお話しして、すぐに会場内を回ります。多分トークがあるとその日は落ち着いてみて回れないので、この日が勝負です。

よく考えたらCP+会場に来るのは2017年以来です。もう6年も前のことなので忘れていましたが、今回も同じ感想になってしましました。CP+の問題というよりは完全に自分のせいなのですが、結局のところ私はあくまで天文が好きなのでカメラを使っているわけであって、カメラ自身が趣味ではないということです。そもそも明るいところで一眼レフでまともに撮影した枚数はどれくらいでしょうか?多分100枚くらいだと思います。もちろんフラット撮影とかは除きますよ。暗い所では操作できるのに、明るい所だとパラメータもよくわかりませんし、そもそもBやM以外でどう撮ればいいのか?こんな自分なので、カメラメーカーのブースは遠くから眺めるだけです。
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Nikonブースです。Nikonカメラを持っていない私は中に入っていっていいのか?
中ではサーカスっぽいことをやっているようでした。

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Canonブースです。Canonのカメラは持っています。
でも天体改造とかしている私にここに入っていく資格はあるのか?
ハーフパイプの自転車を撮影するのですが、速い動きの写し方はよくわかっていません。 

加えて天文関連のブースは数が少なく、サイトロンとVixen、Kenko TokinaにBORGがあるくらいで、やはりこれは星まつりとは違い、カメラのイベントだと実感してしまいます。まあこんな私ですが、既にCP+のレポートは多くの方に書かれているとは思いますので、独断と偏見で印象に残ったものを紹介しようと思います。


島中

むしろ私には今週号の「カメラバカにつける薬」であったように島中にあるブースが面白かったです。一番インパクトがあったのが、Birodというブースの最長11.5mの一脚です。妖艶なお姉さま(?)が鳥の視点まで案内してくれます。
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カーボンの多段ロッドで、持ってみたのですが重さも大したことないです。流石に振り回すわけにはいきませんが、360度カメラは真下をあまり写さなくていいはずで、かなり高い視点でまるで浮かんだように見ることができるはずです。イベント会場とかでこれ持ってたら、多分注目度No.1だと思います。

次はインプレスのブースですが、「カメラバカにつける薬」が既に完売していました。
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聞いたら飯田ともき先生、この日は来ていないとのこと。今週号の連載でありましたが、どうやら初日だけの来場だったようです。このマンガが大好きで、カメラファンではない私でも十分に楽しむことができます。上にも書きましたが、一昨年のCP+の電視観望講演をCanonとかNikonと並んで2コマも使って漫画の中に載せてくれたお礼をぜひ言いたかったのです。残念ながら次の日もいらしていないということで、スタッフの方にお礼だけ伝えておきました。いつか直接お会いしてお礼を伝えることができたらと思います。


Vixen

といっても島中もこれくらいで、あとは天文ブースです。まずはVixen。注目はもちろんVSDです。
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でももう他の方に散々レポートされていて、私が新たに加えられるようなことはありません。それよりも話したいのは、この写真にも写っているファインダーです。

対物側は焦点距離200mm、口径50mmのレンズなのですが、接眼側がアメリカンサイズの普通のアイピースを挿せるようになっています。ということはここにCMOSカメラを取り付けることができて、なんと電視観望ができてしまうのです!しかも焦点距離と口径が、2年前に私の電視観望講演で話したEVOGUIDE50EDとかなり近く、昨年の講演で話したNEWTONYと全く同じです。EVOGUIDE50EDがなかなか在庫がないことが多いこと、NEWTONYに取り付けるカメラはCeres-Cのように中に入り込むタイプでないとピントが出ないので、もしかしたらこのファインダーがキラーアイテムになる可能性があります。今回Vixen社の社長と初めてお会いすることができ、結構長い間話をさせていただいたのですが「このファインダーは今後Vixenの全ての望遠鏡につける標準ファインダーになる予定だ」と言います。しかも、このファインダーのアイデアを出したというのが、以前福島の星まつりで話すことができた若手のI君だというのです。社長がI君と私が知り合いだということも認識されていて、そのことを教えて下さいました。I君はもちろん熱心な星マニアでもあるのですが、こういった若手の意見をきちんと取り入れて製品化するというのは素晴らしいことだと思います。なによりこのようなファインダーを標準搭載するということは、今後Vixenを購入した入門者の方に電視観望への強烈な道筋をつけてくれるということになります。国内入門機の圧倒的シェアを誇るVixenさんならではの手法で、これこそ私が長年願っていた方向性です。Vixenさんの英断、私的にはもう大絶賛です。


BORG

続いてはBORGです。ここの目玉は試作のカーボン鏡筒で、私も持たせてもらいましたが125mmでこの軽さならかなり取り回しが良いです。ついでに触らせて頂いたカーボンの円筒だけの素材も、多少押しても全く変形がわからないくらい頑丈なものでした。
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下の写真の六角形の鏡筒もおもしろいのですが、私が注目したのは口径55mmの小さな鏡筒(すみません、写真撮ったと思ったのですが漏れていました。上の写真のカーボン鏡筒の奥と、下の写真の一番下にちらっとだけ写っています。)
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そこにいた女性スタッフの方と話していたら「この小さな鏡筒で電視観望もできますよ」という話が出てきました。「まだ試していないけど、自分でもやってみたい」とのことで、でも「カメラをどうするか迷っている」とのことでした。「ちょうど明日の私のトークで一眼レフカメラで電視観望する話をします!BORGに一眼レフカメラをつけることができるはずなので、すぐに試せますよ!」とお伝えしたところ、本当にトークに足を運んでくださいました。BORGでの電視観望もかなり面白いかと思います。唯一残念だったのが、中川さんにお会いできなかったことです。直前までBORGブースにいたと聞いたのですが、いまだにお会いできたことがないので、一度お話しできたら嬉しいです。あの中川少年の日記はいつも楽しみにしています。


サイトロン

さて、最後は本命サイトロンです。もう欲しいものばかりです。個人的な最注目はCMOSカメラでしょうか。
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この中の特に冷却カメラPoseidonはPlayer One初の本格的な冷却カメラになります。冷却カメラに関してはほぼZWO一強なので、どこまで牙城を崩すことができるのか注目しています。マチナカリモート天文台のMさんがサイトロンスタッフとして既に試写画像をTwitterにアップしています。実はMさんとは2017年末の志摩の観望会や、八ヶ岳の天リフイベントでご一緒させていただいて、今回かなり久しぶりにお会いすることができ、色々マニアックな話で盛り上がりました。MさんがアップしたPoseidonの画像を見る限り、かなり期待できそうです。冷却カメラも各社で競える時代になると、お互い切磋琢磨してよりユーザーにとってもいい状況になるのではと期待しています。
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他にも鏡筒が目白押しですが、これでもまだ展示しきれていない機種がいくつもあるとのことです。
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この中で個人的な注目は、一番手前に写っているAskarの新製品のFMA180 proでしょうか。スタッフも当日まで現物が展示されるのを知らなかったそうです。手持ちのFMA135は電視観望でフル活躍中ですが視野はAPS-Cまでです。一方FMA180はフルサイズ対応で、一度試してみたかったのですが結局試せずじまいで次バージョンになってしまいました。値段的にもそこそこ気楽に買えるものなので、短焦点撮影鏡筒という意味でも、遠くないうちに手に入れておきたいと思います。

他にも、試作のカーボン三脚が、大中小と3種類も展示されていました。
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現在実際に販売されているのは1種類だけなのですが、今後どんな三脚が欲しいかという傾向を掴むために3種展示したとのことです。最近仲が良いRamb君がちょうどその場にいて、一緒に好き勝手にリクエストを伝えておきました。かなり無理を言っていたので、果たして実現されることやら??? Ramb君と、サイトロンのスタッフさんを交えて、3人での三脚理想論についての議論ができたのは、いつになく楽しかったです。

去年1年間使い倒してきたSCA260の新しいバージョンのものが出ていました。大きく変わった点が、副鏡のところのセンターの調節ねじがなくなってシンプルになったこと、取っ手がついたこと、フォーカサーの繰り出し長が伸びたこと、カメラ回転機構が手前になって、フォーカサーのつまみの回転位置が固定されただそうです。
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特にフォーカサー関連は少し羨ましかったですが、光学設計は同じとのことなので、まあよしとします(ホントハチョットクヤシイデス)。

あと、私も以前試させていただいたVesperaですが間も無く販売になるということで展示されていました。アプリの方もとうとう日本語化されたそうです。さらに電視観望が簡単になるかと期待しています。
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円安と、開発元のフランスでの値上がりが痛かったとのことでした。それでも頑張ってライバルのeVscopeに負けない値段設定にしたとのことです。今後の販売に期待でしょうか。こういった一体型の電視観望機器もどんどん広まっていって欲しいです。

まだまだ書くことはたくさんありますので、今回はとりあえずここまでとします。続きは次の記事で。






今年もCP+のサイトロンブースにおいて講演させて頂くことになりました。2021年以来3回目になりますが、今回は初の現地会場での講演です。

詳しい情報はサイトロンのサイト内の特設ページに掲載されています。

タイトルと時間・場所ですが、

一眼レフカメラで星雲を"観て"みよう」 

日時: 2月26日12時10分〜12時50分
場所:パシフィコ横浜(ステージB)、及びオンライ配信


となります。

  • 会場までのアクセスなどはCP+のページ内をご覧ください。
  • 会場内のマップはこちらになります。この中のステージBで


  • オンライン同時配信もされるとのことなので、現地に来られない方はぜひオンラインでご視聴ください。

    テーマはいつもの電視観望なのですが、せっかくのCP+です。今年は一般のカメラユーザーに天文にも少し興味を持って欲しいということで、一眼レフカメラを使った電視観望というテーマで話したいと思います。

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    EOS 6Dで”観た”オリオン座。
    満月の夜にここまで観えるのもすごいですが、
    ここからさらに"観える"ようになるのか?

    ご注意していただきたいのは、現地会場のステージの定員が48人ということで、入場できるかどうかはあらかじめ抽選で決まるそうです。2月11日の18時から以下のページで抽選に申し込むことができます。

    抽選の申込受付期間は
    • 2023年2月11日(土) 18時~2月16日(木) 23時
    抽選結果は
    • 2023年2月17日(金) ※申込時にご記入いただいたメールアドレス宛にご連絡
    とのことです。興味のある方は是非とも奮ってお申し込みください。皆様と会場でお会いできるのを楽しみにしています。

    繰返しになりますが、抽選に外れてしまった場合、もしくは会場に来れない場合でも、オンラインで同時配信がされるとのことですので、こちらもよろしくお願いいたします。


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