いまの若い人には全く通じないタイトルですが、気分はホントにこんな感じです。

あっかさんのブログ
で、笠井から3倍の星座ビノCS-BINO 3x50が発売されていたことを知って、私も年末に早速注文しました。年越し観望には間に合いませんでしたが、年明けに実家の名古屋から富山に帰ってすぐに届きました。それでも富山は全然晴れなくてなかなか試せません。この日もずっと曇りで、夜もダメかと思ったのですが、22時頃外に出てみたら、少し薄い雲があるところもありますが、結構晴れています。月齢11日の明るい中ですが、早速3倍ビノの見え味を試してみました。

ちなみに、以前7種類の星座ビノの見比べの記事を書いたことがあります。よかったらご覧ください。




笠井の星座ビノたち

笠井からは3 種類、単眼を合わせたら4種類の星座ビノが販売されていることになります。
  • 古くから販売されているWideBino28
  • WideBino28の廉価版と言ってもいいCS-BINO 2x40。2019年春の発売。これはSIGHTRONのStella Scanと色違いの同等品とのことです。
  • 単眼バージョンのCS-MONO 2x40というのもあるので、これも入れたら笠井から販売されている星座ビノ(単眼にビノはおかしい?)は4種になります。
  • そして今回発売されたCS-BINO 3x50です。
前回のまとめ記事ではまだCS-BINO 2x40を手に入れてなかったのですが、5月の連休の時に名古屋のSCOPIOで手に入れ、その後見え味などのレポートも書いています。今回はまとめて3種レビューしてみようと思います。


CS-BINO 3x50と、CS-BINO 2x40のレビュー

CS-BINO 3x50と、よく考えたら前回のまとめ記事以降CS-BINO 2x40はきちんとレビューしていないので、ついでにこちらもまとめて書いておきます。

CS-BINO 3x50、2x40ともにはケース付きの星座ビノで、落下防止の首からかけるヒモがついています。2x40の時には付いてこなかったレンズキャップも、対物側だけですが付属されるようになりました。

品名: CS-BINO 3x50
販売: 笠井トレーディング
倍率: 3倍
口径: 公称48mm (対物側が実測で47.5mm、接眼側が実測で18.5mm)

長所: 倍率が高いので、暗い星までよく見える。CS-BINO 2x40よりは高いが、それでもまだ安価。
短所: 周辺の歪みが多少ある。倍率が高すぎるので、星座ビノというには星座の全景が見えにくい。

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品名: CS-BINO 2x40
販売: 笠井トレーディング
倍率: 2倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で40.5mm、接眼側が実測で17.5mm)

長所: 安価。星座ビノの中では最安。星座ビノとしては一般的で十分。 
短所: 周辺の歪みが多少ある。

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では3種を比べてみましょう。上からCS-BINO 3x50、CS-BINO 2x40、WideBino28です。

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付属品なども含めてです。あ、どれもレンズ拭き取り布が付属していますが、今回はケースの中に入れっぱなしです。

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外観を見るとCS-BINOは2x40とCS-BINO 3x50は作りがよく似ています。同じメーカーなのでしょうが、倍率の違いを除けば歪みも含めて見え味もよく似ているので、設計思想がやはり同じなのかと思われます。接眼レンズの大きさはWideBino28がかなり小さいのに比べて、CS-BINOは2x40, 3x50はともに同じ大きさに見えます。ですが実測すると少し違いがある様です。3x50はその名の通り対物レンズが50mmと一番大きいのですが、前後の長さが意外に長いので、比べると大きい印象を持ちます。それでも普通の双眼鏡に比べたら遥かにコンパクトで軽いので、ずっと首からぶら下げていてもそれほど気にならないでしょう。ただし紐が細いので、できればもう少し太い紐だと首に食い込まなくていいかもしれません。


明るいところでの見え味

まずは昼間の明るいとことで覗いてみます。
  • 視野ですが、CS-BINO 2x40が倍率2倍、WideBino28が2.3倍、CS-BINO 3x50が3倍なので、当然倍率が高くなるほど見える範囲も狭くなってきます。
  • 明るさの違いは昼間ではほとんど分かりません。
  • 中心像は3機種ともどれもそれほど大差ないように見えます。分解能も特に不満はありません。低倍率なので手持ちで使う分には十分な性能だと思います。
  • WideBino28は光軸中心から目がずれるとボケるのですが、CS-BINOは2x40、 3x50も同様にボケます。さらに周辺の歪みがWideBino28より大きいと感じます。ですが以前のレビューでも書いたように、昼間では気になる周辺の歪みも夜に星を見ている限りは、(少なくとも私は)ほとんど気になりません。
まあ、昼間に見てもただの倍率の低い双眼鏡にしか見えないので、その魅力は全くわかりません。夜の評価に移りましょう。


実際の星を見て

夜の星を見てみました。見比べたのは月齢11日の上弦の月を越えて満月に近づきつつある、かなり月明かりのある日です。ここでもWideBino28が基準になります。

一般的に星座ビノを使うと、この日の月の明るさや自分の目の悪さもあり、肉眼で見るより遥かに見える星の数が増えます。星座早見番をみながら、一つ一つの星が十分にトレースすることができるくらいです。WideBino28は基本性能もしっかりしていて星座を見るという目的は十分に達成することができます。星座早見盤に載っていない様な小さな星も見ることができるので、そこら辺がさらなる星座ビノの面白さと行ったところでしょうか。

それに比べてCS-BINO 2x40は倍率が少し低いため、見える範囲が広がって星座の全景が見やすくなる反面、逆に暗い星が見えにくくなるので見える星の数が減ります。ですが印象としては両方共ほとんど変わらないと言っていいかと思います。歪みも共に昼間に見るときほど気になりません。あえていうなら、CS-BINO 2x40のほうが星を見た時のインパクトが少し小さいかということくらいでしょうか。倍率が少し低いということとほぼ同義なのですが、見える範囲が広くて星座の形がわかりやすい代わりに、細かい所が少し見えないということです。でも繰り返しますが大した差ではないです。むしろWideBino28のバランスの良さを褒めるべきでしょう。

さて、肝心のCS-BINO 3x50です。一言で言うとものすごくよく見えます。いや、はっきり言って想像以上の見え方です。あっかさんがブログで言っていたことがよく理解できます。

まず星の数が圧倒的に増えます。ある明るさの空でどこまで暗い星が見えるかは(口径に依らずに)倍率のみで決まる(理由は以前の評価記事、もしくは望遠鏡で見える星の数の記事参照)ので、2倍と3倍の比較なら単純に3/2=1.5の2乗で、2.25倍暗い星、大雑把にいうと1等分位暗い星まで見ることができます。2等星と3等星の星の数の違い、3等星と4等星の星の数の違いを考えてもわかるように、数で考えると1等暗い星が見えると飛躍的に星の数が増えて見えます。

星座を見ていても細かいところの星までよくわかるようになります。例えばオリオンの小三つ星ですが、CS-BINO 2x40だと「あ、星が縦に並んでいる」というくらいです。これがCS-BINO 3x50だとはっきりと「星が3つある」という感想に変わります。月のすぐ横にあったM45プレアデス星団すばるも、CS-BINO 2x40だと「あ、すばるだ」とひとまとめの感想ですが、CS-BINO 3x50だといくつ星があるか数えたくなってきます。明るい環境でも暗い環境でも単純に見える星の数が増えるので、この日も月明かりに負けることなく十分に楽しむことができました。


星の色がよくわかる

星の数の違いはある程度予測できていて期待通りだったのですが、期待していなかった違いは星の色でした。そこに気づいたのはしし座の首の根本の星Algiebaを見た時でした。Algiebaは赤い星で目立つのですぐにわかるのですが、そのすぐ横にある小さな星が青く綺麗に対比して見えるのです。この対比はCS-BINO 2x40で見ても、WideBino28で見ても、まあ頑張れば見えることは見えるのですが、気付くことはありませんでした。あと、北極星ポラリスはこんなにオレンジなんだとか、すばるって他と比べるとやっぱり青いんだとか、ほかの星と広範囲で見比べることができるので、倍率の高い双眼鏡でその星だけ見ていてもなかなか気づけないことに気づくことができます。星座の形と対比して一つ一つの恒星の特徴が分かるので、例えば牡牛座の角のところのアルデバランもすごく目立ちます。これは今までの星座ビノにない面白さです。


欠点

一方、拡大率が大きいので、これまでの2倍程度のビノで楽しめた星座の全景が入らなくなりがちで、どの星座を見ているのか分かりにくくなることがあります。オリオン座とか、あからさまに星座の形がはっきりわかっているもはいいのですが、星座自身は知っていてもその形まで覚えていないものは、途中で迷ってしまうことがありました。加えて星の数も増えるので、特に初心者だと少し混乱してしまうかもしれません。


CS-BINO 3x50は買いか?

では、はじめての星座ビノとしてCS-BINO 3x50は買いかどうかということですが、これが最初だとしても間違いなく面白いと思います。でも、できるなら通常の2倍程度の星座ビノを一度見てから、もしくは併用しながら見ると、その違いや星座の全景と細かいところが交互に見えるなど、より「星座」というものを認識できると思います。私個人の意見としては、3x50は2台目の星座ビノとしてが一番のお勧めでしょうか。

こうやって考えるとWideBino28のバランスの良さがよくわかります。倍率2.3倍というのは星座全景も多く楽しめて、細かいところまで見える、絶妙なバランスなのかもしれません。

実は星座ビノではないのですが、MIZARの倍率4倍という双眼鏡を持っています。普通の双眼鏡としてはかなり低倍率の部類です。星座用にと2017年の原村星まつりでたまたま見つけたものです。これ確かに星の数が増えるのですが、4倍だともう拡大しすぎで星座の形を捉えること自体が困難になってきます。なので、結局あまり使っていなくてお蔵入りになってしまっています。4倍は星座全景を見ようとすると倍率が高すぎることは確かで、そういった意味では3倍という倍率はギリギリの線なのかもしれません。

値段的にはCS-BINOシリーズは星座ビノとしては最安の部類に入ります。最初から2x40と3x50をまとめて買ってしまっても、得られる感動と実用度から考えたら相当パフォーマンスがいいのかもしれません。


まとめ

結論ですが、星座ビノを既に持っていてその性能を実感できる人にはCS-BINO 3x50は絶対お勧めです。見え方の違いを存分に楽しめるでしょう。初めての星座ビノとしてCS-BINO 3x50を使う場合、星座の全景を見るのに少し慣れは必要ですが、夜空にはこんなに星があるのかと実感できることでしょう。特に都会や、月夜の明るいときに見ると劇的な星の数の増加にびっくりするはずです。CS-BINO 3x50で天の川はまだ見ていませんが、これも夏になった時の楽しみの一つです。

レビューを兼ねたCS-BINO 3x50のファーストライトでしたが、感想はとにかく「あー面白かった」です。この値段なら間違いなく「買ってよかった」です。常時車の中に入れておいて末長く使うこととなりそうです。