ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:電視観望

2022年12月29日、かねてからかんたろうさんに誘われていた周参見(すさみ)に遠征に行ってきました。周参見は和歌山県のほぼ南端。富山からはかなり遠かったです。


富山を主発

前日の28日は休みを取ったので、午後から準備をします。きはらっちさんからSCA260見たいとリクエストがあり、頑張って積み込みました。というのも、予定していた荷物をたくさん積めるノアが急遽故障、仕方ないのでラクティスにします。SCA260にはCGX-Lもセットなので、後ろの座席も助手席もイッパイイッパイです。夜のうちに準備した荷物を朝車に積み込み、何とか出発できる状態に。

富山を朝9時に出て、実家の名古屋で少し用事を済まし、14時に名古屋を出発。どの経路で行くか迷いましたが、津市のアイベルに寄りたかったので、紀伊半島を東から回ることに。実家は名古屋の北区で、津までいくなら名二環から入るといいと教えてもらいました。途中工事で蟹江インター付近が少し渋滞していましたが、それ以外は順調でした。怖かったのは、カーナビが古くて新しい道ができているので、何箇所かJCTでどちらに行けばいいか迷い、しかも最近関西方面の地名に疎いので、ギリギリで判断するということがありました。あらかじめ調べておかないとダメですね。


久しぶりのアイベル

アイベルに着いたのは16時過ぎくらいだったでしょうか、11月に自宅に来てくれたEさんが、三重に引っ越すというのでアイベルに顔を出し、わざわざ私のためにVixenのカレンダーを頂いてきてくれました。そのお礼と、アイベルにはコロナ以前に数回行っただけなので、久しぶりに覗いてみたかったのです。




そういえば前回アイベルに行ったのも今回の初回集まりで、今見たら2017年ですね。もう5年ぶりになります。

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アイベルでは残念ながら何も買うものがなかったんのですが、店員さんと少しだけお話しさせていただきました。ε130が展示されていたので一応「売り物じゃないですよね?」と聞いてみたのですが、やはり展示用に借りているものだそうです。いま発注しても1年半待ちとのことなので、現物があれば欲しいと思っていたのですが、シリアル番号を見たら確かに「DEMO」と刻印が打たれていました。そういえば最近は細かいものも揃ってしまっているので、星まつりでもそうなのですがあまり買い物していません。店舗にいってもその場で欲しいと思うものに出会うことも減ってきてしまいました。ちょっと寂しいです。

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「これから周参見に行くんです」と話すと、「3時間はたっぷりかかる」とのこと。「何も購入できなくてすみません」と挨拶して、アイベルを17時前くらいに出発しました。


いざ周参見へ

そこからの道は迷うことはありませんでしたが、高速道路が尾鷲を通り越して熊野で終わりでした。これも全然調べてなかったのが悪いのですが、下道でまだ100km以上もあります。ここでかんたろうさんに電話をかけて「まだ2時間くらいかかりそうです」と話して、のんびり海岸沿いの道を進みます。熊野ってあの熊野古道の入口なんですね。途中熊野古道の看板があり実感したのですが、よく考えたら和歌山ってあまり来たことがなく、多分子供の頃に家族で行った紀伊長島が私にとって最南かと思います。今回は先っぽまで行くのですが、真っ暗な中での行き帰りなので一度時間をとって明るい時にじっくりこの辺りを回りたいと思いました。

熊野からは下道だけかと思ったのですが、途中新宮から10kmくらい、周参見の直前も10kmくらい、無料の高速道路?があって少し距離を稼げました。でもあとは普通の下道で、しかも海岸沿いの道なのでカーブも多くスピードも出せないので、安全運転で進みます。

結局周参見についたのは21時くらいだったでしょうか。途中コンビニで弁当を買って食べてたりもしましたが、アイベルから4時間はかかったことになります。

到着して皆さんと挨拶を交わす間もなく、すぐに天リフさんの生中継のインタビューを受けます。



動画開始から38分頃から出てきます。ライブビューでもそうですが現場でも、富山から遠く周参見まで来たことに驚かれたようです。現地ではヒロノさんの66cmを筆頭にドブが何本も並び、眼視が相当に盛り上がっていました。フラッシュなどたけなかったので写真はありませんが、天リフさんの動画でその雰囲気はわかるかと思います。

到着した頃はまだ月が出ていたのですが、月の反対側はすでにかなり星が見ていて、基本的に暗いのと透明度がいいのが実感できました。月が沈んでからは全方向かなり暗くなり、かなりいい環境で、皆さんが集まる場所だというのが理解できました。実際、今回声をかけたメンバーだけでなく、関西の常連さんが数多くいらしていました。聞くところによると、冬場は関西からだと比較的暖かい周参見がほぼ一択とのことです。スタッドレスタイヤをつけている車が少ないので、路面が凍結しないということが重要だということでした。実際、空は全方向かなり低空まで開けているし、カノープスが普通に見えたのにはちょっと驚きました。

私はとりあえずSCA260を出したのですが、結局風が強いのと、ミニワイヤレスルータの電源のUSB-Bケーブルが破損しかけていてうまくLANでStick PCに繋げなかったので、撮影は諦めてしまいました。一応、リクエストしてくれてきはらっちさんには見せることができたので、まあよしとしましょう。他の方も撮影した画像はかなりの率が風でブレてしまっていたそうです。


ACUTER自動導入経緯台のテスト

その一方で今回はもう一つ、新兵器のお披露目がありますです。小海でサイトロンさんからお借りした、まだ日本では未発売のACUTER社の自動導入、自動追尾の経緯台です。AZ-GTiと同じようにSynScanやSynScan Proで操作できるものですが、AZ-GTiよりもかなり小さくて軽いです。しかも単3電池3本で稼働するので、電源も気軽です。

元々のセットアップは三脚付きです。
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接続は3/8インチネジなので、普通のカメラ三脚なら大丈夫でしょう。なのでFMA135と合わせてこうしました。
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ちょっと暗くて見にくいですが、三脚もミニ三脚にして地面に直置きです。長年追い求めていた超コンパクト電視観望セットです。小さすぎてそこにあるのに気づかずに蹴飛ばされるのが心配なくらいです。実際、自分で一度蹴飛ばしてずらしてしまいました。見にきてくれた人もこの小ささと、実際に出てくる電視観望の画面のギャップにかなり驚いていたようです。

これまでの最小セットアップとして、FMA135と自由雲台を使ったセットは試したことがありますが、やはりお客さんがいる観望会だと導入に戸惑ってしまうので、できれば自動導入があったほうがいいです。

これくらいコンパクトだと、カバンの中に潜めておいて、特に観望会とか計画するでもなく機会があったときにパッと取り出し、その場で星雲とかを見せるができます!少し心配なのは、こういったマニアの所業が一般の人に果たして理解されるのか?白い目で見られないように気をつけながら、一度くらいはやってみたいと思っています。


ACUTERでの電視観望操作の実際

さて、実際の動作の具合です。スマホやタブレットのWiFiで繋ぐ必要がありますが、今回はiPhoneXで試しました。SSIDに「ACUTER」と表示されるので、すぐにわかるでしょう。設置はAZ-GTiと同じで、鏡筒を水平北向きに置きます。最初左中を間違えて、初期導入で鏡筒が下の方を向き始めてしまいました。どうやら北を向いた時に後ろから見て、鏡筒が左にACUTERを右に設置するのが正しいようです。ACUTER本体に水準器がついているのですが、今回の三脚は各脚の高さの微調整が難しく、水平方向がうまく出ないので、そこそこ合わせるくらいで試しました。鏡筒の水平方向も重要です。これまではFMA135にアルカスイス互換のぷれーとをつけて、Vixenアリガタとアルカスイス互換クランプへの変換アダプターを自分で組み合わせたものを使っていましたが、これさえも大きく感じてVixenアリガタの小さいものをFMA135に取り付けました。アルカスイス互換クランプには水準器が付いていたので鏡筒の水平も取れていたのですが、今回は水準器がないので鏡筒の水平も見た目でだいたいです。

とりあえずM42オリオン大星雲を見ようと思い、初期アラインメントはワンスターアラインメントにして、リゲルを導入しました。FMA135の焦点距離が短いのと、Uranus-Cのセンサー面積も1/1.2とそこそこ大きいので、ある程度の水平出しでもすぐに初期アラインメントのターゲットが入ってきます。その後、M42を入れてみますが、AZ-GTiのようにごくごく普通に導入が成功します。

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この時点で再び天リフさんがきてくれました。どうやら有線中継のようで、その場に中継機材を持って来れないようで、写真に写してからそれを中継してくれました。上にリンクを貼ってある天リフさんの動画の2時間15分くらいの頃から出てきます。

ACUTERについては、途中でモーターの特に水平方向の動きが止まらなくなるということが数回ありました。方向ボタンも効かなくなってしまいます。それでも接続は継続していて、一旦切ろうとしてSynScanを落としても動きは止まらず、その状態でSynScanで再接続はできるのに動きは止まりません、一旦こうなると、本体の電源を一旦切っても再び電源をつけるとまた動き出してしまいます。電源を切って電池を抜いてしばらく待って、電池を再び入れて電源を入れるとやっと止まりました。電源を切るだけでしばらく待つというのは、その場では思い付かずに試せませんでした。少なくともそれらしい動きが2回は確認できたので、何らかの不具合が存在するようですが、どこをどうしたら発動するかはまだ良くわかっていません。もしかしたら寒かったのと充電タイプの電池で試したので、電圧降下が不具合の原因はあります。これは今後もう少し使い込んで検証したいと思います。

トラブルがない時は普通に操作でき、その後何人かの方に電視観望を見てもらいました。他に電視観望をやられている方はいないようだったのですが、そもそもこういった有名遠征場所に行ったことがほとんどないので、どう振る舞えばいいのかあまりよくわかっていなくて、眼視が主なのであまり邪魔にならないように少し離れた場所に設置して、画面もあまり明るくならないように注意します。普段の撮影はほとんど一人が多く、観望会でも仲間内の場合が多いので、他の方に迷惑をかけていなければよかったのですが。

他には馬頭星雲と燃える木、あとプレアデス星団(スバル)を見てみました。さすがの周参見です。かなり環境が良く、馬頭星雲はものすごいコントラストです。

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スバルに至っては青い分子雲が余裕で見えています。

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電視観望でここまでM45の分子雲が出たのは初めてです。


眼視でM42に色が!

電視観望はせいぜいこれくらいで、滞在時間の多くはドブの方を見せてもらっていました。かんたろうさんには45cmでスバルとかトール兜とか見せてもらいました。特にトール兜は2本のつのまではっきり見えたのでビックリでした。OIIIをフィルターを入れてあるそうですが、フィルターなしの場合も見せてもらいました。フィルターなしでもかろうじて見えるのは面白かったです。周参見の空の暗さと45cmの威力でしょうか。

ヒロノさんの66cmでM42を見せてもらいましたが、今回初めてオリオン大星雲ではっきり色がついていることがわかりました。特にトラペジウムの辺りは私には青紫に見えました。これは気のせいでも、神の目も何でもなく、はっきり意識できた色でした。その一方、ウィングの部分は少しピンクに、M43のあたりは黄色がかって見えているようでしたが、これらはトラペジウム周りほどははっきり色がわかったわけではなく、気のせいの可能性もあります。少なくともトラペジウム周りと、M43あたりの色が確実に違うということはよくわかりました。さらに25cm、8cmでも同じM42を見せてもらいましたが、少し青い色は認識できましたが、改めて66cmを見せてもらうとやはり口径の効果でしょう、明らかに色づきは66cmが圧倒的でした。

その後かんたろうさんに再びスバルを見せてもらい、メローぺ周りに分子雲が見え、少し青紫の色が付いている気がしました。トラペジウム周りの色と似ていると思いましたが、やはりトラペジウムほど濃い色ではなく、やはりこちらも気のせいの可能性もあります。

いずれも他人様のドブソニアンでのけいけんになりますが、飛騨コスモスでのM57に次いで、今回とうとうM42も色がついて見えました。輝度の高い星雲はやはり色がつくようです。色が付くといっても暗い中での色なので、濃いかもしれませんが、鮮やかに見えるようなことはありません。それでも星雲の色が目で見て見えるというがわかるのは素晴らしい経験です。今回のM42のヒロノさん、夏のM57のかんたろうさん、どうもありがとうございました。

観望の途中、少し天リフ編集長と話しました。話題は天リフが採算ベースに乗るかとか、最近の仕事がどうかとか、アマチュア天文業界の発展とかです。中国の天文メーカーの台頭も大きですし、日本の天文メーカーが元気がなさそうな心配もあります。でも天文人口が増えて欲しいというのでは一致した意見でした。他にも動画編集の大変さや、ブログを続けることの悩みなど、情報を発信することの苦労とかも話せました。こういったことが話せるのはオンラインよりは、やはり面と向かってですね。

さて、集まったみんなで記念写真をとったり、いろんなところに顔を出したりで、午前1時頃になりました。その時点で風も強くて撮影はあきらめたので、撮影機材の方は片付け始めました。


眠かった

結局午前2時頃にはその場を出ました。参加メンバーの津村師には彗星は明け方間近がいいとアドバイスを受けましたが、残念ながらその時点で退散することにしました。その日に高校の同窓会があり、昼前にはちょっと体裁を整えて名古屋駅に行かなくてはならなかったからです。周参見から名古屋まで仮眠をとりながらだと思ったよりかかりそうです。

結局名古屋の実家に着いたのは午前9時過ぎ、シャワーを浴びて準備をしたらもう出発する時間でした。普通は星見から帰って朝から寝るのですが、この日はわずかな仮眠でほとんど寝ることもできず、同窓会の2次会が終わった頃にはもうヘロヘロでした。実家についてすぐ寝てしまい、結局14時間寝てやっと元気になりました。もういい歳なので、あまり無理はせずに星を続けるべきかと改めて思いました。

遠かったけど、とても楽しい観望会でした。誘ってくれたかんたろうさん、どうもありがとうございました。現地でお会い出たみなさんも、いろいろお世話になりました。どうもありがとうございました。年末で名古屋の実家に行くので参加できた周参見かと思います。来年も時間が許したらまた参加したいとおもいます。

 

小海の「星と自然のフェスタ」のレポート、2日目後半までの途中ですが、今回は番外編です。星フェスで出会った、富山の近くに住むご家族が二組、自宅に遊びに来てくれました。

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なぜ集まることになったのか

元々の経緯は書き出すとものすごく長くなりそうなので、できるだけ簡潔に書きます。

そもそもの発端は、富山市天文台が2018年の長雨による遊歩道陥没の後に長期休暇となり、2021年3月に正式に閉館となったことにあります。 教育県を標榜する富山に、天文教育に有用な施設がなくなるということは非常に寂しいことです。私が所属する富山県天文学会は、富山市に天文台の早期再設置を願い、活動を続けています。その一環として、天文台候補地の地元の方に星の魅力を伝える説明会を開きました。その際、明るい街中でも星雲、星団、銀河などを観察する手段の一つとして電視観望を紹介させて頂きました。その時に取材に来ていた富山テレビの方から、ちょうど小海の星フェスの前くらいに一度電視観望を実演してもらえないかという依頼があり、その日をいつにするか模索していました。星フェスに来てもらうことも提案したのですが富山県外でさすがに遠いということで、では自宅でではということになったのですが、天気が不安定でなかなか日程が決まりません。

そんな折、小海の星フェスで電視観望講演に参加してくれた方のうちお二方が、富山の近くに住んでいることがわかり、電視観望会のお声掛けしたのですが、ちょうど取材もあるのでその際に一緒に見ていただくのはどうでしょうという話になりました。

何度かの日程調整の後、次週は全く天気がダメそうなので、週末金曜にもしかしたら夜半から曇るかもしれないという覚悟の上で、前日の木曜に日にちを11月18日の金曜と決定し、集まる予定の皆さんに連絡しました。局の撮影の都合や、ご家族の都合もある中、急な決定にも対応して頂いてどうもありがとうございました。


富山テレビの方に電視観望を見せる

さて当日の夕方、18時頃に玄関チャイムが鳴り富山テレビのスタッフの方がいらっしゃいました。取材の方は放送を見てもらうとしてここでは詳しく書きませんが、電視観望を一通りデモして見てもらいました。カメラマンの方は小さい頃ミザールの赤道儀まで持っていたということで、かつては天文少年だったようです。久しく星には関わっていなかったとのことですが、今は映像関係の仕事ということもあり、CMOSカメラとかにもかなり興味津々で、富山の田舎とはいえこの明るい住宅街の中で口径わずか3cmの望遠鏡と言えるかどうかもわからないくらいの小さな機材で、星雲などが見えてくる様子には相当驚いているようでした。多分同世代くらいの方で銀河鉄道999のこともあると思いますが、「アンドロメダ『星雲』も見えますか?」といっていたのが印象的で、ちょうど小海で撮った画像と、実際その場で電視観望で見たアンドロメダ『銀河』にかなりインパクトを受けたようです。

もっと面白かったのがスタッフとして一緒に来ていた若い女性の方で、そもそも望遠鏡を覗いたこともないそうです。それではと、いつものSCORPTECHの二つ穴ファインダーの屈折を出して「あの明るいのが木星です。自分で操作して入れてみてください。」と試してもらいました。実際には木星は少しずれていて入らなくて、最後私が導入して見てもらったのですが、何度か見たのちに衛星や縞もわかったようでもう大騒ぎです。

さらに次はかなり低くなっている土星を導入してもらいました。今度は自分で入れることができ、土星と認識できた時の騒ぎ様のすごいこと。もう「キャー」とか言いながら大はしゃぎです。やっぱり自分で操作する望遠鏡って楽しいんですよね。自分で導入して、初めて土星の輪が見えた日には、叫びたくなるのもわかる気がします。これって子供も大人も同じなんだと思います。なんか取材のことはもう忘れていて、その姿を見てるだけで来てもらった甲斐があったなーと思ってしまいました。


Oさん一家

ちょうど土星を見ていた19時半頃でしょうか、一組目のご家族が到着です。お隣の石川県の内灘からやってきたOさん一家。小学5年生の男の子と、そのご両親です。この子、会場で会った時からかなりの天文っ子ということは薄々わかっていましたが、いろいろ話してみるとかなりの子です。興味も知識もハンパではありません。私の星友の一人、中1のMちゃんと会わせてみたいです。どんな会話になるのか興味津々です。

話を聞いていると、どうもお父さんとお母さんのほうが子供に刺激されたようで、星を家族で初めて2年になるそうですが、すでにAP赤道儀はあるし、VixenのED鏡筒はあるし、FMA180とNeptune II-CをAZ-GTiに載せているしで、もう立派な沼の住人です。この日も機材をどんどんセットアップしていきます。北陸唯一の天文ショップUCトレードが近いので、機材はそこでいろいろ相談しているとのことです。

お父さんは電視観望に興味があり、これまでなかなかうまくいかなくて、星ナビを見て小海星フェスのことを知り、講演を聞きに来てくれたとのことです。そこでカメラのゲインを相当高くしていいこと、ヒストグラムを見てのあぶり出が大切なことを理解し、小海から帰ってから自分で試してみたら見事にうまくいったとのことです。Twitterには早速月曜にカリフォルニア星雲、前日の木曜には馬頭星雲と燃える木の電視観望がうまくいっている投稿がされていました。この日もオリオン大星雲や馬頭星雲などうまく出せていました。ここまで出るのなら、もう一人でどんどん試しいけば大丈夫なくらいかと思います。

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O一家のお父さんがFMA180とNeptune II-Cで見事に馬頭星雲ゲットです。


Eさん一家

滑川からEさん一家が程なく到着。小学3年生の男の子と、お父さん、お母さんです。でも3年生には夜は少し厳しいかもしれません。到着するちょっと前に車で寝てしまったみたいで、外に出てきはしましたが、キャンプ用の椅子ですぐに寝てしまいました。寒そうだったので寝袋を出したのですが、寝袋の中は心地良かったのか、そのままぐっすり寝ていました。

Eさんのところはお父さんの方が星に夢中なようです。持っているのは入門用の池田レンズ工業のリゲル60Dなのですが、実際に持ってきてもらってそこにカメラをつけてもらおうと思っていました。惜しむらくは接岸部が1インチの25.4mmなので、今のアメリカンサイズが取り付けられないのです。これは私も確認ミスでした。アメリカンサイズから1インチの変換アダプターは自宅にあるのですが、逆は残念ながら持っていません。ネットなどで調べて次の機材を考えているとのことですが、お母さんの方からなかなか許可が出ないようで、やりとりを見てると楽しかったです。

話しているとお母さんは、そこまで星には興味がないごくごく一般の感覚の方のようです。せっかくなのでいつものクイズを出してみました。太陽はどちらから昇るかというやつです。これはすぐに東からと答えられたのですが、月がどちらから昇ってくるのかというのにはさすがにパッと答えることができません。あ、でもOさんのところの5年生の子はすぐにボソッと「東から」と出てくるので、この子はさすがです。お母さんに太陽が昇る理由(地球が自転しているから)を考えてもらい、月も同様に回っていることを理解してもらおうとしました。でも月がそもそも夜空を動いていることを知らなかったようなのです。そういえば観望会に来るような人はそもそも星が好きな人が多いのです。本当に一般の感覚に近い方はなかなか手強いです。ここからは私も本気になります。

まずやはり月も空を動いていくことから理解してもらわなくてはいけません。
  • 太陽と月はちょうど反対の位置にいると仮定して、
  • 太陽が昇って昼になるので、
  • 月が昇ると夜になるということ
からゆっくり理解してもらいました。すると
  • 月が動くこと、
  • 動くのは地球が回っているから、
  • そうすると東から昇るということ
を理解してくれました。ここからは早くて、
  • 星が東から昇ること、
  • 中には昇ったりしなくて動かない星があること、
  • それが北極星で、
  • さらに地球の回転軸の延長上に北極星が、
  • しかも南側にも動かない星があるはずのこと
までトントン拍子で理解していきました。お母さん十分センスがあります。

知識として覚えただけのことはすぐに忘れてしまいますが、自分でしっかり考えたことはなかなか忘れることがありません。たとえ忘れてしまっても、最初から考え直すこともできます。お母さん、少し自信がついたようで「子供にも教えることができる」とのことでした。他の人に説明することで、どこがあまりわかっていないのかとか自覚できるので、さらに理解が進むんですよね。

後日メールをいただきましたが、今回お母さんの方がすごく勉強になったとのことでした。私も本気モードの説明で、実はこのやりとりが一番楽しかったりしました。

お父さんの方はというと、単身赴任での引っ越しが決まっているそうです。行き先は三重とのこと。三重といえばアイベルです。いい機材が見つかることと思います。


電視観望

元々の目的は、Oさんも、Eさんも小海の講演を聞きにきてくれていて、せっかくなのでもう少し自宅でいろいろ試してみましょうということでした。せっかくなので、講演の内容がうまく伝わったかも聞いてみました。実際話もよくわかって、かなりいろいろ参考になったとのこと。サイトロンブースでの実演を見ることで、さらに理解が深まったとのことでした。やはり話だけでなく、その日の天気にもよってしまうのですが、実際に操作しているところも見てもらうのがいいと改めて実感しました。

さて、この日の電視観望はというと、実はそんなに種類は見ていません。M57、M27、M31、北アメリカ星雲、網状星雲、三日月星雲くらいだったでしょうか。むしろみんな話に夢中だった感じでした。楽しかったですよ〜。

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Oさんの所が「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」を持ってきていて、画面で見えている天体と本に載っている天体をみんなで比べて見てました。本に載っているのがそのまま見えるのが楽しいのと、カメラの回転角が違うので本を傾けて見たりと、本当に楽しかったです。

OさんのところはSuper Widebino36を持ってきていて、私も星座ビノをいくつか出して、見比べてもらいました。すばるが高く上がっていて、星座ビノでみると「星がいくつも見えるー!」と誰かが叫んでいました。アンドロメダ銀河は私はちょっと探してわかりましたが、実はこの日は透明度があまり良くなく、ほとんどの人が見つけられなかったようです。夏の大三角はみえますが、白鳥の形はほとんどわからないか、形を知っていればかろうじてわかるくらいでした。


曇ってきた...

22時頃でしょうか、雲がだんだん出てきました。家に入ってもらい、少し機材を見てもらいました。まずは玄関に出しっぱなしにしてあるセレストロン赤道儀3兄弟(Acvanced VX、CGEM II、CGX-L)を見て、Oさん息子が大興奮。私の部屋では鏡筒とかカメラとか、二階に上がって雑誌コレクションとかみて盛り上がりました。

22時半頃でしょうか、外に出ると空はすっかり雲に覆われています。子供たちもさすがに眠そうです。後片付けをしてここで解散、お別れです。楽しかったのでまた遊びにきて欲しいです。おみやげにEさんからシャトレーゼの濃厚たまごプリン、Oさんからサツマイモとお菓子、ジャムを頂きました。プリンとおお菓子は早速いただきましたが、とても美味しかったです。でも次回からは、このブログでもよく書いているのですが、本当の本当に(こう書かないと、富山では逆にもってきてという意味になるらしいです)お土産とかなしでお願いします。私としては、気楽に何度も来てもらってみんなで楽しい時間を共有できることが一番で、毎回気を使っていただくことは本末転倒になってしまいます。

新しい星友達(と勝手に思ってます)ですが、近場なので集まれるからいいですね。また他の家族も招いて何かやりたいと思います。懲りずに次回以降も気軽に来てもらえるとうれしいです。


小海の「星と自然のフェスタ2022」の2日目前半の記事から続いて、2日目の後半の様子です。



いよいよ電視観望講演

私が担当する電視観望の講演会は14時40分から。午後も最初のうち会場内を回っていましたが、いよいよ13時頃になると落ち着かなくなってきて、一旦ホテルの部屋に戻りスライドのの最終チェックをします。スライドは数えたら75ページもあります。時間は50分なのでかなり多めですが、ライブスタックで変わっていく様子を何枚かアニメみたいに切り替えていくので、そういうのをさっ引いても実質60枚切るくらいです。まだかなり多いので、実際のトークの時にはテンポよく進めていく必要があります。

14時前にもう一度本部前に行って、残り枚数の確認です。この時点でまだ10枚以上残っていましたでしょうか。ちょうどかんたろうさんがいて「お布施、お布施」とかいいながらチケットを買ってくれました(笑)。ありがとうございました。来ない人もいるだろいということでチケットは50枚刷ったと聞いたので、この時点で40人くらいで実質ほぼ満席かなと思っていました。部屋に戻って、14時には荷物を講演会場に運び込みます。

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機材は
  • NEWTONY+Ceres-C+AZ-GTi
  • FMA135+Uranus-C+AZ-GTi
  • FS-60CB+ASI294MC
  • NIKKOR 50mm, F1.4+自由雲台
  • Vespera
となります。全部で4.5セットといったところでしょうか。一部借り物もあります。

機材は会場外の廊下のところに置いたのですが、ちょうど食堂上のガラス張りのテラス状態になっていて、昼間はとにかく暑いのです。それでも前の講演の終了15分くらい前になると、徐々に人が集まってきて、早速ですが機材を囲みながらの雑談モードの質問タイムが始まります。

そうこうしているうちに、前の講演が終了予定時刻少し前に終わったので、部屋の中に入り準備を始めます。とりあえず機材を適当に前方に置いて、次に参加者の確認です。ここまでの講演ではどうもチケットの確認をあまりしていなかったようなのですが、私の講演はワンコイン500円ということで有料なので、不公平がないようにしはくてはいけません。「では一旦外に出てもらって、チケットと共に入場してもらうことにしましょう」ということになり、2つあるドアの後方だけを開けてチケットを受け取り一人づつ入場してもらうことにしました。途中、スタッフの方がチケット受け取りを引き受けてくださったので、私はPCをプロジェクターにつないで、画面のチェックに取り掛かることが出来ました。その間に、参加者の方に前の方に資料を取りに来てもらいます。

資料は2つあり、ひとつはプレゼンスライドの中でも技術的なことを書いてあるページを印刷して、後で確認できるようにしたもの。今回のトークは基本的には初心者向けにしました。やはりまだまだ初めてみたいという方の声をたくさん聞くことと、情報が拡散しているので何から始めたらいいかわからないという声もよく聞くからです。ただ、話を聞いただけではなかなか覚えていられない細かいことも多いはずなので、ページ数を限ってますが、必要と思われるページを印刷して確認できるようにしてみました。

もう一つの資料は、少しマニア向けにと考えたもので、今回特別に用意したCMOSカメラの系譜図です。現在いろいろとまとめている資料の一部で、ファーストバージョンを講演に来ていただいた方に限定公開してみました。かなり気合を入れて用意したのです。講演に参加された方のブログ記事などをみている限り、結構好評なようで少し安心しました。今後もう少し時間をかけて仕上げていくつもりです。

機材を発表順に並べて、プロジェクターにも画面を映して、準備完了となります。始まりの時間の14時40分まで5分近くあったので、その時間ももったいなくて質問時間にします。

ちょうど14時40分に開始して、講演自体はページ数の割に滞りなく進みました。できるだけわかりやすくと思いましたが、どうだったでしょうか?機材の説明が暗い中でだったので、どこまで見えたか心配でしたが、講演終了後にあかりがついてから、片付けている際にも前に来て見ていた方が多くいたので、短時間でしたがなんとか見ていただけたのかと思います。

実際にはトークが終わってからも時間が10分近く余っていたと思います。ここでも時間ギリギリまでたくさんの質問が出てきました。片付けの最中にも、特に機材を見ながらいろいろ聞かれることも多かったです。こうやって面と向かって質問をやり取りできるのは、リアル開催の最大の魅力です。コロナがこのまま収まって、星関連のイベントが以前のように普通に行われるといいのですが。

その後、会場を次の講演の方に引き継ぎ、廊下であらためて機材を台車の上に乗せてホテルの部屋に向かいます。ここでやっとホッとできました。

たくさんの方に来て頂き、質問等もとても盛り上がったので、本講演は大成功かと思います。開始の際の準備のときに机の搬入とか色々手伝ってくれた方々、片付けの際にも同じように手伝ってくれた方々、会場スタッフの方、そもそもこの講演の準備に貢献していただいた多くのスタッフの方々、そして講演に参加していただいた皆様、星仲間の知り合いの方も多く参加してくれました。本当にありがとうございました。


講演終了後

講演も無事に終え、まだ興奮も冷めやらぬまま部屋に戻りました。渡されたチケットを数えると、なんと49枚ありました。もともと40名の定員でしたが、チケットだけ取って来れない方もいるなどの考慮でしょうか、余分に発行していたと聞いています。後で本部で確認したら6枚残っていたので、だれも欠席しなかったとしたら55枚発行され、49人来てくれたことになります。用意していた資料は50部切るくらいだと思っていたのですが、それでも1部残っていたので、実際には何度か印刷テストしていたのも混じっていて、ちょうど50部くらいになっていたのかもしれません。もし参加したのに資料をもらうのを忘れていたという方がいましたら、Twitterの方でご連絡頂ければ個別に送らさせていただきます。

講演会場とその外が暑かったのでしょう、部屋で気づいたら汗だくでした。ちょうどいいやと思い、そのまま温泉に向かいます。

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さっぱりした後のアイスは格別でした。でもその間にどうやら抽選会を逃してしまったようです。

夜はシュミットブースで19時から電視観望実演をするので、18時のレストランオープンの少し前から並び、早めの夕食ビュッフェです。朝食ビュッフェよりも豪華で、嬉しかったのがケーキです。すでにたくさん食べてお腹いっぱいなのですが、やはりケーキは別腹。妻と二人で大きなケーキを3つ(と言っても2つぶん以上は私が)食べました。

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このケーキも美味しかったですが、その後に食べた柿のケーキも美味しかったです。


シュミットブースでの電視観望実演

食事を終えて、電視観望実演の準備をしていたら、もう19時ギリギリです。急いでシュミットブースに移動して、そのまますぐに実演開始となりました。今回はあらかじめ開始時間と終了時間をはっきりと決めることにしました。これは昨年の実演で夕方のうちから準備を始めたら人が集まり始めてしまって、どこが開始か全くわからなくなってしまったことの反省からです。さらに、準備するところも含めて、見る人によっては参考になるということで、本当にカメラの接続から開始です。

初めから3-40人はいましたでしょうか、たくさんの人が集まっていて、講演に参加くれた人もたくさん来てくれているようです。機材は最近いつも使っているFMA135にUranus-Cを取り付け、光害防止フィルターとしてCBPを使っています。架台も定番の手軽なAZ-GTiです。

ところが今回は接続したPCが絶不調です。まずSurface7が反応しません。キーボードもタッチパッドも、画面を触ってのクリックも動かなくなりました。こんなのは初めてのことです。でもこれ、後でホテルの部屋に帰ると普通に動いたので、ちょっと謎です。もちろん予備のPCは用意してあって、2台目のSurface8に移しました。ところが、PC単独では問題ないのになぜかHDMI出力の大型モニターに画面が出ず、こちらも諦めます。結局、最後の砦の結MacBool ProをBootCampで起動しました。こちらは大型モニターにも表示でき、なんとかその場を凌ぐことができました。ただし、このBootCamp軌道でのSharpCapですが、プレートソルブは設定していなかったので、うまく自動導入の精度が出るか、ちょっとドキドキものでした。

恥ずかしながらですが、こんなトラブル含めて、そのまま見ていただいての実演となりました(笑)。動き出してからは極めて順調です。最初はたしか北アメリカ星雲を導入したでしょうか。ライブスタックと共に徐々に出てくる形に「オーっ!」という雰囲気です。説明に夢中であまり記憶がないのですが、多分次がアンドロメダ銀河、他に亜鈴状星雲、三日月星雲とかにいったと思います。例によって講演中の写真が全然なく、サイトロンのスタッフの方がその時の様子を撮影してくれた写真を頂いたので、載せておきます。

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今回の電視観望は2台体制です。私の機材は口径わずか3cmでここまで見えるという驚きを、となりではAskarの80PHQで、こちらは口径も十分で淡いものも見えるというデモです。80PHQの画像は大型プロジェクターに映していて、網状星雲の細かい模様や、FMA135では流石に淡くて映しきれないM33: さんかく座銀河を映し出したりしていました。

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集まってくれた方からは質問がひっきりなしに出てきます。すでに自分で試している方、初心者でもかなり本気でやってみたい方と、質問からその熱気が伝わってきます。そんな中に、横浜から来たという小学3年生の女の子と、そのご両親が熱心に話しかけてくれました。なんと抽選でNEWTONYが当たったそうです。最初初心者かと思ってNEWTONYとCeres-Cとか話していたのですが、どうやら「月とか惑星の次に行きたい!」とのこと。スターセンスエクスプローラー付きの鏡筒も持っているようです。ならば話は早くて、「できるだけ面積の広いカメラに予算をかけた方がいいのでは?」という話になりました。

まだまだ盛り上がっていますが、今回は20時半で終了ということにして一旦締めます。その後もM15を見たいとかでリクエストもあったのですが、80PHQのほうで終了後少しだけ映し出していました。私の方はまだまだプライベートでやる予定だったので、終了後しばらくしても残ったていた人には、「一旦出直してきてそこの中央エリアでこじんまりやります!」などと伝えて、一旦終了となりました。

シュミットでの実演が終わり一度ホテルの部屋に戻ると、妻は完全にくつろぎモード。どうも妻も少し外に出て実演を見に来ていたみたいで、開口一番「パパのところだけ人がいっぱいだったよ!一体何やってたの?」とまるで何か悪いことでもしているようかの言われよう(笑)。「今からまた行ってくる」とだけ言い残し、再び機材を持って外に出ます。


中央エリアでの電視観望

去年はシュミットでの実演で疲れ果てていて、夕食はコンビニで弁当を車の中で食べた後、力尽きて途中の道に車を止めて寝てしまい、会場にたどり着いたら0時過ぎで何もできなかったという痛い経験をしています。でも今年は実演が終わってもまだ余裕があるので、再び中央エリアに機材を持って繰り出し、今度は個人的に電視観望実演です。

機材を持ってホテルから出たところで、先の実演中に話していた小学3年の女の子と、そのご両親がちょうどホテルの部屋に帰るところでした。「これから電視観望するのですが、良かったら一緒に見ますか?」と声をかけると、即答で「はい!」とのことで、さらに夜の部にも参加することに。3年生なので眠くないか心配でしたが、「普段も夜11時頃までは星を見ている」とのことなので、全然大丈夫そうです。

まずはセッティングをしつつ、「そういえば星座ビノとか見たことありますか?星座用の2倍くらいの低い倍率の双眼鏡です。」というと、普通の双眼鏡は持っていても星座ビノは知らない様子。とりあえず電視観望の方の用意が終わり、M42:オリオン大星雲が画面に入ったとことでライブスタックしつつ、その間に車の方へ行き星座ビノを撮りに行きます。たくさんの星座ビノの入ったプラスチックケースとともに帰ってくると、ちょうどM42もいい具合にノイズが落ちています。長くスタックすると、ランニングマンも見えてくるので、みんなでその形を確認します。

さてここから星座ビノ見比べ会の始まりです。知り合いでは、いのさんとがいましたで。あとは小海で初めて会った方達です。人数分のビノは出したつもりなので、7-8人はいましたでしょうか。上板2丁目さん作のものが
  • cokin
  • Nikon
  • Canon
市販のものが多分ですが
  • 昔の白いWidebino28
  • Supere Widebino36
  • 笠井の3倍
  • サイトロンの2倍
  • SCOPETECHの1.8倍
くらいでしょうか?それぞれに特徴があって、子供だとcokinが接眼側の径が大きいので見やすく、NikonとSupere Widebino36はやはり見え方が他とは一段上というのは伝わったみたいです。Canonも負けていません。逆に3倍は、見える範囲が狭くなり星座の形がわかりにくくなるので、初心者にはやはり2倍が良さそうです。

3年生の女の子とご家族からは、星フェス終了後に「Supere Widebino36を買うことにしました」と、メールが来ました。メールには女の子のとても可愛いお礼の手紙が添付されていました。電視観望にも興味があるので、引き続きメールで機材選定とかのやりとりしています。こういった出会いも星まつりならではで、全国に星仲間が増えていきます。

電視観望はその後も続き、0時近くになってやっと片付けです。この日はあまり画像は残していませんでしたが、数少ない残っていた画像です。

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片付けがほぼ終わり、機材も車に積み込んで、もう少しだけメイン会場をプラプラしていると、Pentax一眼でSharpCapで電視観望がてら撮影をしている若い方がいました。話を聞いてみると、なんとこの方ペンタ用のASCOMドライバーを書いている方とのことで、それを使ってSharpCapで見ているというのことでした。昨晩お会いした、Pentax鏡筒で電視観望したいという方もその場にいて、一緒にSharpCapでPentaxカメラが動く様子を見ていました。まだまだ不安定と言っていましたが、自分でドライバーを書いて動かしているところがすごいです。帰ってからTwitterでフォローさせていただきました。

気づくと結構薄い雲が空のかなりの範囲を覆ってきています。0時半頃でしょうか、そのあとにキャンプサイトへと移ります。


夜中のキャンプサイトにて

キャンプサイトでは、XRAYさんはじめ、Masaさん、かんたろうさんなどが火を囲んで話しています。Masaさんとは初顔合わせすることが出来ました。Twitterの様子から20代くらいのかなり若い方かと思ったのですが、私とかなり近い年齢だということがわかりました。SNSだけだとなかなかわからないですね。いつもハンドルネームと顔と本名がぐっちゃになってしまい、色々申し訳ないことをしてしまっています。名前とか間違えて覚えていたら本当に申し訳ないのですが、どうかご容赦ください。

集まっている人の中で、特に昨年XRAさんと一緒に来ていたburamudさんと画像処理について突っ込んでお話しさせてもらいました。昨年の時点では「まだこれから始めます」みたいな雰囲気でしたが、最近はASI533MC Proまで買ったそうで、撮影にかなりのめり込んでいるようです。「ほしぞloveログ」もよく見て頂いているようで、最近撮ったバラ星雲の中心部の色出しとか、いろいろ聞かれました。撮影したバラ星雲に色が出ないと悩んでいるようなのですが、画像を見る限り赤一辺倒でなく、白っぽくなっている部分も残っているので、青の諧調は十分残っているようです。なので画像処理の問題で、出にくい青をきちんと引き出してやれば、色階調がきちんと出てくると思います。ノイズ処理がうまくいかなくて淡いところがモコモコしてしまうという話もしました。それでも色々話していて、若い方は1年でものすごく成長するというのを実感しました。

すこし晴れてきたので、かんたろうさんがM42を導入しようとしたのですが、ファインダーもすでに片付けてしまったとのことで導入できず断念したようです。ここで私もそろそろ眠くなってきて、明日の帰りの運転もあるので、そろそろホテルに帰ることに。時間は午前1時20分くらいでした。


2日目まとめ

2日目は講演を含めて超盛り沢山でした。書ききれていないこともたくさんあります。多くの星仲間に会っていますが、ほんの一部の方しか登場して頂いていません。新しい星仲間との出会いもたくさんありました。今回はとても充実した星フェスになりました。

さて、次の記事は3日目についてです。



今年も長野県の小海町で開催された「星と自然のフェスタ」に参加してきました。昨年はこんな感じでした。



今年は11月11日(金)から13日(日)までの3日間ですが、金曜は昼間は会場設営で、夕方から「古スコ懇親会」と呼ばれる古い望遠鏡を持ち込んでの参加者と関係者の懇親会があります。なのでメインは土日、特に土曜の夜が星を見ながらのフェスとなります。


今回の星フェスの目的

前回はコロナ明けでの久しぶりの星まつりということで、人に会うことが大きな目的でした。今回の目的は、少し前の記事でお知らせした通り、やはり電視観望の講演が大きいのかと思います。

 

今回の講演は昨年の星フェスの時から頼まれていて、夏くらいに正式に依頼されました。何の話をするか色々考えていたのですが、やはり電視観望が広まりつつあり、まだまだやり方を聞きたい人もたくさんいるだろうということで、電視観望をターゲットにしました。

当日の講演の準備のこともあるので、今回はリエックスホテルの部屋をとってもらいました。ホテル泊で、しかも大好きなシャトレーゼ系列のホテルとなると妻も興味が湧いたようで、ツインルームとのことなので、今回は妻も一緒に参加することになりました。


出発

金曜日は休暇を取り、昼前に出発することにしました。

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土曜からでもよかったのですが、土曜午後に電視観望の講演があり、土曜午前の移動だと何かあったら時間的に厳しいそうなので、準備などに無理がないように金曜から泊まることにしました。星歴があまり長くない私としては、古スコ懇親会はせっかくなので参加させてもらおうというくらいの動機です。

富山インターから上越JCTで上信越道に入ります。途中小布施SAで昼食。小海会場には16時前くらいに到着し、すぐにホテルにチェックインしました。

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外のメイン会場では準備が着々と進んでいました。

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古スコ懇親会

古スコ懇親会開始予定の17時前くらいに、ホテル内の会場にいきます。久しぶりに会う星仲間との会話がはずみますが、懇親会が全然始まりません。聞くところによると、東京方面からの高速の佐久IC手前くらいで事故があり、通行止めで一部到着していない人がいて、18時開始に変更されたとのことです。

18時になり懇親会の開始ですが、やはりまだ到着していない方もいるようです。それでも何人かの方からの挨拶があり、立食形式で懇親会が始まりました。途中、Vixenの方達がかなり遅れて到着していました。後で少し話したのですが、遅く到着てもきちんと食べることが出来たのとことです。懇親会では軽食のみと聞いていたのですが、食事がとても美味しくて余るほど量がありました。どうもホテルのブッフェのメニューと重ねているようで、そのため様子を見ながら量が調節できていたようです。

食事をしながら、参加者のうちの30人くらいに機材自慢を順にしてもらっていました。例えばutoさんは2.5cmの手作りの反射望遠鏡で、モデルのパロマー天文台のヘール望遠鏡のスケールに合わせて人間の模型が置いてあったりします。
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ピンクのVixenの望遠鏡が可愛いくて、オーナー様によると知り合いの小学生の女の子に大人気だそうです。すごくきれいに塗れているなと思ったら、ラッピングだそうです。この方法はいいかもしれません。
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銀河鉄道の夜に出てきた(と思われる)望遠鏡が紹介されたり、
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ダウエル社の復活?記念グッズと、なんと当時の看板が披露されました。
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私はというと、スーパーチビテレと当時の物議を醸した天文ガイド1980年6月号と8月号を展示し、一部の人の強烈な興味を惹いていたようです。
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夜のメイン会場

懇親会の最後に記念写真を撮り、そのまま流れ解散で一部の人は外のメイン会場へ星見に。私も一旦部屋に戻り妻に「遅くなる」と断って、その後メイン会場に行ってみると、中央にいくつもの望遠鏡が並んでいて、多くの人が集まっていました。この日は昨年よりも全然寒くなく、かなり快適でした。ドブソニアンをいくつか覗かせてもらいましたが、木製の縞がかなりの本数見えるなど、シンチレーションが非常に良かったのが印象的でした。Nickさんのナイトスコープは相変わらず強烈です。月夜で三日月星雲がごくごく普通に見えていました。

そんな中、八王子からいらしている方が、電視観望をしていました。1分露光でライブスタックして、天体写真に仕上げるとのことです。月がかなり明るく出ていましたが、アンドロメダ銀河がきれいに出ていました。同じ場所でもう一人話している方で、長野の上田市から来ていると言っていましたが、電視観望に興味があるとのことなので、私も電視観望セットを出すことにしました。ただ、時間的に温泉に入れなくなりそうなので、「一旦温泉に行ってから始めるので、少し時間がかかるかもしれません」と伝えておきました。

部屋に戻ってそのままお風呂セットも用意して、すぐに温泉に向かいます。私は熱いお風呂が苦手なので、温泉に行ってもいつも短時間ででしまいます。この日も15分くらいのカラスの行水で、(楽しみの一つの)恒例のアイスを2本食べてます。その後部屋に戻り、すぐに機材を持って再びメイン会場に行きます。

先ほど話した方もまだ残っていて再会できたので、早速説明しながらの電視観望セットアップです。機材は最近定番のFMA135とUranus-CをAZ-GTiに載せたもの。フィルターはCBPを使いました。この日見たのは4つです。最初はM31アンドロメダ銀河。
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次はもう十分登ってきているM42: オリオン大星雲です。
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ここら辺まではまだ明るい天体なのですが、次の馬頭星雲は、口径3cmの鏡筒でこの月明かりでここまで出るのはかなり驚いていたようです。しかも月がかなり明るく、オリオン座のかなり近くにあります。
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話してみると、「ほしぞloveログ」をよく読んでいてくれているようなのですが、電視観望といってもいいところだけを見せていると思っていたようでした。「いえいえ、いつもよく見えますよ」と話して、ここまで見えるのなら「今後カメラをどうするか」とか色々話し込みました。星歴は私なんかより遥かに長く、持っている鏡筒がPentaxの75SDFHで、アイピース口をアメリカンサイズにするのが大変なようです。カメラもPentaxらしく、それが使えないかとも話していました。

最後、どこまで見えるかということでM33に挑戦してみました。流石に淡く、ライブスタックでかなり露光してやっと腕の構造がわかるくらいです。月明かりだと口径3cmの限界がここら辺なのかもしれません。あ、でもCBPはつけっぱなしだったので、外すともう少しマシになるかもしれません。
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0時近くなって、明日の講演のこともあるのでそろそろ退散することにしました。でも電視観望について色々納得できたみたいで、満足してもらえたようです。この日しかチャンスがないということでしたが、結局次の土曜の夜も来てくれて、また色々話すことになるのでした。

この日はこれでホテルの部屋で就寝です。続きは次の記事で。




先日シュミットさんに立ち寄った際に、ラッキーなことに生ブラック☆パンダさんにお会いすることができました。その際なんと「面白いものを作ったので是非試してみてください」とNEWTONYの接眼部に取り付けるヘリコイド方のピント調整装置を手渡されてしまいました!


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休日前の月が出ている日で、雲もありましたが、夜中から晴れてきたので、手持ちのNEWTONYで少し試してみました。


テスト機材しょ

機材ですが、まずは教育用ニュートン反射望遠鏡の「NEWTONY」。これにCMOSカメラとしてCeres-Cに取り付け、架台のAZ-GTiに載せます。
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そもそもNEWTONYは接眼部の中奥深くにカメラを入れ込まなければならないために、通常のCMOSカメラにノーズアダプターを付けただけではピントが出ません。Ceres-Cは1.25インチの円筒型のカメラのためにアイピース口の奥に入れ込むことができるために、NEWTONYにとっては数少ないピントが出るカラーカメラとなっています。円筒タイプのCMOSカメラですが、

モノクロタイプはPlayer Oneでもいくつか


ZWOでもいくつか


カラータイプは他にQHYCCDからいくつか出ています。


Ceres-Cも含めてほとんどのものがガイド用カメラとか、惑星用カメラとか謳われているもので、センサー面積が小さいものが多いですが、電視観望に利用することが可能です。実際にはカラーの方が楽しいかと思いますが、Hαフィルターなどを利用して、モノクロでコントラストよく見るという手法なども考えれられると思います。


そもそもの問題点

これらのカメラをNEWTONYで使うときに問題となるのが、接眼部の固定方法です。コストを抑えるためだと思いますが、接眼部はねじ込み式になっていて、そのねじ込み具合でピントを調整します。問題は二つあります。
  1. ねじ込む際にカメラが回転してしまうこと。
  2. ねじが緩いので、途中のねじ込み状態ではカメラがグラグラしてまうこと。
これらの問題のために、NEWTONYでの電視観望ではピントを合わせるのがなかなか大変で、その回避策として私はネジのところに輪ゴムを巻いたりしてぐらつき具合を軽減して使用していました。
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今回、この部分を新しいヘリコイド型のピント調節アダプターで置き換えてみます。
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星を見てみる

その後、CMOSカメラを取り付けて、実際に星を見てみます。まず、ピント合わせ時に視野が回転しないのが圧倒的に楽です。というか、さすがヘリコイドです。ガタつきがほぼ何もないので、PCの画面を見ながらかなり微妙な調整が効き、ピント合わせがこれまでより遥かに遥かに楽になりました。

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画面を見ながら調整すると、これくらいはすぐに出ます。
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その後、電視観望のためにフィルターをつけて試してみたくなりました。ただしブラックパンダさんによると

作った後から気づいたのだが、フィルターをつけるとピントが出ないかもしれない。

とのことです。え!、本当なのか?もしそうならとても惜しい!?これは実際に自分で試さなくては。

と言うわけで、実際にCBPを取り付けてみます。
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カメラ先端が5mmほど長くなります。ヘリコイド内部の径が先端で小さくなっているところがあり、そこでつっかえてしまうので、やはりその分カメラが接眼部の外側に出てきてしまいます。

さて結果はというと、やはりフィルターアダプターの厚みのためにカメラが奥まで入り切らずに、ピントが出ません。下の写真くらいが限界でした。かなりずれたのがわかります。
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Ceres-Cはセンサーの前にねじ込み式の保護ガラスがついているのですが、それを外してCBPフィルターを取り付けてみました。
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ただし穴のねじ径の方が大きいため、ねじ込みで固定は出来なくて、セロテープで貼り付けて固定して試しました。テープですが、最初マスキングテープでフィルターアダプターの両側を留めましたが、テープが厚すぎて接眼部の中に入って行きませんでした。セロテープも両側で止めると多分厚すぎなので、片側だけの固定で試しました。

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さて結果はというと
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少しマシになりましたが、やはりピントが合うところまでいきません。

その後、CBPをアダプターから外して、フィルターのみテープで固定しようとか思ったのですが、流石にここまでくると初心者に薦めることはしない方がいいと、この時点で思いとどまり、今回は泣く泣く諦めることにしました...。


ついでに電視観望

ちょっと悔しいので、上記セットアップでフィルター無しで少しだけ電視観望をしました。

M42: オリオン大星雲、約3分40秒
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馬頭星雲と燃える木、約3分
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ウルトラの星がある(笑)M78星雲、約7分
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コーン星雲ですが、30分かけてかろうじて形が見えるくらいでしょうか。
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フィルターなしでもこれくらいは見ることができます。でもやはり、QBPやCBPなどのフィルターを入れるともっと見えるようになるかと思います。改良版に期待です。でもブラックパンダさん確か「100個くらい作ってしまった。」とか言っていたのでどうなることやら...。アイピースで見る分には影響ないので、眼視ユーザーに売れてくれればいいのですが。


まとめ

NEWTONYの接眼部をヘリコイドタイプに変えて電視観望を試してみました。ピント合わせはこれまでよりはるかに楽になりました。ただ、電視観望目的だとやはり光害防止フィルターを入れたいのですが、ブラックパンダさんが言っていた通り、今のままだとカメラが入り込まずにピントが出ません。ここら辺を改良していただけると、NEWTONYユーザーで電視観望をしている方には相当な朗報だと思います。

いつもユーザー目線で独自商品を開発してくれるサイトロンさんは素晴らしいと思います。今後もどうしても期待してしまいます。







先月8月の定例観望会は雨で中止となってしまったため、7月の観望会以来2ヶ月ぶりの定例観望会になります。ただし、8月はペルセウス流星群の観望会が飛騨コスモスであったので、毎月行っていることにはなります。


機材準備と車への詰め込み

2022年9月24日(土)は3連休の中日で台風が来る予想でしたが、途中から予報が変わり午後から晴れるとのことです。しかも次の日曜も晴れということなので、新月期なこともあり撮影の準備もすることに。

朝から撮影対象を考えていました。暗い北の空を利用することと、観望会後なので最長でも6時間くらいで、そこまで長時間では撮れないこと。ナローバンドは自宅でもできるので、できればRGBで撮影できることなど、いろいろ考えてアイリス星雲のリベンジにしました。SCA260で撮影をしようと、CGX-Lも載せたのでもう車の中はこれでもかというくらい荷物で一杯です。他に持って行ったのは来てくれたお客さんが自分で触れるようにSCOPTECHの屈折、惑星用にC8とCGEM II、電視観望用にFMA135+Uranus-Cと50mmと35mmにASI294MC、予備でFS60CB、あとは星景用に18mmレンズと6Dです。

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座席も運転席以外は全て埋まってしまい、もう一箱も荷物を詰め込めません。本当はさらにTSA120を持っていきたかったのですが、流石に全く入りません。

この日は14時過ぎに自宅を出ました。実は8月に「天文ドームが不調で動かなくなってしまった」と聞いていて、調子を見て欲しいと言われていたため、早めに到着して様子を見ることにしたからです。

途中コンビニでサンドイッチとおにぎりなど買い込みました。昼食はしっかり取ったのでこの時点でお腹は空いていませんでしたが、夕食の時間に簡単に食べられるようにという目的です。


ドーム修理

15時過ぎに飛騨コスモスに到着。富山を出た時にはまだ雨が降っていましたが、天気は途中から徐々に良くなり、到着時には7割方青空が見えていました。

早速ドームの様子を見ます。どうやらドーム屋根の回転が全くできないようです。窓部分の上下開閉は特に問題ないので、電気系が全滅とかではなさそうです。

回転周りの電源から順に見ていきますが、モーターのところまできちんと電圧が入っていることが分かりました。それでもモーターはピクリともしないので、結論としてはモーターの故障です。

ただしモーターを外すのが結構大変で、型番を確認するのにも一苦労でした。やっとモーターとローラー部がどうドームに固定されているかと、ドーム側へローラーを圧着する方法まで理解して、うまく取り外すことができました。

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型番から確認すると、モーターとギヤボックスからなっているようで、おそらくギヤボックスはそのまま使えるはずなので、モーター部だけ発注し次回の観望会の前に交換してみます。

修理の途中でかんたろうさんが到着。私もちょうど終わるところだったので、後片付けだけして外に出ます。到着時より曇ってますが、下層の雲で流れも速いためまたすぐに晴れるでしょう。


機材セットアップ

この時点でまだ17時くらいなので、のんびり機材を出し始めます。最初に撮影用のSCA260とCGX-Lをセットし、ついでC8とCGEM IIもセット。その頃には北極星も見え始めていたので、そのまま両方ともSharpCapで極軸調整です。

星も見えてきたので、ここで星座ビノの比較テストをしました。先週の「星をもとめて」で手に入れたSuper  WideBino36がどれくらい見えるか知りたかったためです。豪華5機種での比較ですが、かなりハイレベルで、驚きの結果でした。詳細は別の記事で書きます。


やっとお客さんが

暗くなりかけてるのに、スタッフもお客さんも全然来なくて心配になりましたが、19時前くらいでしょうか、やっとスタッフのSDKさんとSTさんが到着。どうも高山方面が全面曇りでお客さんが来ないかもということでした。でもここ数河高原は晴れているので、SDKが何人かに電話してしばらくするとやっと何組かのお客さんが到着しました。

飛騨コスモス天文台では、来てくれた子供に天体写真を印刷したものを配っています。私の拙い写真なのですが、子供はとても喜んでくれます。20種類くらいある中から選んでもらうのですが、アンドロメダ銀河と土星が大人気のようです。ちょうどアンドロメダ銀河を選んでくれた子がいたので、その子の一家と星座ビノでアンドロメダ銀河探しです。

お父さんはすぐに見つけることができましたが、お母さんがかなり苦労をしていました。裸眼では見えるのに、星座ビノだと見えないというかなり特殊な例です。おそらく目がかなりいいのと、星座ビノのピントが合わせられないのが問題なのかと思いますが、その後もずっと星座ビノと格闘していました。

子供が7歳と5歳の男の子で、二人とも星座ビノが少し難しそうだったので、SCOPTECHでお父さんに木星を入れてもらうことにしました。私も少し手伝いましたが、無事に木星が導入され、子供たちも見ることができていたみたいです。お母さんはその時もずっと星座ビノと格闘中。「焦らずじっくり試してください」と声をかけておきました。星座ビノで星の数は増えているそうなので、ピントは合ったようです。

その後、SCOPTECHで土星も導入したり、C8でも木星や土星を導入したりして楽しんでもらいましたが、この頃になるとお母さんが「やっと見えたかもしれない」とボヤーっとしたアンドロメダ銀河をわかってもらえたようです。


前回のクイズの答え合わせ

この日はお客さんは4−5組だったでしょうか。その中に8月のペルセウス座流星群の観望会の時に「惑星はなぜ惑う(まどう)という漢字が当てられているのでしょうか?」というクイズを出し、宿題にするので考えてきてくださいと話した家族が、今かも再び参加してくれていました。

答えは恒星と違い、年周運動から差が出るからなのですが、家族みんなで調べてくれたようで、自分の言葉で子供もお父さんも説明してくれました。色々調べるためんみ星の本とかも増えたとのことで、とてもいい傾向です。このまま星の世界にどっぷりとハマってくれるとさらに嬉しいのですが(笑)。

せっかく惑星のことに興味を持ってくれたので「チ。」をオススメしておきました。少し前に完結したばかりで、全巻通して楽しむことができます。お父さんが「大人買いする」と言っていました。


今月のクイズ

他の家族にですが、今回もクイズを出しました。ちょうど「すばる」が東の地平線あたりのまだフェンスにかかるくらいのところに昇ってきたときです。

今回のクイズは「あのすばるは、1時間に何度動くでしょう?」です。みんななかなか答えは出てきません。最初のヒントです、「あのすばるが空の真上まで登るのに何時間かかるでしょう?」と聞くと、お父さんは少しピンときたようです。さらにヒント「あの東の地平線にあるスバルが、西の地平線に行くのに何時間かかるでしょうか?」これでお父さんからすぐに答えがでました。半日、すわなち12時間で180度回るので、180割る12で、1時間あたり15度ですね。2時間で30度もすぐに分かりますし、6時間経つと90度で天頂まで行くこともお母さんもすぐに理解してくれました。

では第2問です。「今月の観望会ですばるが地平線近くに見えました。来月の観望会で全く同じ時間にみたら、すばるはどこにあるでしょうか?」というものです。これも一年間で元の位置にもどることから、360度を12ヶ月で割ってひと月で30度進むことがすぐに理解してもらえました。

お母さんが「昔に習ったことだけと忘れていた」と言っていましたが、「覚えていなくても、考えればすぐに出てきます。地球が一日一周することは子供でも毎日実感していることですよね。」と言ったら妙に納得しているようでした。

さて今回のクイズのネタのすばるですが、星座ビノと、三脚に固定した双眼鏡でもみてもらいました。ついでに双眼鏡でアンドロメダ銀河も。手持ちで見てもらうと導入がかなり難しく、どうしても揺れてしまうのですが、固定していると誰でも見ることができます。すばるやアンドロメダ銀河は双眼鏡だとかなり迫力が出ますね。


電視観望

かんたろうさんが45cmドブソニアンでお客さんにいろいろ見せているので、私も電視観望で同じ天体を見てもらうことに。最初はM27亜鈴状星雲星雲です。

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すでに眼視で見ている方が多かったために、ものすごく反応がいいです。色がついて見えることにも驚いていました。さらにFMA135の小ささにもみなさん一様に驚いていました。カメラはUranus-Cで「高性能カメラのおかげでこんな小さな望遠鏡、と言ってももう望遠鏡と言っていいのかも分かりませんが、星雲や星団をここまで綺麗に見えることができます」と説明します。

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他にもM8干潟星雲とM20三裂星雲、網状星雲などを見ました。でもその後小雨がぱらついてきたので電視観望機材を中心に一部撤収となりました。


終盤

その後、星座ビノを片付け、C8に蓋をして、SCA-260を片付け、CGX-Lのウェイトまで下ろした時点で天気がある程度回復してきました。CGX-Lは極軸を取ってあるのでもう少しキープです。

ScopetechでスタッフのSTさんが惑星の導入を試みていたのですが、2つ穴での導入に手間取っていたので、光学ファインダーをセットし直して木星、土星を入れやすくしたり、C8で火星やアルビレオを火星、アルビレオを導入して見てもらったりしたのですが、もう22時過ぎです。ここら辺でほとんどのお客さんは帰っていきました。
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いつのまにか最近は毎回参加の富山の中1にMちゃん親子と、うちの奥さんの知り合いのU一家4人も来ていました。かんたろうさんは相変わらずいろいろお客さんにみせてくれているようで、私もいくつか見せてもらいました。


撮影はどうなったか?

この日は基本的に南と東がよく晴れていたのですが、23時半頃からでしょうか、やっと北の空が晴れてきてこの日の目的のアイリス星雲のあたりも星が見えてきました。再びSCA260を赤道儀に載せてセットアップです。極軸だけは残してあったので、セットアップはまだ楽でした。撮影を始めたのですが、B(ブルー)を5枚撮ったところでまた北側だけ雲が出てきました。この時点で撮影は諦め、撤収を始めます。


オリオン大星雲にも眼視で色がついた!

その途中でM42オリオン大星雲が登ってきて45cmドブで見せてもらいます。するとトラペジウムあたりに明らかに色がついて見えます! かんたろうさんは緑と言っていましたが、私には青みがかって見えます。その上の羽のところが色がついているかどうか、いまいち確証がありませんが、私にはオレンジっぽい色がついているような気がしましました。ちょっとハッブルパレットに似たような感じでた。

青っぽいのは少なくとも色がついていたのは確実でしょう。羽の部分はまだ確証がないです。でも少なくとも前回のM57に引き続いてM42にも色がつくことは納得しました。

色としてはM57の方がはっきりしていたと思います。M42の羽の部分のオレンジっぽいのより、M57の周りのオレンジの方が一瞬でしたがはっきりしていたと思います。


帰宅と次の日

午前1時半頃でしょうか、もう残っているのはかんたろうさんと私のみです。ここで前日の朝11時頃に朝昼ごはんを食べてから何も食べていないことを思い出し、ものすごくお腹が空いていることに気づきました。かんたろうさんも食事をはじめたので、私もコンビニで買っておいたサンドイッチとおにぎりとおやつを一気に食べました。その後、午前2時少し前に帰路につきました。3時頃に自宅に着き、そのまま何も片付けにベットに入りバタンキュー。

次の日曜日は朝9時半頃に起きて車の中の機材を片付け、休日の楽しみコメダ珈琲に行ってブログ書きです。
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実は朝郵便ポストを見たらかんたろうさんから封筒が。そういえば星もとで財布を車に置いてきたというので夕食代を立て替えておいたのでした。でもそんなことすっかり忘れていて、思い出したかんたろうさんが帰り道にポストに入れておいてくれたようです。この軍資金をもとに、少し贅沢して初めての「ミニ」でない方のシロノワールを注文しました。流石にフルムーンバーガーとシロノワールでもうお腹いっぱい。昨日の夕食がコンビニの簡易食だったので、まあよしとしましょう。

そういえば、観望会のお客さんの何人かにこの「ほしぞloveログ」のことを話しました。見つけてくれたでしょうか?右の「場所」の中から「数河高原」を選ぶと、過去の飛騨コスモスでの観望会の記事が出てきますので、よかったら読んでください。観望会の感想など、よろしければコメントもお待ちしています。


Vesperaを借りることができました

電視観望関連の評価で一体型のものを一度触っておく必要があり、今回サイトロンさんにVesperaかStellinaをお借りできないかお願いしました。「Vesperaならすぐに手配できます」ということですぐに送ってきて下さいました!ものすごく素早い対応、本当にありがとうございました。その後なかなか晴れなかったのですが、やっと少し晴れた日があり、試用してみました。

今回の目的は、一体型の電視観望機器を触って感触を得ること、これまでの電視観望とどう違いがあるのか比較することです。そういった意味では今回十分なインパクトを味わうことができました。アマチュア天文の視点になりますが、レポートしてみようと思います。


Vesperaについて

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実際の送付は、さらにこの外側の段ボール箱に上記の箱が入っています。

Vesperaはフランスのvaonis社が開発している一体型の電視観望望遠鏡です。本国フランスではすでに発売されているようで、おそらくUS$だと思いますが、2022年9月現在$2499となっています。日本ではサイトロンが取り扱う予定になっていて、発売開始は以前は今夏とのことでしたが少し遅れているようで、現在は発売時期、価格ともに未定になっているようです。

日本ではまだ未発売ですので、今回はVesperaの導入を考えている方や、純粋にVesperaに興味がある方を念頭に、使用感、使い勝手、ファーストインプレッションなどを中心に書いていきたいと思います。


開封

箱を開けると、本体(鏡筒、経緯台含む)、専用のコンパクトな三脚、電源関連、専用の水準器が入っています。
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本体以外の中身はこんな感じ。

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マニュアルの類は何も入っていません。とりあえず見た目ですぐにわかる三脚を組み立て、本体を載せてみます。本体の形を見てもわかるとおり、とてもスタイリッシュでシンプル、かなりかっこいいです。重さも5kg程度と、子供でも十分運べるくらいの重さです。


組み立てはとても簡単

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ぱっと見LEDがあるくらいで、押しボタンとかもなく、それ以上はよくわからないのでマニュアルを「vespera manual」で検索して探してみます。

すぐにここからリンクが見つかります。どうもヘルプページも充実しているようです。こちらはそのリンク先でマニュアル直リンクになります。

但し、マニュアルといっても本体機械の説明マニュアルで、操作そのもののことはほとんど書いていません。それでも重要な、電源の入れ方とアプリのことが書いてありました。電源ボタンは本体横にあるリング状のLEDのところの真ん中で、押すタイプのボタンではなく、タッチするタイプのボタンでした。

電源オン 

実際に電源を入れてみます。本当にこの部分を触るだけです。

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アプリで操作

アプリは「Singularity」という名前で、App SgtoreやGoogle PLAYで手に入れられるということもわかりました。「Singularity」という名で検索すると他にもいろいろ出てきたので、「Singularity vespera」と検索するとすぐに出てきました。

私は最初大きい画面がいいのかと思い、iPad Proにダウンロードしましたが、WiFiをVesperaに繋ぐ必要があり、インターネットに繋げなくなってしまい、天気など一部情報が見えなくなってしまうので、途中からiPhoneにして、Vesperaとインターネット接続を併用しました。

最初ユーザー登録をする必要があります。その後WiFi経由でVesperaと接続し、Initializationをします。本体マニュアルに
  • Initialzation
  • Object choice
  • Pointing and settings
  • Observation
  • Saving and sharing pictures
の5つのステップを踏むと書いてあったので、見通しがたちました。


設置

Vesperaを外に設置する際には、空が広くひらけている場所を選ぶべきです。初期アラインメントの時に、適当な方向を向くのですが、向いている方向に山や建物など障害となるものがあり星が見えないと初期化が完了しません。

さらに、水平を取る必要があります。付属の水準器を本体のバッテリーケーブルを指すところに取り付け、本体が水平になるように三脚の端部のネジを回して脚の長さを調整します。これは電源を入れる前にやっておいた方がよくて、うまく水平出しが終わってから電源を入れて、次のInitializationに進みます。


いよいよ操作、最初は初期化

Initializationはボタンを押すだけで基本何もしなくていいです。
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Vespera本体が動き出し、鏡筒部が上を向きます。
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その過程で、ピントもフォートフォーカス機能で自動で出してくれます。
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数分も待っていると準備完了。これで天体を導入してみることができます。拍子抜けするくらい簡単です。
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初トライはM13を見てみる 

次は見たい天体の選択です。今見えるお勧めの天体がズラーっと表示されるのはいいですね。とりあえず一番最初に出ていたM13を選んでみました。右隣にはM27が出ています。天体の左上に出ている15minとかいう時間は、15分間ライブスタックしていると綺麗な画像になりますよとかいう意味です。
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M13を選ぶと、その時間の意味や高度や方角も出てきます。
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ここでOberveを選んぶと自動導入の開始です。導入の間に英語ですが、目標までの角度と共に解説が出るなど、かなりの親切設計です。
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ターゲットの方向へと向き終わり、最初の露光の間はこんな画面が出て、
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準備ができると目的の天体(この時はM13)の画像が現れます。
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上の画像は10秒露光で1ショットです。しばらく待っているとどんどんライブスタックされていきます。下は6枚ライブスタック時点です。右下の数字が6になっているのがわかります。
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ここからさらにスタックして、10分ほどしてから画像ファイルとしてスマホ上(iPhoneだと「写真」アプリに取り込まれ、普通の写真画像のように保存されるようです。)に取り出したものが下になります。そのまま取り出しただけで、手元で画像処理などは一切していません。
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これをみる限り、電視観望ついでの簡易的な撮影としては十分な画質だと思います。何も処理せずにこれだけの画像になるのなら、初心者にはかなり楽しめるのではないでしょうか。

ちなみに上の画像はjpeg撮って出しなのですが、以下のようなオプションをオンにすることで16bit TIFFで保存することもでき、後で自分で画像処理するための画像として保存することもできるようです。
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これ以降は、以下のように設定しました。
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次はM27亜鈴状星雲

次はM27亜鈴状星雲を試してみます。1ショットと
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35スタックでトータル5分50秒露光。
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保存された画像は以下のようになります。
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輝度の高いM27はかなり綺麗に見え、画像も十分鑑賞に堪えるものが得られることがわかります。


網状星雲

それでは、もっと淡い星雲、例えば網状星雲はどうでしょうか?推薦画面を見ると、60分露光すると良いと出ます。
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とりあえず今回は60スタック、トータル10分露光です。
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やはりちょっと淡いですね。自宅でノーフィルターでの画像なので、これくらいで十分納得です。

フィルターに関しては、Vesperaの場合は専用フィルターがオプションで提供されるようです。せっかくサイトロンから発売される予定なので、QBPやCBPを取り付けられるように開発などしてもらえると、日本向け製品としてかなりのアピールになるかと思います。


M57惑星状星雲

では逆に、小さいけれども輝度の高いM57惑星状星雲ではどうでしょうか?

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鏡筒が焦点距離200mmなのでかなり小さく写りますが、解像度としては十分そうです。画面上で拡大してみます。

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かなり拡大しているので、恒星も少し大きくなってしまっています。問題はM57自身が少し明るすぎることです。なんとかできないかと、マニュアルを読んでみるとエキスパートモードというのがあり、露光時間を調整できるようです
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ただしエキスパートモードでターゲットの天体を導入するのには、天体の名前ではなく、下の画面のように赤経、赤緯を直接打ち込まなくてはならないので、少し手間で、通常使用するような想定ではないようです。
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それでも試しにエキスパートモードでM57を導入し、現在の露光時間の10秒を半分の5秒とかに短くして再度M57を見てみます。50ショットのライブスタックでトータル2分10秒です。
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他のもっと短い露光時間も試してみたのですが、基本的には1ショットの露光時間を短くしてもノイジーになる方向で、SharpCapなどで言うブラックレベルを調整できるわけではないようです。ここら辺は簡単さと自由度のトレードオフで、最初のうちは不満ないかもしれませんが、Vesperaに慣れてもっと色々やってみたくなった際には、もう少し調整できるパラメータを増やしてもいい気がしました。

具体的にいうと、エキスパートモードでも天体を指定しての自動導入を可能にして、ヒストグラムを表示しながらブラックレベルとミッドレベルを調整できるようになると、ハードに手を加えることなくソフトだけで一気に見える範囲が広がるはずです。くれぐれも初心者に対する簡単さを壊すことなく、エキスパートユーザーのための拡張機能として、アプリ側をもう少し充実させていけば、息の長い製品になると思います。


その他の天体

他に見た天体を載せておきます。時間も限られていたのであと3天体です。

まず北アメリカ星雲。カリフォルニカらメキシコ部分ですね。網状星雲と同じで、大きくて多少淡いので、一部しか見えません。光害防止フィルターを入れることが可能になれば、見栄えが全然変わると思います。
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次はM17オメガ星雲です。大きさ的にも明るさ的にもちょうどいいくらいで、見応えがあります。わずか2分露光でこれくらいです。
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最後はらせん星雲です。1-2ショットでは全然出ませんが
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スタックを重ねると出てくる星雲の典型で、10分露光でも見栄えは全然変わります。
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もう少し長い時間露光すれば、かなり見応えが出てくると思われます。


一体型の操作性

この日、Vesperaを使って7つの天体を見ました。操作を進める過程はとにかく親切で、ほとんど何も迷うことがなかったです。実際のSingularityの操作も、天体を見るまでマニュアルなど見る必要もなく、箱を開けてから小一時間で観望まで辿り着けました。

これだけ親切なのは、既存の電視観望とは全く違います。これなら全くの天文初心者でもほとんど問題なく天体までたどり着けるのかと思いました。実はここら辺が味わいたかったところで、普段のSharpCapでの電視観望とどれくらい違うかと比較したかったのです。簡単だろうとはある程度予想していましたが、ここまで親切だとは。気をつけるのは水平に置くことと、ある程度空が開けたところで試すことでしょうか。空が狭いと、初期アラインメントの時に向いた方向に星がないことがあります。ホントそれくらいです。ピントも自動で合わせてくれるし、見頃な天体も紹介してくれるし、天体の解説も詳しいし、想像していたより遥かに楽でした。これなら本当に初心者でも簡単にDSOが楽しめると思います。

逆に、あまりに簡単で何も調べなかったりすることもあり得そうなので、せっかく天体を見たら、別途色々調べてみることを頭に入れておいた方がいいくらいかもしれません。そうすることでより興味が湧き、長期で楽しむことにつながるかと思います。


まとめ

初めての一体型の電視観望でしたが、想像より遥かに親切にきめ細かく作り込まれていることがわかりました。これなら天文初心者にも十分に勧めることができます。あとは販売時期と値段でしょうか。ドルでの価格を見てみると、日本での販売価格は個人で初めて買うには少し高価になるのかもしれません。それでもコンパクトかつスタイリッシュで、鏡筒やカメラ、アプリまで含めて一体設計で、全くの初心者が確実に星雲星団など見えると考えると、それだけの価値は十分にあるのかと思います。また、科学館など公共の観望会で使うために、安定した電視観望を提供するという意味では十分な効果が見込まれると思います。

今回、一体型電視観望機器の様子を実際に操作してみて、どのようなものなのかかなり細かく知ることができました。突然の申し出にもかかわらず、快くVesperaをお貸しいただいたサイトロンさんに感謝いたします。どうもありがとうございました。
 

今週9月10日土曜日の18時25分から、天リフ超会議で「電視スペシャル」が開催されます。




配信ぺーじはこちらになります。


今回、基調講演としてトップバッターで話させて頂くことになりました。

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「電視観望のこれまでとこれから」
9月10日(土)18時半~19時

私が電視観望を始めたのが2016年の8月なので、それからもう6年の月日が流れています。星の趣味を始めたのが同じ2016年の5月なので、私の星歴はほぼそのまま電視観望歴となります。

これまで電視観望についていろんなことを提案してきましたが、ここ数ヶ月「電視観望」という技術、手法、文化(?)などということについて、いろいろ考えていました。

今回の講演は、これまでのような電視観望の機材紹介とかではなく、全く新しい方向性で話そうと思っています。スライドもほとんどのページが1から作り直しで、それでもかなりの枚数になってしまいました。講演時間は30分間と他の方よりも長い時間を頂いていますですが、それでも話し切れるかどうか?

考えていることがうまく伝わるかどうか、少し心配もしています。もしかしたらすごいと思われるかもしれませんが、もしかしたら何当たり前のことを言っているんだとか思う方もいるかもしれません。それでも自分的には最近ずっと考えていることのまとめ的な話になると思いますし、またこれからの行動のキッカケ的な話になるかもしれません。

お時間がありましたら、
ぜひリアルタイムでお聞きください。


電視スペシャルなので、シベットさんはじめ多くのスペシャリストの方や販売店の方など、興味深い話もたくさん予定されています。

また、21時15分から質疑応答、22時から懇親会もあります。これらに参加したい方は、非公開のZoomでの会議形式になり、こちらのフォームから申し込む必要があるとのことです。先着90名とのことなので、ご希望の方はお早めにお願いします。
 


電視観望について聞きたいことなどある方は、この機会に是非ご参加ください。 懇親会では皆さんとお話しできるのを楽しみにしています。


それでは明後日、土曜日の夕方から、
私も期待半分、プレッシャー半分で、
今からとても楽しみにしています。

多くの方の参加をお待ちしています。
 


志賀高原天空フェス

2022年7月29日と30日に開催された長野県の志賀高原で開催された天空フェス。志賀高原といってもとても広く、今回はその中の熊の湯での開催です。実際には「天空フェスWeek」となっていて、7月25日から31日まで開催されているイベントで、リフトで山頂まで行き、そこから星を眺めるというのがメインです。元々は会場周辺に泊まっている宿泊客のためのイベントだったらしく、そのWeekの中の今回は週末の29、30日が特別イベントという位置付けになるようです。さらに、8月8日から14日までが横手山での天空フェスWeekで12、13日がKYOEIさんがスポンサーの特別イベント、9月23日、24日が山の駅でのイベントになります。

今回、私が電視観望のセミナーとして呼ばれたのも、サイトロンさんがスポンサーになっているからなのですが、そもそも天文関連の会社がスポンサーになるのも今年が初めてとのことで、そのため天文マニアにはこれまであまり知られていないイベントだったようです。

今年は今後まだ、横手山と山の駅でのイベントもありますので、参加される場合の楽しみ方の例も含めて記事にしておきたいと思います。


昼の志賀高原

せっかく志賀高原に来たので、昼間も少し楽しみます。

私が志賀高原に来たのは、まだバブル期だった学生の頃の冬のバスツアーのスキー以来。東京から夜行で長い時間をかけて移動したのを覚えています。夏に来たことはこれまでなく、今回は富山から上越JCTで上信越道に入り、信州中野インターチェンジで降り下道を30分ほど走ります。知らなかったのですが、志賀高原まで来ると草津温泉も下道であと数十kmで、関東からは草津から抜けてくる車も多いとのことです。志賀高原一帯の地名はスキーの時のものをまだよく覚えていて、一ノ瀬、焼額山、丸池、横手山など、今回の熊の湯もふくめて馴染みがあります。確かスキーの時にはローカルなバスが運行されていて、そのバスでスキー場間を移動していました。

今回夏に志賀高原に来て、ずいぶん印象が変わりました。インターチェンジを降りた中野市から国道292号線で志賀高原まで続くのですが、山に入るとどんどん標高が高くなり、志賀高原エリアにはいると沢山の池があることがわかります。丸池だとか蓮池なんかはスキー場の名前としても覚えていました。どうもこの辺り一帯が湿原エリアになっていて、池と池を結ぶ歩道が整備されているようです。さらに、サマーリフトと呼ばれる夏に運行しているリフトがあり、今回も熊の湯の丸山リフトというのを使い、200mくらい上にある高原エリアまで運んでもらいました。

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この日宿泊する予定の熊の湯ホテルです。
天空フェス会場は左の道を奥に歩いていったところです。

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ホテルから歩いて数分のところにあるサマーリフトの一つ、丸山リフトです。


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リフトを降りたところ。たくさんの登山客がいます。

リフトで上に登ると沢山の登山者がいて、多くの人が大沼池を目指します。この池はかなり奥にあり、徒歩でしかいけないようです。私はセミナーの準備も残っていたので、ここから近くの渋池まで少しだけ歩いて引き返し、帰りはリフトを使わずに徒歩で下って少しだけ山の散策を楽しみました。一緒に行った妻は4時間くらい歩いてきたようで、帰ってきたら疲れ果てていました。聞いたら、志賀山と裏志賀山に登ってきたとのこと。途中の道が狭くて細くて岩だらけだったらしく、簡単な四十八池の方に行けばよかったと言っていました。

他にも池巡りの湿原コースなどが志賀高原全域にあるようなので、昼は山歩き散歩を楽しみ、夜は星空フェスを楽しむとかで、夜だけでなく総合的に楽しむのがいいのかと思いました。


会場の下見とセミナー準備

さて、妻が登山に行っている間、私はセミナーの準備と会場の下見です。会場は熊の湯キャンプ場で、受付やセミナー会場は3階建ての建物の中です。

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まだサイトロンのスタッフも来ていなくて、キッチンカーがちょうど到着して準備を始めているところでした。キャンプ場のスタッフの方にセミナーとの下見ですと声をかけると、星を見る場所やキャンプをする場所などを案内してくれました。「よかったら山頂の星見会場も見ますか?」というので、お言葉に甘えてリフトに乗って山頂へ。

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途中景色がきれいで、風が気持ちよく最高でした。この時の天気はというと、雲間に青空が一部見えるくらいです。これくらいでもいいので、せめて夜に星が見えればとこの時は考えていました。

山頂に着くとなんとハンモックが!ここで寝ながら星が見えたら最高でしょう。この時は気づかなかったのですが、後から聞いたら下界も見えるそうで、夜になるとその光が綺麗とのことです。

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ハンモックで寝っ転がっていたら、スズメバチがまとわりついてきて退散。そのまま帰りのリフトに乗ります。ところがこれが怖い怖い...。景色が見える昼間だから一層だと思いますが、そのまま落ちていきそうな感覚でした。よく考えたら下にくだるリフトってほとんど乗ったことがなかったかもしれません。

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熊の湯では昨年からキャンプ場をオープしたとのことで、スキー場下部の芝生の広いスペースに自由にテントを張ることができます。申し込みは下の写真のようなチケット販売機でできるようです。

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この時にもすでに一張りテントが設営されていました。後で分かったのですがこのテントの方も電視観望セミナー参加者で、前日から泊まられていたそうです。

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一旦ここでホテルに戻り、チェックイン。ロビーで待っている間に、たまたま同席した旅行会社の人と話しました。この日は都心からの中学校の2年生が林間学校に来ていて、ここ一帯のいくつかのホテルに分散して泊まっているとのことです。この方、最初私のことを引率の先生と間違えて話しかけてきたようでした。でも旅行会社の人も今回の天空フェスのこと知らなかったみたいで、ちょっと意外でした。その後、本当の先生も現れ「引率大変ですね」とか話していたのですが、中学生は天空フェスには参加できないんだろうなと思うと、せっかくの機会のはずなのにちょっと残念でした。有料イベントなので仕方ないこともありますが、ホテルのエレベーターにさえ「中学校の生徒は使用しないでください」と張り紙がしてあるくらいなので、かなり行動が制限されているのかと思います。

チェックインの後、再び会場に行くと、間もなくサイトロンのスタッフさんも到着して、設営が始まります。2階はサイトロンのブースになり、天文機材や書籍、アクセサリーなどが並びます。

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セミナー会場も準備ができました。この日紹介するつもりなのが、架台がAZ-GTi、鏡筒とカメラがNEWTONY+Ceres-CとFMA135+Uranus-Cです。プロジェクターがすごかったです。真上にレンズが付いていて、スクリーンから30cmの距離で投影可能な最新型だそうです。

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スタッフと一緒にスライドを一通りチェックして、代替準備完了。一旦ホテルの部屋に戻り、30分くらい仮眠をとり、17時過ぎに会場に向かいました。


電視観望セミナー

2階のサイトロンブースの前では、お客さんが何人かいて、今日のセミナーを受講してくれるという方もいました。

話してみると、電視観望を始めたはいいがなかなかうまく行っていないとのこと。なんとかしたくて今回参加を決めたようです。まだ時間があったので少し聞いてみると、まず鏡筒がMAK127であること。MAK127は焦点距離が1500mmと長くて視野がかなり狭くなるので、初心者が導入するにはかなり厳しいと思います。カメラはNeptune-C IIを使っていて、もう少し視野を広げようとしてどこかの電視観望を説明している動画でASI482MCがいいといっていたので買って試したが、全くうまくいかないとのことでした。あのカメラはピクセルサイズが大きく、一見期待できそうなのですが、オフセットに難ありのようなので、私も結局使ったことがありません。とにかく初期導入に困っているとのことで、プレートソルブを試したいそうなのですが、こちらもうまくいっていないとのこと。聞くとこの日は自分の機材を持ってきているそうなので、せっかくだから一緒にやってみましょうと言って、PCとカメラとAZ-GTiを接続してチェックしてみました。私よりも年上の方だと思いますが、PCの設定もきちんとしてあり、SharpCapやPlayer Oneカメラのドライバー、 SynScan ProやASTAPもインストールされていたりで、かなり使いこなしているようでした。ASCOM関連もPlatformまではインストトールされていたのですが、SynScan Apps用のASCOMドライバーが入っていなかったのが原因でした。改めてインストールし、SharpCapから無事にAZ-GTiに接続もでき、その場では星が見えなかったのでプレートソルブのテスト機能を走らせただけですが、おそらくこれでうまくいくはずです。セミナーの時にも説明はしたのですが、この場でも焦点距離が短い方が楽だということを力説しておきました。

こんなことをしていると、セミナー開始15分くらい前になってしまい、急いで3階にいくと、もう何人かの方は席に着いていました。スタッフさんに聞いてみると、事前申込者が4、人当日申し込みが4人で、合計8人とのこと。平日の夕方からのセミナーで都心からも遠く離れているので、参加もなかなか難しいと思いますが、それでも8人も集まってくれてとてもありがたかったです。

それぞれどこから来たか聞いてみると、やはり関東勢がほとんどです。天体の経験が長い方もいましたが、電視観望の経験はと聞いてみると半分少々が試したことがあるけど、基本的に初心者に近く、いずれもあまりうまくいっていないとのこと。残りの半分切るくらいの人が、興味はあるので始めてみたいという方で、中には天体撮影もやっているベテランに近い方もいるようです。

せっかくの機会なので、わからないところはできるだけ解決してあげたくて「どんどん質問して下さい」と言っていたのですが、セミナーの途中に何度も、セミナーが終わってからもずっと質問が続くような状態でした。今回は有料のセミナーということで、いずれも何か解決したいことがあるというような意気込みを持って参加するような方が多く、皆さん相当熱心にでした。

最後の方の質問で、電視観望でまとまった書籍みたいなのはないかと聞かれたのですが「詳しいものはまだ存在していない」と答えざるを得ないことが非常に残念でした。セミナーの中でもサイトロンで作った「電視観望実践ガイドブック」があるとは伝えたのですが、それも読んだがやはりまだ細かいことがわからないという質問のようです。とうより、最初は何がわからないかもわからず、どこまでできるかもわからないということのようで、考えてみればそれはもっとかもしれません。例えば「SharpCapの有料版があることはわかっていて、どんなことができるようになるかもある程度わかる。でもどの機能が実際に電視観望に有効かを知ろうと思うととても苦労する」というようなことです。確かにこういった細かいことまでまとまった書籍というのは販売されていません。

私のところもブログの記事でしかなく情報が散乱しているので、何か一冊、細かいところまで手が届く書籍のようなものがあるといいのかもしれません。天文ガイドの記事もありますがやはり字数制限もあり、応用編などはどうしても紹介にとどまってしまいます。いつかどこかで、思う存分書けるような一冊を出版できたらと、最近考え始めています。

いずれにせよ、セミナーに参加していただいた方には、今回のスライドと動画を後でお渡しすること、わからないことはいつでも連絡をいただければ応えることをお伝えし、セミナーはここで終了となりました。

30分ほど休憩の後は、外に出ての実際の星空での実演です。休憩といっても用意して頂いていた夕食がわりのホットドックを急いで頬張り、すぐにそのまま機材の準備です。今回時間がなくてキッチンカー巡りができなかったのが心残りです。でもホットドックははみ出るほどの大きなソーセージとチーズがかかっていてとても美味しかったです。


電視観望実演

実演会場は、建物があるところから坂を10m位上ったところで、昼間乗ったリフトとは別のリフトの乗り場の開けたところになります。下の写真に写っている小屋に機材を入れておき、雨の時は退避させ、天気が良ければ出すというような形になります。電源もあるので、今回は大きなプロジェクターを出していました。

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20時半頃に建物の前に集合して、スタッフさんとともに上に上がる予定でしたが、20時20分にいくとすでに何人かは集まっていたので、私と一緒に実演会場まで先に移動してもらいました。ただしこの時点ではかろうじて薄い雲のところから星が見えている程度で「晴れてくれー」と願っているような状況でした。上に登って機材を展開していると、少なくとも南の低いところは星がはっきり見えてきて、さそり座がよく見えてきました。サイトロンスタッフのWさんはすでにセットアップをしていて、AZ-GTiのオフィシャルな赤道儀版とも言える、まだ発売前のSTAR ADVENTURE GTiを試用していました。鏡筒とカメラはWさんも私もFMA135とUranus-Cで、特に相談したわけでもなくかぶってしまいました。それだけ使いやすいということでしょう。

私もセットアップをはじめます。セミナーで話した通り、
  1. 三脚を調整しAZ-GTiの水平と、同じく鏡筒の水平も(水準器を置いてきてしまったので、目分量ですがある程度)とります。
  2. PCとカメラを繋ぎSharpCapで画面に何か見えることを確認します。
  3. PCとAZ-GTiをWi-Fiで接続し、 PC上のSynScan Proから操作し、初期アラインメントをします。
ところが今回珍しく深刻なトラブル発生です。初期アラインメントが全然うまくいかないのです。最初見えていたさそり座のアンタレスで全然画面に入らず失敗。一旦あきらめて、雲が晴れてデネブが見えてきたのでデネブで再度初期導入。これも画面に入らず失敗。AZ-GTiの電源を落とし、改めて水平をきちんと確認し、北も確認し、それでも画面に入らず失敗。惜しいところで入らないとかではなく、10度くらいターゲットからズレるようなので、磁北と真北を間違えたのではと思い、北極星の位置を見ながら確認しても失敗。相変わらず10度くらいのオーダーで全くずれてしまいます。合計4−5回電源を入れるところから繰り返したことになるでしょうか。お客さんがいる観望会でこれだけトラブルのは珍しいというか、ほぼ初めてのことです。一方、プロジェクターに映しているWさんの電視観望セットは絶好調で、次々と天体を映し出していきます。

流石に何かおかしいと思いますが、こういう時こそあせってはダメです。電源がおかしいかとかなど色々考え、あることに気付きました。答えは上の1から3の中にあるのですが、これだけで気付く方いますでしょうか?
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ヒントですが、実際には1から3のうちの3が問題でした。3の何が問題かわかりますでしょうか?
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これ以降答えになります。考えている方は答えをまとめてみてください。
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答えは、PCからAZ-GTiをコントロールしてしまったことがトラブルの原因でした。もう少し詳しく書くと、今回富山から志賀高原に移動して来たわけで、当然緯度経度はかなり違います。最初にスマホのSynScan Proで操作してやれば、スマホのGPS情報が自動的にAZ-GTiに転送されるのですが、GPSを持っていないPCで接続すると過去の緯度経度情報を使ってしまいます。そのため自動導入も全然違った方向を向いてしまったというわけです。

これに気づいてから、スマホで接続して初期アラインメントをすると、これまでの苦労がなんだったのかというくらい素直にデネブが画面内に入りました。このトラブルだけで30分近くロスしてしまったので、実演としては失格です。まあ、途中手動で北アメリカ星雲を入れてライブスタックを見せていて少し場を繋いだことと、初期アラインメントができなければその後何をやっても無駄だということを身をもって示したということで、なんとかお許しいただければと思います。

ここからはこれまでの失態を挽回すべく、どんどん天体を入れていきました。M27を自動導入し実際の電視観望で綺麗に見えることを確認し、M57ではFMA135の短い焦点距離でも十分分解することを示します。時間があまりなくほとんど写真を撮れてなかったのですが、下は数少ない写真の一つで、M8干潟星雲と、M20三裂星雲です。

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この日の空のコンディションの良さと明るい天体ということもあり、6.4秒露光の一発であからさまに画面に鮮やかな星雲が出てくるので、セミナーの受講生も含めて、その場で見ていた方は「おぉー!」というような雰囲気でした。

この頃になると私もやっと余裕も出てきて、改めて空を見上げると全面快晴。プロジェクターの明るさがすぐ近くにあるにもかかわらず、天の川もかなりくっきりと見えていました。実は私の方が見えるようになると、今度はプロジェクターを利用しているWさんの方がトラブってて「天の川で迷子になったー」と叫んでいました。

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上の写真は終了間際の21時50分くらいでしょうか、この頃にはWさんのトラブルも解消し、プロジェクターにはM51子持ち銀河が、私のPCには網状星雲がそれぞれはっきりと見えていました。

この時点でアナウンスが流れて、22時にイベントは終了とのこと。我々もここで片付けとなりました。今回トラブルはありましたが、やはりそれでも快晴の空が全てで、セミナーだけでは説明しきれない説得力を持って電視観望の楽しさを示すことができたと思います。

結局、ちょっと楽しみにしていた夜のリフトはセミナーと実演で時間がなくて乗ることはできませんでした。その代わりに妻が夜にリフトに乗ってくれていて、後から感想をたっぷりと聞かされました。ちょうど空が晴れ渡った21時くらいにに乗ったみたいで「星が目の前に迫ってくるようで、とにかく大迫力。降りたら誰もいなくて星空を独り占めで、天の川はもう普通にはっきりと見えて、下の方にあるさそり座も全部見えた。あと、すごく大きな流れ星(火球だよと教えました)を見たよ。音が聞こえたくらい大きかった。下の明かりもすっごく綺麗。これだけでもう大満足。」とのことでした。


イベントについて

片付けも終わり、ホテル内の温泉に行くと、ちょうどサイトロンの若手のスタッフ2人と一緒になりました。昭和レトロ満載の、すごい雰囲気の温泉です。お湯に浸かりながら、多分1時間くらいは話していたでしょうか。趣味としての星のこと、アマチュア天文の将来、業界の裏話など多岐に渡り、とても楽しかったです。もちろん今回のイベントについても話しました。

その延長ではないですが、今回のイベントについて改善点も含めて、少し書いておきたいと思います。

今回参加して、過去のことも調べて少しわかったのですが、まず認識しておかなければならないのは、このイベントは元々志賀高原での夏の滞在を促すためのものとして立ち上がり、基本的には会場周辺のホテル宿泊者を想定していると思われることです。そして、天文関連の会社にスポンサーを頼んだのは今年が最初のようで、天文マニアにこのイベントの存在が届き始めたはおそらく今回が初めてだったのではということです。

その上で少し議論ですが、まずイベント参加料が2500円ということです。最初少し高いのではと思ったのですが、天文マニアの視点を外して、一般の人が参加することを想像してみます。夏休みのイベントとして高原に旅行に行き、そこで(天気さえ良ければ)極上の星が天の川と共に確実に見えるというなら、この値段もありかなという気がしました。これは妻の反応が物語っていて、リフトがやはりメインであるということです。イベント参加料にはリフト代も含まれています。しかもリフトはその時間の間は乗り放題だそうです(すみません、多分間違いないと思いますが、一応参加時に確認してください)。妻はこれまでもたまには私に付いてきて、濃い天の川も何度も見ています。それでもリフトに乗って山の上に見にいくという体験は初めて。相当迫力があり楽しかったようで、(私は夜にリフトに乗れなかったので)いまだに何度も話してくれます。都会の、普段天の川など全く見えないところから来て、リフトに乗っている時も、山頂についてからも、迫力満"天"の星を楽しめる保証をしてくれるなら、決して悪くないと思ったというわけです。

その一方、普段から光害の少ないところに遠征とかしている天文マニアにとっては、天の川はよく見ているはずなので、参加料の割にそこまで魅力とならないかもしれません。とくに今回セミナーで参加して頂いた方は、ほとんどの時間をセミナーと実演に使ってしまったので、私と同じでリフトに乗る時間はなかったのが現実だと思います。百歩譲って、セミナーに参加された方は目的があり納得済みでイベントに参加しているのでまだいいかもしれませんが、一般の方で参加してリフトに乗らなかった、もしくは乗れなかった場合です。今回も、実際に満天の星が見えたのは21頃からです。21時だと家族連れで子供が小さいとすでに厳しい時間かもしれません。妻がリフトに乗った時には誰もいなかったと言っていたので、この日実際にリフトに乗って星を見た方は、参加者全体の中でも数えるほどかと思います。リフトが運行しない場合はイベント参加料が安くなるとアナウンスされていましたが、天気が悪いとリフトが運行されている場合は実際にリフトに乗る参加者は少なくなってしまうのかと思います。もちろん天気のことなので、文句を言ってもしょうがないのは参加者も納得済みかとは思いますが、天気が悪くても楽しめるようにすることをもう少し考えてもいいように思えました。

参加する前、事前に昨年の星空フェスの様子などの宣伝の動画を見ました。もっと飲食やアクセサリー販売のブースが出ていたり、ヨガイベントやバーのようなものがあるのかと思っていましたが、あれは熊の湯ではなく他の場所で行われたものだと、現地についてやっと理解できました。動画では何がどこで行われているか何も解説がなかったので、普通に考えると自分が行く場所でも行われていると期待してしまいます。妻もビデオを見て期待していたところもあったので、少し残念がっていました。それでもリフトに乗って星が見えたので「それだけで価値がある」と言っていましたが、そうでない家族連れなどは少し物足りなかったかもしれません。これは今後大いに改善して頂きたいと思った点でした。


まとめと、帰り道

個人的には電視観望の実演のところでGPSのトラブルがあったものの、セミナーも盛り上がり、実演も最後は奇跡的に快晴と、十分楽しむことができました。次の日の朝、ホテルの朝食会場でセミナー受講生の一人と会い感想を聞いてみたら「とても楽しかった、目から鱗のことがたくさんあった」というようなことを言っていただいたので、今回の講師を引き受けた甲斐があったのかなと思えました。

帰りに、志賀高原歴史記念館に寄っていきました。元々志賀高原最初のホテル「志賀高原ホテル」のエントランス部分を残して記念館にしているところです。入場は無料で、志賀高原の丸池スキー場をベースに活躍した1956年(昭和31)のコルチナ・ダンペッツオ(イタリア)冬季五輪のスキー男子回転銀メダリストの猪谷(いがや)千春の紹介コーナーは中々見応えがありました。

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山から降りて高速のインターに向かいますが、高原から下界に降りたときの暑いこと暑いこと!気温が10度以上違ったりするので当たり前なのですが、改めて高原がいかに涼しかったか思い知らされました。

久しぶりに妻もついてきた星イベントですが、ずっとコロナでどこにも行けていなかったので、とてもいい機会でした。講師として呼んで頂いたサイトロンさんにはとても感謝しています。今後の志賀高原のイベントはさらに天文マニアが増えてくる可能性があります。これまで通りのホテル宿泊の方に喜んでもらうのはもちろん、マニアも含んだ皆さんが楽しめるイベントに発展していってもらえたらと思います。

妻もとてもいい夏休みのイベントになったと喜んでたので、今回は大成功だったかと思います。

今週末の7月29日金曜日18時30分から、

において
をすることになりました。
  • 天空フェスはリフトで標高1,960mの山頂へ行き、『熊テラス』から眼下に広がる夜景と綺麗な夜空を堪能できる星イベントです。夏休みの行事として、ご家族連れで参加されても楽しいかと思います。
  • セミナーの内容は初心者向けにわかりやすく、一般の方にも興味を引くようなものにしようと思っています。


会場はタイトルにあるように長野県の志賀高原の熊の湯キャンプ場(〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏7148)になります。

実は今回の話、有料イベントと知らずに引き受けてしまったのですが、セミナー参加料2000円の他に、イベント入場料(一部アトラクション代、保険代、リフト乗車代が含まれます。):
  • 大人:税込2,500円
  • 小学生:税込2,000円
  • 小学生未満:無料
が必要とのことです。

さらに私の講演は平日の金曜にあるので、なかなか参加しにくいかもしれません。定員20名ですが、まだ枠はあるとのことです。もし電視観望に興味があり平日時間が取れる方は、よろしければぜひご参加ください。

お申し込みはこちらから


お願いいたします。



当日はサイトロンの天文機器の販売ブースも出ますので、講演を聞いて興味が出たらその場で機材を買うこともできるようです。せっかくの機会なので、

その場で購入した機材を使って、
私Samといっしょに
電視観望のセットアップを組むことができたら

と考えています。さらに、もし天気が良ければ

実際にその機材で電視観望で星雲などが見えたら

と思います。
NEWTONY

なお、7月30日の土曜日は17時30分から
も開催されます。

こちらも合わせて、皆様のご参加を是非お待ちしています。


 

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