ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:電視観望


志賀高原天空フェス

2022年7月29日と30日に開催された長野県の志賀高原で開催された天空フェス。志賀高原といってもとても広く、今回はその中の熊の湯での開催です。実際には「天空フェスWeek」となっていて、7月25日から31日まで開催されているイベントで、リフトで山頂まで行き、そこから星を眺めるというのがメインです。元々は会場周辺に泊まっている宿泊客のためのイベントだったらしく、そのWeekの中の今回は週末の29、30日が特別イベントという位置付けになるようです。さらに、8月8日から14日までが横手山での天空フェスWeekで12、13日がKYOEIさんがスポンサーの特別イベント、9月23日、24日が山の駅でのイベントになります。

今回、私が電視観望のセミナーとして呼ばれたのも、サイトロンさんがスポンサーになっているからなのですが、そもそも天文関連の会社がスポンサーになるのも今年が初めてとのことで、そのため天文マニアにはこれまであまり知られていないイベントだったようです。

今年は今後まだ、横手山と山の駅でのイベントもありますので、参加される場合の楽しみ方の例も含めて記事にしておきたいと思います。


昼の志賀高原

せっかく志賀高原に来たので、昼間も少し楽しみます。

私が志賀高原に来たのは、まだバブル期だった学生の頃の冬のバスツアーのスキー以来。東京から夜行で長い時間をかけて移動したのを覚えています。夏に来たことはこれまでなく、今回は富山から上越JCTで上信越道に入り、信州中野インターチェンジで降り下道を30分ほど走ります。知らなかったのですが、志賀高原まで来ると草津温泉も下道であと数十kmで、関東からは草津から抜けてくる車も多いとのことです。志賀高原一帯の地名はスキーの時のものをまだよく覚えていて、一ノ瀬、焼額山、丸池、横手山など、今回の熊の湯もふくめて馴染みがあります。確かスキーの時にはローカルなバスが運行されていて、そのバスでスキー場間を移動していました。

今回夏に志賀高原に来て、ずいぶん印象が変わりました。インターチェンジを降りた中野市から国道292号線で志賀高原まで続くのですが、山に入るとどんどん標高が高くなり、志賀高原エリアにはいると沢山の池があることがわかります。丸池だとか蓮池なんかはスキー場の名前としても覚えていました。どうもこの辺り一帯が湿原エリアになっていて、池と池を結ぶ歩道が整備されているようです。さらに、サマーリフトと呼ばれる夏に運行しているリフトがあり、今回も熊の湯の丸山リフトというのを使い、200mくらい上にある高原エリアまで運んでもらいました。

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この日宿泊する予定の熊の湯ホテルです。
天空フェス会場は左の道を奥に歩いていったところです。

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ホテルから歩いて数分のところにあるサマーリフトの一つ、丸山リフトです。


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リフトを降りたところ。たくさんの登山客がいます。

リフトで上に登ると沢山の登山者がいて、多くの人が大沼池を目指します。この池はかなり奥にあり、徒歩でしかいけないようです。私はセミナーの準備も残っていたので、ここから近くの渋池まで少しだけ歩いて引き返し、帰りはリフトを使わずに徒歩で下って少しだけ山の散策を楽しみました。一緒に行った妻は4時間くらい歩いてきたようで、帰ってきたら疲れ果てていました。聞いたら、志賀山と裏志賀山に登ってきたとのこと。途中の道が狭くて細くて岩だらけだったらしく、簡単な四十八池の方に行けばよかったと言っていました。

他にも池巡りの湿原コースなどが志賀高原全域にあるようなので、昼は山歩き散歩を楽しみ、夜は星空フェスを楽しむとかで、夜だけでなく総合的に楽しむのがいいのかと思いました。


会場の下見とセミナー準備

さて、妻が登山に行っている間、私はセミナーの準備と会場の下見です。会場は熊の湯キャンプ場で、受付やセミナー会場は3階建ての建物の中です。

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まだサイトロンのスタッフも来ていなくて、キッチンカーがちょうど到着して準備を始めているところでした。キャンプ場のスタッフの方にセミナーとの下見ですと声をかけると、星を見る場所やキャンプをする場所などを案内してくれました。「よかったら山頂の星見会場も見ますか?」というので、お言葉に甘えてリフトに乗って山頂へ。

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途中景色がきれいで、風が気持ちよく最高でした。この時の天気はというと、雲間に青空が一部見えるくらいです。これくらいでもいいので、せめて夜に星が見えればとこの時は考えていました。

山頂に着くとなんとハンモックが!ここで寝ながら星が見えたら最高でしょう。この時は気づかなかったのですが、後から聞いたら下界も見えるそうで、夜になるとその光が綺麗とのことです。

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ハンモックで寝っ転がっていたら、スズメバチがまとわりついてきて退散。そのまま帰りのリフトに乗ります。ところがこれが怖い怖い...。景色が見える昼間だから一層だと思いますが、そのまま落ちていきそうな感覚でした。よく考えたら下にくだるリフトってほとんど乗ったことがなかったかもしれません。

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熊の湯では昨年からキャンプ場をオープしたとのことで、スキー場下部の芝生の広いスペースに自由にテントを張ることができます。申し込みは下の写真のようなチケット販売機でできるようです。

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この時にもすでに一張りテントが設営されていました。後で分かったのですがこのテントの方も電視観望セミナー参加者で、前日から泊まられていたそうです。

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一旦ここでホテルに戻り、チェックイン。ロビーで待っている間に、たまたま同席した旅行会社の人と話しました。この日は都心からの中学校の2年生が林間学校に来ていて、ここ一帯のいくつかのホテルに分散して泊まっているとのことです。この方、最初私のことを引率の先生と間違えて話しかけてきたようでした。でも旅行会社の人も今回の天空フェスのこと知らなかったみたいで、ちょっと意外でした。その後、本当の先生も現れ「引率大変ですね」とか話していたのですが、中学生は天空フェスには参加できないんだろうなと思うと、せっかくの機会のはずなのにちょっと残念でした。有料イベントなので仕方ないこともありますが、ホテルのエレベーターにさえ「中学校の生徒は使用しないでください」と張り紙がしてあるくらいなので、かなり行動が制限されているのかと思います。

チェックインの後、再び会場に行くと、間もなくサイトロンのスタッフさんも到着して、設営が始まります。2階はサイトロンのブースになり、天文機材や書籍、アクセサリーなどが並びます。

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セミナー会場も準備ができました。この日紹介するつもりなのが、架台がAZ-GTi、鏡筒とカメラがNEWTONY+Ceres-CとFMA135+Uranus-Cです。プロジェクターがすごかったです。真上にレンズが付いていて、スクリーンから30cmの距離で投影可能な最新型だそうです。

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スタッフと一緒にスライドを一通りチェックして、代替準備完了。一旦ホテルの部屋に戻り、30分くらい仮眠をとり、17時過ぎに会場に向かいました。


電視観望セミナー

2階のサイトロンブースの前では、お客さんが何人かいて、今日のセミナーを受講してくれるという方もいました。

話してみると、電視観望を始めたはいいがなかなかうまく行っていないとのこと。なんとかしたくて今回参加を決めたようです。まだ時間があったので少し聞いてみると、まず鏡筒がMAK127であること。MAK127は焦点距離が1500mmと長くて視野がかなり狭くなるので、初心者が導入するにはかなり厳しいと思います。カメラはNeptune-C IIを使っていて、もう少し視野を広げようとしてどこかの電視観望を説明している動画でASI482MCがいいといっていたので買って試したが、全くうまくいかないとのことでした。あのカメラはピクセルサイズが大きく、一見期待できそうなのですが、オフセットに難ありのようなので、私も結局使ったことがありません。とにかく初期導入に困っているとのことで、プレートソルブを試したいそうなのですが、こちらもうまくいっていないとのこと。聞くとこの日は自分の機材を持ってきているそうなので、せっかくだから一緒にやってみましょうと言って、PCとカメラとAZ-GTiを接続してチェックしてみました。私よりも年上の方だと思いますが、PCの設定もきちんとしてあり、SharpCapやPlayer Oneカメラのドライバー、 SynScan ProやASTAPもインストールされていたりで、かなり使いこなしているようでした。ASCOM関連もPlatformまではインストトールされていたのですが、SynScan Apps用のASCOMドライバーが入っていなかったのが原因でした。改めてインストールし、SharpCapから無事にAZ-GTiに接続もでき、その場では星が見えなかったのでプレートソルブのテスト機能を走らせただけですが、おそらくこれでうまくいくはずです。セミナーの時にも説明はしたのですが、この場でも焦点距離が短い方が楽だということを力説しておきました。

こんなことをしていると、セミナー開始15分くらい前になってしまい、急いで3階にいくと、もう何人かの方は席に着いていました。スタッフさんに聞いてみると、事前申込者が4、人当日申し込みが4人で、合計8人とのこと。平日の夕方からのセミナーで都心からも遠く離れているので、参加もなかなか難しいと思いますが、それでも8人も集まってくれてとてもありがたかったです。

それぞれどこから来たか聞いてみると、やはり関東勢がほとんどです。天体の経験が長い方もいましたが、電視観望の経験はと聞いてみると半分少々が試したことがあるけど、基本的に初心者に近く、いずれもあまりうまくいっていないとのこと。残りの半分切るくらいの人が、興味はあるので始めてみたいという方で、中には天体撮影もやっているベテランに近い方もいるようです。

せっかくの機会なので、わからないところはできるだけ解決してあげたくて「どんどん質問して下さい」と言っていたのですが、セミナーの途中に何度も、セミナーが終わってからもずっと質問が続くような状態でした。今回は有料のセミナーということで、いずれも何か解決したいことがあるというような意気込みを持って参加するような方が多く、皆さん相当熱心にでした。

最後の方の質問で、電視観望でまとまった書籍みたいなのはないかと聞かれたのですが「詳しいものはまだ存在していない」と答えざるを得ないことが非常に残念でした。セミナーの中でもサイトロンで作った「電視観望実践ガイドブック」があるとは伝えたのですが、それも読んだがやはりまだ細かいことがわからないという質問のようです。とうより、最初は何がわからないかもわからず、どこまでできるかもわからないということのようで、考えてみればそれはもっとかもしれません。例えば「SharpCapの有料版があることはわかっていて、どんなことができるようになるかもある程度わかる。でもどの機能が実際に電視観望に有効かを知ろうと思うととても苦労する」というようなことです。確かにこういった細かいことまでまとまった書籍というのは販売されていません。

私のところもブログの記事でしかなく情報が散乱しているので、何か一冊、細かいところまで手が届く書籍のようなものがあるといいのかもしれません。天文ガイドの記事もありますがやはり字数制限もあり、応用編などはどうしても紹介にとどまってしまいます。いつかどこかで、思う存分書けるような一冊を出版できたらと、最近考え始めています。

いずれにせよ、セミナーに参加していただいた方には、今回のスライドと動画を後でお渡しすること、わからないことはいつでも連絡をいただければ応えることをお伝えし、セミナーはここで終了となりました。

30分ほど休憩の後は、外に出ての実際の星空での実演です。休憩といっても用意して頂いていた夕食がわりのホットドックを急いで頬張り、すぐにそのまま機材の準備です。今回時間がなくてキッチンカー巡りができなかったのが心残りです。でもホットドックははみ出るほどの大きなソーセージとチーズがかかっていてとても美味しかったです。


電視観望実演

実演会場は、建物があるところから坂を10m位上ったところで、昼間乗ったリフトとは別のリフトの乗り場の開けたところになります。下の写真に写っている小屋に機材を入れておき、雨の時は退避させ、天気が良ければ出すというような形になります。電源もあるので、今回は大きなプロジェクターを出していました。

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20時半頃に建物の前に集合して、スタッフさんとともに上に上がる予定でしたが、20時20分にいくとすでに何人かは集まっていたので、私と一緒に実演会場まで先に移動してもらいました。ただしこの時点ではかろうじて薄い雲のところから星が見えている程度で「晴れてくれー」と願っているような状況でした。上に登って機材を展開していると、少なくとも南の低いところは星がはっきり見えてきて、さそり座がよく見えてきました。サイトロンスタッフのWさんはすでにセットアップをしていて、AZ-GTiのオフィシャルな赤道儀版とも言える、まだ発売前のSTAR ADVENTURE GTiを試用していました。鏡筒とカメラはWさんも私もFMA135とUranus-Cで、特に相談したわけでもなくかぶってしまいました。それだけ使いやすいということでしょう。

私もセットアップをはじめます。セミナーで話した通り、
  1. 三脚を調整しAZ-GTiの水平と、同じく鏡筒の水平も(水準器を置いてきてしまったので、目分量ですがある程度)とります。
  2. PCとカメラを繋ぎSharpCapで画面に何か見えることを確認します。
  3. PCとAZ-GTiをWi-Fiで接続し、 PC上のSynScan Proから操作し、初期アラインメントをします。
ところが今回珍しく深刻なトラブル発生です。初期アラインメントが全然うまくいかないのです。最初見えていたさそり座のアンタレスで全然画面に入らず失敗。一旦あきらめて、雲が晴れてデネブが見えてきたのでデネブで再度初期導入。これも画面に入らず失敗。AZ-GTiの電源を落とし、改めて水平をきちんと確認し、北も確認し、それでも画面に入らず失敗。惜しいところで入らないとかではなく、10度くらいターゲットからズレるようなので、磁北と真北を間違えたのではと思い、北極星の位置を見ながら確認しても失敗。相変わらず10度くらいのオーダーで全くずれてしまいます。合計4−5回電源を入れるところから繰り返したことになるでしょうか。お客さんがいる観望会でこれだけトラブルのは珍しいというか、ほぼ初めてのことです。一方、プロジェクターに映しているWさんの電視観望セットは絶好調で、次々と天体を映し出していきます。

流石に何かおかしいと思いますが、こういう時こそあせってはダメです。電源がおかしいかとかなど色々考え、あることに気付きました。答えは上の1から3の中にあるのですが、これだけで気付く方いますでしょうか?
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ヒントですが、実際には1から3のうちの3が問題でした。3の何が問題かわかりますでしょうか?
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これ以降答えになります。考えている方は答えをまとめてみてください。
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答えは、PCからAZ-GTiをコントロールしてしまったことがトラブルの原因でした。もう少し詳しく書くと、今回富山から志賀高原に移動して来たわけで、当然緯度経度はかなり違います。最初にスマホのSynScan Proで操作してやれば、スマホのGPS情報が自動的にAZ-GTiに転送されるのですが、GPSを持っていないPCで接続すると過去の緯度経度情報を使ってしまいます。そのため自動導入も全然違った方向を向いてしまったというわけです。

これに気づいてから、スマホで接続して初期アラインメントをすると、これまでの苦労がなんだったのかというくらい素直にデネブが画面内に入りました。このトラブルだけで30分近くロスしてしまったので、実演としては失格です。まあ、途中手動で北アメリカ星雲を入れてライブスタックを見せていて少し場を繋いだことと、初期アラインメントができなければその後何をやっても無駄だということを身をもって示したということで、なんとかお許しいただければと思います。

ここからはこれまでの失態を挽回すべく、どんどん天体を入れていきました。M27を自動導入し実際の電視観望で綺麗に見えることを確認し、M57ではFMA135の短い焦点距離でも十分分解することを示します。時間があまりなくほとんど写真を撮れてなかったのですが、下は数少ない写真の一つで、M8干潟星雲と、M20三裂星雲です。

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この日の空のコンディションの良さと明るい天体ということもあり、6.4秒露光の一発であからさまに画面に鮮やかな星雲が出てくるので、セミナーの受講生も含めて、その場で見ていた方は「おぉー!」というような雰囲気でした。

この頃になると私もやっと余裕も出てきて、改めて空を見上げると全面快晴。プロジェクターの明るさがすぐ近くにあるにもかかわらず、天の川もかなりくっきりと見えていました。実は私の方が見えるようになると、今度はプロジェクターを利用しているWさんの方がトラブってて「天の川で迷子になったー」と叫んでいました。

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上の写真は終了間際の21時50分くらいでしょうか、この頃にはWさんのトラブルも解消し、プロジェクターにはM51子持ち銀河が、私のPCには網状星雲がそれぞれはっきりと見えていました。

この時点でアナウンスが流れて、22時にイベントは終了とのこと。我々もここで片付けとなりました。今回トラブルはありましたが、やはりそれでも快晴の空が全てで、セミナーだけでは説明しきれない説得力を持って電視観望の楽しさを示すことができたと思います。

結局、ちょっと楽しみにしていた夜のリフトはセミナーと実演で時間がなくて乗ることはできませんでした。その代わりに妻が夜にリフトに乗ってくれていて、後から感想をたっぷりと聞かされました。ちょうど空が晴れ渡った21時くらいにに乗ったみたいで「星が目の前に迫ってくるようで、とにかく大迫力。降りたら誰もいなくて星空を独り占めで、天の川はもう普通にはっきりと見えて、下の方にあるさそり座も全部見えた。あと、すごく大きな流れ星(火球だよと教えました)を見たよ。音が聞こえたくらい大きかった。下の明かりもすっごく綺麗。これだけでもう大満足。」とのことでした。


イベントについて

片付けも終わり、ホテル内の温泉に行くと、ちょうどサイトロンの若手のスタッフ2人と一緒になりました。昭和レトロ満載の、すごい雰囲気の温泉です。お湯に浸かりながら、多分1時間くらいは話していたでしょうか。趣味としての星のこと、アマチュア天文の将来、業界の裏話など多岐に渡り、とても楽しかったです。もちろん今回のイベントについても話しました。

その延長ではないですが、今回のイベントについて改善点も含めて、少し書いておきたいと思います。

今回参加して、過去のことも調べて少しわかったのですが、まず認識しておかなければならないのは、このイベントは元々志賀高原での夏の滞在を促すためのものとして立ち上がり、基本的には会場周辺のホテル宿泊者を想定していると思われることです。そして、天文関連の会社にスポンサーを頼んだのは今年が最初のようで、天文マニアにこのイベントの存在が届き始めたはおそらく今回が初めてだったのではということです。

その上で少し議論ですが、まずイベント参加料が2500円ということです。最初少し高いのではと思ったのですが、天文マニアの視点を外して、一般の人が参加することを想像してみます。夏休みのイベントとして高原に旅行に行き、そこで(天気さえ良ければ)極上の星が天の川と共に確実に見えるというなら、この値段もありかなという気がしました。これは妻の反応が物語っていて、リフトがやはりメインであるということです。イベント参加料にはリフト代も含まれています。しかもリフトはその時間の間は乗り放題だそうです(すみません、多分間違いないと思いますが、一応参加時に確認してください)。妻はこれまでもたまには私に付いてきて、濃い天の川も何度も見ています。それでもリフトに乗って山の上に見にいくという体験は初めて。相当迫力があり楽しかったようで、(私は夜にリフトに乗れなかったので)いまだに何度も話してくれます。都会の、普段天の川など全く見えないところから来て、リフトに乗っている時も、山頂についてからも、迫力満"天"の星を楽しめる保証をしてくれるなら、決して悪くないと思ったというわけです。

その一方、普段から光害の少ないところに遠征とかしている天文マニアにとっては、天の川はよく見ているはずなので、参加料の割にそこまで魅力とならないかもしれません。とくに今回セミナーで参加して頂いた方は、ほとんどの時間をセミナーと実演に使ってしまったので、私と同じでリフトに乗る時間はなかったのが現実だと思います。百歩譲って、セミナーに参加された方は目的があり納得済みでイベントに参加しているのでまだいいかもしれませんが、一般の方で参加してリフトに乗らなかった、もしくは乗れなかった場合です。今回も、実際に満天の星が見えたのは21頃からです。21時だと家族連れで子供が小さいとすでに厳しい時間かもしれません。妻がリフトに乗った時には誰もいなかったと言っていたので、この日実際にリフトに乗って星を見た方は、参加者全体の中でも数えるほどかと思います。リフトが運行しない場合はイベント参加料が安くなるとアナウンスされていましたが、天気が悪いとリフトが運行されている場合は実際にリフトに乗る参加者は少なくなってしまうのかと思います。もちろん天気のことなので、文句を言ってもしょうがないのは参加者も納得済みかとは思いますが、天気が悪くても楽しめるようにすることをもう少し考えてもいいように思えました。

参加する前、事前に昨年の星空フェスの様子などの宣伝の動画を見ました。もっと飲食やアクセサリー販売のブースが出ていたり、ヨガイベントやバーのようなものがあるのかと思っていましたが、あれは熊の湯ではなく他の場所で行われたものだと、現地についてやっと理解できました。動画では何がどこで行われているか何も解説がなかったので、普通に考えると自分が行く場所でも行われていると期待してしまいます。妻もビデオを見て期待していたところもあったので、少し残念がっていました。それでもリフトに乗って星が見えたので「それだけで価値がある」と言っていましたが、そうでない家族連れなどは少し物足りなかったかもしれません。これは今後大いに改善して頂きたいと思った点でした。


まとめと、帰り道

個人的には電視観望の実演のところでGPSのトラブルがあったものの、セミナーも盛り上がり、実演も最後は奇跡的に快晴と、十分楽しむことができました。次の日の朝、ホテルの朝食会場でセミナー受講生の一人と会い感想を聞いてみたら「とても楽しかった、目から鱗のことがたくさんあった」というようなことを言っていただいたので、今回の講師を引き受けた甲斐があったのかなと思えました。

帰りに、志賀高原歴史記念館に寄っていきました。元々志賀高原最初のホテル「志賀高原ホテル」のエントランス部分を残して記念館にしているところです。入場は無料で、志賀高原の丸池スキー場をベースに活躍した1956年(昭和31)のコルチナ・ダンペッツオ(イタリア)冬季五輪のスキー男子回転銀メダリストの猪谷(いがや)千春の紹介コーナーは中々見応えがありました。

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山から降りて高速のインターに向かいますが、高原から下界に降りたときの暑いこと暑いこと!気温が10度以上違ったりするので当たり前なのですが、改めて高原がいかに涼しかったか思い知らされました。

久しぶりに妻もついてきた星イベントですが、ずっとコロナでどこにも行けていなかったので、とてもいい機会でした。講師として呼んで頂いたサイトロンさんにはとても感謝しています。今後の志賀高原のイベントはさらに天文マニアが増えてくる可能性があります。これまで通りのホテル宿泊の方に喜んでもらうのはもちろん、マニアも含んだ皆さんが楽しめるイベントに発展していってもらえたらと思います。

妻もとてもいい夏休みのイベントになったと喜んでたので、今回は大成功だったかと思います。

今週末の7月29日金曜日18時30分から、

において
をすることになりました。
  • 天空フェスはリフトで標高1,960mの山頂へ行き、『熊テラス』から眼下に広がる夜景と綺麗な夜空を堪能できる星イベントです。夏休みの行事として、ご家族連れで参加されても楽しいかと思います。
  • セミナーの内容は初心者向けにわかりやすく、一般の方にも興味を引くようなものにしようと思っています。


会場はタイトルにあるように長野県の志賀高原の熊の湯キャンプ場(〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏7148)になります。

実は今回の話、有料イベントと知らずに引き受けてしまったのですが、セミナー参加料2000円の他に、イベント入場料(一部アトラクション代、保険代、リフト乗車代が含まれます。):
  • 大人:税込2,500円
  • 小学生:税込2,000円
  • 小学生未満:無料
が必要とのことです。

さらに私の講演は平日の金曜にあるので、なかなか参加しにくいかもしれません。定員20名ですが、まだ枠はあるとのことです。もし電視観望に興味があり平日時間が取れる方は、よろしければぜひご参加ください。

お申し込みはこちらから


お願いいたします。



当日はサイトロンの天文機器の販売ブースも出ますので、講演を聞いて興味が出たらその場で機材を買うこともできるようです。せっかくの機会なので、

その場で購入した機材を使って、
私Samといっしょに
電視観望のセットアップを組むことができたら

と考えています。さらに、もし天気が良ければ

実際にその機材で電視観望で星雲などが見えたら

と思います。
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なお、7月30日の土曜日は17時30分から
も開催されます。

こちらも合わせて、皆様のご参加を是非お待ちしています。


 

恒例の飛騨コスモスの観望会ですが、前回6月はJAPOS出席のために休んでしまったので、2ヶ月ぶりになります。


久しぶりの観望会

2022年7月23日、この日の天気予報は微妙でした。そもそも早くに梅雨明けしたはずなのに、全然晴れてくれないです。予報も晴れか曇りか、時間によってころころ変わり、SCWで見てもそこそこ雲の率が高そうです。でも北の富山よりも南の岐阜の方が少しマシなようで、当日の午後に判断するに、まあ何か見えるのではないかと思い、 準備して出発することにしました。でも撮影までは無理そうなので、観望会用に電視観望セットと、子供への解放用にSCOPETECHの屈折、あとは星座ビノくらいです。

夕方、早めの簡単な食事を自宅でとり、17時40分頃に出発。途中コンビニにより、ここ2ヶ月近く評価していたSV405CCをあぷらなーとさんに送付しました。 ついでに夜食とおやつなど買い込み、富山を後にします。岐阜に入ると途中に青空も見え始めてきて、天気もなんとかなりそうです。

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到着

飛騨コスモス天文台に到着すると、すでにかんたろうさんと、富山県天文学会のHさんが来ていて、機材を展開していました。写真を撮るのを忘れてしまいましたが、かんたろうさんはYさんから譲ってもらった新兵器の45cmのドブソニアンを出しています。一方Hさんも、長いことかんたろうさんから借りていたGP赤道儀をとうとう返却し、なんとSCOPIOで手に入れたという未開封中古のEM200のTEMMA2モデルを設置してます。HさんはさらにFMA180にCeres-Cで電視観望セットも出しています。

程なくして飛騨コスモスの会のスタッフのSDKさんとSTさんが到着です。SDKさんと話すと、ドームで長年使っていた自作の口径250mm、焦点距離3000mmの鏡筒は、返却したとのことです。段ボール箱を組み合わせて箱を作って送ったそうなのですが、重さが70kgほどもあったそうです。

だんだん一番星が出る時間になってきます。STさんがものすごく目がいいことがわかりました。私は全然見えなかったアのですが、STさんはークトゥルス、ベガ、アルタイル、スピカなど次々に見つけていきます。私は途中から星座ビノを使い、やっとSTさんに追いつくことができました。STさんは老眼で遠視だからと言っていましたが、ちょっと羨ましいかもです。


Uranus-C

その後、私も機材を展開し始めます。暗くなり始めでなかなか初期アラインメントのプレートソルブがうまくいきません。そうそう、今日の電視観望では新兵器のIMX-585を搭載したUranos-Cを導入です。

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観望会ついでにいろいろテストしてみようと思っています。

目的は
  • ピクセルサイズが2.9umと小さいが、電視観望で使えるのか?
  • DPS(Dead Pixes Suppressioin)機能がどれくらい効くのか?
  • 1/1.2インチサイズはPlayer Oneのカメラの中でも最大。これでASI294MCにどこまで太刀打ちできるのか?
  • 電視観望で見た画像を保存して画像処理すると、天体写真として成り立たせることはできるか?
などです。この日使うPCにPlayer Oneの最新ドライバーをインストールし、SharpCapで認識して画像が出るところまで自宅で確認しておきました。

鏡筒はいつものFMA135、これにCBPをつけます。ASI294MCがフォーサーズで19.2mm x 13.1mm、Uranus-Cが1/1.2インチで11.2 x 6.3 mmなので、横で1.7倍、縦で2.1倍、面積で約3.5倍とそこそこの差はあります。これとFMA135で大きな北アメリカ星雲やアンドロメダ銀河がどこまで入るのか?分解能は良くなるので、例えばM57がどこまで見えるのかが興味の対象です。


楽しいお客さんとのやりとり

さて、電視観望の結果は後述するとして、うまくいかなかったASTAPでのプレートソルブですが、なぜかAZ-GTiにフィードバックすると星が認識できなくて、フィーバックしないプレートソルブのみだとうまく位置を特定できるような状況でした。もちろん、SharpCap上でのAZ-GTIへの接続はうまくできていて、矢印ボタンで動かすことはできる状況です。その後、SharpCapを立ち上げ直すと、AZ-GTiにフィードバックしてもきちんと星認識をして、ズレを直して、希望方向に向いてくれるようになりました。結局原因は不明ですが、そろそろお客さんも来始めているので、早速M27を導入し見てもらいます。

最初に来てくれたのは家族4人連れ。お父さん、お母さん、保育園の双子?の女の子です。星雲をみて最初「おおー」と言ってくれてたのですが、まだ完全に暗くなっていなかったので、星座ビノで星が増える様子を観察してもらいました。子供用にcokinとNikon、大人用に旧型のWideBinoと笠井の2倍です。子供も含めて、星がたくさん見えることを実感してもらって、さらにSIGHTRONの3倍も投入して、「交換すると見え味が違って面白いですよ」というと、家族間でいろいろ見比べが始まりました。「星座がちょうど入るくらいの星座用の双眼鏡です」と説明して「星座アプリとかで形を見て、それを実際の空でトレースするのも楽しいですよ。ここの空は肉眼でも十分星座が見えますけど、この双眼鏡を使うとさらに細かい星があることもわかります。」などというと、この星座ビノの良さが少しわかっていただけたようでした。

次の家族はお母さんと小さな多分4歳か5歳くらいの女の子と、小学5年生のお姉ちゃん。下の子が「アルデバラン」とか「シリウス」とかいうので、「すごい!よく知ってるね!」とか言ってたのですが、残念ながらこの時期には見えません。どうも昨年この観望会に参加れていて、秋や冬の星座を見て覚えてくれていたようです。「アンタレス!」というので、「あ、それならあそこに見えるさそり座の赤い星だよ」といって、今度はSCOPETECHで見てみようということになりました。お姉ちゃんは5年生ということなので「じゃあ、望遠鏡自分で使ってみようか」と、早速二つ穴での導入の仕方を説明します。勘のいい子で、すぐに2つの穴に導入することができ「じゃあここ覗いてみて」と接眼部を覗いてもらうと「入ってる!」と。ピントを合わせてもらって、妹に「お姉ちゃんが頑張って入れたやつだよ」と言って見てもらいました。

勘の良かった子なので、前回と同じクイズをしてみました。太陽が東から昇り、西へ沈むことはすぐに答えられました。でもやはり月はどちらから昇り、どちらに沈むか答えることができません。一緒にいたお母さんもわからなかったようです。でも5年生なので、地球が回っていることも知っているはずで、そのことを思い出してもらうと、すぐに月がどちらから昇り、どちらに沈むか答えることができ、「じゃああのアンタレスは?」と聞くと、すぐにきちんと「東から登って、西に沈む」と答えることができました。少しきっかけがあると頭の中ですぐに考えることができるようで、勘のいい子です。

お母さんもかなり興味があるようで、前回来たときに地球は銀河の中にあるという話をきいたとのことです。じゃあまたここで問題です。「あちらに見えている天の川の濃いところは、銀河で言うとどの向きでしょうか?」と聞くと、最初はなかなか答えられませんでしたが、冬にも銀河があること、銀河の円盤の中にいること、その円盤の中から見ると天の川が濃い薄いも含めて、全天を一周することなどを説明すると、最後は南の濃く見えている天の川は銀河の中心方向だということを答えることができました。

残念だったことは、私がそのお母さんと話していると、下の子が多分ヤキモチを焼いたと思うのですが「もう帰ろー」とか言い出すのです。「ごめんねー、難しかったねー」と言って謝っておいたのですが、なんかとても可愛かったです。


雲と共に雨が

実は天の川クイズを出していた頃には雲が出てきてしまい、天の川は見えなくなってしまっていたのですが、それどころか、霧雨のようですが明らかに雨が降ってきています。PCなどもあるのと、予報では天気は悪くなる方向だったので、私はそこで機材を撤収しました。

結局電視観望で見せたのはM27だけ、対応した家族も2組だけでした。でもこの時点でもまだ星は見えていて、Hさんもかんたろうさんも多少の雨には負けずに頑張っていました。雨がだんだん強くなってくるとじきに二人もカバーをかぶせたり、撤収したりでここで中止。お客さんも徐々に帰って行きました。

かなり雲で覆われていますが、全く星が見えなくなることなく、それでも霧雨はずっと振り続けています。この辺りはほとんど風はないのですが、おそらく山頂で降っている雨が、強い風にあおられてばらまかれているのではなどとみんなで話していました。

その後、みなさん諦めて機材を車の中に詰め込んで、少し雨も小降りになってきたので、椅子を出してまったりモードで、スタッフのSDKさんと、コーヒーを差し入れてくれたSTさんも交えて話していました。

まあここからなのですが、天文あるあるで徐々に空は快晴に!まずはHさんが我慢しきれずに機材を出し始め撮影を開始。ついでかんたろうさんが最初は120mmの屈折で眼視。私は双眼鏡でかんたろうさんのコーチを受けながら、天の川方向の星雲星団を双眼鏡で追いかけることに。


双眼鏡で見るDSO

途中方向によっては多少曇っていたりで、かんたろうさんのコーチには全然ついて行けずに、結局星座アプリで天体の位置を確かめなが落ち着いて見ることに。

まず、教えてもらったM6、M7両方を視野に入れることができ、次にM8とM20が見え、さらにバンビの横顔も確認、その上のM16、M17まではっきりと見えました。他にも星座アプリで確かめながらNGC系をいくつか見ました。双眼鏡でも明るいDSOなら十分見えるんですよね。これもまた空が暗い飛騨コスモスならではの観望会なのかと思います。

途中、白鳥座の方に移り、双眼鏡で網状星雲の「い」の字の一画目が見えたのは感動でした。残念ながら2画目は淡すぎて私での目では見ることができませんでした。

でも今日はもっと感動したことがあったのです。双眼鏡観察をしばら続けていると、かんたろうさんが「45cm出せば良かった」と悔やんだ声を出しはじめました。あまりの空の良さに、結局再度ドブも組み立てることに。ついでに私も、再度電視観望機材を出して目的のUranus-Cの評価です。


電視観望

この時点で23時半頃、月が出るまで1時間の勝負です。

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まずは最初にお客さんには見せたM27。本当は羽根が出るまでスタック時間を稼ぎたいのですが、数もかせぎたいので1対象あたり5分に限ります。

01_M27

1ショットあたりの露光時間は6.4秒ですが、ゲインを失敗して350に抑えてしまいました。ゲインは最大800まで上げることができるのでもう少し攻めてもよかったかもしれません。ASI294MCの最大ゲインが570なので、上げられるゲイン幅が23dB分の14倍くらい大きいことになります。ここら辺も回路関連の技術が上がっているせいでしょうか。また、オフセットも数値だけ見ても500まで上げることができます。実際にオフセットが上がる量も画面を見ているとわかりますが、(実用上はどうあれ)かなり大きなところまで上がるようです。

あと気づいたのが、ノイズが小さいことです!ヒストグラムを見ても、山の幅がかなり小さいです。DPSが効いているのでしょう、ホットピクセルの数もかなり少ないです。でも全くの0ではなくて、いくつか目に止まるくらいは存在しています。


次は北アメリカ星雲。今回は90度回転が合ってなくて、縦横が逆になってしまっていますが、ASI294MCの時にはペリカン星雲も込みで全景を入れてもまだ余裕がありますが、Uranus-Cではちょうど全景がぴったり入るくらいでしょうか。

02_NorthAmerica


同じようにどこまで入るか見ようとして、近くの網状星雲を入れてみましたが、なぜか全く出てきませんでした。位置が間違っていた可能性もありますが、もしかしたら大きすぎて入らなかった?とにかく時間がないのでスキップです。

同じく近くの三日月星雲です。

03_crecend

この時間、ほぼ天頂に近く経緯台の最も苦手な領域になります。少しの時間での移動に追いつくために、大きな回転が必要になるため、6.4秒毎の露出で星が流れてしまっています。

次は南の天の川を見ようとしたら、いつの間にか雲に覆われています。しかたないので秋のアンドロメダ銀河へ。こちらも大きさの比較がしやすいです。うん、FMA135とUranus-Cだとアンドロメダ銀河は画角的にぴったりですね。

04_M31

あとはどこまで分解能があるのか見るためにM57を導入します。ピクセルサイズがASI294MCより1.5分の1くらい小さくなるので、分解能は少しマシになります。それでもジャギーは見えています。
05_M57


45cmドブで衝撃的なことが

と、ここらへんで全面が曇ってきました。先のM57は雲の影響もだいぶ受けています。電視観望はこの時点で終了なのですが、実は電視観望の間、ずっとかんたろうさんの叫び声が響いていて、「(何々が)入ったよー」との招集でHさんと私は45cmドブを覗きにいきます。

今回も色々見せてくれました。M13の中心のベンツマーク型の暗黒帯とか、銀河がすぐ隣の恒星のゴーストに見えるのとか、他にも色々見せてくれたはずなのですが、M57のインパクトがありすぎて記憶が飛んでしまっています。

なんと今回M57に明らかに色がついて見えたのです!もちろんすごく淡いのですが、中心付近は青色、外に行くに従って緑色、大外枠の細いラインで少し赤っぽい色も見えていたかもしれません。青と緑については、見間違いとか、錯覚とか、偶然とかいうレベルとは一線を画します。70倍の時には色がよく見え、逆に360倍で大きく見たときには色は認識できませんでした。これは明るさの違いかと考えています。そもそも淡いので、70倍の方がより単位面積当たりの光子として情報が目に入ってくるのでしょう。さらに、後で画像で色を確認すると、中の方が青に近く、外に行くに従って緑、外側が赤なので、見た色と実際に合っています!

ところが、かんたろうさんは色はそこまでではなかったみたいです。多分一つ理由があって、私はずっと電視観望でPCの明るい画面を見ながら、呼ばれるたびにドブのところまで行っていたので、暗順応が全くできてなかったのです。PCの画面を離れてから30秒後くらいにドブを覗いていたとかいう状況でした。そのことを話すと、かんたろうさんもスマホの画面をみて暗順応を崩していましたが、あまり改善はされなかったようです。

とにかく今回、初めて目で見て星雲に色がつきました。これは2016年に星を初めて、6年越しの達成です。もともと、この星雲の色を見たいがために電視観望に走っていたようなものなので、これは私にとってはそうとう大きな出来事です。

輝度の明るい星雲、例えばオリオン大星雲とかも、この暗順応させない方法で一度試してみたいです。


とうとう撤収

午前1時頃には高層の雲が全面にかかってしまい、全体が霞んだ星空になってしまいました。東の方が少し月で明るくなってきた気もします。流石に皆さんそろそろ撤収です。私も電視観望だけだったので、すぐに片付けることができます。かんたろうさんもドブを片付け終わってます。大きさの割に出し入れがかなり早いという印象です。HさんがEM200で新しい機材のせいか、少し時間がかかってきます。私も眠気が出てきて、このままいると寝てしまいそうなので、先に帰宅することにしました。


画像処理

次の日(日曜の今日)、電視観望で5分ライブスタックで保存したM27だけ少し画像処理してみました。といっても処理に掛けた時間は15分ほどで、ライブスタックで保存したFits画像を、PCCで色を補正して、ASでストレッチ、StarNetで恒星と背景を分離して、Photoshopで簡単に仕上げただけです。

M27

たかだか5分でこれくらいにはなるので、もっと時間をかければさらに見栄えは良くなると思います。

Uranus-Cですが、心配していたピクセルサイズの小ささは電視観望でも大した問題ではないようで、十分に天体を見ることも、ある程度の観賞用の画像にすることもできそうです。というか、ノイズも小さいし、感度も悪くないし、センサー面積もそこそこ、DPSでホットピクセルも少なく、かなり使い勝手の良いカメラだと思います。Player Oneの中でもセンサー面積だけ見たら電視観望に最も向いていると言えますし、ASI294MCと比べてもホットピクセルが少ないのは明らかに利点になります。値段的には税込みで6.5万円程度。ASI294MCが税込みで10万ちょいなので、値段的にも少し差があります。

前回のSV405CCもそうでしたが、2017年に発売されたASI294MCが長いこと築いていた電視観望ベストカメラの牙城も、少しづつというか、やっと崩れ始めてきた気がします。


まとめ

天気が微妙な観望会でしたが、それでも最初の1−2時間はお客さんも星を楽しめましたし、小雨の後の快晴では双眼鏡でのDSOや、45cmのM57で色がつくなど、かなりインパクトが大きかったです。目的のUranus-Cの電視観望も時間はあまり掛けられなかったですが、ほとんどの目的は達成できました。ずっと思い出に残るような、ある意味とても感慨深い観望会になりました。

今回の記事は、SV405CCの評価の中休み的なものです。晴れ間に気軽に電視観望を試してみました。

電視観望のチャンス

2022年7月2日、天気予報が悪くてほとんど何も準備していなかったのですが、途中から予報が変わり朝まで快晴。せっかくなので、後日試そうと思っていたSV405CCでの電視観望を自宅で試してみました。ドライバーは6月13日付の最新のものにしてあります。最初のほうでASI294MCと比較していますが、SV405CCでもASI294MCでも露出時間は6.4秒、ゲインは450としています。ライブスタックでのトータル露光時間は2分の場合と10分の場合がありますが、詳細は画面で情報を見てください。

鏡筒はいつものお気軽なFMA135にAZ-GTiの経緯台モードです。フィルターはCBPです。

最近は赤道儀もそうですが、経緯台モードのAZ-GTiでもワンスターアラインメント時の初期導入で天体が入ったかどうか確認もせず、プレートソルブをかけて強制導入してサボってしまうので、とても楽です。SV405CCでもきちんとプレートソルブができ、経緯台モードのAZ-GTiにズレをフィードバックしてきちんと天体を導入できることがわかりました。

あと、今回のテストで「背景減算」のところで「グラジエント除去」を選択しています。これは結構いいです。自宅なので周りの明かりでかなりカブリが出てしまうのですが、基本ほとんど1次の補正で除去できるようです。ただし、周辺減光があると1次での補正だと補正しきれないのでうまくいかないかもしれません。周辺減光がなければ、オートストレッチで以前よりもかなり攻めることができ、実際の画像でも目に見えて改善を確認できます。


SV405CCとASI94MCで比較

初期アラインメント完了後、まずM27: 亜鈴状星雲を導入しました。この状態でSV405CCとASI294MC(プロでないほう)で比較してみます。 両方ともCBPを使っています。公平を記すために、SV405CCも冷却なしの常温とします。上がSV405CC、下がASI294MCです。
01_M27_SV405CC

02_M27_ASI294MC

SV405の方が少しピントが甘く、恒星が大きくなってしまっていますが、それ以上の違いがホットピクセルの数です。SV405CCの方がASI294MCに比べて圧倒的にホットピクセルが少ないです。拡大してみます。左がSV405CC、右がASI294MCです。
名称未設定 1
ホットピクセルの数の違いが分かります。クリックしてさらに拡大してみてください。

これくらいホットピクセルが少ないと、リアルタイムダーク補正がいらないので、かなりいいですね。この意味でもSV405CCは電視観望に向いていると言ってもいいと思います。

ところで、実際このSV405CCにはPlayer One社のDPSのような機能があるのでしょうか?SVBONYのページを見る限り、そのような記述はないようです。ここら辺は同じIMX294センサーのASI294MCから進歩しているところなのかもしれません。SV405CCのこのホットピクセルの少なさは特筆すべきで、もっと宣伝しても良いのかと思います。


続いて北アメリカ星雲での比較です。上がSV405CC、下がASI294MCです。
04_NAmerica_SV405CC

03_NAmerica_ASI294MC

後から気付いたのですが、ASI294MCの方の恒星にハロが出てしまっています。理由が不明ですが、特に雲が出ていたとか、曇っていたとかはなかったと思います。これまでこんなのは気になったことがないです。たまたまなのか、今後少し気にするようにします。

SV405CCのヒストグラムのライブスタックのピークの位置が結構右に来ているのは、輝度を挙げているからです。どうも「黒レベル」というのがASIでの「輝度」に相当するようです。最大値が255なので、真ん中近くの120としましたが、少し大きすぎたようです。

拡大するとわかりますが、やはりホットピクセルはASI294MCの方が多く、SV405CCではほとんど目立ちません。


彩度の差

実はこれまでの撮影のから、SV405CCは色が出やすいことがわかってきています。少し先取りして載せますが、前々日にM8とM20を較撮影した時のNINAの画面です。3分露光での撮影時のNINAのオートストレッチでの画像です。上がSV405CC、下がASI294MCです。

01_capture
SV405CCでの撮影時。


03_capture_ASI294MCPro
ASI294MCでの撮影時。

明らかに彩度に差があり、SV405CCの方が色が出ているのがわかります。この時点でドライバーは6月13日付の最新のものにしてあるので、ゲイン違いの不具合などは直っています。また、NINAのオートストレッチのせいかというとそうでもなく、ASIFitsViewerでオートストレッチしても同じような傾向です。

この結果から、電視観望でも彩度はSV405CCが濃くなるかと思っていたのですが、北アメリカ星雲の電視観望画像を見る限り、ではほとんど差が出ませんでした。露光時間が短いと彩度に差が出ず、露光時間が長いと彩度に差が出るということなのでしょうか?

もう一つここで述べておくべきことは、撮影時にSV405CCで出ていた青ズレの類が、電視観望の画像では有意に見えていません。

まだまだ謎は深まりますが、SV405CCは電視観望用途としては申し分ないでしょう。


SV405CCで連続電視観望

ここからは比較でなく、SV405CCオンリーで薄明開始まで見えるだけみてみます。まずは網状星雲です。自宅からですが、十分見えています、
05_Veil_SV405CC


次は小さいM57を600%の拡大で見てみます。ピクセルのジャギーが見えていますが、いつものASI294MCでの画像と遜色ないです。
06_M57_SV405CC

M31です。画角に収まるように拡大しています。
08_M31_SV405CC._10minJPG

クールピクセルの縞ノイズと思われるものが画面を這っているので、ここでリアルタイムダーク補正をしてみます。
09_M31_SV405CC._10min_dark

かなり改善されているのがわかると思います。ホットピクセルだけならダーク補正は必要ないと思いますが、クールピクセルなどの黒い筋ができる場合は、リアルタイムダーク補正をした方がいいようです。

ちなみに、その時のM31を含む全画角が以下のようになります。ここからM31の部分を拡大してみていると言うことになります。広い画面です。IMX294のフォーサーズの画角を利用できるのはやはり良いですね。
Stack_92frames_589s_WithDisplayStretch

最後はNGC7293:らせん星雲です。これだけ25分ほどのスタックになるので、その分色もかなり濃く出ています。
13_NGC7293_SV405CC._10min_dark

最近のSharpCapでアノテーションができるのはご存知でしょうか?名前が出るので、観望会でも役に立つと思います。
12_NGC7293_SV405CC._dark_annotation


まとめ

SV405CCですが、電視観望にかなり向いているカメラだと思います。フォーサーズサイズで大きな面積、かつホットピクセルが少なく、冷却付きで10万を切る価格。これだけでも十分な価値があります。

彩度に関しては撮影ではASI294MCとSV405CCで差が出ましたが、電視観望ではほとんど差が出ませんでした。まだまだ色々謎です。でも、この彩度の違いが青ズレと関係していると推測しています。この青ズレ問題、次回以降でも扱っていきます。


島根で行われた公開天文台協会の全国大会で電視観望の話をしました。元々は天文普及教育研究会でのトークでの懇親会で電視観望の話をして下さいということでお誘いを受けていました。


観望会における電視観望

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8時間かけて到着した出雲市駅。ここからさらに車で1時間の三瓶山に向かいます。

参加メンバーは全国の科学館やプラネタリウムなどの天文台を持っている施設関連の方がほとんどで、私がこれまであまり関連を持てなかった方達ばかりで、非常に貴重な体験でした。これまでのブログでの配信や、星まつりでのデモとは違った層の方達に電視観望をアピールすることができるので、かなり気合が入ります。今回のテーマが「多様化の時代に求められる観望会とは」 というもので、その中でも電視観望は重要な手法の一つとして捉えていただいているようです。基本的に一般の方達に天文を広めていくプロの方たちの集まりです。参加者からさらに電視観望が広がっていくかもしれないので、大いに期待してしまいます。

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会場準備中の写真。

研究会は3日間の日程です。個々の発表があり、自らの施設の紹介、コロナ禍での施設運営、光害の話や、博物館方についての議論など、内容は様々ですが、どれも非常に興味深かったです。KYOEIさんが光害防止フィルターについて発表されていたのも印象深かったです。

自分の電視観望の発表は1時間近くあったので、かなり詳細に話すことができました。かなり好評だったようで、その場での質問も多く出ましたし、トーク終了後もかなりの方に個別に色々聞かれました。今回皆さんと話していてわかったのは、公開天文台においてもかなりの率ですでに電視観望が実施されている、もしくは非常に興味があって導入を検討しているというところが大多数であるということでした。なので皆さんトークもかなり真剣に聞いてくれていて、とても心強く感じました。また、参加者の中にはこのほしぞloveログをすでに読んんでくれている方もいましたし、電視観望に否定的な意見も出るかなとも心配していたのですが、それは全くの杞憂であって、もう完全に観望手段の一つで、今後電視観望を導入していかない手はないというような雰囲気でした。アマチュア天文から発展し、公的な天文台等にもきちんと認識されているということがわかっただけでも、私としてはかなりの収穫でした。

トークで一つ強調したのは、皆さん施設において大きな望遠鏡を触れる立場の方が多いはずなので「是非ともCMOSカメラを付けてみて下さい」ということです。焦点距離が長くても、導入精度のいい赤道儀もあるはずなので、系外銀河とかも難なく見えるはずです。私自身はそんな大型の望遠鏡を触ったことがないので、ある意味羨ましいのですが、色々試していただいてまたどのように見えるのか、何が難しいのかなどノウハウが蓄積されていき、その情報が共有できるといいのかと思います。


電視観望の実演

梅雨が心配だったのですが、会期中に梅雨も明け3日とも夜は晴れるというコンディションで、当然夜は電視観望のデモを行いました。機材は電車でも持っていけるように、FMA135+ASI294MC+AZ-GTiをミニ三脚に載せた非常にコンパクトなものです。トークの最中に明るいところでも機材を見てもらいましたが、鏡筒の小ささに皆さん驚いていました。

トークの中でも重点的に説明したのですが、ライブスタックよりもまずはヒストグラムの左の2本線で挟むこと、これを実演して見せることができました。後で聞いたら、「電視観望やっているけど、2本線で挟むことをやっていなくてあまりはっきり見えていなかった。帰ったら早速試してみる。」と言ってくれた方もいました。

01_NAmeria
初日の電視観望で観た、雲越しの北アメリカ星雲

02_M27
定番のM27。この頃から雲も少なくなってきました。

04_Veil
網状星雲。

06_colorful_town
アンタレス付近のカラフルタウン。青が少し出始めたか?

上の画像は初日のものですが、最後の夜に30分ほどでしたが、M57、M27、北アメリカ星雲を参加者のかなりの方に見てもらうことができました。トークの後での実演だったので、本当にこんな小さなシステムでここまで見えるんだと、びっくりされた方も多かったようです。


配信システム

今回の大会で、特筆すべき欠かせない役割として活躍したのが、会場とオンラインのハイブリッド開催を担う配信システムでした。

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普段から星空中継などをされているチームがボランティアベースで構築してくれていたのですが、ハードウェアコーディングなどの機材を実際に見ることができてかなり勉強になりました。PCベースだと不安定で、ハードベースにすることでかなり安易したシステムにしているとのことです。また、発表スライドの表示形式や配信にあった設定などもとても詳しくて、自分のトークの時にも色々設定していただきました。

今後の天文イベントはこういった配信体制の確立は必須だなあと実感させられました。もちろん一般のにも応用が効きそうな方法なので、色々参考にしたいと思います。


発表会以外のプログラム

発表以外のイベントも楽しくて、歩いて5分くらいのところにある三瓶自然館サヒメルでは、日本最大のスライディングルーフがあり、GOTOのクーデ型の望遠鏡4台を覗かせてもらったり、

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西村の口径15cmの屈折で電視観望、口径60cmの反射望遠鏡で眼視と、M5球状星団を見比べることができました。

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電視観望ではM5の恒星の色を見分けることができ、皆さんその威力を垣間見ることができたのではないかと思います。その後のプラネタリウムでは特別ゲストで生ブラック星博士が出てきたり、

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三瓶自然館サヒメル

せっかくなので、少しだけ三瓶自然館サヒメルについて。

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時間があったので施設の見学をしました。三瓶山の自然や動植物、昆虫などの展示が多く、家族連れで楽しめる施設になっています。埋没林が印象深く、火山で埋もれた高さ十数メートルの木を掘り出したものを展示してあります。かなりの迫力です。

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車で移動ということなので行けませんでしたが、埋没林博物館というのもあるとのことです。

望遠鏡は先に書いたスライドルーフに納められたクーデ式と60cmの反射があります。堀田仁助という地元出身の江戸時代の天文方の展示があり、プラネタリウムではその伝記のプログラムもあります。

SANBE BURGERという地元の肉を使ったハンバーガーショップもあります。

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看板メニューの三瓶バーガー美味しかったです。

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まとめ

会場でお会いできた皆様、電視観望の実演を含めていろいろお話させていただきありがとうございました。普段聞けないような話も色々していただきとても参考になりました。電視観望が観望会でかなり使われていることを聞いて、とても嬉しかったです。私のトークやデモが実際に参考になってくれれば幸いです。またJAPOSの役員の皆様、サヒメルのスタッフの皆様、3日間大変お世話になりました。とても快適に楽しく過ごすことができました。本当にありがとうざいました。

3日という短い間でしたが、最後の解散の時は名残惜しかったです。もしまた機会があれば参加してみたいです。
 

初日からの続きです。




起床後の太陽

星の村天文台星まつりの2日目、土曜日の朝。昨晩寝たのが午前2時近くでしたが、7時半頃には目が覚めました。雲もありましたが、晴れ間もかなりあり、駐車場で太陽望遠鏡をセットし始めます。赤道儀はCGEM II、そこにいつものPSTにC8をつけます。いや、今回の場合はPSTにC8をつけたと言った方がいいでしょうか。PSTを持っている方も多く、その改造に注目してくれます。

機材のセットアップを終え、PCを出したり初期アラインメントの晴れ待ちの間に、さすがは星まつり会場、かなりの興味を引いたようで、次々と話しかけられます。

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例えば初期アラインメントで対物側のシュミット補正版の明るいスポットを見ながら、スポットが真ん中に行く様子を見せ、画角的にもカメラに太陽がきちんと入ることをわかってもらったりしました。

プロミネンスも大きく迫力があるものが出てましたし、黒点も2箇所、はっきりと見えるものが出ていました。今回は太陽撮影ではなく、ある意味太陽を電視観望で見てもらうことを目的としました。なので撮影した画像はないのですが、リアルタイムで見るだけでも解像度が半端ないことは皆さん皆さんよく理解してもらえたようです。

そもそも、こんな魔改造機に注目する人は、ほとんどPSTを自分で持っている人なのです。中には2つ持っているという人もいました。しかもかなりの人が、最近よく見えなくなってきてあまり使ってなと言うのです。初期のものは対物レンズについているコーティングがERFを兼ねていて、そこが経年劣化でダメになることが多かったりします。オリジナルのPSTは口径4cmで、これが5倍の20cmになったC8になるとさすがに分解能は相当違い、画像処理をする以前のPCのリアルタイム画像でさえも、プロミネンスや黒点もかなりはっきり見えてしまいます。PSTはF10前提で、C8ならピッタリとか、皆さん基本すぐに理解してくれ、カンどころを話しても通じるとことがありがたいです。

実際にPCの画面を見てもらうときは、明るさが一番の敵なので、上のようにPCを箱に入れ、さらに自分自身の明るさが画面に反射するのを防ぐために、下のように雨用のカバーをかぶって見てもらいます。

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「今回の会場内で一番見応えがあった」という方もいて、星まつりで大口径の可能性を見せるという価値はあったのかと思います。

使われなくなったPSTは恐らくかなりの数が全国にあって、再利用という意味では大口径化はかなり魅力的に映ると思うのですが、安全には相当気をつける必要があります。会場でもそもそも「熱くならないか?」と聞いてくれる方もたくさんいて、これまでこの「ほしぞloveログ」で書いてきたように「UV/IRフィルターを入れて熱を吸収しないようにしている」と説明しました。そもそも、
  • PSTの分解が大変なこと、
  • PSTを改造したら少なくとも私はそれ以来一度もアイピースでのぞいたことがないこと
など、相当の注意と覚悟を持つ必要があることを強調して説明しています。この方法は実験としては面白いかもしれませんが、決して推奨する方法とは言えず、まっとうにはDayStarなどを使って大口径に挑戦するのが本道です。

そもそも太陽観測は危険を伴い、観望会などで使うのはどうしても躊躇してしまいます。口径に関わらず、CMOSカメラを使って太陽観測をするのは、万が一のことを考えると機器の破損だけですみます。そもそも目で見ないので、失明などを避けることができるはずで、まだ安全なのかもしれません。そう言った観点からも太陽電視観望を導入する利点があることなども話しました。


やっと会場へ

太陽電視観望でひっきりなしで人が来ていて、駐車場から会場に初めて行けたのがもう抽選券を配り始める11時ちょっと前。会場では星友のIさんがVRで天の川を見せてくれました。

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写真にも写っているように、専用の2つレンズで撮るとのことで、最近やっと天の川もうまく撮れるようになってきたとのことです。昼間にも関わらず、顔や目線を動かすとその方向に見えるVRでの天の川はかなりインパクトがあります。

外山さんのところは相変わらず面白いです。写真を撮り忘れてしまいましたが、ある回路を見せられて「これが何かわかりますか?」と聞かれました。全く想像もつかなかったのですが、なんとアナログのPEC(ピリオディックエラーを補正するもの)だそうです。8個石が載っていて、信号を8段階に分けて覚えているようで、速い信号を返すのは難しいが、低い周波数の信号で十分補正ができるとのこと。製品化はさすがに難しいと思いますが、こんな実験的な楽しいことをやってしまうのも外山さんならではです。

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同じブースでピリオディックモーションの実測もやっていました。大学時代の先輩でもあるHBさんともたくさん話すことができました。

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今回食事はほとんどふもとのコンビニです。クーラーボックスを持ってきてその中に氷を入れておくことで、ある程度の買い溜めができます。会場での食べ物はしいたけ屋さんくらいと、ワッフルなどのキッチンカーが1台出ていたくらいなので、あらかじめ用意してきた方がいいかもしれません。この日の昼も、一度下まで降りて、コンビニで夕食分まで買い込んでおきました。


抽選会

15時になると、抽選会が始まります。私はなんと2番目に当たって、ポスターをいただきました。

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早くに当たってしまったので、当たったポスターを片付けがてら車に戻り、ちょっと休憩。休憩中に星友の仙台の木人さんがちょうど会場に着いたようで、駐車場を歩いているところで話しました。その際、手作りの魔除けならぬ、「雲よけ」を3枚いただきました。何が書いてあるかはわかりませんが、これで雲が去ってくれれば万々歳です(笑)。

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木人さん、この日の夜の電視観望にも来てくれたのですが、遅くまでいられないそうです。なんでもこの日は残業していることになっているとか。「自宅には疲れた顔をして帰らなければ」とか言っていました。以前CANPでお会いした時も、何故か一眼レフカメラとレンズで惑星を撮影していることになっているとか、相変わらずユニークな方です。


講演

17時からは恒例の渡部先生の楽しいトークです。なんでも金曜日に海外から帰ってきたそうで、なんとかトークに間に合ったとのことでした。予測した流星群が出るかどうか確認しに行って、見事に出現して予測が当たったそうで、話もとても楽しかったです。

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渡部さんに引っ張られるように重力波の話も出てきました。皆さん結構笑っていたので、内容としては面白かったのかなと思います。

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電視観望も2日目

その後、徐々に暗くなってきたので、この日も電視観望の準備。もともと天気予報ではせいぜい20時頃まで天気がもつくらいでしたが、なんとこの日も23時頃までずっと快晴。星まつりで二日連続で晴れるなんて、相当貴重です。梅雨入り前というのはやはり日程的にいいのかもしれません。

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この日も最初は定番の三つ子銀河やM81とM82です。

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さらにM57とかの定番も見ましたが、この日面白かったのが、山から登る北アメリカ星雲でしょうか。こんなのは電視観望ならではですね。

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途中、SharpCapが難しいと言う意見があり、ASILiveを試してみました。サドルから三日月星雲です。簡単に操作できるのですが、何か微調整しようとするとあまり自由度がないのは相変わらずです。初心者はこちらの方が扱いやすいかもしれません。慣れて不満が出てきたらSharpCapというのが王道でしょうか。ただし注意として、このAISLiveはZWO社のASIシリーズのカメラでしか使えないので、もしこのソフトを使うことを念頭に置いているならZWO社のカメラを選ぶ必要があります。

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考えさせられたこと

一緒に付き合ってくれていたさすらいさん、やまのんさんなど、いろいろな方と話したのですが、その中で木人さんから言われたことはかなり考えされられました。「電視観望はそんなに簡単だ簡単だと言っていいのか?」という疑問です。やはり天体観測につながるようなことなので、当然ですが難しいところもあります。

私は基本をものすごく大切にしてて、例えば電視観望でも架台や鏡筒の水平を取ることとか、無闇にケーブルを増やしてトラブルになるよりはできるだけシンプルにして安定な稼働を目指すべきで、必要なら最低限のケーブルを追加していくとかです。「簡単だ」と言う呼びかけが「基本を疎かにしてもできる」というように解釈されてしまうと、それはやはりおかしくて、むしろ基本をきちんとした方が実際の稼働はトラブルが少なく簡単になることが多かったりします。

実際に、この日の電視観望を見に来てくれている方の中にも「以前挑戦して難しかったから諦めてしまった。これを見てもう一度やってみようかなあと思った。」というような方が少なくとも二人いて、こういった方たちを救いきれてこなかった現実に、私は愕然としてしまいました。今回天文ガイドに書いている記事も、ある人にとっては物足りないでしょうが、ある人にとってはやはり難しすぎたりするのです。いろんなレベルの人、いろんな考えの人がいて、もちろん全部に一人で対応するのは全然無理なのはわかっているのですが、まだ初心者に対しての考え方が全然不十分だったようです。

この日の昼間に、前回の福島スターライトフェスティバルで会うことができた、VixenのIさんに再会できました。とても若い方で、今回も私の姿を見つけて声をかけてくれました。Vixenブースにいなかったのでなんでか聞いたら、わざわざプライベートで来ているとのことで、本当に星好きな方です。Vixenは日本では初心者のことを重要な顧客として考え商品展開をしている最大手です。電視観望のことも当然話しました。Iさん含め、若い社員が新しいことをいろいろ考えているみたいです。初心者を含めて、星の魅力を伝えていくという方針も素晴らしいと思います。Vixenさんが本気になってくれれば、相当のことができるのかと思います。初心者を大切にして裾野を広げることが、星を趣味にする若い方を増やすことにもつながるのかと思います。私は個人的にVixenさんの底力みたいなのをかなり期待しています。

途中、木人さんのところに、岡山で行われているCANP組のかんたろうさんから電話がかかってきました。天リフ編集長にもつながり、話すことができました。全然違う場所で星好きな人が集まっていて連絡を取り合うと言う、趣味はやっぱり距離も近くするんだなあと改めて思いました。


後片付け

さて、23時くらいになってくると少し雲がかかってきました。網状星雲を見たのですが、すでに薄い雲がかかっているような状態で、晴れていればもう少しきれいに出たのかと思いました。

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この網状星雲でこの日の電視観望もおしまい。また再会を約束し、片付け始めました。駐車場で荷物をしまい、まだ少し晴れ間があるのでドブ組のところによりました。最後M5を見せてもらいました。ヒロノさんもずっと解説していて疲れていたようで、その後曇ってこの日は皆さんおしまいになっていったのかと思います。

私は日曜に少し用事があったので、ここで会場を後にします。ふもとのコンビニで少し食事をとり、飲み物と帰りのおやつを買いこみ、0時半頃に帰路につきます。でもすぐに眠くなり、猪苗代湖手前くらいで午前4時くらいまで寝てしまいました。目覚めた後は眠気もなく、自宅まで順調に午前8時過ぎくらいにはたどり着き、そのまま片付けもしてしまい、シャワーを浴びて昼くらいまで寝てました。


戦利品

今回の戦利品は本当に少ないです。いつもは独立ページを作るのですが、今回はここで書くくだけです。太陽フィルムと、2インチのキャップ。あとは木人さんにいただいた雲避けシール、あぶくま洞のクリアファイル、抽選で当たった月のポスターです。


お疲れ様でした

今回の星まつりも、やはり人に会うのと、あとは電視観望、太陽機材を見てもらうのが主目的です。そう言う意味では十分に目的を果たせました。披露した機材をネタに、さらに新しい星友もできていきます。これだから星まつりは楽しいです。

今回お話しさせていただいた方々、今後ともよろしくお願いいたします。また、このような大きなイベントを実現してくださった、天文台台長はじめスタッフの方々、本当にありがとうございました。最終日を待たずに帰宅してしまい、申し訳なかったのですが、また来年も時間の許す限り参加したいと思います。

参加されたすべての皆さま、お疲れ様でした。


福島の星の村天文台で行われた星まつりに参加してきました。前回まではスターライトフェスティバルと呼ばれていたもので、昨年から開催時期を6月に移動し、名前を星まつりと変えましたが、昨年度はコロナ禍で中止となったので、実質的には変更後初めての開催となります。




出発

6月3−5日の金土日の開催で、平日でしたが金曜の午前中に出発することにしました。

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北陸道から新潟で磐越道に乗り替え、福島に入り猪苗代湖を越えしばらく走り、ETC専用の田村スマートインターチェンジが最寄りになります。途中、北陸道の最後の方の黒崎サービスエリアで恒例のスターバックス。

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このスターバックス、毎回何かしら話しかけられます。今回は「抹茶好きなんですか?」と「コーヒーはのあまり飲まないんですか?」でした。そういえば1年半前の時も話しかけられたことを思い出しました。「年1回くらいの福島まで行くんです。前の時も話しかけらたんですよ!」とか言ったら「何かあるんですか?」と聞かれたので「星まつりというのがあって福島まで行くんです。」とか会話がはずみます。来年もまた黒崎でトイレ休憩することになりそうです。


会場到着と開会式

現地到着は15時半頃だったでしょうか、会場に一番近い駐車場もまだそこそこ空いていました。

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会場に着いたら各ブース設営準備でした。

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すでに開いていた国際光器さんのところに行き、先週OD3.8の太陽フィルターを購入させていただいたことを報告。ついでにOD5.0のシートが特価だったのでその場で追加購入しました。今回主な買い物はこれだけです。星まつりでしたが、今回はうまく物欲をコントロールできました。

会場で星仲間との再会です。最初に福島に参加したのが2016年。途中2度ほど台風などで中止になりましたが、開催された時には必ず参加していました。多くの知り合いもでき、歩いているはしから挨拶とお話しとで、そのまま17時の開会式になだれ込みます。

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星の村天文台長の挨拶です。

開会式では6月に移した理由が語られました。とにかく10月の台風に悩まされたこと。梅雨前の6月第1週が晴天率がいいからということでした。この判断は大正解だったと思います。実際、事前の天気予報に反し、どんどん予報も良くなり、金曜夜も土曜夜も、それぞれ0時頃、23時頃までと快晴で、天の川が2本の構造がわかるくらいかなりはっきりと見えました。地元の人によると、年何回あるか位のレベルの透明度だそうです。あと、まだ虫が出る前だったこと、多少寒かったですが、これまでの10月末とかの寒さに比べると遥かにマシで、車中泊も寝袋一つで十分に快適でした。


個性的な天体機器

開会式終了後、駐車場へ戻り少し回ってみると、utoさんがすぐ近くにいらっしゃいました。以前天リフの行事の時にオンラインではご一緒したことがあるのですが、お目にかかるのは初めてでした。念願の極小手作り反射鏡筒の実物を見ることができました。

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作りが細かくて素晴らしいです。夕方のまだ明るいうちの月を見せて頂きましたが、実用レベルできちんと見えるところがすごいです。

ちょうどその場にいた方が、面白いものを取り出しました。極小繋がりで、なんと100円ショップの時計を利用した赤道儀です。

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時計なら「24時間で一回転」というまさにコロンブス的発想で、コンパクトさ、コスト、アイデアなど、もう天文マニアとして申し分ない逸品です。電池は動作させっぱなしで1年持つそうです。すごすぎます。

実際には以下のように使うとのことで、バランスを取ることで余分なウェイトなどを必要せずに実用で使えるとのことです。

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utoさんが自分のコンパクト反射に入れたがっていました。今はアイピース入れに使っているという、本体の小さなスペースに本当に入りそうなくらいの大きさです。

実はこの方、昨年の小海で車を止めてすぐに会った方で、金沢から来たOさんということがわかりました。ドブ使いで、小海でもみた黄色の手作りドブを出していました。やはりすごい方は何を作ってもすごいですね。

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星仲間のヒロノさんの66cmドブでも月を見せてもらいました。「星の村天文台の65cmより1cm大きい」とのことでした。

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電視観望関連

ヒロノさんといっしょに、19時からプラネタリウム内で始まるKYOEIさんの電視観望講座を聞きに行くことに。

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プラネタリウムのプロジェクターでスライドを表示させて話すのですが、この椅子がいけません。完全リクライニング型でかなり倒れ込むので、確実に眠くなります。私はがんばって起きてましたが、ヒロノさんはよく眠れたそうです(笑)。講演内容はいつもZoomで電視観望を講座をされているだけあって、とてもスムーズで、笑いありの、かなり完成されたレベルでした。質問もたくさん出てました。星まつりでこういった講演会があるのは、情報を知りたい方もたくさんいるはずなので、やはりいいですね。講演予定時間は30分でしたが、この時点で天気がかなり良くなってたので、外に行ってみる方が説得力があるということで、実際のスライドは20分程度、10分質問時間で19時30分には皆さん外に移動しました。

KYOEIブースではZWOの新しい赤道儀AM5が使われていて、かなり注目を浴びていました。まだ日本ではこの1台があるだけとのことです。

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私はここで自分の電視観望の準備を始めます。最初天文ガイドの電視観望特集企画で、天文ガイドブース前に展開しようと思っていたのですが、あいにくKYOEIブースの隣で、邪魔になってしまうと悪いと思い、しいたけ屋さんの販売がすでに終わっていたので、そこで展開することにしました。

あ、しいたけ屋さんといえば、毎回しいたけの串焼きが絶品で、この日もプラネタリウムでん講座が終わってから夕食がてら食べようとしたら、なんと講座の間に閉店。この日は残念でしたが、次の土曜日に焼き鳥とたこ焼きと合わせて、しいたけの串焼き今回も頂くことができました。

肝心の電視観望ですが、今回のセットアップはFMA135+ASI294MC+AZ-GTiの超コンパクトセットです。実は豪華なFS-60CB+ASI2400MC Proのセットも持ってきていたのですが、車から機材を手持ちで運ばなければならないことと、口径3cmという小ささが逆にインパクトになるだろうと思い、FMA135にしました。

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天気が良かったことと空が暗かったこともあり、かなり綺麗に見えたのですが、始める頃の時間帯はこの季節あまり見栄えのする天体が少なく、月の地球照とか見せてました。あとはせいぜい三つ子銀河とM81、82が少し見栄えがくするくらいです。

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程なくしてM57が登ってくると少しカラフルになります。FMA135だと拡大率の限界に近くて、カメラのピクセルが見え始めます。M57のような小さな天体は、視野角と解像度の関係を示すいい例になります。

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KYOEIさんの電視観望実演も含めて、多くのブースが21時頃には片付け始めます。私のところはこれからば本番です。21時頃になるとデネブも見え始め、北アメリカ星雲が見えます。

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その後、サドル付近を見てみます。真ん中に三日月星雲が小さく見えます。

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拡大してみますが、光学性能が優れているFMA135のおかげで、破綻や星像の過度な肥大がすることなく、三日月星雲単体でも十分みることができます。

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他にも定番のM27などです。

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最初の頃は一人でこじんまりとやっていたのですが、途中から何人も立ち寄ってくれました。さすが星まつり、実際に電視観望をやってみたい人、すでやっている方も多かったです。今回の星まつり参加の目的の一つが電視観望のデモなので、疑問とかトラブルとかの解消の仕方をできるだけ実演も含めて話したつもりです。実際のライブスタックが始まったら放っておけばいいので、話す時間は十分にありました。こういった取り回しのしかたも、もしかしたら参考になった人もいるのかもしれません。

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今回もう一つの収穫が、天文ガイドの編集の方に実際に見て頂いたことです。他の方もそうなのですが、わずか口径3cmの鏡筒(ガイド鏡では?と言っている方もいました)でここまで見えるのは驚きなのかと思います。原稿執筆時にも私から説明もいろいろしたのですが、本当に百聞は一見にしかず、やはり実物を見て、あーだこーだ議論して、見たい天体をドンドン変えていきと、もうとにかく楽しいのです。

その中で、編集の方が以前この星の村天文台で電視観望をみた覚えがあるという話をしてくれました。α7sもあったというので、恐らく2016年の最初にスターライトフェスティバルに参加した時で、私もBKP200とASI224MCで電視観望を披露した時です。場所も編集長の記憶と一致していました。あの頃から考えると、もう格段の隔世の感があり、5−6年の間に電視観望自身がものすごく進歩したことを改めて実感しました。

電視観望の技術の進歩といえば、2017年にやはりここ福島で、初めて画面に三日月星雲を映し出す
ことができました。その姿が上がってきたときには「おおーっ」という感じで、相当盛り上がったことを覚えています。まだまだフィルターを使うという概念があまりなく(QBPが発売されるもっとまえのことでした)、淡い天体を炙り出すのに苦労していた時の話です。ちなみにその時出した三日月星雲がこれです。

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上のものと比べると、今の方が口径さらに小さくなっているのに、はるかにきれいに出ていることがわかると思います。


片付け

0時近くでしょうか、だんだん雲が出てきてこの日の電視観望は終了。星友かつ、大学時代の先輩のHBさんに片付けを手伝ってもらいました。HBさんには焼きしいたけやコーヒーをご馳走になったりで、いろいろお話しさせていただいたりで、今回も大変お世話になりました。いつもどうもありがとうございます。

車に荷物を入れ、少しだけドブの方々に眼視で見させて頂きました。M13の粒状感は半端なかったです。他にもM51子持ち銀河や、M81と82のペアなど見せてもらいました。程なくして雲が全面を覆ってしまって終了となりましたが、最近眼視がかなり魅力です。

車に戻り、よく考えたら夕食を食べていないことに気づき、5分ほど山を降りたコンビニに買い出しに。やっと暖かいドリアを食べ、再び会場の駐車場に戻り、そのまま車で寝ました。そこまで寒くなく、寝袋一枚を広げてかけるだけで十分眠ることができ、かなり快適でした。梅雨前のこの季節、かなりいいです。

さて、土曜日のことはまた続きの記事で。

 

今年初の飛騨コスモス天文台の観望会が、昨年の11月以来、5月28日に約半年ぶりに再開しました。ここは豪雪地帯で、雪が残る4月半ばまで車で入ることさえできないのです。

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3月18日の飛騨コスモス天文台へと行く道の様子。
まだ全然雪が残っています。この時は50cmはあったでしょうか。


朝から太陽撮影

この日は快晴で、朝から太陽撮影。Hαには見向きもせずに、粒状斑狙いです。前日の土曜日の撮影で何か少し出たと思った、Yellowに加え、640nm以上を通す赤外透過フィルターでも撮影してみました。でも結局ほとんど進歩はなく、以前一番最初に撮影できたかけてきたと思った画像を見返してみたのですが、季節的にはシーイングは同程度のはずなのに、 昔撮ったほうがどうみても粒状班らしい画像が撮れています。その時はPSTのエタロンをHαから外れた画像を処理していました。

流石に何かおかしいと思い始め、Orionの太陽フィルターを買うときに迷ったBaaderのフィルムフィルターを国際光器で撮影用のOD3.8の29x22cmのものを発注しました。本当はもっと大きなサイズのものがほしかったのですが、大きなのは撮影眼視併用のOD5の物しかなく、しかも在庫切れです。C8なら口径20cmなので、小さなサイズでもいいかと思い、OD3.8のものにしました。

その直後でしょうか、コメントにhasyamaさんから投稿があり、やはり似たようなガラスの厚みのあるAstrozap製では全然細かいところが見えなかったとのことでした。どうやらここが解のようです。フィルムフィルターの到着が楽しみです。


観望会の準備

むしろこのコメントで、これ以上今の装備で粒状斑を求めても無駄そうなので、やっと観望会の準備です。発注時のメールやコメント欄から時間を見返してみると、フィルムフィルター発注が13時35分ちょっと前、hasyamaさんからのコメントが13時50分、コメントに返したのが14時10分でした。なので、この時点で14時過ぎくらいだったことになります。そこから観望会で何を見せるかと、観望会が終わった後の撮影プランと、機材の選定と荷物の積み込み、シャワーを浴びるのと、少し睡眠をとるとすると、すでに時間はたりません。結局、すべて準備が終わったのが17時半。19時頃に現地到着を考えていたので、もう時間ギリギリです。17時32分に出発して、途中すき家で早めの夕食を取り、ファミマに寄って夜食とおやつを買い込み、飛騨コスモス天文台に向けて車を走らせます。途中ほとんど雲も見えずに快晴です。到着は19時10分くらいで、まだ十分明るい時間帯でした。


現地到着

現場には飛騨コスモスの会のいつものメンバーが3人、あと富山県天文学会関連でいつものかんたろうさんと、今回初参加で遠く黒部市から来てくれたKTさんがきてくれていました。

到着後すぐにドームに入ると、鏡筒が載せ替えられていました。これまでは群馬のKさん自作の口径25cm、焦点距離3000mmの鏡筒でしたが、温度順応に時間がかかり、さらにはドーム内気流のせいもあるのか、惑星などなかなかくっきり見えなかったという問題がありました。焦点距離も長いので、惑星以外になかなか見せられるものがないということもあり、先日スタッフのSDさんが友人から譲ってもらったというFC120に載せ替えたとのことです。

その後、外に出て改めてみてみると、かんたろうさんが3台も鏡筒を出していました。

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設置開始

私も準備をし始めます。今日は観望会後に撮影を考えているので、とりあえずまだ人が来ないうちに撮影用にCGEM IIを出します。鏡筒はFS-60CBにASI2400MC Proで、牛岳で青い馬星雲を撮った時と同じです。少し違うのは、M54の長さ調整のリングを導入したことです。

 

前回の撮影では、本来必要なフィルターホイールの厚み分の、プラスで11mm必要なバックフォーカス長を、FC76用のマルチフラットナーリングで代用したため、四隅が流れてしまっていました。今回のセットがあれば長さが4mmから39mmまで、一部抜けはありますがほぼ1mm単位で調整ができます。この日は4mmと7mmで合計11mmにして使用し、撮影鏡筒として使います。

ポイントは、撮影までの観望会の時間に電視観望で同じ鏡筒とカメラを使うことです。同じ鏡筒を使うことで、入れ替えの手間を省きます。架台は気楽にAZ-GTiを経緯台モードで使います。さすがフルサイズのASI2400MC Proです。あとで取得画像を載せますが、かなりの実力です。

問題は準備がやはり少し手間なこと。まず、冷却しなくてもDC12V電源を必要とすること。実は最初このDCを供給するのを忘れていて、何枚かは撮像できたのですが、途中で更新されなくなりDC12Vを繋ぎました。でもこの撮像できなくなった理由が、DC電源がなかったせいなのか、前回同様接続がうまくいかなかったからなのか、まだ確定していません。

今回も接続はかなり苦労しました。電視観望なのでSharpCapなのですが、1024x768ピクセルの撮像は確実に得られます。でもそれ以上の解像度の撮影がうまくいくかどうかは全く運次第でした。ケーブルを2種試しましたが、やはり全く状況は同じです。何度か解像度を変えたり、USBの転送速度を変えたり、RAW8やRAW16などの撮影モードを変えたりしましたが、うまくいくと最後には最高解像度でRAW16で動きます。一旦動くと安定ですが、安定になるまで毎度5-6回は解像度を変えるなどしました。ほとんどの項目は安定性に影響がなく運のみですが、USBのハイスピードのオンオフだけはオンの方がいいようです。ここら辺の問題さえ乗り越えれば、あとは超快適な電視観望体制になります。


最初は星座ビノ

さて、電視観望の準備をしている間ですが、まだ一番星が見える頃から徐々にお客さんが到着し始めます。ほとんどが子供づれの家族で、最初のグループは保育園年長さんと小学3年生の男の子の兄弟とご両親の4人家族でした。星座ビノを4台(Nikon, Cokin, WideBino28の現行と旧機種)出して、まだ目では見にく星を探してもらいます。

徐々に暗くなってきて、明るい星がはっきり見えるようになってくると、早速いつものようにSCOPETECHの入門機を解放して見てもらいます。といっても、季節的には惑星もないし、新月きなので月もないです。あまり見るものがないのですが、スピカが導入しやすそうだったので、最初だけ私が入れてから、小3のお兄ちゃんの方に視野からずれていったら微動ハンドルで真ん中に戻してもらう任務を任せました。慣れてきたっぽいので、次はSCOPETECHの特徴の2つ穴を利用したベガ導入に挑戦してもらいました。でもやっぱり小学3年生だと少し難しいようで、何分かやってギブアップ。今度はお父さんに挑戦してもらったら、さすがなんなく導入してくれます。お父さん得意そうで、子供たちに自慢げに見せていました。すごく微笑ましいです。その後、3年生のお兄ちゃんは真ん中に合わせるのを担当してくれていました。こうやってできるだけ望遠鏡に触る機会を作ってあげたいと思います。

途中、小5の女の子が二人、その子逹のお母さんと思うのですが二人、星座ビノがかなり気に入ったみたいです。見える星が圧倒的に増えるのが分かり、キャーキャー言いながら見てるので、毛布を出し地面に寝っ転がって見てもらいました。「交換すると見え味が違って面白いですよ」とか伝えて、星座ビノの違いも楽しんでもらいました。


観望会恒例のクイズ

電視観望はカメラのトラブルで少し時間がかかっていたのですが、その間にも続々子供たちが集まってきます。「こっちは何が見えるの?」と聞かれるので「もうちょっと待ってね」とかいっていると、「こんばんわー」と大きなこえで何人かの女の子がやってきました。暗くて顔はあまり見えませんでしたが、昨年来てくれた子達のようです。聞いてみると、5年生の女の子が二人、6年生の男の子が一人、中1の女の子が一人くらいだったと思います。その頃にはいつものMちゃんも富山から来ていていて「同じ中1だ!」とか言っていました。電視観望の準備がまだかかるので、星の解説を始めました。最初しし座の説明とかしてたのですが、さらに子供たちが集まってきたのでもっと基本の北極星から始めました。定番の北斗七星から北極星を見つける方法を話していると、方角の話になりました。みんな好き勝手に「北の反対は南」とか「あっちが東?西?」とか、色々言い始めます。

みんな東西南北の方角は確認できたみたいなので、恒例の私からのクイズです。「太陽はどっちから昇って、どちらに沈むでしょう?という質問には「東から出て、西に降りる」とかどこかしこから声が上がります。「正解です。でも太陽は本当は動いていないんですよ。」というと、6年生の男の子が「地球が動いてるから?」と的確な答えを。「星も動いているように見えるけど、実際には星が動いているわけでなくて、地球が回っていて、その地球に乗っかってる自分たちが動いているから、星が動いているように見えるんだよね。」と言って、みんな納得です。

次に第2問です。「では、月はどちらから昇って、どちらに沈むでしょう」と聞くと、これが面白いことに全員わからないのです。出てきた言葉が「習ってなーい」です。太陽は東から昇って西に沈むということを「知識として」だけで覚えてしまっているのです。先に説明までしているので、みんな地球が回っていることも知っているし理解もしているはずです。でも太陽以外になると答えることができなくなるのです。これはいけませんね。知識は必要ですがそれだけではだめで、やっぱり自分で想像して考えることがすごく大切になります。

太陽は動いていないこと。月も動いていないこと。さらに星も動いていないこと。動いているのは地球であること、だから月も太陽と同じように東から出て西に沈むこと。あそこに見えているスピカも東から昇って西に沈むこと。ここまで説明すると、「例えば、見えていないベテルギウスも東から昇って西に沈むこともわかりますね」と言っても全員納得です。このやりとりを流石にMちゃんはニコニコしながら見ていました。

そこで第3問です。「夏の太陽と冬の太陽と、どちらが高いですか?」と聞いて、「わからなかったら夏と冬どちらが暑いか考えてみてください」と言うと、これまた面白い答えが。一人の子が「夏の方が低い」と言うのです。色々聞いてみると、低い方が「近く」て、高いと「遠い」から、近くて低い方が暑くなると考えているようです。子供ながらの面白い発想です。でも結局、朝日とか夕日とかの地平線ギリギリの時と、夏の昼間にほぼ真上にある太陽の時は、どちらが暑いですか?と聞き直すと、皆さん「なるほどー」と言った様子で納得してました。

私の観望会はいつもこんな感じです。この日も、話したことに難しいことは何もないです。ここにきている子は星に興味がある子達です。いろいろ普段の体験から、自分でよく考えて「学ぶことの楽しさ」を学んでほしいと思います。


電視観望

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さてさて電視観望ですが、今回はASI2400MC ProのフルサイズCMOSカメラと、機材の素晴らしさもあり、かなり綺麗な天体を見てもらうことができました。しかも、かんたろうさんが眼視でいろいろ見せてくれています。できるだけ同じ天体を入れるようにして、眼視と電視で見比べてもらいました。

電視観望で見た順に並べておきます。
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しし座の三つ子銀河。この画面では一つ途切れてしまっています。

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M57: 惑星状星雲。

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M13:ヘルクレス座の球状星団。

あ、もう一つエピソードを。昨年天体写真のカードを子供達に配ったのですが、電視観望でM13を見ていた時、「これ、自宅に飾ってある写真と同じ?」と言う子がいました。どうもM13カードを受け取ったみたいで、M13の形を覚えてしまっているようです。M13ですが、電視観望でもよく見ると星の色がわかります。「星は基本赤と青だよ。緑の星はなくて、白くなってしまうよ。家に帰ったら写真をよく見ると、多分色がわかるよ。」と伝えると、目をキラキラ輝かせて「うん、見てみる」と答えてくれました。自宅に帰った時の興奮している顔が目に浮かぶようです。でも帰る時眠そうだったから、写真を見るのは次の日かな?


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アンタレス付近。色を出すのは難しいです。
アンタレスの黄色が綺麗で、右にM4、上に赤いエリアが出始めています。


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M51:子持ち銀河。

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M51は小さくて、今回のセットアップで実際に見えるのはこれくらい広角です。
かなり拡大すると上のようになります。

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M27:亜鈴状星雲。

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M81とM82です。こちらもかなり拡大していてい、元の画像は下のようです。

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経緯台のAZ-GTiで長い時間(20分以上)露光しているので、回転してしまっていますが、画角が相当広いので、多少回転しても全然問題ないのがわかります。

眼視

かんたろうさんに眼視で見せてもらったのはもっとたくさんあります。これはお客さんが帰って、電視観望も片付けてからの分も入っています。
  • M57:惑星状星雲は輝度が高くてよく見えます。
  • M51:子持ち銀河は淡いですが、どちらが親でどちらが子供かはわかりました。腕はあまり見えませんでした。
  • M101:回転花火銀河ですが、相当淡いです。M51のほうがはるかに見やすかったです。
  • M81とM82は二つ並んでいるのがわかりました。
  • M13:ヘルクレス座球状星団はつぶつぶ感がすごいです。
  • M16:オメガ星雲は白鳥みたいに見えました。
  • M17: ワシ星雲はかなり淡くて薄くしか見えません。
  • M20:三裂星雲は分かれているのがなんとかわかりました。
  • M8: 思ったより淡かったです。もっと明るいと思ってました。
  • M31:アンドロメダ銀河は大きな銀河のはずでが、以外に双眼鏡で見たのとあまり差がなかったです。
他にも、特に球状星団や散開星団もたくさん見せてくれているはずでが、そもそも番号をあまり覚えていなくて、明確に番号で覚えているのはこれくらいです。


徐々に人が少なく

夏至も近くなってきているので昼が長く、天文薄明が終わるのが21時頃。22時頃には子供は眠くなってしまうので、だんだんお客さんも少なくなってきます。Mちゃんも中学生になって部活が忙しく、この日も部活が終わってからきたということで、23時頃にはもう眠そうでいつもより早めに帰っていきました。あ、差し入れでシュークリームを持ってきてくれて、皆さんでいただきました。さすがケーキ屋さんのシュークリーム、クリームも全くまがい物の味がせず、ものすごく美味しかったです。23時過ぎにはスタッフの3人も帰宅され、残ったのは私とかんたろうさんと、愛知から来ているIさんだけでした。

今回初参加のIさんは、最初は自分の機材で電視観望をしていて、少しお話ししました。機材はFSQ85とASI294MC ProをASIAirで操作と、かなり贅沢な機材です。20年ほど前かなり凝ってやっていて、しばらくお休みして、また最近復活したそうです。

Iさんはかなりのマニアのようで、途中から撮影に移り、サドル付近を撮っていました。天の川のタイムラプスと、もしかしたらもう一台出していたかもしれません。聞くと、前日は紀伊半島の方、この日は太平洋側が天気が悪かったので、この飛騨コスモス天文台まできたそうで、かなりアクティブな方です。

私もそろそろと、電視観望の鏡筒とカメラをそのまま使い、赤道儀をCGEM IIに替え、Elephant Trunk星雲を撮影を始めました。この日はあらかじめ、機材の交換を最小限にして、北の空が暗いことなどを考慮し、撮影対象を決めていました。撮影が軌道に乗って余裕が出たので、6Dで天の川を何ショットか、そのご午前2くらいからタイムラプスを始めました。撮影結果はまた別の記事で書きます。

2時過ぎに眠くなってきて、しばらく車で寝てしまい、起きたのは4時くらいだったと思います。すっかり明るくなっていました。片付けながら、かんたろうさんとIさんと話していました。かんたろうさんは昨年後半からここでの観望会はずっときてくれているので、また来月には会えます。Iさんはかなりいろんなところにいっているようなので、またどこかで会える気がします。

片付けが終わって現場をあとにしたのは、ちょうど5時くらい。6時くらいに自宅に到着し、少しだけ荷物を車から出して、少し朝食を食べてお腹を満たしたら、力尽きて寝てしまいました。忙しい休日でしたが、とても充実していました。その後、午前11時過ぎに起きたのですが、まだ寝不足で昼間じゅうずっと眠かったです。

それでもこの日も天気が良かったので、夜は自宅でSCA260で最近撮り続けているM82をLで、NGC6888三日月星雲をAOSで撮っていました。ここら辺もまた画像処理が終わったら記事にしますが、相当未処理画像が溜まっているので、いつになることやら。


まとめ

眼視と電視を比較しているときに、お客さんとスタッフを交えてこんな話をしました。
「最近の観望会って、街中の明るいところでやることが多くて、こんな天の川が普通に見えるようなところで、定期的に続けてやってる観望会って珍しいですよ。しかもかんたろうさんが参加してくれて眼視、私が電視で、星雲を比較できるくらいに充実してきて、多分全国的に見てもかなり面白い観望会だと思いますよ。」
とか言ってたのですが、皆さんあまりピンときていないようでした。そもそもここに来る地元の人にとっては、天の川は全然珍しくないんですよね。そういえばこの日も子供達に「天の川が見たことある人?」と聞いたら、ほぼ全員が手をあげていました。

この子達が大人になって、大きな街に出て行って、天の川が見えなくなるような場所で暮らすようになったとしても、この素晴らしい空と、楽しかった観望会のことは覚えてくれていると嬉しいです。

年明けの久しぶりの飛騨コスモス天文台の観望会でしたが、とても楽しかったです。改めてこの飛騨コスモスの回を立ち上げてくた故山口女史に感謝です。これからも無理することなく、地元の方逹のために続けていけたらと思います。 
 

前回記事で試したASI2400MC ProとFS-60CB +旧フラットナーで試した電視観望。

お気軽電視観望というところからは程遠いことがわかり、今回は満を辞してのTSA120の登場です。さて、どうなることやら。


TSA-120にASI2400MC Proを取り付ける

前回FS-60CBでの反省を踏まえ、TSA-120でのセットアップです。

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  1. まず、カメラセンサーの近くにホコリがついていた可能性があるので、ブロアーで吹き飛ばしました。
  2. 周辺が歪まないようにフラットナーを鏡筒側に取り付けます。
  3. FS-60CBで苦労した接続も、2インチアイピースが標準のTSA120なら楽勝です。カメラに付属の2つのアダプターは、2インチアイピース口の差し込み口の径に合うような48mmのものになっています。落下防止の意味も含めて、アダプターを2つ連結してカメラに取り付けます。
  4. 月は出ていないですが街中で明るいのでCBPをカメラのアダプターの先に取り付けます。
  5. カメラ本体をアイピース口に差し込みます。
  6. 架台もAZ-GTiでは当然荷が重いので、CGEM IIにします。
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さあ、豪華セットで電視観望開始!

この状態でM42オリオン大星雲で比較します。今回も、西の空低くの沈みかけになります。FS-60CBではなかなか出なかったのですが、TSA-120では細部までかなり出ていることがわかります。ランニングマンも写りかけています。基本的にピクセルサイズが6μmと大きいため感度が高いためか、西のかなりひどい状況の空でも十分に映し出すことができています。
03_M42
ただし、FS-60CBの時よりはましみたいですが、それでも周辺減光があります。実はこれ、周辺減光はひどいわけでは全くなく、普通の撮影時で出てくる周辺減光と同レベルです。電視観望では強度の炙り出しをリアルタイムでしてしまうために、どうしても周辺減光が必要以上に目立ってしまいます。

次に、馬頭星雲と燃える木です。一応見えてますが、あまりはっきりしません。周辺減光で炙り出し切れていないせいもありますが、そもそも隣の家の屋根に沈む寸前。これ一枚ライブスタックした次の画像は、屋根が入ってしまいました。

01_hose

次はこちらも沈む少し前のバラ星雲です。画面をiPhoneで撮影したものです。
IMG_5233

この時にSharpCapでキャプチャした画像が下になります。
Stack_48frames_307s_WithDisplayStretch

この一部を拡大してよく見るとホットピクセルが多少あります。
Stack_48frames_307s_WithDisplayStretch_hot

でも解像度が高いので、引きで全体を見ている限りはそこまで目立たないようですが、スタック時間が長くなるとミミズのように伸びていきます。これはリアルタイムダーク補正でだいぶマシになります。

下はダーク補正をした場合。少し残りますが、細くなっていて実際の電視観望で全体で見ている限りはまず気になりません。
Capture_00001 20_41_36_WithDisplayStretch_hot

これ以降はの画像は全てダーク補正をしてあるものになります。


周辺減光をなんとかしたい

周辺減光を緩和できないか試してみました。次の画像はリアルタイムフラット補正をしたものです。iPad ProでColor Screenというアプリを使い、灰色に近い色を画面に出し、鏡筒の先端に当ててフラットを撮影しました。その際、画面が明るすぎたので露光時間を100msと短くしました。ちなみにLiveStack時は露光時間6.4秒ですが、一般にゲインさえ変えなければフラットフレームの露光時間を変えても問題ないはずです。
Stack_65frames_416s_WithDisplayStretch
でもこれを見ると、どうも赤が過補正になってしまっています。この時はモノクロのフラットフレームを作成しました。

色別で補正具合が違うということのようなので、各色で補正しなくてはダメなのかと思い、次はカラーのフラットフレームを作成してフラット補正した場合です。ダーク補正が何か影響するのかとも考え、この一枚はダーク補正もなしです。
04_rose
今度は白で過補正になっていますね。これまでも何度かSharpCapでフラット補正を試していますが、うまくいったことがありません。この日もこの時点で諦めました。以後はフラット補正はしていなくて、ダーク補正はしてあります。


春の銀河を電視観望

オリオン座が沈む頃の時間帯、春はあまりカラフルな天体はなく、鮮やかさでは寂しくなってしまいます。その代わり銀河はよりどりみどり。フルサイズなので広角ですが、十分に見応えがあります。

例えばしし座の三つ子銀河ですが、やはり周辺減光が大きいですが...、この画角だと拡大して一部だけ見た方がいいと思います。
Stack_169frames_1082s_WithDisplayStretch

実際、高解像度のカメラなので、拡大画像でも全く破綻しないんですよね。むしろこれがASI2400MC Proの真骨頂で、拡大しても得られた画像は素晴らしいの一言です。実際に見ているのに近い、iPhoneで撮影したものです。
IMG_5249
もうツルッツルですよ。これで6.4秒露光で、ライブスタックでトータル20分ちょいです。

参考に、画面をキャプチャしたものも載せておきます。
06_triplet

中心部を拡大すればこんなふうにかなり見えるようになるので、たとえ2インチ対応の鏡筒でも電視観望の炙り出しで周辺減光がある程度残ってしまうことを考えると、フルサイズの広角なのを利用して導入で楽をして、目的の天体を画面中心に持ってきて、画面上で拡大というのが使い方としては現実的なのかもしれません。

ちなみに下は、10分の1の時間、ライブスタック2分の時の画像です。
05_triplet
20分と比べるとザラザラ感は残りますが、これでも電視観望なら十分過ぎるくらい綺麗なものになります。

拡大して比較してみます。左が20分スタック、右が2分スタックです。2分のほうがノイジーですが、逆に20分は画像が流れた縞ノイズが少し出ています。
comp
ただ、拡大してこの程度なので、通常の電視観望ではたとえ2分露光のものでもかなり綺麗に見えたという印象になるかと思います。

20分スタック画像を簡易処理してみました。10分程度でパッとやったくらいです。流石に長時間かけた天体写真と比べるとダメですが、それでも十分鑑賞できるくらいにはなるのかと思います。
Stack_16bits_169frames_1082s_ABE_ABE_DBE2


次はソンブレロ銀河です。20分露光です。周辺減光が目立たないように中心部を拡大しています。これだけ見えれば十分でしょうか。
08_sonblero

最後はM51子持ち銀河です。これも20分露光で、中心部を拡大。少しノイジーですが、かなり細部まで出ています。これは結構すごい!
23_M51

少しノイジーだったので、あっと思い、この段階でこれまで冷却していないことに気づきました。そのため、では冷却したらどうなるかを試しました。
24_M51
ただし、その際、SharpCapを最新版にアップデートしたのですが、少し状況がわかったようです。ほぼ同じ条件で冷却をオンにしただけですが、明らかにノイジーになってしまっています。必ずしも最新版がいいわけではないようです。インターフェースは白の明るい部分がなくなり、改良されているようです。

そもそも電視観望は長時間露光ではないので、冷却がどこまで効くかは疑問で、今回は冷却に関しての効果の判断は保留としたいと思います。

とここら辺まで試して月が出てきたので終了。ASI2400MCとTSA-120での贅沢電視観望いかがでしたでしょうか?このレベルを観望会で、しかも大型画面やプロジェクターで見せることができたら、結構すごいと思います。


まとめ

ASI2400MC Proでの電視観望である程度わかったことをまとめておきます。
  • 鏡筒をかなり選んでも、フルサイズの電視観望では周辺減光はどうしても目立ってしまう。
  • リアルタイムダーク補正は結構効く。
  • リアルタイムフラット補正は結構難しい。
  • 感度、フルサイズの解像度、ダイナミックレンジは素晴らしく、電視観望でも撮影に近いレベルで画像を得ることができる。
などです。苦労もありますが、それに見合う結果は出るのかと思います。

ただし、このカメラの値段を調べてもらうとわかりますが、ちょっとというか、かなりのものです。電視観望のためだけに購入するのはなかなか勇気が必要で、今回は借り物だから実現できたのかと思います。撮影のためにこのカメラを購入し、そのついでに電視観望をするとかならまだ現実的でしょう。予算がある公共の天文台とか、個人でも余裕がある方は電視観望用途でも検討する価値はあるかと思います。ただ、今回私も口径や焦点距離、周辺減光などで結構苦労したので、ある程度のスキルも必要になってきます。こう考えると個人で電視観望のみの用途だとは少しもったいないレベルの機材の気がしますが、ただし、得られる画像はかなりのものであることは間違い無いので、興味がある人は検討する価値があるのかもしれません。

今回はこれまでとは方向性の違った豪華機材での電視観望でしたが、かなり楽しかったです。結論としては「ASI2400MC Proは価格はすごいが、得られる画像もやはりすごい!です。
 


フルサイズカラーCMOSカメラASI2400MC Pro

普段は格安電視観望を記事にしたりしているのですが、今回は正反対の贅沢電視観望です。機器はお借りしているASI2400MC Pro、何とフルサイズのカラー冷却CMOSカメラです。センサーはSonyのIMX410。ピクセルサイズが5.94μmと大きいため、電視観望向きです。SNR1sの情報が中々見つからなかったのですが、どうやら0.11lxらしいです。やはりかなり小さいようで、期待できます。

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FS-60CBとの接続で苦労

せっかくのフルサイズなので広角で見てみようと、単焦点の鏡筒を考えたのですが、FMA135だとさすがに口径のほうが30mmで小さくなるのでもったいないです。とりあえずFS-60CBにしてみました。ASI2400MC Proの取り付けですが、一番簡単に鏡筒につけるのは付属のM48のアダプターをつけて、2インチアイピース口に差し込むことなのです。しかしながら、 FS-60CBは標準では2インチアイピースに対応していません。SKY90用のが使えるらしいのですが、残念ながら手持ちでは無いです。今回はT2マウントを利用することにしました。カメラに付属のT2リングを使うと、手持ちのZWOの旧型のCanonマウントへの変換アダプターにとりつけることができました。FS-60CBは普段から6Dを取り付けられるようみにCanonマウントになっています。

ところがこれ、FS-60CB用のレデューサをつけるとどうしてもピントが出ないのです。マウントからセンサー面までの距離が離れているためで、回転装置などを外してフォーカサーを最短にしてもまだ長過ぎます。本来はフルサイズクラス用のZWOのCanonマウントへの変換アダプターを使って正しいバックフォーカスにすべきなのですが、とりあえず手持ちのアダプターを使って試したいので、泣く泣くレデューサはあきらめました。代わりに旧型のフラットナーを取り付けると、今度は逆に距離が足りません。回転装置を再び取り付けてやっとピントが出ました。
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架台はお気軽にAZ-GTiです。
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実際の電視観望画面

さて実際の電視観望画面を見てみましょう。もう西に沈みかけているM42オリオン大星雲です。
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まず、これだけ見てもいくつか問題があることがわかります。
  1. まず、周辺減光が大きくてオートストレッチで攻め込んで炙り出すことができません。
  2. ホコリが結構付いているので掃除が必要。せっかくの高性能カメラなのにもったいないです。
  3. 旧型フラットナーにフルサイズだとやはり周辺の流れが目立つ。
などです。

時間も経ってしまい、これ以上は春なので主に銀河になってしまいます。銀河に広角は流石に厳しいのと、少し曇ってきたで、この日はこれであきらめました。せっかくのフルサイズカメラなので広角を狙っていましたが、どうやらFS-60CBでは役不足なのかもしれません。


お気軽でない電視観望へ

そもそもASI2400MC  Proは冷却をしなくても12Vの電源入力が必須です。一応販売ページにはASI294MC Proも12V電源がないとダメと書いてあるのですが、冷却なしなら12Vなしでとりあえず動くことは試しています。でもASI2400MC Proは12V電源を繋がないと、SharpCapなどで起動さえできません。なのでこのカメラでお気軽電視観望というのはそもそも向いてないのだと思います。

やはりASI2400MC Pro恐るべしです。タカハシでもFS60クラスの小口径では相手にならないようです。ここは満を辞してTSA120の登場です。TSA-120+ASI2400MC Pro、超贅沢な電視観望です。

どんなふうに見えるのか?結果は次回記事で。お楽しみにしていて下さい。



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