昨日のM8干潟星雲とM20三裂星雲の画像処理の最中に、おかしなことが起きました。結構一般的な話なので、ここでまとめておきます。

下は、SV405CCで撮影した3分露光、34枚をPixInsightのWBPPでインテグレーションした直後の画像をオートストレッチしたものですが、見て分りますように階調が全く無くなってしまうということがありました。

masterLight_BIN-1_4144x2820_EXPOSURE-180.00s_FILTER-NoFilter_RGB

何が問題だったかと言うと、Pedestalの設定をするのを忘れてしまっていたからです。WBPPのCalibrationタブでLightsを選択した時に、右隣のパネルの2段目に出てくる「Output Pedestal Settings」のところで設定できます。
pedestal
私は普段毎回ここを「Automatic」にしています。ただこの設定、WBPPのパネルを開けるたびに度々リセットされてAutomaticでなくなることがあります。今回は「Literal Value」に勝手になってしまっていました。改めて「Automatic」に設定して、WBPPの処理をし直すと下のようにきちんと淡い部分の階調が戻ってきました。

masterLight_BIN-1_4144x2820_EXPOSURE-180.00s_FILTER-NoFilter_RGB

多分これはSV405CCに限ることではなく、オフセットが小さくてダーク補正などで0以下のピクセルが多数出たときに一般的起きる現象です。特に今回はSV405CCのオフセット量が最大255のうち、40という低い値で撮影したことも原因の一つなのかと思います。

このような場合に、画像処理時に上記のようにPedestal設定で回避できるので、もし同様の階調がなぜか出ない現象で困っている方がいたら、是非試してみてください。


  1. SV405CCの評価(その1): センサー編 
  2. SV405CCの評価(その2): 撮影編 
  3. SV405CCの評価(その3): 画像比較
  4. SV405CCの評価(その4): 新ドライバーでの画像比較
  5. SV405CCの評価(その5): 青ズレの調査と作例
  6. 番外編1: 階調が出ない時のPedestalの効果
  7. 番外編2: ASI294MC Proでの結露