ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:自宅

もう小海の星フェスの前のことになってしまいますが、11月8日の皆既日食で撮影した画像処理を進めています。これから数回に分けて、月食関連の記事を書いていきます。

今回はどういう方針かと、リハーサルの様子などです。


今回の方針

今回の皆既月食はかなり気合が入っていました。本番は11月8日ですが、その前の5日の土曜からいろいろ準備開始です。

前回の限りなく皆既に近い月食の時の撮影の反省から、いくつか方針を立てます。



前回のブログを読み直すなどして、今回の皆既月食で達成したい大きな目標を3つ立てました。
  • 一つのカメラで一つの設定だけだと、満月時と皆既時で輝度差がありすぎるので、写す時は毎回露光時間と輝度を変えて複数枚撮影すること。
  • 太陽時で撮影し、後から月の位置をずらすことなく、何枚か重ねて、地球の影を出すこと。
  • 天王星食を動画で撮影すること。
です。

具体的な撮影機材のセットアップは4種類考えます。
  1. 固定三脚の短焦点距離のカメラレンズで広角で、1分ごとに撮影し、月食の初めから終わりまでの全景を。
  2. FS-60CB+ASI294MCで赤道儀の同期レートを太陽時に合わせて、月が画面内で移動していく様子を撮り、あとで影で地球の形を出すもの。
  3. TSA120+ASI294MC Pro(常温)で、タイミング、位置など、被強に応じて自由に撮影するもの。
  4. 天王星食を拡大で撮影するもの。
としました。

これらを実現するために、当日までにリハーサルで特にやっておくことは、
  1. 1分の撮影に2つの設定(露光時間とゲインを自由に変えること)ができるかどうか試すこと。
  2. 満月の時の露光時間とゲインを各機器で確かめておくこと。
としました。


1つのカメラに、2つの設定での撮影テスト

特に1の、一つのカメラで複数の設定を切り替えながら繰り返し撮影というのはこれまでやったことがないので、本当にできるかどうかよくわかっていません。

試したソフトは4種。
  1. FireCapture
  2. NINA
  3. SharpCap
  4. BackYard EOS
実際に試してみて、これらのソフトの中でCMOSカメラと一眼レフカメラ両方に対応しているのは2と3ということがわかりました。さらに試していくと、例えば1分で2回、30秒ごとに設定を変えるようなことを繰り返し撮影できるのも2と3のみのようです。NINAはアドバンスド・シーケンス、SharpCapはシーケンサーというちょっと複雑なスクリプトようなものを使うと、設定を変えながら繰り返し撮影できるようです。

どちらでもよかったのですが、NINAで6Dを繋いで撮影したことがほとんどないことと、ガイドを使う必要はないので、今回はSharpCapを使うことにしました。実はNINAの方が「月の照度」というパラメータがあり、明るさがあるところになると条件を変えるというようなことができるようなのですが、複雑になりすぎるのと、当日は天気が良くないことが予想されたので、SharpCapで十分だったように思います。

SharpCapのシーケンサーはかなり直感的でわかりやすく、CMOSカメラの場合動画で撮影したいので
  1. 「Repeat」の中に
  2. 露光時間設定、ゲイン設定、キャプチャ開始、ウェイト、キャプチャ停止、ウェイト
  3. を露光時間とゲインを変えて2回書き
  4. ウェイトを含めた一回のループの時間を1分間になるように設定し、
  5. トータルの回数を4時間分の240回にする
というような設定になります。部屋の中で試しながら、色々スクリプトを書き換えて、上記の状態に行きつきました。保存ファイルは.ser形式になりますが、一つ一つのファイルサイズが大きくなりすぎないように、5秒間だけ撮影することにしました。それでも1つ800MB程で、4時間で240枚x2(30秒ごとなので1分で2枚)で約500個のファイルができることになり、トータル約400GB!となる予定です。

SharpCapのシーケンサーの設定はCMOSカメラの方が遥かに楽でした。一眼レフカメラの場合は静止画撮影になるので、「Still Mode」にして、キャプチャ開始とかではなく、1静止画をキャプチャとかになります。難しいのは、PCとカメラの接続がUSB2で転送が遅く、しかもそのダウンロード時間がばらつくので、1分間ごとのループにならないことです。そのため、ストップウォッチで計測しながら1分間になるようにウェイトを調整します。これも後から気づいたのですが、NINAのアドバンスド・シーケンスにはループする時間を直接指定できるコマンドがあるようです。次回からはもしかしたらNINAを使うかもしれません。でもNINAって大原則DSOが対象なんですよね。msオーダーの極短時間露光の月とかでもうまくいくのかどうかはきちんとテストする必要があるかと思います。

とにかくこのようにすることで、CMOSカメラも、一眼レフカメラも、30秒ごとに
  • ゲインが低く露光時間が短い満月用の設定
  • 皆既時用のゲインが高く露光時間が長い設定
の2種類を一つのカメラで撮影することができます。頑張れば20秒ごとに3種類の撮影もできますが、撮影後のファイルの数と容量ともに膨大になるので、2つの設定に抑えたほうがよさそうです。


明るさの設定

次に暗くなってからの調整です。こちらは実際には月食前日の月曜に行いました。満月に近い月齢13日のかなり明るい月が出ているので、露光時間とゲインをその月の明るさに合わせます。

問題は皆既時の明るさの設定です。これまでの月食の経験から、露光時間とゲインをかけた明るさの比が100倍(TSA120+ASI294MC)、400倍(FS-60CB+ASI294MC)、1600倍(35mmレンズ+EOS 6D)とかになるように設定しました。明るさの比にかなりばらつきがありますが、TSA120は自由撮影機なのであとから変更することもあり、かなり仮の設定です。

重要なことは、サチると何も情報は残りませんが、暗い分には画像処理で持ち上げることで十分な明るさにすることができると考え、少し暗めの設定にしておきました。この判断は正しかったようで、実際に撮れた画像は最初思ったより暗いと感じたのですが、DSOの時の炙り出しに比べたら全然大したことなく、十分すぎる情報があるので、どの設定も最終的には全く問題がなかったです。ただし、暗いと背景がノイジーになることがあるので、そこは画像処理時に適したレベル補正や、もしくはノイズ処理が必要になる場合がありました。


当日の撮影

前日までの予報では、日本海側の天気はかなり絶望的でした。もうあきらめるか、一時期は休暇を取って太平洋側に行こうかと思っていました。でも当日になり、夕方くらいから晴れそうな予報に変わってきたので、結局自宅で撮影することにしました。

雲が出るなどの、天気によっては連続撮影は意味が無くなってしまうので、様子を見ながらのセットアップになります。最初は天気が悪くても雲間からでも狙えるように、自由撮影のTSA-120とASI294MCをセットしました。途中からどんどん雲も少なくなってきたので、次に広角35mmとフルサイズのEOS 6Dを置き、さらに太陽時に合わせて連続撮影で写すFS-60CB+ASI294MCもセットします。

暗くなりかけてきたところでまずはFS-60CBの方から、ガイド鏡を仮載せしてSharpCapで赤道儀の極軸を取ります。でも雲がまだ北の空にそこそこ残っているので、雲が薄くなっているところを狙います。今回は赤道儀の精度が肝なので、Excellentがでる30秒角を切るくらいまで合わせこみます。

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18時には撮影を開始したかったのですが、最初の頃は雲が多くてかなり戸惑っていたため、実際に撮れた画像の時刻を確認してみると、35mmの方が部分月食開始の18時7分から、FS-60CBの方が部分日食開始が過ぎた18時13分からになってしまいました。

FS-60CBの連続撮影を開始し、ついでにTSA-120の極軸とりと連続撮影も開始したらやっと少し余裕が出て、最後にCGX-LにVISACを載せてUranus-Cを付けたものをセットアプしました。天王星食の拡大撮影用です。でもこれ、後で詳しく書きますが結局失敗でした。

途中、お隣のご夫婦がきて、一緒に月食をみました。撮影の面倒を見ていたのであまりお世話ができなくて申し訳なかったのですが、それでも双眼鏡を出してみてもらったりしました。今回は皆既の時間がかなり長かったので、そこまで焦らずに見ることができたと思います。


撮影結果は次の記事から

次の記事から、セットアップの詳細と結果を順に書いていきます。ファイルを見たら全部で900GB近くあったので、まだ処理をしている最中です。

とりあえず今回の記事では撮影の最中に、iPhoneでSharpCapの画面を撮ったものだけ載せておきます。

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FS-60CBで連続撮影をしている画面です。
欠け始めていて、雲がまだ多いのがわかります。
シーケンサーが走っているのが分かると思います。

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皆既に入って間も無くくらいの時です。
TSA-120での撮影です。右上が明るいです。

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天王星が認識できたところです。TSA-120で拡大して写しています。  

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VISACでの撮影です。天王星が出てくるところです。

最後の写真ですが、月食も終わりの頃でFS-60CBで露光を変えて2種類撮っているところです。
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最初は画面左下から始まった月の位置も、月食が終わる頃には真ん中のかなり上まで移動してきました。太陽時に合わせてあるので、地球の影が固定されているはずで、その影を映すスクリーンのように月が動いていく様子を見ることができました。

さて、次の記事からは実際に撮影した画像を載せていきます。


 
 
 
 
 
 
 
 


小海の「星と自然のフェスタ」のレポート、2日目後半までの途中ですが、今回は番外編です。星フェスで出会った、富山の近くに住むご家族が二組、自宅に遊びに来てくれました。

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なぜ集まることになったのか

元々の経緯は書き出すとものすごく長くなりそうなので、できるだけ簡潔に書きます。

そもそもの発端は、富山市天文台が2018年の長雨による遊歩道陥没の後に長期休暇となり、2021年3月に正式に閉館となったことにあります。 教育県を標榜する富山に、天文教育に有用な施設がなくなるということは非常に寂しいことです。私が所属する富山県天文学会は、富山市に天文台の早期再設置を願い、活動を続けています。その一環として、天文台候補地の地元の方に星の魅力を伝える説明会を開きました。その際、明るい街中でも星雲、星団、銀河などを観察する手段の一つとして電視観望を紹介させて頂きました。その時に取材に来ていた富山テレビの方から、ちょうど小海の星フェスの前くらいに一度電視観望を実演してもらえないかという依頼があり、その日をいつにするか模索していました。星フェスに来てもらうことも提案したのですが富山県外でさすがに遠いということで、では自宅でではということになったのですが、天気が不安定でなかなか日程が決まりません。

そんな折、小海の星フェスで電視観望講演に参加してくれた方のうちお二方が、富山の近くに住んでいることがわかり、電視観望会のお声掛けしたのですが、ちょうど取材もあるのでその際に一緒に見ていただくのはどうでしょうという話になりました。

何度かの日程調整の後、次週は全く天気がダメそうなので、週末金曜にもしかしたら夜半から曇るかもしれないという覚悟の上で、前日の木曜に日にちを11月18日の金曜と決定し、集まる予定の皆さんに連絡しました。局の撮影の都合や、ご家族の都合もある中、急な決定にも対応して頂いてどうもありがとうございました。


富山テレビの方に電視観望を見せる

さて当日の夕方、18時頃に玄関チャイムが鳴り富山テレビのスタッフの方がいらっしゃいました。取材の方は放送を見てもらうとしてここでは詳しく書きませんが、電視観望を一通りデモして見てもらいました。カメラマンの方は小さい頃ミザールの赤道儀まで持っていたということで、かつては天文少年だったようです。久しく星には関わっていなかったとのことですが、今は映像関係の仕事ということもあり、CMOSカメラとかにもかなり興味津々で、富山の田舎とはいえこの明るい住宅街の中で口径わずか3cmの望遠鏡と言えるかどうかもわからないくらいの小さな機材で、星雲などが見えてくる様子には相当驚いているようでした。多分同世代くらいの方で銀河鉄道999のこともあると思いますが、「アンドロメダ『星雲』も見えますか?」といっていたのが印象的で、ちょうど小海で撮った画像と、実際その場で電視観望で見たアンドロメダ『銀河』にかなりインパクトを受けたようです。

もっと面白かったのがスタッフとして一緒に来ていた若い女性の方で、そもそも望遠鏡を覗いたこともないそうです。それではと、いつものSCORPTECHの二つ穴ファインダーの屈折を出して「あの明るいのが木星です。自分で操作して入れてみてください。」と試してもらいました。実際には木星は少しずれていて入らなくて、最後私が導入して見てもらったのですが、何度か見たのちに衛星や縞もわかったようでもう大騒ぎです。

さらに次はかなり低くなっている土星を導入してもらいました。今度は自分で入れることができ、土星と認識できた時の騒ぎ様のすごいこと。もう「キャー」とか言いながら大はしゃぎです。やっぱり自分で操作する望遠鏡って楽しいんですよね。自分で導入して、初めて土星の輪が見えた日には、叫びたくなるのもわかる気がします。これって子供も大人も同じなんだと思います。なんか取材のことはもう忘れていて、その姿を見てるだけで来てもらった甲斐があったなーと思ってしまいました。


Oさん一家

ちょうど土星を見ていた19時半頃でしょうか、一組目のご家族が到着です。お隣の石川県の内灘からやってきたOさん一家。小学5年生の男の子と、そのご両親です。この子、会場で会った時からかなりの天文っ子ということは薄々わかっていましたが、いろいろ話してみるとかなりの子です。興味も知識もハンパではありません。私の星友の一人、中1のMちゃんと会わせてみたいです。どんな会話になるのか興味津々です。

話を聞いていると、どうもお父さんとお母さんのほうが子供に刺激されたようで、星を家族で初めて2年になるそうですが、すでにAP赤道儀はあるし、VixenのED鏡筒はあるし、FMA180とNeptune II-CをAZ-GTiに載せているしで、もう立派な沼の住人です。この日も機材をどんどんセットアップしていきます。北陸唯一の天文ショップUCトレードが近いので、機材はそこでいろいろ相談しているとのことです。

お父さんは電視観望に興味があり、これまでなかなかうまくいかなくて、星ナビを見て小海星フェスのことを知り、講演を聞きに来てくれたとのことです。そこでカメラのゲインを相当高くしていいこと、ヒストグラムを見てのあぶり出が大切なことを理解し、小海から帰ってから自分で試してみたら見事にうまくいったとのことです。Twitterには早速月曜にカリフォルニア星雲、前日の木曜には馬頭星雲と燃える木の電視観望がうまくいっている投稿がされていました。この日もオリオン大星雲や馬頭星雲などうまく出せていました。ここまで出るのなら、もう一人でどんどん試しいけば大丈夫なくらいかと思います。

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O一家のお父さんがFMA180とNeptune II-Cで見事に馬頭星雲ゲットです。


Eさん一家

滑川からEさん一家が程なく到着。小学3年生の男の子と、お父さん、お母さんです。でも3年生には夜は少し厳しいかもしれません。到着するちょっと前に車で寝てしまったみたいで、外に出てきはしましたが、キャンプ用の椅子ですぐに寝てしまいました。寒そうだったので寝袋を出したのですが、寝袋の中は心地良かったのか、そのままぐっすり寝ていました。

Eさんのところはお父さんの方が星に夢中なようです。持っているのは入門用の池田レンズ工業のリゲル60Dなのですが、実際に持ってきてもらってそこにカメラをつけてもらおうと思っていました。惜しむらくは接岸部が1インチの25.4mmなので、今のアメリカンサイズが取り付けられないのです。これは私も確認ミスでした。アメリカンサイズから1インチの変換アダプターは自宅にあるのですが、逆は残念ながら持っていません。ネットなどで調べて次の機材を考えているとのことですが、お母さんの方からなかなか許可が出ないようで、やりとりを見てると楽しかったです。

話しているとお母さんは、そこまで星には興味がないごくごく一般の感覚の方のようです。せっかくなのでいつものクイズを出してみました。太陽はどちらから昇るかというやつです。これはすぐに東からと答えられたのですが、月がどちらから昇ってくるのかというのにはさすがにパッと答えることができません。あ、でもOさんのところの5年生の子はすぐにボソッと「東から」と出てくるので、この子はさすがです。お母さんに太陽が昇る理由(地球が自転しているから)を考えてもらい、月も同様に回っていることを理解してもらおうとしました。でも月がそもそも夜空を動いていることを知らなかったようなのです。そういえば観望会に来るような人はそもそも星が好きな人が多いのです。本当に一般の感覚に近い方はなかなか手強いです。ここからは私も本気になります。

まずやはり月も空を動いていくことから理解してもらわなくてはいけません。
  • 太陽と月はちょうど反対の位置にいると仮定して、
  • 太陽が昇って昼になるので、
  • 月が昇ると夜になるということ
からゆっくり理解してもらいました。すると
  • 月が動くこと、
  • 動くのは地球が回っているから、
  • そうすると東から昇るということ
を理解してくれました。ここからは早くて、
  • 星が東から昇ること、
  • 中には昇ったりしなくて動かない星があること、
  • それが北極星で、
  • さらに地球の回転軸の延長上に北極星が、
  • しかも南側にも動かない星があるはずのこと
までトントン拍子で理解していきました。お母さん十分センスがあります。

知識として覚えただけのことはすぐに忘れてしまいますが、自分でしっかり考えたことはなかなか忘れることがありません。たとえ忘れてしまっても、最初から考え直すこともできます。お母さん、少し自信がついたようで「子供にも教えることができる」とのことでした。他の人に説明することで、どこがあまりわかっていないのかとか自覚できるので、さらに理解が進むんですよね。

後日メールをいただきましたが、今回お母さんの方がすごく勉強になったとのことでした。私も本気モードの説明で、実はこのやりとりが一番楽しかったりしました。

お父さんの方はというと、単身赴任での引っ越しが決まっているそうです。行き先は三重とのこと。三重といえばアイベルです。いい機材が見つかることと思います。


電視観望

元々の目的は、Oさんも、Eさんも小海の講演を聞きにきてくれていて、せっかくなのでもう少し自宅でいろいろ試してみましょうということでした。せっかくなので、講演の内容がうまく伝わったかも聞いてみました。実際話もよくわかって、かなりいろいろ参考になったとのこと。サイトロンブースでの実演を見ることで、さらに理解が深まったとのことでした。やはり話だけでなく、その日の天気にもよってしまうのですが、実際に操作しているところも見てもらうのがいいと改めて実感しました。

さて、この日の電視観望はというと、実はそんなに種類は見ていません。M57、M27、M31、北アメリカ星雲、網状星雲、三日月星雲くらいだったでしょうか。むしろみんな話に夢中だった感じでした。楽しかったですよ〜。

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Oさんの所が「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」を持ってきていて、画面で見えている天体と本に載っている天体をみんなで比べて見てました。本に載っているのがそのまま見えるのが楽しいのと、カメラの回転角が違うので本を傾けて見たりと、本当に楽しかったです。

OさんのところはSuper Widebino36を持ってきていて、私も星座ビノをいくつか出して、見比べてもらいました。すばるが高く上がっていて、星座ビノでみると「星がいくつも見えるー!」と誰かが叫んでいました。アンドロメダ銀河は私はちょっと探してわかりましたが、実はこの日は透明度があまり良くなく、ほとんどの人が見つけられなかったようです。夏の大三角はみえますが、白鳥の形はほとんどわからないか、形を知っていればかろうじてわかるくらいでした。


曇ってきた...

22時頃でしょうか、雲がだんだん出てきました。家に入ってもらい、少し機材を見てもらいました。まずは玄関に出しっぱなしにしてあるセレストロン赤道儀3兄弟(Acvanced VX、CGEM II、CGX-L)を見て、Oさん息子が大興奮。私の部屋では鏡筒とかカメラとか、二階に上がって雑誌コレクションとかみて盛り上がりました。

22時半頃でしょうか、外に出ると空はすっかり雲に覆われています。子供たちもさすがに眠そうです。後片付けをしてここで解散、お別れです。楽しかったのでまた遊びにきて欲しいです。おみやげにEさんからシャトレーゼの濃厚たまごプリン、Oさんからサツマイモとお菓子、ジャムを頂きました。プリンとおお菓子は早速いただきましたが、とても美味しかったです。でも次回からは、このブログでもよく書いているのですが、本当の本当に(こう書かないと、富山では逆にもってきてという意味になるらしいです)お土産とかなしでお願いします。私としては、気楽に何度も来てもらってみんなで楽しい時間を共有できることが一番で、毎回気を使っていただくことは本末転倒になってしまいます。

新しい星友達(と勝手に思ってます)ですが、近場なので集まれるからいいですね。また他の家族も招いて何かやりたいと思います。懲りずに次回以降も気軽に来てもらえるとうれしいです。


何ヶ月ぶりの撮影でしょうか?記録を見ると5月31日にIC1396象の鼻星雲を撮影しているので、なんと4ヶ月ぶりということになります。


久しぶりの晴れ

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9月最終週の木曜夕方、少しだけ雲は残っていますが天気予報を見ると月曜まで晴れが続くとのこと。これは久しぶりに望遠鏡を出さなくてはいけません。

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ターゲットは色々迷いました。条件は
  • モノクロのSCA260がメインなので、引き続き焦点距離1300mmと294のフォーサーズを念頭に。
  • SIIフィルターでゴーストが出ることがわかってきたのでできればRGBかAOO。
  • 新月期が明ける頃でまだ月があまり出てないので、ナローバンドだともったいなく、RGBか?
  • Lも撮影できるので、LRGB処理の過程を確立したい。
などです。今回の候補は3つ。
  • まゆ星雲をRGBで
  • M27亜鈴状星雲をAOOで前回以上にリベンジ
  • らせん星雲をAOOで、瞳孔みたいな模様をだすリベンジ
などを考えましたが、結局久しぶりの撮影なので、今まで撮ったことのない天体ということでまゆ星雲に決定です。


久しぶりの撮影セットアップ

まずは木曜夜にRGBで撮影。ついで金曜夜にRGBの撮り増しとL画像を撮影です。久しぶりの撮影なので調整不足です。撮影画像の四隅を見てみると、左上と左下が結構流れています。どうもSCA260の光軸がずれているっぽいのです。初日はスルーしましたが、2日目のL画像撮影の時に我慢できなくなり、星像を見ながら調整しました。多少マシになってたので撮影続行。その後、土曜昼にコリメータで再調整することになりました。

週末はずっと晴れていたので、赤道儀は結局木曜夜から日曜午後まで庭に置きっぱなし。2日目以降は極軸を毎回とる必要がないのでものすごく楽です。2日目の撮影の再準備はわずか10分程度で終わってしまいます。2、3日目の金曜と土曜は近征するか迷ったのですが、疲れていたので結局自宅撮影にどとめました。そもそも3日目は曇りそうだったので、自宅でアイリス星雲を撮影していたらやはり前半で曇ってしまいました。

RGBは以前撮影したフラットの使い回しができればいいのですが、L画像のフラットはこれまで撮ったことがないので、いずれにせよ撮影し直しです。今回の撮影で一度接眼部を外す必要があることが分かったので、土曜の昼間に全てのフィルター分のRGB、AOS、L(no filter)のフラットを撮影。今回のフラットは青空を撮影しました。これまで鏡筒先端に白いビニール袋を被せて撮影したことはありますが、今回は袋なしで単に青空を撮しました。SCA260は接眼部から光が漏れている可能性があるので、撮影時とできるだけ同じ状況(鏡筒先端から入ってくる光も、たとえ他に漏れてくる光があったとしても)にして撮してやろうという魂胆です。

フラット画像で後から気付いたのですが、1割程度のコマに鳥や昆虫なのでしょうか、数秒の単位で何枚かに連続してゴミが映り込みます。今回は全て処理してから気付いたので、流石に面倒で放っておきました。そのまま使っても平均化されるので、多分大丈夫かと思います。

その後、土曜昼の接眼部の調整後も、再度青空でフラット撮影をしましたが、以降PIのblinkでチェックして弾くようにしました。

フラットダーク撮影も青空の元で同時に起きないます。先端には鏡筒カバーを被せます。鏡筒カバーは光をよく遮断することが分かっています。また、接眼部での光漏れを防ぐために防寒着を接眼部付近にかぶせて撮影しました。

まだ未処理のM81とM82は残っていますが、これをもってこれまでの設定での撮影ファイルに区切りをつけて、その週の土曜の昼間に一旦SCA260の接眼部を再設定することにしました。




初のLRGB処理

実はRGBはこれまで何度か処理していますが、LRGBでの画像処理は初めてになります。

まずはWBPPでLRGB全てをIntegrateまでします。WBPPの新バージョンの特徴のDrizzleもx1で試しましたが、Lも含めて特に改善は見られず通常のファイルで処理を開始します。まずはLRGB全てをABEの1次と2次で軽く差を取ります。そのままRGBだけ合成します。RGB画像はPCCをかけて色バランスを取っておきます。

今回の失敗は、L画像が明るすぎたようで、恒星の一部が飽和していました。そのため、LRGB合成しても、その影響は残ってしまいます。飽和しないようにLだけ露光時間を短くするとかでもいいのですが、できれば撮影時のゲインや露光時間は揃えたいです。もしくは、多少恒星がサチってもRepaired HSV Separationなどでなんとかなるので、手間を考えるとゲインと露光時間を統一するほうがトータルでは得かもしれないです。どうするかは今後の課題です。

Lはこの時点でDeconvolutionしたのですが、結果を見ると、元々飽和していなかった明るい恒星がいくつか、中心を抜いたリング状の形にどうしても飽和してしまうことに気づきました。そのため、結局はDeconvolution無しで進めることにしました。Deconvolutionは細部出しにはいいのですが、弊害も多いのでいつも苦労しています。


L合成のタイミングと彩度

Lとの合成はLRGBCombinationを使います。今の疑問はLとRGBの合成をいつのタイミングでやるかです。通常はRGBを彩度まで含めてストレッチして、Lもストレッチしてから合成するのが普通のようです。でも原理的に考えたらリニアの段階でやっても構わない気がしています。根拠は、ファイル上は32bitで十分な諧調があることです。例えば、RGB合成もあまり事前処理をせずに1:1:1でとりあえず混ぜてしまっています。これは後から輝度比を取り直しても、オフセットをそれぞれ変更しても、32bitあるファイル上の階調は十分取れているはずで、これまで困ったことはありません。

ただし、ちょっと心配なのが彩度がきちんと再現されるかです。比較のために
  1. RGBのみの場合
  2. LRGBをリニアの段階で合成して、CurvesTransformation(CT)でSaturation(彩度)を上げたもの
  3. LとRGBをそれぞれストレッチしてから、その後にLRGBで合成したもの
を比較して、彩度がどれくらい変わるのか見ることにします。彩度については、全く出ないということがなければよしとしますので、多少の違いはCTのかけ具合と思って無視してください。

1. RGBのみ
Image18_ABE_ABE

2. LRGBをリニアの段階で合成して、CTで彩度を上げ、その後にオートストレッチしたもの
Image18_ABE_ABE_LRGB_CT_HT

3. LとRGBをそれぞれオートストレッチしてから、その後にLRGBで合成したもの
Image18_ABE_ABE_HT_LRGB

まず1に比べて2と3はLの情報が入っているので、構造に関してはより詳細まで出ているのが確認できます。混ぜるときのLウェイトを小さくすると、構造の出具合が変わるようなので、LRGB全てウェイト1で合成しました。注意すべきはウェイトの値を全部小さく同じ値にしても、Lのみを選択してRGB画像にインスタンスを投げ込む場合はL画像の比率が小さくなり構造が出にくくなることでした。あと、RGB画像をチャンネルごとに分解して、LRGB全てを指定して合成する場合と、Lのみを選択してRGB画像にインスタンスを投げ込む場合でも少し結果が違う場合がありました。リファレンスなどを調べてLRGBCombinationがどう振る舞うか調べようとしたのですが、結局内部式などを見つけることはできませんでした。

肝心な色については、CTで彩度を上げると十分にその情報は残っていることがわかります。むしろ2の方が彩度が出ているのは単にCTをかけ過ぎただけで微調整がしにくかったに過ぎません。目的は色情報が残っているかを見ることなので、少なくとも元のRGBより(ノイズなどの悪影響がない範囲で)彩度が出れば良しとします。

2と3の結果だけを見ると、リニアの段階でLRGB合成をしても、ストレッチしてからLRGB合成したものに比べて彩度は劣らないと言えそうです。ただし、3はCTをかけていません。RGBとLに簡単のためScreenTransferFunctionでオートストレッチをしてHistgramTransformationしただけです。そのため恒星が飽和していますが、これはとりあえず無視するとします。2のリニアでの合成でCTをかけていないものを載せておきます。ちなみに2はオートストレッチはCTの後に最後にかけています。

masterLight_ABE_ABE_LRGB

これをみると、リニアの段階での合成は彩度が見かけ上は出ないように見えますが、情報としては残っていて、Saturationを十分に上げてやれば遜色ないと言えることがわかります。今後も注意深く見ていきますが、とりあえずはリニアの段階でLRGB合成をする方がのちの処理が楽そうなので、しばらくはこれで進めて行こうかと思います。

一応彩度は保たれそうなことが分かったので、ストレッチはArchsinhStretchを使わずにMaskedStretchを主に使うことにしました。ASにも飽和を避けるオプションはありますが、MSのほうが微調整ができて確実です。注意することは、ブラックレベルを上げすぎてしまうと後で背景の階調が取りにくくなってしまうことがあるので、かなり慎重に設定することくらいでしょうか。彩度はストレッチ後にCTで上げることにします。


背景

それでも背景の淡いところを持ち上げるのはなかなか難しいです。StarNet V2やRange maskなどを使いマスクを作り、主にPhotoshop上で駆使します。コツは暗いところを一気に切り詰めないことでしょうか。暗いところに淡い諧調が隠れているので、これらを注意深く拡大していくような感じです。

途中一つ気になったことがあります。PIの最終段階でEZ Star Reductionを使ったのですが、その画像をStarNetで切り分けた背景を見てると、なぜか分子雲に余分な細かい構造が追加されていることに気づきました。恒星の処理が背景に影響したものと考えられます。このままだと背景を炙り出しきれないことがわかったので、今回はEZ Star Reductionを使わない方向でいきました。

こう考えると、結局でPIではDecomvolutionもEZ Star ReductionもArchsinhStretchも使わず、結構シンプルな処理で落ち着きました。その代わり、PhotoshopではDeNoiseなどのノイズ除去を使っています。自宅だとやはり明るいせいでしょうか、6時間超でも淡い背景部分はまだまだノイジーで、強めのノイズ処理は必須でした。淡い部分を余裕を持って処理する場合は、10時間超え、明るい自宅なのでもしかしたらもっと長くとかになってしまうのかと思います。


結果

画像処理の結果は以下のようになります。

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  • 撮影日: 2022年9月29日22時50分-30日3時42分、9月30日21時14分-10月1日2時37分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: SHARP STAR製 SCA260(f1300mm)
  • フィルター: Baader RGB
  • 赤道儀: Celestron CGX-L
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、Gain 120、露光時間5分、L: 41枚、R: 19枚、G: 16枚、B: 22枚の計76枚で総露光時間6時間20分
  • Dark: Gain 120、露光時間5分、温度-10℃、32枚
  • Flat, Darkflat: Gain120、露光時間 L: 0.001秒、128枚、RGB: 0.01秒、128枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

今回の画像を見る限り、自宅撮影にしては背景の分子雲がそこそこ出てくれたと思います。まゆ星雲の周りにこんなにモクモクした分子雲があるとは思っていませんでした。背景の淡い分子雲の処理はずっと得意でなかったのですが、やっと少しコツをつかめてきた気がします。

そのきっかけの一つが10月9日に行われた天リフ超会議の「雲のじゅうざ。」さんの発言で、「StarNetなどで一旦恒星を分離して、分子雲の様子を見る」というものです。そこでDBEを使うということでしたが、今回私はDBEは使わずにABEを使っています。ポイントはDBEだろうがABEだろうが、できるだけ大まかな明暗が無い状態にして、ストレッチがうまく行くように、その上で分子雲のモクモクを残すと理解しました。確かに青い馬星雲の背景を出す時に、StarNetで恒星をなくした背景を見て、まだまだ諧調が出し切れていないと再処理したことを思い出しました。

まゆ星雲本体はもう少し強調してもいいのかもしれませんが、まゆ星雲全体が淡いホワホワしたイメージだったので、それに近づけるようにしました。それでも細部はかなり出たと思います。これはL画像のおかげでしょう。RGBだけでの画像とは一線を画しています。

恒星の処理は相変わらず得意でないです。もっと鋭く輝くように、且つ飽和しないようなものを目指したいですが、なかなか難しいです。


まとめ

とりあえず、自宅撮影でここまで出ればかなり満足です。L画像の威力もよくわかりました。

ただし、最近画像処理に時間をかけすぎている気がします。凝り性の性格が災いしてか、いったん疑問に思うと確かめない限り全然前に進めません。時間ばかり過ぎていき、成果が全然出ないのです。今回はまあ初めてのLRGB合成ということで、今後のことを考えると少し時間をかけておきたいのはあります。それでも画像処理を始めたのが10月1日で仕上がったのが10月16日と、半月もかかっています。実際にはこの記事に書ききれていないこともいろいろ試していて、ほとんどはボツになったものです。

ある程度の画像を求めるには長時間撮影が必要になってきてもいるので、そのぶんじっくり画像処理に時間をかけるというのも一つの手かもしれません。でもまだ未処理のものが5つ残っています。天気がずっと悪いからまあいいか...。

過去M33は2回撮影しています。いずれも自宅での撮影です。どうしても満足できていなかったので今回再びM33の撮影です。

3回目のM33

最初の撮影は2018年の1月、PixInsightを始めた頃で、3時間の長時間露光と頑張ったのですが、その長時間露光が原因で縞ノイズ(縮緬ノイズ)に悩まされました。


これは後の解析で、フラットファイルを暗いところで撮っていたためフラット情報を持つべき信号が足りずに、結果としてS/Nが悪いフラットファイルになっていたことが明らかになりました。


2回目は2020年の11月なので約1年前です。TSA-120とASI294MCでの撮影でした。

この時は露光時間が1時間半ほどで、どうしてもノイジーになってしまうのに悩んだ覚えがあります。


土、日の2日間の撮影

撮影は2日に分かれました。10月9日(土)と、10月10日(日)です。前回の画角が少し狭かった気もするので、今回はTSA-120とEOS 6Dで撮影してみました。これでうまくいかないなら、次はASI294MMのモノクロでRGB撮影にするかもしれません。銀河なのでフィルターは赤外でのハロ防止のためのUV/IRカットフィルターのみです。

土曜は昼間快晴だったのですが、夕方からずっと曇り。0時頃に一旦快晴になり機材を出し、0時半頃に準備を終えたら再び曇りで、一旦自宅に退散します。1時過ぎにまた快晴で、結局撮影開始が午前1時40分頃でした。この日は明け方まで撮影しましたが、露光時間が1枚あたり5分で、薄明までに34枚撮影できてそのうち29枚を使うことができました。これだけだと2時間半くらいなので、もう少し枚数が欲しくて次の日も撮影。

日曜は朝からずっと快晴なので、赤道儀も前の晩から置きっぱなしです。昼間は太陽撮影とかしていたので、そのまま移動していないため夜の撮影でも極軸を取る必要もなし。連日晴れの撮影だと準備は楽なものです。この日は45枚撮影して37枚を画像処理に回すことができました。

2日間トータルで66枚なので、5時間30分の露光になります。

でも本当はもう2時間程度長くなる予定でした。初日の撮影で、一番最初はISO1600で始めたのですが、ヒストグラムのピークが半分近くまできてしまっていたので、すぐにISO800に切り替えました。問題は2日目で、同じISO800で始めたのですが、天頂越えで赤道儀を反転させた際に、間違えてISO1600にしてしまいました。最初違うISOを混ぜて処理しようと思ったのですが、画像処理の時に見比べたら、ISO1600の方が明らかに星像が肥大していたので、泣く泣く25枚分諦めることに。

そういえばもう一つトラブルが。いつも使っているStickPCにリモートデスクトップで全くつなげなくなってしまったのです。とりあえずその場は代理のノートPCで撮影を始めましたが、後でStickPCを調べたら結構面倒でした。接続できなくなったのはWindowsのアップデートが始まってしまったのが原因のようですが、アップデートのせいなのかWi-Fiアダプタをうまく認識できなくなってしまったようです。

Wi-FiアダプターはIntelの9462で「コード10」エラーでうまく開始できないというようなメッセージが出ています。ドライバーをアンインストールして、Intelのページからあらわに最新ドライバーをダウンロードしてきたりして色々試すのですが、
  • 一瞬起動してネットワークにつながるがすぐにだめになる。
  • 起動してネットワーに繋がるが、切断と接続をずっと繰り返す。
  • 起動してネットワークにつながり安定だが、再起動するとアダプターを認識しなくなる。
などのトラブルがずっと続きました。10回くらい色々とドライバーを入れ替えたり再起動したりを繰り返していると、ある時突然安定になって、再起動とかしても普通に動くようになりました。原因はわかりませんが、とりあえず動いたのでこのままそっと使おうと思います。安定運用の観点からは、Windowsのアップデートはできるなら避けるように設定しておいた方がいいのかもしれません。

もう一つのしょぼいトラブルですが、撮影が長時間にわたるので6Dの駆動は電池切れを防ぐために外部バッテリーにしてあるのですが、その外部バッテリーが切れてしまって、2日目の天頂越えの後1時間以上にわたって撮影が中断していたことです。目が覚めた時に外にチェックしに行って発覚しました。でも結局後半は先に書いたようにISO1600で撮影してしまって、星像肥大で使わない画像となったのでまあいいかと。ISO800のままでバッテリートラブルがなかったら、9時間越えになっていたかもしれません...。

撮影時の状況はこんなところでしょうか。後日フラットとフラットダーク、足りなかったダークファイルを、ISO800の分とISO1600の分をぞれぞれ追加撮影し、やっと画像処理です。


画像処理

PixInsightのWBPPで何パターンか試しました。
  1. ISO800
  2. ISO1600
  3. ISO800とISO1600を混ぜたもの
を比べて、ISO1600が星像肥大と判断し、2と3を棄却。

でもなぜISO1600で肥大していたのかは謎です。ピントはずらしていないし、ISO800と1600で天頂に対象に撮影したようなものなので、空の高低では影響は同じくらいになってもおかしくないはずです。明け方に向かって温度が下がっていくはずなので、その温度変化でピントがずれていったのかもしれません。

あと、6Dのダーク特性がちょっと気になったのでホット/クールピクセルはPixInsightのCosmeticCorrectionで取り除くようにしてあるので、
  1. ISO800でダーク補正あり
  2. ISO800でダーク補正なし
で比較。結果、ダーク補正なしの方が少しだけ縞ノイズが残るので、ダーク補正ありを採用としました。

何でこんなことをしたかというと、もしかしたら6Dのダークノイズって素性が良くてあまり気にしなくてもいいのではと思ったからです。ダークフレームを撮影するのは時間がかかりますし、少ない枚数での補正だと逆にノイズを加算することもあります。まあ結果はほんの少しですが違いがわかったので、これからもダーク補正はしようかと思います。冬でもっと温度が低くなればダーク無しでも良くなるのかもしれません。

ABE、DBEで残りの背景補正をして、PCCで恒星の色合わせ、ASと最後は恒星を尖らせるためにHTでストレッチ。StarNetで星マスクだけ作り、MTのDilationで少しだけ製造を大きくしてPhotoshopに渡します。あとはほとんどPhotoshopで調整です。


結果

私は青紫っぽいのが好きなので、以下のようにしました。

「M33:さんかく座銀河」
Image17_DBE_DBE_ASx2_HTx2_4_cut_b
  • 撮影日: 2021年10月10日1時41分-4時37分、2021年10月10日20時34分-10月11日0時47分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー
  • フィルター: SVBONY 2インチUV/IRカットフィルター
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: Canon EOS 6D (HKIR改造)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間300秒x66枚 = 5時間30分
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC、DeNoise AI

ちょっと中心がサチってしまっていること、赤ポチがわざとらしいところが反省点でしょうか。淡いところはそこそこ出たと思います。解像度はまあまあ。以前ASI294MCで撮ったのよりは、ピクセルサイズが4.6μmから6.3μmと大きくなっているにもかかわらず解像しています。シンチレーションが効いているのでしょうか?でも潜在的にはもう少しでてもいいのかもしれません。これは次回以降にチャレンジとします。

画像処理でいろいろいじっていたのですが、もしかしたら色味は真ん中をもっと黄色に持っていって、青紫よりも青に寄せるほうがいいような気もしてきました。近いうちに再処理するかもしれません。

あとは、いつものAnnotationです。

Image17_DBE_DBE_ASx2_HTx2_4_cut_b_ok_annotation


まとめ

いつもの自宅撮影でしたが、露光時間も5時間越えで、そこそこ出てきたと思います。解像度はもう少し出ても良さそうなので、次やるとしたら少し画角が小さくなりますが、ASI294MMでLRGBでしょうか?他の銀河でのLRGBも、今後挑戦していきたいと思います。


おまけ

以前撮影したものの再掲載です。

2018年1月のもの。縞ノイズがひどいです。
integration_Maximum_No_normalization3c

2020年11月のもの。
masterLight_180_integration_DBE_AS_hakiOK_all4

上の2020年と同じ画角で、今回のものです。
Image17_DBE_DBE_ASx2_HTx2_4_cut_b_ok_cut

うん、こうやって比べると3年では劇的に、1年でも進化していますね。微恒星まで出て、分解能もよくなっています。でもやっぱり中央の処理は前の方がいいかも。これは再画像処理案件か?


今回は初のナローバンドです。まずは簡単なAOOから、ターゲットはM27: 亜鈴状星雲です。


M27をAOO撮影

M27は、昔コスモス天文台で25cmのMEADEのシュミカセを使って撮影したことがあります。


低F値の明るいシュミカセなのでコマ収差が避けられていないことと、この時は全く気づけなかったのですが、どうやら淡ーい赤や青の領域が周りにあるようなのです。

AOO撮影はナローの中でもシンプルな方で、HαとOIIIの2波長でR、G、BにHα、OIII、OIIIと当てはめると自然な色で(カラーで撮影したような色)出てくるようです。大きさ的にTSA-120の900mmとVISACの1800mmと迷ったのですが、VISACの三角星像が出ると嫌なので、TSA-120にしました。もしかしたらBKP800にコマコレクターでも良かったかもしれません。

カメラはASI294MM Proです。このカメラではM57のRGBフィルターで撮影で10秒露光のラッキーイメージのようなものを試みたのですが、中心星を含めそこそこの解像度になりました。


今回の目的は
  • ナローバンド撮影の感触を掴むこと
  • M27の周りの淡いところを出してみたいこと
です。

フィルターはこれまで星まつりなどでちょくちょく特価品を買い揃えていたもの。大抵は国際光器さんで購入したバーダーの中古やB級品で、サイズは1.25インチです。フォーサーズのASI294MMなので1.25インチで事足りるのですが、これ以上大きなセンサーサイズだとフィルターからまた考えなくてはならなくなります。ここしばらくはフォーサーズとアメリカンサイズフィルターでまずは色々試そうと思っています。また、手持ちの5枚用のZWOのフィルターホイールはRGBで埋まっているので、今回はフィルターを個別にCMOSカメラの先端にとりつけ、1枚ごとに交換します。


撮影

撮影はいつもの通り自宅庭撮り。今の時期、M27は天頂近くの方向にあります。

BE3315D2-6B84-45C5-9FCB-D3ED4D7DA92D

撮影はCMOSカメラなのでNINAを使います。撮影中にディザーを使いたいことが理由です。SharpCapも最近はディザーに対応してきてますが、まだこなれきっていない感じです。最近はAPTよりもすっかりNINAという感じです。6Dの場合はBackYardEOSですが、それ以外はNINAといったところでしょうか。

撮影は合計3日に渡りました。いえ、長時間撮影したとかではなく、曇りで撮影時間がほとんど取れなかったというのが実情です。

出にくいと言われている青に目処をつけたかったので、まずは月が出ていないうちに、OIIIの撮影からです。撮影日は9月6日。もう一月近くも前になります。露光時間は5分とし、ゲインは一番得をする120。もしこれで何も出ないようなら、次回はゲインを300にするか、露光時間を10分とかにするかもです。こちらは25枚撮影して18枚使えました。最後は曇って中断です。

対してHαは青より出やすいだろうとタカをくくって、半月期の月がかなり明るい時に撮影しました。というより、最近全然晴れることがなくて、それでもかろじて天気が良かった9月23、24日に渡って撮影しているのですが、両日と月が出ている時です。しかも2日とも曇りに近くて雲越しの像になってしまい、ハロっぽくなったり淡いところが見込みがなさそうでした。結局使えたのは24日の分だけで、枚数で言うと65枚中22枚が使えただけでした。両日もやはり曇って中断です。


各種補正フレームの撮影

上述の通りライトフレームはNINAで撮影しましたが、後日バイアス、ダーク、フラット、フラットダークの各フレームの撮影をSharpCapで撮影して、ビニングの名前の定義の違いで画像処理にトラブったという話を前回の記事で書きました。



でもそれは画像処理になって初めて発覚したことで、撮影自体はなんの問題もなかったです。撮影条件は
  • バイアス: 0.0032ms露光、ゲイン120、500枚
  • ダーク: 300s露光、ゲイン120、31枚
  • フラット: 1s or 16s露光(部屋の明るさに依る)、ゲイン120、50枚
  • フラットダーク: 1s or 16s露光(部屋の明るさに依る)、ゲイン120、50枚
となります。

あえて言うなら、OIIIとHαでフラットフレームを個別に撮っているところくらいでしょうか。もしかしたら一緒にできるかもしれませんが、まだよくわかっていません。フィルターによってムラの出来方が違うと言う話もあるので、念のため各フィルターでフラットフレームを撮っています。そのため、ライトフレームの撮影が数日に渡ってしまったのはラッキーでした。一日での撮影だと、フィルターを交換するたびに途中でフラットを撮らなくてはならなくなります。

これを考えると早めにフィルターホイールに入れてしまった方が良さそうです。今のRGBフィルターを入れ換えるか、8枚入るのを買ってRGBもHα、OIII、SIIも全部入れてしまうか、5枚のをもう一台買ってナローバンドフィルター用に別で作るか、迷ってます。


画像処理

画像処理の最初はいつものようにPixInsightです。ビニングの問題でWeighted Batch PreProcessing (WBPP)ができなかった以外は、極めてストレートフォワードでした。

Hα画像とOIII画像の合成はChannelCombinationを使います。R、G、BにHα、OIII、OIIIをそれぞれ当てはめます。

あとはStarNetで恒星と星雲部のマスクをHα、OIIIと別々に作っておきました。でも結局使ったのはHαのマスクだけでした。最近StarNetのマスク作りはトラブルが少なくなりました。コツはSTFのオートストレッチとHTで恒星がサチり気味なストレッチをかけて、そこにStarNetをかけることです。こうするとかなり綺麗に分離できるようです。

一つトラブルを思い出しました。PCCがどうしても上手くいかないのです。位置特定のPlate solveの方は問題ないのですが、色を決めるところでどうやっても最後エラーで終了してしまいます。かなりパラメータいじったのですが、最後諦めてしまいました。もしかしたらAOOで2色が同じなので、そもそも原理的に出来ないのかもしれません。今後の検証項目です。

ストレッチはArcsinhStretchとMaskedStretchを併用しました。それでもASが強すぎて恒星の色が強く出過ぎたのと、MaskedStretchで恒星がサチらないようにしたので、少し眠い恒星になってしまった気がしています。恒星は多少サチるくらいが鋭く見えて好みかもしれません。

ここまできたら、16bitのTIFFにして、あとはPhotoshopに受け渡します。

炙り出している過程で気づいたのですが、青はまだ出ているものの、赤の出がいまいちはっきりしません。淡いところがどうしてもノイジーになるので、一部DeNoise AIを使いました。


なぜ赤色が弱いのか?

赤が出ない理由ですが、私は単純に月夜の晩に撮影したからかと思っていたのですが、Twitterで先に画像だけ投稿したところ、おののきももやすさんから同じように月夜でもないのに赤が出ないという報告がありました。

さに、gotodebuさんから、そもそも水素のバルマー系列じゃなくて窒素の禁制線が出てるのでHαフィルターだと通りにくいのではと言う指摘もありました。Hαは656.3nm、窒素の禁制線は654.8nm,658.4nmとのことで、ともに2nm程度しか離れていません。今回使ったHαフィルターは7nmです。半値全幅が7nmだとしても、十分中に入っていて7−8割は透過してもおかしくないと思います。gotodebuさんによると、もう少し幅の広いQBPだと赤がはっきり出るとのことなので、一度QBPで撮影してみるのも面白いかもしれません。


結果

さて、画像処理の結果です。M27が見やすいようにトリミングしてあります。

Image09_DBE2_stretched7_cut_crop_b

  • 撮影日: 2021年9月6日21時14分-23時23分(OIII)、9月24日22時13分-9月24日0時12分(Hα)
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー
  • フィルター: Barder 7nm Hα, 7nm OIII
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ASI294MM Pro (-10℃)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、露光時間300秒x18枚 = 1時間30分(OIII)、300秒x22枚 = 1時間50分(Hα)
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC、DeNoise AI
目的の一つだった回りの淡いところはそこそこ出ているようです。ただ、やっぱり赤が出ていない気がします。もう少し出てもいいと思うのですが、やはりリベンジ案件でしょうか。

それでも前回のM27の撮影よりははるかに進化しています。2018年11月なので3年くらい前です。
integration_DBE_DBE_PCC_st4_cut

3年前と今回の違いですが、口径は25cmと12cmで半分以下、焦点距離は1600mmと900mm、カメラはカラー常温とモノクロ低温、フィルターなしとナローバンドフィルターなどがです。画像処理の進歩も大きいです。3年前はそこそこ写ったと思っていましたが、比べてみると違いは明らかで、ずいぶん進化したことがわかります。

あと、トリミング前の画像はこちらになります。どのくらいトリミングしたかがわかるかと思います。

Image09_DBE2_stretched7_cut_b

いつものアノテーションです。
Image09_DBE2_stretched7_cut_b_Annotated


まとめ

初めてのナローで、今回は比較的簡単なAOOに挑戦してみました。自宅でもナローなら淡いところも出ることがわかったのは大きな収穫です。ただし月がある場合とない場合ではまだ写りは変わるのかもしれません。

あとトータルの撮影時間も実は大したことありません。いや、時間はかけたのですが使える枚数が少なかったです。倍くらいの露光時間があればもしかしたら劇的に変わるのかもしれません。

天気のせいで日数はかかってしまいましたが、今まで見えなかったものが見えてくると思うとナローバンド撮影もかなり面白いです。AOOにとどまらず、SAOとかにも挑戦してみたいと思います。

昨日光軸調整したVISACですが、その日の夜遅くに晴れてきたので、少し見てみました。

結果だけ言うと、シンチレーションがいまいちで星が揺れていて、いろんな方向にぶれていたので評価は保留です。まだ3つの固定具を視野から隠してないこともあるので、きちんとした評価はそれが終わってからにしようと思います。ただ、一応ある程度きちんと星には見えていたので、少なくとも光軸調整が全然間違っていたということはなさそうです。


満月間近の月

その後少しだけ月を撮影しましたが、画面で見ていても細かい揺れが多く、細部を比べると前回ほどの解像度は出ませんでした。やはりシンチレーションがよくなかったのかと思います。それでも全体を写した月と思えば、強拡大しない限り細部にそこまでこだわる必要もないので、私的には満足です。

00_36_22_lapl2_ap8304_IP-denoise2-standard_stitch

  • 月齢12.7日
  • 撮影日: 2021年7月23日0時22分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間5ミリ秒x125/250枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、ICE、DeNoise AI
でもこれ実は画像処理で少しインチキしています。画素数が多過ぎてRegistaxが使えないので、ImPPGを使っているのですが、どうしても細かいノイズがのってしまいます。ノイズ除去をするために、ここにDeNoise AIをSharpを1と最低にして、ノイズ除去を20と軽くかけてみました。

DeNoiseの処理としてはかなり軽くて、暗い部分のノイズはてきめんに減りましたが、明るいところのノイズがまだ残っています。ただ、やはり月の場合は偽線が出る可能性が否定できなく、今回は試しに使ってみましたが、明るいところのノイズが消えるくらいまで強くするとどうしても不自然に見えてしまい、あまり使いたくないなあというのが正直な感想です。今回は最低限のノイズ除去だけという感じです。ちなみに、Sharpen AIも試しましたが、こちらは偽線が出まくりでさすがに使うのを躊躇しました。

Registaxが使えないという理由でImPPGを使い続けるなら、うまく相性が合うノイズ処理を見つけるのが課題かと思います。


赤外の透過波長の違いの比較

今回の撮影は少し余裕があったので、IRパスフィルターの比較をしてみました。使用したのはサイトロンのIR640、IR720、IR800で、それぞれ640nm、720nm、800nm以上の波長のみを通します。

撮影したのは上の画像の左上の方。上の写真は撮影後回転しているので、下の写真では右上に見えてしまっています。ASI294MM Proを常温で、Bin1モードにして分解能を上げ、画角を一辺4分の1の2072x1410にしました。露光時間を5ミリ秒に固定していますが、ゲインは画面の明るさに合わせてヒストグラムがフルになるように変えています。IR640、IR720、IR800の順にそれぞれゲイン200、270、340です。

撮影中の動画で見ている分にはIR640、IR720はあまり変わらなかったですが、IR800は明らかに見た目で揺れが少なくなっているようでした。もちろんその分IR800では暗くなります。

画像処理はAS!3でRegistaxになります。Waveletのパラメータは比較しやすいように全て同じにしてあります。画素数を少なくしたのでこれらの画像はRegistaxを使うことができました。RegistaxのDenoiseが細かいノイズに結構効くので、ImPPGよりももう少し攻めることができます。

とりあえず3枚並べます。

00_50_43_lapl2_ap3043_RS
IR640

00_52_38_lapl2_ap3189_RS
IR720

00_56_05_lapl2_ap3279_RS
IR800

わかりやすいように一部切り出して拡大します。

comp

左からIR640、IR720、IR800です。IR640、IR720はほとんど変わりませんが、細かいところを比べるとIR800は解像度が明らかによくなっています。ただ、IR800の場合は光量が減ったのを補正するためにゲインを上げたせいかと思いますが、ノイズが少し残っています。

波長が長くなれば揺れが小さくなるという、まあそこそこ予測通りの順当な結果ですが、分解能の違いがあると言ってもごくごくわずかで、シンチレーションの違いで出るさの方が遥かに大きい気がします。なので無理してIR800以上で撮るとかよりは、揺れの少ない日を狙った方が素直な気がします。


かゆくて、かゆくて

本当はもっと続けたかったのですが、とにかく蚊が多くて、あまりにかゆくて自宅に引き返しました。明るいところで見たら三十箇所くらい刺されてました。自宅なのでゆるゆるの格好で、Tシャツ、短パン、サンダルとかなので、そりゃあだめですよね。

ムヒを塗って痒みが収まってきたところで再び外に出たら相当曇ってきてました。雨の心配もあったのでその時点で撤収することにしました。


まだまだ連休

連休中は天文イベント目白押しです。

今回の月の撮影は木曜夜のことで、ブログは次の日の金曜夜に書いてますが、この金曜の夜はMちゃんが自宅に来てくれました。そのことも記事にしたいのですが、ネタがどんどん溜まって書ききれなくなりそうです。

しかも明日の土曜は13時から天リフの「星と宇宙の夏ライブ2021」です。こちらもかなり楽しみです。




わたくしSamがオススメの重力波のお話、よかったら聞いてみてください。




今回は自宅ノーフィルターでの星雲撮影の一環です。なかなかうまく色が出ない青い星雲を狙います。ターゲットはさそり座アンタレスの上のIC4592青い馬星雲です。

といっても撮影したのは結構前で、4月10日と11日の土日、VISACでの銀河撮影(M87M104)の後の深夜からのあまった時間で撮ったものです。乙女座銀河団を撮影した時のFS-60CB+6Dがそのまま残っていたので、VISACでの撮影が終わってからポンと赤道儀に載せたものです。両日とも撮影が始まると寝てしまいました。

実はもう結構前のことになるので、状況もあまり覚えていないのですが、記録を見るとISO800で3分露光です。10日が25枚で11日が61枚の計86枚で、総露光時間258分=4時間18分です。でも画像処理をやってわかりましたが、まだ全然足りなさそうです。この日は確か2日とも結構透明度の良い日でした。それでもやはり南のそれほど高くない位置にある星雲です。自宅から南の山までの間に丸々一つ街があり、南の低い空はやはりどうしても街明かりの影響があります。時期的も4月初めは少し早く、撮影終わりの未明で南天を少し超えるくらいです。

まあそれでも寝ながらの撮影なのでダメ元、画像処理を進めてみます。PixInsightはいつも通りWBPPで問題なく進めます。苦労したのはかなり全面に渡る感じでモクモクがあるので、ABEが使えずDBEでポイント数をかなり制限してフラット化しました。あ、もちろんフラットもいつもの昼間の白い壁で撮ってますよ。それ以外はストレッチやStarNetでの星マスク作りも問題なく進みました。

まあ淡いのはPhotoshopに渡す時点で覚悟してましたが、あぶり出しはなかなか厳しかったです。

「IC4592: 青い馬星雲」
masterLight_DBE_PCC_ASx5_ET_HT3a
  • 撮影日: 2021年4月11日2時34分-4時27分、4月12日0時35分-4時8分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: Takahashi FS-60CB + マルチフラットナー
  • フィルター: なし
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO800, RAW)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間180秒x86枚 = 4時間18分、ダーク154枚(ISO800、露光180秒、最適化なし)、フラット256枚(ISO800、露光1/400秒)、フラットダーク256枚(ISO800、露光1/400秒)  
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC
遠目で見てる分にはまだマシかもしれませんが、拡大すると荒れ荒れです。分子雲ももっと広がっているはずですが、そこまで諧調が残ってませんでした。青い星雲だからこそのノーフィルターなのですが、やはり厳しいです。もっと暗い所に行くか、自宅なら撮影時間をもっと伸ばす必要がありそうです。リベンジ案件です。

手持ちの未処理画像はほぼ尽きてきました。これから連休ですが、天気はイマイチの予報です。新しくきたFRA135も早く試したいです。 

 

VISAC復帰第2段です。前回のNGC4216に続き、今回はM104ソンブレロ銀河。




今回のターゲット

M104にした理由ですが、あまりこだわりはなくフォーサーズのASI294MCの画角に合うところを探したらM104だったといっても良いかもしれません。M104は意外に大きくて、VISACの1800mmとフォーサーズでもそこそこの大きさになります。自宅から見てくらい東や南の空でこの画角にちょうど良い大きさの銀河が意外に少ないのです。

でもM104って、南のかなり高度がかなり低い位置にいるんですよね。撮影期間が意外に限られているので、ちょうどよかったかもしれません。


撮影

セットアップは前回のNGC4216と同じなので、ピント合わせくらいでほとんどいじるところはありません。露光時間などもNGC4216の時と同じゲイン120で5分露光で撮影しています。

22時頃から撮影を始めたのですが、平日なので撮影が始まったら放っておいて寝てしまいました。あとからチェックしたら、使えるのは50枚だったので、5分 x 50枚 = 250分で、合計4時間10分となります。


NINAで自動で天頂越え


そういえば前回から撮影ソフトにNINAを使っています。最近はCMOSカメラでの撮影は課金までしたAPTから完全にフリーのNINAに移りつつあります。構図決めや導入時のプレートソルブもうまくいくので非常に快適です。LiveViewでのオートストレッチも便利で、短時間の露光でターゲット天体が見えるので、一決めも正確です。

最近の撮影時間は結構長いので、どうしても天頂越えをしてしまいます。前回の撮影からNINAの赤道儀の自動反転機能を使い始めています。ケーブルの絡みが心配だったので、最初だけはその場にいて見ていましたが、全く問題なさそうです。最近はケーブルの固定位置を赤道儀の赤緯体の可動部付近だけ一箇所にしていて、他は余裕があるようにかなり緩めています。こうすることで、最終稼働部である赤緯体のモーター位置から、鏡筒やカメラまでのケーブルの長さが固定されるのでトラブルが少ないです。赤緯体からバッテリーやStick PCまでのケーブルはあえて固定せず、余裕があるケーブル長さでプラプラしています。赤経体が回転する時にケーブルが引っかからないか心配なのですが、赤経体がホームポジションにある時に北側から見て左右対象になるようにStick PC、バッテリーなどを配置し、(赤道儀の電源口が片側に寄っているので全部は無理なのですが)ケーブルもできるだけ左右均等になるように配置します。そうすると、たとえ赤経体が反転しても、反転前後どちらの場合もケーブルもバランスよく配置されるので、スムーズに反転します。



画像処理と結果

バイアス、ダーク、フラット、フラットダークも前回のNGC4612の時の使い回しです。セットアップが同じで冷却カメラで、カメラの回転角とかを触っていないと、これらのファイルがそのまま使えるので、画像処理が楽になります。

銀河はまだ画像処理に慣れていないのか、少し迷走しています。あまりシンチレーションが良くなかったこともあると思いますが、焦点距離が長いこともあり、星像がどうしてもボタっとしてしまいます。最初はArcsinhStretchでストレッチしたのですが、色は出てもすごく眠い恒星となったので、結局STFとHistgramTransformationのみでストレッチしました。なので恒星の色があまり出ていません。それでもまだ鈍い星像には不満で、ピントが合っていなかったのか、5分露光で長すぎたのか、赤外の収差で大きくなっているのか、まだまだ改善の余地がありそうです。


結果

結果です。

「M104: ソンブレロ銀河」
masterLight_ABE_DBE_PCC_HT
  • 撮影日: 2021年4月7日22時4分-4月8日3時28分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: なし
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro、-10℃
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、gain120、露光時間300秒x50枚 = 4時間10分、ダーク128枚(gain120、露光300秒、最適化なし)、フラット256枚(gain120、露光40ミリ秒)、フラットダーク256枚(gain120、露光40ミリ秒)
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC、Sharpen AI

恒例のAnnotationです。

masterLight_ABE_DBE_PCC_HT_Annotated

今回も水平がバッチリ決まっていて気持ちいいです。


まとめ

まだまだ反省点だらけです。星像をキリッとさせるためにまだできることがたくさんありそうです。ピントはEAFを導入した方がいいかもしれません。VISACの星像がまだ安定しないので、ピントが合ってないのか光軸がまだずれているのか迷う時がよくあります。撮影に関しても、露光時間が長すぎるのでラッキーイメージが効果的かと思います。ノーフィルターの方向性は間違っていないと多いますが、どうもIRで星像が肥大化している可能性があるので、UV/IRフィルターは入れた方がいいのかもしれません。それとは別に、最近赤外が流行っているので分解能目的でIRだけを撮るのはありかもしれません。

次回は鏡筒自身の強度を上げるために、VISACを改造します。でもこれも大きな落とし穴があったのでした。


休日で晴れていたので、久しぶりの太陽撮影です。用事があり、余り時間がなかったのでアニメとかは諦めました。

黒点はありませんでしたが、8時方向に比較的大きなプロミネンスが出てました。2つのリングを形成するプロミネンスの中に、残った輪が宙に浮いているように見えます。

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  • 撮影日時: 2021/4/3 10:28
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.0beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 80, 1.25ms x 2000フレーム中上位50%もしくは30%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理

また、5時方向のプロミネンスが、光球面のフィラメントとつながっているのですが、これを画像処理でうまく表現するのがものすごく難しいです。光球面とプロミネンス部分で輝度が全く違うので、ちょっと凝った画像処理をやってしまうだけで分離されてまるで別物のように見えてしまいます。つながって見せようとすると、両方の明るさを合わせて、できるだけ差のない画像処理をしなければいけません。何度もいろんなことを試して、結局どれも気に入らなくてほとんど処理のないところに戻ってしまいました。今回はここらへんで諦めます。

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  • 撮影日時: 2021/4/3 12:41

何かいい方法はないのか?今後の課題です。

 

昨年9月に自宅に遊びに来てくれたあんとんシュガーさん。その時はまだ機材を揃え始めたばかりで、長時間の撮影はできてませんでした。その後自宅前でアンドロメダ銀河を、FS-60CBをポラリスUに載せ、FUJIFILMのX-T2で約1時間半を切るくらいの時間で撮影したそうです。撮った画像は自分自身で、時にはTwitterでの猛者たちの力も借りて、PixInsightの練習も兼ね画像処理を熱心に進めてきてました。その様子はあんとんしゅガーさんのTwitterでの投稿を見てるとよくわかり、私もいくつかコメントを返し、いつかまた一緒に画像処理やりましょうと約束してました。


直前に訪問が決まる

1月22日の金曜日「そろそろどうですか?」と聞いてみたら「それでは明日の土曜日に」となり、急遽自宅に来てもらうことに。新潟の考太郎さんも以前から参加したいと表明されていたので、声をおかけしたのですが、直前のお誘いのためにやはり仕事で都合がつかないとのこと。とても残念がってくれたので、次回こそはぜひ参加していただきたいです。


到着

久しぶりのお客さんなので、午前中少し部屋を片付けました。午後1時過ぎ、あんとんシュガーさんが到着。早速見せてくれたのが、大阪あすとろぐらふぃ〜迷人会の井戸端さん製作の自由微動雲台の改良版。

IMG_1528

以前テストしたものよりも見た目もシンプルに、より頑丈そうになっていて、動きもスムーズそうでした。ただ、星を見てのテストまではできてないので、できれば実測でテストしてみたいです。ちょうどTwitterで井戸端さんと繋がって聞いてみると、揺れを収めるための制振用の柔らかい金属を挟み込んでいるとのことでした。でもこれは後から聞いた情報で、その場で見ただけではわからなかったです。これを聞いてますます実際の星で見てみたくなりました。Twitter上でも、他に手に入れられたからの意見で「相当頑丈に固定できる」との意見が出ていたので、かなりいいものに仕上がっているのかと思います。数は出ていないと思うので、手に入れられたユーザーは多分相当ラッキーなのかと思います。末長く実用レベルで使えるのか思います。


画像処理へ

さて、会話のままに引き続き画像処理になだれ込んでいったのですが、どうやってやるかが考えものでした。あんとんシュガーさんは見事にPixInsight (PI)門下になってしまって(笑)、WeightedBatchPreprocessing (WBPP)でIntegrationしたくらいの画像までは出せるようにはなっています。ただ、それ以降の炙り出しをPIの中だけでやろうとしているため、なかなか苦戦しているようです。まずはあらかじめPIでIntegrationまでした画像を用意して、今回はストレッチまで進めるところを実際にやってもらって、その後は別のソフト(今回はPhotoshop)に移して(あんとんシュガーさんはPhotoshopは持っていないので)やり方を「見て」もらう、としました。


PixInsightにて

まずIntegrationした直後の画像は、当然ですがPI上では真っ暗です。あんとんシュガーさんは、そもそもきちんと撮影できているかどうか不安で、この画像にどれくらいの情報が入っているのか理解し切れていないようでした。なかなか細部まで出てこなかったことから来ている不安だと思います。少し安心してもらいたくて、以前Twitterに投稿された画像(JPEG)から、私の方でStarNetで分離して、少しだけ炙り出した画像をTwitterで再投稿したことがあります。

Epqa74tVEAQiGyN_ABE_DBE_back

JPEGから出したものなので、情報は既に欠落しているはずです。それでもこれくらいの淡いところまで残っているので、もう素材としては十分なものが撮れているわけです。その眠っている情報を引き出すことはやはり多少の技術がいるので、今回はそこを重点的に説明することになりました。

といってもやったことは当たり前のことで、
  • AutomaticBackgoundExtractor(ABE)、DynamicBackgroungExtraction(DBE)で周辺減光など、できるだけフラット化しておくこと。
  • PhotometricColorCalibration(PCC)で恒星の色を正しいと思われるものに合わせること。
  • 主にArcsinhStretch(AS)を使って、彩度を落とすことなくストレッチすること。
がメインです。

まずABEですが、2次と4次で個別に処理してみましたが、どちらも結果にあまり変わりはなく、銀河の周りに大きなリングが残ってしまいました。ここでABEは諦めてDBEに。今回は銀河なので、暗黒帯や広い範囲にわたる星雲もなく、DBEでのアンカーは銀河以外のところに数多く、明るさの差があるところは細かく打っていきます。その結果、ABEの時よりはかなりマシになりましたが、それでもリングはうっすらと残ってしまっています。ちょうど良いタイミングでniwaさんがDBEの面白い使い方を示してくれていました。



この情報はあんとんシュガーさんが帰ってから読んだので、今回は試せませんでしたが、これでうまくリングが消えるかもしれません。それでもDBEで相当フラットになったので、M31のかなり淡いところまで出てくるようになります。ここがまず一つ理解してもらいたかった点です。

PCCはデフォルトの12等星まででなく15等星くらいまでにすること、Apartureをデフォルトの8でなく12くらいまで増やすことで、おかしな色バランスになることを防ぎます。詳しくはniwaさんたち委員会の結果を見るといいです。ちなみに私は(どこで知ったか、もう覚えていないのですが)おまじないのように15等星までやっていたので、これまで色バランスがおかしいと思ったことはないです。




次ですが、あんとんシュガーさんは色を出すのに苦労しているようなので、ASで彩度を落とさないようにストレッチしてみます。ASにはハイライトを防ぐオプションがあるのですが、これは通常オンにしておきます。ところが今回はこれをオンにしたことで少し苦労しました。ASを何段階かに分けてかけ、最後のみScreenTransferFunctionとHistogramTransformationで微調整して以下のようになりました。

_60_30__ABE_DBE1_Sam_toPS

最大にストレッチしきる手前で止めてあります。ASのハイライト防止のオプションのために恒星がサチることはいです。この状態でStarNetをかけると、一部の恒星が銀河や星雲などととして認識され、うまく分離できないという問題が出ました。恒星としての鋭さがないことが原因です。そのため、別途ストレッチを戻してから再びSFTとHTをかけて、あえて恒星をサチらせるようにすると、きちんと恒星と背景を分離できました。ここで作った恒星部をMorphologicalTransformation(MT)でDilationをかけて少し恒星を拡大してマスクとしました。

そうそう、このときあんとんシュガーさんから「サチる」がわからないと質問されました。Twitterとかでも使われてるのをみるけど意味が分からないというのです。多分これ理系用語なんですよね。「飽和」を意味するSaturationからきていますが、実験とかして電圧が測定範囲外で上に張り付いたりするときに「あ、サチってる」とか普通に使っています。

恒星をサチらせていない上の画像と、別で恒星をサチらせて作ったマスクを、16bitのTIFFフォーマットで保存して、Photoshopで開きます。でもここからはあんとんシュガーさんがPhotoshopを持っていないので、あらかたの作業工程を見せるだけになります。


Photoshopにて

Photshop上ではアルファチャンネルを利用して星マスクをかけて、銀河部分をあぶりだし、且つ銀河以外の背景のノイズを軽減します。特に銀河部の色出しは彩度、明度をともに調整しつつ自分の好みになるように調整します。中でもCamera Rawフィルターは便利なので初心者にも使いやすいと思います。

今回は星マスクを使いPhotoshopで処理しましたが、StarNetで分離した恒星画像とその他銀河を含んだ背景画像に分けた状態で処理し、レイヤーで重ねる方法もあります。ただ、PI上でArcsinhStretchを使ったために恒星が一部分離できなかったので、今回はこの方法を取ることができませんでした。後のレイヤーでの合成をうまくできるなら、初心者にはこちらの方がやりやすいと思います。

ノイズに関してはNik CollectionのDfine2やDeNoise AIが強力です。それでもこれらツールには限界はあるのと、ときには強力すぎることもあるので注意が必要です。

_60_30__ABE_DBE1_Sam_low

Photoshopに持ってくる前の画像と比べると、銀河の色は出ていますが、どこまで淡いのが出てるかに関しては、Photoshopで処理してもそこまで変わらないのかと思います。背景は銀河の炙り出しとともに荒れてきたのでDeNoiseをかけています。本当は銀河部だけのマスクを作って、銀河だけ炙り出すようなことをやるともう少しましになるのかと思いますが、今回はそこまで時間をかけることができませんでした。


課題

それらのことを含めて、まだできそうな改善の余地をあげておくと
  • DBEでもう少し銀河回りのリングをうまく除去する
  • Pink starの除去
  • 銀河部だけのマスクを使った処理、そのための銀河以外の背景のノイズ処理
  • 最後の微調整に時間をかけること
などかと思います。

結局午後6時くらいまででしょうか、5時間くらいずっとほぼ休憩なく画像処理でした。私自身いつものように紆余曲折しながら長い時間かけましたが、こういったごちゃごちゃした過程を、丁寧に一つ一つ潰しながら、時に後ろに戻って時間をかけてやっていくということを見せたかったのです。

あんとんシュガーさんはすごく熱心なので、多分今回やったこと、見てもらったことを、また自分で繰り返してくれるのかと思います。その場でも話していたのですが、前回9月にきたときにはまだ処理する画像ファイルも無いような状態だったので、すでに今回までに相当大きく進歩しています。春になれば北陸も晴れる日が増えてくるはずなので、撮影もどんどん重ねていくのかと思います。

重要なのはせっかく撮影した画像からいかに情報を引き出してやるか。環境の良いところで長時間撮影したものは処理も楽なのですが、自宅前で撮影したようなものは、画像処理もある程度手間をかけてやらなければなかなか見栄えのするものにならないです。これからも楽しんで画像処理をすすめて頂けたらと思います。


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