ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:粒状班

先週の土曜、この日は梅雨の合間の珍しく晴れ間が見える日でした。この天気も夕方くらいまで、夜からはまた曇りで次の日からは2週間予報でずっと雨です。せっかくの休日なので、朝から起きて太陽撮影を開始しました。


朝のシーイング

機材はいつものC8+PST+ASI290MMをCGEM IIに載せています。前回の5月18日の撮影も、朝でまあまあのシーイングでしたが、今回も解像度がそこそこ出たので、やはり朝の方がシーイングがいいことが多いようです。何枚か見栄えがいいものを撮影したので結果だけ示します。

まずは一番大きな黒点のAR3727です。黒点の番号はここ「宇宙天気ニュース」で確認しています。黒点の南にあるダークフィラメントも結構大きくて見栄えがします。
08_19_45_lapl3_ap2554_IP_2_5_3

クリックして拡大してもある程度耐えられるくらいの解像度になっているので、シーイングは良かったことがわかります。

私はスタック後の細部出しにImPPGをよく使うのですが、シーイングがいい時の撮影ほど画像処理に負担がないです。今回のImPPGのパラメータはLR deconvolutionのsigmaが2.0、Unsharp Maskingのsigmaが5.0、Amountが3.0とかなり小さい値で十分でした。特にLRの値は大きくするとせっかく撮れた細かい模様が荒く潰れてしまいます。

課題はPSTのHαの良像範囲が限られていることと、ピントが出る範囲が限られていることです。そのため今回の画像は端部をある程度クロップしています。良像範囲に関してはちょうどこの日にgariさんがPSTのペンタプリズムの光軸を合わせてかなり改善したという報告がされていたので、近いうちに私も試してみたいと思います。

続いて東の方のAR3729です。上の黒点よりは迫力は落ちますが、小さいものが3つ並んで賑やかです。
08_18_58_lapl3_ap2568._IP_1.5_5_4tif

黒点最後は西端のもう間も無く裏に回ってしまうAR3719です。こちらはダークフィラメントが端までかかっていて、プロミネンスが飛び出している様子がわかります。スピキュールを見る限りそこそこ解像度は出ていると思うのですが、光球面の解像度が少し落ちてしまったようです。
08_23_38_lapl3_ap2533_IP_2.5_6_6

あとはプロミネンス2つです。上の黒点のすぐ下に大きく出ていたものです。
08_25_57_lapl3_ap2556_IP1.5_4_6

もう一つは東側にでていたものです。少しジェットのようなものが見えています。
08_34_01_lapl3_ap1332_IP_2_5_7

ところで、今回もドップラーシフトしたサージ(ジェット)が見えないか、PSTのエタロンの角度を大きく回して太陽全面を見てみましたが、それらしいものはありませんでした。やはり前回はかなりラッキーだっのかもしれません。今思ったのですが、ドップラーシフトを見るだけなら波長は多少Hαからズレていいので、もっとセンサー面積の大きなフォーサーズのASI294MCとかで全面を一度に見た方がいいのかもしれません。もしくはモノクロがいいなら1/1.2インチと294よりは少し小さいですが、Apollo-M MAXでもいいかもしれません。


粒状斑

撮影した時間は前後するのですが、Hαの前にC8にBaaderのAstroSolar Safety film(ただしOD5の眼視用)をつけ、PlayerOneのApollo-M MINIで白色光を見てみました。

フィルターは、これまではBaaderの青緑色とかを使ってましたが、今回新たに緑色のフィルターを使ってみました。一枚やっと余ったからです。青緑だと波長粒状班の波長から少しずれるはずで、多分緑の方があっているのかと思います。

画像を保存し忘れましたが、全体を見渡すと黒点がたくさん出ています。小さいものまで合わせると結構な数です。Appolo-M MINIはグローバルシャッターで速い撮影に向いているのですが、ピクセルサイズが4.5μmといつも使っているASI290MMの2.9μmより少し大きいので、4倍のPowerMATEを使って拡大して分解能を出します。そのまま普通にAS!4でスタックしてからImPPGで細部出しをします。
08_10_59_lapl3_ap1_IP._0.5_4.5_5_gamma0.55
それでもやはり、何か少し見えるものの、粒状班らしき形には全然なりません。シーイングが十分でない可能性もあるのですが、ここでふと気づきました。Hα画像の細部に全然敵わないことです。

同じ時間帯、同じ鏡筒で撮影した場合、シンチレーションはそこそこ同じなので、分解能はそれほど変わらないはずです。今回は朝の撮影ということもあり、シーイングはそこそこよさそうなので、Hαは結構細部が出ています。それに比べて白色光はより細部があからさまに出ていない気がします。なぜそうなるのか?可能性はパッと思いつくだけで
  1. 見ている波長域が広いため、色収差などの影響でシャープさに欠けること
  2. 背景が明るいために模様のコントラストが出なくて、スタック段階でうまく位置合わせができていないのでは
の2つあります。

今回はまずは後者を疑ってみました。実際撮影したserファイルを見ても、黒点以外の背景はフワッとした淡いモヤモヤが見えるだけです。AS!4は画面上に打ったたくさんのポイントが合うように画面を歪ませながらスタックしていくのかと想像します。でも、模様がはっきり見えないと位置合わせのしようがないのではないかということです。

serファイルの動画の中に情報としては何か模様は残っているはずなので、その模様を参照して位置合わせをした方がいいはずです。そこで、ser playerのPreprocessingでガンマ値とゲインをいじって動画の段階で模様を見えるようにしてみました。その状態で、一旦別のserファイルに書き出し、それをAS!4でスタックしてみました。

結果は、同様にImPPGでいじるだけでかなり粒状斑らしきものが出てきます。それも、LR deconvolutionのsigmaを上げると粗い点々のようになってしまうので今回は0.5として、ほぼ何も効果を出さずに抑えます。Unsharp Maskingのsigmaが4.5、Amountが5.0とこちらも抑え気味でも十分粒状斑らしき形になりました。どうやら明らかに効果があるようです。
08_10_59_F0001-1000_lapl3_ap680_IP_0.5_4.5_5
一つ上の画像と全く同じパラメータで処理しています。明らかに構造が出ています。

よく考えると、模様が出ない可能性の1も密接に関連しているはずです。粒状斑が見える波長域は限られています。今回はGreenフィルターを使いましたが、まだ波長域が広すぎか、このフィルターは特価で買ったものなので、もしかしたら眼視用でUV/IRに透過領域がある可能性もあるので、動画の背景が明る過ぎる可能性があります。以前使っていたPlayerOneのPhotosphireフィルターは透過波長幅が10nmとかなり暗かったので使わなくなってしまったのですが、減光フィルターを眼視用のOD5から撮影用のOD3.8のものに変えるとかなり明るくなるはずなので、撮影時からコントラストをよくすることができるかもしれません。

ImPPG後にPixInsightのABEの2次をかけフラット化し、MultiscaleLinearTransformをかけさらに細部出しをし、最後にPhotoshopで仕上げたのが以下のものになります。
_08_10_59_F0001_1000_lapl3_ap680_IP_0_5_4_5_5_ABE_MLT_cut
以前はかなり無理な画像処理で無理やり何か出していましたが、今回は無理な画像処理はしなくても、粒状斑に見えるようなものが出始めています。とりあえずの、ポイントはスタック前の処理だったわけです。

少なくとも少し手がかりは見えたので、今後はもう少し方針立てて改善できそうです。改善ポイントは
  • OD3.8フィルターに交換
  • Green+UV/IRカットにするか、Photosphireフィルター
  • 地面の揺れをカットするために三脚の足にゴムを挟む
などでしょうか。まだシンチレーションが悪い可能性もあるので、いい時間帯を狙うことも続けていきたいと思います。


休日が晴れた時は太陽撮影をできるだけしようと思っています。やっと秋らしくなり、昼間の撮影でも暑くなくて快適です。

F7zt8a2agAA6pU_

最初準備している時は曇りがちだったので、C8の補正板の清掃をしたり、カメラのチルターを新しいものに交換したりなど、少し機材メンテナンスをしました。補正版はここしばらく触ってなかったのでほこりだらけでした。

あと、新しいPCで太陽撮影ができるようにアプリをいくつかインストールしました。といってもすでに電視観望で使っているPCなので、新たにインストールしたものはCelestronのASCOMドライバーとImPPGだけです。あとはSharpCapを最新版にしたくらいでしょうか。

まずはPSTでのHα画像です。鏡筒はC8でカメラはASI290MMなので、そこそこ拡大しています。曇りの間を狙っての撮影となりましたが、シーイングも良くないので、ボケボケです。大きな黒点は見当たらず、細かいものがいくつか出ていました。下の画像は一つ一つは小さいですが、少し密になっている黒点で、上半分がAR3451群で、下半分がAR3452群になります。

13_14_38_lapl4_ap493_IP_cut


プロミネンスもでていますが、その中で一番大きいものを。
13_17_29_lapl4_ap194_IP

次に、白色画像です。あ、カメラをASI290MMそのまま使ってしまったので、いつも入れているPlayer OneのPhotosphereフィルター入れるの忘れてました。なので、白色光です。上で見せた黒点AR3451群とAR3452群になります。シンチレーションは良くないのに、さらにPhotosphereフィルター入れてないのに、意外に粒状班が見えています。前回のApollo-M MINIからカメラのピクセルサイズが半分程度になったのが効いているのかと思います。

13_26_53_lapl4_ap504_IP_cut

その後、4倍のPowerMATEを入れて、シーイングが良くならないか少し期待して30分ほど粒状班撮影をしてましたが、全然ダメでした。上の等倍のと解像度がほとんど変わらないくらいです。カメラの分解能は上がっているので、逆に倍率が高すぎたのでしょうか?明日と明後日、昼間晴れたらもう少し試してみます。

いずれにせよ、シーイングはとにかく見てみないと分からないので、今後もうしばらくは続けたいと思います。でももう秋だから北陸だとそもそもシーイングはダメなのかもしれません。

休日で晴れているので太陽撮影です。大きな目的は粒状班ですが、まずはHα画像から。


セットアップ

取り掛かったのは、がストのモーニングでのんびりして帰ってきてからの、ちょうど正午12時くらいからでしょうか。

まずはいつものC8とPSTです。まずPCの画面に写した段階で、そこまでシンチレーションは酷くはないですが、前回の9月10日の時よりも明らかに揺れています。もうこの時点で粒状班は諦めました。Hα画像も処理をしてみると分解能が明らかに劣っています。なのでこの日の画像は記録程度の意味しかありません。


Hα画像

結果だけ示します。真ん中ら辺に目立つ黒点が2つ出ていました。宇宙天気ニュースによると、大きい方からAR3435とAR3440だそうです。番号が小さいほうが先に出ていたもので、先に裏側に回り込みます。

AR3435
12_44_01_lapl4_ap485_IP


AR3440
12_31_29_lapl4_ap530_IP

シンチレーションがいいとImPPGのSigmaが小さい値でかなり細かい模様が残り、分解のがいいことがよくわかります。9月10日の画像は1.5とかせいぜい2でした。シンチレーションが悪くなると、Sigmaの値を大きくしてごまかすような形になります。今回は3とか4でしたので、やはり分解能がでないです。

プロミネンスもいくつか出ていましたが、一つだけ撮影しました。

12_15_48_lapl4_ap530_IP

撮影データです。
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 撮影時間: 2023年9月24日12時15分-12時44分
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.1 (64bit)
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理


VISACでの粒状班撮影

シンチレーションが悪いので多分ダメなのはわかっているのですが、一応粒状班を撮影してみました。前回PowerMATEの2倍では拡大率が不十分だったので、今回はPowerMATEの4倍を使いました。

今回はC8だけでなく、VISACでも撮ってみました。もしかしたらC8に固有の問題があるかもしれないとも思ったからです。でも見た限りだと、C8もVISACもどちらも同様で劇的な違いはなく、どちらも全然ダメでした。

IMG_8604

撮影したものですが、結局画像処理をするとC8でとったものの方が少しだけよかったので、こちらを載せておきます。

13_12_03_lapl4_ap667_PI_cut

でもまだ分解能が全然足りていません。また休日に晴れていたら撮影してみます。


太陽粒状斑撮影にフィルターワークで新兵器投入です。今回はサイトロンから新発売のPlayer One社のPhotosphere filter。540nm付近を10nmの幅で透過するようなフィルターです。



IMG_6148

元々Barrderで「Solar Continuum Filter」という名前で同様のフィルターが古くから販売されていたようなのですが、国際光器のページを除いても在庫なし、本国のページを覗いても今も2インチしか残っていないようです。

最近Player Oneから同等のフィルターが発売されたことを本国のページから知ったのですが、PayPalでは自宅住所の県の情報が入らないという、おそらくシステムのエラーのようで、うまく購入することができませんでした。その足で少し前にシュミットさんに問い合わせてみたら、いずれ日本でも発売するとのこと。期待して待っていると、早速6月24日に発売開始のアナウンスがあり、早々と使ってみたというわけです。

さて、このフィルターで何が見えるかというと、太陽の光球面のベナール対流起因の粒状斑と呼ばれるものです。下層から上がってくる斑の中心の明るい部分と、下層に下がっていく周りの暗い部分の境界の温度が6000K程度になっていて、波長で言うとちょうど540nm程度でその明るさの差が見やすくなるため、粒状班模様としてよく見えるようです。

明暗がはっきりと

前回の撮影ではこのフィルターの代わりにBaaderのYellowフィルターを使っていましたが、模様の明暗部分のあぶり出しにかなり苦労していました。

今回はその明暗のあぶり出しは相当楽になりました。結果はというと、

final

くらいで、分解能に関しては今回は前回の結果には達しませんでした。今回導入したフィルターと画像処理方法がある程度確立してきたため、この程度のものはコンスタントに出るようにはなってきました。ただし前回も今回も強画像処理の影響が大きく、もう少し画像処理をしなくても自然に粒状斑が出るよう、まだ撮影に改善の余地がありそうです。


何が効いているのか?

うまく見えるかかどうかは
  • シーイング
  • シンチレーション
  • ピント
  • 波長
  • 焦点距離 
  • カメラの分解能
  • 口径
に依存します。上に行くほど運で、下に行くほど装備といったところでしょうか。何が足りていて、何が足りないのか、少しだけ検討します。
  • 口径はC8で20cmでそこそこ十分なはずです。まだ惑星撮影の典型的な分解能に達していないので、口径制限とはなっていないはずです。
  • ピントは合ったと思った前後を何ショットか撮っておけばいいでしょう。
  • シーイングは今日はそこまで良くなかったようですが、冬よりは遥かにマシになっているようです。これは日に依るので、地道に繰り返していい日を待つしかありませんが、基本的に休日しか撮影できないので、つらいところです。朝早く起きるか?多分無理です。
  • シンチレーション等意味では、外気温40度近い状態での撮影なので、多分鏡筒などの温度が物凄いことになっています。筒内気流がどうなっているか?まだ全然考えていないので、ここら辺がキーになるのかもしれません。
  • 波長に関しては、今回のPhotosphereフィルターを使うことができるようになったので、これ以降は解決のはずです。
  • 今回はPowerMATEの2倍を入れてC8の焦点距離2000mmを4000mm換算で撮影しました。ピクセルサイズから考えるとまだ全然アンダーサンプルです。なので焦点距離を伸ばす方向が正しい気がしています。手持ちのScience Exploereの5倍のバローを次回導入してみようと思います。もしかしたら以前使ったことのあるPowerMATEの4倍を購入するかもです。

今後

とにかく、もう少し焦点距離を伸ばして、十分なオーバーサンプル状態のカメラで、シーイングのいい日を狙って撮影ということになりそうです。筒内気流はどうするか?もう少し考えます。

Baaderの減光フィルム、Televueの2倍のPowerMATE、Player OneのPhotosohereフィルターときて、状況は徐々にですが、着実に改善されてきています。もう少しでしょうか。

最近すごく忙しくて、太陽なんかやっている暇ないはずなのに、せっかくの休日の晴れだとどうしても試したくなってしまいます。さらに一昨日からSV405CCの評価を再開しています。まもなく記事にできるかと思いますが、試してみたいこともまだまだあるのでいつ終わることやら。ゴールデンウィークの頃に撮影した溜まっている画像の処理が全然進んでいません。うーん、大丈夫か?


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