ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:福島

2023年もいよいよ星まつりシーズンの始まりです。昨年から6月に移った福島の星まつり。今年は6月2日(金)から4日(日)の開催です。私は2日目の土曜日から参加。でも今回参加するかどうか散々迷っていました。いちばんの理由は最近ちょっと忙しいからなのですが、それに加えて台風が心配でした。北陸地方から福島に行くのは大丈夫なのですが、で太平洋側の状況がひどいみたいで高速道路もかなり通行止めのようです。関東勢が来ないと、そもそも人が来ないのではという心配もありました。どうしようかぎりぎりまで迷っていたのですが、今回は4人の人に会いたいと思っていたので、それを目標に星まつりに行くことを決めました。


出発直前までグダグダと悩む

一応準備は金曜の夜からしています。土曜日の午後からは晴れの予報であること、今回の星まつりは満月と重なることを考慮し、機材は太陽セットと電視観望のみにして撮影はしないこととしました。なので量的には大したことはないです。まだ行くかどうか決心していなかった金曜21時、とりあえず早めに寝ておきます。でも実際に寝られたのは多分22時過ぎ。でもなぜか0時に目が覚めてしまい、その後寝られなかったので、とりあえず車に荷物を詰め込んでシャワーまで浴びていつでも出れるようにします。あと少し寝ておこうと思ってソファでウトウトまではするのですが、結局どうしても眠れなくて気づくと午前3時。荷物詰め込みの時から雨も全然大したことなかったので、ここでやっと決断して自宅を出ました。

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道中の高速でちょっと眠たかったですが、運転自体は極めて順調でした。途中2度ほどサービスエリアで休憩します。例年の新潟手前の黒崎SAのすごく気さくなスタバですが、今回もSAには寄ったのですが通過時間が朝の6時頃と店が空いていませんでした。今年もお姉さんとお話ししたかった...。8月の胎内の前にも寄ることにしよう。

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朝早すぎて開いてなかった黒崎SAのスターバックス。

8時半前にはETC専用の田村インターを降りて下道を10kmほど走ります。最後の山に登る前に、ガソリンを入れコンビニで買い出しです。ガソリンはもし夜に会場を立つ場合に備えて、店が空いている明るいうちに満タンにしておきます。コンビニでは万が一キッチンカーにあり付けない場合も想定して、少し多めに食料を買い込みます。複数日にまたがる場合はクーラーボックスも持っていくようにしているので、ここで氷を買って補充しておきます。まだそこまで暑くないので、1日くらいなら持つでしょう。


会場到着

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会場に到着したのは朝8時半過ぎくらいだったでしょうか、駐車場に到着して早速、会いたかった4人のうちの一人と会うことができました。陣馬写真工業のHBさんです。HBさんは学生時代の私の先輩にあたる方です。今回もかなり話し込ませて頂きました。

早速HBさんと少しだけ会場を回りましたが、まだ9時前なので開いているブースはわずか数件です。

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国際光器はいつもの朝イチ営業で、早速48mmのBaaderのSIIフィルターのB級品をゲットしました。国際光器はチェックがかなり厳しいので、B級品といっても私の撮影レベルでは全く問題なく、むしろお値打ちなのがありがたいです。今回も通常価格との差額だけで往復交通費の半分を節約できてしまいます。まあ、買い物をしている分だけお金は出ていっているので「節約?いったい何を言ってるんだ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いつか絶対買うものならば得なのです...。多分...。

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昨晩はほとんど寝られなかったので、この時点でかなりの眠気。HBさんも「寝るなら今のタイミングが一番かも」と言ってくれたので、一旦車に戻って寝ます。でも遠足前のワクワクと同じで、眠いのに全然寝られません。結局少しウトウトしただけで、10時頃に再び会場に。もうブースもかなり開いてきたので、気を取り直して早速ブース周りです。


ブース廻り

今回の目玉はなんと言ってもZWOのSeeStarでしょうか。ZWO製品を扱うKYOEIさんにも、星見屋さんにも置いてありました。残念ながら事前情報の通り電源を入れることはできないとのことでしたが、持ち上げてみることもでき、大きさや重さがよくわかりました。星見屋さんによると「試用版」とのことで、まだ製品版は変わる可能性はゼロではないとのことです。値段がこれまでの同様な一体型の機器に比べ、格段に安くなっているのでこれは相当な人気になるかと思います。日本だけでなく、世界的にかなりの数が出回るはずで、きちんとZWOから出荷されるのかまだ予断を許さないとのことだそうです。SeeStar人気で天文人口が増えてくれればと思います。

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こっちはKYOEIさんのSeeStar。

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こっちは星見屋さんのSeeStar。

Vixenは2月のCP+でのブースと同じく、VSDとアイピース差し込みタイプのファインダーが展示されていました。いつも福島で会うことができるI君は今回きていないとのこと。新しいファインダーもI君のアイデアとのことなので、直接会って話をしたかったです。残念。

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外山電子ブースではHBさんの皆既日食の写真が。これまで全く見たことないようなものすごい解像度のコロナ(病気の方ではなく、元の意味での太陽コロナのことです)です。今月号の天文ガイドに掲載されるそうなので、皆さんぜひとも買って読んでみてください。

同じ外山電子ブースに、これもHBさんの出品とのことですが、NJPが置いてありました。陣馬写真工業ではピリオディックモーションを直接測定する業務用の機器を開発販売しているのですが、これで測定した実測値がなんと3秒台前半で、NJPの中でも飛び抜けて精度が出ているとのことです。でも値付けもかなり飛び抜けていて、結局最後まで売れ残ってしまったとのことです。

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今回のブース巡り、話ばっかりしていてほとんど写真撮ってませんでした。例えば、星見屋では店長とHBさんとで若者のパスポート所持率と、自宅に星を見るための望遠鏡がある率をめぐってずっと話し込んでました。驚くことにこれ、両方とも17%とのこと。高いか低いかよくわかりませんが、星見屋店長が「これだったらもっと天文人口増やせるはず」と密かな野望を抱いているようでした。

アストロアーツでは星ナビのネタについて編集長と長話です。もしかしたらこのブログか少しだけ関連する記事がいつか出るかもしれません。

ブース廻りの戦利品は、まずはなんと言っても300円双眼鏡です。「ジャンク、カビあり」とか書いてましたが、全然許容範囲でその時点で7倍、12倍、20倍(?)と3台あったうちの7倍のものを手に入れました。

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もう一つは鏡筒カバーです。ε130用のものを袋なしで安く売ってもらいました。手作りで作る予定なのですが、それまでの繋ぎと予備でちょうどいいかと思いました。

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ε130情報

そういえばε130でHBさんから重要な情報を聞くことができました。回転装置を90度、180度、270度と変えると星像が変わるのは、回転装置廻りの精度の問題で、既知のεの一般的な問題の一つとのことです。なので、回転を固定して使うか、シムをどうにかして組み込んで調節するなどの必要があるとのことです。シムも入れる場所は確定しているわけでもなく、どこで精度が出てないかを見極めて決める必要があるみたいです。ツワモノのHBさんは、旋盤で接触面を削って精度を出したとか。動画を見せてもらいましたが、旋盤の回転でマイクロメーターの表示が周期的に動いていました。私は流石にここまでできないので、シムでなんとかならないか探ってみるつもりです。

もう一つε130の情報で、明るさのムラがどうしてもできてしまうそうです。前回見せた中心の暗くなるの(これはフードで解決できそう)とは違い、網状星雲の右片側にある三日月状の暗部はその典型だとのことです。原因ははっきりとはわかっていなくて、これはもうこんなもんだと思うのがいいのかもしれないとのこと。ちょうど悩んでいたところだったので、このことが聞けただけでも星まつりに来た甲斐がありました。

もちろんこれらの情報は自分では確かめていないので、実際本当かどうかはわかりませんが、こう言った意見もあるということを考慮して、今後の光軸調整や漏れ光問題に取り組んでいきたいと思います。


いろいろご馳走に

駐車場に戻ると、栃木のグループの方(多分)からお誘いがあり、焼き餃子とスパゲティーを頂きました。以前も子供と一緒にアヒージョを頂くなど、毎回美味しいものをご馳走になっています。毎回どこのグループか聞いていると思うのですが、いろんなグループの人がいるとのことで気にしなくていいと言われました。2017年だったと思いますが、ここ福島でお会いしてた柏で望遠鏡のある学習塾を開いているKさんもこのグループにいるらしく、間も無く到着とのこと。結局Kさんと話すことはできませんでしたが、夜の講演会で顔だけ確認することができ、Kさんも気付いているようでした。ここではさらに焼酎を頂いて、お酒にあまり強くない私は結構酔っ払ってしまいました。

ここだけでなく、夜にも2019年の胎内で知り合ったたつさわさんから誘われて、ポークウインナーをごちそうになりました。XRAYさんやyagiさんもいて、ぐらすのすちさんにはとても美味しいコーヒーをご馳走になりました。ぐらすのすちさんとは星見屋さんで2ショットで撮ってもらいました。

今回自分で用意したのはコンビニのサンドイッチとかがほとんどだったので、とても美味しくいただけました。どうもありがとうございました。


大抽選会から、一連のイベント

そんなこんなで、午後3時から大抽選会が始まりました。今回は番号のついた小さな札が受付をした人全員に配られ、希望の地元の名産品の前の箱に入れてくじ引きが始まります。

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残念ながら当たりませんでしたが、ここで外れても次の天文関連用品のチャンスがあります。天文関連の1位はVixenさん提供のPORTA IIなので、かなり豪華です。私はSVBONYさん提供のTシャツが当たりました。

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突然の講演

今回お会いしたかった4人のうち、一人は国立天文台の渡部先生。もう一人がKYOEIのMさんです。

まず、この星まつりの一番の目玉イベントの渡部先生の講演ですが、どうしても先生がご都合で来られなくなってしまたということで、代理の方の講演となってしまいました。

さらにKYOEIのMさんが電視観望の話をすることになっていたのですが、Mさんも体調不良で現地に来ることができず「講演は中止です」というアナウンスが流れました。

渡部先生の講演も、電視観望の講演も、それを楽しみに遠くから来ている方も多いのかと思います。そこでKYOEIの方と相談し、運営の台長と副台長にも相談して、せっかくの機会なので私でよければ電視観望の話をしましょうかという話をしました。運営の方々のとても柔軟な対応で、それでは電視観望講演急遽やりましょうということになりました。実際に決定したのが17時頃、講演は18時からです。スライドで話すので、場所を建物内の60インチ程度の大型モニターが置いてある所としました。すぐに接続テストと、ここからスライドの準備です。この時点で17時半、時間的にはかなり厳しかったのですが、ちょうどつい先週に天教で電視観望について話しています。そのスライドを一部手直しして話すことにしました。一部関係の薄いスライドを消し、タイトルやフッターなどを変更し、10分くらいでなんとか形にすることができました。というより、アナウンスが何度か入って17時40分ですでにお客さんが集まってきてしまい、講演前の雑談や質問コーナーになっていました。

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スライド準備中の様子。
右に写っているのが、新型のACUTERのTRAVERS。
これについては別記事で詳しく書きます。 

18時少し前にはすでに座席は一杯で、かなりの数の立ち見の方が。司会の方の紹介で講演が始まりましたが、途中もさらに人数が増えているようです。マイクとスピーカーは使いましたが、画面が見にくかった方もいるかもしれません。突然のことで準備不足なところもあり申し訳なかったと思います。

講演自体は先週にも話しているので、ギリギリの準備にもかかわらず特に問題なく進みました。初心者の方も、かなりマニアの方もいたかと思います。前半は電視観望の一般的な話、中頃は初心者に向けての機材やソフトの話、最後の方は電視観望経験者に向けて観望会でのテクニックなどです。ちょうど1時間くらいで、すごい人数が来てくれて、実際かなり盛り上がったと思います。講演後の質問も多く出ました。講演を聞かれた方は、よろしければぜひ参考にしていただければと思います。

この頃には少し空も晴れてきていて、月が見えたりしていました。夜も期待していたのですが、少し晴れたのはほとんどこの時だけだったようです。

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電視観望の講演後、天文ガイド編集長と話すことができました。最後の4人目の今回会いたかった人です。昨年電視観望で天文ガイドに何度か掲載していただいたのですが、直接お会いして話をすることができました。

その後19時半からコンサートがありました。アンコールも出て盛り上がっていました。
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午後8時から渡部先生の講演の代わりのトークです。天文の話ということで重力波についてでした。私はちょっと忙しくて?聞くことはできませんでしたが、話はかなり面白かったという評判で、質問もたくさん出ていて十分盛り上がったようです。地元出身の渡部先生の代わりというので、かなりのプレッシャーになるかと思いますが、なんとか代役を果たしたようです。

その後はさらに台長の呼びかけで、サプライズでオークション大会が始まりました。私はその頃には駐車場でXRAYさん達と双眼鏡を見比べさせてもらったりで参加はできませんでしたが、スピーカーからは盛り上がっている声が聞こえていました。時折雲間から月が出ていましたが、あとは金星が見えていたくらいで、ほとんどの時間は曇っていました。


最後に晴れた、電視観望だ!

今回、当初は土曜夜には晴れる予報だったのですが、結局ほとんどの時間で空は雲に大部分覆われていました。21時頃でしょうか、再び会場に行くともう片付けがはじまっていました。曇っているので各店舗ブースも観望を諦めたみたいです。でもこれがまた天文あるあるで、片付けが終わりに近づくにつれ星が見えてきます。これならと、ミニ電視観望セットのお披露目と星座ビノ見比べ会を開催です!

ACUTERのTRAVERSはミニAZ-GTiとも言うべきもので、つい何日か前にサイトロンさんから製品バージョンが完成したので、是非試してみてくださいと送られてきたものです。今回はFMA135と組み合わせています。今回詳しくは書かずに、別途独立した記事で書こうと思っていますが、初操作にもかかわらずノートラブルで導入までできました。

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(写真はyagiさん提供)

その時視えた北アメリカ星雲です。
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淡いですが、網状星雲。
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電視観望自身は導入も含めてうまくいったのですが、なんか出てくる星雲が淡いのです。でもよく考えたらそれもそのはずで、この日は満月です。月が建物の影になっていたので、直接の明るさが気にならなかったのですが、実際の空は相当の明るさだったはずです。


星座びの見比べ会

電視観望よりも「星座ビノ見比べ会」が異常に盛り上がりました。せっかくだからと手持ちの星座ビノ10個ほどを全部放出したら、来た人来た人みんなから変態呼ばわりで、ひどいもんです(笑)。

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(写真はyagiさん提供)


やっぱりNikonとSuperWide BINO36が人気でした。途中からNikonテレコンを利用した星座ビノの制作者の上板2丁目さんが来てくれました。というよりも、今回は元々上板2丁目さんから「今日見比べ会やりませんか?」とか呼びかけがあったイベントです。特に時間とか決めていなかったのですが、天気が悪かったのでもう帰ってしまったのかと心配していました。

上板さん、なんと今回は新作の星座ビノを片手に参戦です。1.4倍の2段が重ねのものや、小海で見せていただいたCarl Zeissも覗かせていただきました。中でも面白かったのが、本当の意味でのワイドビノで、倍率なんと0.6倍だそうで、視野が自分の目よりも広がる全く逆のコンセプトのものです。なんでも流星群観察に活躍するとのことで、さすがアイデアマンの上板さんです。今回これをしばらく貸していただいたので、流星群の時に使わせていただこうと思います。これを使ってトップカウントを狙います。


楽しかった星まつり

電視観望も星座ビノ見比べ会も、時間が経つにつれかなり寒くなってきて、徐々に流れ解散モードになってきました。私も撤収を始め、昨日からの寝不足もあってか、さすがに疲れ果ててしまいました。車に帰ったらちょうど0時頃。途中、M101の超新星を眼視するとかも誘われたのですが、猛烈な眠気で、そのまま寝てしまいました。その後、午前3時頃に目が覚めてメールなどチェックしたのですが、少し急用ができてしまったことがわかりました。まだ後ろ髪をひかれましたが、そのまま車を発進させ富山に向かうことにしました。台長、副題長始め、皆さんに挨拶できなかったことが心残りです。


戦利品

最後にいつものように戦利品です。

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あと、以下のセットは講演のお礼にといただいたものです。夏のお祭り観望会での景品などにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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まとめ

今回、そもそも参加できるかどうかもわからなかった星まつり。蓋を開けてみたら、十分すぎるほど楽しむことができました。突然の講演も大変でしたが、それを上回る反応があり、私自身とても楽しむことができました。微力ながらも今回の星まつりの盛り上がりに貢献できていればと思います。

星を初めて7年ですが、その間にも星まつりは徐々に形態を変えています。それに伴う運営も相当に大変かと思います。スタッフの皆様にはどれだけ感謝してもしきれません。最後に挨拶できず申し訳なかったのですが、本当にありがとうございました。この星まつりが、今後もずっと続くことを願って止みません。

初日からの続きです。




起床後の太陽

星の村天文台星まつりの2日目、土曜日の朝。昨晩寝たのが午前2時近くでしたが、7時半頃には目が覚めました。雲もありましたが、晴れ間もかなりあり、駐車場で太陽望遠鏡をセットし始めます。赤道儀はCGEM II、そこにいつものPSTにC8をつけます。いや、今回の場合はPSTにC8をつけたと言った方がいいでしょうか。PSTを持っている方も多く、その改造に注目してくれます。

機材のセットアップを終え、PCを出したり初期アラインメントの晴れ待ちの間に、さすがは星まつり会場、かなりの興味を引いたようで、次々と話しかけられます。

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例えば初期アラインメントで対物側のシュミット補正版の明るいスポットを見ながら、スポットが真ん中に行く様子を見せ、画角的にもカメラに太陽がきちんと入ることをわかってもらったりしました。

プロミネンスも大きく迫力があるものが出てましたし、黒点も2箇所、はっきりと見えるものが出ていました。今回は太陽撮影ではなく、ある意味太陽を電視観望で見てもらうことを目的としました。なので撮影した画像はないのですが、リアルタイムで見るだけでも解像度が半端ないことは皆さん皆さんよく理解してもらえたようです。

そもそも、こんな魔改造機に注目する人は、ほとんどPSTを自分で持っている人なのです。中には2つ持っているという人もいました。しかもかなりの人が、最近よく見えなくなってきてあまり使ってなと言うのです。初期のものは対物レンズについているコーティングがERFを兼ねていて、そこが経年劣化でダメになることが多かったりします。オリジナルのPSTは口径4cmで、これが5倍の20cmになったC8になるとさすがに分解能は相当違い、画像処理をする以前のPCのリアルタイム画像でさえも、プロミネンスや黒点もかなりはっきり見えてしまいます。PSTはF10前提で、C8ならピッタリとか、皆さん基本すぐに理解してくれ、カンどころを話しても通じるとことがありがたいです。

実際にPCの画面を見てもらうときは、明るさが一番の敵なので、上のようにPCを箱に入れ、さらに自分自身の明るさが画面に反射するのを防ぐために、下のように雨用のカバーをかぶって見てもらいます。

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「今回の会場内で一番見応えがあった」という方もいて、星まつりで大口径の可能性を見せるという価値はあったのかと思います。

使われなくなったPSTは恐らくかなりの数が全国にあって、再利用という意味では大口径化はかなり魅力的に映ると思うのですが、安全には相当気をつける必要があります。会場でもそもそも「熱くならないか?」と聞いてくれる方もたくさんいて、これまでこの「ほしぞloveログ」で書いてきたように「UV/IRフィルターを入れて熱を吸収しないようにしている」と説明しました。そもそも、
  • PSTの分解が大変なこと、
  • PSTを改造したら少なくとも私はそれ以来一度もアイピースでのぞいたことがないこと
など、相当の注意と覚悟を持つ必要があることを強調して説明しています。この方法は実験としては面白いかもしれませんが、決して推奨する方法とは言えず、まっとうにはDayStarなどを使って大口径に挑戦するのが本道です。

そもそも太陽観測は危険を伴い、観望会などで使うのはどうしても躊躇してしまいます。口径に関わらず、CMOSカメラを使って太陽観測をするのは、万が一のことを考えると機器の破損だけですみます。そもそも目で見ないので、失明などを避けることができるはずで、まだ安全なのかもしれません。そう言った観点からも太陽電視観望を導入する利点があることなども話しました。


やっと会場へ

太陽電視観望でひっきりなしで人が来ていて、駐車場から会場に初めて行けたのがもう抽選券を配り始める11時ちょっと前。会場では星友のIさんがVRで天の川を見せてくれました。

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写真にも写っているように、専用の2つレンズで撮るとのことで、最近やっと天の川もうまく撮れるようになってきたとのことです。昼間にも関わらず、顔や目線を動かすとその方向に見えるVRでの天の川はかなりインパクトがあります。

外山さんのところは相変わらず面白いです。写真を撮り忘れてしまいましたが、ある回路を見せられて「これが何かわかりますか?」と聞かれました。全く想像もつかなかったのですが、なんとアナログのPEC(ピリオディックエラーを補正するもの)だそうです。8個石が載っていて、信号を8段階に分けて覚えているようで、速い信号を返すのは難しいが、低い周波数の信号で十分補正ができるとのこと。製品化はさすがに難しいと思いますが、こんな実験的な楽しいことをやってしまうのも外山さんならではです。

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同じブースでピリオディックモーションの実測もやっていました。大学時代の先輩でもあるHBさんともたくさん話すことができました。

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今回食事はほとんどふもとのコンビニです。クーラーボックスを持ってきてその中に氷を入れておくことで、ある程度の買い溜めができます。会場での食べ物はしいたけ屋さんくらいと、ワッフルなどのキッチンカーが1台出ていたくらいなので、あらかじめ用意してきた方がいいかもしれません。この日の昼も、一度下まで降りて、コンビニで夕食分まで買い込んでおきました。


抽選会

15時になると、抽選会が始まります。私はなんと2番目に当たって、ポスターをいただきました。

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早くに当たってしまったので、当たったポスターを片付けがてら車に戻り、ちょっと休憩。休憩中に星友の仙台の木人さんがちょうど会場に着いたようで、駐車場を歩いているところで話しました。その際、手作りの魔除けならぬ、「雲よけ」を3枚いただきました。何が書いてあるかはわかりませんが、これで雲が去ってくれれば万々歳です(笑)。

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木人さん、この日の夜の電視観望にも来てくれたのですが、遅くまでいられないそうです。なんでもこの日は残業していることになっているとか。「自宅には疲れた顔をして帰らなければ」とか言っていました。以前CANPでお会いした時も、何故か一眼レフカメラとレンズで惑星を撮影していることになっているとか、相変わらずユニークな方です。


講演

17時からは恒例の渡部先生の楽しいトークです。なんでも金曜日に海外から帰ってきたそうで、なんとかトークに間に合ったとのことでした。予測した流星群が出るかどうか確認しに行って、見事に出現して予測が当たったそうで、話もとても楽しかったです。

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渡部さんに引っ張られるように重力波の話も出てきました。皆さん結構笑っていたので、内容としては面白かったのかなと思います。

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電視観望も2日目

その後、徐々に暗くなってきたので、この日も電視観望の準備。もともと天気予報ではせいぜい20時頃まで天気がもつくらいでしたが、なんとこの日も23時頃までずっと快晴。星まつりで二日連続で晴れるなんて、相当貴重です。梅雨入り前というのはやはり日程的にいいのかもしれません。

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この日も最初は定番の三つ子銀河やM81とM82です。

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さらにM57とかの定番も見ましたが、この日面白かったのが、山から登る北アメリカ星雲でしょうか。こんなのは電視観望ならではですね。

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途中、SharpCapが難しいと言う意見があり、ASILiveを試してみました。サドルから三日月星雲です。簡単に操作できるのですが、何か微調整しようとするとあまり自由度がないのは相変わらずです。初心者はこちらの方が扱いやすいかもしれません。慣れて不満が出てきたらSharpCapというのが王道でしょうか。ただし注意として、このAISLiveはZWO社のASIシリーズのカメラでしか使えないので、もしこのソフトを使うことを念頭に置いているならZWO社のカメラを選ぶ必要があります。

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考えさせられたこと

一緒に付き合ってくれていたさすらいさん、やまのんさんなど、いろいろな方と話したのですが、その中で木人さんから言われたことはかなり考えされられました。「電視観望はそんなに簡単だ簡単だと言っていいのか?」という疑問です。やはり天体観測につながるようなことなので、当然ですが難しいところもあります。

私は基本をものすごく大切にしてて、例えば電視観望でも架台や鏡筒の水平を取ることとか、無闇にケーブルを増やしてトラブルになるよりはできるだけシンプルにして安定な稼働を目指すべきで、必要なら最低限のケーブルを追加していくとかです。「簡単だ」と言う呼びかけが「基本を疎かにしてもできる」というように解釈されてしまうと、それはやはりおかしくて、むしろ基本をきちんとした方が実際の稼働はトラブルが少なく簡単になることが多かったりします。

実際に、この日の電視観望を見に来てくれている方の中にも「以前挑戦して難しかったから諦めてしまった。これを見てもう一度やってみようかなあと思った。」というような方が少なくとも二人いて、こういった方たちを救いきれてこなかった現実に、私は愕然としてしまいました。今回天文ガイドに書いている記事も、ある人にとっては物足りないでしょうが、ある人にとってはやはり難しすぎたりするのです。いろんなレベルの人、いろんな考えの人がいて、もちろん全部に一人で対応するのは全然無理なのはわかっているのですが、まだ初心者に対しての考え方が全然不十分だったようです。

この日の昼間に、前回の福島スターライトフェスティバルで会うことができた、VixenのIさんに再会できました。とても若い方で、今回も私の姿を見つけて声をかけてくれました。Vixenブースにいなかったのでなんでか聞いたら、わざわざプライベートで来ているとのことで、本当に星好きな方です。Vixenは日本では初心者のことを重要な顧客として考え商品展開をしている最大手です。電視観望のことも当然話しました。Iさん含め、若い社員が新しいことをいろいろ考えているみたいです。初心者を含めて、星の魅力を伝えていくという方針も素晴らしいと思います。Vixenさんが本気になってくれれば、相当のことができるのかと思います。初心者を大切にして裾野を広げることが、星を趣味にする若い方を増やすことにもつながるのかと思います。私は個人的にVixenさんの底力みたいなのをかなり期待しています。

途中、木人さんのところに、岡山で行われているCANP組のかんたろうさんから電話がかかってきました。天リフ編集長にもつながり、話すことができました。全然違う場所で星好きな人が集まっていて連絡を取り合うと言う、趣味はやっぱり距離も近くするんだなあと改めて思いました。


後片付け

さて、23時くらいになってくると少し雲がかかってきました。網状星雲を見たのですが、すでに薄い雲がかかっているような状態で、晴れていればもう少しきれいに出たのかと思いました。

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この網状星雲でこの日の電視観望もおしまい。また再会を約束し、片付け始めました。駐車場で荷物をしまい、まだ少し晴れ間があるのでドブ組のところによりました。最後M5を見せてもらいました。ヒロノさんもずっと解説していて疲れていたようで、その後曇ってこの日は皆さんおしまいになっていったのかと思います。

私は日曜に少し用事があったので、ここで会場を後にします。ふもとのコンビニで少し食事をとり、飲み物と帰りのおやつを買いこみ、0時半頃に帰路につきます。でもすぐに眠くなり、猪苗代湖手前くらいで午前4時くらいまで寝てしまいました。目覚めた後は眠気もなく、自宅まで順調に午前8時過ぎくらいにはたどり着き、そのまま片付けもしてしまい、シャワーを浴びて昼くらいまで寝てました。


戦利品

今回の戦利品は本当に少ないです。いつもは独立ページを作るのですが、今回はここで書くくだけです。太陽フィルムと、2インチのキャップ。あとは木人さんにいただいた雲避けシール、あぶくま洞のクリアファイル、抽選で当たった月のポスターです。


お疲れ様でした

今回の星まつりも、やはり人に会うのと、あとは電視観望、太陽機材を見てもらうのが主目的です。そう言う意味では十分に目的を果たせました。披露した機材をネタに、さらに新しい星友もできていきます。これだから星まつりは楽しいです。

今回お話しさせていただいた方々、今後ともよろしくお願いいたします。また、このような大きなイベントを実現してくださった、天文台台長はじめスタッフの方々、本当にありがとうございました。最終日を待たずに帰宅してしまい、申し訳なかったのですが、また来年も時間の許す限り参加したいと思います。

参加されたすべての皆さま、お疲れ様でした。


福島の星の村天文台で行われた星まつりに参加してきました。前回まではスターライトフェスティバルと呼ばれていたもので、昨年から開催時期を6月に移動し、名前を星まつりと変えましたが、昨年度はコロナ禍で中止となったので、実質的には変更後初めての開催となります。




出発

6月3−5日の金土日の開催で、平日でしたが金曜の午前中に出発することにしました。

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北陸道から新潟で磐越道に乗り替え、福島に入り猪苗代湖を越えしばらく走り、ETC専用の田村スマートインターチェンジが最寄りになります。途中、北陸道の最後の方の黒崎サービスエリアで恒例のスターバックス。

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このスターバックス、毎回何かしら話しかけられます。今回は「抹茶好きなんですか?」と「コーヒーはのあまり飲まないんですか?」でした。そういえば1年半前の時も話しかけられたことを思い出しました。「年1回くらいの福島まで行くんです。前の時も話しかけらたんですよ!」とか言ったら「何かあるんですか?」と聞かれたので「星まつりというのがあって福島まで行くんです。」とか会話がはずみます。来年もまた黒崎でトイレ休憩することになりそうです。


会場到着と開会式

現地到着は15時半頃だったでしょうか、会場に一番近い駐車場もまだそこそこ空いていました。

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会場に着いたら各ブース設営準備でした。

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すでに開いていた国際光器さんのところに行き、先週OD3.8の太陽フィルターを購入させていただいたことを報告。ついでにOD5.0のシートが特価だったのでその場で追加購入しました。今回主な買い物はこれだけです。星まつりでしたが、今回はうまく物欲をコントロールできました。

会場で星仲間との再会です。最初に福島に参加したのが2016年。途中2度ほど台風などで中止になりましたが、開催された時には必ず参加していました。多くの知り合いもでき、歩いているはしから挨拶とお話しとで、そのまま17時の開会式になだれ込みます。

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星の村天文台長の挨拶です。

開会式では6月に移した理由が語られました。とにかく10月の台風に悩まされたこと。梅雨前の6月第1週が晴天率がいいからということでした。この判断は大正解だったと思います。実際、事前の天気予報に反し、どんどん予報も良くなり、金曜夜も土曜夜も、それぞれ0時頃、23時頃までと快晴で、天の川が2本の構造がわかるくらいかなりはっきりと見えました。地元の人によると、年何回あるか位のレベルの透明度だそうです。あと、まだ虫が出る前だったこと、多少寒かったですが、これまでの10月末とかの寒さに比べると遥かにマシで、車中泊も寝袋一つで十分に快適でした。


個性的な天体機器

開会式終了後、駐車場へ戻り少し回ってみると、utoさんがすぐ近くにいらっしゃいました。以前天リフの行事の時にオンラインではご一緒したことがあるのですが、お目にかかるのは初めてでした。念願の極小手作り反射鏡筒の実物を見ることができました。

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作りが細かくて素晴らしいです。夕方のまだ明るいうちの月を見せて頂きましたが、実用レベルできちんと見えるところがすごいです。

ちょうどその場にいた方が、面白いものを取り出しました。極小繋がりで、なんと100円ショップの時計を利用した赤道儀です。

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時計なら「24時間で一回転」というまさにコロンブス的発想で、コンパクトさ、コスト、アイデアなど、もう天文マニアとして申し分ない逸品です。電池は動作させっぱなしで1年持つそうです。すごすぎます。

実際には以下のように使うとのことで、バランスを取ることで余分なウェイトなどを必要せずに実用で使えるとのことです。

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utoさんが自分のコンパクト反射に入れたがっていました。今はアイピース入れに使っているという、本体の小さなスペースに本当に入りそうなくらいの大きさです。

実はこの方、昨年の小海で車を止めてすぐに会った方で、金沢から来たOさんということがわかりました。ドブ使いで、小海でもみた黄色の手作りドブを出していました。やはりすごい方は何を作ってもすごいですね。

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星仲間のヒロノさんの66cmドブでも月を見せてもらいました。「星の村天文台の65cmより1cm大きい」とのことでした。

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電視観望関連

ヒロノさんといっしょに、19時からプラネタリウム内で始まるKYOEIさんの電視観望講座を聞きに行くことに。

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プラネタリウムのプロジェクターでスライドを表示させて話すのですが、この椅子がいけません。完全リクライニング型でかなり倒れ込むので、確実に眠くなります。私はがんばって起きてましたが、ヒロノさんはよく眠れたそうです(笑)。講演内容はいつもZoomで電視観望を講座をされているだけあって、とてもスムーズで、笑いありの、かなり完成されたレベルでした。質問もたくさん出てました。星まつりでこういった講演会があるのは、情報を知りたい方もたくさんいるはずなので、やはりいいですね。講演予定時間は30分でしたが、この時点で天気がかなり良くなってたので、外に行ってみる方が説得力があるということで、実際のスライドは20分程度、10分質問時間で19時30分には皆さん外に移動しました。

KYOEIブースではZWOの新しい赤道儀AM5が使われていて、かなり注目を浴びていました。まだ日本ではこの1台があるだけとのことです。

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私はここで自分の電視観望の準備を始めます。最初天文ガイドの電視観望特集企画で、天文ガイドブース前に展開しようと思っていたのですが、あいにくKYOEIブースの隣で、邪魔になってしまうと悪いと思い、しいたけ屋さんの販売がすでに終わっていたので、そこで展開することにしました。

あ、しいたけ屋さんといえば、毎回しいたけの串焼きが絶品で、この日もプラネタリウムでん講座が終わってから夕食がてら食べようとしたら、なんと講座の間に閉店。この日は残念でしたが、次の土曜日に焼き鳥とたこ焼きと合わせて、しいたけの串焼き今回も頂くことができました。

肝心の電視観望ですが、今回のセットアップはFMA135+ASI294MC+AZ-GTiの超コンパクトセットです。実は豪華なFS-60CB+ASI2400MC Proのセットも持ってきていたのですが、車から機材を手持ちで運ばなければならないことと、口径3cmという小ささが逆にインパクトになるだろうと思い、FMA135にしました。

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天気が良かったことと空が暗かったこともあり、かなり綺麗に見えたのですが、始める頃の時間帯はこの季節あまり見栄えのする天体が少なく、月の地球照とか見せてました。あとはせいぜい三つ子銀河とM81、82が少し見栄えがくするくらいです。

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程なくしてM57が登ってくると少しカラフルになります。FMA135だと拡大率の限界に近くて、カメラのピクセルが見え始めます。M57のような小さな天体は、視野角と解像度の関係を示すいい例になります。

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KYOEIさんの電視観望実演も含めて、多くのブースが21時頃には片付け始めます。私のところはこれからば本番です。21時頃になるとデネブも見え始め、北アメリカ星雲が見えます。

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その後、サドル付近を見てみます。真ん中に三日月星雲が小さく見えます。

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拡大してみますが、光学性能が優れているFMA135のおかげで、破綻や星像の過度な肥大がすることなく、三日月星雲単体でも十分みることができます。

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他にも定番のM27などです。

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最初の頃は一人でこじんまりとやっていたのですが、途中から何人も立ち寄ってくれました。さすが星まつり、実際に電視観望をやってみたい人、すでやっている方も多かったです。今回の星まつり参加の目的の一つが電視観望のデモなので、疑問とかトラブルとかの解消の仕方をできるだけ実演も含めて話したつもりです。実際のライブスタックが始まったら放っておけばいいので、話す時間は十分にありました。こういった取り回しのしかたも、もしかしたら参考になった人もいるのかもしれません。

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今回もう一つの収穫が、天文ガイドの編集の方に実際に見て頂いたことです。他の方もそうなのですが、わずか口径3cmの鏡筒(ガイド鏡では?と言っている方もいました)でここまで見えるのは驚きなのかと思います。原稿執筆時にも私から説明もいろいろしたのですが、本当に百聞は一見にしかず、やはり実物を見て、あーだこーだ議論して、見たい天体をドンドン変えていきと、もうとにかく楽しいのです。

その中で、編集の方が以前この星の村天文台で電視観望をみた覚えがあるという話をしてくれました。α7sもあったというので、恐らく2016年の最初にスターライトフェスティバルに参加した時で、私もBKP200とASI224MCで電視観望を披露した時です。場所も編集長の記憶と一致していました。あの頃から考えると、もう格段の隔世の感があり、5−6年の間に電視観望自身がものすごく進歩したことを改めて実感しました。

電視観望の技術の進歩といえば、2017年にやはりここ福島で、初めて画面に三日月星雲を映し出す
ことができました。その姿が上がってきたときには「おおーっ」という感じで、相当盛り上がったことを覚えています。まだまだフィルターを使うという概念があまりなく(QBPが発売されるもっとまえのことでした)、淡い天体を炙り出すのに苦労していた時の話です。ちなみにその時出した三日月星雲がこれです。

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上のものと比べると、今の方が口径さらに小さくなっているのに、はるかにきれいに出ていることがわかると思います。


片付け

0時近くでしょうか、だんだん雲が出てきてこの日の電視観望は終了。星友かつ、大学時代の先輩のHBさんに片付けを手伝ってもらいました。HBさんには焼きしいたけやコーヒーをご馳走になったりで、いろいろお話しさせていただいたりで、今回も大変お世話になりました。いつもどうもありがとうございます。

車に荷物を入れ、少しだけドブの方々に眼視で見させて頂きました。M13の粒状感は半端なかったです。他にもM51子持ち銀河や、M81と82のペアなど見せてもらいました。程なくして雲が全面を覆ってしまって終了となりましたが、最近眼視がかなり魅力です。

車に戻り、よく考えたら夕食を食べていないことに気づき、5分ほど山を降りたコンビニに買い出しに。やっと暖かいドリアを食べ、再び会場の駐車場に戻り、そのまま車で寝ました。そこまで寒くなく、寝袋一枚を広げてかけるだけで十分眠ることができ、かなり快適でした。梅雨前のこの季節、かなりいいです。

さて、土曜日のことはまた続きの記事で。

 

天文を趣味にしたら、一度は星まつりに参加してみるといいかもしれません。いろんな望遠鏡を覗くことができたり、星仲間に会えたり、特価の機材に巡り合えたり、とても楽しいです。

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2016年

星を始めた年で、天文雑誌で星まつりというものがあると知って、初めて参加してみた年です。
  • 原村星まつり: 2016/8/5

  • 胎内星まつり: 2016/8/27

  • 福島「星の村スターライトフェスティバル」: 2016/10/9


2017年

星を始めて2年目で、フルで参加した年です。
  • 胎内星まつり: 2017/7/28-30

  • 原村星まつり: 2017/8/5-6

  • 福島「星の村スターライトフェスティバル」: 2017/10/8-10


2018年

「星をもとめて」に初めて参加した年でした。残念ながら福島「スターライトフェスティバル」は台風で中止でした。
  • 原村星まつり: 2018/8/7-8/9

  • 胎内星まつり: 2018/8/24-26

  • 星をもとめて: 2018/9/23-24

  • 福島「星の村スターライトフェスティバル」: 2018/10/6-8は台風のため中止
  • 小海「星と自然のフェスタ」: 2018/10/12~14


2019年

この年も福島「スターライトフェスティバル」は大雨と洪水などで中止でした。

  • 原村星まつり: 2019/8/2-4

  • 胎内星まつり: 2019/8/23-25

  • 京都るり渓「星を求めて」: 2019/9/22

  • 福島「星の村スターライトフェスティバル」: 2019/10/12-14は台風のため中止
    • 小海「星と自然のフェスタ」: 2019/10/25~27


    2020年


    コロナ禍のためにほとんどの星まつりは中止。胎内などいくつかの星まつりはオンライン開催でした。
    唯一のものが福島でのスターライトフェスティバルでした。

    • 福島「星の村スターライトフェスティバル」: 2020/10/9-11


    2021年

    オンラインの星まつりが続きます。11月になってやっと久しぶりのリアル開催の小海の星フェスが開催されました。
    • 星を求めて(オンライン開催): 2021/9/19

    • 小海「星と自然のフェスタ」: 2021/11/13~14


    2022年


    • 福島「星の村スターライトフェスティバル」: 2022/10/9-11


    • 京都るり渓「星を求めて」: 2022/9/18


    • 小海「星と自然のフェスタ」: 2022/11/11~13

     

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