名古屋市科学館から満天NAGOYAへ



名古屋市科学館で2回のプラネタリムを堪能した後、常設展示に後ろ髪を引かれつつも時間も勿体無いので移動します。最寄りえきは矢場町ですが、時間稼ぎで栄まで歩き、そのまま地下鉄東山戦に乗り、名古屋駅の次の亀島駅まで移動しました。

その頃家族はというと、バンクシー展を見てからすでにイオン近くに来ていて、あらかじめ調べてあったラーメン屋に行っているとのことです。私は時間的にはきびしかったので、イオンの中で食べればいいやと、とにかく移動します。

亀島駅からイオンモールに行くのは苦労しました。広すぎてGoogleマップを見てもどちらから回っていけば入り口側に行くかわからなかったのです。結局裏の駐車場入り口側に回ってしまいましたが、店内に入ることはできました。その中からさらにプラネタリウムに行くのに人に聞きながら、3階にあるということがわかり、やっとのことで辿り着きました。

プラネタリウム近くに行くと何故か息子が椅子に座って休憩しています。「プラネタリウム一緒に見るか?」と聞いてみると、開口一番「ラーメン美味しかった!これまで食べた中で一番美味しかった」とのこと。食べることができない私にとってはそんなことはどうでもよく、「プラネタリウム見る?」と再び聞くと、珍しく「うん」とのこと。

一番早いプログラムは高校生が主人公のアニメ。次の回がポケモン、その次が宇宙ステーションから見た映像がメインのものでした。そこまでは待てなかったので、結局一番早い15時からのチケットを2枚取ります。高校生がどう星に絡むのか楽しみです。

開演まで30分くらい時間があったので、急いで昼食を取ります。すると、通りがけのフラダンスショップには妻の姿が。ちょっと前にフラダンスを趣味で始めたので、都会のフラダンスショップに一度来てみたかったとのことです。声をかけたのですが、趣味なので自分と同じで説明が長くなりそうだったので、何とかふっ切ってフードコートに。早く出てきそうなカルビ丼を頼んで、急いでお腹にかきこみます。気づくとすでに入場開始の14時50分、エントランスへ移動です。


いよいよドームの中へ

エントランスで客層を見てみると、友達同士の若い女性がかなり多く、他はカップルのみです。我々のように男複数というのは全くいません。しかもアニメといっても子供向けではないので家族連れの姿も全くなく、すでに浮いているかもしれません。

すぐに案内があり、中に入ります。

中ではすでにプログラム前のデモ映像が流れています。指定された席に座って上を見上げてしばらく見ていましたが、この時点でもう完全に圧倒されました。壁から天井全体に一面に直接配置された高輝度LEDでこれまでのプラネタリウムでは表現できなかった映像を次々と映し出します。オーロラが出たり、メテオストライクみたいな映像がありましたが、感動したのはたまに流れる極々普通の空の風景。例えば雲が流れる星空、普通のプラネタリウムでは絶対にありえない映像です。昼間の青空が綺麗に表現できるのもLEDのコントラストのおかげかと思います。夕方の星が出始める黄昏時の雰囲気も十分に出ています。これはすごい!

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技術的なところを見るために、席を立って壁際のLEDの写真を撮ってみました。LEDのピッチは数mm位でしょうか、間近で見たら一つ一つのLEDが認識できますが、少し離れたところではもう個々のLEDは全くわからなくなります。LEDはおそらく数10cm x 数10cm程度のシート単位になっていて、よく見ると境目がわかりますが、これも将来は解決されていくでしょう。これだけの数のLEDをムラなく表示させるのはかなりの技術なのかと思います。

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男二人組で、しかも壁際に行って写真を撮ったりしているので、ちょっと変な人と思われたかもしれません。プログラムが始まる前に写真を撮ること自体は問題ないみたいで、他のお客さんも空の写真をたくさんとっていました。でもこの極々普通の空の風景、これがどれだけ普通のことではないのか、できるならこの場で見ている人全員に理解して欲しいです。エンターテインメントはこういった最先端の技術を贅沢に消費していくのですが、それでお客さんが入り、星好きな人が増えてくれるとすごく嬉しいです。満天NAGOYAを見た方は、是非とも名古屋市科学館をはじめ全国にあるプラネタリウムにも訪れてくれればいいなあと思います。

さて、実際のプログムラムについてはネタバレになるので詳しくは書きませんが、普通のプラネタリウムレベルの正確な空を何度も映し出してくれます。ここら辺はさすがコニカミノルタです。不思議な感覚だったのは、主人公が見ている方向によって座っている観客の空の方角が一瞬で変わること。南向きの空、西向きの空、あともう一方向と三方向がセットされていました。普通の投影型のプラネタリウムでは方角が変わることは絶対にありません。おそらく今後見ている方向がさらに増えていったり、リアルタイムで方向が変化していくような映像も用意されるのではと思います。一つだけネタバレ、最後の方に出てきた街中の夜明けの空は、まるで本当に外に出ているような、ものすごくリアリティーのある風景でした。

振り返ってみると、やはりものすごいです。これまでもプラネタリウムの印象を完全に覆します。将来的にはこの形式がかなり増えるのではないかと思います。今後はもっと他の状況も再現してくれるのかと期待します。例えば皆既月食、さらには皆既日食も再現できるのではと思えるくらいです。雲越しの月とか、冬の満月の静けさとか、そんな雰囲気まで再現してくれたらと思います。あ、一つどうしても表現できないものを思いつきました。さすがに雨は再現できないと思います。

その一方、星空に関しては普通の投影型プラネタリウムも負けてはいません。満天NAGOYAのようなLEDを壁面に埋めるタイプでは、暗い空と星のコントラストは出ますが、星雲、銀河など、細かい表現は限界があるはずです。今回失敗したのは双眼鏡や星座ビノの類を持っていくのを忘れてしまったことです。最近の高性能プラネタリウム映像を双眼鏡で見ると、例えばアンドロメダ銀河などもきちんと見ることができます。LEDタイプのプラネタリウムで双眼鏡などの倍率を上げた時の映像は果たしてどうなるのでしょうか?ここら辺の追求はまだこれからの課題なのかもしれません。もしかしたらLEDと投影のハイブリッドとかも出てくるのかも。

満天NAGOYAは、LED埋め込み方式を採用した日本で初のプラネタリウムです。そして本日3月24日、横浜にも2つ目の同じ方式のプラネタリウムがオープンしました。名古屋の方でまだ見てない方はもちろん、関東の方もぜひ見に行ってください。天文ファンでこれまでのプラネタリウムに詳しいなら、全く新しいプラネタリウムの表現を思う存分楽しめるかと思います。


その後、SCOPIOと三基光学館へ

さてさてその後ですが、地下鉄東山線をさらに乗って天文ショップSCOPIOに顔を出しました。店長さんと満天NAOGYAの凄さを確認しあいました。

店内に来年中学に上がるという男の子と、その子のお父さんとお母さんがいました。お母さんの方から話しかけてくれて、どんな望遠鏡がいいのか聞かれました。ちょうど店長さんからCelestronのStarSense Exprolorerの説明を受けていたので、これいいですよと勧めておきました。子供が中学入学祝いでどうしても望遠鏡が欲しいので、子供にせかされて遠くから来たとのことです。その子とも少し話して、本当に興味がありそうだったので本を勧めておきました。店の中でも熱心に読んでいたので、結局この日は本だけ買っていましたが、すぐに望遠鏡も買うことになるのかと思います。こういった子を育てていける、リアル店舗がある都市部はちょっと羨ましいです。

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その後、実家への帰り途中に地下鉄を栄で降りてトップカメラを覗きました。特に何も買わなかったですが、科学館から数えて4箇所も天文関連で周り、大満足の一日でした。

次の日は朝早くから妻の実家の神奈川県の相模原に移動です。昼頃には着いて少し時間があったので、相模原市の田名にある三基光学館に立ち寄りました。秋葉原から移転してきたのですが、妻の実家から2キロくらいで無理すれば歩いてもいけるような距離にあったりします。

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でも残念ながらこの日はお休みなようでした。店長さん、ずっと体調を悪くしていたようですが、最近のブログで元気になってきたとの書き込みがあったので、お会いしたかったのですが。

時間が余ったので、子供と一緒に同じく田名にある淡水の水族館「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」に行きました。ここはタナゴ専用水槽や、タガメやゲンゴロウ、ミズカマキリなどの珍しい水生昆虫もいて、意外なほど楽しめます。

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この日の宿泊は「相模川自然の村清流の里」です。妻の実家の常宿だそうです。安くて食事も豪華で、久しぶりの宿泊での料理を堪能できました。でも運転疲れか体調を崩してしまい、夜も天気が悪かったので、電視観望セットも持っていたのですが結局披露もできず。

次の月曜日には、南大沢に向かいアウトレットモールへ。こんな人が集まるイベントは本当にひさしぶりです。ついでに近くにある学部時代のサークルの部室を覗いたりしました。昼過ぎには高速に乗り、富山に戻ります。

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3連休で富山から名古屋、相模原、富山実家巡りという、久しぶりの家族大旅行でした。私は天文関連で十分楽しめましたが、家族もそれぞれ楽しんだようです。何が一番良かったかと聞いたら「ラーメン!」とのこと。なんだかなぁ...。