ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:木星

時間が少し前後してしまいますが、前回の記事の前日、8月12日(金)の話です。

8月12日は毎年恒例のペルセウス座流星群です。でも今年は満月と重なってしまい、淡い流星を見るのは難しいかもしれません。でも大きな流星も流れることもあるので、運がよければ見えるかもしれません。


飛騨コスモス天文台へ向けて出発

昨年はコロナでダメでしたが、ここ数年は飛騨コスモス天文台でペルセウス座流星群を見ることが多いです。


今年もその予定でしたが、天気予報がイマイチ。それでも一応行きますと連絡し、17時過ぎに出発。機材も気楽なもので、満月でさらに天気が悪そうなので撮影機材はあきらめ、一応電視観望と、子供用にいつものスコープテックの屈折を持っていくだけです。途中これもいつものすき家で牛丼特盛と豚汁を頼み、腹ごしらえして18時前くらいに店をでます。

途中青空も結構見えていたのですが、岐阜に入ることに徐々天気が悪くなり、雨も降ってきました。でも現地に到着する頃には、少し雲も少なくなってきて、一部青空も見えています。


ドーム操作の確認

19時15分頃に到着したでしょうか。現地にはすでにいつものスタッフも来ています。

到着してすぐに、スタッフのSDKさんと約束をしていた、ドームの赤道儀の操作方法を伝えます。SDKさんが以前試したのですが、マニュアル通りに進めても途中でうまくいかなかったとのこと。ステライメージでどのプロトコルで使えばいいか迷ったようです。実は以前、このドームを立ち上げた故Yさんがまだ元気だった時に同じことをたずねられて、一緒に試してミードのLX200モードであることを突き止めたことがあります。同様にしてみたらきちんと動かすことができました。SDKさんにも再び一から操作してもらい、今後もわからなくならないように、きちんとメモを残しておきました。


少ないお客さんとの盛り上がり

外に出ると、南の空と天頂が晴れています。ただしやはり天気は微妙なのでお客さんは少なく、関係者に近い方が二人、あとお客さんと呼べるのは3人の家族と、女性の方一人くらいでした。お客さんが来た頃には再び全面曇り。しばらくすると小雨も降り出してきました。せっかくなので、SDKさんがドームを案内して解説してくれます。

その間、私は雨よけがてらトイレのひさしがある所でスタッフのSKTさんと話し込んでいました。話題はドームの保険についていです。年額でそこそこの金額を払っていて、どうしたらいいかという相談でした。そもそも、何があった時に何に対してどれくらい支払われるかとかわからなかったので、それを確認するのがいいのではという話になりました。ここは特に手作りに近いドームです。保険といってもなかなか直してくれる業者も見つからないかもしれません。製作者に連絡を取るのが一番なのですが、遠方ということもあり頻繁にというわけにはいきません。こういった、今後の管理、保持についても考えていかなければいけません。

ドームからお客さんが出てきましたが、まだ全面曇っています。雨はかなりマシになって、ほとんど降ってませんでした。家族で来ていた方はその時点で帰ろうとしていましたが、少し雲の薄いところが見え、雲の向こうが明るくなってきてたので「もう少し待ってたら、何か見えるかもしれませんよ」とひきとめました。しばらく待つ間、いろいろ話してみました。高山から来ていてお子さんは小学5年生。その子がどうしても参加したいと言うので、親が連れてきたということのようです。流れ星は見たことがあるらしいですが、天の川はあまりはっきり見たことはないようです。

そうこう話しているうちに、月が雲越しに少し見えそうだったので、いつものスコープテックの5cmの屈折を出しました。雲がキワキワで、月よりもすぐ上の土星が見えそうだったので、まずは時間勝負で私が導入してすぐ未見てもらいます。土星を見たのは家族3人ともはじめてで、大喜びでした。特にお父さんが「ウホッ」とか言いながら興奮状態でした。男の子も最初雲越しでくらかったので「細長く見える」とだけ言っていたのですが、そのうち雲も晴れてきて、輪っかがきちんと見えると大興奮。お母さんにも、もう一人来ていた方にも見てもらいました。

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男の子とお父さんには望遠鏡の操作方法と、導入方法を伝えました。男の子はちょっと挑戦してあきらめてしまって、次にお父さんがチャレンジ。お父さんはすぐにコツを掴んで、その後その男の子もすぐに導入までできるようになりました。3年生くらいでもできる子がいるので、5年生だと大抵できるはずです。

次第に雲が晴れる時間も出てきて、月を導入してもらってみてもらったり、そのうち低空に木星が出てくるとそちらも導入してもらい、衛星までばっちり見えて大喜びでした。20mmのアイピースでたかだか40倍でしたが、木星の縞は赤いのが見えました。最初は男の子の方が見え、お父さんはどうしても見えなくてくやしがっていたのですが、さいごにはお父さんも、お母さんも縞まで見えて喜んでいました。今度は自分の望遠鏡を持ってくるそうです。

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あ、恒例のクイズも出しました。いつものとおりで、太陽や月がどちらから昇ってどちらに沈むかから始まり、やはりお父さんもお母さんも含めて月が答えられず。さらに星の動きについても聞きました。その流れで、動かない星のことを聞きました。すぐに男の子が「北極星」と答えてくれたのですが、じゃあなぜ北極星が動かないかという質問には相当頭を使っていたようです。親は流石にすぐに分かったようですが、その子は頭を北極星の方に向けて自分が回転してやっと納得したようです。

8月27日の観望会も来ると言うので、一つ宿題を出しました。惑星の「惑」は「まどう」とよ向けれども、なぜ惑うのかというものです。調べたら色々わかると思います。「チ。」とか読んでもいいですね。月末の観望会で答えを聞くのが楽しみです。

さてさて、今日のメインの流星群でしたが、きていた人の中で一人だけ一つ見えたと言っていて、他の方は全滅でした。晴れている部分が少なかったのと、月も明るかったので仕方なかったかもしれません。


次回は8月末

22時半過ぎになると徐々に曇ってきて、23時前にはすっかり曇って今日はここまでかなと言うことで解散しました。

23時ちょうどくらいには現地を出発し、0時位に自宅に到着。3時頃まで起きていたら、次の日寝坊してしまい、コメダ珈琲に行くことができませんでした。

時系列的には、この後に前回の記事の密会に続きます。 

 

次回の飛騨コスモス天文台の月例観望会は、8月27日です。

2021年9月30日、飛騨コスモス天文台で観望会がありました。この日は快晴だったからでしょうか、相当たくさんのお客さんが来ました。


観望会準備

この日は朝から食料品の買い物で、妻にコストコに付き合います。夜は観望会でいなくなるので、きちんと家族のご機嫌をとっておかないと、星活が脅かされてしまいます。コストコで毎回食べる北海道ソフトクリームは相変わらず絶品です。もう生クリームをそのままソフトにしたようです。いまだにどんな観光地でも、ここ以上のソフトに出会ったことがないです。

コストコから一旦自宅に戻り、昼くらいからキタムラに行ってカードの印刷です。観望会に来てくれた人に天体が写っている写真を配りたいとのことで、以前から頼まれていたものです。まだ試しなので、手持ちの画像20種を各一枚ずつ、(一番安い)Lサイズで印刷して、選んでもらうことにしました。

印刷方法は至って簡単。キタムラ店舗にあるたくさんのプリント用のモニターの前に座って、適当にメディアから読み込ませ、印刷したい画像を選択します。モニター上で最後に注文を完了するとレシートが2枚(店側用と客の控え用)出てくるので、それを持って受付に行きます。ポイントは受付の時に「補正なしで」とはっきり言うこと。これを指定しないと、変な色補正をかけれらてしまいます。天体写真は自分で納得した画像を作るので、下手に自動補正とかをかけると全く違うものになってしまいます。10分も待てば印刷されたものが仕上がってきます。

10枚印刷すると一枚あたり税込で45円になります。まだちょっと割高なので、次回はネットのフジプリで頼もうと思います。同サイズだと1枚あたり税込11円だそうですが、送料が毎回必ずかかってしまうので、大量発注に向いています。逆に、キタムラのいいところは、10分とそのばですぐに受け取ることができることでしょうか。これはネットプリントよりも遥かに便利です。

キタムラでの印刷後、観望会の機材を車に積み込みます。今日の機材は惑星用にAVXに載せるC8、電視観望でFMA135とASI294MC Pro、撮影用にTSA-120と6DをCGEM IIに載せます。汗をかいたので、積み込み後急いでシャワーを浴びて、16時半頃出発です。途中、ファミマで夕食がわりのおにぎりなどを購入。

でも富山ではまだ曇りで少し雨もぱらついていました。まあ、天気予報は晴れの予想だったのでそのまま現地に向かいます。

飛騨コスモス天文台到着

18時前くらいに現地に到着。空はほぼ快晴!その後一瞬だけちょっと雲が出ましたが、それからは一晩中ほぼ全面快晴です。

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私の到着に続いてすぐ、いつものかんたろうさんが到着。今日来ることを聞いてなかったので、一瞬誰か別人かと思ってしまいました。というか、最近特に暗いところでの目が悪くなっている気がします。メガネを変えた方がいいかもしれません。

まだ明るいですが、この日は機材が多いので順次手際よく出していきます。本当は暗くなるとともに撮影がしたくて、お客さんがあまりこない端のところにTSA-120をアイリス星雲狙いで設置しようとしました。地元の富山は北側が明るいので、北の空が暗いコスモス天文台は絶好のチャンスなのです。ですが、全然読みが甘かったです。


たくさんのお客さんが

暗くなりかけると他のスタッフとともに、お客さんが続々とやってきます。もう木星と土星はみえているので、スコープテックでまずは見てもらい、その間にC8で初期アラインメントを取ります。金星が山際に沈むギリギリのところで導入までできたのですが、ほんの30秒くらいの差で、一人のスタッフには見てもらい、もう一人には見てもらえなかったとかでした。気を取り直して木星を導入すると、もうお客さんが待っている状態です。暗くなってきて天の川も見え始めます。

先にテスト印刷した天体写真のカードをスタッフに渡しておき、来てくれた子供に配ってもらいました。子供だけで13枚は捌けたと言っているので、その両親も考えたら少なくとも30-40人のお客さんは来ていたことになります。カードを受け取った子供たちはいずれも大喜びで、写っている天体が何か何度も何度も尋ねられました。カードはかなり好評なので、20種で各10枚印刷しておこうという話になりました。リクエストとしては惑星の写真が欲しいと言うこと、あとは写っている天体の名前を入れておいた方がいいのではということでした。次回11月が今年最後ですが、それまでに準備しておこうと思います。

かんたろうさんも鏡筒やら双眼鏡やら出してくれて大活躍です。しかも私よりも遥かに知識があるので、来ていた方は説明に大喜びだったと思います。私の方も負けじと色々説明します。人数が多いので天の川の説明からです。織姫星、彦星、白鳥の飛ぶ方向など夏の大三角に絡めます。

この観望会のスゴイところは、天の川がカシオペアの方まで繋がっているのがはっきり見える(オリオン座が登ってくれば、オリオン座のところまで繋がっているのもわかります)ので、我々の住んでいる銀河と話を絡めることができ、それを実際に自分の目で確認することができることです。「天の川は銀河を真横から見ていますよ」という説明です。

しかも秋だとちょうどM31アンドロメダ銀河がカシオペアの隣にいるので、銀河の形自分の目で確認してもらうことができるのです。慣れた人は肉眼、難しい人は双眼鏡をセットしておきます。肉眼で挑戦して見えなかった人は星座ビノでなら見ることできます。みんな銀河の形を実感することができるので、結構満足してもらえるのではと思います。

機材での観望としては、C8を木星、土星、ベガ、アルビレオで適時入れ替えます。スコープテックは自分で操作してもらうよう、適時説明に入ったりします。もうずっと忙しくて、この日は珍しく電視観望なしでした。

ドームの方も開けて公開はしたけれども、望遠鏡の観察は無しでした。外で十分な機材の台数があることと、これだけのお客さんの人数だとドームの望遠鏡を扱うスタッフの方が足りません。スタッフは女性が多く、年配の方も多いので、無理をせず、できる範囲で地元の方に星を見る機会を提供していこうと決めています。こんな方針でまったりと気楽に、楽しくやっていけばいいのかと思います。ここは観望会としては珍しいくらいにいい環境なので、お客さんと一緒に天の川など、楽しめるものを楽しむのが一番かと思います。


Mちゃんが電視観望

途中だいぶ人もいなくなってきた頃に、いつものMちゃんがお母さんと、いとこの男子高校生とともに到着。Mちゃんが電視観望を始めてくれました。前回渡したQBPを試したかったようなのですが、最初に入れたのがM31。銀河なのでQBPは実はあまり有利になりません。また、とても暗い空なのでフィルターなしても十分よく見えるはずです。ハロ防止にUV/IRカットフィルターだけ残してQBPを外し、M31、M27、M57と入れてました。

もうお客さんも少なくなってきて、22時半頃でしょうか、スタッフの方も解散で、残ったのは結局かんたろうさん、Mちゃんのところ3人、私の5人でした。その代わり、赤道儀のウェイトのところに新たなお客さんが。かわいいケロちゃんです。

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もう誰もいなくなったと思っていたのですが、実は敷地のすみのところにまだ女性4人のグループで毛布を引いて空を見上げている方達がいるのが判明しました。暗くて全然気づけませんでした。

話を聞いてみるとすぐそこの地元の方達で「自分で望遠鏡を持ってくれば見えるのか?」とか言うので、「ここの望遠鏡とは別に持ってきてもらえれば使い方とかお手伝いしますよ」と返事をしました。ですが「望遠鏡持ってないので買うかなあー?」とか話が噛み合いません。よくよく聞くと、かなり遅くのつい先ほど来たらしくて、この観望かいに望遠鏡があることも知らなくて、まだ何も見ていないというのです。

そろそろ片付け始めようと思っていたので、片付ける前でよかったです。C8の惑星、双眼鏡でのすばるやアンドロメダ銀河、Mちゃんの電視観望とフルで見て頂きました。天の川の解説もして、短時間でしたが満足してくれたようで、次回11月6日の会も「ぜひ来たい」とのことでした。観望会自身は今年は11月で終わりです。そこから雪になってしまうので、来年の春までお休みです。

最後のお客さんも帰られ、ここからやっと撮影の準備を再開して、23時過ぎに撮影開始。予定通りケフェウス座のアイリス星雲です。その中の1枚です。既に分子雲も見えているので、やはりかなりいい空なのかと思います。画像処理はまた後日やります。

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Mちゃんのところは0時半くらいまでいたでしょうか。その間、かんたろうさんが眼視でいろいろ見せてくれました。Mちゃんのお母さんが一番満足していたような感じでした。撮影と眼視も面白かったのですが、長くなるので詳しい話はまた今度記事にします




2021年9月26日の土曜日、富山県天文学会のK会長の呼びかけで、いつもの牛岳に集まることに。と言っても満月の3日後のことなので、主に惑星と月です。しかも天気予報も結構前から悪くて、当日近くなってもあまり改善されず。「天気は悪くても心配しないで、まあ顔を合わせて話でもしましょう。」とのこと。機材談義でも楽しいので行ってみることに。


新しい星仲間

少し時間は遡って、 「星をもとめて」の講演の後の懇親会でのこと。参加者の一人の女性の方から、「電視観望を実際見てみたいが、どうすればいいですか?富山在住です。」との話が。「見るだけだったら自宅に来てもらってもいいですが、ちょうど9月25日に牛岳で観望会がありますが、どうですか?」とお誘いしました。詳しいことをDMでやりとりしたところ、富山に越してきた方で牛岳をそもそも知らないとか。しかも免許取ったばかりで運転が不安とのことなので、一緒に行くことに。

あと、いつものMちゃんのところにも一応声をかけておいたのですが、お母様によるとその日は科学博物館に行くかもとのことでした。 20時過ぎには月が出てしまうので、早いうちでないと天の川とかは見えないから、あまり無理しなくていいですよとお伝えしておきました。(でも結局き来てれてしまうのですが。)


観望会当日

さてさて観望回当日、この日は朝から名古屋人の心の故郷のコメダ珈琲で朝昼ごはん。「肉ダクコメ牛」で大満足。肉が溢れ出してます。Twitterで呟いたらけにやさんが「肉トッツォ(マリトッツォの肉版の意)」と教えてくれました。私は流行り物は疎くて、ついこの間やっとマリトッツォを知って、ファミマでマリトッツォ「風」シフォンケーキを食べたくらいです。

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コメダではずっとブログの記事を書いて時間を潰し、午後からは晩のための機材の準備です。持っていくものは、惑星というのでまずはC8、電視観望でFMA135とASI294MC Pro、これをAZ-ZTiに載せます。あと、Hさんが電視観望の例を見たいというので、前日まで試していたCanonの28-70mmのキットズームレンズ+Neptune-CII、ついでにMILTOLです。念のためFS-60CBとASI462MCを予備で。


富山駅でピックアップ

この日は撮影ができるくらい暗くなるのが19時過ぎ、月が昇るのが20時過ぎなので、天の川は実質1時間くらいしか見えません。早めに到着していた方が良さそうなので、17時に富山駅でHさんと待ち合わせをしてピックアップ。途中コンビニに寄り、夕食と夜食のおにぎりとサンドイッチを買い、そのまま牛岳へ。

移動の途中色々聞いたのですが、高校の頃から宇宙に興味がでて、一時期諦めてたけど最近宇宙ビジネスが盛んになってきたので再び熱が再発して、仕事をしながら放送大学の天文の講義とか受けてたそうです。星のソムリエも挑戦している最中とかで、機材とかはまだないが、星を見るのもかなりやって見たいとのこと。観望会みたいなのはこれまでIOX-AROSAで参加したくらいで、まだ天の川も見たことないとか。なので、うまくいくとこの日は色々見えるかもです。でも天気が...。

あと、今日の私のTwitterのコメダの投稿を見てたらしくて、昔コメダでバイトしてたとかで盛り上がりました。


牛岳到着

車で走っている途中からも、徐々に曇り始めているような感じです。牛岳についた時は、まだ一部青空も見えるが、薄い雲がかかっているような状態です。展望台に登って南の空も見てみますが、流石に天の川は厳しそうです。そういえば、明るいうちに展望台に登ったのは私も初めてかも。

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天の川が見えるはずの南の空はこんな感じ。厳しそうです。

到着時にすでに車が2台あり、流石にこんな早くから来る人はいないので、関係ない人だろうと思っていたら、一台はこの間自宅に来てくれたKさん。Hさんを紹介しつつ、挨拶もそこそこにKさんも私も早速機材の準備です。

Hさんが退屈しないよう、いつものスコープテックに慣れてもらう意味で、北側の富山の街を見てもらいます。
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「文字が反対になる」とか言ってました。これまで望遠鏡は自分ではほとんど触ったことはないとのことです。とりあえず楽しんでくれているみたいです。


惑星観察

まだ暗くなりかけの夕まずめ、雲越しにかろうじて木星が見え始めました。スコープテックの「二つ穴ファインダー」を利用してHさんに導入してもらいます。すぐに導入できたみたいですが「縞までは見えない」とのこと。どれどれと私も見てみましたが、まだ暗くなりきってないことと、やはり雲越しなのが厳しくて縞も「あるといえばある」というくらいでした。

上を見上げると、雲越しにベガが時折見えるようなので、星座ビノを渡し星を見てもらいました。でも流石に雲のせいか、見える星の数はかなり限られていてあまり面白くありません。そんな中、西の方に明るい星が沈みかけてました。そうです、金星です。かなり建物のきわきわだったので、急いでスコープテックで見ることに。導入後、アイピースを変えると見事に半月状態になっているのがはっきりとわかりました。

そんなこんなでC8の準備ができたのですが、金星は間に合わずに木星を導入。流石に20cmの口径なら雲越しでも縞模様まではっきり見えます。Hさんも感動していたようです。

Hさんが「あそこにあるのは土星では?」と指さすので、よく見るとホントにうっすらですが土星も見えてます。早速導入してC8で見てみると「わーっ、輪っかが!」と叫んでいました。「あの輪が小さい氷でできてるなんて」とか、「ずっと見ていたい」とか言いながら、しばらくの間飽きる様子もなく土星を見ていました。


電視観望のものすごい威力

電視観望の準備をしていると、県天のHRさんや、かんたろうさんも到着。特にHRさんは電視観望に興味津々のようです。

今回は雲がかなり厳しいので、FMA135とASI294MCにしました。月が昇ってくるのでCBPをつけています。ASI294の感度がいいのと、多少雲があっても135mmなので広い範囲が見えて、星の数は増えるはずです。実際の空はというと、夏の大三角の1等星が淡ーく見えたり見えなくなったりという状態です。1等星以下は全く見えません。

こんな状態でも電視観望だとなんとか見えるんですよね。県天のメンバー含めて初めて見た人は驚いていましたが、自分でも結構ビックリな性能発揮でした。しかもわずか口径3cm。ほぼ曇りで何も見えない空の中、超小型な望遠鏡か何かわからないような機材で星雲を見てるんです。結構シュールな光景でしたよ。

実際見えたものです。まずはM27。
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続いてM57、かなりノイジーですが、なんとか形はわかります。
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次に見たのがコートハンガー。子ぎつね座にある面白い並びの星で、名前の通りハンガーです。
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誰かが「えもんかけ」といっていましたが、そもそも「『えもんかけ』が死語に近くて通じないのでは?」とみんな大笑いでした。星の色の違いがきちんと出ているのも面白いです。これはむしろ曇りだったからなのでしょうか?

北アメリカ星雲はもう本当に辛うじて。そもそもデネブも目では全く見えていません。もしかしたら映るかもくらいで試したら、ものすごーく淡くですが辛うじて形がわかります。
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最後はM31アンドロメダ銀河です。
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これは最初CBPをつけていると全くわかりませんでした。銀河は恒星の集まりと考えると白色に近いので、光害防止フィルターは不利になることがあります。外したら最低限広がりがあるくらいにわかるようになりました。見栄えが悪いと思うかもしれませんが、繰り返しになりますが、肉眼でもう星はほとんど何も見えない状況です。

県天の何人かの方が
  • 「今日は全然ダメかと思っていたのに、それでも星雲が見えるとは!」
  • 「今の空を見てても、こんなのが見えるのが信じられない」
  • 「しかもこんな小さな機材で」
  • 「私なんか機材出す気にもならない」
とかぼやいていました。

あ、結局昨日まで試していたカメラレンズとNeputuneですが、あまりに曇りで試すことができませんでした。


電視観望に興味津々、あとAZ-GTiについて

県天のHRさんは電視観望に興味津々。色々と質問が来て、機材の写真とかかなり撮っていました。結論としてはまずは安いCeres-Cを買ってみて、SVBONYのCanonアダプターを使い、手持ちのカメラレンズでやってみることに。これならかなり安上がりです。でも、手持ちレンズがあるならこの方法が楽だということを理解してもらうのもやはりなかなか大変なのかもと実感しました。それでもHさんは、この間の「星もと」の配信映像を何度も見てくれていたので、話が通りやすかったです。

あと一つ話していて気づいたことがあります。「AZ-GTiの導入精度が出ない」というのです。「三脚でのAZ-GTiの水平出しが重要」とか、「鏡筒の水平出しが重要」とか、「水平さえ出ていればあとは最初にどこまで北を向いていただけなので、横に振ってやれば普通は視野にターゲットは入ってくるはず」とか説明していたのですが、途中話していてどうも噛み合わないのです。よくよく聞いてみたら、どうも全て赤道儀モードでの話みたいなのです。私は個人的にはAZ-GTiは経緯台モードで性能を発揮するものだと思っています。でもHRさんは赤道儀モードの方に進むべきだと思っていたようです。

私も以前、試しにAZ-GTiの赤道儀モードで撮影までしてみましたが、ピリオディックモーションが大きくガイドは必須、メーカーもオフィシャルにはサポートしていないので、どうしても必要な時でない限り赤道儀モードは使っていません。どうしてもというのは車が使えなくて、歩いて機材を運ばざるを得ない時で、それで撮影までしたい時です。車が使えれば普通の赤道儀を使えばいいだけで、AZ-GTiをあえて赤道儀モードで使う理由は実際にはほぼありません。ましてや電視観望では赤道儀モードを使う利点はほとんどないと思います。

HRさんはポルタ経緯台しか持っていないので、AZ-GTiを赤道儀モードで使っていたようですが、撮影をしない限り大変なだけで、しかもガイドをまだしていないなら経緯台モードでライブスタックで10秒くらいまでで短時間露光を繰り返した方がよほどいい結果になるかと思います。視野の回転はもちろんありますが、トリミングしてしまえばいいだけのこと。もしくは長時間撮影にしたいなら時々カメラを回転して視野を戻してやればいいだけです。

赤道儀モードはメーカーが正式にサポートしていないので、経緯台の方が力が入っているはずです。楽しみとして赤道儀モードにするのはいいかと思いますが、撮影まで考えると結構苦労してしまいます。やっぱりAZ-GTiは経緯台モードをデフォルトと考える方がいいのかと思います。というようなことをHさんと話していました。

あと、HRさんがかんたろうさんからVixenのGPを長期で借りることに。鏡筒はSD81Sを持っているので、これで撮影の方もAZ-GTiを使わなくてもバッチリなはずです。


後半、Mちゃんも到着

あと、写真に残っていないですが、アルビレオも見ました。曇っていたせいもあるのか、電視観望でも色がはっきりと出ています。こちらはC8でも導入し、見比べたりしました。宮沢賢治の銀河鉄道の夜の話になり、毎度のことどんな色に見えるかで盛り上がりました。

ちょうどこの頃でしょうか、誘っていたMちゃんとお母さんが到着しました。でもこの頃には雲がどんどん厚くなってきて、流石の電視観望でも星雲は厳しくなってきました。恒星だけなら見えるので、コートハンガーだけ見てもらいました。 

あと、約束しておいたアメリカンサイズのQBPを貸すことに。私はアメリカンサイズのCBPを手に入れたので、その間QBPを使ってもらおうと思います。ベランダ観望なので、威力を発揮すると思います。

Mちゃんと、Hさんが女子同士で色々話していたみたいです。Mちゃんはまだ展望台に登ったことがないというので、Hさんと一緒に展望台に登ったりもしていました。さらにMちゃんも星のソムリエの講義を受けていて、Hさんとかんたろうさんも加わって3人で星のソムリエトークで盛り上がっていました。


そろそろおしまい

話は盛り上がりますが、あいにくの空がこんななので徐々に流れ解散。私も機材を片付け始めます。

結局県天で来ていたのが、到着順にKNSさん、私、HRさん、かんたろうさん、SDさん、Y副会長、YYさん、K会長、あとゲストのHさんにMちゃん親子だったと思います。漏れていたらごめんなさい。

最後は私、Hさん、Mちゃん親子、かんたろうさんが残って話し続けていました。結局0時頃に解散。あ、Mちゃんのところからクッキーの差し入れがありました。美味しかったです。MちゃんとこのGP赤道儀、とうとう動かなくなってしまったようです。断線なのか何なのか、一度分解してみる必要がありそうです。まだいつかはわかりませんが、とりあえず(次の日ではない)次回の約束をしました。そうか、飛騨コスモス天文台の観望会が10月2日なので、その日でもいいかも。

0時頃に最後の5人も解散。帰りにHさんを送っていく途中、楽しかったか聞いて見たら「ものすごく楽しくて感動した」とのこと。誘った甲斐がありました。機材も揃えて星も見てみたいそうです。電視観望面白そうだし、眼視も捨てがたいと。でもよくよく聞いてみると、惑星をしっかり見たいとか。流石に最初からC8はきびしいですが、FS-60CBがパフォーマンスがいいかもしれません。電視観望にはばっちりですし、惑星もキレッキレのが見えます。フラットナーとレデューサで撮影も可能です。FS-60Qにして焦点距離を伸ばすこともできます。できないのは惑星撮影でしょうか。解像度が流石に厳しいと思います。でも予算がトータルでせいぜい10万円くらいとのこと。わかります。初心者にとっては1万円の望遠鏡も高く感じるものです。FS-60CBでも税込だと8.7万、これだけで精一杯です。うーん、他はRedCatもFMA230とかもそれ以上だし、あとは中古でしょうか?「まあ選んでいるうちが一番楽しいですよ」と話しながら、自宅付近まで送り届けてこの日は解散です。


まとめ

新たな星仲間Hさんも、県天のHRさんも「星もと」を聞いてくれてのことなので、嬉しい限りです。実際に話すと、いろんな視点で見ていることがわかるので、私の方も勉強になります。

観望会も自分でやって見たいというHさん、ボランティアで観望会に解説要員として参加できるようになるため、県天メンバーになってくれるかもしれません。Mちゃんも十分資格があるかと思いますが、規約では中学生からとなっているようです。お母さんと家族会員でも構わないと思います。

今回も楽しい観望会でした。来月またやるようです。今度は晴れてくれるといいな。

今回の記事は

からの続きになります。


いよいよ電視観望

前回は基本に忠実に、アイピースでの眼視で天体を見てみました。

今回は、VIRTUOSOとCMOSカメラを使った電視観望に挑戦してみましょう。電視観望とは、高感度のカメラを使って、その場で淡い星雲などを色付きで見ることができる手法です。

初心者の方で期待している方も多いかと思いますので、できるだけ詳しく説明します。


準備

今回新たに必要なものを挙げておきます。
  • CMOSカメラ
  • ノートPCなど
  • USBケーブル
  • SharpCap 
  • テーブル
くらいでしょうか。

ノートPCは最新のものでなくても構いません。PCが無い方は、中古などで安く見つけることもできます。Windows10が走るくらいなら十分でしょう。もしできるならでが、次にやるリモート電視観望のことを考えておくと、Windows10のProを選んでおくとリモートデスクトップが使えるのでいいかもしれません。

PCを地面に置いたりすると、操作が大変になります。特に慣れないうちは、楽な体勢を取るためにも、PCを置くテーブルと座って操作できる椅子があるといいかもしれません。

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SharpCapはあらかじめダウンロードして、PCにインストールしておいて下さい。対応カメラが多いことや、メニューなどが日本語化されていることなどもあり、バージョン4.0以降がいいでしょう。




CMOSカメラ

まず、電視観望用に試用するカメラです。電視観望に適したカメラは何種類もありますが、ここでは入門用で比較的新しい、Player OneのNEPTUNE-C IIを使ってみましょう。これはIMX464という入門用としては少し大きめのセンサーを使っていて、赤外の感度が高いカメラです。



前回は鏡筒の接眼部にアイピースを差し込みましたが、今回はアイピースに代えてカメラを差し込みます。カメラにはアイピース口に合う付属のアダプターをつけて下さい。

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最初のターゲットはM57

最初は例として、こと座にある「リング状星雲」とか「惑星状星雲」と呼ばれるM57を狙います。小さいですがカラフルで、輝度が高くて比較的見やすい星雲です。

前回と同様に、SynScan Proを使って初期アラインメントをすまします。カメラ画像を見ながらの初期アラインメントをするのは少し大変なので、慣れないうちは25mmのアイピースを使い、うまく導入できてたのを確認してからカメラに交換すると良いでしょう。また、初期アラインメントはM57近くの明るい星、ベガを狙うと良いと思います。もしベガが天頂付近に来ていて、初期アラインメントの候補リストに出てこない場合は、次に近くの明るい天体、例えばデネブやアルタイルを選択して下さい。その後、ベガを自動導入し、きちんと入るかアイピースで見るといいでしょう。

いずれにせよ、明るい星が見えたら、それをできる限り視野の真ん中に持ってきておいて下さい。


SharpCapで撮影画像を確認 

この時点で、カメラの画像をチェックしてみましょう。

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焦らずに、順番に確認しながら進めます。まずはカメラの取り付けと、PCとの接続です。
  1. 鏡筒の接眼部についているアイピース を取り外し、代わりにカメラを接眼部に差し込みます。
  2. 次にUSBケーブルを使ってカメラとPCを接続します。
  3. PCを立ち上げ、先にインストールしておいたSharpCapを立ち上げます。
  4. SharpCapの上部のメニューから「カメラ」を選んで、手持ちのカメラ、今回の場合は「Neptune-C II」を選びます。ここで手持ちのカメラ名が出てこない場合は何かおかしいです。ケーブル接続や、ShapCapが対応しているカメラかどうか確認してみて下さい。特にNeptune-C IIはSharpCapのバージョンが4.0以降でないと、うまく認識されません。
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カメラとの接続がうまくいくと、カメラに映った画面がSharpCapに表示されます。さて、画面には何か表示されていますでしょうか?見ている方向や、SharpCapの設定とピントの状態によっては何も出てこないかもしれません。とりあえず気にせずにSharpCapの設定に移ります。
  1. SharpCapの右側パネルの「カメラコントロール」の「露出時間」を「400ms」程度にして下さい。もし露出時間の設定項目などが画面に出ていなければ「カメラコントロール」の左下向き矢印のボタンを押してタブを展開します。この400msはで0.4秒ごとに画面が更新されます。あまり短いと暗いものが映りません。逆にあまり長いと更新されるまで時間がかかるので変化するものが見にくくなります。
  2. さらに、その下の「アナログゲイン」は「450」とかのある程度高いところにします。これは400msという短い露出時間でも暗いものが十分に見えるようにするためです。
  3. これで星が何も見えなければピントがずれているので、SharpCapの画面を見ながら接眼部横のつまみを回して何か光るものが見えるか確認します。これで星が見えたら、星が一番小さくなるところに合わせます。もしそれでも明るくならなければ、空が曇っていないか、鏡筒に蓋がついたままになっていないかなど調べてみて下さい。
うまくいっているなら、この時点でベガが他の星に比べて圧倒的に明るく輝いているはずです。


いよいよM57を導入

ここまできたら、次はいよいよ星雲です。
  1. この状態から、SynScan Proの初期画面で「ディープスカイ」を押し、「メシエ」の右に「057」と打ち込みます。
  2. するとすぐ下に「こと座環状星雲」と出てくると思います。
  3. その状態ですぐ下の「導入」を押します。
  4. すると鏡筒が動き出すので、M57を向くまで10秒ほどで待ちます。
IMG_3177

導入が完了したら、真ん中の横長のボタンを押して導入を完了します。

IMG_3175

おそらくもうこの時点でM57が画面に入っているはずです。既に画面上にそれらしきものが見えているかもしれません。でも興奮して焦ったりせず、落ち着いて次の設定に進みます。


SharpCapのヒストグラムであぶり出し

さてここからが勝負です。

まずはあぶり出し前の下準備です。
  1. SharpCapの「露出時間」を「800ms」程度にして下さい。これは画面に天体が見えている時に短すぎて暗すぎず、長すぎて反応が遅すぎずという値です。
  2. さらに右側パネルの「画像情報」のホワイトバランスをR、G、Bそれぞれ「自動」ボタンを押してカラーバランスを整えます。
  3. その結果は「ヒストグラムストレッチ」で確認できます。ヒストグラムにはR(red、赤)、G(green、緑)、B(bllue、青)の3つの曲線があると思いますが、左の方の山の頂上の位置が3つとも一致しているならホワイトバランスが取れています。
  4. これが確認できたら先ほどのホワイトバランスの「自動」ボタンをもう一度押して解除して下さい。

次に、ヒストグラム画面を弄ります。ここからブワッと出てくるので期待して下さい。
  1. 黄色い縦の点線が左、真ん中、右と見えると思います。まずは左の点線を山のすぐ左側まで持ってきます。点線のあたりにカーソルを合わせて左クリックして押したまま選択状態にして、右に移動し、山の左側に持ってきます。
  2. 同様に、真ん中の点線を山の右側まで持ってきます。
  3. これでM57があらわに画面上に出てきます。
ちなみに、SharpCapの有料版を使っている方は、ヒストグラムの右にある雷マークのようなボタンを押すと、上の1-3の操作が全て自動で行われます。オートストレッチ機能と言います。有料版は年間10ポンド、日本円にして1500円程度です。このオートストレッチ機能だけでも有料版にする価値があるくらいと思います。PayPalですぐに支払いができますので、もし電視観望を続けたい方は早いうちに有料版にしたほうが圧倒的に楽になります。

さて、実際にM57はうまく画面上で見えましたでしょうか?うまくいくと下のような画像になると思います。この時点でももう形がはっきり見えるくらいになっているはずです。

02_M57_in

もしここでそれらしいものが見えなかったら、自動導入があまりうまく行ってないのかもしれません。SynScan Proの矢印で、スピードを7くらいにして画面を上下左右に動かしてみて下さい。ベガにきちんと初期アラインメントがされているなら、そう遠く無いところにいるはずです。

形が見えたら、あとはSynScan Proの矢印でうまくM57を画面の真ん中くらいまで持ってきて下さい。


ライブスタックでノイズを落とそう

最後の仕上げはライブスタックという機能を使いノイズを落とすことです。上の画面はまだざらざらしていてノイジーなのですが、これから画面を何枚も重ね合わせることで、背景のノイズを落としていきます。
  1. 「ツール」の「ライブスタック」を選びます。
  2. すると画面下にヒストグラムが出てきます。
  3. 真ん中の黄色の点線が最初から少し左に行っています。これを真ん中まで持っていって、斜めに走る曲線が真っ直ぐになるようにします。
  4. しばらく待っているとLive stackエリアの左の「Over view」内の「Frames Stacked」の数が増えていきます。これが重なった枚数で、その枚数が増えるほどにノイズが少なくなっていくことがわかります。
  5. 右パネルのヒストグラムの黄色い点線を微調整して、見やすくなるところを探して見て下さい。
01_M57_Stacked

うまくいくと上のようなノイズが少ない画像になります。

下のように画面の中で少し拡大しても見やすくなります。右上の「拡大」のところを適当な値にして見て下さい。

02_M57

もう一つコツです。右パネルの小さなヒストグラムでやったあぶり出しの方法は、ライブスタックの中の大きなヒストグラムでもそのまま適用できます。画面が大きいので、こちらの方が調整しやすいかもしれません。

上の写真を見てもわかりますが、ライブスタックの中のヒストグラムであぶり出した結果が右パネルのヒストグラムに適用されます。なので、ライブスタックの中のヒストグラムであぶり出した場合は右パネルのヒストグラムの斜めの線はできるだけまっすぐになるようにしておいて下さい。ここでもあぶり出しをしてしまうと、過剰な画像処理になります。逆にこの機能を利用することで、ライブスタックのヒストグラムで大まかなあぶり出しをして、その結果をさらに右パネルのヒストグラムで微調整するというようなこともできます。


ライブスタックでいろいろ見てみよう

うまく見えましたでしょうか?一通り自分でやってみると、ある程度コツも掴めてくると思います。さてさて、せっかくのライブスタックで星雲が綺麗に見えるようになったわけです。自動導入でどんどん天体を導入して見ましょう。

M27: 亜鈴状星雲
まずはM27、亜鈴状星雲と呼ばれているもので、形が鉄アレイに似ているからです。ダンベルの方がわかりやすいでしょうか。英語では Dumbbell Nebulaとか、 Apple Core Nebulaなどと呼ばれているそうです。

いったんライブスタックを解除します。Live Stack画面の右上のxを押すか、メニューの「ツール」からライブスタックをもう一度選択するか、メニュー下の真ん中らへんの「ライブスタック」ボタンを押して下さい。そしてSynScan ProからM57を導入した時と同様にM27と入れて導入します。

まずはライブスタックなしで導入したばかりの場合: 
03_M27_in
M57と比べて大きいですが、かなり淡いのがわかります。これをライブスタックして1分くらい重ね合わせると
05_M27_stacked2
ノイズが少なくなって見やすくなります。

ちなみに、ライブスタック画面に前のM57が残っているかもしれません。そんな時は左の方の「Actions」の「Clear」ボタンを押すと、また初めからライブスタックが開始されます。


M31:アンドロメダ銀河
この日は深夜0時頃から晴れたので、このとき既に午前1時くらい。既に秋の銀河が登ってきています。M31アンドロメダ銀河を入れてみました。

M31_01

鏡筒の焦点距離600mmで、Neptune-C IIの1/1.8インチサイズだと、アンドロメダ銀河は大きすぎて画面からはみ出してしまいます。それでも少しだけですが腕の構造が見えています。


M33: さんかく座銀河
M31アンドロメダ銀河近くにあるM33さんかく座銀河です。淡い銀河ですが、電視観望だと腕の構造も十分見ることができます。淡いので露出時間を3.2秒とM57に比べて4倍にしました。淡くて醜い時は、ゲインをあげるよりも露出時間を伸ばすことが効果があります。

この写真はライブスタックもかけてあります。わずか3.2秒露出の52枚、3分弱のスタックです。
M33_04_stacked

ちなみにライブスタックをしないと3.2秒露出で下の画像くらいでとても淡いです。
M33_03_nostack_3.2s

なので、最初のうちはM57などの輝度の高いもので十分慣れてから、このような淡い天体に挑戦するといいでしょう。

本当は夏の星雲M8やM20も見たかったのですが、始めるのが遅かったので既に隣の家の屋根に沈んでいってしまいました。夏は他にもたくさんの魅力的な天体があります。一度コツを掴めたら簡単ですので、どんどんチャレンジしてみて下さい。


せっかくなので惑星も

電視観望からは少し脱線しますが、同じCMOSカメラを使った手法の一つに、惑星撮影があります。

前回のアイピースでの眼視の時に、ブログの記事用にと思って惑星をスマホで撮影しました。土星はかろうじて形が分かったので載せましたが、木星は形のみで縞も写らなかったので掲載しませんでした。いったいどれくらいだったかというと、
IMG_3161
というように、見るも無残ですね。

これでも少しでも大きく写るように10mmのアイピースと、ぶれないようにスマホ用の撮影ホルダーを使ったのですが、使ったスマホのカメラがiPhone10と特別感度の良いカメラというわけでも無いのと、分解能も足りていなかったりで、全くうまく写せませんでした。

今回せっかくNeptune-C IIという高感度のCMOSカメラがあるので、少しだけ惑星も撮影してみましょう。まずは木星です。惑星は明るいので、露光を相当落とします。露出時間は5ms、ゲインは100です。

Capture_00001 01_22_01_WithDisplayStretch
それでも視野が大きすぎて木星はほんの一部にしか写っていません。これを切り出したものが下になります。
Capture_00001 23_31_02_WithDisplayStretch_cut
一枚撮りですが、縞も十分に写っています。

次に土星です。これも切り出しています。
Capture_00001 01_18_34_WithDisplayStretch_cut

比率は木星と同じなので、木星よりも小さく写っていることがわかります。小さいですが、輪の形もなんとか分かります。

これだけでもCMOSカメラの優位性がよくわかり、木星も土星も、スマホで写した時よりはるかにきれいに写っていることがわかります。さらに今回、詳しく説明はしませんが、同じカメラを使ってSharpCap上で動画で惑星を撮影し、1000枚程度を重ね合わせることでさらに細かい模様を出すことができることも示しておきます。上の1枚画像と比べても圧倒的に解像度が上がっていることがわかります。

Jupitar2

Satan

VIRTUOSOの鏡筒付きの一番安価な13cmニュートン反射モデルですが、CMOSカメラを使うとここまで詳細に惑星を捉えることができます。画像処理などのテクニックは必要になってきますが、こんな楽しみ方もできるというわけです。


まとめ

どうでしたでしょうか?電視観望では星雲や星団、銀河などをかなりはっきりと見ることができます。カメラで見ている時にアイピース に戻して、星雲や星団が目とカメラでどう違って見えるか見比べてみるのも楽しいかと思います。最後、少し電視観望から脱線してしまいましたが、惑星の撮影も楽しいかもしれません。

このようにCMOSカメラを手に入れるだけで、VIRTUOSOの楽しみ方がはるかに広がります。興味がある方はぜひ検討してみて下さい。

さて、次回はいよいよリモート電視観望です。
 




連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう

 

 

 

 

 
 

今回の記事は




からの続きになります。


いざ夜の世界へ

さて、前回までの記事で明るいところでの準備ができたので、夜を待ってさっそく外に持ち出しましょう。

持ち運ぶ時は、経緯台の一番下のプレートを両手で持つようにしてください。上の可動部は精度が必要なところになりますので、この部分を手で持って持ち上げると、変な力がかかってしまい、ずれなどが発生する可能性があります。せっかく手に入れた機器です。長く使うことになると思います。大切に扱ってあげたいものです。

外に出て、空が開けた場所を見つけてください。地面がアスファルトなどある程度固いところの方がいいでしょう。土や草の上だと、使っているうちに傾いてしまって見ている天体がズレていってしまう可能性があります。適当な場所が見つかったら、そこにVIRTUOSOを置きます。


水平合わせは大事

この時大事なことが、水平をきちんと合わせること。経緯台のところに水準器が付いています。この泡が黒丸の中央に来るようにします。もし泡がズレていたら、泡の寄っている方向が高く、反対側が低く傾いているいということになります。薄い板のようなものを何枚か用意して、低い方向の足の下にその板を入れて、水準器中の泡が真ん中に来るように調整してください。

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この例だと、泡が右に行っているので、左側が低いということになります。
低い方向の足に用意した板を入れます。

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板を足の下に入れると、泡の位置がほぼ真ん中になりました。


この水平取りはこれからやる初期アラインメントの精度に大きく関わります。ここをサボると天体を導入するのにものすごく苦労することになるので、この水平出しは省略したりせず、きちんとやって下さい。

ついでに、鏡筒の水平出しもやってしまいましょう。パネル上のネジを緩めて鏡筒をある程度水平に設置します。左右どちらに倒すか迷うかもしれませんが、鏡筒を水平にしたときに接眼部が上に向くような向きが正しい向きです。ここで別途用意した水準器を鏡筒の上に置きます。

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水準器の泡が線と線のまんなかになるように、鏡筒の水平方向の傾きを微調整します。これも初期アラインメントの精度に関わるので、必ずやっておいた方がいいでしょう。

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次は鏡筒の先を北に向けます。経緯台下の真ん中にある大きな手回しネジを緩めて、経緯台の上部を鏡筒ごと回転させて、鏡筒を北に向けます。この際、スマホの方位磁石を使うと楽かもしれません。ただし、磁石が差す北と、本当の北はずれているので注意です。場所にもよりますが、例えばここ富山なら7度ほどずれています。スマホなどは設定で本当の北を指すようにする機能があるかもしれないので、チェックしてみてください。方位磁針などが無い場合は、北極星を目印に北に向けてください。これまでの設置で水平を精度よく取ってあれば、この時点で多少北の向きが違っていても怖いことはありません


SynScan Proと接続

最後の準備は、VIRTUOSOとスマホやタブレットを接続することです。まずはVIRTUOSOの電源を入れます。パネルのところにスイッチがあるのですぐにわかるでしょう。オンにするとWi-FiのLEDが赤く点滅します。

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ここで、スマホやタブレットを使います。ネットワークの設定で、Wi-Fiの接続先をVIRTUOSOにして下さい。これを忘れて次のSynScan  ProでVIRUTOSOに接続できないと焦る場合があるので、まずはWiFiレベルでできちんとVIRTUOSOに接続することを忘れないでください。

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Wi-Fiの接続がきちんとできたことを確認して、あらかじめインストールしておいたSynScan Proを立ち上げます。立ち上がったら上の「接続する」を押します。
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すると検索中という画面になり、

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5秒もすればVIRTUOSOが見つかり、

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接続完了になります。これでやっと準備完了です。


初期アラインメントで天体導入

それでは早速天体を導入してみましょう。初期画面から「アラインメント」を選び、次に「1スターアラインメント」を選んでみます。アラインメント方法はいくつかありますが、慣れないうちは1スターアラインメントが一番楽です。

IMG_2941

そのときに出ているわかりやすい天体を選びます。今回試した時は実際の空に土星が見えていたので、一覧の中から土星を選びます。

IMG_2942

ここで「アラインメントをはじめる」を押すと、VIRTUOSOが動き出します。

IMG_2943

しばらく待ってから動きが止まると、すでにある程度は土星の方向を向いているはずですが、おそらくまだ完全に捉えきれていないと思います。こんなときにはスコープファインダーを使います。

まずは空を見てどこに土星があるのか大体の位置に検討をつけます。鏡筒が向いている方向の空を目で見て、明るい星を見つけます。おそらくそれが今回の場合土星です。その位置が確認できたら、両目を使って、片側は空、片側はスコープファインダーを覗き込むと、スコープファインダーに天体が入っているかどうかが分かりやすいと思います。

スコープファインダー中の天体を見ながら、スコープファインダーの右側にある回転するスイッチをカチッと入れます。その状態でスコープファインダーを覗き込むと赤い光が見えます。この光が結構明るいので、ターゲット天体が見えにくいので、スイッチを入れたり切ったりして光を無くしてみるとわかりやすいかと思います。

IMG_2951

赤い光と天体がずれていたら、それが重なるように、SynScan Proの矢印を使って鏡筒の向きを調整します。
IMG_2953

もし、スコープファインダーの中の天体が全然動かないと感じるなら、スピードが遅いので、上の画面の方向キーの上の方の左右にある右向きの矢印を押して見てください。真ん中の数字が5から増えていきます。この数字は鏡筒の移動スピードを表していて、スコープファインダーを覗いている時は7程度の方がいいかと思います。

スコープファインダーのスイッチは、見終わったら必ず切るようにしてください。ボタン電池なので、すぐになくなってしまいます。


ここでアイピース を覗いてみよう!何か見えるかな?

鏡筒の向きを調整して、赤い光と天体が重なったら、この時点で、アイピースを除くと目標天体はそこそこ入っているはずです。

目で見るとこんなのが見えるかと思います。
IMG_2984
うまく見えましたでしょうか?もしはっきりした形になってないけど、何か明るいものが見えたら、ピントが合っていないのかもしれません。接眼部横のつまみをゆっくり回転させてピントをあわて見てください。

上の写真はスマホでその場でカメラをアイピース に合わせて撮影しただけなので、かろうじて土星の形がわかるくらいですが、自分の目で見ると、小さいですがもっとくっきり見えるはずです。


うまく見えてたら、SynScan Proの矢印を使って、天体を真ん中に持ってきましょう。鏡筒の移動速度を再び5とか4位まで落として、天体が視野の真ん中に来るようにします。アイピース を覗きながらなので少し大変かもしれませんが、矢印を押すと見ている天体が動くことを確認しながら、一つ一つボタンを押していきます。

うまく天体が視野の真ん中にきたら、上の画面の真ん中の星とチェックマークがある横長のボタンを押します。ただし、画面の上向の矢印のように、1つもしくは2つの矢印が点滅している場合は、それを押して点滅を無くし、その後真ん中の横長ボタンを押します。これで初期アラインメントは完了です。

IMG_2954


アイピースの交換

うまく真ん中にきたら、今度はアイピース を交換してみましょう。

今使っているのが25mmのアイピースです。今回使っている鏡筒の焦点距離が650mmなので、650/25=26倍の倍率で見ていることになります。

これを、付属しているもう一つの10mmのアイピースに交換します。すると650/10=65倍の倍率で見ることになります。アイピースを交換したらピントを合わせ直すことを忘れないでください。うまく見えましたでしょうか?先ほどより大きく見えますね。

もし10mmのアイピースに交換して見えなくなるようなら、今一度25mmのものに戻してください。そしてターゲット天体が真ん中にきていることを今一度確認してください。きちんと真ん中にきていれば、アイピースを10mmのものに変えてもきちんと視野の中に入っているはずです。


椅子があると便利

ちょっと脱線します。アイピースや、特にスコープファインダーを覗いたりする際、地面に近いかなり低いところを覗くことになります。足腰が強い方はいいかもしれませんが、それでもなかなか辛い体制になるので、安定して見るためには座面の低い椅子があった方がいいかもしれません。私は下の写真のような椅子を使っています。

IMG_3041



高さを調整できるので、低い位置にして座れば安定してアイピース を覗くことができ、あまり疲れることはありません。少し値ははりますが、天体観測にはこれ一つあるとものすごく快適になります。


次の天体を!

土星外見えていれば、木星もそれほど遠くないとことにいるはずです。次は木星を自動導入してみてみましょう。まずは一旦、アイピース を25mmに戻してください。倍率を下げて広い範囲を見た方が自動導入の成功率が上がります。

次にSynScan Proで左上にある「戻る」を何度か押して、初期画面に戻ります。そこで「天体」を押し、下の画面に行きます。

IMG_2991
木星は太陽系内の惑星なので、ここでは「太陽系」を押します。

IMG_2992
「木星」が見えていますね。ここに表れているということは、空に出てると言う意味です。そのまま「木星」を押します。

IMG_2993
さらに「導入」を押します。すると下のような導入中の画面になります。

IMG_2994

しばらく待って鏡筒の動きが止まったら、アイピースをのぞいてみてください。今回の場合初期アラインメントで土星を合わせ、そこから遠くない木星を導入したので、ほとんどアイピースの中に木星が入っているはずです。もし視野に木星が入っていない場合は、最初に設置したときに水平をうまく取れていない可能性があります。設置時の水平取りの精度はこんなところにも効いてきますので、できるだけ丁寧に設置するようにしてください。もしうまくアイピース 内に入らない場合は、土星の初期アラインメントの時のようにスコープファインダーを使うといいでしょう。

木星が視野に入っていたら、あとはSynScan Proの矢印で真ん中に持ってくるだけです。その後、画面真ん中の横長ボタンを押すと、下のように「導入成功」と出ます。

IMG_2995

ここまでが自動導入の手順です。見たい天体があったら、今のようなことを繰り返します。


ちょうど月が出てきたぞ

この日はちょうどこの時点で月が地平線から昇って見えるようになってきました。最後に月を導入してみましょう。

木星の時と同様に、初期画面から「天体」「太陽系」と押していき、「月」を押します。月は明るく大きいので、土星や木星より遥かに簡単に導入できるはずです。うまくアイピース に入りましたか?もし入らないようならアイピースが25mmのものになっているか確認してみてください。繰り返しになりますが、導入時は焦点距離が長い25mmの方が視野に入りやすいです。それでも入ってなかったらスコープファインダーを使ってみてください。

もし空に最初から月が出ているなら、土星や木星よりも、最初は月で練習するのがいいかもしれません。月で慣れてから、木星、土星といく方が簡単順序としては楽かと思います。

IMG_3024

うまく入っていたら、矢印で適当に真ん中に持ってきて、横長ボタンを押し、導入を完了させましょう。


スマホでパシャリ

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上の写真もスマホのカメラレンズのところをアイピース にくっつけて撮っただけです。この日は少し曇っていたので、雲越しのお月様が写りました。実際には月の上の雲がどんどん流れていく様子が見えます。こんなのが見えるのも、望遠鏡ならではですね。

この後どんどん曇ってきたので、この日はここで終了です。次回もお楽しみに。

 





連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう

 

 

 

 

 
 

なんか他のことばっかりやっていて、相変わらず惑星はのんびりです。この日は満月でしたが、火星の最接近も間も無くで、月の横にあっても赤々と輝いています。10月6日が一番近く明るくなり、-2.6等級までいくとの事なので、4日前のこの日はもうー2等級より明るくで見えているはずです。


一ヶ月ぶりの惑星撮影

週末の金曜日、久しぶりにかなり晴れていたので、帰宅後食事もそこそこにC8を出して今季二度目の惑星撮影です。前回は9月の頭だったので、ほぼ一ヶ月ぶりでしょうか。9月はそれくらい天気がずっと悪かったです。

機材はいつものC8にASI224MC、Celestronの3倍バローです。赤道儀はCGEM II。あ、そういえば後から気づいたのですが、UV/IRカットフィルターを入れ忘れてました。でも結果を見るとそこまで問題ではなかったようです。まだ惑星でどんなフィルターがどう影響するとか、ほとんど検証したことがないので、ここら辺はまた今後の課題かと思います。

最初、木星を拡大率が低い状態で見たらそこそこいいかなと思ったのですが、実際バローまでたどりついて見てみたらゆらゆら。本当は、シンチレーションがよければC8とMEADEとVISACでどう違いが出るかをやりたかったのですが、それ以前の問題なので諦めました。


木星、土星はいまいち

一応 木星も土星も何ショットか撮ったので、スタックして見てみましたがやはり惨敗です。一応載せておきますが、画像処理で相当ごまかしています。

Jup_201704_lapl5_ap123_RS

Sat_204251_lapl5_ap107_RS_cut


火星は思ったより出た!

0時近くなって、火星が天頂近くまで登った頃を見計らって5000枚を5ショット撮影しました。5ショットの撮影条件はほぼ同じで、何度かピントを変えただでけです。一つ違うのが、風が結構強くなってきてたので、途中からC8用のフードをあえて外し、できるだけ揺れないようにしました。スタックしてみると、やはりフードを外してからの方が結果がよかったです。風はありましたが、シンチレーションは木星、土星を撮った時よりだいぶんマシみたいです。

その中の一番まともだったものです。動画では結構揺れてるのでどうかと思いましたが、思ったよりきれいに出てくれました。

2020-10-02-1454_2-U-RGB-Mars_cut_L
  • 撮影日: 2020年10月2日23時54分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 鏡筒: Celestron C8
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • バローレンズ: X-Cel LX 3x Barlow
  • カメラ:  ZWO ASI224MC
  • 撮影: FireCapture、5ms, 80fps, gain300, 2000/5000 frames  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、Registax6、Photoshop CC
ちなみに、今回露出5msで80fpsくらいです。以前は120fpsくらい出てたはずなので、ちょっと遅いです。1024x768ピクセルで撮ったのでちょっとサイズが大きかったかもしれません。

本当はこの時点でMEADEとVISACを出したかったのですが、風が強くなってきたのと、どうも薄雲がかかり出したようなので、撤収としました。それと、なんか疲れてて、眠くて眠くて...。



今回、振動減衰特性が素晴らしいと評判の、スコープテック社の新型経緯台ZEROを手に入れました。梅雨ですが、晴れ間を狙って色々と評価してみました。


目的

この記事では、スコープテックの新型経緯台「ZERO」の振動減衰特性を評価をすることを目的とします。わかりやすいように、今回は入門機の標準と言ってもいい、Vixen製の天体望遠鏡「ポルタII A80Mf」と比較してみます。


ポルタII

ポルタIIに関しては言わずと知れたVixen社の看板製品の一つで、とりあえず望遠鏡が欲しくなったときに最初におすすめされる、おそらく日本で最も売れている望遠鏡かと思われます。

屈折型のA80Mf鏡筒とセットになっているものが一番有名で、鏡筒、ファインダー、経緯台、三脚、2種のアイピース、正立プリズムなど、基本的に必要なものは最初から付属しています。初心者でもすぐに天体観察を始めることができ、天文専門ショップのみでなく、全国カメラ店などでも購入でき、その販売網はさすがVixenと言えます。

機能的にもフリーストップを実現した経緯台方式で初心者にも扱いやすく、鏡筒はアクロマートながら口径80mmと惑星などを見るにも十分。全て込みでこの値段ならば、十分適正な価格であると思います。

私は2018年の小海の星と自然のフェスタのフリーマーケットで手に入れました。中古ですが付属品はアイピースなども含めて全て付いていて、おまけに別売のフレキシブルハンドルも付いてきました。また鏡筒キャップの中に乾燥剤が貼り付けてあったり、夜に機材が見えやすいように反射板を鏡筒や三脚にマーカーとして貼ってあったりと、前オーナーはかなり丁寧に使ってくれていたことが推測できます。

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ZEROの特徴

一方、ZEROは経緯台のみに特化した単体の製品です。鏡筒や三脚は基本的に付いていないので、別途用意する必要があります。発売開始は2020年3月なので、すでに解説記事などもたくさん書かれています。ZERO自身の機能的な解説はメーカーのZERO本体のページ天リフさんの特集記事が詳しいです。購入もスコープテックのページから直接できます。




スコープテックはもちろんですが、ZEROはサイトロンなどいくつかの販売店からも販売されています。シールをのぞいて同じものとのことです。違ったバージョンのシールにしたい場合はこちらから頼む手もありです。





本記事では、機能に関しては上記ページに任せて簡単な解説にとどめ、振動特性を中心に評価したい思います。

実際のZEROを見てみます。

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ZERO自身は実際に手に取って見ると思ったよりコンパクトです。初めて使う場合は「お使いになる前に必ずお読みください!」と書いてある紙が入っていますが、これだけでなくマニュアルも必ず読んだ方がいいでしょう。一旦組まれたものを外して、経緯台として動くように組み直す必要があります。また、手持ちの三脚に合わせて(注文時に選択した)アダプタープレートを合わせて組み込んで三脚とセットする必要があります。


なぜ片持ちなのか?

基本的に片持ち構造は、強度や振動特性に関しては不利なはずです。それでもフリーストップにするためには片持ちが適しています。なぜなら鏡筒を縦方向に動かしたときにバランスが崩れないため、どこで止めてもつりあいがとれるからです。これがフリーストップを安定に実現させている理由です。

この片持ちという不利な構造にあえて選んで振動減衰特性に挑戦しているのが、ZEROの真骨頂と言えるでしょう。しかも軽量でコンパクトに折りたたむことができま、気軽に持ち運無ことができます。

フリーストップで、しかも揺れなくて、コンパクトとのこと。これは実は初心者に向いた設計と言ってしまってもいいのかと思うくらいです。スコープテッックが初心者向けの機材を相当丁寧に作ってくれていることは、私も実際に望遠鏡セット使って知っているので、おそらく本当に初心者のことを考えて今回のZEROも設計、製作しているのかと思われます。

でもこのZERO、初心者だけに使うのはもったいなさそうです。ベテランのアマチュア天文家が気楽にパッと出して星を見たいというときには、軽くて、且つ揺れないというのはベストのコンセプトです。観望会を開いて、お客さんに見てもらう場合とかでも十分に活躍してくれそうです。また、コンパクトなので遠征に気楽に持っていけそうです。遠征先の撮影の合間に気楽に観望とかでも使い勝手が良さそうです。


ポルタIIとは違い、ZEROは基本的に経緯台のみの単体販売で、三脚も鏡筒も付いてはきません。全部込み込みのポルタの実売価格はZERO単体よりも数千円高い程度ですので、価格的にはポルタIIに比べたら割高と感じるかもしれません。経緯台に特化した分だけの性能に対する価値を、どこまで見い出せるかがポイントになるのかと思います。


測定条件

まずは振動特性を見るための条件です。

共通項目
  • 鏡筒はポルタII付属のA80Mfを使う。
  • 微動ハンドルはVixen製のポルタ用のフレキシブルハンドルを使う。
  • 眼視を想定し、三脚の足を半分程度伸ばした状態で、2台の三脚を同じ高さにする。

IMG_0237
2台のセットアップです。三脚はほぼ同じ高さにしています。
鏡筒とフレキシブルハンドルを載せ替えて比較しています。
写真でZEROについているハンドルは無視してください。

2つの測定の違う点
  1. ポルタIIの経緯台をポルタIIの三脚に載せたものに鏡筒を載せる(以下このセットアップをポルタIIと呼びます)
  2. ZEROをCelestron社のAdvanced VX用の三脚に載せたものに1と同一の鏡筒を載せる(以下このセットアップをZEROと呼びます)

ただし、後から分かったことですが、三脚の強度に無視できないくらいの大きな違いがあることが判明しました。なので今回はZEROにAdvanced VX用三脚でここまで振動を抑えることができるという目安と考えていただければと思います。


観測方法

ポルタIIとZEROの2種で鏡筒部分を揺らし、その揺れがどのように減衰していく様子を、視野を撮影しながら見ていきます。


2種の倍率

それぞれ観測、測定のたびに鏡筒をフレキシブルハンドをポルタ経緯台とZEROに載せ換えます。光学的に2種類の設定をそれぞれの経緯台で試します。
  1. 40倍相当: 天体導入時を想定し、焦点距離800mmの鏡筒と焦点距離20mmのアイピースで40倍程度の視野を仮定し、フォーサーズ相当のCMOSカメラ(ASI294MC Pro)ので撮影
  2. 160倍相当: 天体導入後、拡大して観察する場合を想定し、焦点距離800mmの鏡筒と焦点距離5mmのアイピースで160倍程度の視野を仮定し、同一CMOSカメラの(ASI294MC Pro)一辺4分の1、面積にして16分の1を切り取って撮影
1.、2.ともにフレームレートを上げるために4倍のビニングをして画素をそもそも4分の1に落としています。また、2.ではさらに速い動きを見るために、画面を切り取って小さくしてフレームレートをできるだけ上げています。


昼間の景色で比べてみる

まずは大まかな動きを掴むために、昼間の明るい景色で40倍相当で比較してみました。最初に望遠鏡を買って、昼間に練習するのに相当すると思えば良いでしょうか。具体的には山の上に立っている鉄塔を端から真ん中ら辺に持ってきています。

まずは横方向(yaw, ヨー方向)です。フレキシブルハンドルをまわして動かします。動かした後にどれくらい揺れるかを見ます。

ポルタの場合です。
倍率40倍相当の横の動き: ポルタの場合



ZEROの場合です。
倍率40倍相当の横の動き: ZEROの場合

これを見るだけで相当インパクトのある比較になっています。とにかくZEROの振動減衰が見事です。

続いて縦方向(pithc, ピッチ方向)です。まずはポルタIIの場合

倍率40倍相当の縦の動き: ポルタの場合

次にZEROです。
倍率40倍相当の縦の動き: ZEROの場合

ポルタIIもZEROも、横よりは縦の方が揺れにくいのは同じのようです。これは構造的に縦は縦のみの機構を担っていますが、横は横の機構と縦の機構を合わせて担当しています。当然重くなるので、その分横が揺れやすいのは不思議ではありません。

ポルタIIの方は多少揺れますが、やはりここはZEROの揺れの少なさを褒めるべきでしょう。揺れの振幅も、揺れが小さくなる時間もZEROは素晴らしいです。ただしこの結果はかなり大きく揺らした場合なので、実際に初心者がポルタIIで昼間に最初に練習する時でも、そこまで困ることはないのかと思います。


実際の観測を想定して木星で比べてみる:  導入時相当

初心者が望遠鏡を買って見てみる醍醐味の一つが木星や土星などの惑星です。そのため、今度は実際の観察を想定して、夜に木星を見て揺れの具合を比較してみましょう。

まずは木星で40倍相当で判定します。これは低い倍率で天体を導入するときの動作に相当します。木星を端から真ん中ら辺に持ってくるときの揺れで比較します。

横方向の揺れです。まずはポルタIIから。

23_16_31_F001-193s
倍率40倍相当の横の動き: ポルタの場合

次は同じく横方向で、ZEROの場合です。
23_40_29_F001-193s
倍率40倍相当の横の動き: ZEROの場合


次に縦方向で、まずはポルタの場合。

23_18_10_F001-192s
倍率40倍相当の縦の動き: ポルタの場合

縦に振っているのですが、横の揺れの方が出やすいので多少横揺れがカップルしてしまっています。

次にZEROの場合です。
23_40_54_F001-192s
倍率40倍相当の縦の動き: ZEROの場合


惑星の動きで見てもZEROの振動の減衰具合は特筆すべきで、特に縦方向の操作はもう十分すぎるほど減衰してしまって、インパルス的に動きを与えることが困難になっているくらいです。

実際操作していて思ったのですが、どのようにハンドルを回してどういったインパルス応答を与えるかで揺れの具合は違ってきます。ポルタIIの場合でも熟練してくると、最終的な揺れを少なくするように、最初は大きく動かして、見たい所の近くでゆっくり動かすなどのテクニックを、自然に習得できるのかと思います。なので、倍率が低い天体導入の際には、慣れてくれば上記動画の差ほどは気にならなくなるかと思います。



実際の観測を想定して木星で比べてみる:  拡大時相当

次に、木星で160倍相当で見てみます。これは定倍率で導入された惑星を、倍率を上げて拡大して見るときに相当します。視野が狭いので、先ほどのようにフレキシブルハンドルを回すとうまく揺れてくれないので、鏡筒をピンと弾くことでインパルス応答に相当する揺れを与えました。

まずは揺れやすい横方向です。最初はポルタIIから。 
倍率160倍相当の横の動き: ポルタの場合

ZEROです。
倍率160倍相当の横の動き: ZEROの場合


次は縦。まずはポルタII。
倍率160倍相当の縦の動き: ポルタの場合


最後にZEROの縦方向です。

倍率160倍相当の縦の動き: ZEROの場合



この試験は、フレキシブルハンドルを回したわけではないので、例えば観望会などでお客さんが鏡筒に触れてしまったことなどに相当するのかと思われます。これくらいの倍率で惑星を拡大して見る場合、特に望遠鏡の扱いに慣れていない初心者には、揺れの違いは実際の快適さの差として出てくると思います。ZEROの揺れくらいで収まってくれると、木星の細かい模様をじっくり見るときにも見やすいでしょう。


実際の使い心地

使って見て思ったことです。確実にZEROの方が揺れが少ないのは上記映像を見てもわかるのですが、その一方ポルタ経緯台に比べてZEROの方がハンドルが固いです。これはフリーストップの調整ネジとかの問題ではなくて、ある程度強度を保つためにこれくらいの固さが必要だったのではという印象です。また、微動調整つまみをフレキシブルハンドルで回すとき、遊びが少し多いなと思いました。これらは好みかもしれませんが、ポルタとZEROを比べると硬さと遊びに関しては個人的にはポルタに一日の長があると思いました。

おそらく微動の固さに関連すると思うのですが、揺れに対しての感想は反対になります。ポルタだけを使っていた時は、揺れは多少は気になっていましたが比較したわけでないのでそこまでは気づかず、今回ZEROと比べて、初めてはっきりと不満と感じました。

繰り返しになりますが、私が持っているポルタ2は中古で手に入れたものなので、新品の時の性能が出ている保証がありません。ですが、初心者がこの揺れだけを見てメーカーに修理を出す判断をする、もしくは実際に修理を出す気になるとも到底思えず、仮に使っていてヘタったのだとしたら、耐久性という意味で少し考えた方がいいのかもしれません。いずれにせよ、私が持っているポルタ2は一例に過ぎず、当然全てのポルタ2を代表しているわけではありません。その上でのことですが、少なくとも手持ちのものは(ZEROと比べると改めて気づきますが)揺れは結構大きくで、フレキシブルハンドルから手を離して揺れてしまうと、フレキシブルハンドル自身の揺れで視野が揺れてしまうくらいです。


三脚に関して

今回ZEROと比較することにより、これまであまり気にしなかったポルタIIの弱点が見えてきました。なぜポルタがZEROに比べて揺れが出るのか明るいうちに見てみました。2つの原因があるのかと思います。
  • 経緯台の可動部が柔らかく、ハンドルを回すのも軽くて操作しやすい反面、ここでぐらついてしまっている可能性が高い。
  • 根本的に三脚が弱い。
特に三脚に関しては目で見て揺れやすいのがわかるくらいです。動画でその様子を撮影してみました。


わかりますでしょうか?鏡筒を揺らすと、三脚(真ん中手前がわかりやすいです)もつられて揺れてしまっています。わかりにくい場合は、全画面表示などにして見てみてください。一見小さな揺れに思えるかもしれませんが、本来三脚は載っているものを揺らさないような役割をするものです。鏡筒を揺らすだけでこれだけ三脚が揺れてしまうのは、無視できる範囲とは言い難いでしょう。触らなければ揺れないかと思いがちですが、風が吹いた時は致命的ですし、導入時はどうしても触れてしまうので揺れてしまう可能性が高いです。

ちなみに、ZEROをAVX三脚に乗せたときに、同様に鏡筒を揺らしたときの映像も載せておきます。


こちらは拡大しても揺れている様子が全く見えません。揺らしていないように思われるかもしれませんが、音を大きくして聞いてみると途中から鏡筒を叩いているのがわかるかと思います。人間の力なので必ずも同じ状況にはならないですが、基本的に同程度の力で叩いたつもりです。音が小さいと思われるかもしれませんが、やはり揺れていないので記録された音も小さくなっているのかと思われます。

本来三脚は積載物を安定に支えるのが役割なので、揺れないものの方がいいのは当然です。それでもやはりこれも程度問題で、頑丈すぎるものは逆に重くなったりして取り回しに苦労することもあります。ただ、Advanced VX用の三脚程度の重量とZEROの組み合わせでここまで振動が減るのなら、特に惑星などを拡大して見たときには十分に検討する価値があるのではないかと思います。ZEROの販売ページを見ると強化版の三脚を選べるようです。これだと今回使ったAdvanced VX三脚と同等クラスかと思いますので、より揺れを少なくしたい場合はこちらを選ぶのもいいかと思います。

これらのことから、まずポルタIIは少なくとも三脚を改善もしくは丈夫なものに交換するだけでも揺れは相当改善すると思われます。別の言い方をするなら、経緯台として考えるとZERO自身の揺れは相当小さいため、もしZEROの性能を引き出したい場合は、ある程度強度のある三脚を使わないともったいないとも言えます。でもこのことは三脚の重量増加にもつながるので、手軽さという利点を損なう可能性もあるので、ケースバイケースで強度と重量のバランスを考えて選択すればいいのかと思います。

今回はZERO用には相当強度の高い三脚を選択してしまいました。結局のところ、今回の比較は「入門機の標準と言ってもいいポルタIIとの振動に比べて、振動減衰特性を特徴として開発したZEROを使うと、どのくらいまで揺れを改善できるか」という例を示したことになるのかと思います。ポルタIIを改善していって、揺れないものにアップグレードしていくような楽しみ方を見出すこともできるのかと思います。


まとめ

星まつりで何度かプロトタイプには触れたことはあり、ある程度すごいことは知っていましたが、実際に使って見ると、ZEROの振動減衰に関しては驚くほどの結果でした。ポルタIIだけを使っていた時は揺れはここまで意識できていなかったので、例えば初心者がポルタIIを最初に買って普通に使う分には、特に気になるようなことはないでしょう。ただ、もし今使っている経緯台に不満がある場合は、ZEROを検討してみる価値は十分にあるのかと思います。

経緯台単体にそこまでかける価値があるのかというのは、人それぞれかと思います。個人的にはZEROは素晴らしい製品に仕上がっていて、スコープテックさんの努力や熱意を十分に伺うことができるのかと思います。満足です。


CANPから帰って、いろいろ忙しくて画像処理が追いついていませんでした。やっとCANP前の2016年6月14日、実はこの日は誕生日だったのですが、かなりシーイングがよさそうなのと、大赤班が21時ころから現れるので、前回と同じくC8での撮影となりました。

前回からの進展ですが、これまで撮影時にDebayerをしていたのでSERファイルを8bitでしか保存していなかったのを、Debayerを解いて16bitのオプションにきちんとチェックを入れたとです。これが結果にどのくらい影響があるかは後日検証するとして、とりあえず今回まずは16bitで撮影することができました。

実際の撮影は3倍バローで5000フレームを4本、その後5倍バローで4本撮りました。まだHDDの容量が余っていたので、大赤班の移動を見るために5分くらいおきにあと7本撮ったのですが、徐々にシーイングが悪くなっていったように思います。

シーイングに関しては、最初はピント合わせで衛星を使っていたのですが、その衛星も徐々に見えにくくなっていったのと、大赤班もそれに伴って動画で確認しにくくなってきたので、1時間くらいの間にシーイングは結構変わっていったことになります。

画像処理を試したのですが、結局後半の方が5倍バローで画素が細かいだろうことと、大赤斑がより真ん中に来ていたので、こちらを処理することにしました。しかしながらかなりノイジーだったので、後半の11枚をWiJUPOSで全て使って一枚の画像にしました。そのため端のほうのクオリティーが落ちてがしまっています。


2017-06-14-1249_0-RGB3_cut


富山県富山市 2017/6/14 21:33:09

C8 + Explore Scientific x5 barlow lense + ASI224MC + Advanced VX


F50, f=10000mm, Shutter 5ms, fps79, gain 480, 3000/10000frames x 11sets


やっと念願の大赤班を取ることができました。シーイングはよかったのですが、処理をするとあまり大したことはなかったのが少し残念です。

先日の木星画像をFacebookのデジタル天体写真グループに投げたところ、いくつかのコメントをいただき、とくにベテランの方から具体的な数値とともにアドバイスをいただきました。まとめておくと
  • 200秒は長い。自転でブレる可能性がある。120秒くらいまでならAutoStakkertでアラインしてくれるはず。
  • シャッター速度は5msから10msでいい(思ったより早いです)。
  • C8の場合、ゲイン350くらい、ガンマ40くらいで撮ることが多い。
  • スタック時は端はアラインメントポイントに入れていない。
  • スタックするのは気流が悪いと40%、下手したら30%の時もある。

これらのアドバイスをもとに、昨晩2016/6/8の曇りの晴れ間に撮影してみました。
  1. C8で3倍のCelestronのバロー(前回は5倍)にASI224MC
  2. FireCaptureでシャッター5ms(前回は10msと20ms)、ROI600x600で、平均で102FPS(前回は80-50FPSくらい)、Gain450(アドバイスでは350くらいでしたがこれだと暗すぎました。前回は400ちょいでした)、ガンマは結局オフにして、5000フレームを5本(前回は4本)です。撮影時間はそれぞれ50秒ほど(前回は100秒と200秒)になります。
  3. その結果をAutoStakkert3で上位40%分(前回は50%)を3倍のdrizzleでスタック。
  4. RegistaxでWavelet変換。
  5. WinJUPOSで5枚(前回は4枚)重ねる。
ということをしました。前回WinJUPOSまで持っていった場合との違いを赤で書いておきました。

結果ですが、以下のようになりました。

2017-06-08-1241_5-RGB2

結論としては、ほとんど変わらないか、もしくは少し悪いくらいかもしれません。それでもアドバイス頂いた方向性は正しいと思います。悪かった原因はだいたいわかっています。
  • C8の副鏡の調整不足が第一。
  • 出してすぐに撮影したので、筒内気流が収まっていなかった可能性が高い。
  • トータル時間は以前の方が長い。
  • Registaxの合わせこみが不足、または1本目の動画に合わせたWaveletが2本目以降にあっていない。
  • Photoshopでの最終処理で多少劣った。
などです。動画を見る限り、シーイングは良くはないですが、先日と比べてそれほど悪いこともないと思います。曇りで大赤斑もないことはわかっていたので、もともと撮影は考えていませんでしたが、晴れてきたら、いてもたってもいられなくなって撮影したので、あせっていました。やはり少しマシな日にまずは落ち着いてやろうと思います。しかも途中でPCのバッテリーが無くなるなど、結構イマイチな日でした。やっぱりドームとはいかないまでも、ベランダとかに常駐させて、電源とかの心配をせずに撮影できる環境が欲しくなってしまいます。

あと、この日気づいたことですが、雲がなくなってきて時間がもったいなかったので、極軸望遠鏡とファインダーで導入しました。電子極軸や自動導入を全く使っていないという意味です。もちろん自動追尾はしていますが、それでも準備時間が圧倒的に短く、アナログをバカにしてはダメだと改めて思いました。特に最近FS-60Qでファインダーを取っ払ってしまっていて、ファインダーそのものを使う機会が減っていたので、改めてファインダーでの両目導入の手軽さを実感しました。


ここ最近ずっと惑星なのですが、これがまた結構面白くなってきました。手持ちの機器でとりあえず試したいことが出てきています。
  • ADCをつかった土星の撮影のリベンジ
  • MagicLanternでの惑星撮影
  • ASI178MCでの月の撮影(次の日の2017/6/9に試しました。)
今晩は満月なので、天気が良ければまずは月でしょうか。


6月4日、家族で外でバーベキューをした後、とても天気が良かったのと、月が明るいので星雲は諦め、先週に引き続き再度C8とASI224MCで木星撮影に挑戦しました。最初に結果を載せます。

2017-06-04-1252_7-RGB-Jup_lapl4_ap28_Drizzle30_w_p_cut


富山県富山市下大久保 2017/6/4 21:53:20
C8 + Explore Scientific x3 barlow lense + ZWO ASI224MC + Advanced VX 
F30, Shutter 10.00ms, 99fps, gain 401/600, 2500/5000 frames

何本か撮影したものの一本を処理したものですが、前回のものよりかなり良くなっているのがわかると思います。


撮影に関して前回と違う点は
  • ずっと前に胎内星まつりで買ったZWO社製のIRカットフィルターを入れた。
  • FireCaptureの「Control」タブの「More」を開けてRedとBlueのを調整してホワイトバランスを取った。また、Brightnessが240だったので100にした。(どうもSharpCapの設定が残っていたみたいです。)
  • 前回間違えてAVI形式にしたのをSER形式にした。(ビット指定はないのだろうか?)
  • Gamma補正をオフにした。
  • 5倍のバローで1024x768に加えて、3倍のバローで800x600でも撮ってみた。
  • 800x600の動画を、Drizzleの3.0Xにして解像度を増やした。(Registaxでより細かく空間周波数を扱えるので、1024x768でDrizzle無しよりいい結果だった。1024x768でDrizzleの3.0Xはかなり重いので次回の課題。)
  • なにより、シーイングが前回よりもかなりいいと思われる。

その時の動画がこれです。前回の動画よりもはるかにましになっています。南天に近い位置で撮影したため結局ADCは使っていません。



その後画像処理をしたものが上の最初の写真になります。

ここで一つ疑問が湧きました。画像にした時の木星の向きがよくわかりません。実際には木星の縞が水平になるようにカメラの向きを変えて撮影していますが、画像処理の段階で180度回転させました。これは他の方の木星の画像を参考にしたのですが、なぜこの向きがいいのかがまだ理解できていません。確か木星の北極が上とかなんとかという記事を以前どこかで見たことがある気がしますが、多分そのような理由なのでしょう。あとで調べてみます。


さて、次の課題ですが、
  • WinJUPOSでDe-rotationを試す。(後日、De-rotationまで試しました。)
  • 是非とも大赤斑の見える時間をねらって撮ってみたい。
  • 5倍バローの1024x768撮影でDrizzleの3.0Xを試す。
  • L画像のためにASI290MMを買うか?
といったところでしょうか。 ASI224MCの限界に達していそうならばできればASI290MMを試してみたいですが、予算を出せるかが悩みどころです。

 

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