また晴れました。貴重な時間です。でも月齢17日と、満月直後くらいで月が明るすぎです。こんな時は、明るい時にできることをします。
まず、シリウスBのチャンレンジ。前回のシンチレーションはそこそこいい方でしたが、眼視ではダメで、カメラで撮影して炙り出したら見えました。
今回の機材も前回と同じくTSA120とXW3.5mm。どうも今回のほうがシンチレーションは少し悪いようです。まず前回余裕で見えたリゲルBは少し苦労しました。常時見えているというよりは、たまに見える感じです。ちょっとそらし目っぽいことをやるとかなりきちんと認識できるといった状態です。こんな状態なので、シリウスBは今回は当然見えません。一応見てみますがやはりカスリもせず、シリウス本体の方もチラチラと盛大に飛び跳ねてます。内外像もユラユラでした。
シリウスBチャレンジはここで諦めて、次はせっかく月が明るく出ているので、月の撮影です。まだSCA260で月を撮ったことはないので試してみます。口径26cmがどこまで分解能に効くか楽しみです。
これまで月は口径20cmのVISACで高分解能撮影に挑戦してきましたが、これを超えることができるのでしょうか?
今回の撮影では、軽量化したSCA260をCGEM IIに載せてありますが、やはりこの赤道儀には少し重荷で揺れが心配です。あとシンチレーションはそこまでよくないので、これがマイナスに効くかもしれません。
カメラはASI294MMのBIN1モード、8288x5644ピクセルの高解像度撮影です。明るいのでダークは気にすることはなく常温稼働ですが、外は気温0度くらいなので十分冷たくなってるでしょう。あと、フィルターホイールを外したくないのですが、ホイールにはL用のフィルターが入っていないので、とりあえずRフィルターを使いました。
撮影はSharpCapで1000フレームをserファイルに落としましたが、100GB近くになりました。これだと何回も撮影はできないので、(一応失敗したファイルも捨てない方針なので)ほぼ一発勝負です。
一旦設置した後の撮影とか調整は、ほとんど自宅の中からリモートでやっています。寒いですから...。
特にピント合わせはEAFが活躍してくれます。50カウントくらいの精度で最適焦点が分かります。
画像処理はAutoStakkert!3で上位50%(500枚)をスタック、PixInsightのMultiscaleLinearTransformationでwavelet変換をして細部を出しました。
細部出しについてですが、Registaxは大きすぎる画像を扱う事ができません。気楽なImPPGは細部のノイズリダクションができません。PIのMLTはRegistaxにかなり近い操作性でもう少し高機能ですが、ノイズ処理は効きが少し鈍いみたいなのでIterationの回数を増やしています。今回はLayerを4つにして、Layer1が+10、Layer2が+4でノイズリダクションがThreshold10のAmountが1、Iteration5、Layer3が+1です。これでImPPGで出すより、(同程度のノイズで)細部がもう少し出せたと思います。
結果です。このブログでは高解像度画像もアップロードできるようにしていますので、是非とも拡大してから細部を見てみて下さい。
モザイク合成という意味でない1枚撮りでは一応十分高解像度なのですが、念のため過去画像と比べてみます。
左が今回のSCA260、右が2021年7月19日にVISACで撮ったものです。太陽の当たり方が左右逆なので、できるだけ当たり方が同じで比較しやすい場所を選びました。
これはどう贔屓目に見ても過去のVISACの方が分解能が出ています。なぜだか考えてみました。
もう一つ面白かったところですが、右のVISACの画像にはっきりと写っていた直線の壁は今回の左のSCA260の画像ではほとんどわかりません。白い線がうっすら言えているだけです。
これは解像度が悪いということではなく、日の当たり方が左右反対というところです。これだけ変わってしまうんですね。
SCA260とフォーサーズサイズのASI290MM ProのBIN1の高解像度モードで満月後の月を撮影してみました。ちょうど収まりも良く、分解能はそこそこはでましたが、過去のVISACの分解能には届きませんでした。焦点距離が短くなったことと、シンチレーションがあまり良くなかった事が原因で、口径分の効果を引き出すには至っていません。
次は2倍のバローレンズを入れて撮影してみることにします。
シリウスBチャレンジ
まず、シリウスBのチャンレンジ。前回のシンチレーションはそこそこいい方でしたが、眼視ではダメで、カメラで撮影して炙り出したら見えました。
今回の機材も前回と同じくTSA120とXW3.5mm。どうも今回のほうがシンチレーションは少し悪いようです。まず前回余裕で見えたリゲルBは少し苦労しました。常時見えているというよりは、たまに見える感じです。ちょっとそらし目っぽいことをやるとかなりきちんと認識できるといった状態です。こんな状態なので、シリウスBは今回は当然見えません。一応見てみますがやはりカスリもせず、シリウス本体の方もチラチラと盛大に飛び跳ねてます。内外像もユラユラでした。
月の撮影
シリウスBチャレンジはここで諦めて、次はせっかく月が明るく出ているので、月の撮影です。まだSCA260で月を撮ったことはないので試してみます。口径26cmがどこまで分解能に効くか楽しみです。
これまで月は口径20cmのVISACで高分解能撮影に挑戦してきましたが、これを超えることができるのでしょうか?
今回の撮影では、軽量化したSCA260をCGEM IIに載せてありますが、やはりこの赤道儀には少し重荷で揺れが心配です。あとシンチレーションはそこまでよくないので、これがマイナスに効くかもしれません。
カメラはASI294MMのBIN1モード、8288x5644ピクセルの高解像度撮影です。明るいのでダークは気にすることはなく常温稼働ですが、外は気温0度くらいなので十分冷たくなってるでしょう。あと、フィルターホイールを外したくないのですが、ホイールにはL用のフィルターが入っていないので、とりあえずRフィルターを使いました。
撮影はSharpCapで1000フレームをserファイルに落としましたが、100GB近くになりました。これだと何回も撮影はできないので、(一応失敗したファイルも捨てない方針なので)ほぼ一発勝負です。
一旦設置した後の撮影とか調整は、ほとんど自宅の中からリモートでやっています。寒いですから...。
特にピント合わせはEAFが活躍してくれます。50カウントくらいの精度で最適焦点が分かります。
画像処理と結果
画像処理はAutoStakkert!3で上位50%(500枚)をスタック、PixInsightのMultiscaleLinearTransformationでwavelet変換をして細部を出しました。
細部出しについてですが、Registaxは大きすぎる画像を扱う事ができません。気楽なImPPGは細部のノイズリダクションができません。PIのMLTはRegistaxにかなり近い操作性でもう少し高機能ですが、ノイズ処理は効きが少し鈍いみたいなのでIterationの回数を増やしています。今回はLayerを4つにして、Layer1が+10、Layer2が+4でノイズリダクションがThreshold10のAmountが1、Iteration5、Layer3が+1です。これでImPPGで出すより、(同程度のノイズで)細部がもう少し出せたと思います。
結果です。このブログでは高解像度画像もアップロードできるようにしていますので、是非とも拡大してから細部を見てみて下さい。
- 月齢17日
- 撮影日: 2022年2月18日23時58分
- 撮影場所: 富山県富山市自宅
- 鏡筒: SCA260
- フィルター: Baader Red
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- カメラ: ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
- 撮影: SharpCap、露光時間2.5ミリ秒x500/1000枚、ゲイン120
- 画像処理: AutoStakkert!3、PixInsight、Photoshop CC
左が今回のSCA260、右が2021年7月19日にVISACで撮ったものです。太陽の当たり方が左右逆なので、できるだけ当たり方が同じで比較しやすい場所を選びました。
これはどう贔屓目に見ても過去のVISACの方が分解能が出ています。なぜだか考えてみました。
- まず画像を比較している最中に気づいたのですが、同じエリアをピックアップしてもVISACの画像の方が大きい事です。これは焦点距離がSCA260:1300mm、VISAC:1800mmと1.4倍近く違うので当たり前なのですが、このことを忘れてました。要するに、SCA260は焦点距離が足りなくて、カメラの分解能の制限の方が先に効いてしまい、口径が本来持っている分解能にたどり着けていないと言うわけです。これを回避するには、バローレンズなどを入れて拡大して撮影して、モザイク合成をすることになります。
- もう一つの理由ですが、やはりシンチレーションかと思います。撮影した動画を拡大して見返してみると、画面内でゆらゆら揺れています。ただ、一部全体が揺れている時もあるので、こちらは赤道儀の揺れのせいかもしれませんが、月は明るくワンショットが短時間露光なので、その効果はたとえあったとしてもスタックの時点でほぼキャンセルされているかと思います。
もう一つ面白かったところですが、右のVISACの画像にはっきりと写っていた直線の壁は今回の左のSCA260の画像ではほとんどわかりません。白い線がうっすら言えているだけです。
これは解像度が悪いということではなく、日の当たり方が左右反対というところです。これだけ変わってしまうんですね。
まとめ
SCA260とフォーサーズサイズのASI290MM ProのBIN1の高解像度モードで満月後の月を撮影してみました。ちょうど収まりも良く、分解能はそこそこはでましたが、過去のVISACの分解能には届きませんでした。焦点距離が短くなったことと、シンチレーションがあまり良くなかった事が原因で、口径分の効果を引き出すには至っていません。
次は2倍のバローレンズを入れて撮影してみることにします。