ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:分解能

とうとうC8にPSTを取り付けて口径20cmで太陽のHαを撮影することに成功しました!


太陽光を見ることの危険

(初記事で興奮のあまり安全性について書くのを完全に失念していました。追記しておきます。)

太陽を望遠鏡で見ることは大変危険です。特に、望遠鏡で集められた光を目で見るようなことは失明に直結するの恐れがあります。

本記事では太陽望遠鏡の改造について記述してありますが、私は改造をしてからはアイピースなど、目で覗くようなことはしていません。カメラで見るのみにして、これを頑なに守っています。

改造しても壊れていないからいいとか、自分は大丈夫など、絶対過信することなく、メーカー推奨以外の改造をしたら万が一のことは十分に起こり得ると覚悟し、決して目で覗くようなことはしないでください。ましてや、改造した太陽望遠鏡を観望会などで他人に覗いてもらうなどということは、自己責任の範囲超えていますので絶対にやめてください。他人に何か事故を負わせたときに取り返しのつかないことになる恐れがあります。

さらに本記事では大口径鏡筒使い、集光力を高めているため、発熱、火事などの危険も伴います。もし同様のことを試す場合にも、くれぐれも安全には気をつけて、自己責任の範囲内でテストするようにしてください。

くどいようですが、繰り返し書いておきます。

改造した太陽望遠鏡は決して
安全なものではないです。
もし太陽望遠鏡を改造する場合は、
絶対目で覗くことのないよう、
また火事などの事故にも気をつけて、
自己責任の範囲内で楽しむに留めて下さい。

なお、本記事では太陽望遠鏡の改造について記述してありますが、決して改造を勧めることを意図してはいません。あくまで自己責任の範囲内で、アマチュア天文機材の可能性をテストしているだけです。もし同様のことを試される場合も、くれぐれも自己責任の元でテストするようにして下さい。


口径と分解能

これまで撮影で使ってきたのは10cmの屈折なのですが、口径で分解能が支配されているのはわかっています。分解能を上げるためには口径を大きくするのが一番近道なのですが、以前熱問題でフィルターを割って以来、かなり慎重になっていたのと、長らく太陽の活動が停滞していたので、なかなか試す気になれませんでした。

最近太陽も活動期に入りつつあり、黒点もかなりの頻度で出ています。先月今月、2度撮影しましたが、まだ黒点も小さく今の分解能では細かく見えないのでいまいちパッとしません。なんとか分解能のいい黒点撮影ができなかと思っていました。


車用の遮光フィルム

今回まず試したのが、遮光フィルムです。ホームセンターで車の窓用に売っているものです。とりあえず透過率が13%と謳っているのを買って試してみました。

IMG_1235

とりあえずテストなのでかなり適当につけてあるのですが、取り付け方が全く問題にならないくらいに実際の映像は全然ダメ。ボケボケです。これはピントが合っていないとかではなく、どうも光が拡散されて迷光が多くなりすぎているようで、コントラストが著しく落ちたような状態です。その証拠にエタロンを回すとゴースト光が動いているように見えてしまいます。フィルターで反射しているのかとか思い、元々付けていたMARUMIの赤のR2フィルターを外したり、手持ちのカメラ用のUVカットフィルターに変えたり、HαフィルターをCMOSカメラに付けたりしたのですが全然ダメです。


UV/IRフィルターが救世主に

外で撮影しながら悩んでいるとき、たまたま何日か前に頼んでいたSVBONYの2インチのUV/IRフィルターが配達されてきました。これはもともとは夜の撮影用で、TSA-120で少し赤外と思われるハロが出たので、それを回避するためのものです。ダメ元でと、とりあえずこのフィルターを入れてみると、まだまだボケてますがそれでも像が多少マシになります。これまでのR2フィルターでは迷光が取り切れていなかったものと思われます。

いずれにせよこの時点でフィルムは使い物にならないと判断し、取り外しました。その代わりにC8の対物側の蓋を取り付け、少しだけずらして光をいれてCMOSカメラで像を見てみるということをしてみました。するとこれまでコントラストが全くダメだったものがものの見事に改善されたのです。やはりフィルムが悪さをしていたようです。

さらに気づいたことが、これまでの10cm屈折でやっていた時より、カメラに到達する光の量が全然小さいことです。これは10cm屈折で撮影するときの露光時間とゲインと比較することでわかります。少しづつ蓋をずらしていって光の量を見ますが、最後まで蓋を外しても、口径20cmにもかかわらず、口径10cmの時の光の量と同じか、むしろ少ないくらいです。違いはR2フィルターかUV/IRカットフィルターかの違いです。どうやら今回のUV/IRカットフィルターはR2フィルターに比べて、太陽光を4分の1以下にするようです。

ここで心配になったのはフィルターの温度です。透過量が少なくなったので、その分熱くなってるのかと思いましたが、全然熱くありません。普通に触って少し暖かいかなというくらいです。ということはフィルター部でエネルギーを吸収しているのではなく、光のかなりの部分を反射していることになります。これで少し安心して、試しに撮影してみることにしました。

全然関係ないですが、最近SVBONY製品を使うたびに「SVBONY」が「走れジョリー」の主題歌にのって頭でずっと回ってます(笑)

♪♪
SVBONY トゥルルル、ルルルル、ルルルル、ルルルル
SVBONY トゥルルル、ルルルル、ルルルル、ルルルル
テケテケテケテケ、テケテケテケテケ、S、V、BONY

と言った感じです。今日はSVBONYのフィルターのおかげで解決したのでさらに激しく頭の中で鳴り響いています。


口径20cmでの撮影結果

まずは蓋を半分ずらした状態で2000フレーム。フィルターの温度も、カメラに入る光量も全然問題なさそうなので、次に蓋を全部外して2000フレームです。画面を見ている限り分解能には明らかな違いがありそうです。

その後画像処理をしたのが下の画像です。少なくとも私にとっては初めてみるような物凄い分解能です。さすがに口径20cmの威力と言ったところです。この結果にはさすがに満足です。

15_02_16_lapl3_ap504_IP2_cut
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影時間: 2020/11/21 15:02 ser形式でgain 300, 10ms x 2000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理
カラーにしたものも載せておきます。

15_02_16_lapl3_ap504_IP2_color_dark_cut


同日の10cmでの結果

ちなみに、C8を試す前に10cm屈折で比較参照のために撮影しておいたものが下です。2時間半くらい前の撮影で、その後ホームセンターに遮光フィルムを買いに行きました。

実はこの日はシンチレーションがかなり良かったようで、10cmでもかなり綺麗に撮影できています。

12_19_28_lapl5_ap2515_IP

12_24_13_lapl5_ap2545_IP
  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影時間: 2020/11/21 12:19(上)、12:24(下)、設定はともにser形式でgain 300, 10ms x 5000フレーム中上位50%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理
特に、2枚目新しく出た小さな黒点は、プロミネンスからダークフィラメントも伸びていて、長いこと撮りたかったものの一つでした。ただし、黒点自身が両方ともそもそも大きくはないので、やはり細かくは見えません。

試しにC8で撮ったものと同じくらいの拡大率で見てみると、明らかに分解能の違いが分かります。

12_19_28_lapl5_ap2515_IP_cut

わかりやすいように、黒点部分を拡大して並べてみます。左が口径20cmのC8、右が口径10cmの屈折です。

comp


やったー!

10cmと20cmの撮影結果は、撮影時間に2時間半くらいのズレがあること、ピント位置とエタロンの調整が必ずしも一緒でないことなど、条件も完全には一致していないのですが、それを差っ引いてもあからさまな差があります。20cmの圧勝です!

惑星もそうですが、動画での超多数枚のスタックはシンチレーションの影響などを軽減することができるので、口径の差がそのまま結果に反映されることが多いです。今回も多分にもれず口径を大きくした効果がそのまま出るような結果になったと思います。

この大口径太陽Hα望遠鏡プロジェクトは、ジャンク製品を多用しものすごく安価に仕上げています。多分値段を言うと、真剣に太陽をやっている方から怒られてしまうような額かと思います。その代わりに、性能はPSTのエタロンやブロッキングフィルターの精度や大きさに依存し、綺麗に見える範囲は大きくはありません。アイデア次第で光学機器の性能を上げるのはアマチュア天文の醍醐味の一つだと思っていますが、それゆえ別の面での性能の制限もあることをご理解いただければと思います。

それでも今回の結果はとても嬉しいものでした。

2年越しの計画がやっとできたー!!

これからの太陽活動期が楽しみになってきました。どんどん撮影していきます。


M101に引き続き、TSA-120での単体銀河撮影の第2段、M51子持ち銀河です。


ピクセルサイズの小さいASI178MCで分解能を稼ぐ

M101よりだいぶん小さいので、ASI294MCで撮影すると

Stack_21_17_47_16bits_15frames_192s
のように、かなり小さく写ってしまいます。

しかもピクセルサイズが4.6umと大きめなASI294MCでは、解像度が足りなくてTSA-120の分解能は生かせきれないことが月とPowerMATEを使った検証でわかりました。

そのため、分解能を稼ぎたくてASI178MCで撮影してみたというのが今回の主題です。

でも実は今回の撮影は、上の分解能検証よりも先に済ませてしまっています。ASI178MCで撮影したものの妥当性を知りたくて上の検証をしたというのが実際です。結局、4倍バローを持って分解能は良くなったとしても、明るさが16分の1になるので厳しいというのが結論です。なので、口径を大きくして明るくして、焦点距離を上げてカメラの分解能を活かす方向で、系外銀河に関してはVISACを用いることになっていくのかと思います。

まあ、気を取り直してTSA-120とASI178MCで撮影したM51を処理してみたいと思います。


撮影状況

撮影は先週土曜日のことなので、1週間近く経ってしまってます。もう結構忘れてしまっていますが、透明度は良くなく、北極星がかろうじて見えるくらいでした。しかも風がかなり強かったです。最近もそうですが、春なのでしょうか、なかなか透明度がよくなりませんし、風が強い日が多いです。晴れているのに北極星が見えない日も多いです。

撮って出し(300秒1枚露光をDebayerしてAutoStretch)だとこんな程度です。おそらく風のせいでしょう、星像が肥大してしまっています。

L_2020_04_25_21_04_01_Bin1x1_300s__21C_RGB_VNG

まあ、それでも一応写ってはいますね。あと炙り出すと178はアンプグローがかなりひどいです。しかも右上、右下、左下と3方向。ホットピクセルもひどいです。

結局今回は300秒露光を22枚で、トータル1時間50分の撮影。その後ダークを同条件で30枚撮影しました。


画像処理

画像処理は結構手抜きです。手抜きと言う意味は、
  1. 中心部のみを使っているのでフラット補正はそもそもあまり必要ないことと、長時間露光フラットはむしろ補正しない方が縞ノイズ回避できることがわかっていること、短時間フラット補正もイマイチまだ正しいかどうかわからないので、いずれにせよフラット補正はなし。
  2. また、UTOさんのコメントにより、Optimizeオプションのないダーク補正は、バイアス情報を含んで補正しているので、バイアスファイルも撮影せず。
と言う意味です。アンプグローが激しいので、ダーク補正だけはしっかりやります。

処理はいつものようにPixInsightでBatchPreProcessingですが、問題点が一点。星の数が少ないせいか位置合わせがうまくいかなくて、マニュアルでStarAlignmentをやり直しました。その際、「Star Detection」の「Noise Scales」を2に上げたらうまく行きました。ノイズスタック直後のオートストレッチ画像です。

integration

アンプグローがほぼ無くなっているところに注目です。バイアスノイズっぽいのも出ていません。カラーバランスですが、赤が小さく出てしまっているようです。ASI294MC Proの時とは逆のセンスです。

ここまできたら次はStarNet++。でも今回あまりうまくいきませんでした。明るい星は分離できるのですが、暗い星がうまく分離できません。おそらく風のせいで星像が甘いため分離できないのだと思います。これってStarNet++の弱点なんですかね。以前、M57やM1で試した時は全く分離できないこともありました。長焦点で星像が甘くなるとうまくいかなくなるのが一つの特徴かもしれません。

仕方ないので、一部分離できた状態でPhotoshopに渡します。ここからは適当に炙り出して、Dfine2とDeNoiseで適当にノイズをごまかして、ブレた端をトリミングして出来上がりです。

integration_PCC_AS_HT_SNP3_cut
  • 撮影日: 2020年4月25日20時48分-4月17日22時53分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI178MC
  • 撮影条件: ゲイン220、温度20℃、露光時間300秒x22枚 = 1時間50分 
  • フィルター: サイトロン QBP (48mm)
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CC、DeNoise AIで画像処理

まとめ

最後まで仕上げましたが、恒星はぼやっとしてるし、星雲は細部が出ない出ない。口径、ピクセルサイズ、透明度などもまだ問題がありますが、今回の一番の原因は風でしょう。これはリベンジ案件です。いつか取り直します。まだ未処理物がいくつか残ってます。連休中にのんびりやります。


2020/5/17追記: VISACで撮影し直しました。





月曜でしたが、在宅勤務。せっかく明るいうちから自宅にいるので、夕方の月を見ます。


夕方の月と地球照

この日は月齢4日、まだそれほど太くはありません。明るい夕方だと白い月です。最大光度に近い金星も近くにいるはずですが、肉眼だとまだよくわかりません。せっかくなので3倍の星座ビノを使ってみました。これならさすがに青い空の中の金星も一発で見つけることができました。位置さえわかれば簡単です。肉眼でもすんなりと見つけることができました。 

そうだ、地球照でも撮影しようと思い、さっそくTSA-120をセットします。まだ北極もあまり見えていないので、極軸も適当です。

夕方と食後の暗くなってから、何ショットか撮影しました。

18_59_37_lapl2_ap231_RS2_cut
  • 富山県富山市下大久, 2020年4月27日19時6分、月齢4.3
  • タカハシ TSA-120 + 35フラットナー + ZWO ASI294MC Pro (常温17.6℃) + Celestron CGEM II
  • SharpCapで撮影、露光時間 25ms, gain 50, RAW16で記録、800/1000フレームを使用
  • AS3でスタック, Registax6でWavelet, PhotoshopCCで画像処理 、月が画面に広がるようにトリミング
右下に赤い収差が見えているのは大気分散だと思われます。収差の方向と月の向き、高度からのずれの量も計算値とほぼ一致します。

ついでに、目で見た明るさに(感覚で適当に)近づけてみました。こちらはトリミング無しです。でもこういったのってどうやって客観的な明るさにすればいいのでしょう?難しいです。

18_59_37_lapl2_ap231_RS2_evening

さらに地球照です。これもどんな色が正しいかよくわからないですが、夕方感を出してみました。

19_02_07_lapl2_ap3065_evening


PowerMATEを用いての分解能比較

さて、今日の課題はここからです。TSA-120に35フラットナーを付けた状態で、宮路泉さんにまだそのままお借りしている4倍のPowerMATEでどうなるかを見てみます。焦点は出るのか、分解能はどうなるか、変な収差は出ないかなどです。

接続は特に困ることもなく、35フラットナーの後ろにそのままPowerMATEを取り付けて、特に延長塔などつける必要もなく、そのまま少しフォーカス位置をずらすだけでピントが出ました。同様に月の一部を撮影しました。結果には影響ないと思いますが、ミスでRAW8で保存してしまいました。まあ、分解能をみたいだけなので多分問題ないでしょう。

とりあえずその結果です。

20_53_02_lapl2_ap723_RS
  • 富山県富山市下大久, 2020年4月27日20時53分、月齢4.3
  • タカハシ TSA-120 + 35フラットナー + PowerMATE x4 + ZWO ASI294MC Pro (常温16.9℃) + Celestron CGEM II
  • SharpCapで撮影、露光時間 25ms, gain 300, RW8で記録、800/1000フレームを使用
  • AS3でスタック, Registax6でWavelet, PhotoshopCCで画像処理 

でもまあこれはどうでもよくて、見たいのはPowerMATEありなしの比較です。両方の画像を拡大して比較します。

comp2

左が4倍のPowerMATEあり、右がPowerMATE無しです。左はQBPを入れてしまったで色が違うとかは気にしないでください。

PowerMATE無しもかなり検討していますが、やはりジャギーが目立ってしまっています。わかりにくい場合は画面をクリックして拡大してみてください。また、以前の結果と同じくPowerMATEによる変な像の乱れは私が見る限り確認できません。結論としては、今のTSA-120とASI294MCの組み合わせでは、4倍のPowerMATEを入れた方が有意に解像度が高いと言うことが言えます。

ここで少し比較のための情報を。
  • レイリー限界が1秒角くらい1ピクセルが1秒角くらい。なので、1ピクセルがレイリー限界と等価くらい。
  • でもカラーCMOSカメラなので、モノクロCMOSカメラに比べて解像度は4分の1程度のはず。 
レイリー限界を超えて見える可能性についてです。
  • 他数枚をスタックしているのでレイリー限界以上に(多少)解像度が上がってもおかしくはないはず。
  • RegistaxのWavelet変換でシャープになっている
  • 強度の画像処理はしていないので、擬似的に解像度を上げるようなことにはなっていないはず
これらの条件はPowerMATEのある無しに関わらず同じです。また、今回はカラーCMOSカメラなので、PowreMATE無しだとレイリー限界に全然到達していない可能性が高いです。PowerMATEで分解能が上がりましたが、レイリー限界が見えているかどうかは、今回の結果だけでは良くわかりません。PowerMATEで4倍にしているので、一応カラーCMOSであることも考えると、1ピクセルがちょうどレイリー限界と計算上はコンパラなくらいです。

と思って、最後の最後でPowerMATEありの方を1ピクセルが見えるくらいに強拡大してみました。
PowerMATE_Extended
まずは大気分散リミットのようです。どうやら、PowerMATEのおかげで大気分散が姿をあらわにしてきました。一応ちょっと検証します。

赤から青まで約20ピクセル。4倍なので、もともと5ピクセル。ということは画面からの概算は、1.08秒/ピクセルをかけて約5.5秒角。この時の月の高度は14度で、計算によると大気分散は6.2度。読み取り誤差を考えると大気分散で確定でしょう。

どうやら次に進む前に本格的にADCが必要か。


まとめと今後の方針

さて、これらの結果をものすごく単純にまとめると、ASI294MC ProだけではまだTSA-120の分解能を引き出し切れていないということだけは確実に言えます。
  • エクステンダーやバローレンズ
  • よりピクセルピッチの小さいカメラ
  • モノクロのカメラ
などが必要になります。もちろんこれらには欠点もあり、
  • エクステンダーやバローレンズは暗くなりますし、像を歪める可能性もあるので、高性能のものが必要となります。
  • センサーの感度は1ピクセルの大きさに大体比例するので、ピクセルピッチが小さくなると当然感度が落ちます。
  • モノクロカメラはカラーにしたい場合はRGBで撮る必要があるなど、手間も時間もかかります。
など、トレードオフになります。このような対策をして、次は大気分散のことを考えてやる必要が出てきます。


さて、今回の結果をどう活用するか。もともとは焦点距離900mmで撮影できる系外銀河を考えていたのですが、系外銀河って意外に、と言うか当たり前ですが小さくて、900mmで撮影できるものは少ないのです。口径からくる分解能に達しているかどうかを見極めたかったのですが、今のシステムではまだバローとかで焦点距離を伸ばしても得しそうということはわかったわけです。でも拡大すると暗くなるんですよね。4倍のPowerMATEだと焦点距離3600mmですが、明るさ16分の1です。
  1. 2倍くらいの性能の良いバローにして、今のカラーのASI294MC Proで撮り続けるか
  2. 口径の大きいVISACに移すか
  3. それともモノクロのカメラを買うか
うーん、迷いますが、やっぱり2かなあ?夏も近いので一度M57でVISACの再テストですかね。TSA-120では小さい銀河は諦めて、もう少し広い領域を目指すことになりそうです。


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