昨晩、kyoyaさんの質問に答える形で、Zoomを使い天文入門講座を開催しました。

きっかけ

きっかけはほとんど忘れかけていたのですが、kyoyaさんと話していて思い出しました。2月末にTwitter上で何かのkyoyaさんの発言で「色々調べているとなぜかSamさんのブログに行き着く 」というのがあったのに私が反応したことかと思います。

kyoyaさんは以前Clubhouseでの星座ビノの話題で呼ばれた時に一緒に話して他ことがあります。その後kyoyaさんからDMで質問があり、それに答えているときに望遠鏡を「倍率」で理解していることに気づきました。話を聞いてみると「焦点距離」でなかなか理解できないようなのです。そこで入門講座でもやりましょうか?という話になり、kyoyaさんがすごく盛り上がってくれたので今回のことが実現しました。

今回もkyoyaさんの仲のいいかたに声をかけていただいて、結局10人近く集まりましたでしょうか。
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一人一人自己紹介してもらいましたが、メンバーは多くが初心者です。これは説明のしがいがありそうです。一部私よりもはるかにベテランの方もいらっしゃいました。もし私が間違ったことを言ったらどんどん突っ込んで欲しいとお願いしておきました。


目的と方針

今回の特徴は、あらかじめkyoyaさんの星見の環境と、やりたいこと、質問事項などを聞いておいて、それらをもとに私がスライドを作り、Zoom会議の中で互いにやり取りしてkyoyaさんと他の参加者にも「理解してもらう」というものです。

あらかじめもらっていた質問は私にとってはとてもありがたく、ある意味財産になります。初心者がどう言ったところでつまづくのか、何がわからないのか教えてくれます。例えばkyoyaさんは星雲とはかなり小さいものだと思っていたとのことです。CP+の配信のスライドの動画で月からオリオン星雲に移動するのがありましたが、その時に倍率を変えて拡大したのではと思っていたとのことです。オリオン星雲が満月ほどの大きさがあるとか、北アメリカ星雲とかもっと大きいとか、なかなか想像できなかったとのことです。

今回の講義では、数学は使わずに算数だけにして小学生でもわかるものを目指しました。kyoyaさんがわからなそうな顔をしていたら、わかってもらうまでできる限り噛み砕いて説明します。途中、同じくらいの初心者の方が先にわかったら、その方に説明してもらうという様なこともしてもらいました。コメントを見てもかなり活発にやり取りしてくれていたみたいで、その中でも倍率を変えるのgoogleマップでズームすることと同じではという意見は秀逸でした。倍率を上げて拡大するということは、見える範囲を狭くするということです。


講座の一例

プライベートな講座なので一部だけですが、使ったスライドを載せておきます。今回は質問に加え、倍率を噛み砕いて理解するとか、角度と時間の関係を実感するなどをかなり時間をかけて、わかるまでやり取りしました。

スライド7

スライド8

kyoyaさんの質問にあったのですが、「追尾しないと望遠鏡で見えている星はどれくらいの時間で視野から逃げていくか?」という様な疑問にも、できる限り自分で答えてもらうようにしました。望遠鏡の倍率と視野角の関係がわかり、星は時間当たりどれくらいの角度動くかが分かれば概算できますね。
  1. 例えば100倍の倍率で見ていると、1倍の視野を180度と仮定したら100倍で 180/100~2度くらい。
  2. 星は24時間で360度動くので、1時間で15度動く。
  3. 2度なら2/15時間=8/60時間=8分で望遠鏡の視野から逃げる。
という様な感じです。理解さえできれば小学生でも算数で簡単に出せます。


まとめ

このような議論を20時から延々と23時半まで続けてました。他の方の反応も見ていましたが、かなりわかってくれたみたいで、中には目から鱗が落ちる説明だと言ってくれた方もいました。

あ、でも「天文入門」と題打っておきながら、kyoyaさんの質問がかなり電視観望と機材によっていたので、天文らしい天文の話は全くできませんでした。そこら辺が反省材料でしょうか。

私もとても楽しかったので、他の方も興味を持ってくれるなら、そのうちに第2弾とかやってみたいと思います。