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天体観測始めました。

タグ:レデューサー

先日の年越し電視観望で、智さんのレデューサーがうまく働かなかった件の追記です。

これは鏡筒とレデューサーという2つのレンズを使うと合成焦点距離はどうなるのかという極々一般的な問題です。基本となる合成焦点距離の式については以前の記事



をご覧ください。今回の記事に合わせて、式を見やすい様にTeX化しておきました。


0.5倍レデューサーの計算例

例えば焦点距離800mmの鏡筒に、焦点距離が50mmのレデューサーを取り付けてみましょう。レデューサーをCMOSカメラに取り付けるためのアダプターの長さによって、センサー面からレデューサーまでの距離はほぼ一意に決まってしまいます。

センサー面からレデューサーまでの距離が決まると、拡大率も一意に決まってしまい、以下のグラフのような関係で表されます。

adapter_mag

しかもこのセンサー面からレデューサーまでの距離に応じて、フォーカサーで対物レンズまでの距離を調節してやる必要があり、以下のグラフで表される距離おいてのみ焦点を合わせることができます。

adapter_dis

逆にたどると、フォーカサーでの調整距離がせいぜい10cmくらいあったとしても、センサー面からレデューサーまでの距離が取れる範囲は高々10mmちょっとです。なのでアダプターをきちんと選ばないと範囲から外れてしまい、焦点を結ばなくなるというわけです。


サンプルファイのアップロード

Livedoorブログではファイルのアップロードもできるようなので、上のグラフを書くために作ったファイルを添付しておきます。Excelで作ったものなので多くの人が読めると思います。

Sample file (Excel形式)


アダプターについて

安価なレデューサーの焦点距離ですが、例えばレデューサーで指などをみてみると分かります。せいぜい50mmくらい離れたところでピントが合うくらいなので、焦点距離は50mm程度ということがわかります。これに相当するセンサー面からレデューサーまでの距離は25mm程度です。そうやってみるとASIカメラに付属のアダプターにレデューサーを取り付けると40-50mm程度にはなってしまうので、はやはりこのアダプターは長すぎます。

IMG_0148

ではどんなアダプターがいいかというと、ZWOからロープロファイルカバーとかいう名前で出ていて、国内だとKYOEI星見屋などから購入することができます。これはカメラの赤いカバー部分を取り外して、その代わりに取り付けるタイプです。

でも実は私が持っているのは全く別のもので、言うなればC(S)マウントから31.7mmへの変換アダプターです。

IMG_9008
この写真では上がカメラ側について、したがレデューサーを取り付ける側。

これにASIカメラ付属のCSマウント変換アダプターを取り付ければ、うまく赤い部分を外すことなく取り付けることができます。

IMG_9009

IMG_0147

いうなればこれ



とかこれ



の短いバージョンなのですが、探したけど見つかりません。どなたか知りませんでしょうか?

じゃあ私はどこで手に入れたかというと、多分昔Revolution Imagerを買った時についてきたのをそのまま使ったのかと思います。


昨晩からの泊まりがけの星見会での反省から、自宅に戻りFS-60Qを短焦点化しました。

やはりFS-60Qの焦点距離が長く、いまいち電視観望でさっと見るには機動性に欠けるので、エクステンダーを外し、さらに手持ちの簡易0.5倍レデューサーを入れ、視野を広げました。多分180mmくらいの焦点距離になっているはずで、視野角もASI224MCで2度くらいのオーダーになったはずです。本来専用のレデューサーを入れるべきなのですが、ここは電視観望用と割り切って、簡易レデューサーを入れてあります。

さらに、色がどうしも赤寄りになっているので、もう少しまともにしようとRevolution ImagerについていたIR/UVカットフィルターを入れました。昼間に見る限りは相当目で見た色に近づいたと思います。

この状態で、曇っていたのですが、少しの晴れ間からすばるを電視してみました。

IMG_0382

画角は悪くないと思います。電視としては自宅からなのと、雲間なので、これくらいが限界です。10秒露光ですが、かなり画質を合わせ混んで、やっと星間の淡い青がかろうじてあるのかな、というくらいでしょうか。

あとHαがどこまででるか、もう少し条件のいい夜に試してみようと思います。(追記: 2016/10/24、次の日に試しました。)


 


先日、BKP200の焦点距離を短くしようとしてレデューサーを使った時にうまくいかなかったので、その理由を考えてみました。

そもそも手持ちのレデューサーは0.5倍と書いてあるのですが、焦点距離はについては何も書いてありません。レデューサーを手に持って指や物を見てみると、焦点距離数cmのただの凸レンズのようです。なぜレデューサーの焦点距離にあまり関係なく、必ず2倍になるのでしょうか?まずはこれを考えてみます。

 望遠鏡の対物レンズ(今回の場合ニュートン反射望遠鏡の主鏡)の焦点距離をf1、レデューサーの焦点距離をf2、2枚の合成焦点距離をf、2枚のレンズの間の距離をdとします。 合成レンズの式より合成焦点距離は

\[f = \frac{f_1 f_2}{f_1 + f_2 - d}\]

と書くことができます。その際、レデューサーからCCD面(合成焦点で合焦できる位置に置くと仮定)までの距離をb2とすると

\[b_2 = f - d_2\]

と書くことができ、d2

\[d_2 = \frac{f d}{f_1}\]

と書くことができます。 証明は他のページに譲ります。

ここで手持ちの具体的な値を入れてみます。f1 = 800mm、f2を適当に50mmとし、dを最初の焦点位置からレデューサーの焦点距離だけ内側に置いたf1 - f2 = 770mmとします。すると

\[f = \frac{f_1 f_2}{f_1 + f_2 - d} = \frac{f_1 f_2}{f_1 + f_2 - (f_1-f_2)} = \frac{f_1 f_2}{2 f_2} = \frac{f_1}{2}\]

となり、ちょうど合成焦点距離が元の焦点距離の0.5倍になります。これはレデューサーの焦点距離に関係なく、d = f1-f2とさえ置いてやれば成り立つ関係です。これが焦点距離を書かずに0.5倍レデューサーとだけ書いてある理由です。さてその際のb2ですが、

\[b_2 = f-d_2 = f-\frac{f d}{f_1} = f(1-\frac{d}{f_1}) = \frac{f_1}{2} (1-\frac{f_1-f_2}{f_1}) = \frac{f_1}{2} (1-1+ \frac{f_2}{f_1})\]
\[ = \frac{f_2}{2} = 25\,\rm{[mm]}\]

となり、レデューサーの焦点距離のちょうど半分になります。

これが問題でした。前回、レデューサーからCCD面までの距離を5cmくらい取っていたからです。

IMG_0148


実際、dを717mmから792mmまで変化させてfb2を見てやると、fは300mmから700mmまで変化しますが、b2は31.2mmから8.3mmまでしか変化しません。すなわち、レデューサーを実際に置くことができる位置、期待したい焦点距離(0.5倍付近)を考えるとb2は、上の範囲くらいしか解がないということです。
(追記: 2020/1/4の記事で上記の刑についてグラフ化しています。)


 今手持ちの機材は以下の写真のようになっています。

IMG_0149


なので、上記範囲に近づけるように適当に組み合わせて

IMG_0147


というように変更しました。

その結果、無事に合焦するようになりました。 

 

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