ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:バーナードループ


久しぶりの観望会

夕方少し晴れそうなので、富山市科学博物館の観望会に出かけました。科学館での観望会は調べたら去年の5月以来で本当に久しぶりです。よく考えたら夏は星まつり秋は飛騨コスモスと、いろいろ忙しかったせいかあまり行けてませんでした。あと、とにかく観望会の土曜日になかなか晴れなかったのです。実際今日も職員の方達が「雨プロ(雨の時のプログラムという意味らしいです)のネタが尽きたー。今日晴れてよかったー!」と言っていたくらいで、本当に久しぶりの晴れの観望会とのことです。

富山市科学博物館の凄いところは、毎週土曜日に必ず観望会を開くところです。天気が悪くても、室内でお話しがあります。これをずっと続けているのは凄いことだと思います。でも、北陸の冬の天気は結構悲惨で、なかなか観望会の日に晴れてくれなくて、今回は久しぶりの晴れの観望会となったわけです。


光害地での広域電視観望のテスト

今回の観望会での目的は、先日うまくいったQBPと明るい単焦点レンズを使った広域電視観望のお披露目です。



これまでは自宅で試していたので、住宅街といえどもまだ星は見える場所です。今日は科学博物館のある場所で、完全に市街地です。昔、娘のNatsuが自由研究で光害の影響を調べたとき、科学博物館から山側へ移動して行くと光害がどれくらい変わっていくかというのの、最初の起点の一番明るいところです。



こんな明るいところで、一体どこまで見えるのか?それを確かめるためのテストも兼ねています。


セットアップ

機材は前回までと全く同じ、NIKKORの50mm、F1.4レンズをF2で使い、アメリカンサイズのQBPをCMOSカメラに直付け。CMOSカメラはASI294MC Pro(常温で使用)です。他はシンプルな三脚と自由雲台だけで。雲台にカメラを取り付けるアダプターも前と同じで、超シンプルシステムです。

車から機材を運びますが、移動距離100m強。PC2台、観望会用に星座ビノ8個、テーブル、椅子を持っても一度で余裕で運ぶことができます。とにかく軽い。テーブルと椅子が一番重いくらいで、機材一式は重さ的にはもう誤差の範囲に入ってきています。

実際の設置も超簡単。一番時間がかかったのがテーブルの組み立てでしょうか。あ、あと星座ビノ8個ををケースから出すこと、これが意外に時間を食います。それに比べたら、特に今回はPC上に前回のSharpCapの設定が立ち上がったまま残っていたので、三脚の足を広げて、ケーブルをPCに繋いで、PCでカメラの映像が写っていることを確認して、カメラをオリオン座の方に向けて、ピントを合わせて、たぶん2分くらいでM42までたどり着きました。この手軽さに比べると、手軽だと思っていたAZ-GTiさえ煩わしくなってしまいます。


市街地での広域電視観望の実際

さて、こんな明るい中での広域電視観望、うまくいったのでしょうか?

結果だけ言うと、大成功。写真見てください。

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もちろん、この場所より暗い自宅でやった時ほどきれいには出ていません。でもオリオン座の三つ星とベテルギウス、M42に馬頭と燃える木、左上にはバラ星雲、なんと言ってもバーナードループも淡いですがきちんと出ています。これらを一つの画角に入れることで、実際に目で見ているオリオン座と大きさを比較できて、星雲がどの位置にあるのか、バーナードループがどれくらい大きいのかが実感できるというわけです。これでも露光時間1.6秒で、スタックは写真では89枚となっていますが、20枚もスタックすれば十分見えます。

ちなみに、科学博物館が設定した今日の観望会のテーマが「オリオン座をみよう」です。オリオン座は電視観望でもインパクトがあるので、今回のテストにもぴったりのテーマです。今回の観望会には、もちろん科学館の望遠鏡や富山県天文学会(県天)の方達の望遠鏡も出ていて、オリオン座に関連するもの、リゲルやベテルギウス、トラペジウムなどを見てもらいます。県天メンバーで他にも電視観望をやっている方もいて、実際M42などをお客さんに見てもらってたようです。

それでもおそらく今回のように、街中の観望会でバーナードループを見ると言うのは、これまであまりなかったのではないでしょうか。さすがにこれには来ていた人たちもびっくり。科学館の職員の方や、他の富山県天文学会のメンバーなど、星に詳しい人たちは特に「こんなところでまさかバーナードループまで見えるとは」と、本当にびっくりしていたようです。職員の一人は「初めてバーナードループ見た」と言っていました。


面白そうな女の子が

そんな中、一人異常に反応の良いお客さんがいました。女性の方で、子供と一緒に来たお母さんのようです。上の画面を見て「すぐに子供を連れてくるから待ってて」というのです。連れてきた女の子がこれまた凄い。聞いたら「小学4年生」と言うのですが、上の広域電視観望の画面にものすごく感動したらしくて、いろいろ話してくれました。「半年くらい前にこの観望会でいろいろ教えてもらって星に興味が出た」「レグルスを一番最初に覚えた」「バラ星雲を見たかったけど、いろいろやって自分ではどうしても見ることができないとわかったのに、今回初めて本当にバラ星雲を見れたので本当に嬉しかった」とかです。

それならと「是非星座ビノを試してください」と、お母さんとその子に見てもらいました。この日は星座ビノ8種類を大放出。見え方の違いを含めて、他の人たちにも楽しんでもらっています。お母さんもその子も星座ビノの存在は知っていて欲しかったらしいのですが、選ぼうとしたら種類がありすぎでどれがいいかわからなかったとのこと。ホントはNikonのテレビューを見て欲しかったのですが、お母さんは老眼と自己申告、その子もメガネをかけているので、ピントが調節できるWideBino28を新旧バージョンを最初に見てもらいました。

これもまた面白いように反応してくれます。うまく見えているようなので、それではとCS-BINO3x50を見てもらいます。



これは流石にインパクトがあったようで、二人ともキャーキャー言いながら取り合いで見ていました。もしこれが買いたいなら、CS-BINOという機種の3倍の方ですよときちんと伝えておいたので、もし購入したくなってもわかるかと思います。

というのも、以前書いた通り倍率が3倍と少し高いので、狭い範囲を見ることになり星座の全景が見にくくなるのが少し心配だったのです。「倍率が高いと星座の全景が見えないので、星座の形を覚えていないなら2倍の方、星座の形を覚えていると3倍のほうが良いんですよねー」とか私が言うと、すかさず女の子が「はい、星座の形覚えてます!」とのこと。これならまあ大丈夫でしょう。


トラペジウムの導入

その後、お母さんは何処かへ行ってしまい、その子といろいろ話していたのですが、なんと「望遠鏡を買って今日も持ってきている」とのことです。これは一緒に見なくてはと、反対側のエリアに行くとそこにはVixen PORTAの80mmが。

びっくりしたのは、「何を見ようか?」と話していて「じゃあ、トラベジウムって知ってる?」と聞いてみたのですが「見たことある!」と言って、何の躊躇もなくすぐにその子が導入を始めました。するとファインダーを覗いてから、すぐに鏡筒に移りほぼ一瞬です。多分全部で2-30秒でしょうか、「入った」と。「え、こんなに早く?」と思って見てみるときちんと台形が見えます。しかも結構大きく。「え、アイピース何mm?」とわかっているかどうか試す意味も含めて、わざとシンプルに聞いてました。アイピースをきちんと外して確認して「えーと、6.3mm」とケロっとして言います。「えーっ、そんなに短いの!それで一発導入!?」なんだこの子は?私よりもはるかに速い...。紛れもない星ガールです。

わずか半年前に星に興味が出て、小学4年生の女の子に4、5万もするポルタを買い与える親も相当理解があると思っていたのですが、物凄い価値のある買い物です。こんな子がずっと星好きでいてくれて、いつか中学校や高校で天文部に入るか、もしくは天文部がなくても作ってしまうか、どんどん伸びていって欲しいです。

お母さんも星座ビノが欲しい、その子も望遠鏡で撮影もしてみたいと、やりたいことにキリがないみたいです。「そんなのを沼って言うんですよ」と言ったらお母さんの方から「そうですよねぇ」としみじみと返事が。そこで、星まつりのことを話しました。天文機材はやはり高価です。星まつりならかなりお値打ちに物が揃うはずです。胎内の星まつりのことは聞いたことがあったみたいで、今年は是非とも行ってみるとか。

20時すぎ、この日の観望会も終わりの時間となり、またここでの再開を約束してこの日はお別れとなりました。まだ小学生、変に高価な機材とかに走らずに、子供のうちだからこそ味わえる星の楽しみ方を充分に堪能して欲しいです。そして純粋に星が好きなのを忘れずに、素直に進んでいって欲しいです。まあ、今の様子を見ていると心配はなさそうです。


エピローグ

その後、私も後片付けをして、事務室のところでコーヒーをいただきながらスタッフの人たちと喋っていました。ちょうど星ナビの今月号があり、KYOEIのMさんが書いた電視観望の記事のことが話題になりました。「私も星ナビに出てるんですよ」と、小海の講演の時の小さな顔もわからないような写真を見てみんなで笑っていました。

久しぶりの観望会でしたが、バーナードループも見せることができたし、面白そうな子がいたし、大満足の1日でした。観望会の最後の方からですが、夜は予報通り曇り。記事にしていないですが、実は昨日も夜にいろいろやっていて少し睡眠不足で眠いので、今日はもう素直に寝ます。


先日試した、31.7mmQBPを使った電視観望システムですが、ある程度の完成をしたので、お披露目の記事になります。

ことの始まりはTwitterでのリクエストに答えてくれたサイトロンさんが送ってきてくれた、CMOSカメラに直接取り付けることができる31.7mm径のQuad Band Passフィルターです。ASI294MC Proに、付属のリングと共に取り付け、カメラレンズアダプターを併用すると、その先に一眼レフカメラのレンズを取り付けることができるようになります。



実際に焦点距離50mm、F1.4という非常に明るい昔のNIKKORレンズを取り付けて見てみました。結果は驚くべきことに、赤い星雲を直接探しながら空を見ることができるというもの。ただし、ハロが酷く、特に明るい構成のハロはネコの目のように目立ったしまいました。それを解決したのが前回、



レンズをF1.4という開放で使っていたのが原因でした。F2まで一段階絞ることで、猫目ハロは完全解決。でも天気が続かず、赤ハロの検証をするに至りませんでした。


まずはオリオン

天気のいい休日の夜、月が出るまでに1時間くらいあったので広域電視観望の続きを試してみました。前回と同じようにレンズを一段絞ってF2で始めます。少し暗いので、ゲインを一段階上げておきます。これで最大(550)まであと一段だけ(500)です。

まず手始めにオリオン座。自宅は東と天頂はそこそこ暗いのですが、北は全滅、西も道路と住宅の明かりでダメです。前々回の最初に試した時は、時間が遅くてオリオン座は明るい西の空で沈む寸前。前回は曇りでこれもだめだったので、実質初めての暗い空です。場所もまだまだ南天近くにいるので、かなりきれいに見ることができます。
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暗いと言っても住宅地なので、やはり光害地なのには変わりありません。もちろんQBPが入っているのでこれだけコントラストよく見えるわけです。

写真は1.6秒露光の72スタックで、115秒と2分切るくらいですが、これは写真を撮るのにもたもたしていたからで、もっと少ないスタック枚数でクオリティーは十分になります。10スタックもすれば相当見えるくらいになってきます。

もうバーナードループも余裕です。わずかこんな時間で、こんなに綺麗に見えるとは。レンズは一段絞ってF2にしてあるので、前回より少し画面が暗いですが、炙り出せば良いだけの話でそれはほとんど問題にならないです。ノイズが大きくても、少し待てば十分減ってくれます。


赤ハロ青ハロはレンズのせいだった

それよりも周辺で星がそこそこ歪みます。これは古いレンズなので仕方ないでしょう。さらに、真ん中が青ハロ、周辺が赤ハロとなっています。これは間違ってもQBPのせいではなくて、レンズ側の問題だとやっと確証が取れました。最後の方でもっとわかりやすい写真を見せますが、ピント位置によって赤ハロと青ハロの出方が相当変わります。今回、絞りを一段階暗くしてF2にしたことによって、このような細かいところがやっとわかるようになってきました。開放のF1.4の時のひどいハロでは、やはりここまで調整もできなかったと思います。


なんとエンゼルフィッシュ星雲も!

ついでにオリオン座のすぐ上のエンゼルフィッシュです。導入は自動導入なんてたいそうなものは必要ありません。画面を見ながら、三脚についている自由雲台を緩めて「エイ、ヤっ」とエンゼルフィッシュを「見ながら」導入します。
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これも1.6秒を72枚スタックですが、スタックなしの1.6秒一枚リアルタイムでもうっすら見えています。


拡大に耐えられるか?

続いてM42の拡大と、馬頭星雲の、SharpCap上での拡大です。
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流石に画面上で250とか300とかに拡大(全体を見る時が40なので、6倍とか8倍に相当)しているので、星像が肥大化して見えてしまっていることと、ハロも目立ってしまっています。観望会などで見せるには少し厳しいかもしれません。


冬の星雲巡り

今回は早い時間だったので、オリオン座が南中くらい。なので、その西の早い時間帯の星座にある星雲星団も確認できました。最初にプレアデス星団が見えました。その上にカリフォルニア星雲があるはずですが、レンズの向きが厳しいです。そんな時は面倒なのでエイやっと三脚ごと向きを変えます。こんな気軽な星雲観測は広域での電視観望ならではじゃないでしょうか。実際に見えたプレアデス星団とカリフォルニア星雲です。同じ画角に入りました。
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スタックなしの1.6秒ワンショットだと下の写真くらいです。それでも十分見えます。
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カリフォルニア星雲の拡大です。
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これくらいの拡大率なら、それほど星も肥大せずそこそこ見えます。

西の空にアンドロメダ銀河が沈む頃でしたが、流石に明るすぎました。でもそれを差っ引いてもやはりQBPは銀河は苦手な気がしています。こんな時に気軽にQBPを外すことができるようにアメリカンサイズをリクエストしたのですが、ごめんなさい、この時は外して確認することを忘れてました。
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前回も見たバラ星雲とカモメ星雲です。バラ星雲は少し拡大しています。
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カモメさんを拡大したらこんなもんです。
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モンキー星雲とクラゲ星雲です。
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同じ画角ですが、ピントが少しずれて赤ハロが盛大に出てしまった場合です。反対側にずれると青ハロが少し出ます。
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最後です。これを最初に見た時、何か一瞬わからなかったです。撮影したこともあるのに...。
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でもこれで答えを見ました。ああ、勾玉星雲だった...。



星雲の形をデフォルトで表示してくれるのですごくわかりやすいです。広域電視観望の地図がわりにぴったりです。長押しで他の波長も表示してくれます。


まとめ

いやー、楽しい。わずか小一時間で、冬の星雲を一網打尽できました。観望会でも大活躍しそうです。とにかく空を見ながら星雲を探す。これは本当に楽しいです。

一応、31.7mmのQBPと50mmの明るいレンズを使っての広域電視観望は実用レベルで使えることが分かりました。システムとして完成と言っていいでしょう。

もちろん光害の具合によっては見える度合いも違うでしょうし、まだまだ改良する点もあるでしょう。それでも、前回そうでしたが、月が出ていた時でもバーナードループくらいは見えているので、明るいところでもかなり楽しめるのではないかと思います。

やはりレンズの明るさは正義です。まだハロが少し残っているのと、拡大時の肥大が少し気になるので、もう少し良いレンズを探しても良いかもしれません。例えばシグマの50mm F1.4 DG HSMなんかものすごく良いのでしょう。でもさすがに、電視観望のためだけにこれだけの値段をかけていいものなのか。

最後に、今回何より重要だったのがQBPでした。以前の48mmのQBPも撮影では十分すぎるほど活躍してくれていたのですが、今回のカメラレンズと合わせるとういのは31.7mmのQBPになって初めて実現したものです。QBPがなかったら、ここまでやろうとさえ思っていなかったでしょう。BLACK PANDAさん、私のちょっとつぶやいただけの希望を聞いていただいて本当にありがとうございました。

このシステム、賑やかな夏の空でも早く試してみたいです。

シベットさんが最近フィルターを使った電視観望を盛んに試されています。私のところにも31.7mmのアメリカンサイズのQBPフィルターが届いたので、ずっと試したかったテストをしてみます。


アメリカンサイズのQBPができた!

そもそもは昨年9月にQBPを使って電視観望をするとどれくらい見えるようになるかというテストをしたことに始まります。



この時の結論はHαで見えている赤い星雲はQBPによって相当見やすくなる一方、プレアデス星団などの青い星雲や白色光に近い系外銀河はむしろQBPによって電視観望では見えにくくなってしまうというものでした。なので、見る対象によってQBPをつけたり外したりするといいのですが、48mm版のQBPはFS-60CBの鏡筒とフラットナーの間に入れてあって、なかなか取り外しにくいのです。

そんな折、ちょうどBLACK PANDAさんからTwitter上でQBPの新バージョンができるというアナウンスがありました。なんでも基材を合成石英にアップグレードするということです。これまでの基材が何かはわからない(2020/2/3追記: B270だそうです。)のですが、合成石英は研究レベルでもよく使われ、熱膨張が少なく、紫外、赤外共に透過率が高かったりします。

上のブログの更新時のTwitterでのアナウンスでBLACK PANDAさんがコメントをくれ、「QBP入れ替えができるように、CMOSカメラに直接つけることができる31.7mmサイズがあればいいなあ」とか返事をしたら、なんと本当に反応してくれました。新バージョンを作る際に、31.7mmバージョンも作ってくれるというのです!これは期待大です。

合成石英を使用した新バージョンのQBP自身は11月半ばにできたと記憶しています。その時のものは元と同じ48mmサイズでした。その後、つい先日の1月29日、とうとう新バージョンの52mm版と、まさかまさかの31.7mm版が本当に発売されたのです!約束を守っていただいて本当に嬉しいです。BLACK PANDAさんどうもありがとうございました。

しかも値段を見ると、アメリカンサイズはこれまでの約半額、税抜きだとなんと1万円切りです。これならユーザーとしては気軽に試すことができるので、大変嬉しい価格設定です。

さらにここから話は急展開します。なんと製品を送るのでテストで使って欲しいとのこと。願いまで聞いていただいて、しかもサンプルも送っていただけるとは!

というわけで、送っていただいた新型のアメリカンサイズのQBP、やっと昨晩テストを敢行することができました。


31.7mmのQBPが生きるところ

フィルターサイズが小さくなって一番良かったのは、CMOSカメラに直接取り付けたり、フィルターホイールに入れたりできるところでしょうか。センサーサイズ的にはフォーサーズまでは使うことができるはずです。電視観望でよく使うASI294MCならば大丈夫でしょう。

もともとはASIカメラについている前に出ているアダプター

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に取り付けることを考えていましたが、年末の名古屋年越し観望会の智さんのレデューサートラブルの検討のときのコメントで「ASI294MC Proについていた薄いアダプターに31.7mmフィルターを取り付けるこができる穴が開いていて、以前よりも飛び出ることなくセンサーに近いところにフィルターを取り付けることができる」ということを教えてもらいました。

実際にASI294MC ProにQBPを取り付けると下のようになります。

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これまでは鏡筒に取り付ける時のみQBPを利用することができました。これならば、一眼レフのレンズをASIカメラに取り付ける時にも、アダプターの中に十分スペースがあるので、広角レンズを使ってもQBPを試すことができます。シベットさんはすでに同様のことを各種フィルターで試しているようなので、私も今回チャレンジしてみます。

今回は上の写真のように、古いオールドNIKKORの50mm/f1.4の明るいレンズにCanonレンズのアダプターをつけて、そこにさらに、ZWOが出しているASIカメラにCanonレンズを取り付けることができるアダプターを取りつけています。そのアダプタの空間にフィルターがうまく収まっています。

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明るいレンズとQBPを組み合わせての電視観望

さて、土曜の晩晴れた際にTSA-120のファーストライトの合間を縫って、このセットアップで電視観望を試しました。ポイントは焦点距離が50mmと広角なので、赤道儀やAZ-GTiさえ使う必要がなく、ただの三脚と自由雲台に載せただけで、手で動かすだけで見たいところを見ることができます。

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このセットアップ、本当に超手軽です。ぱっと持ち出してPCとケーブル一本繋ぐだけです。

もう一つのポイントは、f1.4の相当明るいレンズを使っていることです。以前ASI294MCを最初に手に入れたときその後何度か明るい広角のレンズを使って電視観望をしています。それでも十分に見えたのですが、明るすぎるレンズは画面が飛ばないように露光時間やゲインを抑える必要があるので、星雲なども当然見えにくくなってしまいます。今回はQBPを使って光害をカットしているので、星雲のコントラストが上がり見えやすくなっています。しかも明るいレンズのために露光時間をそこまで伸ばさなくても、十分情報を得ることができ、リアルタイム性に一役買っています。


実際の見え方

実際の見え味ですが、結構衝撃的です。まずは1.6秒露光のライブスタックなしのオリオン座です。

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真ん中に三つ星が映っているのがわかると思います。すぐ下のオレンジの明るいところがM42オリオン大星雲になります。繰り返しますが、これわずかトータル時間で1.6秒だけ露光したものです。三つ星の一番左のところに馬頭星雲らしきものがうっすら出ています。それどころか、よく見るとバーナードループ まですでに出ています。

これを24枚スタックしたのが次の写真です。あ、写真は全てPCの画面をiPhoneで写しているだけなので、ほとんど実際の見え味と同じです。

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馬頭星雲も燃える木もバーナードループも普通にはっきりしています。これでもトータル40秒以下です。

さてここで、ちょっと嫌なことに気づきました。明るい星の周りにハロが出ている(2020/2/5追記: 猫目ハロは解決しました。新型QBPが問題ではなく、カメラレンズが問題でした。)のです。炙り出しなどせずに普通に見ているだけではこのハロは気付きません。電視観望でヒストグラムをいじって炙り出すと目立ってきます。この時点ではQBPのせいなのか、レンズが悪いのかはっきりしなかったので、ここでQBPを外してみました。

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同じ1.6秒露光、30枚スタックです。QBPがないと明るくなりすぎるのでゲインを50(5dB、半分近く)落としています。バーナードループも辛うじて見えているようですが、明らかにコントラストは悪くなっています。これはQBPの効果が大だったといえるでしょう。でもその一方、ハロは抑えられています。

シベットさんがブログの中でQBPは赤外を通すためにハロがでるのではという報告をしています。その中でアポクロマートなど赤外でも収差補正をきちんとしている鏡筒はこの問題は出ないのではという考察がされています。これまで私もFS-60CBやFS-60Q、FC-76で旧版の48mmのQBPを使ったのですが、星がサチらない限りはハロは出ることはありませんでした。

今回星がサチっている可能性が一つと、単なる相当昔のカメラレンズなので、赤外で収差があるのは十分可能性があるでしょう。ただ、ハロの様子が赤だけでなく、なんかカラフルになっているのも気になります。シベットさんによるとUV/IRカットフィルターを併用すると、星像はフィルター間の反射で少し悪くなるが、ハロは消えたという報告がなされているので、次回私も試してみようと思います。

ハロは確かにあるのですが(2020/2/5追記: 猫目ハロは解決しました。新型QBPが問題ではなく、カメラレンズが問題でした。)、暗い星ではそこまで気にならないのと、星雲の出かたが思いの他すごいので、とりあえず今回はQBPをつけてこのまま進めます。


ばら星雲です。1.6秒露光で31スタック。トータル50秒くらいです。

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ばら星雲の上にも少し赤い領域があります。クリスマスツリー星雲ですね。

というか、今回何かを導入するというのではなく、画面を見ながら赤いのがあるとこれはなんだ?と、「星雲を見ながら探す」という夢のような体験をしています。例えば上のバラはリアルタイムの1.6秒一枚露光ではこのように見えます。

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もう、全然見える範囲の明るさです。

一番衝撃的だったのは次の例でした。

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真ん中らへんに何か赤いのが見えます。スタックするとさすがにわかります。

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そう、電柱の上をカモメが飛んでいるわけです。もう夜中に一人で大爆笑。普通の住宅街でこんなのがほぼリアルタイムで見えるわけです。面白くないわけがありません。

その様子を動画にまとめました。


左手でiPhonedで撮影しながら、右手で三脚の自由雲台の上のCMOSカメラを操作しているので、揺れたりして見にくい点はご容赦ください。オリオン座から電柱上のカモメ星雲、次にバラ星雲を突き止めて、最後にまたオリオン座に帰ります。バラ星雲なんかポンッと出てきます。実際にホントにこのように見えるわけです。

他にもプレセペ星団、

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M46、47、48です。

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適当にレンズを向けて見えたものです。1.6秒だけの露光なのでM46、47、48は少し見にくいですが、カモメ星雲のところの左上にもM46とM47は写り込んでいます。

あいにく、系外銀河は一つも認識できませんでした。アンドロメダとか出ていれば別ですが、さすがに広角レンズでは銀河は小さすぎるのと、やはりQBPは白色の系外銀河が苦手なのかと思います。あと今回はハロがキツかったので、恒星と銀河の見分けがつきにくかったのもあるかと思います。

最後に、オリオンが沈みかけるところです。右のほうが赤カブリになっていますが、それでもよく見るとエンゼルフィッシュ、辛うじてですが写ってますよね!

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まとめ

まだハロの件など克服すべき課題も多い(2020/2/5追記: 猫目ハロは解決しました。新型QBPが問題ではなく、カメラレンズが問題でした。)ですが、QBPと明るい広角レンズを用いることで、

光害地で、導入いらず、
リアルタイムにかなり近い、超お手軽な星雲星団観察

が可能だというのは特筆すべきことだと思います。一番最初にHUQさんが見せてくれてα7Sでの電視観望に近いかもしれません。α7Sの凄いセンサー感度にSharpCapとQBPで頑張って迫っているという感じでしょうか。

ちなみにこの50mm/f1.4レンズ、古くても標準レンズだったこともあり、今でも中古カメラ店やヤフオクで格安で普通に手に入れることができます。私は名古屋のコメ兵で5-6千円くらいだったと思います。

レンズは安くてもやはりASI294MCがまだ高いですかね。そこはASI385MCとかに代えて節約するという手もあります。

キットの望遠レンズを使った電子観望
も以前試しましたが、



広角、QBPが違う点になります。今回のこの手法も同様に、導入のための機器もいらないのと、さらに広角レンズを使っているために導入スキルも必要ありません。なので、相当手軽かと思います。

自由に空を見て星雲を探すインパクトは相当なものなのですが、今回のブログでそれが伝わったかどうか?比較的楽なセットアップだと思いますので、これまで電視観望を試したことがない人も、よかったら試してみてください。




おとといに引き続き、天気が良かったので、再度牛岳電視観望を敢行しました。おとといはあまりにお客さんがいなかったので、富山県天文学会のメーリングリスト呼びかけて、しかも一般の方にも声をかけてくださいと、呼びかけてみました。

県天の人はMLで呼びかけに応えてくれたYさんと、一昨日に続いてYさんと、おととい飲んでいてこれなかったというOさんや、そのほか何人かの方が来てくれました。

肝心の一般の方ですが、やはり寒いのかイマイチでした。夜中頃まではほとんどさっぱりで、夜中過ぎから結構な方が来ていましたが、興味を引いてくれた方は一組だけでした。天文関連ではない一般のカメラマンの方達みたいで、星の写真を撮りに来ていたのですが、天体写真のことは逆にあまりご存じない様子でした。

実はこの方達が来た時点でもう結構遅くなってきたので、そろそろ終わりにしようかとしていたくらいだったのですが、比較的見やすいオリオン大星雲やアンドロメダ星雲とかを見せたらあまりに喜んでくれるので、私としても嬉しくなって、それからさらに5-6種類の天体を見ていただきました。しかも今回はFS-60はCCD、BKP200にはアイピースと、同一天体での電視とアイピースでの眼視も同時にしたので、比較した電視がより際立って良かったのかと思います。

自分でも久しぶりにアイピースで星雲をじっくり見たのですが、かなり見やすいオリオン大星雲でさえも当然色はついているわけもなく、うっすらとした、やはり字のごとく雲みたいで、改めて自分でもがっかりしてしまいました。やはり電視で星雲がその場で色付きで見えるというのは、一般の方にとっても随分インパクトがあることみたいで、その反応がわかったことだけでも大きな収穫でした。

ただし、この日の一番の問題は空が明るすぎたことです。一昨日に比べても圧倒的に明るく、透明度も相当イマイチでした。写真を撮っていた県天の人たちも、さすがに今日はすぐカブってしまうと嘆いていました。それでも夜中過ぎからなぜかオリオン座方向だけは暗くなり、ある程度まともに見ることができました。

電視のセットアップは一昨日と全く同じです。一昨日撮り忘れた機材のセットアップを写真で撮っておいたので、載せておきます。

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これだけのセットアップでも、車の中から機材を出して、電視で自動導入ができるまでにやはり1時間近くかかってしまいます。ここら辺をなんとか短縮もしくは簡略化できればと思っています。
 

この日も色々電視しまくったのですが、いくつかめぼしいものだけ載せておきます。あ、昨日SharpCapで画面を撮った映像で一般にする方法がわかったので、今回はパラメーターが載っていないものが多いですが、基本的には一昨日と同じ10秒露光、一部を除いてFS-60CBに0.5倍レデューサーで、焦点距離180mmです。画面一杯の天体は見ていて迫力があります。
 
1. M45、すばるです。もう何度も電視で見ています。透明度は悪くてもこのくらい見えます。

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2. NGC869, NGC884、ペルセウスの二重星団です。以前大長谷で16mmのCSマウントレンズで電視したのですが、残していなかったので、写しておきました。

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3. どこかの球状星団です。メモを残したのですが、PCが途中落ちてしまいメモがなくなって、結局どこだかわからなくなってしまいました。

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4. M33、さんかく座の系外星雲です。

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5. 今日の一番、IC434:馬頭星雲(右)とNGC2024:燃える木(左)です。ずっと見たいと思っていた天体の一つです。思ったより綺麗に馬の頭が出ました。

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6. NGC281、カシオペア座の散光星雲、通称パックマン星雲です。

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7. NGC7662、アンドロメダ座の青い雪だるまです。これのみBKP200でレデューサーが入っているので焦点距離400mmですが、思ったより輝度が高く露光時間を1秒程度にしてかなり暗くしています。もっと倍率を上げたほうがよかったかもしれません。

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8. M74、魚座の系外星雲です。

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9. 一昨日に引き続きバラ星雲です。
 
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10. 一昨日のリベンジET星雲です。星の数を減らしたらかなりETっぽく見えるようになりました。

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11. お客さんが去って、片付ける前にこれだけはと思って挑戦しました。バーナードループのリベンジですが、やはり難しい。30秒露光してもここら辺が限界で、途中で今日もPCのバッテリーが落ちて諦めました。何かかろうじてループらしきものの一部が見えるかというところでしょうか。やはりCSマウントの16mmだと色々不利です。

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結局この日は、県天の方も含めると結構な数の人が興味を持ってくれて、一人でも問題なく対応できることがわかりました。それもそれほど焦っているわけでもなく、結構画像出しに時間をかけながらじっくりと見ていただきました。写真に載せていないものもいくつか見ているので、一晩に10から20位は余裕で見ることができると思います。
 
見栄えがいい天体を選ぶのにこのページを参考にさせて頂いています。盛りだくさんで、まだ見切れていないものばかりです。

私が手持ちの機材でできる電視はここら辺が落とし所かなと思いました。当初の目標の観望会で色のついた星雲を来た人たちに見せてあげたいというのは完全にクリアーしていると思います。電視は、ある意味時間と見栄えが勝負なので、色々精度のことがおろそかになってきています。そろそろまた写真の方に戻ろうかなと思っています。(追記: 極軸合わせを経て2016年11月18日から写真をまた始めました。)



 

11月2日の休日前日、昼間の遠くの立山の見え具合から透明度が良さそうだったのと、天気も少しだけ雲が見えるくらいなので、18時30分くらいに娘と一緒に牛岳に向かって出発しました。

今日の目的は
  1. 一般のお客さんがいる時に、一人でどこまで電視観望で対応できるかを確認すること。
  2. Advanced VXを使って自動導入をした時の、電視観望との相性を確かめること。
  3. BKP200FS-60CBを亀の子状態にして同視野にして、0.5倍のレデューサーも用いて入れて、鏡筒2本、焦点距離3通りで、どの範囲を見ることができるかと、切り替えなどの対応ができるかの見通しをつけること。
  4. 条件のいい場所で電視観望でどこまで見ることができるのか、限界を確かめること。
  5. 寒いところでカップラーメンを食べるとどれだけおいしいか確かめること。
です。

19時過ぎに牛岳に到着、まだ誰も来ていません。最近ずっとタカハシのTG-SP赤道儀で軽さを満喫していたのですが、今日は久しぶりに気合を入れてAdvanced VX (以後AVXと略します)を準備しました。久しぶりに設置するとやはりその重さを実感します。やはり毎日見るには軽いに越したことはありません。赤道儀の上にBKP200を載せ、BKP200の上に自由雲台を付けて、アルカスイスプレートを下側につけてあるFS-60CBを亀の子状態にして載せます。

極軸調整のためにCCD (ASI224MC)をいつものようにFS-60CBの上につけるのですが、最初の難関が、SharpCapでの極軸調整が全く上手く行かないことです。CCDから出ているUSBケーブルが鏡筒に当たってしまうのでCCDを上下逆さまに取り付けているのですが、その影響かとも思い画像反転なども試したのですが、どれもSharpCap上では極の位置は認識されているようです。問題は赤系を90度回転させて赤道儀の調整ネジでSharpCapの指示通りに星を一致させた後、さらに赤系を適当に回転させると極と回転中心が全く一致しないのです。おそらく、赤系の回転軸中心と、CCDの位置が相当離れていることが原因の気がしますが、時間もないことなので諦めて結局AVXについている極軸望遠鏡で合わせました。精度はどうあれ一瞬で終わりました。SharpCapの極軸調整は一度きちんと精度まで検証(追記: ベータバージョンでバグ何か極軸関連でバグフィックスされたみたいです。)してみます。赤道儀の設定はツースターアラインメントで、さらに一つ追加するくらいで、今回の電視観望では十分な精度が出ました。

やっと準備も完了し、この時点で21時前だったでしょうか。その間に娘は寝袋ですっかり眠ってしまっていましたが、それからいろいろ試しました。

まずは、目的1のお客さんへの対応。これは大失敗でした。お客さんが誰も来ません。一般の人はカップルが一組タバコを吸いながら夜景を見て、星にはほとんど興味がなさそうで、5分も経たずにすぐに帰っていったのが唯一でした。あとは22時過ぎにこの間の大長谷でお世話になった、全然一般の人ではない富山県天文学会のYさんがやっと来ただけで、聞くところによると、寒くなるとお客さんはほとんど来なくなるとのことでした。がっかりです。


目的2の自動導入と電視観望の相性ですが、これは思っていたよりはるかに効果的でした。輝度の高いM57などはまだしも、そもそも電視観望でもスタックしないと映りにくい淡い星雲などは、場所を特定するだけでも時間がかかってしまいます。このあと連続で写真を載せますが、自動導入で短時間で次から次へ映し出す星雲は圧巻です。


目的の3、2本の鏡筒(FS-60CB, BKP200)と、3通り(800mm, 400, 180mm)の焦点距離ですが、結局この日使ったのは180mmがほとんどと、小さく映ってしまう天体にだけ800mmを一部という結果でした。SharpCapの拡大機能を使えばこれくらいの焦点距離の差でも十分対応できます。むしろ焦点距離の種類を多くしてもピントを合わせ直す必要があり、それだけで時間がかかってしまいます。さらに、今はCCDが一台しかなく鏡筒間で使いまわしているので、その際レデューサーを外す手間などもあり、焦点距離の種類を減らすようなできるだけ時間をかけない方向が正しい気がしています。


さて、今回の目的の4、どこまで見えるかですが、こちらは大成功です。撮った順に見せて行きます。

1. まずはいつものM57。比較のために最初はFS-60CB+ASI224+0.5倍レデューサー (f=180mm)、次はBKP200+AI224 (f=800mm)です。ASI224のセンサーサイズが1/3インチ(4.8mm x 3.6mm)と小さいため、短焦点距離でも画角は小さく(拡大状態)なってしまうことに注意です。

f=180mmです。SharpCapの倍率は200%にしています。10秒露光でスタックをかけています。分解能がまだまだなのと、やはり少し暗いです。かろうじて色がついているとわかるくらいでしょうか。

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f=800mmです。SharpCapの倍率は100%です。上の10分の1の時間の1秒露光でスタックをかけています。さすがに口径200mmです。短い露光時間で十分に明るいです。

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2. 以前自宅でも撮った北アメリカ星雲です。f=180mmです。10秒露光でスタックをかけています。空がいいので、今回はSharpCapの画像調整もあまり大したことをしていません。前回より粒状感がなくなってより滑らかになっています。

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3. これもこれまでよく撮っているM27の亜鈴状星雲です。f=180mmです。10秒露光でスタックをかけていますが、スタック回数が2回なのでノイズが多いです。M27は輝度が十分なので、もっと露光時間を減らしてもいいかと思います。

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4. 次は以前自宅で一度撮った網状星雲です。f=180mmです。10秒露光でスタックをかけています。以前はなんとか見えるかといった状態でしたが、今回はかなりはっきりと出ています。

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5. M31アンドロメダ星雲です。f=180mm、10秒露光でスタックです。以前逃したM110がやっと映りました。画像調整でもう少し淡いところまで映すことができると思います。

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6. ここからいくつかは、自分でも初めて見たものばかりです。まずはNGC281、カシオペヤ座の散光星雲です。f=180mm、10秒露光でスタックです。

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7. NGC1499、カリフォルニア星雲です。f=180mm、10秒露光でスタックです。自分で見るのでは初見です。

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8. M42、プレアデス星団、和名すばるです。f=180mm、10秒露光でスタックです。少し青を強調しています。星間ガスも苦もなく見えています。

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9. M2、水瓶座の球状星団です。f=180mm、10秒露光でスタックです。粒々の星を出すのに、もう少しいいパラメータがある気がしています。球状星団はもう少し経験を積んだ方がいいかもしれません。これも初見です。

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10. NGC253、ちょうこくしつ座の渦巻銀河です。f=180mm、10秒露光でスタックです。自らは初見なのですが、とりあえず見て見たらあまりに簡単に見えたので写真に撮っておきました。建物に沈むギリギリです。牛岳山頂の欠点は南の空が建物で遮られていることです。少し降りたところにひらけたところがあるのですが、そこだとお客さんがあまり来ないので、今回はこちらの場所を選びました。でも結局ほとんど誰も来なかったので、場所を変えても同じだったのですが...。

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11. NGC457、カシオペア座の散開星団、別名ET星団です。初見ですが、面白い形なので、見て見たかった天体の一つです。f=180mm、10秒露光でスタックです。真ん中2つの星がETの目、腕が2本伸びているとのことです。ETと認識するためには少し星の数が多すぎたので、もう少し露光を絞った方が良かったかもしれません。

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12. M76、ペルセウス座の惑星状星雲です。小さいのでここでBKP200に切り替えてf=800mmにしました。露光は変わらず10秒です。後ろのモヤモヤも多少見えています。

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13. iPhoneのピントがぼけてしまいました。NGC40、ケフェウス座の惑星状星雲です。オレンジ色がよく出ています。これも小さいのでf=800mm、10秒露光でスタックです。

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14. NGC 2237-9,NGC 2246、Caldwell 49のバラ星雲です。またFS-60CBに戻してf=180mm、10秒露光スタックです。これも初見で、見たかったものの一つです。思ったより綺麗に出ました。

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15. M45、最近よく撮っているオリオン大星雲です。f=180mm、0.25秒での露光で十分です。スタックしていますが、スタックなしでもよく見えます。


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16. NGC2174、モンキー星雲です。上を向いた猿に見えます。f=180mm、10秒露光です。初見です。

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17. IC443、ふたご座にあるクラゲ星雲です。f=180mm、10秒露光です。初見です。そもそもICというのは初めてなのですが、インデックスカタログの略なんですね。


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下の子が写真を見て書いたアホな絵です。左はクラゲ星雲だそうです。上の「M1=かにせいうん」というのはメシエ天体を覚えようとしている努力のあとみたいです。

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18. 最後です。HUQさんに言われたバーナードループで、以前のコメント中にも書いていますが、自宅の庭からでは全く歯が立ちませんでした。そもそもかなりの広角なので、今回もASI224MCに16mmのCSマウントレンズを付けています。そのためフィルター類をつけることができずに、赤カブリがひどいです。10秒露光ですが、かろうじて何か見えているというところでしょうか。


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実はこれの前にもう少しはっきりした画面があったのですが、PCが低温でのバッテリー切れで電源が落ちてしまい、撮り逃してしまいました。しかも立ち上げ直したら右上の雲が迫ってきていて、最後ギリギリで撮ったものがこれです。これ以降は雲と、寒いのと、バッテリーがないのと、眠いので、諦めて撤収しました。この時点で午前1時くらいだったでしょうか。PCの電源は12V 5AhのPORTALACから100VのACに変換して充電しようとしていたのですが、どうもずっと充電できていなかったようです。自宅に帰ってからバッテリーを充電したら、1.7Ah分しか使っていないことが判明しました。ちなみにiPhoneは普通に充電できていました。その後、AVX用のバッテリーにAC100V変換をつないで、PCを充電したらできたので、PORTALACは少し不安定なのかもしれません。AVXバッテリーで最後のバーナードループを雲付きですが撮ることができたというわけです。


あ、目的5のカップラーメンですが、23時半頃に娘が起き出して、ポットに入っているお湯を注いで無事に食べることができました。娘はどん兵衛、私はカップヌードルシーフード味です。自宅で沸かして来たお湯を保温ポットに入れてきただけなのですが、それでもそこそこ温かく、少し麺は固かったですが、やはり寒い中でのカップラーメンは身にしみるほど美味しかったです。麺が固かったのは、焦って早く食べすぎただけかもしれません。


今回の撮った時間をまとめておきます。

1. M57: 21:05~21:15
2. カリフォルニア星雲: 21:31
3. 亜鈴状星雲: 21:34
4. 網状星雲: 21:37
5. アンドロメダ星雲: 21:44
6. カシオペヤ座散光星雲: 21:49
7. カリフォルニア星雲: 21:54
8. すばる: 22:07
9. M2 水瓶座の球状星団: 22:20
10. NGC253 ちょうこくしつ座渦巻銀河: 22:23
11. ET星団: 22:26
12. M76 ペルセウス座惑星状星雲: 22:40
13. NGC40 ケフェウス座惑星状星雲: 22:43
14. バラ星雲: 22:57
ここでしばらく話し込むのと、カップラーメンで休憩
15. オリオン大星雲: 0:03
16. モンキー星雲: 0:09
17. クラゲ星雲: 0:24
ここで電源トラブル
18. バーナードループ: 0:50

休憩とトラブルを除けば結構なペースかと思います。観望会で人が来ても十分対応できるのではと思います。Yさんと冗談で電視でメシエマラソンのドーピング部門も面白いのでは?と話していました。露光に10秒かかるのですが、自動導入だと一発で目的の天体まで行くので、スタックせずに流れる画面を見せて、10秒カウントしてもらうとかで結構待っている時間も楽しめるかと思います。画像が落ち着いたらスタックを始めると画像調整と相まって絵が浮き出て来ます。

(11/4 追記: 今回の経験もふまえてSharpCapの使い方のページを少しアップデートしておきました。その後自宅でベータバージョンの最新版にアップデートしてからいろいろいじっていたら(もしかしたら気づいていなかっただけでアップデート前からそうだったかもしれませんが)気づいたのですが、画面を最大化して、メニューやコントロールパネルを表示させなくする方法がありました。これで画面全体に天体を映し出すことができるので、ますます迫力ある映像になります。最近SharpCapの不満がほとんどなくなりつつあります。私の場合電視ではもう手放せません。)


今回の電視は途中バラ星雲くらいからYさんも加わり、色々話しながらあーだこーだ言いながら試していました。Yさんには片付けまで手伝ってもらいました。どうもありがとうございました。


まとめですが、結局今回の撮影から言えることは、空の暗さが一番重要だという、身も蓋もない結論です。状況のいい空ならば電視観望でも何も苦労しないです。高感度のCCDが手軽に手に入る時代になってきて、やっと電視観望というのが実用になりつつある今、やはりこの結論だと情けないです。

HUQさんから最近フィルターについてコメントを頂きましたが、実は最近どうしたら星雲を綺麗に撮れるかをずっと考えていて、私も同じような結論にたどり着きつつあるところです。今回の通り、暗いところでは電視もほとんど苦労しませんが、やはり明るいところではS/N比のNの部分が大きすぎるのでどうしようもないです。Sだけを単独に増やすのは難しいので、ナローバンドフィルターなどでNの部分を少しでも減らすという方向です。おそらく観望会と言われる行事は結構な街中など意外に明るい場所で行うことも多いので、淡い天体を映し出す方法をもう少し考える必要があると思います。


そういえば、今年5月に天体観測を初めてもう半年が経ったことに気づきました。このブログにもこれまでたくさんいろんなことを書いてきましたが、半年の間に色々楽しいことがありました。色々な方と知り合うこともできました。末長くこの趣味を続けることができたらと思っています。というか、まだまだやりたいことがありすぎで困っているところです。まだしばらくは加熱状態が続きそうです。
 

さらにこの日のリベンジで電視は「牛岳再び」続きます。。 


 

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