ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:バラ星雲


縞ノイズを時間的に見てみる

もしかしたら興味がある人もいるかと思い、縞ノイズを時間的に可視化してみました。先のバラ星雲の1日目のディザーなしで撮影した失敗画像約2時間ぶんの24枚を使っています。中心あたりの一部を拡大して見ています。といってもやったことは簡単で、ディザーなしで撮影した画像を、PixInsightで動画にしただけです。

Blink

これはガイドをしていても、たわみなどでガイド鏡と撮影鏡筒の相対的な視野が一方向にずれてしまうために起きます。それでももしノイズが完全にランダムなら、このように流れるようには見えないはずです。ノイズが流れて見えるということは、ノイズに時間的なコヒーレンスがあるということです。うーん、結構ありますね。あれだけの縞ノイズになるのもわかる気がします。

integration_DBE_PCC_AS_cut



縞ノイズ動画の作り方

さて、この動画の作り方です。今回縞ノイズを時間的にみる目的でしたが、このやり方覚えておくと色々応用が効きそうです。基本的に、PixInsightを使います。
  1. 普通にBatchPreprocessing 処理などで進めます。
  2. master以下のregsteredフォルダに入っている、位置合わせまで終わって、Integrationする寸前のファイルを使います。ここまでは普通にDebayerしてStarAlignmentでも構いません。
  3. Blinkでそれらのファイルを開きます。
  4. とりあえずは、デフォルト機能の再生ボタン(右三角)を押すと確認できますが、順に動画のようになるように見せるだけです。オートストレッチもできるのでみやすくなります。カラーバランスが悪い場合は、RGBのリンクをオン/オフする「鎖マーク」のアイコンを押してください。
  5. Previewで一部を切り取るとその部分だけ拡大して見えます。
  6. それをBlink画面の右下の一番右端の撮影開始マークアイコンで動画にします。
  7. ffmpegがない場合は別途インストールしてください。
  8. ffmpegがインストールされていても、実行ファイルをフルパスで入れないとダメでした。/usr/local/bin/ffmpegとかいうことです。
  9. オプションは秒20コマのgifファイルにしたかったので、 -y -r 20 -i Blink%05d.png Blink.gifとしました。
このように結構簡単に動画を作ることができます。


M42の場合

もう一つ例です。TSA-120でM42を撮影した時のものです。約30分くらいの撮影時間で、枚数は14枚です。これはディザーもそうですが、ガイドさえもしてないので赤道儀の極軸の精度が悪くてずれていってしまっているものです。上のバラ星雲のように画像の一部ではなくて、ほぼ全体像を示しています。解像度はこのブログにアップできるように(一画像当たり5MBが制限)落としてあります。

Blink

縞ノイズの原因となるクールノイズなどに混ざって、おそらくバイアスノイズに相当する縦線のように見えるノイズも流れていることがわかります。基本的にランダムでないノイズは、全て縞ノイズになり得るだろうことがわかります。

これを普通にスタックすると下のように縞ノイズが盛大に出てくるわけです。

integration



バラ星雲のもそうですが、時間的にこれだけ明らかに変化しているのがわかるのなら、なんとか分離してペラっと一枚皮を剥ぐようにこのノイズだけ取れないですかね?

今回はAPT(Astro Photography Toos)とPHD2を使って、CMOSカメラでディザーをしながらガイド撮影をします。以前にもAPTを何度か試したのですが、いずれも長続きせず結局使わずじまいでした。


縞ノイズとディザー撮影

長時間露光撮影をしようとすると、ディザーが必要になります。たとえガイドをしていても、ガイド鏡や鏡筒のたわみなどでどうしても相対的にズレが生じてしまい、視野が1時間とかのオーダーだとかなりズレていってしまいます。その結果何が起きるかというと、画像処理の段階で盛大な縞ノイズ(縮緬ノイズ)に悩まされるわけです。前回の記事で紹介した4日間撮影したバラ星雲も、初日のガイドなしでは以下のような縞ノイズが画面全体に出てしまいました。



integration_DBE_PCC_AS_cut

この縞ノイズは多少の画像処理ではどうしようもありません。ある程度の軽減はできますが、少なくとも私は最終画像に持っていくまで影響のないくらいにすることができていません。

あぷらなーとさんが以前面白いアイデアで縞ノイズの除去に成功しています。その結果がFlatAidProに反映されているとのことなので、FlatAidProに通すことも一つの解です。無料版でも画像サイズ制限なしで使うことができます。今回実はFlaAidProで試して、細かい縞ノイズは結構きれいに消えたのですが、下の画像のように元画像で恒星中心などのサチりぎみの箇所が、流れたラインに沿って大きなスクラッチのようになってしまったので、今回は諦めました。

light_BINNING_1_integration_Preview01

なんだかんだ言って、縞ノイズを確実に解決するのは、ソフト側で苦労するよりは、今のところディザーが一番手軽なのかと思います。

さてディザー撮影ですが、一眼レフカメラの場合は、私は6DなのでBackyard EOSを使うことで、PHD2と連携してディザー撮影が簡単にできます。しかしながらCMOSカメラはこれまでほとんどSharpCapですませてきて、せいぜいlivestackで短時間撮影を重ねたくらいで、大した長時間撮影はまともにはしてきませんでした。今回COMSカメラでどうやってディザーを実現しようか色々と考えてみました。


SharpCapでのディザー撮影

最近のSharpCapはディザー撮影もサポートしていますが、なぜかこの機能livestackの中でのみ動きます。少し試したのですが、どうもまだこなれきっていないようで、ディザーをするタイミングを「何秒ごと」としか決められないようです。

ディザーのスタート自身は、そのフレームの撮影が終わるまで待っててくれるらしいのですが、ディザーをしている最中もカメラは動いていて撮影はし続けているようです。その間に撮影した画像はぶれてしまうために捨てざるを得ません。ディザーが止まって、そのフレームの撮影が終わってから改めて撮影を始めたフレームがやっと使える画像になります。マニュアルによると、ディザーの際中の画像はlivestackでスタックされることは無いと書いてあります。逆にいうとやはりディザー中も撮像は続けられていてその撮像時間を一枚だけ変えるとかはできないので、無駄になるとわかりつつもディザー後その画像の撮影終了時間が来るまで待つしかないということのようです。

具体的には、livestackの中の機能で、個々のフレームを全て保存するというオプションがあり、これをオンにするとlivestackモードでも通常の撮影のように使うことができます。問題は、短時間露光撮影ならまだそこまで無駄にはならないのですが、例えば5分とかの長時間露光をすると、数十秒のディーザーのために丸々5分の画像を取り終わるまで待って、次の画像を使うことになります。なのでディザーしている時間以上の露光時間で撮影する時には、撮影効率は必ず50%以下になってしまうというわけです。

基本的にはSharpCapのディザーはlivestackの中の一機能だけの役割で、せっかくスタックした画像をディザーで乱さないための機能ということになります。

うーん、さすがにこれはもったいないです。もっとうまいやり方があるのかもしれませんが、少なくとも私にはうまい回避方法が見つかりませんでした。何かいい方法があったら知りたいです。

とりあえず今回はCMOSカメラでの長時間露光をする必要があったので、この時点でSharpCapでのディザー撮影を諦め、兼ねてから使ってみたかったAPTに、少なくともCMOSカメラのディザー撮影に関しては、プラットフォームを移行することにしました。


APTのインストール

以前にもAPTのインストールについては書いていますし、日本語でも随所に解説されているので詳しくは書きませんが、ポイントや気づいたことをメモがてら書いておきます。

まず今回の目的で、ガイド撮影のためにPHD2は必須なので、これはインストールしておきます。

PHD2もそうですし、APTもそうなのですが、ソフト間と各機器を相互接続するためASCOM関連のソフトが必要になります。まずはASCOMプラットフォームをインストールしておきます。この際、.NET framework 3.5が必要になります。後でAPTをインストールするときに.NET framework 2.0が必要になるのですが、.NET framework 3.5は2.0も含んでいるのでAPTより先にASCOMをインストールしておいた方がいいです。.NET framework 3.5インストール後は一度Windowsの再起動が必須です。OS再起動後、再度ASCOMプラットフォームをインストールしてみてください。

ASCOMプラットフォームインストールさらに、もう一つ。のちにAPTのplate solvingで赤道儀をいじりたくなるはずなので、各メーカーに合った赤道儀用のASCOMドライバーも入れておきます。

あ、CMOSカメラを初めて使う場合は、カメラのドライバーも必要になります。これは各メーカーのページからダウンロードしてインストールすればいいと思います。例えばZWOならここです。同ページのASCOM用のドライバーですが、APTにおいてはもう必要無いようです。APTの履歴を見てみると2019年12月以前のバージョンのAPTでは、ZWO社のASIカメラはASCOMカメラとして認識されていたのですが、それ以降のバージョン3.82からはASIカメラをネイティブドライバーで動かすようになっているとのことです。

ここでやっとAPTダウンロードして、インストールします。とりあえずは評価用のデモ版でいいでしょう。デモ版でもほとんど全ての機能が使えます。ダウンロードと同じページに日本語化するファイルや、日本語のマニュアルもあるので便利です。これは星見屋のM店長がご尽力されたおかでです。

インストール完了後、さっそくカメラを繋いで立ち上げてみましょう。最初はわかりにくいので、昼間にやってみることをお勧めします。できるならこの時点で赤道儀もPCとケーブルで繋げておくといいでしょう。


APT動作のポイント

最低限ディザー撮影を始めるまでに必要なことを書いておきます。たくさんの機能があるのですが、必要なことはそれほど多くはありません。

まず立ち上げると自分が今いる位置の座標を聞かれます。デフォルトはグリニッジ天文台になっているので、実際に撮影する場所の緯度経度入れます。最初にめんどくさくてキャンセルしてしまった場合は、「Tools」タブの「APT Settings」から「Location」タブに切り替えて設定できます。

この「APT Settings」ですが、最初はほとんどいじる必要はないです。唯一いじったところが「Main」タブの「Images Path」くらいです。これもデフォルトでよければ触らなくてもいいです。少なくとも撮影まで持っていけます。

他にも「Tools」タブにはたくさんのボタンがありますが、ほとんどは使わなくても撮影までは辿りつけます。実際にはピント合わせの時に「Magnifier」を使ったくらいでしょうか。「LIve View」と合わせて星を拡大してピント合わせをしました。「Focus Aid」とかもあるのですが、拡大できなかったり、下手にスタックしてしまったりでピントを触った時のブレの影響が出てしまい、あまり使い勝手は良くなかったです。

CMOSカメラを繋いで、「Camera」タブから「Connect」を押すとカメラが動き出します。ガイド用にもカメラを繋いでいる場合、撮影用のカメラと合わせてCMOSカメラが2台になります。たまにガイドカメラが選択されてしまうことがあります。でもこれ結構気付きにくて、例えばピントを合わせようとしても全然星が見えなかったり、見えていても変化しないとかで、やっと気づいたりします。その場合は「Camera」タブの一番下の「Setting」ボタンから選択できます。

冷却する場合は下のほうにある「Cooling Aid」を「Warming Aid」が有用です。ゆっくりと冷やしたり温めたりするので、カメラへのショックが少ないでしょう。

とりあえずは赤道儀の自動導入で撮影したい天体を導入します。導入後の位置が多少目的のものとずれていても構いません。次の「goto++」で自動で位置調整できます。

「Gear」タブで赤道儀との接続をします。上で書いた赤道儀用のASCOMドライバーをインストールしてある必要があります。「Connect Scope」ボタンで赤道儀が接続できたら、早速同じエリアにある「Point Craft」を押してAPT最大の特徴のgoto++を試してみましょう。

ここで必要なことは、一番下の「Settings」ボタンを押して「PlateSolve 2」と「All Sky Plate Solver(ASPS)」をインストールしてきちんとパスを設定しておくこと。ダウンロードをどのページからすればいいかも、リンクが張ってあるのですぐにわかるかと思います。PlateSolve 2は本体と「UCAC3」のみでいいです。「APM」はなくても動きます。UCAC3はPlateSolve 2をインストールしたフォルダの中に入れてください。そうでない場合は一度PlateSolve 2を立ち上げて、FileメニューからUCAC3をインストールしたフォルダを指定する必要があります。これら2つのインストールはあらかじめ昼間に済ませておいた方がいいでしょう。

ここまででgoto++を試す準備ができたら、「Point Craft」スクリーンに戻って、「Objects」か「Scope Pos」を押してざっくりとした座標を入力します。大画面右上の「Shoot」ボタンで一枚撮影して「Solve」か「Blind」ボタンを押します。うまく解析が終わると、画面真ん中に丸が出てきます。「Sync」ボタンを押しておくと、今の位置が赤道儀に送られ同期し、その方向を向いていると認識します。

次に「Aim」ボタンを押すと別の丸が出てきて、マウスを移動したいところに持っていってクリックすると、2つ目の丸が移動します。その後「goto++」を押すと、その位置が中心になるように赤道儀を移動してくれます。勝手にもう一度撮影するので、本当にその位置に移動できたかどうかわかります。


ディザーガイド撮影

希望通りの構図になったらPHD2でガイドをはじめてください。そういえばPHD2の解説ってあまり詳しいのはしたことがないですね。ずっと昔まだ撮影を始めたばかりの時の記事がありますが、古くてあまり役にたたなさそうです。PHD2はHIROPONさんのページで解説されていますし、同ページから同じくHIROPONさんが書かれた日本語のマニュアルもあるので、特に問題はないと思います。

必要なのはPHD2で「ツール」(Tools)メニュー下の「Enable Server」をクリックしておくこと。これでAPTから自動的にディザー時にガイドを止めてくれるはずです。

APTでのディザーの設定は、「Gear」の赤道儀設定のとことにある「Guide」ボタンから。一番上の「Guiding Program」は「PHD」になっているので、今回は「PHD2」に変更。上から二番目の「Auto Dithering」はオンに。振幅がデフォルト値だと小さすぎて縞ノイズが回避できない可能性があるので、「Guiding Setting」スクリーンで、上から三番目の「Dithering Distance」をデフォルトの1から4くらいに大きくしておきます。これで準備完了です。

実際の撮影はメイン画面の「Camera」タブから「LIGHT PLANS」の「Test」とか選んで、横の「Edit」を押して、「Plan to edit」のところを「Add New Light Frame Plan」で新規プランを作って、露光時間とか枚数とか入れていきます。

PHD2がきちんとガイドをしているなら、あとはAPTの「Camera」タブの「Connect」ボタンのすぐ横の「Start」ボタンを押します。もし「Start」ボタンが押せない場合は、カメラが接続されていないとか
Live Viewがスタートしているとかです。「Camera」タブの「Connect」ボタンがきちんと「Disconnect(これが繋がっている状態を表してます)」になっているか、「Live View」ボタンの色が濃くなっていないか(ボタン背景が黒の場合がLiveViewがオフです。)確かめてみてください。正しい場合は「Start」ボタンの背景が濃くなっているはずです。

実際にディザーされているかどうかは、「Gear」タブの「Guide」のところに「(D)」が出ていれば大丈夫です。念のため何枚か撮ったら、「Img」タブで撮影できた画像をダブルクリックして、星がきちんと動いているか確認してみてください。


APTを使ってみての感想、SharpCapとの違いなど

実際にAPTを使ってみると、随分とSharpCapとのコンセプトの違いを感じます。撮影に特化した感じです。
  • 例えば、撮影した画像をできるだけ無駄にしない努力が随所にされているのは好感が持てます。保存形式は、プレビュー に当たる「Shoot」を除いて、基本Fits形式のみです。撮影中は必要のないボタンは押すことができないようになっています。ディザーもPHD2が動いていれば基本的にはデフォルトでオンになるので、オンにし忘れたとかで撮影画像を無駄にしなくて助かります。
  • SharpCapに比べるとAPTはディザーのオプションもしっかりしていますが、ディザーパターンは選べないようです。ランダムだけのようです。一方、PHD2にはランダムかスパイラルかを選べる項目があります。どちらが優先されるのでしょうか?まだよくわかっていません。
  • SharpCapとの違いを感じたのは、露光時間とゲインの調整がしにくいことでした。実際に移す画面は「Live View」ボタンを押せば見えるのですが、実際の露光時間とゲインは数字で打ち込むか、Ringy Thingyと呼ばれる小さな丸いジョグダイアルのようなもので合わせる必要があります。SharpCapのスライダーが秀逸だったことがわかります。
  • Live ViewはさすがにSharpCapの方がはるかに高機能です。パッと触っただけでも、APT側はカラーバランスが取れない、livestackは当然ないなどです。APTにもオートストレッチは一応あります。「Tool」タブの「Histogram」でヒストグラムを出し、「Auto-Str L」を推します。ただ、調整幅が少なく操作性がいまいち、かつこのヒストグラムも輝度しか見えなくて、カラー情報はわかりません。逆に言えば、写っている画面はあまり気にさせずに、撮影にすぐに入って欲しいという意図が感じられます。ShapCapの経験から行くと、カラーバランスによってはADCの範囲に入ったり入らなかったりするので、少し気になりますが、まあ大丈夫なのでしょう。
  • とにかくAPTは撮影に特化していると思っていいです。これと比べるとSharpCapの撮影へのこだわりはまだ中途半端に見えてしまいます。短時間撮影や、Live Stackを使ってのラッキーイメージ撮影など、ガイドを使わない撮影ならSharpCapの方がいいかもしれませんが、長時間撮影はAPTの方が遥かに向いています。逆に、APTで電視観望は無理だと思いました。カラーバランスが取れないとか炙り出しが全然甘いとかです。

APTとSharpCap2本のソフトを使いわけることで、撮影と電視観望の切り分けがきちんとできるようになるでしょう。


Demo版と有料版の違い

さてAPTですが、最初はデモ版を使っていました。無料のデモ版でもほとんどの機能は使えるようです。無料版でさえもこれだけの機能が使えるのは素晴らしいことです。

有料のフル版とのちがいはこのページの一番下の緑の字になっているところに載っています。少なくとも撮影を始めたばかりの人ならデモ版でも困るようなことはほとんどないでしょう。フル版で気になる機能はObject選択のところで星や星雲星団が見やすくなるかとか、PiontCraftの結果を残せれるかとかくらいでしょうか。無料版とあまりさをつけていないところはユーザーの間口を広げる意味でも好感が持てます。もっと使い込んでいく場合には撮影用のスクリプトとかも有料版のみサポートされているらしいので、違いが重要になってくるのかもしれません。

でもこれだけの機能にして18.7ユーロ。日本円にして2千円ちょっとなので、私は感謝の意味も込めてフル版にしました。ヒストリーを見てみると4ヶ月ほど前にZWOのカメラがネイティブでサポートされたとのことなので、いいタイミングだったかもしれません。そう言えば以前はASCOM経由でのカメラの接続確認画面がAPT画面の裏に隠れていて苦労したのですが、今回はカメラの接続は普通に行われていて特に困った覚えがないです。


まとめ

なかなか使うことができなかったAPTですが、今回CMOSカメラのディザー撮影という必要に迫られてやっと使うことができました。使ってみると素直なソフトで、操作性も悪くありません。何より、撮影画像をミスとかで無駄にしないという方針みたいなのが随所に見えたのは素晴らしいです。

これ以降、CMOSカメラでの長時間ディザーガイド撮影もどんどん進めていきたいと思っています。とりあえずはTSA-120とフラットナーにASI294MC Proをつけての撮影ですかね。


年末の土曜日、次の日もまだ仕事があったのですが、夜から晴れてきたので撮影開始です。ターゲットはバラ星雲。過去に何度か挑戦していますが、いまだに満足したのは撮れていなくて再チャレンジです。


天気は微妙

この日は天気予報では午後蔵から晴れる予定でした。でもずっと曇り空が続いていて、1時間天気予報も時間と共に曇りの時間が後ろに下がっていって、なかなか晴れません。夕方もダメ、夕食前にいったん晴れてご飯食べてから外に出るとまた一面曇り。のんびりして夜21時頃に出ると星は見えるけど薄曇り。22時過ぎにもう寝ようかと思って最後外に出ると、やっと晴れてました。すぐに準備を始めます。

機材

バラ星雲だと画角的に600mmとフルサイズでぴったりくらいなので、この日はいつものFS-60Qではなく、同じ600mmのFC-76を持ち出すことにしました。あの白濁レンズのFC-76です。

  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm、対物レンズが白濁) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEMII
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • フィルター: サイトロン QBP(Quad Band Pass) filter
  • 日時: 2019年12月29日0時52分-44時17分
  • 場所: 富山市下大久保
  • 月齢: 22.1、ほぼ下弦の月
  • 撮影対象: バラ星雲 (The Rosette Nebula 、NGC 2237-9, 2246、Caldwell 49)
  • 露光時間: 300秒 x 32枚 = 2時間40分

いつも通りSharpCapとASI178MCで赤道儀の極軸を合わせて、その後はコンパクトなStickPC上のBack Yard EOSで撮影、その画像をAll Sky Plate Solverで位置特定して、赤道儀の向きとの誤差をCarte du Cielにフィードバックして位置合わせをします。

でもここでトラブル。この状態でプレビューをすると何故か画面が流れています。PHD2で見ていてもターゲット性自身がどんどんずれていく始末。極軸の精度がものすごく悪いのか、赤道儀のトラッキングレートが恒星時以外になっていないか、ケーブルとか変なテンションはかかっていないかなど、いろいろチェックしましたがラチがあきません。諦めて最初からやろうと赤道儀をホームポジションにしようとしたのですが、何故か少しだけ動いてすぐに止まってしまいます。これは先日交換したバッテリーが悪いのかと一瞬疑いましたが、それも大丈夫そう。さらにCarte du Cielで自動導入しようとしても同じ様に少しだけ動いてすぐに止まってしまって、全然目的の天体まで行きません。何かおかしいです。

この時点でやっと、CMOSカメラからのガイドケーブルと、赤道儀のハントコントローラーにPCからつないであるケーブルを引き抜くと、きちんとホームポジションまで動くことが判明しました。どうも機械系のトラブルとかいうよりは、ソフト系のトラブルのようです。そもそもASCOMドライバーにBack Yard EOS、All Sky Plate Solver、Carte du Ciel、PHD2と合計4つのソフトがアクセスしています。一度全部落として、Back Yard EOSは立ち上げてもASCOMに接続させず、All Sky Plate Solver、Carte du CielだけASCOMに接続して位置特定と赤道美の位置合わせ、その後All Sky Plate Solver、Carte du Cielを落としてからPHD2でASCOMにつないでガイドとしたら、無事に動き出しました。やはり全部をASCOMに繋いでしまうと赤道儀の制御の取り合いになってしまう様です。

あ、あと位置合わせで少しトラブルがありました。All Sky Plate Solver、Carte du Cielどうしても位置のズレが出てしまいます。画角の横幅の5分の1くらいでしょうか、今回バラ星雲の中心がどうしてもずれてしまいます。何度やっても同じようになります。こちらは仕方ないので、マニュアルで少し動かして最終位置調整をしました。以前はこんなことはなかった気がしますが、また時間のある時にテストし直してみます。

トラブルで撮影開始個を遅くなってしまいましたが、その後の撮影は順調そのもの。QBPのおかげもあり、自宅でもISO3200で5分まで露光させられます。後は放っておいて寝るだけです。

あさ8時ころに片付けたのですが、赤道儀用のパワータンクは中のバッテリーを交換したこともあり、全く問題なく朝でも稼働していました。その一方、デジカメのバッテリーが朝の5時半頃に切れてしまっていました。でも朝方少し雲が出たようで、実際に使えたのは4時半頃の画像まで。2時間半以上撮影できたので十分な時間です。


画像処理

まずはJPG撮って出し一枚画像です。苦労した魔女の横顔と違い、一枚だけでも十分に見えています。

ROSE_LIGHT_6D_300s_3200_+5cc_20191229-02h10m36s201ms

今回は期待できそうなので、最初からフラットもダークも撮影しました。フラットはiPadのColor Screenというアプリで白色最大輝度にして、ISO100、露光時間100mm秒で100枚ほど撮っています。周辺減光とセンサーのゴミはほとんど回避できました。当然空から来る緩やかな被りは少し残るので、PixInsightのDBEで大まかに取り除きます。

ダークも温度をできるだけ合わせる様にしました。昼までのダーク撮影で、いつもは冷蔵庫や冷凍庫に入れたりするのですが、あまり冷えなかったり冷えすぎたりするので、今回はクーラーボックスに冷凍した補正剤を入れてカメラとStick PCごと突っ込みました。機材が濡れない様に注意が必要ですが、温度はそこそこ安定していたのでこれはいい方法ではないかと思いました。保冷剤の位置を調整することで温度もある程度調整することができます。Stick PCごと入れる理由は、BackYardEOSを走らせることができて、センサーの温度をファイル名に書き込むことができて、後から温度管理が楽になるからです。温度がばらつくこともあるので、今回5分のダークファイルを100枚以上撮影し、その中で適した温度のものを37枚選びました。

画像処理も順調そのもの。QBPのせいもあり、青色が出にくいのですが、バラ星雲の中心は青色が綺麗です。少し青色を強めに強調していますが、おそらくこれまででは最も満足のいくバラ星雲になったかと思います。魔女の横顔で苦労したときのテクニックも随所に生きています。


綺麗に出た!

結果を見てください。自宅撮影でこれです。バラの細かい構造も結構出ています。私的にはかなり満足です。やはり光害地だとQBPの効果絶大です。

masterLight_integration_DBE1_PCC_AS_all2c

あえて不満を言うと、QBPのせいか恒星のオレンジ色が出にくいこと。もう少し恒星をうまく際出させることが次の課題でしょうか。

ちなみに、かなり昔に同じ6Dで自宅撮影で撮ったのがこれです。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS1acut

2018年の3月なので1年半以上前です。違いはQBPだけのはずなのですが、本当に雲泥の差です。6Dもまだ使い始め、PixInsightも使い始めなので、もちろん慣れや画像処理の腕も違うと思いますが、こうやってみるとなんとか進化していますね。


まとめ

QBPって得意不得意があると思います。Hα領域は自然な色に近くなるので威力が発揮できるのかと思います。反面、青やオレンジは苦手な様で、自然な色に見せるためには画像処理でうまく補填してやる必要がありそうです。

魔女の横顔に引き続き、自宅で色々撮影ができる目処がついてきました。これくらい写るのなら、私的には今のところ満足です。もちろんうまく写るのは限定された天体だとは思いますが、できれば系外銀河まで自宅でうまく撮影できるようになればというのを目標にしたいと思います。


先日処理したバラ星雲ですが、HUQさんにfacebookで「ほとんどの星が白くなり、バラの中の青っぽい部分が無くなっている」との指摘を受けました。改めてみて見ると、白というよりは少し赤に近くて、確かに青っぽさはかけらもありません。リベンジと思って色を出すことだけにこだわりすぎて、赤を強くしすぎたのが一番の原因です。途中まではホワイトバランスにも気を使っていたのですが、やはり最後の味付けのところでイメージの色を表に出してしまう悪い癖があります。

いったんある程度処理した画像をfacebookにアップしましたが、やはりまだいろいろと欠点が見えまくっているので、これではだめになってしまうと猛省して再度画像処理をしてみました。特に今月号の天文ガイドにも星ナビにも見事なバラ星雲が掲載されていて、まったく太刀打ちできていない自分が情けなくなりました。


ダメな点
  • 恒星が白飛びしてしまっている。実はあまりこれまで白飛びを気にしていなかったのですが、やはり白飛びはダメだと改めて考えることにします。露光時間を変えることでHDRの効果を狙うのはありかと思いますが、今回は撮っていなかったので、これ以降短時間露光を取っておく癖をつけようと思います。
  • フラットがうまくいかない。フラット補正をしても、どうしても周辺減光が残ってしまいます。ぱっと見はうまくいっているようでわかりにくいのですが、炙り出していく過程ではっきりしてきます。上の隅なのですが、右と左で違っていて、片方は明るすぎでもう片方は暗すぎとかです。さらに、なだらかな周辺減光というよりは、境がはっきりしていて、途中まで暗くなって、そこの境で折れ曲がるように明るい方向に向かうなどです。一緒の日に撮ったマルカリアンでは問題なく補正できているみたいです。
  • バラ星雲中心付近の青が何も出ていない点。
  • 小さい画像で見るといいのですが、拡大するとボロが顕著に目立ちます。粒状感があり、それをごまかすためにNik Collectionでノイズ除去をしているので、のっぺりしてしまっています。決定的なのは、月が出ているあまりよくない環境で撮ったとことと、露光時間がまだまだ足りないことかと思います。マルカリアン撮影前の練習というのは単なる言い訳で、きちんとやるなら時間を選ぶことは必須です。今回は画像処理だけではどうしようもないので、再度もっと暗いところで撮影したいと思います。将来印刷まですることを考えると、拡大に耐え得る画像にしたいです。


疑問点
  • フラットフレーム自身はたぶんうまく撮れているはず。なのになぜ完全に除去できないのか?フラットのオフセットが必要なのか?
  • ベイヤーRGB変換はバッチ処理ができないので、多量の枚数を一枚一枚変換しなくてはならないが、コンポジットした後にRGB変換するのはダメなのか?
  • レベル補正はどこまで追い込んだらいいのか?特にステライメージからPhotoshopに渡すときに、あらかじめかなり切り詰めて色を強調しておいたらいいのか、多少余裕をもってPhotoshop上で切り詰めたらいいのかのさじ加減がわからない。
  • デジタル現像の際のパラメーターはデフォルトのままでいいのか?星雲の明るさを犠牲にして白とびを抑えることに主眼を置いた方がいいのか、ある程度白とびを犠牲にしてこの段階で星雲の色を出しておいた方がいいのか?



問題ないと思っている点
  • ダーク補正は問題なさそう。
  • ホット/クールピクセル除去はやっておいた方がいい。
  • Nik collectionは強力すぎるきらいもあるが、うまく使うと非常に効果が高い。特にDfine2でのノイズ除去は粒状感が取れるので今回は良しとする。Color Efex Pro 4の一つ目のコントラストと、二つ目のコントラストもかなりフレキシブルで、思った通りの色が出やすい。



ダーク処理まではこれまでのやり方の通りで完了しているものとします。

フラット補正

前回の記事で詳しく検証してます。


ホット/クールピクセル除去、コンポジットも通常通り行います。コンポジットの際、どうも星像が流れていくのは多少は平均化されて目立たなくなるようなので、今回は色の方を重視し、前回失敗だと判断した21枚を新たに加え、計57枚でコンポジットしました。

今回の記事はここからが本番です。


レベル補正

ステライメージ7上でレベル補正で星雲部分を炙り出します。ホワイトバランスもここで整えます。

まず適当にRGBでヒストグラムのピークあたりを拡大して星雲をあぶり出します。どこまでやるか悩ましいところですが、暗い側はとりあえずヒストグラムのピークから下の斜めの傾きを伸ばしたところらへんまで、下の三角を持って来ます。明るい側は色が出てくるくらいまでかなり攻めます。

IMG_1253


次にホワイトバランスを整えます。簡単にはステライメージのオートストレッチ機能を使ってもいいのですが、狂うこともよくあるので、レベル補正で合わせた方が確実です。基本的にはヒストグラムの3色のピークの位置を合わせることと、ピークの左側で3色がどこか一点で交わるようにすることです。

IMG_1254


この時点恒星は飛んでしまっていますが、次のデジタル現像で復元するのでよしとします。


カブリ、周辺減光補正

これもステライメージでの作業です。フラット補正で補正しきれなかったところを手動で補正します。最初のころはポイント指定でやっていたのですが、今はラインでやっています。ただラインの場合はなれないとうまくいかないこともあるので、ある程度訓練が必要です。なれないうちはポイントの方が楽かもしれませんが、これもなかなか思った通りに行ってくれないことが多いです。

まずはカブリ補正で上下と

IMG_1255


左右のアンバランスを取り除きます。

IMG_1256


ただし、上と下で、左右方向のカブリが反転しているなど、複雑なカブリは取り除くことができません。こう言った場合はポイント指定を使うしかないですが、これも思った通りにいかない場合も多く、限界があります。

次に周辺減光をラインで取り除きます。

IMG_1257


上の画像のように、画面の上側に合わせて周辺減光をフィットさせると、画面下側では合わなかったりするので、ラインでやれることは限られています。たとえば下の二隅は変化させず、上の二隅だけ補正するというようなことや、左右だけ補正して、上下方向は補正しないというようなことは原理的にできません。そのような場合にはポイント指定で逃げきるしかありません。



デジタル現像

ここで恒星が白とびしないよう、相当気を使います。上の右側の三角を右に持っていくと白飛びを防ぐ方向に行きます。星雲は多少暗く、眠くなってしまいますが、後でまた炙り出せるので、ここでは恒星の白とびを防ぐことに主眼を置きます。

IMG_1260



ここまでがステライメージの役割です。これ以降はPhotoshopに移ります。データをtiff形式で保存します。



トーンカーブ

Photoshopに移ってからは基本的にはレベル調整は階調を損してしまうことが多いので使いません。これはステライメージと違って、レベル補正が不可逆だからです。その代わりにトーンカーブで色を明るい領域まで持っていきます。とはいっても、最近は次のNik collectionの下準備のようになってしまっています。

トーンカーブでは暗いところをより暗くし、中間域を持ち上げ、明るいところはそのままにが原則です。イメージとしてはピークを明るい方に広げていくような感じです。

IMG_1261


もう一つトーンカーブの重要な役割に、崩れたホワイトを整えるというのがあります。色々処理していると途中ホワイトが崩れていることがよくあります。レベル補正は使いたくないので、トーンカーブでホワイトバランスを整えています。基本は同じく、3色のピーク位置を合わせることと、ピークよりくらい側で3色が交わる点を作ることです。



Nik collection

Nik collectionはPhotoshopで動くプラグインで、一年前は6万円くらいしてたものらしいのですが、現在は無料です。元の値段でも十分価値があると言ってもいいくらい強力なプラグインで、天体画像処理にとっても相当強力なツールです。今回使ったのは2種類で、
  • Color Efex Pro 4の2つ目のコントラスト
  • Dfine2
です。コントラストは二つあるのですが、二つ目の方が使いやすい印象です。


コントラスト一回目

実際の処理はコントラスト一回目の様子が

IMG_1262

になります(PCの画面を写真に撮っているので見にくいかもしれません)。パラメータを見てもらうとわかりますが、
  • 明るさ
  • コントラス
  • コントラスト
  • ソフトコントラスト
  • 彩度
とあり、特に最初のコントラストとソフトコントラストは恒星の明るさをあまり変えないので重宝します。彩度を上げますが、ホワイトバランスが崩れるので、Nikを出てから一度トーンカーブでホワイトを整えます。

ホワイトを整える前、Nikから出た直後の画像が以下、

x57_level_white_genkou_digital_nikcolorcontrast


ホワイトを整えた画像が以下になります。

x57_level_white_genkou_digital_nikcontrast_tonea


Dfine2

粒子状が目立つようになってから、Nik collectionのDfine2を、コントラストノイズ100%、カラーノイズ100%でかけます。これをノイズがあまり見えていない状態、例えばレベル補正より先にやってしまうと、あまり意味がなくなります。

Dfine2終了後の画像が以下です。拡大しないと違いはよくわからないです。

x57_level_white_genkou_digital_nikcontrast_tone_Dfine



コントラスト2回目

さらに2回目のコントラスト

IMG_1263

で相当色を出しています。多少きつめに出しておいて、下の写真のようにできたレイヤーの不透明度を変えることで微調整したりします。

IMG_1265


Nikから出た直後が下の画像です。

x57_level_white_genkou_digital_nikcont_tone_Dfine_Nikcont


ここでもホワイトバランスが崩れるので再びNikを出た後でトーンカーブで揃えます。ヒストグラムが複雑な形になってくるので、どうしても客観性がなくなり好みの色が多少入ってきます。ただしやはりこのままだとどうしても青が出ないので、トーンカーブで少しBlueを明るい側に移して強調しました。ついでに、GreenとRedも少しいじります。ここに一番好みが入ってきて、またホワイトバランスを崩す原因にもなるので注意です。

この時点でこのようになります。

x57_level_white_genkou_digital_nikcont_tone_Dfine_Nikcontr_tone



HDR合成

恒星が一部白飛びしているので、レベル補正などの処理をする前の明るい部分に情報が残っているファイルを開き、HDR合成をします。ただし、HUQさんが指摘した通り、そもそも撮影時のヒストグラムのピークが真ん中らへんまで来ているので、明るい方の階調があまりないです。本来なら短時間露光の写真を別で撮っておくべきでした。

マスク完了後、レイヤーの不透明度を調整します(PC画面を撮影したのでサチっているように見えますがが、実際の画像はさらにその下にあります)。

IMG_1266



HDR合成完了後の画像です。

x57_level_white_genkou_digital_nik_tone_Dfine_Nik_tone_HDR



最終調整

周辺減光がどうしても取りきれないところをNik collectionのコントロールポイントを使い、部分補正をします。粒状感がまだ残っていたので、もう一度Dfine2をかけました。その他青を少し強調、コントラストアップなど細かい調整を少しだけしています。

さらに画像を切り取って逆さまにして完成です。できた画像がこちらです。

final


C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月3日21時48分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x57枚 総露出114分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理



HUQさんの指摘から色々試すこと約一週間、前回よりは青色も出ているのと、白飛びもだいぶんましになったので、多少は良くなったのではないかと思いますが、それでもベテランの方々のバラ星雲とは比べるまでもないレベルです。改めて見比べると、今回の方が粒状感が増加してしまったのと、透明感が無いように見えます。

周辺減光など一部強引な部分修正もあるので、お絵かきの感も入るのですが、基本的に撮影した元画像が悪いと画像処理で苦労して、元画像がいいと画像処理はほとんどしなくても素晴らしい仕上がりになります。今回は月明かりがある中での撮影でしたので、最後までなかなか納得できず、やはり今一度リベンジ撮影をしたいと思います。

最後になりますが、とても長い記事になってしまい色々書いてきましたが、所詮天体写真の初心者が試行錯誤で書いていることなので、未熟な技術や、間違ったこともたくさんあることかと思います。どうか温かい目で見ていただき、コメントなどで指摘していただけるとありがたいです。




 

週末金曜土曜と撮影したバラ星雲とマルカリアンの銀河鎖の画像処理を日曜日の一日をかけてやってみました。基本的には以前書いた「画像処理(その1): 一連の工程を試す」に沿って進めました。フラットに関しては「画像処理 (その2): フラットフレーム」で検討したように、PCの真っ暗になる手前一段階明るい光を1秒露光、iso100で撮影したものに、フラットダーク補正をして使っています。

これまでフラットフレームをずっと前に作ったもので使いまわしていたのですが、今回新たに取り直しました。すると明らかに以前のものより黒い丸が増えていることがわかりました。以前からある黒丸もほとんどのものは残っていました。だんだん汚れていっているのがわかりますが、これはカメラのセンサーの汚れと思われるので、そのうちにクリーニングか、メンテナンスに出す必要がありそうです。

ダークファイルも今回240秒といままで取ったことのない時間にしてしまったために、ダークライブラリーがなくて、また冷蔵庫などを駆使して追加しました。撮影するときの露出時間はあまり種類を多くしない方がいいとやっと気づきました。


1. バラ星雲

前回色を出すのにかなり苦労をしたのですが、今回やっとある程度の色を出すことができました。それでもまだ少しざらざら感はあるので、もう少し撮影時間を延ばすか、より暗いところで撮影した方がいいかもしれません。次のマルカリアンの銀河鎖で気付いたのですが、Nik collectionのColor Effect Pro 4の「ディテール強調」を使うとザラザラ感が強調される傾向があります。もしかしたらこれが効いているのかもしれません。それでも月齢4日のさなかに自宅の庭で撮ったと思えば上出来ではないでしょうか。やっと1月6日以来のリベンジが果たせました。

final3

C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月3日21時48分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x36枚 総露出72分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


バラ星雲であと一つやってみたかったことがあります。

縦にするとドクロです。

final3bonepapa


でも、方向的にはこの向きの方が正しいみたいです。バラ星雲で縦向きってのもありなのでしょうか?



2. マルカリアンの銀河鎖

初めての銀河群の写真処理です。最初二日目に撮れた14枚だけで処理をしたのですが、枚数が足りないと判断し、初日に撮った23枚を追加して処理をしました。初日の文は結構星像が流れてしまっていると思っていたのですが、コンポジットしてしまうと多少ランダムに加わるので、一枚一枚で見るよりも流れは目立たなくなるようです。それよりも、きちんとカメラの角度を合わせていなかったので、日にちが変わった後は画角が少しずれてしまい、使える面積が少し小さくなってしまったのが惜しかったところです。やはりカメラの角度は簡単に合わすことができる仕組みを考えた方がいいと思いました。

あと、上でも既に書いたのですが、Nik collectionのcolorのディテール強調は銀河周りの滑らかなグラデーションを壊し、ざらざらにしてしまいます。やはり得意不得意があるみたいです。ここではNikはSharpner Pro 3: (1) RAW PresharpnerとDfine 2をメインにしました。背景の暗さが効いてくるので、Dfine 2の効果が結構大きかったです。できあがったものです。

MARKARIAN_edit2

Markarian's chain
撮影地: 富山県富山市, 2017年3月4日1時16分から23枚に2017年3月5日0時0分から14枚を追加
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出4分x37枚 総露出2時間28分
f200mmCanonレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


自分としてはこれは結構満足です。きちんと鎖型にもなっていますし、M87も入れることができました。実際結構な数の銀河がパッと見ただけでもたくさん確認できます。写っている銀河に印をつけると、

markarian_signed_final

拡大して見てもらうとわかりますが、PGCまで入れるとすごい数です。M: 3個、NGC:12個、IC:10個、PGCはまだまだ取りこぼしている分もありますが、写っている(さすがにうっすらと写っているものばかりですが)のを確認できただけで30個で、なんとトータル55個の銀河が写っています。


 

3月3日、やっと満足いくくらい、夜が晴れました。久しぶりの撮影で、かつ久しぶりのブログ記事更新です。

これまでも何度か多少いい天気の時もあったのですが、一部しか星が見えていなかったり、晴れていても満月に近かったり、晴れている日に限って出張で富山にいなかったり、ずっと曇りで寝る時間になって空を見たら晴れているのに気付いたのに次の日仕事で泣く泣くあきらめたりと、ここ2か月近く全く成果がなかったので、一晩中撮影できたのは本当に久しぶりです。

実は何日か前、夜中の1時半ころに目が覚めると星が出ていたので、そこからSWATで撮影しようとしたのですが、空はすっかり春の星座で、戸惑ってしまい極軸合わせと導入で最後までうまくいかず薄明で終了となりました。その時狙っていたのが乙女座の「マルカリアンの銀河鎖」と呼ばれている、たくさんの銀河が連なっている、いわば銀河で作る星座ともいえるものです。初めての春の星座なので、当然撮影も初めてで、というより、乙女座付近にたくさん銀河があるのは聞いていたのですが、実際のマルカリアンの銀河鎖という名前を知ったのは星座の本を買ったつい最近なので、SWATのマニュアル導入では私の腕では全く歯が立ちません。どこを見ているのか目印の星がないので暗くて全くわからないのです。ガイド鏡のレンズを短い焦点距離のものに代えたりして試しているうちに時間切れで、気づくと薄明の中夏の星座が出始めていました。


1. バラ星雲

昨晩はそんな中でのリベンジです。天気が良かったので夕方からはりきって自宅の庭で準備を準備を始めました。

機材はいつもの通りFS-60Q (f=600mm)、今回は導入で失敗しないように、安全策でSWATではなくAdvenced VXの自動導入を使うことにします。カメラはEOS 60Dを天体用改造したもの。ガイドはASI224MCに200mmのレンズを取り付けたものに、ソフトはPHD2を使っています。カメラ撮影補助のソフトにはBackyardEOSを使っています。

この日は月齢4日で大した明るさでもないですが、夜11時近くまで月が出ているのと、この季節だと乙女座が昇ってくるまで時間があるので、練習がてら前回不満があったバラ星雲で撮影を試しました。前回の撮影からの改良点は
  • ピント調整が減速機のおかげで7倍程度細かく合わせられるようになった。
  • 望遠鏡の固定が、ピント調整の時はスムーズに、固定時はより強固に固定できるようにした。
  • これまで50mmの短焦点レンズだったガイドレンズを交換した。その時使った娘のレンズをガイドレンズとして借りっぱなしにするのは流石に気がひけるので55mm-200mmのCanonのズームレンズを4000円台で見つけたので、ファインダーとガイドがある程度両立でき、かつガイドの精度が上がった。
  • リモートスティックPCのネットワークが安定になったので、自宅の温かい部屋の中からでも外の望遠鏡の付近に行っても快適に操作ができる。
バラ星雲でこれらの効果を確かめ、撮って出し画像でも星像が格段にシャープになっていることがわかりました。撮影時間ですが、前回画像処理に回したのは結局40分ほどでしたが、今回は2時間ほどは取れたのでこちらは期待できそうです。ただ、月明かりがあったのと、自宅での撮影なので、色は前回ほどはでないかもしれません。

FS-60Q (f=600mm)、 EOS60D改、iso3200、120秒の撮って出しjpgです。

ROSE_LIGHT_120s_3200iso_+12c_20170303-22h32m38s767ms

自宅、月明かりの悪条件ですが、うっすらとバラの形は見えています。前回の画像処理前の撮って出し画像と比べてもシャープさは格段に上がっているのがわかります。というより、いかに前回のがピンボケだったか、反省しきりです。こんなのを天文台の写真展に出したかと思うととても恥ずかしいです。今回の処理がうまくいったら入れ替えでしょうか。



1. マルカリアンの銀河鎖

こちらは多数の銀河という、完全に初挑戦の種類の天体です。焦点距離600mmとAPS-Cカメラで結構いい具合の範囲になります。最近構図の確認はStellariumに頼りきっています。手持ちのカメラやレンズ、レデューサーやバローなどを登録でき、どのくらいの範囲が見えるかがすぐにわかります。惜しむらくは、その構図を回転方向に調整しにくということ。デフォルトでは表示している画面に対して水平か、上が北になるかです。

さすがにAdvanced VXの自動導入は楽で、SWATでの苦労はなんだったんだというくらい簡単に導入できました。FS-60Q (f=600mm)、 EOS60D改、iso3200、240秒での撮って出しjpgを載せますが、これだけでも結構銀河の形が見えてしまっています。画像処理が楽しみです。

MARKARIAN_LIGHT_240s_3200iso_+12c_20170304-01h32m26s538ms_a


ただ、結構な率で星像が流れてしまっています。4分で50枚ほど撮ったのですが、下手すると2割くらいしか使えないかもしれません。ガイドは200mmなのですが、RMSで0.4-0.5ピクセルくらいなのであまりいいわけではありません。ピークは時として大きく揺れます。ずれは主に赤緯方向です。風のせいかと思っていますが、ちょっと謎です。


ところで、日本語でなぜ「マルカリア”ン”の銀河鎖」と言うのかと思っていました。「マルカリアン銀河鎖」か「マルカリアの銀河鎖」が正しいのかと思ってしまっていたのですが、英語名がMarkarian's chainなんですね。マルカリアさんではなくマルカリアンさんが見つけたというわけです。



今回の反省点は

  • ASI224MCが何度か認識されないことがありました。ケーブルを入れ替えたり、ドライバーも入れ替えたりしたのですが、そういった問題ではなく、不安定な様子です。結局何度かのPCのリブートで解決しました。
  • 小型無線LAN親機のSSIDのIPが169.254.113.86にどうしても固定されてしまう。iPadのWi-Fiを静的アドレスにして、169.254.113.XXなどの同じセグメントにして、host名でアクセスすることでやっとアクセスできました。この際、DHCPは親機がルーターの機能を持っていないので当然働かず、IPを直接指定しても接続できませんでした。要調査です。
  • 星が徐々にずれていく現象が見られました。ガイドのキャリブレーションでやっと気づいたのですが、Advanced VXが立ち上げ時追尾モードになっていない場合があります。あらわにトラックレートを恒星と指定してやればいいのですが、これまでもたまにこの現象が現れています。毎回気づくまで時間がかかるので、時間がもったいないです。
  • 今回初めて天頂越えでの連続撮影になりました。天頂を超えると追尾できなくなるようなので、再度天体を導入し、反転させなければなりません。ちょうど仮眠をとろうとしていた直前に流れ出して気づいたので、事なきを得ました。ここまではそれでもまだ良かったのですが、実はカメラの向きも反対になってしまうために、撮影した写真が上下反対になってしまうのです。最初これに気づかず、構図が合わないと悩んで結構時間を食ってしまいました。
  • マルカリアンの銀河鎖ですが、風のせいか、主に赤緯方向に結構ガイドが暴れました。非定期に数秒のスケールで暴れるので風かと思っているのですが、それほど強く吹いてなかった気もしています。ちょっと調査が必要かもしれません。
今回撮った写真は今日これから画像処理をします。どれだけ出てくるか、特にマルカリアンの銀河鎖はこれまで挑戦したことがなかった種類の天体なのでとても楽しみです。(追記: マルカリアンは次の日も撮影を続行しました。)


話は変わりますが、このブログを書いている最中に県天のK会長から電話があり、黒部の科学館で6月頃に天体写真の楽しみとかいうテーマで何人かで講演しないかというお話がありました。まだ初心者で大した経験もなくて、いつもトラブルで困っているのですが、そんな困っていることをネタにでも話せたらなと思います。今からとても楽しみです。

あと、いまさらながらに思うのですが、結局いまだにSWATで撮影に成功していません。もともと海外撮影のために準備しているのですが、なんとかして一つでも成功させないとと思っています。


昨晩は晴れていたのですが、よく見ると薄雲がかかっていたので再度の遠征は諦めて、夜中は前日楡原で撮ったM42とC49(バラ星雲)の画像処理をすることにしました。

画像処理をしていて気づいたことがいくつかありました。
  • まずM42、C49ともにピントがやはり甘かったです。今の回転つまみの精度だと安定してピントを合わせることが難しそうなので、これは早急に改善する必要があります。減速機がうまくとりつけられるといいのですが。
  • 1時間ほどの間のスタックをしたところ、どうも星像が左右(実際の空では上下)でずれてしまいます。一枚一枚よく見ると、時間とともに 右の星はより右に、左の星はより左に動いていっています。これは撮影準備に手間取ったため、かなり西の空の低い位置で撮影したのですが、 大気の厚みの違いによる屈折率変化のために起こったものかと思われます。特に、山に沈む直前の移動量が相対的に大きいので、10枚撮ったうちの最後の方は使うことを諦めました。ステライメージ7のスタックは平行移動と回転には対応しているのですが、拡大縮小は対応していません。PixInsightは各点の星が合うようにスタックしてくれるらしいので、そろそろ購入を本気で考える時期に来ているのかもしれません。
  • 今回は静止衛星の線がほとんど入りませんでした。西の空だから?謎です。
  • M42は以前が 2分x9枚で18分、今回は5分x7枚で35分なので、分子間雲を多少出すことはできました。ただしまだまだザラザラなので、もっと時間をかけて、今度は下弦の月以降に南天で撮ることにします。
  • C49は電視観望では何度も見ていましたが、改めて写真で撮って炙り出して見ると、思ったより薄いというのが感想です。露光時間ももちろんですが、今回は西の低い空は少し明るいので、もっと暗いところで南天で撮ろうと思います。

cut

M42 オリオン大星雲
撮影地: 富山県富山市楡原, 2017年1月7日2時31分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x7枚+3秒x10枚 総露出35分30秒
f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


 
C49_LIGHT_300s_3200iso_lowquality
 
C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市楡原, 2017年1月7日3時43分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x8枚 総露出40分
f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理
 

おとといに引き続き、天気が良かったので、再度牛岳電視観望を敢行しました。おとといはあまりにお客さんがいなかったので、富山県天文学会のメーリングリスト呼びかけて、しかも一般の方にも声をかけてくださいと、呼びかけてみました。

県天の人はMLで呼びかけに応えてくれたYさんと、一昨日に続いてYさんと、おととい飲んでいてこれなかったというOさんや、そのほか何人かの方が来てくれました。

肝心の一般の方ですが、やはり寒いのかイマイチでした。夜中頃まではほとんどさっぱりで、夜中過ぎから結構な方が来ていましたが、興味を引いてくれた方は一組だけでした。天文関連ではない一般のカメラマンの方達みたいで、星の写真を撮りに来ていたのですが、天体写真のことは逆にあまりご存じない様子でした。

実はこの方達が来た時点でもう結構遅くなってきたので、そろそろ終わりにしようかとしていたくらいだったのですが、比較的見やすいオリオン大星雲やアンドロメダ星雲とかを見せたらあまりに喜んでくれるので、私としても嬉しくなって、それからさらに5-6種類の天体を見ていただきました。しかも今回はFS-60はCCD、BKP200にはアイピースと、同一天体での電視とアイピースでの眼視も同時にしたので、比較した電視がより際立って良かったのかと思います。

自分でも久しぶりにアイピースで星雲をじっくり見たのですが、かなり見やすいオリオン大星雲でさえも当然色はついているわけもなく、うっすらとした、やはり字のごとく雲みたいで、改めて自分でもがっかりしてしまいました。やはり電視で星雲がその場で色付きで見えるというのは、一般の方にとっても随分インパクトがあることみたいで、その反応がわかったことだけでも大きな収穫でした。

ただし、この日の一番の問題は空が明るすぎたことです。一昨日に比べても圧倒的に明るく、透明度も相当イマイチでした。写真を撮っていた県天の人たちも、さすがに今日はすぐカブってしまうと嘆いていました。それでも夜中過ぎからなぜかオリオン座方向だけは暗くなり、ある程度まともに見ることができました。

電視のセットアップは一昨日と全く同じです。一昨日撮り忘れた機材のセットアップを写真で撮っておいたので、載せておきます。

IMG_0546

 
これだけのセットアップでも、車の中から機材を出して、電視で自動導入ができるまでにやはり1時間近くかかってしまいます。ここら辺をなんとか短縮もしくは簡略化できればと思っています。
 

この日も色々電視しまくったのですが、いくつかめぼしいものだけ載せておきます。あ、昨日SharpCapで画面を撮った映像で一般にする方法がわかったので、今回はパラメーターが載っていないものが多いですが、基本的には一昨日と同じ10秒露光、一部を除いてFS-60CBに0.5倍レデューサーで、焦点距離180mmです。画面一杯の天体は見ていて迫力があります。
 
1. M45、すばるです。もう何度も電視で見ています。透明度は悪くてもこのくらい見えます。

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2. NGC869, NGC884、ペルセウスの二重星団です。以前大長谷で16mmのCSマウントレンズで電視したのですが、残していなかったので、写しておきました。

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3. どこかの球状星団です。メモを残したのですが、PCが途中落ちてしまいメモがなくなって、結局どこだかわからなくなってしまいました。

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4. M33、さんかく座の系外星雲です。

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5. 今日の一番、IC434:馬頭星雲(右)とNGC2024:燃える木(左)です。ずっと見たいと思っていた天体の一つです。思ったより綺麗に馬の頭が出ました。

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6. NGC281、カシオペア座の散光星雲、通称パックマン星雲です。

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7. NGC7662、アンドロメダ座の青い雪だるまです。これのみBKP200でレデューサーが入っているので焦点距離400mmですが、思ったより輝度が高く露光時間を1秒程度にしてかなり暗くしています。もっと倍率を上げたほうがよかったかもしれません。

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8. M74、魚座の系外星雲です。

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9. 一昨日に引き続きバラ星雲です。
 
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10. 一昨日のリベンジET星雲です。星の数を減らしたらかなりETっぽく見えるようになりました。

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11. お客さんが去って、片付ける前にこれだけはと思って挑戦しました。バーナードループのリベンジですが、やはり難しい。30秒露光してもここら辺が限界で、途中で今日もPCのバッテリーが落ちて諦めました。何かかろうじてループらしきものの一部が見えるかというところでしょうか。やはりCSマウントの16mmだと色々不利です。

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結局この日は、県天の方も含めると結構な数の人が興味を持ってくれて、一人でも問題なく対応できることがわかりました。それもそれほど焦っているわけでもなく、結構画像出しに時間をかけながらじっくりと見ていただきました。写真に載せていないものもいくつか見ているので、一晩に10から20位は余裕で見ることができると思います。
 
見栄えがいい天体を選ぶのにこのページを参考にさせて頂いています。盛りだくさんで、まだ見切れていないものばかりです。

私が手持ちの機材でできる電視はここら辺が落とし所かなと思いました。当初の目標の観望会で色のついた星雲を来た人たちに見せてあげたいというのは完全にクリアーしていると思います。電視は、ある意味時間と見栄えが勝負なので、色々精度のことがおろそかになってきています。そろそろまた写真の方に戻ろうかなと思っています。(追記: 極軸合わせを経て2016年11月18日から写真をまた始めました。)



 

11月2日の休日前日、昼間の遠くの立山の見え具合から透明度が良さそうだったのと、天気も少しだけ雲が見えるくらいなので、18時30分くらいに娘と一緒に牛岳に向かって出発しました。

今日の目的は
  1. 一般のお客さんがいる時に、一人でどこまで電視観望で対応できるかを確認すること。
  2. Advanced VXを使って自動導入をした時の、電視観望との相性を確かめること。
  3. BKP200FS-60CBを亀の子状態にして同視野にして、0.5倍のレデューサーも用いて入れて、鏡筒2本、焦点距離3通りで、どの範囲を見ることができるかと、切り替えなどの対応ができるかの見通しをつけること。
  4. 条件のいい場所で電視観望でどこまで見ることができるのか、限界を確かめること。
  5. 寒いところでカップラーメンを食べるとどれだけおいしいか確かめること。
です。

19時過ぎに牛岳に到着、まだ誰も来ていません。最近ずっとタカハシのTG-SP赤道儀で軽さを満喫していたのですが、今日は久しぶりに気合を入れてAdvanced VX (以後AVXと略します)を準備しました。久しぶりに設置するとやはりその重さを実感します。やはり毎日見るには軽いに越したことはありません。赤道儀の上にBKP200を載せ、BKP200の上に自由雲台を付けて、アルカスイスプレートを下側につけてあるFS-60CBを亀の子状態にして載せます。

極軸調整のためにCCD (ASI224MC)をいつものようにFS-60CBの上につけるのですが、最初の難関が、SharpCapでの極軸調整が全く上手く行かないことです。CCDから出ているUSBケーブルが鏡筒に当たってしまうのでCCDを上下逆さまに取り付けているのですが、その影響かとも思い画像反転なども試したのですが、どれもSharpCap上では極の位置は認識されているようです。問題は赤系を90度回転させて赤道儀の調整ネジでSharpCapの指示通りに星を一致させた後、さらに赤系を適当に回転させると極と回転中心が全く一致しないのです。おそらく、赤系の回転軸中心と、CCDの位置が相当離れていることが原因の気がしますが、時間もないことなので諦めて結局AVXについている極軸望遠鏡で合わせました。精度はどうあれ一瞬で終わりました。SharpCapの極軸調整は一度きちんと精度まで検証(追記: ベータバージョンでバグ何か極軸関連でバグフィックスされたみたいです。)してみます。赤道儀の設定はツースターアラインメントで、さらに一つ追加するくらいで、今回の電視観望では十分な精度が出ました。

やっと準備も完了し、この時点で21時前だったでしょうか。その間に娘は寝袋ですっかり眠ってしまっていましたが、それからいろいろ試しました。

まずは、目的1のお客さんへの対応。これは大失敗でした。お客さんが誰も来ません。一般の人はカップルが一組タバコを吸いながら夜景を見て、星にはほとんど興味がなさそうで、5分も経たずにすぐに帰っていったのが唯一でした。あとは22時過ぎにこの間の大長谷でお世話になった、全然一般の人ではない富山県天文学会のYさんがやっと来ただけで、聞くところによると、寒くなるとお客さんはほとんど来なくなるとのことでした。がっかりです。


目的2の自動導入と電視観望の相性ですが、これは思っていたよりはるかに効果的でした。輝度の高いM57などはまだしも、そもそも電視観望でもスタックしないと映りにくい淡い星雲などは、場所を特定するだけでも時間がかかってしまいます。このあと連続で写真を載せますが、自動導入で短時間で次から次へ映し出す星雲は圧巻です。


目的の3、2本の鏡筒(FS-60CB, BKP200)と、3通り(800mm, 400, 180mm)の焦点距離ですが、結局この日使ったのは180mmがほとんどと、小さく映ってしまう天体にだけ800mmを一部という結果でした。SharpCapの拡大機能を使えばこれくらいの焦点距離の差でも十分対応できます。むしろ焦点距離の種類を多くしてもピントを合わせ直す必要があり、それだけで時間がかかってしまいます。さらに、今はCCDが一台しかなく鏡筒間で使いまわしているので、その際レデューサーを外す手間などもあり、焦点距離の種類を減らすようなできるだけ時間をかけない方向が正しい気がしています。


さて、今回の目的の4、どこまで見えるかですが、こちらは大成功です。撮った順に見せて行きます。

1. まずはいつものM57。比較のために最初はFS-60CB+ASI224+0.5倍レデューサー (f=180mm)、次はBKP200+AI224 (f=800mm)です。ASI224のセンサーサイズが1/3インチ(4.8mm x 3.6mm)と小さいため、短焦点距離でも画角は小さく(拡大状態)なってしまうことに注意です。

f=180mmです。SharpCapの倍率は200%にしています。10秒露光でスタックをかけています。分解能がまだまだなのと、やはり少し暗いです。かろうじて色がついているとわかるくらいでしょうか。

IMG_0497


f=800mmです。SharpCapの倍率は100%です。上の10分の1の時間の1秒露光でスタックをかけています。さすがに口径200mmです。短い露光時間で十分に明るいです。

IMG_0499


2. 以前自宅でも撮った北アメリカ星雲です。f=180mmです。10秒露光でスタックをかけています。空がいいので、今回はSharpCapの画像調整もあまり大したことをしていません。前回より粒状感がなくなってより滑らかになっています。

IMG_0500


3. これもこれまでよく撮っているM27の亜鈴状星雲です。f=180mmです。10秒露光でスタックをかけていますが、スタック回数が2回なのでノイズが多いです。M27は輝度が十分なので、もっと露光時間を減らしてもいいかと思います。

IMG_0501



4. 次は以前自宅で一度撮った網状星雲です。f=180mmです。10秒露光でスタックをかけています。以前はなんとか見えるかといった状態でしたが、今回はかなりはっきりと出ています。

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5. M31アンドロメダ星雲です。f=180mm、10秒露光でスタックです。以前逃したM110がやっと映りました。画像調整でもう少し淡いところまで映すことができると思います。

IMG_0503


6. ここからいくつかは、自分でも初めて見たものばかりです。まずはNGC281、カシオペヤ座の散光星雲です。f=180mm、10秒露光でスタックです。

IMG_0504


7. NGC1499、カリフォルニア星雲です。f=180mm、10秒露光でスタックです。自分で見るのでは初見です。

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8. M42、プレアデス星団、和名すばるです。f=180mm、10秒露光でスタックです。少し青を強調しています。星間ガスも苦もなく見えています。

IMG_0508


9. M2、水瓶座の球状星団です。f=180mm、10秒露光でスタックです。粒々の星を出すのに、もう少しいいパラメータがある気がしています。球状星団はもう少し経験を積んだ方がいいかもしれません。これも初見です。

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10. NGC253、ちょうこくしつ座の渦巻銀河です。f=180mm、10秒露光でスタックです。自らは初見なのですが、とりあえず見て見たらあまりに簡単に見えたので写真に撮っておきました。建物に沈むギリギリです。牛岳山頂の欠点は南の空が建物で遮られていることです。少し降りたところにひらけたところがあるのですが、そこだとお客さんがあまり来ないので、今回はこちらの場所を選びました。でも結局ほとんど誰も来なかったので、場所を変えても同じだったのですが...。

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11. NGC457、カシオペア座の散開星団、別名ET星団です。初見ですが、面白い形なので、見て見たかった天体の一つです。f=180mm、10秒露光でスタックです。真ん中2つの星がETの目、腕が2本伸びているとのことです。ETと認識するためには少し星の数が多すぎたので、もう少し露光を絞った方が良かったかもしれません。

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12. M76、ペルセウス座の惑星状星雲です。小さいのでここでBKP200に切り替えてf=800mmにしました。露光は変わらず10秒です。後ろのモヤモヤも多少見えています。

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13. iPhoneのピントがぼけてしまいました。NGC40、ケフェウス座の惑星状星雲です。オレンジ色がよく出ています。これも小さいのでf=800mm、10秒露光でスタックです。

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14. NGC 2237-9,NGC 2246、Caldwell 49のバラ星雲です。またFS-60CBに戻してf=180mm、10秒露光スタックです。これも初見で、見たかったものの一つです。思ったより綺麗に出ました。

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15. M45、最近よく撮っているオリオン大星雲です。f=180mm、0.25秒での露光で十分です。スタックしていますが、スタックなしでもよく見えます。


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16. NGC2174、モンキー星雲です。上を向いた猿に見えます。f=180mm、10秒露光です。初見です。

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17. IC443、ふたご座にあるクラゲ星雲です。f=180mm、10秒露光です。初見です。そもそもICというのは初めてなのですが、インデックスカタログの略なんですね。


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下の子が写真を見て書いたアホな絵です。左はクラゲ星雲だそうです。上の「M1=かにせいうん」というのはメシエ天体を覚えようとしている努力のあとみたいです。

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18. 最後です。HUQさんに言われたバーナードループで、以前のコメント中にも書いていますが、自宅の庭からでは全く歯が立ちませんでした。そもそもかなりの広角なので、今回もASI224MCに16mmのCSマウントレンズを付けています。そのためフィルター類をつけることができずに、赤カブリがひどいです。10秒露光ですが、かろうじて何か見えているというところでしょうか。


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実はこれの前にもう少しはっきりした画面があったのですが、PCが低温でのバッテリー切れで電源が落ちてしまい、撮り逃してしまいました。しかも立ち上げ直したら右上の雲が迫ってきていて、最後ギリギリで撮ったものがこれです。これ以降は雲と、寒いのと、バッテリーがないのと、眠いので、諦めて撤収しました。この時点で午前1時くらいだったでしょうか。PCの電源は12V 5AhのPORTALACから100VのACに変換して充電しようとしていたのですが、どうもずっと充電できていなかったようです。自宅に帰ってからバッテリーを充電したら、1.7Ah分しか使っていないことが判明しました。ちなみにiPhoneは普通に充電できていました。その後、AVX用のバッテリーにAC100V変換をつないで、PCを充電したらできたので、PORTALACは少し不安定なのかもしれません。AVXバッテリーで最後のバーナードループを雲付きですが撮ることができたというわけです。


あ、目的5のカップラーメンですが、23時半頃に娘が起き出して、ポットに入っているお湯を注いで無事に食べることができました。娘はどん兵衛、私はカップヌードルシーフード味です。自宅で沸かして来たお湯を保温ポットに入れてきただけなのですが、それでもそこそこ温かく、少し麺は固かったですが、やはり寒い中でのカップラーメンは身にしみるほど美味しかったです。麺が固かったのは、焦って早く食べすぎただけかもしれません。


今回の撮った時間をまとめておきます。

1. M57: 21:05~21:15
2. カリフォルニア星雲: 21:31
3. 亜鈴状星雲: 21:34
4. 網状星雲: 21:37
5. アンドロメダ星雲: 21:44
6. カシオペヤ座散光星雲: 21:49
7. カリフォルニア星雲: 21:54
8. すばる: 22:07
9. M2 水瓶座の球状星団: 22:20
10. NGC253 ちょうこくしつ座渦巻銀河: 22:23
11. ET星団: 22:26
12. M76 ペルセウス座惑星状星雲: 22:40
13. NGC40 ケフェウス座惑星状星雲: 22:43
14. バラ星雲: 22:57
ここでしばらく話し込むのと、カップラーメンで休憩
15. オリオン大星雲: 0:03
16. モンキー星雲: 0:09
17. クラゲ星雲: 0:24
ここで電源トラブル
18. バーナードループ: 0:50

休憩とトラブルを除けば結構なペースかと思います。観望会で人が来ても十分対応できるのではと思います。Yさんと冗談で電視でメシエマラソンのドーピング部門も面白いのでは?と話していました。露光に10秒かかるのですが、自動導入だと一発で目的の天体まで行くので、スタックせずに流れる画面を見せて、10秒カウントしてもらうとかで結構待っている時間も楽しめるかと思います。画像が落ち着いたらスタックを始めると画像調整と相まって絵が浮き出て来ます。

(11/4 追記: 今回の経験もふまえてSharpCapの使い方のページを少しアップデートしておきました。その後自宅でベータバージョンの最新版にアップデートしてからいろいろいじっていたら(もしかしたら気づいていなかっただけでアップデート前からそうだったかもしれませんが)気づいたのですが、画面を最大化して、メニューやコントロールパネルを表示させなくする方法がありました。これで画面全体に天体を映し出すことができるので、ますます迫力ある映像になります。最近SharpCapの不満がほとんどなくなりつつあります。私の場合電視ではもう手放せません。)


今回の電視は途中バラ星雲くらいからYさんも加わり、色々話しながらあーだこーだ言いながら試していました。Yさんには片付けまで手伝ってもらいました。どうもありがとうございました。


まとめですが、結局今回の撮影から言えることは、空の暗さが一番重要だという、身も蓋もない結論です。状況のいい空ならば電視観望でも何も苦労しないです。高感度のCCDが手軽に手に入る時代になってきて、やっと電視観望というのが実用になりつつある今、やはりこの結論だと情けないです。

HUQさんから最近フィルターについてコメントを頂きましたが、実は最近どうしたら星雲を綺麗に撮れるかをずっと考えていて、私も同じような結論にたどり着きつつあるところです。今回の通り、暗いところでは電視もほとんど苦労しませんが、やはり明るいところではS/N比のNの部分が大きすぎるのでどうしようもないです。Sだけを単独に増やすのは難しいので、ナローバンドフィルターなどでNの部分を少しでも減らすという方向です。おそらく観望会と言われる行事は結構な街中など意外に明るい場所で行うことも多いので、淡い天体を映し出す方法をもう少し考える必要があると思います。


そういえば、今年5月に天体観測を初めてもう半年が経ったことに気づきました。このブログにもこれまでたくさんいろんなことを書いてきましたが、半年の間に色々楽しいことがありました。色々な方と知り合うこともできました。末長くこの趣味を続けることができたらと思っています。というか、まだまだやりたいことがありすぎで困っているところです。まだしばらくは加熱状態が続きそうです。
 

さらにこの日のリベンジで電視は「牛岳再び」続きます。。 


 

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