ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:ディザー

今週は週末に近づくにつれ、どんどん晴れてきました。透明度も良さそうです。少し月が沈むのが遅いですが、久しぶりの気合の入った撮影です。


久しぶりに気合を入れて準備

木曜の夜、仕事が終わってから少し撮影しようと準備したらすぐに曇って仕方なく撤収。しばらくして寝る直前に空を見たら快晴で、すごい透明度でした。でも次の日仕事もあるので、泣く泣く諦めることに。

金曜の夜も晴れてそうです。この日も昼間の立山を見る限り透明度はまだ良さそう。せっかく透明度がいいので、たまには暗いところに行こうと、機材を準備して車に荷物を積み込みました。と言っても、前回田んぼに映る天の川を撮ったところ。通勤途中を一本外れて山の上に向ったくらいで、自宅からも20分くらいの近距離です。

ターゲットはアンタレス付近です。焦点距離の短いカメラレンズにするか、FS-60CB+レデューサーにするか迷いました。2年前に同じ場所を撮影した時にはまだレデューサーも持っていなくて、フラットナーも旧タイプのもので撮影していました。まずは少し視野を広げた状態で撮ってみようと、FS-60CB+レデューサーを選びました。うまくいったら、いつかもう少し短い焦点距離のカメラレンズで少し広い視野で撮ってみようと思います。

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TSA-120用に用意したガイド鏡もつけたら、結構禍々しい機器になってしまいました。

このレデューサーをつけると、短いアダプターを外さないとピントが出ません。短いアダプターのところを鏡筒リングで固定していたので、それができなくなり、カメラ回転アダプターを内側に入れ込みその外につけたレデューサーを鏡筒アダプターで固定しなくてはいけません。暗いところでこれをやると難しいので、明るいうちにカメラの角度も含めて変更、調整しておくことがコツです。

月がしばらく明るいので出発までに少し仮眠をとります。22時頃、空を見ると少し雲がありますが、昨日のように途中から晴れることも十分あるのでとりあえず出発です。


自宅外での撮影でトラブル続出

現場に到着しましたが、月のある西方向は晴れ。でも肝心の東から南にかけて厚くはないですが雲がかかっています。少し迷いましたが、とりあえず設置を始めます。運良く設置途中からどんどん晴れてきて、全面快晴になりました。

ところが撮影準備の間、いくつかトラブルがあり撮影開始時間が結構ギリギリになってしまいました。
  1. 最近撮影用PCで活躍しているSurfaceでSharpCapのPolar Alignで極軸を取ります。N.I.N.Aで一眼レフカメラでまだ撮影したことがなかったので、今回挑戦しようと接続までしましたが、温度情報が読み取れなさそうなことに気づき諦めました。
  2. 仕方ないのでBackYard EOSに移ろうとしたら、SurfaceにはBackYard EOSがインストールされていないことに現場で気づき、急遽Stick PCに変更。
  3. Stick PCに交換し、BackYard EOSを立ち上げても、なぜかカメラを認識せず。BackYard EOSを再起動したり、PCを再起動したりで、気づいたのはUSBケーブルがまだSurfaceにつながったままだったこと。これだけで20分くらいロスしました。
  4. そのころにはアンタレスが南中を超え始めていたので、赤道儀を反転させたのですが、その後StickPCがネットワークに繋がらなくなりました。StickPCはモニターがないので、ネットワークに繋がってないと画面を見ることもできないのです。外に出た時はELECOMの小型ルーターを持っていっているのですが、とりあえず原因がわからず、PCを再起動してだめ、ルーターを再起動してやっとつながりました。これで10分くらいのロス。
結局トラブルだけで40分位のロスがあり、やっと撮影を始めたのが月が沈んだ30分くらい後の午前1時少し前でした。

でもその後は順調そのもの。以前この領域の長時間撮影で縞ノイズに悩まされたので、今回はPHD2でガイドしながら、BackYard EOSと組み合わせてディザー撮影をします。FS-60CBに0.72倍のレデューサーをつけるので、焦点距離は255mmでF4.3程度になりかなり明るくなります。なので、ISO800で露光時間180秒としました。

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風が多少強かったですが、CGEM IIに軽い鏡筒を載せているだけなので、多少ガイド信号は揺れますがこの短い焦点距離では問題にならないでしょう。一枚撮りでもすでに色が出ていますし、暗黒帯の暗い部分も見えています。期待できそうです。

IMG_0178

薄明までの2時間少し、意外にもちょっと寒いので基本的に車の中で待機です。その間にTwitterに投稿したり、ちょくちょく外に出て久しぶりの濃い天の川を満喫したりと、少し眠気もありましたが、すぐに時間が経ってしまいました。結局撮影できたのは1時間半分くらい。ディザーがそれぞれ1分くらいかかるので、少しもったいなかったです。途中、マニュアルで数枚に1回だけディザーするようにしました。

あ、そうえいば撮影中、なんでも名前解決の問題か何かでずっと天リフ接続できなくなっていて寂しかったです。普段いかに天リフを見ているか実感できました。

薄明開始の午前3時頃、実際に少し明るくなってきたのがわかり、ダウンロードされた画面を見ても背景の明るさが変わってきたので、ここで撤収としました。夏至の近くだと薄明までいてもまだ時間が早いので、寝る時間があるのがいいですね。片付け後すぐに車を走らせ、午前4時頃には自宅に到着し、そのまま寝てしまいました。

次の日、フラットとダークを撮影して画像処理です。フラットは昼間の自然光を利用して100枚ほど撮影しました。ダークは冷蔵庫と冷凍庫を利用して温度を調節しながら撮影。89枚撮影して、適当な温度に入った34枚を使いました。


画像処理

画像処理はいつものPixInsightで、今回はWeightedBatchPreprocessingを使ってみました。出始めの時に少し使いましたが、あまり変化がわからずその後はBatchPreprocessingでした。NiwaさんのブログでWeightedBatchPreprocessingについて詳しく解説されていたので、久しぶりに使ってみました。と言っても比較とかまではしていないのでただ使っただけです。

撮影したライトフレームは35枚で、全て使うことができました。あとは新たに撮影したフラット、ダークフレーム、使い回しのバイアスを使います。後はいつものStarNet++で分離してPhotoshopで処理です。今回は細部を残したかったのでDeNoise AIは無しです。


masterLight_EXPTIME_181_5_DBE_PCC_DBE_AS_all_PS8_cut

  • 撮影日: 2020年5月30日0時47分-3時11分
  • 撮影場所: 富山県富山市小糸
  • 鏡筒: FS-60CB+0.72倍専用レデューサー(合計焦点距離255mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO800, RAW)
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI178MCによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間180秒x35枚 = 1時間45分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC

透明度など条件が良かったこともあり、1時間半程度の露光時間でしたが、色もそこそこ出てるのでまあ満足です。暗黒帯もきれいに出ています。今回、思うところがあり、少し派手目にしてみましたがどうでしょうか?

反省点を挙げるなら、青と黄色はいいのですが、まだ赤の諧調が乏しいです。特に下の方の広い赤の領域はもう少し時間をかけたいところでしょうか。

Annotationです。少し文字を大きくして見やすくしてみました。あと今回気付いたのですが、文字の大きさとか変えて再度レンダリングすると、前の文字が残ってしまうようです。その場合、一度ImageSolveからやり直すとリセットされて、前の文字は出てこなくなります。

masterLight_EXPTIME_181_5_DBE_PCC_DBE_AS_all_PS8_cut_Annotated



ちなみに、2年前のものがこれです。

light_BINNING_1_integration_DBE_ABE_color_cut

この日も透明度は悪くない日でした。露光時間が51分で少し短いですが、あとの違いはレデューサーだけです。あ、ディーザーもやってなかったですね。やはり2年の間に色々と進化していると思います。この次の週に3時間撮影したのですが、

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_stretch_ps_cut

縞ノイズが酷くてあまりうまくいかなくて、その後、昨年は天気がよくなかったりとかで、なかなかチャンスがありませんでした。2年越しでディザーもできて縞ノイズも克服できて、やっとそこそこ満足です。


まとめ

自宅外での星雲撮影は久しぶりでした。特にこれだけカラフルな領域はフィルターがなかなか使えないので、やはり暗いところはいいです。天気も良く、透明度が良くて、月もなくて、次の日休みでとなると、年間でも何日もあるかどうか。まだやっと自粛ムードが解けたくらいで、遠征とまでは行きませんが、近征でもこれだけ色が出れば悪くない環境です。まあ、田舎暮らしの数少ないいいところでしょうか。


最近話題のNINAを試してみました。すごくいいです。試したのはVISACでM13を撮影したときです。


N.I.N.A.を使ってみた

そもそもAPTをまともに使い始めたばかりなのに、なんでNINAを使ってみたかというと、APTで少し不満があったからです。
  • Live viewの映像がうまくストレッチできない。
  • ピント合わせで拡大できない。
  • 撮影ごとのログが残らない。fitsに特化しているので、各ファイルの中に情報は含まれてますが、いちいちヘッダを見なくてはならないのが少し不満です。
  • 撮影中の設定が結構制限される。例えばカメラのカラーバランスやストレッチの設定など、撮影中も触りたいのにできない。(でも、撮影中に弄れたことも一度だけあるのですが、再現性無しです。不思議です。)
と言っても、上のように細かいことだけで、普通に撮影するだけならAPTは十分な機能を持っています。「今回の撮影は前と同じM13で、余裕があるので失敗してもいいからNINA試してみようか」くらいの気分でした。しかもNINAで上記不満が解決されたかというと、実はそうでもなく、せいぜいLive Viewがマシになったくらいでしょうか。

でもそれ以外にいい所がかなりあり、極めて順調に撮影までできたので、この記事を書いています。


N.I.N.A.のインストール

ダウンロードはここからです。

2020年5月13日現在、最新の安定バージョンは1.9ですが、事前情報から日本語を使うためにはベータバージョンを使う必要があり、Version 1.10 BETA002(5月16日の今日、アクセスしてみたらすでにBETA004になっています)をダウンロードしました。

Windows版のみ存在し、MacやLinux版はないようです。32ビット版と64ビット版がありますので、各自の環境に合わせて選択します。自分のWindowsが32ビットか64ビットか分からない場合はここなどを参考にして確認して下さい。

今回は64ビット版を使ってみましたが、注意事項が書いてあって、もしNINAの64ビット版を使う場合はASCOMも64ビット版を使う必要があるそうです。いくつかのASCOMドライバーは未だ32ビットのままなので、その場合は32ビット版を使うか、64ビット版のドライバーの開発を促してくれとか書いてあります。とりあえず今回の使用(一通りセットアップして、plate solvingして導入、長時間撮影とかするくらいまで)では64ビット版で困ることはありませんでしたが、たくさんの機器を繋いで本格的に稼働させるとかの人は32ビット版の方がいいのかも知れません。

インストールは普通にやれば特に困ることはないでしょう。


最初の設定

インストール後、起動して一番最初にやるべきことは左端アイコン群の一番下「オプション」の「一般」の設定でしょう。そもそも日本語になってないと「Options」の「Genaral」になっています。まずは、そこの「Language」を「Japanese(Japan)」に変えます。変えた瞬間に日本語に切り替わるのが素晴らしいです。でも後から再起動して気づいたのですが、細かいところ、例えば先ほどの「Japanese(Japan)」は再起動して初めて「日本語(日本)」に切り替わるので、全ての項目が瞬時に切り替わるわけではないようです。一応言語を切り替えたら、一旦終了して立ち上げ直した方がいいでしょう。

同じページで「天文測定学」(ちょっと訳が微妙ですが)で緯度、経度を写真のように「137.12」などという形式で「度と分だけを小数点で区切った形」で入れておくといいでしょう。後の「スカイアトラス」のところで正しく表示されるようになり、撮影時間などの目安を立てやすくなります。


IMG_0090

「オプション」「撮像」「画像ファイルパス」で、撮影した画像を保存する場所を指定できます。好みの適当なところにしておくといいでしょう。


機材の接続

最低限の設定がとりあえず終わったら、次は「機材」ページです。この時点で、必要な機器はケーブルなどで実際に接続しておいた方がいいでしょう。今回設定したものはカメラ、望遠鏡(赤道儀のこと)、ガイダーです。これら3つは接続すると縦に並ぶアイコン群の右下に小さな電源マークが出るので、何が接続されているのか一目で分かります。

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それぞれのページの一番上で接続したい機器を選択し、その右の電源マークのアイコンを押して「接続」します。例えばカメラなら、すでにカメラが接続されていれば上の写真のように「ZWO ASI294MC Pro」という選択肢が出てきます。カメラが繋がれていないとASCOMとかN.I.N.A.のシミュレーターカメラとかしか出てこないので注意です。もしきちんとカメラにケーブルをつないでいても、つないだカメラ名が出てこない場合は、接続アイコンの左の矢印が回っている「デバイスの再スキャン」を押すと再認識されて、選択肢として出てくることがあります。

うまくカメラが接続できると温度制御やゲインの設定などができるようになります。冷却は設定温度を決めて、右横の雪の結晶マークのアイコンを押すだけです。撮影終了時の昇温は下の炎マークのアイコンを押します。オフセットはダークファイルのオフセットより大きな値が入っていればいいのかと思います。通常数十とかでしょうか。ゲインは後の「撮像」のところで改めて設定するので、適当でいいです。


適当な天体の導入と、PHD2でオートガイド

とりあえず、赤道儀での自動導入でも、マニュアル導入でもいいので、撮影したい適当な天体を導入します。最初はテスト撮影だと思って下さい。NINA自身の導入機能「フレーミング」については次回の記事で説明します。

一旦撮影したい天体が導入できたら、PHD2を起動してオートガイドを始めます。その際ですが、PHD2で赤道儀に接続した時に出てくる4方向ボタンのの小さな画面が後で導入すうる時に便利になるので、できればボタンを押してきちんと赤道儀が反応するか確かめておくといいでしょう、

きちんとオートガイドされていることが確認できたら、「オプション」「ガイダー」で、PHD2に接続して下さい。もしかしたら自動的に認識されて、すでに接続された状態になっているかも知れません。もし選択肢にPHD2が出てこなかったら、「オプション」「機材」の右下の「ガイダー設定」できちんと「PHD2パス」が設定されているか確認してみて下さい。私は先にPHD2を動かしていて、うまく動いている状態でNINAを立ち上げたので、特に何も設定する必要はなかったですが、うまくいかない場合はここが設定画面になるはずです。

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うまくPH2Dが接続されると、ガイドされているグラフが「機材」「ガイダー」のところに表示されます。PHD2の制御情報がそのままNINAで表示されるのがすごいです。左の方の選択で、y軸、x軸の表示設定とともに、誤差の単位を変えることができます。下の写真ではピクセル単位にしています。概ね0.5ピクセル以内に収まっているでしょうか。

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ついでにここで、NINA上でも赤道儀との接続も済ませておきましょう。PHD2がうまく動いているなら、すでに赤道儀はPCと接続されているはずです。NINAの「オプション」「望遠鏡」で自分の赤道儀のドライバーを選択し、右の「接続ボタン」で接続します。

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撮像

次はNINA画面の左端アイコンの下から二番目「撮像」ページです。ここは盛り沢山で混乱しますが、最初は最低限の機能から試します。

IMG_0094

まずは右上の「撮像」パネルのところのシャッターマークの「露光開始」ボタンを押して一枚テスト撮影して見て下さい。その際、「露出時間」は適当に10秒くらい、「ビニング」は1x1、「ゲイン」は200から400くらいいいでしょう。これらの設定はテスト撮影の時のみ有効で、本撮影では別の設定項目があり、そことは独立に設定ができます。撮影中は左下に「撮像:露出中」とか出て、時間バーが動いていきます。一枚撮影すると画像が出てくるはずです。望遠鏡の蓋がきちんと外れていて、ピントも合っていて、何かターゲットが入っているはずなのに真っ暗な画面しか出てこない場合は、撮影画面の上の右側にあるアイコン群の真ん中の棒のようなマークの「画像の自動オートストレッチをトグルスイッチでオン/オフする(表示のみ)」を押して、ボタンが明るくなるのを確認して下さい。同時にオートストレッチが効いて撮影画面も明るくなり、星などが見えてくると思います。

右上の「撮像」パネルのカメラマークの「ライブビュー」も同様です。「露出時間」を1秒とかにして「オートストレッチ」をうまく使って、リアルタイムで連続してみることができます。ただ、この「ライブビュー」うまくいかないことが何度かありました。「ライブビュー」ボタンを押して「露光開始」を押してうまくいったときもあれば、画面の拡大率を変えてうまく行った時もあります。同様のことをしてエラーが出たこともあります。ライブビューはまだ少し不安定な気がします。

ちなみに、この撮像画面のパネル、入れ替えとかしてぐちゃぐちゃになってしまったら、「オプション」の「撮像」タブにいき、右下の「画面配置のリセット」でデフォルトの設定に戻すことができます。


シーケンス設定

次にNINA画面左のアイコン群の「シーケンス」を押します。撮影計画をここで設定します。最低限
  • トータル#
  • 時間
  • ゲイン
  • オフセット
  • デザリング
だけ設定すればいいでしょう。デザリングはデフォルトでオンになっているようですが(下の写真はオフになっています。この場合ボタンを押して「オン」と表示されるようにしてください。)、PHD2が動いていてサーバーモードになっていれば、これだけでデザリングもできてしまいます。

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ちなみに、ディザー量などは「オプション」「機材」の右下の「ガイダー設定」で設定します。

シーケンス画面の左上の「対象」のところの「ターゲット名称」のところに希望の天体名を打ち込むと候補が出てきます。例えば「M13」と入れると「Herucles Globular Cluster」と出てくるので、それをクリックします。すると何時頃が撮影どきかとかも知らせてくれます。これと関連して、NINA画面左のアイコン群の「スカイアトラス」でも同じようなことができます。

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これらの画面にある「ガイド開始」「対象の導入」「ターゲットをセンタリング」「シーケンスの対象として設定」「導入」などのボタンはまだ試していません。ここら辺を駆使すれば、時間がくれば自動的に導入して撮影を始めるとかができるのかと思います。ドームでの撮影などでは便利なのかも知れません。


いよいよ撮影開始

さて、最低限の撮影準備が整ったと思います。いよいよ本撮影です。

IMG_0094


左端アイコンの下から二番目「撮像」ページに戻り、右側真ん中の「シーケンス」パネルの三角の再生マーク「シーケンスを開始します」を押して下さい。撮影が開始され、順次右下の「画像履歴」パネルに撮影された画像が溜まっていくと思います。Windowsのエクスプローラで実際に保存先フォルダを見て、ファイルがきちんと保存されているか確かめて見ましょう。私は一番最初だけエラーメッセージが出て、ファイルが保存できないと言われました。これは撮影中に保存先を変更してしまったことなどが原因かと思われます。最初の一度きりで、それ以降はこのようなエラーはなく安定して撮影できました。

撮影時の注意事項ですがが、あえてシーケンスの「リセット」ボタンを押さないと、途中枚数からの撮影が続行されてしまいます。テスト撮影で止めてしまった時など、必要枚数に達しなくなる時があるので、本撮影を始める時は必ず「リセット」を忘れないようにします。左端アイコン「シーケンス」に行って、左下のアイコン群の左から三番目の矢印が回っているマークのアイコンを押すとまた0枚に戻ります。

とりあえずここまでで、最低限のディザーの撮影までできるかと思います。


使っての感想など

うーん、NINAかなりいいです。もちろんどのソフトがいいかは機能だけでなく、インターフェースとかの好みはあるでしょうし、安定性なども大きなファクターです。NINAはまだまだ開発がどんどん進んでいる段階で、しかも今回はベータ版にもかかわらず、一度も落ちることはありませんでした。実は立ち上げてから一度も終了することなく撮影までできてしまうくらい分かりやすいインターフェースでした。オープンソースでこれだけのものができるのは、開発者の方々にただただ感謝です。

ベータ版ですが、すでに日本語が選択できるところもありがたいです。日本語訳もおかしなところはほとんどありません。どなたか日本人の貢献者がいらっしゃるのかと思います。感謝いたします。


感想など、細かいところをいくつか。
  • オンオフボタンがわかりにくいです。オンとオフどちらを押してもスイッチが切り替わってしまいます。どうやらボタンのところに「オン」と出ていたら「現在はオンの状態」、「オフ」と出ていたら「現在はオフの状態」という意味のようです。
  • ライブスタックはSharpCapと比べると流石にまだまだですが、APTよりははるかにマシです。多少不安定なところもありましたが、最低限操作の通りには動いてくれます。
  • 結局撮影ごとのログは残せませんでした。全体のログは残せるがトラブル時以外はあまり有用ではなさそうです。
  • 撮影中もほとんどの設定を変更できるところがいい。
  • 非力なStickPCで試さなかったので、重いかどうかがわかりません。でもホームページには2GBで動くと書いてあるので、意外に軽いのかも知れません。

とりあえず今回はここまで。次回はもう少し応用編として、「プレーとソルブ」と「フレーミング」などについて解説します。実はもう試してはいて、プレートソルブは簡単だったのですが、フレーミングに少し手間取りました。お楽しみに。

多分このシリーズ、長くなります。普段の記事を全然長いと思っていない私が長くなると思っているので、多分本当に長くなります。試したいことがありすぎるので、書けるとこまで書きます。途中で力尽きたらごめんなさい。

今回縞ノイズの一つを、多分特定しました。最初に断っておきますが、限られた条件でのことかもしれません。この記事を読んで試してみても、全然効果がなかったと言う方もいるかもしれません。ですが幾らかの悩んでいる方の解決にはなると思います。私自身、他の方の環境でどうなるか興味があるというのもあります。

comp

この比較写真のように違います。左がこれまでの縞ノイズ、右が無くなった(実際には軽減された)場合です。以下、詳しく説明します。


バラ星雲で出た縞ノイズ

この間のEVOSTAR 72EDでのバラ星雲の撮影で、ディザーをしなかったために縞ノイズが出たという報告をしました。

integration_DBE_PCC_AS_cut


その後、上記の縞ノイズを可視化した記事を書きました。この動画は結構反響が大きかったので、ご覧になった方も多いかと思います。






なぜか突然縞ノイズが消えた!?

この後、もう少し縞ノイズの検証をしてみようとファイルをいじってみました。とりあえずシンプルなところからと思って、rawのlight frameをDebayerしてStarAlignmentだけして縞ノイズを再現しようとしたのです。ところがところが、縞ノイズが綺麗さっぱりなくなっています。

integration

拡大です。
integration_cut

え?
なんで?
全然縞ノイズ出てないじゃん!
せっかく縞ノイズの解析しようと思ってたのに!

さあ、ここからが戦いの始まりです。


PixInsight用語

今回、PixInsight (PI)用語がたくさん出てきます。PIに慣れていない方のために、簡単に解説しておきます。
  • PixInsight: 世界的に有名な天体画像処理ソフト。英語でものすごくとっつきにくいが、高機能。
  • BatchPrepocessing: 撮影したファイル(light, bias, dark, flatなどの各frame)を掘り込んでおけば、スタックまでボタン一発でやってくれる便利な機能。
  • master: bias, dark, flatなど、他数枚の補正ファイルを一度処理すると、スタックされた一枚のmasterというファイルをそれぞれ作ってくれる。以降はそれを使うと処理時間を削減できる。
  • ImageCalibration: BatchPrepocessingのような自動で処理する以外に、マニュアルでもっと細かくオプションを指定しながら処理する方法がある。これはbias, dark, flatなどの補正をマニュアルでする機能のこと。
  • Debayer: 同様にマニュアル処理の一つ。モノクロのBayer配列のRawファイルをカラー化すること。
  • StarAlignment: マニュアル処理の一つ。多数枚数の画像の星位置を合わせること。PIでは平行移動、回転にのみならず、画面を歪ませて星の位置をそれぞれ合わせることができる。
  • ImageInteglation: マニュアル処理の一つ。他数枚の画像をスタックすること。
  • ScreenTransferFunction: 簡易的にストレッチ(明るくすること)をする機能。見かけの表示のみをいじるので、ファイルには何の手も加えない。見かけを適用したい場合はHistgramTransfomationを使う。
  • Auto Stretch: ScreenTransferFunctionの一機能。あぶり出しのすんでいないまだ暗い画像などを、そこそこ見やすいように自動でストレッチする機能のこと。超便利。
  • DynamicBackgroundExtraction (DBE): 背景の被りや周辺減光などをソフト的に除去する機能。任意の補正点を指定できるので、星雲部分の補正を避けるなど細かい補正が可能。超便利。
  • AutomaticBackgroundExtraction (ABE): 背景の被りや周辺減光などをソフト的に除去する機能。細かい補正はできないが、大局的に補正してくれるので簡単で便利。
  • TVGDenoise: PI場で最強と言われているノイズ除去機能。

比較条件

今回検証するRAWファイルは全て同じです。他に共通撮影条件は
  • 鏡筒: SkyWatcher EVOSTAR 72ED + x0.72レデューザー、焦点距離300mm
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro
  • ガイド: ASI178MCと50mmのCマウントレンズをPHD2にて
  • 撮影条件: SharpCapでゲイン220、温度-15℃、露光時間300秒x20枚 = 1時間40分
  • ディザー: なし 
  • ファイル保存形式: RAW16bit、fits形式
  • フィルター: サイトロン QBP(アメリカンサイズ)
となります。

今回の検討を始める前までに、縞ノイズが出た時の処理と、出なかった時の処理の違いを書いておきます。処理は全てPI上でやっています。
  • 縞ノイズあり: BatchPreprocessingでbias補正、dark補正、flat補正を適用し、走らせた。
  • 縞ノイズなし: マニュアルでDebayer、StarAlignment、ImageInteglation。
この中に決定的な違いがあるはずです。以下、各補正ファイルの条件です。全てSharpCap上で撮影していて、最初の処理でmaster fileができるので、以降はそれを利用。
  • bias frame: ゲイン220、露光時間が最小の0.032ミリ秒で、100枚撮影。
  • dark frame: frat frame撮影後、片付けの後すぐに、家の中で撮影。ゲイン220、露光時間300秒、-15℃で、28枚撮影。
  • flat frame: light frame撮影後すぐに、鏡筒に状態でスーパーの白い袋を2重に被せて撮影。ゲイン220、露光時間300秒、-15℃で、7枚撮影。

処理結果に大きな違いが出ていて、検証材料も全て揃っているので、何が違いに影響しているのか順に検証していきます。


検証過程

ここからはほぼ実際にやった手順です。
  1. まず、再度BatchPreprocessingとマニュアル処理で再現性を確認。->きちんとBatchPreprocessingのときには縞ノイズ出て、マニュアル処理では出ないです。再現性はきちんとあります。
  2. 次に、一番怪しくないと思ったflat frameのみ適用させBatchPreprocessingで処理 -> 縞ノイズ出ます。「うーん、あんまり関係ないよな。」
  3. 次、一番怪しそうなbias framaのみを適用させBatchPreprocessingで処理 -> 縞ノイズ消えた!「そりゃbias必要でしょ。」
  4. 次、flatとbias frameを適用させBatchPreprocessingで処理 -> 縞ノイズ出ます。「あれ?flatあまり関係ないはずなのに。」-> ところが、ここでやっと思い違いに気づきます。今回、何も補正していない方が縞ノイズが出なくて、補正した方が縞ノイズが出たのでした。と言うことは、bias関係なしで、flatで縞ノイズ有無が決まっていることになります。え、本当?
  5. 確認で、darkとbias frameを適用させBatchPreprocessingで処理 -> 縞ノイズ出ません。「えー、ホントにdarkもbiasも関係ないよ!?」
  6. 念のため、darkのみ適用させBatchPreprocessingで処理 -> 縞ノイズ出ません。「確かにdark関係なし。」
  7. さらに念のため、master flatを使うのではなく、改めて個々のflat frameを使ってBatchPreprocessing処理 -> 縞ノイズ出る。「やっぱりflatが原因だ!」
  8. さらに、BatchPreprocessingが何か悪さをしている可能性も考えて、マニュアルのImageCalibrationを使ってflat処理だけしてみます->縞ノイズあり。「少なくともPIで処理する限りflatが悪さをしているのは確定でよさそう」


Flat補正をしない場合、本当に改善されているのか

確かに上の画像で見た通り、flat補正をしないと縞ノイズは無くなって見えているのですが、本当でしょうか?それぞれSTFでオートストレッチをしているのですが、本当に正確な比較をしているのか疑問になってきました。オートストレッチは星雲を含む背景の最大の輝度と最小の輝度から適用範囲が決まります。例えば、flat補正をしていない周辺減光のある画像ではあぶり出しも中途半端で、周辺減光のない平坦に近い画像では極限まで炙り出すことをするので、細かい差(この場合縞ノイズも含めて)をより浮き出させてくれます。

ここでは公平に比較するために、それぞれの画像にAutomaticBackgroundExtraction (ABE)を適用し、周辺減光の影響をできるだけ少なくして比較してみます。flat補正をしたものでもまだ明暗のばらつきは無視できないほど存在していて、ABEを適用することで多少の変化があります。それぞれABEをしてから、STFでオートストレッチをしています。

まず、flat補正ありの画像。

light_BINNING_1_integration_ABE

light_BINNING_1_integration_ABE_cut
これまで通り、縞ノイズは盛大に見えています。

次にflat補正しない場合。
integration_ABE

integration_ABE_cut

結局、周辺減光がABEで補正できる範囲を超えてしまっているので全然補正できていません。そのためオートストレッチ後、少し補正して目で見て、拡大部分の明るさをそこそこ合わせています。多少公平性は欠けてしまいましたが、それでも不公平になる程の違いは無いくらいにはなっているでしょう。結果はというと、flat補正なしであからさまに縞ノイズは改善されていますが、よく見るとやはり完全に無くなりきってはいないです。「相当軽減する」くらいは言っていいでしょうか。

この比較から、flat補正は縞ノイズの影響を悪化させていることは確からしいですが、完全には撮りきれないことから、それだけが原因というわけでもなさそうです。

実際の画像処理では背景はもう少し暗くなるので、flat補正なしにして、この程度の縞ノイズになるのなら個人的には許容範囲でしょうか。


Flat frameについて

でもここでふと我に返ります。でも今回使ったflatってそんなに変なの?

確認してみる限りごくごく普通のflatだと思います。master flatをAuto Stretchしたものです。(blogに載せるためのファイルサイズ制限で、bayer配列を無理にjpegにしているので、偽色が出てしまってノイジーに見えてしまっています。)
flat-BINNING_1

拡大です。pngなので、偽色とかは出ていないはずです。(画像サイズが小さいのでpngでもファイルサイズが大きくなり過ぎず、blogでもアップロードできます。)
flat-BINNING_1_cut

見ている限り、極々ノーマルで、ノイズが特別多いようにも思えません。

でも、master flatをdebayerしてAuto Stretchしてみると少し正体が見えてきます。
flat_BINNING_1_integration_RGB_VNG

拡大です。
flat_BINNING_1_integration_RGB_VNG_cut

カラー化すると結構ノイジーなのがわかります。なんだかカラーノイズと言われているものに似ています。これが固定ノイズとなって、星像を止めたときには逆に、この固定ノイズが流れるのでしょう。

でも本当にこれくらいのことであんなに盛大に縞ノイズが出てくるまで画像を悪化させるのでしょうか?だって直接処理しているのはlight frameの1枚1枚で、それに対してflat frameは枚数少ないとは言え7枚です。それが流れて見えるので、スタックした20枚:7枚でなく、1枚:7枚の比で比較してもいいような気がします。ここは少し疑問が残ります。


flat frameのノイズを改善してみたら?

本当にflatが効いているのか確認するためにもう少し試します。master flatにPI上でTVGDenoiseでノイズを減らしたflat frameを適用して処理してみました。その結果がこれです。
integration

拡大です。
integration_cut

わかりますでしょうか?多分拡大していない方がわかりやすいと思いますが、細かい縞ノイズが消えて、大きな構造の縞ノイズが出てきています。

この結果から考えられることは、flat frame自身でのノイズ除去があまりうまくいっていなくて、細かいカラーノイズが大きな構造のノイズになってしまったからです。

少なくとも、これらの結果からflat frameが縞ノイズに影響を与えているのは間違いないでしょう。ただし、あくまでこれも限られた環境、限られた条件下での話の可能性もあります。ここら辺は次回以降に検討してきます。


とりあえずのまとめ

どうも聞いていると、縞ノイズに困っている人と困っていない人がいるみたいです。なので、一概に今回の結果が正しいとは言えないと思いますが、flat補正の影響は私と同じような状況の人には朗報となるかもしれません。でもflatが原因の全てだなんていうことを言う気は全くありません。あくまで原因の一つであるのではないかということです。

いろいろ検索してみましたが、flat補正が縞ノイズの原因だとバッチリ書いてあるところは見つかりませんでした。むしろこれまで思っていた通り、flat補正をきちんとすると縞ノイズが解決できるはずだと書いてある記述はたくさん見つかりました。普通だとこちらのセンスの方が正しといと思ってしまうのは、ある意味ごくごく普通でしょう。そもそもなんでflat補正が縞ノイズに対してダメなのか、まだよくわかっていません。これからいろいろ検証していきたいところです。

今回、縞ノイズに対する根本的な解決策を示したわけではありませんが、状況によってはflat補正を外して画像処理することで、縞ノイズを軽減できる可能性があることがわかります。その上で、PIのABEやDBE、FlatAidProなどを使ってカブリや周辺減光を減らすことで対応する必要もあるでしょうか。この場合、ゴミやアンプグローなどは除去できません。

もう一つ重要なことはは、きちんとディザーをして散らすことでしょうか。多分縞ノイズって複合原因なんです。1方向に流さないようにすること。これが重要なのは変わりません。ディザーはおそらく根本解決の方法の一つです。


この記事まだまだ続きそうです。今回はバラ星雲での撮影のみ取り上げましたが、次回は過去に出た縞ノイズの場合なども検討してみたいと思います。

 

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