ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:タイムラプス

前回、LuSol-Guideというソフトを使い、太陽黒点まわりの撮影をオートガイドしながら撮影した記事を書きました。



今回は撮影したたくさんのserフォーマットの動画を元に、タイムラプス映像にする画像処理の話です。

内容的には以前まとめた太陽タイムラプス記事の続編ということになります。



大まかな概念は上のページに書いてあるので繰り返しませんが、他にガイドとタイムラプス映像にするための画像処理について主に書いてあります。

ガイドについてはFireCaptureの形状認識でしたが、これは時として太陽が画面外まで飛んでいってしまって、決して「戻らなくなる」のが問題でした。これについては前回のLuSol-Guideで別途ガイド鏡で太陽全体を見ながらガイドすることになったので、かなり解決されたはずです。

もう一つは、これまでうまくいってなかった画像処理時の動画にするときの「位置合わせ」です。hiroさんがImageJの強化版の「Fiji」というソフトを紹介してくれたため、今回位置合わせが完璧と言っていいくらいうまくいきました。



このFiji、バイオ系の顕微鏡画像処理などでよく使われているらしいのですが、ものすごく複雑で私はまだ全然細かいところまで見えていません。hiroさんが教えてくれた筋道をそのまま辿っただけです。hiroさんの説明はコメントに書かれているだけなので、改めてほぼコピペ状態でこのページにまとめておきます。わかりにくいところはコメントなどに書き込んでください。かなり便利なソフトのようなので私自身でもいろいろ検証してみたいと思います。

まずは、Fijiに行く前です。一番の問題は、AutoStakkart!3でスタックすると、画像サイズがバラバラになること。hiroさんがRegistaxで処理すると全ての画像サイズが同じになることを教えてくれました。久しぶりにResistaxでスタックをしてみたのですが、AS!3でスタックした場合に比べて細部だしの具合が甘くなってしまいます。おそらくこれは目立ったものが黒点しかないためです。AS!3はSurfaceというオプションで(例えば月の拡大のような)全面に広がったようなものも上手くスタックしてくれます。Registaxはもともと惑星撮影で発達したソフトで、アップデートが長い間されていなくて少し古いこともあるのか、今回のような光球面のスタックはうまく行ったりいかなかったりで、安定しないようです。

というわけで、今回もスタックにはAS!3を使い、その後違ったサイズで出てきた画像を以前の記事で書いたようにPhotoshopのアクションツールを使い、全てサイズを揃えます。

さらに今回、もう少し下処理をしました。各画像ごとの明るさの違い、ガイドの精度不足で黒点がブレたときの周辺減光の影響の違いを除去するために、PixInsightのABEを1次と4次で2回かけることにしました。他数枚の画像に同じ処理をするのは、そーなのかーさんのこの記事

を参考にさせていただきました。

背景補正が有ると無いとでは、仕上がったタイムラプス映像の見やすさが全然違い、細かい動きがよりみ見やすくなりました。光球面の動きはあまり目立ったものではないので、この下処理の効果は非常に大きいです。

さて、ここまで来てやっと今回の本題のFijiを使った位置合わせになります。基本的にはhiroさんが教えてくれた手順そのままで、少しだけ言葉を補足しています。
  1. FIJIを起動する。 
  2. 動画からスタック済みの一連の画像を選択し、FIJIの窓枠内にドロッする。 
  3. Plugins > Feature Extraction > Extract SIFT Correspondences を選択する。
  4. ポップアップ画面の最下部にexpectred trans Formation:[Affine]を選択しOKを押す。上手く行っていれば赤色の+マークが開いた画像の内の2枚に複数ついているはずです。 
  5. このまま続けて、Image>Stacks>Images to Stacke を選択し、ポップアップ画面のOKを押す。これで位置合わせ用として認識された複数の画像が一続きの要素として確定されます。 
  6. Stack画面の左下の▶を押すと、位置合わせ前の一連の画像がアニメとして動きます。 
  7. 更に続てけて、 Plugins > Registration > Linear Stack Alignment with SIFT を選択します。そして、expectred trans Formation:[Affine]を選択しOKを押す。 
  8. これで、位置合わせ完了です。画面の左下の▶を押すと位置合わせされた一連の画像を確認できます。 
  9. 動画から必要な部分だけ切り出したいときは、カーソルを画面を左上から右下へ動かすと選択できます。この後、Image>Crop を選択しOKで完了。 明るさとコントラストはImage>Adjust を選択すると調整バーが出てきます。 
  10. 保存は「File」->「Save as」->「Image Sequence」で、あとは好きなフォーマットで保存してください。
この位置合わせの威力は素晴らしく、これまでどんなソフトでやってもうまくいかなかった光球面の位置合わせがほぼ完璧にできてしまいます。その一方、おそらく今回は黒点があるから位置認識がうまく行っているのかと思います。純粋な光球面だけだとうまくいくかどうかはまだわかりません。

結果です。ブログでそのまま表示できるように少しサイズを切り詰めgifファイルに落とし込みました。

Blink3a

いかがでしょうか?今回はテスト撮影のつもりで、わずか1時間ぶん、60枚のタイムラプスです。プロミネンスは1分単位でもかなり激しく動くことは過去の記事のタイムラプス映像からもわかるかと思うのですが、光球面はこの時間スケールではほとんど動くことはないと思っていました。今回のタイムラプス映像を見てみると、実際ほとんど動いていない部分が大多数なのですが、一部黒点の右上くらいは1時間で激しく動いていることがわかります。これは全く予測していなくて、この動きの片鱗が少し見えたときは大興奮で、夜遅いにもかかわらずできるだけ見やすくしようとして、PixInsightのContainerに初挑戦してしまいました。

撮影条件を書いておくと、

鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
エタロン: Coronado P.S.T.
赤道儀: Celestron CGEM II
カメラ: ZWO ASI290MM
撮影ソフト: SharpCap 4.0 (64bit)
撮影時間: 2022/3/12 15時45分-16時44分 gain120-170, 1分おきに1ms x を5秒分、平均400フレーム程で1ファイルあたり1.7GBで合計60ショット。各動画の上位75%を使用。
画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCC、PixInsight、Fijiで位置合わせ、ffmpegで動画化。 

となります。

課題は、まだ細部出しの度合いが安定しないことです。同じ条件でとっても細部が出る場合とものすごくボケる場合の差がかなり激しいです。今回は全部同じ条件で処理したので、出ていないのもここに処理すればまだ細部が出る余地は残っているのかもしれませんが、今後のことも考え自動処理だけで済ませる方向で進めました。

この不安定な処理のため、最初は激しい動きのところも安定に取れていないからかとも疑いましたが、画像処理を進めるにつれどんどんはっきりしてきたので、おそらくこれはリアルに起こっている現象で間違いないかと思います。

あと、一枚画像をするときの最後のPhotoshopなどでの仕上げの細部出しに相当する部分があるのですが、今回はその過程を省いています。もしかしたらもう少しうまく出せるかもしれません。

もう一つは、まだ明るさが完全に言っていになっていなくて、動画にすると画面がチカチカしてしまいます。ここもまだ改良できるかと思います。

とりあえず今回はテスト撮影でしたが、それでも驚くほどの映像になりました。もう少しパラメータなど切り詰めて次回撮影に臨みたいと思います。

まだ夜に撮影した3天体の処理が全く進んでいません。今日の夜は入門講座の予定です。馬頭星雲とM100とM101、画像処理が終わってブログ記事にできるのはいつになることやら...?

 

最近太陽撮影でよくコメントをくれるhiroさんが、Lusol-Guideという太陽撮影でオートガイドを実現するソフトを見つけたと教えてくれました。私も試してみたので記事にしておきます。


なぜ太陽撮影にオートガイド?

太陽撮影は基本明るいので短時間で終わるためにオートガイドする必要はないのですが、プロミネンスの動きなどタイムラプス映像をするときにはオートガイドが欲しくなってしまいます。一番の理由はPSTなどの入門用太陽望遠鏡の場合、エタロンの精度があまりよくないため、画面内でHαの出方にムラができてまうことです。そのため撮影の位置がずれると後のタイムラプスの一コマ一コマで画像処理が一様にならなくて、動画の見栄えが悪くなってしまいます。

ところが、太陽のオートガイドはあまりいいのが無くて、例えばFireCaptureには撮影した画像にある物の形を認識してそれを保つように赤道儀に返すような機能もありますが、やはりどうしても途中で飛び跳ねたりして安定度がいまいちです。ここら辺の基本的な考え方や、hiroさんとのやり取りはこのページ

や、そこのコメント欄を追ってもらえるとわかるかと思います。


LuSol-Guide

さて、今回hiroさんによって発掘されたLuSol-Guideですが、2016年くらいに開発されたものでしょうか、もう結構古いもので、その後の開発は止まってしまっているようです。すでにhiroさんから同ページのコメント欄で結構うまくガイドできているとの報告がありますが、私も実際に使ってみました。

マニュアルがここにあります。


多少の癖があったり、使わないとわかりにくいところもありますので実際使用して気づいたことを書いておきます。


実際の使用記

まずガイド鏡を用意します。普通の夜の撮影で使うガイド今日で構いませんが、太陽光を軽減するフィルターを必ずつけてください。そうしないとカメラセンサーが焼けてしまうなどのダメージがあるので気をつけてください。

カメラですが、私は撮影用にASI290MM、ガイド様にもASI290MMを使いましたが、どうも同じカメラが2つというのは想定していない様で、Lusol-GuideかSharpCapのどちらかでカメラを動かすと、どちらかが止まってしまうという状況でした。仕方ないのでガイド用カメラをASI120MM miniにすると、すんなりと両方とも動ようになりました。

キャプチャ4


さて、操作手順です。
  1. 左下の「Camera」ところでガイドに使うカメラを選択し「Start」を押すと、ガイド鏡で映した画像が出てきます。横の「Setting」で適当なパラメータを設定してください。後で説明しますが、サチるくらいに明るくしたほうが安定するようです。
  2. 次に右上「Mount」のところの「Connect」で赤道儀に接続します。ASCOM platformと各自の赤道儀にあったドライバーなどはあらかじめインストールしておいてください。
  3. 右下の「Calibration」ボタンでキャリブレーションを始めます。ガイドカメラの縦横の向きは出来れば撮影カメラの縦横と合わせておいた方がいいでしょう。
  4. 1-2分待つとキャリブレーションが終わます。
これでガイド準備可能となりますがその後のパラメータがわかりにくいです。

  1. まずD.Minですが、これはこの値以下のピクセルのずれはガイドしないという意味のようです。言い換えるとPHD2のように、恒星の強度分布からピクセル以下の位置を推測する様な高度なことはしていなくて、1ピクセル単位のガイドが最も精度が良いということになります。なのでここの値は「0」が一番精度がいいです。撮影鏡筒の焦点距離が2000mm、ガイド鏡の焦点距離が120mmなので、2000/120 = 17と、ガイド鏡が1ピクセルずれるだけで撮影画像は17ピクセルと大きなずれになります。D.Minの値を「1」にすると、上下左右1ピクセルずれていても何もしないようなので、撮影画像では最高でも2ピクセル分の34ピクセルの精度になってしまいます。
  2. D.Maxはその値以上はガイドしないというだけなので、適当な値例えば50とか100で構わないようです。
  3. Agressivenessはデフォルトの5でいいみたいです。増やしすぎると発振することがありました。
  4. Thresholdがまたわかりにくいです。これは太陽の位置認識の感度のようです。小さくすると小さな円で、大きくすると大きな円でフィッティングするようです。明るさで判断しているので、この値を中途半端にすると少し明るさが変わっただけで円の大きさが大きく変わります。位置もそれに引きずられてブレるので、ブレの範囲を小さくするためには、カメラの設定を太陽がサチるくらい露光時間を長めかゲインを高めにしておいたほうがいいいみたいです。 
hiroさんがThresholdの値を高めに設定した方が安定すると書いてくれていたのは上のような理由からで、明るさの変化にあまり依存しないように、最大径でフィッティングした方が誤差が少ないからだろうと思われます。


実際のガイド精度

あとは特に説明しなくてもなんとかなるでしょう。ただ、上にも書いた通りもっとも精度が良くても撮影画像で17ピクセルの誤差があるので、かなり揺れます。風とかあるとガイドカメラでも数ピクセルずれることはあるので、撮影画像で50ピクセルくらいずれることはよくあります。それでもFireCaputureでのオートガイドとかよりはマシで、少なくとも飛んでいってしまう様なことはあまりありません。雲や電線など、ガイドカメラの像が不安定だと大きく揺れてしまいますが、それは仕方ないでしょう。


まとめと今後

とりあえず最低限の実用性はありそうです。もう少し精度を良くするためには、ガイド鏡の焦点距離を長くすることですが、太陽全体を見る必要があるのでより大きなセンサーサイズが必要になってきます。もしくはピクセルサイズのできるだけ小さいカメラをガイドカメラに使っても精度は上がりますが、ASI290MMもそこまで大きなピクセルサイズではないため、ピクセルサイズ側で大きく精度を向上させるのは難しそうです。

タイムラプスのための画像の位置合わせについては次回以降の記事で書くことにします。
 

2021年11月19日は、月の97.8%が欠ける限りなく皆既に近いと言われる月食です。前回の2021年5月26日の皆既月食は、ブログ記事にすることがほぼ何もないくらい雲が厚くて全滅でした。さて今回はどうなることやら。


準備

実は私、まだまともな月食の撮影はしたことがありません。星を初めてまだそこまで年数がたっていなくて、初の皆既月食は2018年でした。



同じ2018年にもう一度チャンスがありました。


この2回はいずれも雲に悩まされ、かろうじて雲越しの月を救い上げたか、皆既時には雲で撃沈だったりでした。その他部分月食の機会もありましたが、いずれも天気が悪かったりで、まだまともな撮影を実現できたことはありません。

そんな中、今回は北陸は天気が悪いとの予報だったので、もともとあまり気合は入らず、しかも月食当日の11月19日は平日で仕事もあるのであまりたいした準備もしていませんでした。でも当日になると予報に反して天気が良さそうです。仕事が終わってそれこそ超特急で準備をして、いつもの東が開けている近くの河原に陣取りました。とにかく時間がギリギリでした。

地平線(と言っても遠くの立山連峰が5度くらいの高さまでありますが)までひらけて見える前回の撮影場所にしようとしたのですが、冬の月に近いので出てくる位置が思ったより北に寄っていることに気づきました。そのため少し場所をずらし、月の出から見えるような位置に陣取りました。もう準備の途中ですでに肉眼でぼやけた、それでも既に欠けている月が見え始めているのに気づいてました。山の際の低空に雲があるため、最初は月が霞んでいたので、まだ少しだけ準備に時間をかけることができそうです。


機材1: 広角

まずは急いで、簡単な方の広角撮影の準備をします。EOS 6DとNikkor 50mmオールドレンズで月の出始めから月食終了まで1分ごとの連続撮影です。準備の間にやったことは
  1. 三脚にカメラをセットし、月を拡大してピントのチェック。
  2. 設定はF値2.8、露光1/5秒、ISO400で、かけている部分の模様が見えるくらいに。
  3. 画角のチェック。縦長で最下部に地面が入るように、かつ月が左端に来るように。これで月食終了時に月が右上のはずです。
1分ごとの撮影は、Magic Lanternのインターバル撮影の機能を使っています。バッテリーは長時間っ撮影でも電池切れにならない様に、2系統のUSBから電源を取得できる外部バッテリーを使っています。とりあえず撮影を始めて、月食が終わるまで3時間近く放っておきました。

その中から5分おきのものを抜き出して、比較明合成したものが以下になります。

StarStaX_IMG_6320-IMG_6480_lighten_5min

ちなみに1分ごとのものを全部合わせるとこうなります。

StarStaX_IMG_6320-IMG_6478_lighten

これをタイムラプス映像としてみると、


画像処理までして実感したこの撮影の反省です。1分という時間間隔はそこそこokです。それでもタイプラプスにするなら30秒の方がスムーズかもしれません。一番の問題は月食で欠けている部分に露光を合わせると、月の明るいところは完全に飽和してしまうことです。この写真も途中から露光を切り替えて、明るい部分の模様が見える様にした方が良かったかもしれません。でも長時間撮影なので、一度撮影を始めたら触りたくないんですよね。

そこで次回に向けて考えたのは、撮影は1分おきなので、その間に露光を3種類くらい変えればいいのではないかと思うのです。今回の設定と、2018年の7月の皆既月食のときの設定から考えて
  1. 明るい部分: F4、露光1/200秒、ISO100
  2. 今回の設定と等価F4、露光1/2.5秒、ISO400
  3. 欠けた部分: F4、露光1秒、ISO800
くらいでしょうか?

こういった複数の設定を繰り返すのは、いつも6Dで使うBackYardEOSはちょっと面倒かと思います。なので、NINAかSharpCapのASCOM接続とかになるのでしょうか、いずれ次回の月食までにテストしたいと思います。

あと50mmのもう少しいいレンズが欲しいですが、他にもほしいものがたくさんあり、なかなか優先度が上がりません。


機材2: FC-76での連続撮影

2台目は、FC-76 + ASI294MC + Advanced VXで、もう少し大きな月のタイムラプス映像と、地球の影を炙り出すために、5秒間のワンショットを1分おきに2時間半近く、合計150ショット近く撮影。撮影ソフトはFireCapture、露光時間は25ミリ秒でゲインが220です。5秒で70枚ほどが撮影されます。

画像処理ですが、AutoStakkert!3でスタック、あとはPhotoshopのアクションとLightroomの同期機能を使い、全数同じような処理をします。最大食だけは見やすいように少し目立つ処理をしました。

最大食時から前後20分おきの画像を並べてみました。フィルターなどは入れていません。

all_cut

参考にしたのはこのページです。



この位置に合う様に、月を一直線に並べていくと影がきちんと円を描きます。

FC-76での撮影も問題点は広角の場合と同じで、月食で欠けている部分に明るさを合わせると、月の明るいところは完全に飽和してしまうことです。なのでこちらも2種類か3種類程度に露光を変えるといいのかもしれません。今回、一つのファイルが1分のうち5秒撮影で1.5GB程度です。1時間で90GB、皆既月食の初めから終わりまでの約3時間撮ると270GBです。トータル1TBのディスクなので、1分に15秒までならなんとかぎりぎり撮影できそうです。

あとは追尾をどうするですが、かんたろうさん情報によると極軸の精度さえ出ていれば、追尾レートを太陽時に合わせておけば、比較明合成だけで位置が合うそうです。ただし、数時間にわたり位置がずれない様に極軸を合わせるのもなかなか大変なので、むしろ恒星時に合わせる様にガイド鏡とPHD2を使うのもいいのかもしれません。

太陽に合わせても、恒星に合わせても、いずれにせよ画面の中を走っていくので、ある程度の画角をあらかじめとっておくことが必要になります。

もう一つのやり方は、FireCaptureで形を認識してガイドした方がいいかのかもしれません。でも月食時に形が変わっても可能なのでしょうか?

この問題、位置がきちんと後から計算できるなら、月にある程度合うように撮影してしまえば楽です。もし太陽の見た目の位置と月の見た目の位置が情報としてわかっているなら、そして太陽、地球、月間の距離がわかっているなら、簡単な作図で計算できるのかもしれません。時間があるときにやってみようと思います。

FC-76では2時間半ほど撮影を続けたので、タイムラプス映像を作ることも可能です。でも撮影した全画像を見ると結構ずれてしまっていて、センター合わせがかなり難しいです。手動で合わせるには150枚近いのでさすがに大変。PIPPの位置合わせ機能を試しましたが、明るいところがサチっていると認識がうまくいかないようです。位置認識ソフトを自分で書くかどうか迷ってます。ハフ変換というのを使うと画像から円が認識できるらしいのですが、これでうまくいくのか?まだ処理で悩んでいるので、うまくいったら公開します。


極軸精度と月食撮影時のずれの見積もり

ついでなので、今の極軸の精度で足りるのかどうかザックリ見積もってみます。まず極軸の精度ですがSharpCapで50秒から1分角の精度がでます。誤差もあったりするので1分角としましょう。そうすると簡単な計算から、最大で4分間で1秒角ずれていくことになります。

 

1時間で25秒角、3時間で1分と15秒角ずれるというわけです。月の視直径が30分角くらいなので、これくらいなら大丈夫そうですね。やはり次回は十分な画角をとって太陽時で追尾でしょうか。


機材3: TSA-120による自由撮影

最後のセットアップは、TSA-120 + ASI294MC Pro(常温) + 35フラットナー + UV/IRカットフィルター +
CGEM IIで、画角いっぱいの月を自由な時に撮影するものです。SharpCapで25ミリ秒露光でゲインが220で100枚撮影をワンショットとします。

でもこの撮影画像、なかなか青い成分が出てこなくて、パッと処理しただけではターコイズフリンジらしいものが出てきません。明るい部分と暗い部分の境が出る様にかなり苦労して処理すると、青成分が含まれていることがわかりターコイズフリンジらしいものが見えてきます。

2021-11-19-0903_2_lapl5_ap3030_2_cut

でもかやはり無理をしている気がします。ここまで画像処理を必要とするほど大変なのでしょうか?

ネットに上がっている写真を見ると、ターコイズフリンジが全然出ていないものと、かなりはっきり出ているものに分かれている気がします。はっきり出ているのは簡単に出たものなのでしょうか?それとも私がやったようにかなり苦労したのでしょうか?

ここら辺でかなり迷走しました。この画像処理、月食の本来の色のことなど考えだすとものすごく長くなりそうなので顛末は別の記事で書きたいと思います。


まとめ

ある意味初のまともな月食撮影でした。でもやはり準備をさぼっていたため、いまいちだった感は否めません。今回の反省をもとに、次回はもう少し撮影体制を見直したいと思います。

それとは別に、ターコイズフリンジとタイムラプスでいまだに色々迷っています。既にかなり時間がかかっていますが、もう少し結果が出たらまたメモがてらですが、ブログ記事にしたいと思います。



2月11日、せっかくの晴れなのでこの日も太陽タイムラプス映像にチャレンジです。前日に同様の処理をやっていたので、ある程度繰り返しでできます。


プロミネンスをいくつか

でもこの日も黒点はなし。小さなプロミネンスがいくつかと、南西方向と、北東方向に少し大きめのプロミネンスが出ています。まずはプロミネンスをいくつか撮影。でもシンチレーションがそこまでいいわけではないので、処理も簡単に済ませました。明らかに手抜きなところも見えますが、ご容赦ください。

13_08_26_lapl4_ap2357_IP_cut

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  • 撮影日時: 2021/2/11 13:09-13:20
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.3beta (64bit)
  • 撮影条件: ser形式でgain 130-160, 1.25ms x 2000フレーム中上位60%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCとShapen AIで後処理

北東のカラー化したものを除いて、どれも結構淡いです。シンチレーションの成果、そこまで解像度はよくありません、それでもスピキュールくらいは見えています。
  • 面白いのは上から3番目のやつ。プロミネンスが浮かんでいます。おそらくこれ、前日に捻れてたプロミネンスが出てたので、それが千切れたのではないでしょうか。
  • 1枚目の右下のプロミネンスも淡いですがそこそこ大きくて、リング構造が見えています。
  • 一番下のはかなり淡いですが、高く飛び出しているのがわかります。
数は多いですが、どうもインパクトには欠けます。やはり黒点が待ち遠しいです。


プロミネンスのタイムラプス

続いてタイムラプス映像です。位置合わせは今回もImPPGがうまくいかず、結局Photoshoになりました。枚数も昨日と同程度なのでそこまで苦になりません。


最後にしたの方でなんどか火柱が立っています。メインのプロミネンスの動きはそれほどでもないですが、でも動画にしてみると動いているのがよくわかります。

でも今回のタイプラプス映像、1時間15分程度のものですが、撮影時間は13時半頃から14時半頃と、約3時間かけてます。でもその間に雲で遮られたり、ガイドがうまくいかなくてズレてしまったりで、その中の連続した一番長い1時間15分ぶんを切り出しています。しかも1回の撮影枚数を400枚くらいに増やしたら、1ファイルで1GB越え、これが180個くらいあって全体で200GBを超えています。一回でこれだけの量になると少し考えものです。週末の土日は晴れてましたが、新月木で夜の撮影もあるので、太陽は少し休憩です。

黒点が出たら超長時間の撮影で、黒点の変化をみてみたいです。5分おきで8時間分とかでしょうか。


お盆休暇の金曜日の夜、今夜も天気がいいです。前日の雲がかったペルセウス座流星群撮影は惨敗でした。



諦めきれずに、ペルセウス座流星群の3日目のチャレンジです。


ペルセウス座流星群、まだチャンスはあるか?

もう極大日から二日後ですが、もしかしたらまだ見えるかもと夕方からまた同じ場所に行きました。この日は18時半ごろに自宅を出て、19時頃から設置開始。すごい快晴です。透明度も良さそう。

IMG_0454
南西方向。雲ひとつない天気です。

この日はTSA-120でのM8の撮影がメインなのですが、この話は次回以降で。それとは別に前日と同じEOS 6Dでペルセウス座流星群を固定撮影。30秒露光で放っておきます。今回これで2時間弱の229枚撮影しましたが、残念ながら流星は一つも入らず。少し悔しいので、タイムラプス映像にしました。最近のタイムラプスは手抜きで撮って出しJPEGを、PixInsightのBlinkでオートストレッチだけして、そのままjpegで出力して、ffmpegで動画にしていただけでした。今回、周辺減光とレンズの歪みを直したくて、事前加工にLightroomを使いました。
  1. Lightroomでは「ファイル」メニューの「新規カタログ」で新しいカタログを作成します。
  2. カタログが開いたら「ライブラリ」タブで撮影した素材のcr2ファイルを全て読み込みます。
  3. どれか一枚加工してから「現像」タブの下のサムネイルを全て選択し、右下の方の「同期」でその設定を全てのファイルに適用します。
  4. その後、全てのファイルを選択した上で「ファイル」メニューの「書き出し」からjpgで書き出します。このとき、後にffmpegで動画変換することを考えて「ファイルの名前」で「編集」を選択。「ファイル名」-「連番(00001)」などと固定名と連番にすることです。連番も桁数をそろえるようにします。
ファイルが書き出されたらあとはそのフォルダに移動し、ffmpeg(インストールしていない場合は別途マニュアルでインストール)で

ffmpeg -y -r 25 -i test_%05d.jpg -vf scale=1290:-1 -b:v 20000k test.mp4

などとします。先ほどファイル名に連番を入れたのがここで効いてきます。サイズは1280とか1920などの規定値だとうまくいかないみたいなので、少しずらしてあります。ビットレートも200000kくらいだとスムーズになるようです。

出来上がったタイムラプスです。

下は未処理のJPEG画像を一枚ですが、Lightroomで事前加工した分雰囲気がだいぶん違っているのが渡ります。周辺減光がなくなり、ホワイトバランスもとって少し炙り出しています。Lightroomだとレンズプロファイルが入っているので、これくらいは簡単にできます。

IMG_7685

実は、動画の方もまだカブリが残っているので、PixInsightのABEのようなカブリ取りの機能を全ファイルに一度に適用する方法を探しています。ABEやDBEは基本的に一枚だけを加工するように作られているので、今のところ一枚一枚やるしかないみたいなので、今回は諦めました。


画角を変えてやっと撮れた!

まだ時間があったので、途中画角を変えて30分ほど撮った中に、そこまで大きくはないですがやっと多少まともな流星が入ったものを撮ることができました。前日と違って、雲も全くないです。ちょうど夏の大三角の真横に流れたので、画像処理して少しトリミングしました。

「ペルセウス座流星群2020」
IMG_7940_ABE_cut3
  • 撮影日: 2020年8月30日0時42分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造)
  • レンズ: Samyang 14mm F2.8
  • 撮影: ISO3200、露光時間30秒 
  • 画像処理: Photoshop CC、PixInsightでABE 
3日目のペルセウス座流星群ですが、やっとちょっと満足しました。できるなら来年は火球クラスをカメラに収めたいです。


 

ずーっと雨で何もできなくて、久しぶりのブログ更新です。今回は話題のネオワイズ彗星。いろんなことが人生初の経験でした。


ネオワイズ彗星!?

ネオワイズ彗星というのがなんかすごいことになっているらしいというのを、ぽちぽち目にするようになりました。最初はほとんど海外の情報です。と思っていたら梅雨時の日本でも、北海道とかで撮影できたとかいう報告が少しずつ上がってきました。なんでも夜中の3時頃、夜明け前です。

私もなんとか見てみたいと思い、夜中に起きたり、時には夜更かししてその時間まで起きたりしたのですが、とにかく富山はずーっと雨か曇り。富山晴れるか?という予報も数度ありましたが、結局自宅からは何も見えず。悶々とした日々を過ごしていました。

太陽への最接近を過ぎて、徐々に夕方にも見え始めたとの情報も出てきました。彗星は何故、朝ものすごく早くか、次は夕方からなのかと、眠い目を擦って思っていました。でもよく考えたら、太陽の近くに来てやっと尻尾が出るので、尻尾が長いうちは太陽のそばから離れず、それを見ようと思ったら朝と夕方なのは当たり前なんですよね。多分彗星を長年追っかけている人にとっては当たり前の事で、今回自分で見ようとして初めてこのことを意識しました。


彗星遠征決定、どこに行こう?

そんな折、どうやら7月16日の木曜日の夕方は少しだけ晴れそうだという予報。でも富山は少し怪しそうですが、少し足を伸ばせばなんとかなるかもしれません。この日は仕事もあまり忙しくなさそうなので、休暇をとって遠征することにしました。

北の能登半島の方と、南の岐阜の一部が晴れそうです。北に行くか、南に行くかかなり迷いました。SCWの局所予報で見ると21時頃までは同じでも、22時には能登半島に一部雲がかかるとの予報です。でも日本列島全体の大きなエリアで見ると南から雲が上がってくるような様子なので、外れることも多い局所予報にかかわらず、大局で見た方がいいという判断で能登方面に決めました。

同様に晴れた場合に北と南でどちらが得かも考えてみました。光害となる太陽との相対的な距離は変わらないので、南に行って早く太陽が沈もうが、北に行って太陽が沈む時間が遅くなろうが同等。ならば、北に見える彗星なので、沈む時間が遅く上ってくる時間が早い高緯度の北方向が得かもと思ったわけです。

いずれにせよ、天気も観測時間的にも北が得という判断です。ではどこまで行くか?天気予報だと半島の根本の方が晴れの確率が高そう。彗星が北西方向なので、能登半島の西側の方がいいということで、羽咋市らへんで探すことにしました。


とりあえず羽咋に向けて出発

とにかくここで出発。何日か前にも晴れそうな時に遠征しようとしていたので、準備はほぼできています。この時点で13時頃。現地まではゆっくり行っても3時間。まだ余裕はあります。

ところで皆さん、羽咋といえばコスモアイルはご存知でしょうか?宇宙をテーマにした大きな施設があります。

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2階より上の展示場やシアターは有料で、以前行ったことがあるので今回はパスですが、これもかなり凝っていて面白いです。1階部分には市の図書館があったりするので、多分これ市の施設だと思います。NASAから持ってきた宇宙船もあるとかですが、発起人が元市の職員だったとか書いてました。無料の一回だけ見ても面白くて所々に宇宙人がいます。

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コロナ禍では宇宙人も3蜜に気をつけているようです。

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北陸に来た際には2階展示スペースも含めて、ぜひ寄ってみてください。


撮影場所の決定

さて、夕方の彗星は北西方向に出るので、光害が南になるようにできるだけ羽咋の街から北に行ったほうがよさそうです。さらに羽咋の少し北に灯台があるようなので、少なくともそこよりは北に行ったほうがよさそうです。Google mapで見ると島のように出っ張っているところがあり、堤防などもあり漁港のような感じになっています。

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奥に漁港があります。

実際に行ってみると、漁業関係者以外の車は立ち入り禁止だったのと、航空写真ではわからなかった外灯があったので、そこから少し離れることにしました。漁港が南側になるように、数百メートルほど北に行った、コンクリートがあるところを陣取りました。

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左の海の向こうに見えるのが上の漁港です。

16時半ごろには場所が決まったのですが、雲が結構出ていて雨が降る可能性があったのと、日没までにまだ時間があったので、近くの、と言っても5kmくらい車で走ったコンビニに夕食を買いに行きました。簡単に食べられるようにおにぎりとおつまみだけです。でも結局忙しくて、食べるの忘れてしまうんです。


機材セットアップ

再び現場に戻り、まずは太陽が沈んでいくところをタイムラプスに収めようとセットしました。APS-CサイズのEOS 60DにPENTAX 6x7の75mm f4.5レンズをつけたものです。太陽が沈む瞬間、グリーンフラッシュが綺麗に見えました。ほんの1秒くらいだったでしょうか。ものの見事に緑色に輝いていました。残念ながらタイムラプスが20秒に一枚だったので、グリーンフラッシュの瞬間は撮影できませんでした。実はこのタイムラプス、後で書きますが画角的にネオワイズ彗星が全く入らずに完全に失敗だったので、動画クラスで撮影してグリーンフラッシュを納めておけばよかったと後で反省しました。

失敗なので公開してもしょうがないのですが、2時間もとっていたのでもったいないので動画にしてみました。雲がどれくらいあったかとか、星が出るまで気分を盛り上げる導入と思ってください。途中何度か露光を変えています。



もう一つ、こちらがメインなのですがFS-60CBと0.72倍のレデューサーで焦点距離255mmにして、天体改造済みのEOS 6Dでの撮影です。赤道儀は玄関に置いてあったCGEM IIをそのまま車に積み込んだものです。6cmの鏡筒にCGEM IIは大袈裟過ぎますが、自宅でも遠征でもそのまますぐに移動できるので、最近はこればかりです。これをコンクリート部分に設置します。

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撮影開始、でも導入が全然うまくいかない!

十分余裕を持ってセットして、日が沈むまで待っていました。だんだん暗くなってきて彗星を探しつつ導入しようとしましたが、全くうまく導入できません。導入なんかどうにかなるやとなめていて、完全に想定外でした。まだ結構明るいので、そもそもこの明るさで見えるかどうかもわかっていません。自動導入しようにもCGEM IIだけでは彗星のデータは入っていません。

仕方ないので、AZ-GTiを出して自動導入してみようと思いました。新機能で彗星導入が最近追加されたとのことです。SynScan Proをあらかじめアップデートしておいたたまではよかったのですが、何故かNEOWISEの2020年が出てこないのです。2018年まではきちんと出てきます。この時点でAZ-GTiも諦めます。(ちなみに、自宅に帰って試したらきちんと2020年のものまで出ました。もしかしたらデータのダウンロードにネットワーク接続が必要だったのかもしれません。)

次に感度が十分な電視観望で見てやればいいと思い、ASI294MC Proに50mmくらいのカメラレンズをつけようと思ったのですが、カメラ接続アダプターが何故か全然見つかりません。CMOSカメラと一緒に入っているはずで、絶対持ってきてるはずなのですが、どこを探してもないのです。結局見つからずに電視観望も諦めました。(実は最後の最後、撤収の時にアダプターが見つかって、取り付ける予定だった50mmレンズの袋にわざわざわかりやすいように一緒に入れてあって、奥まで見ていれば見つかったはずなのです。焦っていると全くダメだということが今回よくわかりました。)

今考えたら、光学ファインダーでもよかったはずなのです。でもその時は焦っていたのと、そもそも光学ファインダーで見えるかどうかもわかっていなかったので、思いつきもしませんでした。もう経験のなさがもろに出てきてしまっています。

いよいよ暗くなってきてだんだん肉眼でも普通に星が見え始めてきたので、ここで一旦落ち着いて赤道儀CGEM IIの極軸をきちんと取ることにしました。いつものSharpCapでの電子極望ですが、この時点でも多分まだ焦っていたんですね。全然星が認識されないのです。結局単にレンズとして使っていたガイド鏡のピントがずれていただけなのですが、これに気づくだけでも5分くらいかかってしまいました。でもここで極軸を正確に出しておけたのでよかったです。精度が1分角以下とかなり正確に合わせられるので、一旦撮影が始まったら恒星追尾がずれていくことはまずありません。後で画像処理してもわかりましたが、10秒露光9枚を位置合わせなしでスタックしても、恒星が全くずれてませんでした。

こうやって考えると、一番の敗因は実際の彗星の位置が思っていたよりかなり北向きだったことです。日没の太陽の位置から15度くらい北と思っていたら、もっとずっと北で、現場でStellariumで確認して、北斗七星の柄杓が見えて、やっとその下あたりだとわかりました。水平線に沈む位置だけ比べたら、太陽とネオワイズ彗星で40度くらいのズレがありました。


とうとう彗星が!!

最初からきちんと場所を確認しておけばよかったのです。でもとりあえずやっと場所が大体わかったので、その方向に鏡筒を向けてシャッターを切ると、一発目で簡単に彗星が入ってきました!下の写真が初めて入った彗星です。モニターで見ても尻尾が見事に写っていてとにかくうれしかったです。

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この後彗星の位置を合わせたりして、まずは保険に何枚か撮影しておきました。


肉眼でも尾っぽまで見える!

この日のもう一つの敗因は、双眼鏡忘れたことです。仕方ないので常備している星座ビノを使ってその方向を見てみると、なんとハッキリくっきりネオワイズ彗星が見えるではありませんか。そして肉眼でも見てみようと思い、まずはそらし目で。淡いですが、位置がわかりました。位置さえ分かれば、余分な光を手をかざして遮断して注意して見てみると、なんと目で見てもはっきりと彗星の形が分かります。この日のなかで一番感動しました。肉眼でもわかるくらいの彗星にこんなに早く会うことができるとは!

これまで彗星を撮影したのがウィルタネン彗星だけ。それでもテイルを見ることはできませんでした。いつかテイルが出ている彗星をと思っていましたが、今回のものはその期待に十分以上に答えてくれた体験でした。でもこれでもヘールボップ彗星の方が全然凄かったとのこと。今度はいつか大彗星と言われるクラスのものを見てみたくなりました。


とりあえずの簡易画像処理

とりあえずここまでの画像処理の結果を一枚載せておきます。

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  • 石川県羽咋市, 2020年7月16日20時49分
  • FS-60CB + x0.72reducer
  • Canon EOS 60D(ISO1600), 露出10秒 x 8 = 80秒
  • PixInsightとPhotoshopで画像処理、トリミング済み
上が北になります。ダストテイルは十分に見えていますし、青いイオンテイルも見えています。テイル中に見える筋のようなシンクロニックバンドも見えています。シンクロニックバンドというのは今回初めて知りました。よく見ると、イオンテイルの中にも筋が見えます。これもシンクロニックバンドというのでしょうか?ただ、快晴ではなかったようで雲少しかかっていました。


タイムラプス映像

21時すぎ、ここにきて60Dでずっと撮影しているタイムラプスに彗星が全く写っていないことに気づきました。もともと太陽が沈んだ様子と彗星を同じ画角に収めようと思っていました。でも調べてみると、太陽が沈んだ時の彗星は確かに北西の方向にあったのですが、彗星が「沈む」のはかなり北によって、北西というより北北西。20度くらいずれます。思ったより北に彗星がいたのです。75mmレンズとAPS-Cでは画角的に全く治らないところを延々と写していたことになります。

気を取り直してカメラの向きを変えると簡単に彗星が見えました。その時のタイムラプスです。20秒ごとに25分間分の76枚を動画にしています。



この画像を見た妻の一言。

「なんで逆向きに進んでいくの?」

最初、何を言っているのかわからなかったのですが、よくよく聞くと

「尾が出てるのだから、尾と反対に進まないとおかしい」

という意味らしいです。頑張って日周運動だとか理由を説明しましたが、

「うーん、理屈は分かったけど普通の人はそうは思わない」

とピシャリ。私は「宙のまにまに」の「キャシー・レヴィー彗星」で「あ、彗星って尾っぽからのぼってくるんだ」と初めて意識しました。マンガなので時系列で進んでいて、彗星の動きを意識させてくれます。


続いて、彗星が沈むまでです。


最初のうちは中空に厚い雲が、そして徐々に低空にうすい雲がかかってくるのがわかります。彗星はちょうど雲を避けていてくれたような状態す。

実は天気は最初からあまり良くはなく、北西以外は結構曇っていました。特に東と南はどん曇りで、雨が降るのではと心配してたくらいです。ちょうど夕日すぎくらいから彗星が見えるところだけ雲が避けてくれているような状態で、とてもラッキーだっと思います。


大満足の結果

いろいろ落ち着いて、気付いたら21時30分、ここでやっと余裕ができて夕食を食べてないことに気づきました。彗星はだいぶん低空に来ていて、星座ビノを使っても見えにくくなってきています。車に戻り、食事をとり、その後少しずつ片付けを始めます。

22時半近く、どうやら彗星も水平線の下に沈み、気づくと雲も多くなってきたので、ここで撤収です。とにかく、帰りはまだ興奮気味で、自宅に到着してからも寝付けずにそのままいくつか簡易画像処理をして、Twitterに速報で流して、結局ベッドに入ったのは4時近くになってからでした。


反省点
  • 導入はボロボロだった。あらかじめ、機材、ソフトの準備を確認まで含めてきちんとしておく。
  • 使う可能性のあるものはどこに入れてあるかチェックしておく。
  • 赤道儀に載せているので、少なくとも恒星はほとんどずれていきない。なので、露光時間をもっと伸ばしてもよかった。
  • テイルの広がりが思ったより大きいので、天気が良ければもっと広角のレンズでもいいかも。
とにかく人生初だらけでした。尾っぽがある彗星も初めて、撮影できたのも初めて、さらに目で実際に彗星の形を見れたことも初めてです。もう大満足です。反省点にも書きましたが、画像処理をやっていて、もう少し攻めることができたのではと思うようになりました。初回でいろいろわからないこともあったので、晴れてくれればですが、できればもう一度くらい挑戦したいと思います。-> 二日後、また同じ場所で撮影しました。



 

みなさん、こんにちは。「ほしぞloveログ」のSamです。最近凝っている、太陽プロミネンス動画ですが、昔撮影してうまく最後まで処理できなかったファイルを、改めて処理したので載せておきます。


3月のテスト撮影

一つ目は少し前の3月7日に撮影したものです。まだテスト段階でしたが、ファイルが残っていたので動画にしてみました。でもプロミネンスの大きさがあまり大きくないので、動きもあまりたいしたことありません。

Blink2

鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
エタロン: Coronado P.S.T.
赤道儀: Celestron CGEM II
カメラ: ZWO ASI290MM
撮影ソフト: FireCapture
撮影時間: 2020/3/7 13:55-14:50
撮影条件: ゲイン310、露光時間25ms、200フレーム撮影し150フレームをスタック 
画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、Sharpen AI、Photoshopで画像、PixInsightとffmpegで動画作成 

前回と同じようにgifにしましたが、gifファイルはあまりファイルサイズを小さくできないので、撮影時間1時間の60枚くらいが限界です。


4月の長時間撮影

次のファイルはゴールデンウィーク始めの4月29日撮影の約3時間ぶんの結果です。

  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: FireCapture
  • 撮影時間: 2020/4/29 12:59-15:55
  • 撮影条件: ゲイン300、露光時間25ms、200フレーム撮影し120フレームをスタック 
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、Sharpen AI、Photoshopで画像、PixInsightとffmpegで動画作成 
PixInsightで動画を作る際、

-y -r 25 -i Blink%05d.png -b:v 15000k -vcodec libx265 Blink2good.mp4

として、H.265でmp4にして、youtubeにアップしました。ただ、やはりプロミネンスがあまり大きくないので、長時間の割に動きが少ないです。このときちょうど小さな黒点も出ていたので光球面も一緒に出してみました。

本当は黒点周りや、Benar対流の動きが見たかったのですが、この日はかなり風が強く鏡筒が揺れてしまっていたので、分解能があまりよくありません。じっくり見てると少しだけ動いているのはわかりますが、いまいちインパクトがありません。再度挑戦して、もう少しはっきりとした動きを見てみたいと思います。やはり、プロミネンスと光球麺を同時に出すのはまだ難しいです。静止画ならマスク処理などで別々に細部を出せるのですが、動画だとそこまで手をかけることはできません。

SODの4月29日の動画との比較です。



UTCなので、午前5時くらいから午前8時までくらいに相当します。


苦労は理解され難く

ちなみに、撮影したファイルの合計は190GBになりました。3時間ものの超大作をやっと動画にまでして、この喜びをわかってもらおうと、妻に「すごいでしょう」と言って見せたとき、なんて言ったと思います?

「なにこれ?シューシューしてるの?
ヤカンの湯気みたい。」

ですよ!1億5千万キロも離れたプロミネンスの動きをヤカンの湯気なんて...。がっくりでした。

妻にとっては下の鳥の方がはるかにいいみたいです。


おまけ、初の鳥写真

さて、気を取り直してもう一つ、天文ネタと全然関係ないですが、庭にいつもいるキジを撮影してみました。ご存知かも知れませんが、キジは国鳥です。

FS-60CBにマルチフラットナー をつけてEOS 6Dで撮影しています。庭の端の方にいて少し焦点距離が足りなかったので、トリミングしています。

IMG_5492_cut

IMG_5492_cut_small-gigapixel-scale-4_00x

鳥をきちんと撮影するのはほぼ初めてで、星雲とかと違って色が最初から出ているのでずいぶんと楽です。普段の画像処理テクを駆使して細部とかも出してみました。羽がとても綺麗です。でもこれって正しい方法なのかどうか?

この子、この辺りにもう何年も住みついていて、グェー、グェーといつもうるさいです。今年もつがいでいます。毎年ひなを育てているのを見るのですが、今年も無事に生まれてほしいです。。

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