以前「格安電視観望」という記事を書きました。その応用編です。
今回改めてこの記事を書いたのは4つの理由があります。
1. 以前は入門用の電視観望用のカメラと言ったらASI224MCか、ASI290MC位しか選択肢がなかったのですが、近頃では多くのメーカーから入門クラスのCMOSカメラが発売されています。先日の「星をもとめて」の講演では現状で手に入るカメラを選び、選択例を示しました。最近の新しいカメラを例に試してみようと思います。
2. 多分これがもっとも大きな理由なのですが、SVBONYからCanonレンズのEFマウントをアイピース口に変更するためのアダプターが出ています。
アマゾンでも購入できます。
ちょっと前までなかったかと思いますが、いつも間にかNikon版も出たようです。
ZWOからも同様のアダプターは出ていて、こちらはT2ネジで取り付けるタイプになります。私はこれのオリジナルのバックフォーカス長が変えられるものを持っています。現在のものはバックフォーカス長が固定なはずです。
Nikon用もあるようです。
でもSVBONYのは半額以下ととにかく安い。初心者にとってこの差は大きいです。これを実際に使ってみたかったことが2つ目の理由です。
3. 以前の記事はQBPなどのフィルターを使いませんでしたが、QBP II、CBPとアメリカンサイズも出揃い1万円程度と安価になりました。効果は絶大なので、これを使わない手はありません。
4. 先日の星をもとめての講演配信を見た地元の富山県天文学会のHさんから、電視観望を始め用と思うが、カメラと鏡筒をどうすればいいか迷っていると直接質問を受けました。最初はASI294MCを勧めたのですが、最初なのでやはり入門用のものから始めたいということです。明日地元の牛岳で会う予定なのでそれまでにできるだけ簡単な方法はないか、探してみようと思ったのが4つ目の、というか突然やってみたくなった理由です。
その他、こまかいものです。まず、自由雲台へのマウントですが、自由雲台にはアルカスイス互換のクランプをつけてあります。
カメラの後ろのネジ穴を利用して、Monotatoで買ったL字のアルミブラケットを取り付けています。
下側はアルカスイス互換プレートをつけ、間に上下で固定できるようなアルカスイスプレートをはさんで操作棒がわりにしています。
では早速組み上げて試してみましょう。
上の写真のようになるのですが、最初試した時、このSVBONYアダプター
無限遠どころか全くピントが出ませんでした。アダプターの距離が長すぎるのです。そのため、アダプターのアメリカンサイズに変換するところをネジを緩めてを外し(長いネジなので頑張って外す)、カメラ側の接眼アダプターも外して、T2ネジで直接カメラをアダプターに接続します。
このさい、フィルターを取り付けられなくなるので、T2ネジとアメリカンサイズネジを変換する薄手のリングを使い(別のカメラについてきたモノですが、別途販売されていて)、
ここにフィルターを取り付けます。カメラのねじ山はまだ余るので、レンズを取り付けることもできます。
今回私が使ったレンズはオートフォーカス用で、ピントを合わせるためには強引にレンズ先端を手で回転させて伸縮させなければならず、しかもその範囲が狭いため、さらに必要に応じてレンズとSVBONYアダプターの間で回転させて距離を調整する必要がありました。そのためきちんとレンズを固定することができず、重力でレンズが垂れ下がって、星像が上側に歪んでしまいました。もう少し適したレンズの方がよかったかもしれません。
カメラレンズは単焦点レンズ、ズームレンズ(最初Zoomレンズと書いたが、これだと会議のZoom用のレンズとかと思ってしまった)ともに、短い焦点距離のものが中古まで含めれば安価に選びたい放題なので、いろいろ試すといいと思います。
この日は曇りがち。撮ったのは2ショットのみです。
昇りかけのM42オリオン大星雲です。28mmの画角でオリオン座が半分とちょっと入るくらいでしょうか。三つ星が縦に、右にリゲルが見えています。オリオン大星雲もそこまで大きくは見えません。
ズームレンズなので、70mmにして拡大してみました。これならオリオン大星雲も多少形がわかるくらいでしょうか。ちなみにこの時は空一面に一様な雲がかかっていて、肉眼で星はほぼ0。リゲルがかろうじてうすーく見えたくらいです。むしろよくこんな状況でここまで出たなというのが感想です。
とりあえずのテストなのですが、以前のASI224MCを使った電視観望よりはるかに綺麗に見える気がします。Neptun-C IIとQBP、あとレンズを焦点距離の短いものにしたのが違いになります。明日の土曜日天気が良ければ牛岳でもう一度試します。
さらにもう一本MILTOLも用意していて、こちらは牛岳でご一緒する予定のHさんがAZ-GTiを既に買ったというので、それに載せてテストしてみようと思います。
追記: 牛岳に行く前に、このセットアップで自宅でもう一度試しました。
再試行の理由
今回改めてこの記事を書いたのは4つの理由があります。
1. 以前は入門用の電視観望用のカメラと言ったらASI224MCか、ASI290MC位しか選択肢がなかったのですが、近頃では多くのメーカーから入門クラスのCMOSカメラが発売されています。先日の「星をもとめて」の講演では現状で手に入るカメラを選び、選択例を示しました。最近の新しいカメラを例に試してみようと思います。
2. 多分これがもっとも大きな理由なのですが、SVBONYからCanonレンズのEFマウントをアイピース口に変更するためのアダプターが出ています。
アマゾンでも購入できます。
ちょっと前までなかったかと思いますが、いつも間にかNikon版も出たようです。
ZWOからも同様のアダプターは出ていて、こちらはT2ネジで取り付けるタイプになります。私はこれのオリジナルのバックフォーカス長が変えられるものを持っています。現在のものはバックフォーカス長が固定なはずです。
Nikon用もあるようです。
でもSVBONYのは半額以下ととにかく安い。初心者にとってこの差は大きいです。これを実際に使ってみたかったことが2つ目の理由です。
3. 以前の記事はQBPなどのフィルターを使いませんでしたが、QBP II、CBPとアメリカンサイズも出揃い1万円程度と安価になりました。効果は絶大なので、これを使わない手はありません。
4. 先日の星をもとめての講演配信を見た地元の富山県天文学会のHさんから、電視観望を始め用と思うが、カメラと鏡筒をどうすればいいか迷っていると直接質問を受けました。最初はASI294MCを勧めたのですが、最初なのでやはり入門用のものから始めたいということです。明日地元の牛岳で会う予定なのでそれまでにできるだけ簡単な方法はないか、探してみようと思ったのが4つ目の、というか突然やってみたくなった理由です。
機材
- CMOSカメラはNEPTUNE-C IIを選びました。ZWOは最近は高級機路線で、入門機をあまり出していません。Player Oneは新しいメーカーですが、NEPTUNE-C IIを使ってみた限り、既にドライバーとかもこなれていて、実際にノイズがかなり小さい印象です。
- レンズは中古で数千円で手に入れた、手持ちのCanonのキットレンズ28-70mm F3.5-4.5。調べたら1988年発売だそうです。こんな古いレンズでも十分です。
- レンズをカメラを繋ぐアダプターは上に書いたSVBONYのCanonタイプのもの。ただしこれ、そのままだと無限遠でピントが出ないことがわかりました。対処法は後で記します。
- レンズの焦点距離が短いので、自動導入とかは無し。カメラ用三脚と自由雲台で、マニュアルで導入します。
- フィルターは、CBPかQBP。今回はQBPとしました。QBPの場合、赤外を通す可能性があるので、UV/IRカットフィルターと2段重ねで併用した方がいいでしょう。でも今買うならCBPの方がいいでしょう。CBPならUV/IRカットフィルターは必要ないです。
- 他にノートPC、接続用USB3.0ケーブル、机、椅子などを用意します。
その他、こまかいものです。まず、自由雲台へのマウントですが、自由雲台にはアルカスイス互換のクランプをつけてあります。
カメラの後ろのネジ穴を利用して、Monotatoで買ったL字のアルミブラケットを取り付けています。
下側はアルカスイス互換プレートをつけ、間に上下で固定できるようなアルカスイスプレートをはさんで操作棒がわりにしています。
実際に電視観望開始
では早速組み上げて試してみましょう。
上の写真のようになるのですが、最初試した時、このSVBONYアダプター
無限遠どころか全くピントが出ませんでした。アダプターの距離が長すぎるのです。そのため、アダプターのアメリカンサイズに変換するところをネジを緩めてを外し(長いネジなので頑張って外す)、カメラ側の接眼アダプターも外して、T2ネジで直接カメラをアダプターに接続します。
このさい、フィルターを取り付けられなくなるので、T2ネジとアメリカンサイズネジを変換する薄手のリングを使い(別のカメラについてきたモノですが、別途販売されていて)、
ここにフィルターを取り付けます。カメラのねじ山はまだ余るので、レンズを取り付けることもできます。
今回私が使ったレンズはオートフォーカス用で、ピントを合わせるためには強引にレンズ先端を手で回転させて伸縮させなければならず、しかもその範囲が狭いため、さらに必要に応じてレンズとSVBONYアダプターの間で回転させて距離を調整する必要がありました。そのためきちんとレンズを固定することができず、重力でレンズが垂れ下がって、星像が上側に歪んでしまいました。もう少し適したレンズの方がよかったかもしれません。
カメラレンズは単焦点レンズ、ズームレンズ(最初Zoomレンズと書いたが、これだと会議のZoom用のレンズとかと思ってしまった)ともに、短い焦点距離のものが中古まで含めれば安価に選びたい放題なので、いろいろ試すといいと思います。
曇ってるがとりあえず見てみた
この日は曇りがち。撮ったのは2ショットのみです。
昇りかけのM42オリオン大星雲です。28mmの画角でオリオン座が半分とちょっと入るくらいでしょうか。三つ星が縦に、右にリゲルが見えています。オリオン大星雲もそこまで大きくは見えません。
ズームレンズなので、70mmにして拡大してみました。これならオリオン大星雲も多少形がわかるくらいでしょうか。ちなみにこの時は空一面に一様な雲がかかっていて、肉眼で星はほぼ0。リゲルがかろうじてうすーく見えたくらいです。むしろよくこんな状況でここまで出たなというのが感想です。
まとめ
とりあえずのテストなのですが、以前のASI224MCを使った電視観望よりはるかに綺麗に見える気がします。Neptun-C IIとQBP、あとレンズを焦点距離の短いものにしたのが違いになります。明日の土曜日天気が良ければ牛岳でもう一度試します。
さらにもう一本MILTOLも用意していて、こちらは牛岳でご一緒する予定のHさんがAZ-GTiを既に買ったというので、それに載せてテストしてみようと思います。
追記: 牛岳に行く前に、このセットアップで自宅でもう一度試しました。