ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:シュミット


久しぶりの新鏡筒、タカハシのε130です!!!

今回は短焦点で明るい高性能鏡筒。なんでこの鏡筒なのか?これからどう使うのか?ブログ記事にしておきます。


動機

大元の動機は、自宅庭撮りでどこまで淡い大きな天体が出るかという試みでした。広角はこれまで焦点距離の短いFS-60CBとフルサイズのEOS 6D一択でした。例えば約2年前に、Sh2-240をこのセットアップで挑戦しています。



でも赤を無理矢理出した感じで、しかも青がほとんど出ずにかなり不満が残りました。実はその後、北空のダイオウイカSh2-129にFS-60CBで10時間挑戦したのですが、結果はカスリもしなかったので、ブログ記事にすることもなくお蔵入りになりました。フルサイズのカメラは手持ちではカラーの6Dしかないため、フィルターもせいぜいワンショットナローと限られてしまい、モノクロカメラと個別のナローバンドフィルターにはおそらく全く敵いません。

約1年半前にSCA260を買ってからは大口径がとても楽しくて、過去1年半はほとんどSCA260一本での撮影でした。多くは自宅庭撮りで、M81の背景など極々淡い所以外はかなり満足しています。でもそろそろ他の焦点距離も撮りたくなってきて、まだ挑戦しきれていない自宅広角ナローバンドを試したくなってきたというわけです。


機材が思ったより大変

このように考えた結果、機材に対する課題を並べてみます。
  • 広角
  • 明るい
  • モノクロ
  • フルサイズ
  • ナローバンド
くらいでしょうか。でもこれ、一見簡単そうで実は物凄く大変です。鏡筒もそうですが、フィルターも2インチサイズが必要ですし、大きなセンサーのモノクロカメラも必要です。

今回、まずは鏡筒です。今年の目標でも書いたのですが、短焦点で明るい鏡筒として
  1. タカハシ ε130: 13cm f430mm F3.3 27万円
  2. Celestron RASA8: 20cm f400mm F2.0 35万円
  3. SHARPSTAR 15028HNT: 15cm f420mm F2.8 カーボン鏡筒 33万円
の3つを候補として考えていました。

いずれも FS-60CBに比べて口径で2倍以上、面積でも約4倍以上なので、露光時間も4分の1以下で済みます。FS-60CBで10時間くらいなら撮る気にはなりますが、40時間となると流石に躊躇します。これが口径12cmで同じ焦点距離なら、40時間が10時間で済むのでと実用的な時間となり得るのです。

ただしε130は納品まで1年半くらいかかるらしいこと。RASA8はF値が2台でナローバンドだと大変そうだという話があるのと、やはりじゃじゃ馬として名高いことがあります。15028HNTは入手しやすそうで、口径13cmの13028HNTでもいいのかと思います。スポットダイアグラムの緑の分離が少し気になります。といってもε130とそこまで変わるわけではないので十分な気もします。

でもこうやって具体的な鏡筒名まで書くことで、事が進み始めました。CP+のサイトロンブースでブラックパンダさんにお会いした際に、ブログで読んでくれたのか、もしかしたら年末の周参見での天リフさんの中継(39分ごろに出演しています)を見てくれたのか、私がε130を欲しがっているというのを気にしてくれていて、シュミットで展示のε130を譲ってくれるというのです。納期の問題さえ無ければε130が第一候補だったので、すぐにこの話に飛びついてしまいました。その後しばらくしてから、見積もりと現状の写真を送って頂きましたが、値段的にも納得です。そのまま折り返して発注でもよかったのですが、ちょうど3月末に関東に行く機会があったので、実際にシュミット店頭で見せて頂くことになりました。


シュミットにて

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シュミットではε130とSHARPSTAR 15028HNTを並べて比較が始まります。シュミットスタッフさんを交えての熱い議論です。おそらく撮影しようとするとユーザーも多いε130の方が楽はなずで、その一方15028HNTを手に入れて自分なりに仕上げていくというのもそれはそれで楽しそうだというのも思っていました。

まず確認したことが、展示品を売ってもらうのは本当に大丈夫かということです。でも店長さんが「欲しい人に使ってもらうのが一番なので」と言って下さったので、少し安心しました。あと、シュミットとしては当然SHARPSTARの方をお薦めしたいはずです。それでもきちんと客観的に議論して頂けました。とてもありがたかったです。

色々話は出ましたが、今回の議論の最大のポイントは、フルサイズと四隅の星像。もっと広角で撮りたいために、モザイク撮影も考えていることを伝えたのですが、これが決め手になりました。もちろん決して15028HNTの星像も悪いわけではありません。それでもスポットダイアグラムを見てもε130と差はあることはおそらく事実で、APS-Cまでならほとんど差はないが、フルサイズだと差が出るのではという話になりました。

他の比較項目は付属品です。15028HNTには鏡筒バンドにアリガタ、フォーカサーには減速機が標準装備、ケースまで付いてきます。一方ε130はほぼ鏡筒そのものだけで、一緒に展示してあった鏡筒バンドやプレートは別会計です。口径は13cmと15cmですが、私もあまり気にしてなかったのでほとんど議論にはなりませんでした。金額的にはほとんど同じ。ただし付属品と口径を考えると15028HNTの方がトータルでは安くなりそうです。

迷いましたが、今回の目的では四隅のフルサイズの星像を最優先し、更に普通だと納期がかかるε130が手に入るということで、当初の話の通りε130に決定としました。ブラックパンダさん初め、サイトロンのスタッフの皆さん、店舗での議論も含めて色々お気遣い頂き本当にありがとうございました。

ついでに、CP+の展示品で出ていたAskerの幅広サイズのドブテールバー(アリガタ)がまだ残っているということで、それも購入することに。ε130の鏡筒バンドは直接付きませんが、他の鏡筒についているものと入れ替えで使えそうです。早速カードで支払いを済ませ(この時点ではまだ妻には今回の事は言ってません、カード明細が来るまでには話しておかないと修羅場になります)、その後少しだけ店内を見て、まだ少し時間があったので次はスターベースに移動です。


スターベースにて

既に買い物は終わったというのに、何でスターベースに行ったのかです。実はスタッフのS君がプライベートでCP+の会場に来ていて、そこでε130について相談していたので、シュミットの展示品を手に入れた事を報告しに行きたかったのです。タカハシ製品をスターベースで購入することができなくてちょっと申し訳なかったのですが、それでも新規鏡筒購入を一緒に喜んでくれました。

その日のスターベースはお客さんが結構いて、スタッフの方たちは皆忙しそうでした。そんな中、S君が若手のスタッフのM君を紹介してくれました。なんとM君、私の大学の後輩で更に学科まで同じです。大学の天文サークルに所属していて、その中で数少ないマニア組として頑張っているとのこと。天文サークルなんて当時あったかなと思いましたが、妻が大学の学祭でプラネタリウムを作ってた所を見た覚えがあると言うので、おそらく当時もあったのでしょう。学生時代は全く星に興味がなかったので私の方はほとんど記憶がありません。4月から院に進むとかで、そういえば三基光学の店長も同じ大学院だったことを話して盛り上がりました。その後、忙しいにもかかわらずFC100の双眼を覗かせてくれました。またスタベに行く楽しみが増えました。

あと思いがけなかったことが、私の顔を見てSamと知っている方が二人もいて、それぞれ「Samさんでしょうか?」と別々に声をかけられたことです。講演の動画とかで顔が出てしまっているので、天文ショップではもう悪いこととか出来ないですね(笑)。しかもそのうちの一人は、CP+の展示品のSCA260のバージョン2を手に入れられたとかで、同じSCA260仲間です。そういえばシュミットにいるときにCP+の展示品の話になり、FRA300 Proは某Hさんがすぐに購入されたことが皆さん周知のこととなっていて、「SCA260もすぐに売れてしまった」とか話していました。なんとそのSCA260を買った方だったとは。

他にも店長さんとずっと話されていたお客さんがいて、少し聞き耳を立ててみると電視観望で中継のようなことをやってみたいようです。先に声をかけてくれた二人の方とも電視観望について少し話しましたが、スターベースでも電視観望に興味を持ってくれている人が普通に来ているのだなと実感できて、なんか嬉しかったです。その後、電視観望関連で少し用事があったのでスターベースを後にしたのですが、この話はまたいつか。


自宅にて

さてさて、自宅で待つこと数日、とうとうサイトロンから荷物が届きました!

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中身はというと、
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念願の黄色い鏡筒のε130です。ヤッター!!!

実際の撮影までは必要なものがあるのでもう少し時間がかかるかと思いますが、焦らずに進めていこうかと思います。あ、でもその前に電視観望でファーストライトをするかもしれません。

ちなみに、東京から自宅に帰ってすぐに妻には望遠鏡を買ったことを告白しました。こういったことは早ければ早いほどいいのです。今回は事後報告でしたが、何とか事なきを得ました。



過去記事

もし今回の記事が面白かったらですが、よかったら過去の新鏡筒購入時の記事もいかがでしょうか?






久しぶりに関東に行く機会があり、天文ショップ巡りをしてきました。コロナもだいぶん落ち着いてきたこともあり、ショップも曜日を選べば空いています。


スターベース

最初は秋葉原のスターベースです。今年3月1日に行った時はコロナで店舗が閉まっているの気づかず、店の前で立ち尽くしていました。店の中に入ったのは調べてみる限り2020年の1月にTSA120を購入した時以来2年8ヶ月ぶりかと思います。いつもお世話になっている店員のS君とも久しぶりに会うことができました。

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久しぶりに店内に入って第一の印象は「随分変わっている」です。店員さんも言っていましたが、展示鏡筒の数が減ったとのことです。ウェブ販売を見ていてもある程度わかっていましたが、納品まで半年とか1年以上とか、受注停止中のものも沢山あります。部材がなかなか入手しにくいのかと思いますが、早めにまた元の状態に戻ってもらえればと思います。

その際、スターベースで相談したいことがあったので少し話し込みました。自宅からのイカ釣り狙いで口径が大きくて短焦点のf値の低い鏡筒を探していているのですが、残念ながらイプシロンは納期1年半以上とか。ヤフオクとかで鏡筒自身は出るのですが補正レンズが曇っているものが多く、やはり新規の補正レンズはもう出る予定は無いそうです。あとはRASAかなあとか話していたのですが、短焦点でのナローバンドは難しいという話があると、面白い情報を紹介してもらいました。ここになるのですが、ものすごくざっくり言うと、f2クラスの明るい鏡筒では、例えば一般的な7nmのナローバンドフィルターだと、口径100mm以上の鏡筒も口径100mmの鏡筒と同じくらいの性能しか出ないというものです。リンク先に、詳しく条件などをまとめたドキュメントへのリンクがあります。特にRASAについてはより影響があると書かれていて、もしこれが正しいとするとRASAはなかなか難しいということになります。じゃじゃ馬のと言われる理由の一端なのかもしれません。

せっかく店舗に来たので、掘り出し物を狙います。中古で入荷したばかりの2インチのフィルターホイール、Vixen規格のアリガタの部材2本、ジャンクのキャップを30個くらいと、いくつか欲しかった物を手に入れることができました。しかも送料無料の金額に達していたので、自宅に送ってもらうことにしました。まだ他のショップも回る予定だったので、重い荷物を持たずにすんでとても助かりました。

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  • キャップはいろんな種類を選びました。ジャンクで買った機材だとキャップが付いていないこともよくあるのですが、これくらい種類があれば合うサイズもあるのではと思います。
  • 2インチのフィルターホイールは色々考えるところもあり、今後フィルターも手に入れていきたいと思います。長期でじっくり取り掛かるきっかけの機材です。
  • 細かいものでマルチフラットナーの長さ調節用に調整リングを一つ買いました。これはタカハシが作った物では無いのですが、使えるとのことです。
  • あと、カタログを何冊か頂きました。周りで欲しい人がいれば配って下さいとのことです。


トキワ荘ミュージアム

次に回る予定は中野にあるシュミットなのですが、その前に同じ落合南長崎駅が最寄りのトキワ荘ミュージアムに立ち寄りました。私はドラえもんの初の長編映画「のび太の恐竜」をコロコロコミックの連載で読んでいた世代で、その頃からの藤子ファンです。マンガ道やハムサラダくん(こちらは知らない人も多いか?)も当然読んでいて、当時のトキワ荘の様子を見ることができるというのはとても感慨深いです。

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この日は開館2周年記念で漫少の特集展示がありました。

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常設展示でも記念展示でも、これまで知らなかったことが沢山ありました。今は藤子不二雄の出身である富山に住んでいるんだなあと改めて思いました。

シュミットへ歩いて移動する途中で、まんが道に出てくる「松葉」の前を通りました。シュミットの帰りに食べようと思いましたが、時間が無く今回はあきらめました。また機会はあると思うので「ンマーイ」をやってみたいと思います。
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シュミット

トキワ荘ミュージアムからは駅の反対側になるのですが、シュミットまで歩いて移動します。店舗自体は3月のCP+の収録の時に訪れていますが、その時は撮影のために入らせて頂いただけで、ショップとして空いていたわけではありません。なのでショップとしては2019年か2020年以来となるはずです。

突然来訪したにもかかわらず、店長さんやブラックパンダさんとお話することができました。実は多くのスタッフの方とは志賀高原でお会いしているので全然久しぶりという気はしないのですが、ブラックパンダさんは志賀高原ではお会いできなかったのでCP+以来になります。

ブラックパンダさんは、このほしぞloveログのVesperaの紹介ページも見て頂いていて、紹介のお礼を言っていただきました。こちらのわがままでお借りしたにも関わらず、とてもありがたいです。そのかいわのなかで、Vesperaの12月発売を目指していること、アプリも日本語化を目指していることを聞けました。期待したいと思います。ただ、本国フランスでの元の値段が上がってしまったことと円安で、当初よりも高くなってしまうらしいので、そこが少し残念だというお話でした。

そのブラックパンダさんから一つプレゼントを頂きました。なんとNEWTONY用のヘリコイドを作ったというのです。NEWTONYをお持ちの方はご存知かと思いますが、アイピースの固定が結構グラグラで、私は揺れないように輪ゴムを巻いたりして回避していました。この問題を回避するためにヘリコイドを作ったので、使ってみてくださいとのことです。ただし、フィルターがうまく付くかわからないとのこと。一度天気がいいときに試してみて、またレポートしたいと思います。

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あと、せっかくのリアル店舗なので、ショップも見ていきました。すると志賀高原の露天風呂で一緒になったスタッフさんが面白い物を見せてくれました。FMA180で拡大撮影をして惑星を見えるようにするシステムです。FMA135でもそうなのですが、電視観望で惑星を見ても焦点距離が短すぎてほとんど点で、あまりに見応えがありません。それを20mm程度のアイピースとNorthernCrossの拡大撮影アダプターを巧妙に使うことで、実質的に焦点距離を伸ばす方法です。

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ガラスの下の機材がややこしいですが無視してもらって、ガラスの上に乗っている機材で構成されています。ピントは少し甘くなるそうですが、まだ改良の余地があるとのこと。手持ちのFMA135でも同様のことができそうなので、同じNorthernCrossの拡大撮影アダプターを買うことにしました。

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電視観望で鏡筒を取り替えることなく簡単にとりつけることができるなら、実践投入もアリかと考えています。

今回は、昨年の小海や志賀高原で一緒に電視観望のデモをした、仲の良いWさんがお休みで会えなかったのは残念でしたが、また来月の小海で会えるかと思います。


品川にあるニコンミュージアムへ

さて、次の目的地は品川駅にある「ニコンミュージアム」です。駅から歩いて10分くらいでしょうか、大きなビルの中の1フロアーにあります。

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ここはニコンの本社にあたり、写真手前は会社の方の受付。そのすぐ奥がミュージアムで一般の人でも自由に入ることができます。

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歴代のカメラを展示してある棚は圧巻です。
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歴代レンズの陳列もあります。
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私も持っているNIKKOR時代のレンズも展示してありました。
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望遠鏡も一部飾ってあります。下の写真は20cmの屈折望遠鏡。なんと徳島の高校で使われていたらしいです。羨ましい限りです。
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この日は企画展で「光学ガラスの軌跡」というのをやっていました。過去には望遠鏡を展示する企画展もあったようです。

帰りにアンケートに答えると、マグカップかボールペンが貰えます。わたしはマグカップを選びました。

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ニコンファンの方だけでなく、天体マニアも十分に楽しめる内容です。近くに寄った際は是非とも一度言ってみることをお勧めします。


再び秋葉原のKYOEIへ

再び秋葉原に移動し、遅めの昼食をヨドバシカメラの上のレストラン階でとりました。ビックリしたのは店舗数が半分くらいになっていて、空いた場所はイートインスペースになっていたことです。こういったのをみるとコロナの影響はやはりかなり大きかったと実感します。

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そういえば、キタムラに寄るのを忘れてしまいました。KYOEIが17時閉店で時間があまりなかったので、間に合うように到着することをずっと考えていたからだと思います。夕方になる手前くらいにKYOEIさんに着きました。

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こちらもまだ店舗営業を再開して1ヶ月も経っていないとのこと。コロナでずっと通販の方がメインになっていたからでしょうか、残念ながら掘り出し物の類はあまりありませんでした。いつもお世話になっているMさんと少し話しました。Mさんとはこの間の星もとでお会いしたばかりなので、全然久しぶりという気がしません。それでもKYOEIの店舗は記録を見てみると2019年6月に行って以来になります。何と約3年3ヶ月ぶりです!記録に書いてないだけで、コロナ前にもしかしたら立ち寄ってるかもしれないですが、それでも3年位になるわけです。こんなに長いこと行ってなかったんですね。コロナでどれだけの時間が過ぎていったのか少し実感してしまいました。

その後、秋葉原から上野に向かい、17時20分の新幹線に乗り、富山まで帰りました。


まとめ

久しぶりに都内で少し時間を過ごし、やっとリアルの天文ショップに立ち寄ることができました。印象に残ったのは、少なからずコロナの影響で長らくお客さんが店舗に寄れなかった状況からやっと復帰しようとしている様子でした。これは天文ショップに限らず、このブログに書いた店、寄ったけど書かなかった店、電車なども含めた公共の場所でもそのような雰囲気を感じました。

コロナ中はネット販売が盛んになるなど、コロナが終わっても全部の状況が完全に戻ることはないのかもしれません。それでも天文ショップにはコロナ前の活気を取り戻していただいて、また気軽に立ち寄って実物を見ながら相談できる場所になってほしいと思います。でももうすでにこの考え方自体が、古いのでしょうか?

CP+の配信も終わり、ちょっとほっとしています。今年は収録配信でしたが、どんな結末だったでしょうか?


サイトロン本社での収録

2022年2月25日(土)にCP+配信のための収録をするためにサイトロン本社に向かいました。横浜アリーナでちょうどこの日の関東に出張だったため、少し早めに朝富山から新幹線で移動です。

実はこの出張、かなり早くから決まっていたので、講演の依頼をいただいた時点でそもそも今年のCP+のライブ配信は諦めていました。その代わり関東には来ているので横浜アリーナのステージで話す予定だったのですが、ご存知の通りリアル開催は中止になり全てオンライン配信になってしまいました。その前後も忙しくてほとんど時間が取れなかったので、元々予定していた土曜の同じような時刻で収録ということになったというわけです。

実は東京に来るのは2年ぶり。ずっとコロナ禍で来ていなかったので、新幹線から興奮気味です。行きの新幹線で以前よく食べていた「ますとぶりの小箱」を富山駅で買い乗り込みます。新幹線の中では収録スライドの最終チェックをして、少しトークの練習をします。サイトロンに到着したのは朝の10時半過ぎくらいだったでしょうか。

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聞いたら店舗はずっとお休みで、今はネットと電話でのみ対応しているとのことです。この日は収録のためにドアを開けていてくれていました。

中に入って少しお話をしました。新製品を含む機材もその場で見せていただきましたが、個人的な一番の興味はまだ開発中というAZ-GTiの小型版です。小海で実物を見せていただいて、前日のブラックパンダさんを含めてトークの中でも出ていたのですが、電視観望にさらなるコンパクトかの可能性を見出してくれそうで、かなり楽しみです。他にも4枚玉の107PHQを初め、いくつかの新赤道儀とか、小海ではまだ展示されてなかったものもあり、スタッフの雰囲気も合わせてとても元気な印象を受けました。

そんなことをしている間に11時も回ってしまい、さっそく収録です。事前にスライドをスタッフの方と一緒にチェックしましたが、基本的に私の意向を全面的に尊重してくれて、何も手直しすることなく収録に進みました。収録では昨晩東京から福岡に帰った天リフ編集長とZoomでつながってのやりとりです。サイトロンの雰囲気も伝えつつ、用意したNEWTONYとCeres-C、AZ-GTiを画面の中に入るよう近くに寄せて収録が始まります。

収録自身は特に緊張することもなく、滞りなく終わりました。途中FMA135とASI294MCも紹介しましたが、どうだったでしょうか?スライド内では広域電視観望として、昨年と同じく一眼レフカメラの焦点の短い明るいレンズを使った方法も紹介しています。今年はオリオン星雲はもちろん、バラ星雲とかカモメ星雲を画面を見ながら手動導入してみました。この広域での電視観望も導入装置とか必要なく手軽なので、広まってくれればいいなと思います。

本当は、Ceres-Cとズームレンズを使ったものを紹介しようとしたのですが、Ceres-Cもズームレンズも三脚へのマウントが難しく、今回はあきめました。もう少しいうと、マウントはMoreblueの1.25インチのマウントを手に入れたので間に合いました。



これでCeres-Cをアルカスイスプレートなどに固定できます。ただし、穴の大きさがギリギリでCeres-Cを入れ込むのに少し苦労するので、噛んだりしないよう注意して下さい。これを手に入れたまでは良かったのですが、その後全く天気がだめで、北陸の冬の空を恨みました。実際、スライド内で使った撮影画像や動画はほぼたった1日のワンチャンスで撮ったものです。Ceres-Cを使ったズームについてはまた天気が良い時に試して、そのうち記事にします。

さて、収録さえ終わってしまえば、私としてはあとは配信を待つのみで、気楽なものです。その後、ファイルの転送とチェックがてら、天リフ編集長とサイトロンのスタッフの方といろいろ話していました。最近は雑談レベルで会話できる機会がなかなかないので、こちらの方も楽しかったです。

その後まだ仕事まで少し時間があったので、スタッフの方と藍屋に移動して食事をしました。久しぶりに行った藍屋ですが、富山に藍屋はないのでちょっと嬉しかったです。ここでもいろんな話を聞くことができました。秘密の話もちょっとありました。やっぱりこうやって星好きな人と話すと楽しいですね。


2月26日(日)の配信当日

さて、2月26日の日曜日、実際の配信当日です。この日も東京で仕事が結構遅くまであり、宿泊しているホテルに戻ったのは配信の1時間前くらいでした。パパッと片付けて、配信を見始めたのが根本さんのDBPとQBPのお話しが始まる少し前でした。根元さんの話の途中から少しコメントに参加しましたが、QBPとCBPでの青の出方の話になっていました。私は撮影用には青も出したいのでCBP、電視観望用では青を出すのがそもそも難しいのでQBPの方が好きだったりします。さらに青以外にもオレンジや緑もCBPの方が出やすいとかコメントしてたら、まもなく私の配信の時間になってしまいました。


今回のポイントは、ライブ中継ではないのでその分コメント欄で皆さんの質問にリアルタイムで答えていくことです。

最初に
  • Sam: ​コメントできるだけ拾いますので、どんどん質問とかして下さい。
と呼びかけました。サイトロンさんからも
  • サイトロンジャパン / SIGHTRON JAPANさん: Samさんの配信は収録となりますが、チャットに入られていますので、随時ご質問をどうぞ。
とのサポートコメントが。

何人かの「待ってました」とか「よろしくお願いします」とか反応がありました。最初は質問というよりは、いくつかやりとりです。
  • たつまるさん: Prayer One激推しです。
  • Sam: Player One、新しい会社なのに使ってみると恐ろしくこなれています。
  • M1623:さん 電視観望で初めて見たときは感動したなあ
  • Sam: 是非自分の目で見て下さい。絶対感動しますよ。私も電視観望始めた時、ほぼ毎日見てました。
  • kyoyaさん: 「その場で色が付く」!パワーワード!!
  • Sam: やっぱり電視観望はリアルタイムというのが良いのかと思います。
その中で
  • 渋ニャアー(マネア)さん: 今日もライブスタック中継あるか!と、思ったけど録画かぁ。
とのコメントがありました。申し訳ありません、今年は上に書いたような事情で録画になってしまいました。またいつかライブ中継やります。

昨年の中継については
  • 291inuさん: 去年のセミナー見て始めた口ですが、すごい面白いですよ。
  • たつまるさん: 去年の講演は何十回も見て勉強しました。
  • Civet2009さん: 自分は電視観望なかったら今ごろ星やってないかもしれないくらいの勢いです(笑)
という嬉しいコメントが。 

トークが始まるとNEWTONYについてコメントがたくさんありました。
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  • 291inuさん: ニュートニー小海の時に買っておけばよかった…w
  • M1623さん: これで銀河も見えるんですねえ
  • 雑兵Aさん: マルカリアンチェーンがこんなに!
  • Sam: シュミットのサイトで買えますので、是非是非。
  • kyoyaさん: すごい…!
  • 渚みかんさん: ちっさいので持って行くのも楽ですね!
  • 雑兵Aさん: 6600円のNEWTONYでこんなに見えるのはすごいですよねえ
  • M87JET tubeさん: NEWTONY君、かわいい(*´▽`*)
  • はにちゃいさん: 初心者でも手を出しやすくてありがたい価格!シュミットのサイト早速見てきました笑
  • Civet2009さん: 接眼部にヘリコイドのついたNewtonyを1万円くらいで出してくれないかな・・・実は現状ではピント合わせがまあまあ難しいです。
  • Sam: センサー面積が小さいので、短い焦点距離の教頭が必要になるのです。NEWTONYは安価で数少ない短焦点の鏡筒です。

セットアップ時の水平出しは重要なのでコメントでも強調しておきました。
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  • T.マリーチさん: 水平出し、ちゃんとやらなかったからダメだったんだ。早速、ダメポイント!
  • Sam: 水平出しは実は相当重要です。導入の精度を上げたい場合は必須です。

Ceres-CのDSPも皆さん関心が大きい様です。
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  • fukutiwhiteさん: DPS効果あるみたいですね
  • 2あぷらなーとさん: 出た!DPS!!
  • masatoshi yamadaさん: DPSあるのはいいなぁ
  • Sam: DPS電視観望にこそいいですよ。LiveStackでほとんどミミズが出ません。
  • Civet2009さん: Ceres-Cもダークなしでいけますか?
  • Sam: ダークなしで余裕です。ホットピクセル見つけたのは1個だけでした。
  • 2あぷらなーとさんさん: やはり「ガイディングカメラ」シリーズは他のシリーズよりもDPSが強めのテイストに設定されてるのかもしれませんね
  • Sam: DPSもついていてさらに安価なので、入門用はほぼこれ一択かと。
  • Sam: DPSの設定が撮影用途と違うというのはあり得るかもしれません。比較してみたいです。

QBPについてもいくつかやりとりがありました。
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  • fukutiwhiteさん: QBP2とQBP3はだいぶ違いますか?
  • T.マリーチさん: フィルターの重要性がかなり分かる!
  • 俵藤太さん: QBP2とQBP3は邪悪さんの課題対応で、赤外線カットが違うのでは?
  • Sam: QBP3のほうが赤外の影響が出にくく赤外に感度があるカメラでは赤ハロが軽減できるはずです。
  • 2あぷらなーとさん: 高級アポや反射系ならQBP2でも良いと思いますが、赤外線領域の色収差が大きな筒(アクロマートなど)に赤外感度の高いカメラだとQBP3の方が圧倒的に良いです
  • 2あぷらなーとさん: 高級アポや反射系ならQBP2でも良いと思いますが、赤外線領域の色収差が大きな筒(アクロマートなど)に赤外感度の高いカメラだとQBP3の方が圧倒的に良いです
  • Sam: CBPでも赤外ハロはあまり出ないはずです。
  • 291inuさん: 2枚玉EDとCBPだとなんか恒星に滲みっぽいものでるので赤外フィルター入れてますがいらないのかな?
  • Sam: CBPがあれば赤外フィルターなしで良いはずです。
  •  kyoyaさん: 最初のセットでフィルタは無しでもそこそこ色も見えますか?
  • Sam: フィルタなしでもとりあえず試してみて下さい。そこそこは見えます。次にフィルタを入れてみて違いを見るのも楽しいです。違いははっきりわかると思います。

Live stackについてです。
  • 雑兵Aさん: おー、重ねるときれいになった!
  • T.マリーチさん: グラフの見方を初めて理解できました。
  • Sam: 山が太いとノイズが大きいと思って下さい。スタックすると細くなります。
  • kyoyaさん: これは固定で、追尾はしてないということなのですか?
  • Sam: 経緯台ですが、自動追尾しています。さらにLiveStackではSharpCap上でソフト的にも追尾します。

電視観望で憧れを実現できるはずです。
  • みるみるくさん: マルカリアンチェーン憧れです。すごい!
  • Sam: マルカリアンチェーンならホントにすぐ見えます!ただ、今の季節だと夜遅くまで起きてないとダメですが(笑)。

途中、なんとあぷらなーとさんから「Samさんセット」の提案が!
  • 2あぷらなーとさん: 電視観望入門用「Samさんセット」とか発売されないかなぁ♪
  • Sam: サイトロンさんで聞いたのですが、ホントにSamさんのトークと同じものを欲しいという問い合わせがあるそうです。
  • ブラックパンダさん: 古典アクロマート3本セットの「あぷらなーとさんセット」と、電視観望入門用「Samさんセット」いいですね!
  • 2あぷらなーとさん: ブラックパンダさんノリ良すぎ♪

ASI294についてのコメントも。
  • Civet2009: ここ3年くらい非冷却でASI294MCを超えるCMOSは出てないと思います
  • Sam: ASI294MCはかなり息が長いです。電視観望では性能だけ考えたらベストだと思います。
FMA135についても既に持っている方からコメントが。
  • fukutiwhiteさん: FMA135買ったけど後悔していないw
  • M1623さん: FMA135はいいですぞ
  • 291inuさん: 今度試してみます。
  • 雑兵Aさん: 手で導入できるの、いいですね!AZ-GTiがちょっと価格を押し上げちゃうので。
  • T.マリーチさん: 「超コンパクト」なんて最高です!
  • たつまるさん: 去年のsamさんの講演見て、FMA135+Neptune-CⅡを買いましたw
  • 雑兵Aさん: 小さいなあ
  • シュガーあんとんさん: この屋根の上の北アメリカはインパクトありますよねぇ~!
  • Sam: 屋根からシリーズは私もかなり好きです。
  • 雑兵Aさん: 屋根が入ってるの、リアル感あって好きです。
  • アルさん: FMA135楽しいですよね
  • Sam: FMA135は小さいM57から大きいアンドロメダまで全部楽しめます。

いくつか質問やアドバイスなどです。 
  • 俵藤太さん: 写真として保存できるんですよね?
  • Sam: 写真と電視観望画像の差はほとんどないです。自動的に記録する設定もできるので、後からみたものを写真として振り返ることもできます。
  • ころばせさん: ニュートニー、住宅街だと筒先にフードがあるといいかも。
  • Sam: NEWTONYはカメラが先端につくので、近くの光が邪魔になる時があります。やはりフードがあると良いです。

広域電視観望の感想です。
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  • Civet2009さん: この広角電視観望がまたタノシスギル!
  • Taro Mineさん: シームレスに手動導入しちゃうのか!!
  • たつまるさん: いきなりこんなに見えるんですね〜
  • Sam: ほんんとのほんとに手動導入です。
  • Sam: 屋根からシリーズは私もかなり好きです。
  • 雑兵Aさん: 屋根が入ってるの、リアル感あって好きです。
  • Sam: 広角電視観望は観望会でも大人気です。

カメラレンズに関してもやりとりが。
  • たつまるさん: PENTAXレンズに付ける方法が分からないんですよね〜。
  • Sam: PENTAXをCanonに変換するアダプダーがあれば、あとはCanonでピントが合います。
  • たつまるさん: なるほど、一度EFマウントに変換するんですね!ありがとうございます!
  • 291inuさん: 完全電子マウントなソニーのレンズだと厳しいなぁ…
  • Sam: ソニーマウントは経験ないです。ピントと絞りが外から手で調整できればなんとかなる気がするのですが。
  • 291inu: Eマウントだとピントリングすら電子制御なんで…
  • Sam: なるほどEマウントはやはり難しいのですね。
  • Civet2009さん: 広角電視観望用に古い一眼レフレンズをゲットしてもいいと思いますよ。自分は1600円のCanonFD50mmF1.4を使用(笑)
  • Sam: クラシックな明るい標準レンズはかなり安価に買えるはずです。ここで使ってるのも5千円くらいでした。
  • Taro Mineさん: タクマ―なら何本も持ってる
  • Sam: タクマーも十分使えますよ!
  • 291inuさん: なので近所のハードオフ巡って使えそうなレンズ探してますw

北陸の天気に関してです。
  • シュガーあんとんさん: 北陸はホントに晴れないのに・・よく撮れましたねぇ・・素晴らしいなぁ!
  • Sam: この1日だけでした。本当はこのあと月のない日をずっと狙ってたのですが、結局全く晴れなかったです。
  • Sam: 月があってもこれくらい見えます。
  • 雑兵Aさん: 月があんなに近くにあるのに!
  • Sam: 月と重なってたので、エンゼルフィッシュ星雲は流石に諦めました。

いくつか回答を飛ばしていたものがありました。申し訳ありませんでした。ここで回答しておきます。
  • masatoshi yamadaさん: SharpCapはpro版?
無料版でもかなりのことはできますが、炙り出しとか圧倒的に楽になるので、有料版をお勧めします。1年あたり2000円です。支払いはPayPalが楽です。
  • b ICEさん: 次は画像処理の解説を是非
本格的な画像処理は難しいですが、電視観望用の簡易画像処理は開設してもいいかもしれません。


いくつか、とてもありがたいコメントです。
  • ころばせさん: 初めて星雲・星団を探すとき、どれくらいの大きさで見えるのかが分かると探しやすいので、こういう講演は参考になりますね。
  • Civet2009さん: これから電視観望が天文への入り口だった、っていう人も出てくるんでしょうね。電視人口も増加の一途?
  • たつまるさん: 電視観望やっていたら、見知らぬ小学生にメッチャ喜ばれました。
  • Sam: 子供の反応を見てると自分も楽しくなりますよね。

トークが終わってからのコメントです。みなさん、どうもありがとうございました。私も楽しかったです。
  • fukutiwhiteさん: モチベ上がる~
  • みるみるくさん: わくわくが止まりません。ありがとうございました。
  • Taro Mineさん: ワクワクをありがとう!!
  • 俵藤太さん: サイトロンのセミナーは良かったです
  • 渋ニャアー(マネア)さん: ブログと併せていつも楽しませて頂いております。
  • Taro Mineさん: 楽しかった~
  • kyoyaさん: まだ頭がグルグルしてます(@▽@;)
  • はにちゃいさん: 質問に答えていただけて勉強になりました!
  • サイトロンジャパン / SIGHTRON JAPANさん: Samさん、しつぎのご回答ありがとうございます!
  • Mitsuyuki TAKEUCHIさん: ありがとうございました!
  • 俵藤太さん: 質疑応答できるととてもいい
  • 291inuさん: 電視観望から始めてもいいし、入門用望遠鏡の次のステップにもいいですね。
  • 石橋隆司さん: ワクワクしました!ありがとうございました(*^^*)
  • Taro Mineさん: 全画面表示でもチャットが載ってくるのが良いですよねぇ。
  • Sam: 今回は収録だったので、コメントに集中できました。このやり方もいいかもです。

サイトロンさん、本当にありがとうございました。
  • ブラックパンダさん: Samさん、ありがとうございました!
  • Sam: ブラックパンダさん、ありがとうございました。
  • 中村恋魚さん: 3日間楽しかったです(*´∀`*)
  • 天リフVideoさん: サイトロンジャパン様、素晴らしい企画をありがとうございました!

数えてみるとみなさんから合計145のコメントがあり、私Samが質問などに59回答えていました。最初はLive中継でなかったので申し訳ないかな思っていたのですが、コメントに集中してリアルに返していくというのはかなり良かった気がしています。これまで中継しているうちはほとんどコメントを追うことができず、寂しかったのですが、今回はむしろ視聴者との結びつきが強かったのかと思いました。ただし、リアルでテンポよく回答していくのはかなり大変だということにも気づきました。終わった後の心地よい疲労感はLive中継した時と同じくらいかと思いました。

正直いうとやはり昨年の天気が奇跡的に晴れた時の方がインパクトがあったかと思いますが、今年は今年で入門者がより手を出しやすくというので、また繰り返して見ていただければと思います。電視観望がじわじわ広まって、第3の観望スタイルみたいになっていってもらえればと期待してしまいます。

現在ではサイトロンさんはじめ、多くの販売店やメーカーが電視観望に力を入れてくれています。eVscopeはじめ、新しいStellinaやVesperaなどのもっと手軽な機器も出てきています。まだまだ発展する技術だと思います。今回は入門用の配信でしたが、ベテランの方も気楽に見える電視観望を是非とも試していただけたらと思います。

電視観望の未来は明るいです!
 

この記事は、星と自然のフェスタの1日目の続きの記事となります。



今回の「星と自然のフェスタ」の目的の一つが、電視観望のデモをすることでした。最初は個人的に披露すること考えていたのですが、ちょっと前にシュミットさんの方から提案があり、店頭で解説と実演をしてもらえないかということでした。CP+で講演の機会を与えてくれたこともあるので、二つ返事でOKしました。

当初は電視観望の「解説」と、晴れれば「実演」、あとは「質問コーナー」など、結構きっちり考えていたのですが、実際はもうめちゃくちゃでした。解説でどんなことを話すかとかも考えていたのですが、全部吹っ飛んでしまったのです。


実際の準備

「星と自然のフェスタ」の初日、午後3時頃からでしょうか、駐車場とシュミットブースをちょくちょく行き来し、機材などを持ち込み、一緒に実演をするスタッフのWさんと夜の電視観望実演の準備を始めました。大雑把な担当として、WさんがSCA260、私SamがFMA135です。カメラは最近注目のCeres-CとNeptune-C II。しかも面積の狭い1/3インチのCeresをSCA260に使い、1/1.8インチの広い方のNeptuneをFMA135に使います。より狭い範囲を見ること、より広い範囲を見ることに特化します。

この設定は共に両極端ですよね。片や口径260mmの大望遠鏡、片や口径わずか30mmの赤ちゃんのような望遠鏡です。元々は大口径長焦点は惑星とか月を見て、小口径単焦点は星雲を見ようとか言っていたのですが、実際には同じ星雲や銀河を極端なセットアップで見たときの比較が、思ったより楽しかったのです。両極端は元々Wさんのアイデアなのですが、こう言った比較ができるのもリアル星まつりの魅力の一つかと思います。


テスト?本番?

私はFMA135を担当なので、まずは自分の使い慣れたFMA135とノートPCを用意します。カメラと架台のAZ-GTiはシュミットさんのものをお借りしました。接続しようとしていた大型モニターにHDMI端子が無かったなど、色々トラブルはありましたが、結局2台のノートPCをテーブルの上の大きな箱の上に乗せることで高さを確保し、見やすくしようということになりました。

カメラもAZ-GTiも自分のではないので、かなり明るいうちからテストを始めます。16時過ぎくらいだったと思います。月は見えていますが、まだ木星も見えていないくらいの明るさでした。

地面が土なので水平の安定性があまりよくありません。月の導入でさえうまくいかないので、三脚を少し地面に押し込むようにして固定し、水平をきちんと出します。何度か導入を試すと、やっと月も一発で入り、その頃には木星も目ではまだ見えませんが、カメラでは確認できるようになってきました。この頃から少しづつお客さんが集まってきました。

木星が目で辛うじて見えるようになってくると、続いて土星も入れてみますが、なんとか視野に入ってきます。もう一度、一から月、木星、土星とアラインメントを取り直し、だいたい準備完了です。空を見上げると、1等星が少しづつ見え始めていました。西の空はまだ明るく、オレンジから青のコントラストがとても綺麗でした。

少し遠くの天体を試したくて、見えたらラッキーくらいでM31アンドロメダ銀河を導入します。まだ空は一部明るくて、月も煌々と出ているのに、淡いながらも、なんとアンドロメダ銀河が見えてしまったのです!しかも口径わずか30mm。目では数えるほどしか見えない星も、カメラ上では散りばめるように写っています!誰かが「うぉ!こんなに明るいのにアンドロメダが見える」とか叫んだからでしょうか、一気に空気が変わり、ここからどっと人が集まってきます。

この時点では光害防止としてCBP(Comet BandPass)フィルターを付けていたのですが、銀河の場合は白色光に近いのでかなりの情報を欠落してしまいます。そのため銀河を見るときはCBPを外すようにしました。するとまだ明るい中でもさらにM31の形がハッキリします。これ以降、星雲を見るときはCBPと取り付け、銀河を見るときはCBPを外すということをしました。

この日の小海の空は透明度が良かったのかもしれません。時間とともに徐々に暗くなってくると、アンドロメダもどんどんはっきりしてきて、腕の構造までかなりはっきり見えてきます。電視観望で口径わずか30mmでここまで見えるというのは、初めて見た人には相当なインパクトなのかと思います。機材の実物も目の前にあるわけで、そのコンパクトさにさぞ驚かれたことでしょう。

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PCの画面が飽和してますが、FMA135でアンドロメダを映している時です。
写真はあまり撮れなくてこれくらいしか残っていませんでした。 

「19時まではテストです。19時から本番です。」と何度言ったことか。ごめんなさい、全く守れませんでした。そのまま本番の時間になだれ込んでしまって、テストと本番の境なんて全くなかったです。考えておいた「解説」は全て吹っ飛びました。実際のものを見せる「実演」の方が遥かに説得力が大きかったのです。「質問コーナー」も計画していましたが、準備している最初の時からほぼ質問攻めで、ずーっと質問コーナーが続いているような状態でした。

結果として、設置から初期アラインメント、導入、SharpCapでどう炙り出すかを一連で繰り返し示していたことになります。細かい操作も、一連の実演の中でごくごく自然に見せることができたのかと思います。


数多くの質問

実演している間じゅう、質問がひっきりなしに飛んできました。
  • 「なにで見てるの?」という質問には、機材を指差し「高性能カメラと小さいけれども高性能な望遠鏡で見ています。」、皆さんコンパクトさにビックリします。
  • 「どこを見てるの?」では、「この望遠鏡が差している方向で、カシオペアとペガスス座の間くらいです。」
  • 「初期アラインメントで天体が全然入らない」 -> 「北の方向はある程度適当でもいいが、水平をとるのが大事。AZ-GTiの水準器はあまり精度がないので、付属三脚の水準器を見るのがいい。あと鏡筒の水平を水準器を使って撮るのも忘れないように。こうすると、少なくとも最初に入れた天体の『高度』はかなりあっているはずなので、あとは左右に振ってやれば画面に入ってくるはず。」
  • 「自動導入がうまくいかない」-> 「まずは目的の天体の近くの明るい恒星を入れて『ポイント&トラック』すると、精度が上がる。」
  • SharpCapの使い方では「自分でやったけどあまり綺麗に見えない」というので、「まずはライブスタックよりもヒストグラムでのあぶり出しが重要です。」と見えない最初の設定と、あぶり出して見やすくなった設定を実際に見せて、比較しました。
  • 「ライブスタックでうまくスタックされていかない」という方もいて、「検出した星を四角でマークして見えるので、まずはその機能をオンにしてうまく星が検出できているか確認するといいですよ」とアドバイス。
などなど、星が少し好きな一般の人から、電視観望に興味を持っている初心者、果ては明らかにベテランと思われるような方まで、ほぼずーっと質問攻めでした。できる限りわかりやすく答えたつもりでしが、どうでしたでしょうか?


実演で見たもの

実演の際、その場で見たものを列挙しておきます。
  • 月、木星、土星、M31、M27、M57、M45、M33、M15(球状星団)、網状星雲、北アメリカ星雲、ステファンの5つ子、エッジオン銀河
などです。

操作と話すのに必死で写真がほとんど残ってないのですが、長時間LiveStackしていたためにSharpCapのフォルダに自動保存されていたものを簡易的に画像処理をして載せておきます。

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M31 アンドロメダ銀河

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M33 さんかく座銀河

M31は露光時間4秒でゲイン350。M33は少し淡いので8秒露光でゲイン350。このときは共にCBPは外しています。LiveStackでのトータル露光時間は両方とも10分になります。もっと短くてもそれほど出来上がりに差はないのですが、自動保存の設定が10分だったというだけです。これで少し画像処理をすると、上のようになります。電視観望の途中で記録的に残したファイルから処理したものとしては、そこそこ見えるのではないでしょうか?

その一方、電視観望特有の問題もあって、例えばよく見るとホットピクセルと呼ばれる明るい点がミミズのように這いずり回ってしまっています。これはリアルタイムダーク補正をしてやるか、もしくはSCA260で使っていたCeres-Cなどに搭載されているDPSテクノロジーと呼ばれるホットピクセルやコールドピクセルをハードレベルで取り除くような技術があると目立たなくなります。


カメラごとの比較

FMA135:
こんな小さいのに、アンドロメダ銀河の腕まで見えるのは流石にインパクトがあったようです。また、M33の形がわかるのも、みなさん驚いていました。比較的大きなアンドロメダの全景や、北アメリカ星雲の全景を見えるためには、これくらいの短い焦点距離と広いセンサー面積が必要です。

今回見た中で、FMA135で見やすいもの、見にくいものを揚げておきます。
  • FMA135が適しているもの: 月の全景、M31、M27、M45、M33、北アメリカ星雲
  • FMA135でなんとか楽しめるもの: M57、M15(球状星団)、網状星雲の全景(もう少し広く見たい)
  • FMA135だと厳しいもの: 月の詳細、木星、土星、ステファンの5つ子、エッジオン銀河

SCA260:
大口径と長焦点(カメラのセンサー面積が小さいことも含め)を生かして、小さいものを分解能よくみることができます。M57やM27もかなり細かいところまで炙り出せます。また、M33などは中心部に近いところのみ見えますが、中心付近の腕の細かい構造や、赤ポチと呼ばれるHα領域も電視観望で見えてしまいます。
  • SCA260が適しているもの: 月の詳細、木星、土星、M57、M27、M15(球状星団)、ステファンの5つ子、エッジオン銀河
  • SCA260でなんとか楽しめるもの: M33
  • SCA260だと厳しいもの: 月の全景、M31、M45、網状星雲、北アメリカ星雲

二つを比較すると、まず口径差が約10倍、値段差も約10倍と、圧倒的な違いがあるにもかかわらず、インパクトではFMA135が全然負けていなくて、意外なほど見える対象が多いことがわかります。口径の小ささが逆にインパクトを増しているような状態です。その一方、SCA260の細かい分解能を見ていると、FMA135では絶対に辿り着けない大きな壁があることもわかります。結局は見たい天体に対して適材適所というわけですが、見える天体がかなりオーバーラップしているということも特筆すべきかと思います。この二つの極端な比較は、リアル星まつりならではと思います。

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数少ない写真の一つで、比較で撮っていたものです。
M15を見てるときです。上がSCA260で、下がFMA135。
ともに球状星団として見えていますが、
この画面で見てもSCA260の分解能がすごいことがわかります。 

実際の操作を見ながらの解説で、お客さんもかなり楽しんでくれていたようです。あるお客さんが帰り際に「今日は本当にここに来てよかったー。」としみじみとつぶやいて去っていったのが聞こえてきました。ここまで喜んでくれたのなら、実演を引き受けた甲斐が本当にあったというものです。


知らなかったお客さんの多さ

説明をしていて、そこそこお客さんが来ているのはわかっていました。でも後ろの方の様子はあまりわからないので、実際どれくらいの人が来てくれていたのか実はよくわかっていませんでした。後で知り合いのTwitter投稿写真を見てちょっとびっくりしました。





なんかすごいことになっていたみたいです。後ろの人がきちんと画面など見えていたかちょっと心配になってしまいました。

終了予定時間の20時をすぎて、やっと少し周りを見渡す余裕が出ました。この頃、WさんがSCA260でエッジオン銀河を見せていたのですが、私の方は実は寒くて寒くて凍えてました。指先も冷えていて、だんだんPCの操作もやりにくくなってきていました。さすがに疲れてきたのかと思います。時間的にもちょうどいいころなので、ここで終了となりました。


疲れ果ててしまって...

その後、片付けをWさんと、その場にいたM87JETさんに手伝っていただき、車に機材を戻しました。そこで少し服を重ねて、靴下も厚いものにしたのですが、それでも寒くてホテルに移動してずっと行けなかったトイレに行き、ロビーで暖をとっていました。食事を取ろうと思ったのですが、すでに全てのキッチンカーは閉まっていて、ホテルのカレーもちょうど片付けているとこでした。

後から考えると、ここら辺の判断が色々間違ってたんですよね。まず終わったら機材を片付けずに、そのまましばらく待っていて個人で電視観望を始めたりすれば良かったのです。ですが実際には前日の睡眠不足もあったのでしょう、一仕事やり切った感じで、そんなことを考える余裕もないくらい疲れてしまっていました。

ホテルで暖をとっていると、かんたろうさんから呼び出しの電話が。天リフ編集長とか、皆さんキャンプ場のところで集まっているとのことです。暖かくなってやっと少し落ち着いていたので、重い腰を上げホテルから移動。

キャンプ場では、先日出版された「星空撮影塾」を送っていただいた成澤さんや、星景写真で有名な塚原さんなど、主に星景関係の方々が集まっていました。嬉しいことにspitzchuさんが電視観望用にNeptune-C IIを買ってくれたとのことでした。でもお腹も空いていて皆さんとあまり話す余裕もなく、朝に買ってポケットに入れていたおにぎりを食べても全然足りずに、申し訳なかったのですが私は早々と退散。

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車に戻ってから、夕ご飯の調達にコンビニまで買い出しに行くことにしました。コンビニで少し多めに食事と飲み物を買って、そのままコンビニの駐車場の車の中で食べます。よほどお腹が空いていたのか、ぺろっと平らげてしまいました。この時点で22時頃だったでしょうか、そのまま会場へ戻るのですが、お腹も膨れたせいか耐えられないほど眠くなってしまい、途中の道の脇のスペースに車を止め寝てしまいました。

目が覚めたらなんともう0時半頃。あせって会場へ戻って、歩いて一回りしてみるのですが、少し雲も出ていたせいかほとんど人もまばらです。キャンプ場のあたりに何人か話している人がいるので声をかけたら、たまたま成澤さんでした。この頃には私もやっと元気になっていて、初めて成澤さんと少しまともに話すことができました。同じ場所にいた成澤さんの友人で最近撮影とか始めたIさんも交えて、一緒にしばらくのんびり話しました。

その頃にはそこそこ曇っていたのですが、成澤さんは曇りを利用して朝焼けを撮影しに行くというのです。もうほとんどの人が撮影は諦めているような状態なのに、さすがプロのカメラマンです。プロ根性と言っていいのかわかりませんが、もう考え方から全然違います。一番いい時間帯に寝落ちしてしまって完全にあきらめモードの私とは雲泥の差です。

午前2時頃だったでしょうか、成澤さんが出発し、残ったIさんと話していました。聞いたら元々成澤さんのファンだということで、色々コンタクトを取っているうちに一緒に行動などするようになったとのことです。まだ若い方で結婚したばかりとのこと、奥様を連れてきているらしいのですが、既に車の中でお休みだそうです。ついてきてくれるのがそもそも素晴らしいです。今回うちの奥さんもかなり誘ったのですが、車中泊ということを言った途端全く相手にされなくなりました。Iさんは本格的な撮影機材を揃え出したのもまだ最近で、家族が増える前の買えるうちに機材を揃えておいた方がいいとかいう話で盛り上がりました。

朝は目標のホテルのビュッフェに行くと決めていたので、2時半頃でしょうか、私も退散して寝ることに。寝る前のトイレに行く途中で、ちょうどオリオン方面だけ晴れていて空を見ていたら、いのさんと、朝にお会いした金沢のドブソニアンを出している方と会って少しだけ会話しました。その後戻って駐車場を一回りしたのですが、もうほとんど誰も外に出ていなかったです。

後から聞いたら、最初の頃は空も快晴で、駐車場ではヒロノさんはじめ、ドブソニアンで見ている人も結構いたらしく、またメイン会場ではXRAYさんや智志君らが電視観望していたらしいです。ちょっと羨ましかったですが、今回はシュミットさんに実演でとてもいい経験をさせてもらったので、十分満足でした。

車で戻ってすぐにまたぐっすり寝てしまったのですが、明け方はかなり寒くなり、さらに服を着込んだりしました。7時に起きる予定が、目が覚めたら既に8時。2日目の様子は次の記事で書くことにします。



2021年11月13日と14日、長野県の小海町で2年ぶりに開催される「星と自然のフェスタ」に参加してきました。

昨年10月の福島以来の久しぶりのリアル星まつりで、 本州では今年唯一ではないでしょうか。とにかく楽しかったー!!! たくさんの人にお会いでき、色々話すことができました。やっぱりリアルはいいですね。

ちなみに、前回2年前の「星と自然のフェスタ」はこんな感じでした。




準備

久しぶりのリアル星まつり。もう何日か前からソワソワ状態です。Twitterでも徐々に盛り上がりを見せつつあります。星まつりでいつも困るのは、誰が誰だかわからないことです。私自身、顔と名前を覚えるのがすごく苦手で、ただえでさえ、顔と本名とハンドルネームがグッチャグチャになります。しかも今回は2年ぶり、顔半分はマスクで隠れてます。なので今回はネームプレートを作ってみました。

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Twitterでも同じように考えている人がいて、プレートを見るとお互い認識できるはずです。実際、これがすごく役に立って、私のこともわかってもらえますし、他の方のネームプレートでSNSのあの人かと何度認識できたことやら。

木曜日には機材の準備もある程度終えておきました。今回のテーマは「シンプル」です。電視観望にはFMA135にASI294MCを取り付け、自由雲台とミニ三脚に載せる超コンパクト仕様。あとはノートPCにUSBケーブルを接続するだけなので、カバンからさっと出しすぐに使うことができます。

もう一つ迷ったのが、太陽電視観望です。C8とPSTを持っていくとすると、赤道儀が必要になります。大幅な荷物増なのですが、散々迷って結局持っていくことにしました。しかも赤道儀は座席から簡単に出せるようがいいやと、わざわざ重いCGEM IIを選んでしまいました。結局太陽セットは使わなかったのですが、持っていかない不安よりも、持っていって使わない方が気楽な気がしました。なんで使わなかったかと言うと、久しぶりの星まつりで人と関わる時間を大切にした方がいいと思ったからです。


今回の目標

今回、星と自然のフェスタに参加するにあたり、いくつか目標、目的を揚げました。
  1. 久しぶりにあう人達との交流。
  2. シュミットで電視観望の解説と実演。
  3. 夜に電視観望のデモ。
  4. 星座ビノの制作者にお礼を言う。
  5. Canon製のテレコンビノを利用した星座ビノを手に入れる。
  6. ホテルの温泉に入って食べ放題のアイスを食べる。
  7. 朝のビュッフェを食べる。
  8. 2019年の電視観望を見て感動したというジャムのお店に商品をいただいたお礼を言う。
いくつかは実現でき、いくつかは実現できませんでした。記事は時系列で書こうと思うので、うまく実現できたかどうか、おいおい書いていきます。


いざ小海に向けて出発

さて、直前に積み込むもの以外の準備は整ったのですが、問題はいつ出発するかです。金曜仕事が終わってからすぐに出れば、前日に集まっている人がいるはずなので夜には合流できるかも。でもそのためには徹夜体制になるのと、寒い車中泊が2泊になり、なかなか厳しそうです。迷いに迷って、やっぱり寝不足だと危ないので諦めて土曜の朝早くに出ることにしました。

でも遠足前のワクワク気分で、全然眠れなんですよね。結局寝たのは2時間くらいでしょうか。あまり寝られないので3時には起きて、シャワーを浴びて、飲み物とか、湯たんぽとか、枕とか、最後の準備をしました。

結局なんだかんだで午前4時半前くらいに出発でした。運転は4時間くらいの予定なので、うまくいくと8時半頃にはつくはずです。高速に乗る前に、コンビニに寄っておにぎりなど買い込みます。朝ごはんがわりです。途中、北陸道から上信越道に入る手前くらいで明るくなってきました。星祭に行く途中に夜明けを迎えることはよくあるのですが、撮影時の夜明けとまた違ってドライブ時の夜明けも景色が次々変わり、とても綺麗です。

途中トラブルなど何もなく、いくつかドライブインに寄っただけで、最後は佐久小諸ジャンクションで中部横断自動車道に入り、八千穂高原ICで下道におります。ここまでくれば小海里エックスホテルもすぐです。下道では帰りに入れるガソリンスタンドがあることと、会場から一番近いコンビニを確認し、無事に会場に到着。

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会場手前の登り坂。
この日は快晴で、途中の道から見える山がものすごく綺麗でした。


会場のホテルリエックスに到着

会場に到着したのはほぼ予定通りの8時半ころ。一般の人が止める駐車場のうち、一番会場に近い第2駐車場に止めました。この時点では、まだ駐車場はかなり余裕がありました。止めた場所が、たまたまちょうど天リフ編集長の隣でした。降りたら編集長とspitzchuさんが話していたので、早速お久しぶりですと挨拶します。天リフ編集長はリアルでは久しぶりですが、ネットでは顔込みで話しているので、なんか不思議な感触でした。

駐車場にはいくつも望遠鏡が出ています。止めたところの近くに、ドブソニアンが一つ出ていました。
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挨拶してお話を聞いてみると、富山のお隣の金沢からきているとのことで、富山の県天のメンバーの名前もご存知でした。このドブソニアン1993年作とのことで、もう30年近くになるとのことです。おもしろいのは、副鏡を含む頭頂部を取り換えることができる構造になっていることです。

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副鏡の径も結構違い、遮蔽率を変えることで惑星や星雲など対象に合わせて対応できるとのことです。

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ここら辺で、天体望遠鏡博物館でお世話になったT女史も合流。編集長、spitzchuさん、Tさん、私の4人で会場に移動します。ちょうど9時頃だったでしょうか、駐車場から会場に移る時には、第2駐車場の真ん中にも車が止まりまり始めていました。

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その後、駐車場はみるみる一杯に。会場から一旦戻ってきた時には第2駐車場は満車で、さらに奥の駐車場や、道のところに案内されていたようです。


会場の様子

会場は駐車場からすぐの距離ですが、滞在中はここを何度も歩くことになり、体力のない私は苦労しました。坂道もあるので、重い機材を運ぶのはかなり大変そうです。

キャンプ場が星空サイトという名前になっているので、最初ここに居を据えようかと思ったのですが、車の乗り入れが結構大変そうでした。多分ずっと駐車はできなさそうな様子だったので、結局一般の駐車場に止めておくことにしました。

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キャンプ場はこんな感じです。

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前日から来ている方も何人かいたようです。本番の土曜はテントでいっぱいになるかと思っていたのですが、実際にはそれほど埋まっていませんでした。もともとこの星空サイトでしか望遠鏡を出せないようなアナウンスがあったのですが、その後駐車場で望遠鏡を展開することが途中から許可されたからだと思います。

朝の会場の様子です。まだ人もまばらで、いくつかのブースはすでに空いていましたが、正式な販売は10時からのようです。

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10時になると開会式が始まりました。トレーラーの舞台が用意されていました。

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ブースめぐり

早速ブースをひとまわりします。スワロフキーのフィールドスコープの解像度は私のような素人でもはっきりわかるくらいの、なんじゃこりゃ!!!というくらいのものすごい解像度でした。「ウォー!」と叫んでしまいました。でも値段を聞いたら70万とこちらも「ウォー!」でした。

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いくつかブースを回りながら、夜に電視観望の実演をするシュミットさんへ。一緒に実演をするWさん、H店長に挨拶をして、実演時間やどういう方法でやるかなど少し打ち合わせしました。ブースにはブラックパンダさんもいらっしゃって、2年前の胎内以来お会いすることができました。ブラックパンダさんにはTwitterで呟いたQBPのアメリカンサイズや、CP+の配信での何気ない一言でCBPのアメリカンサイズを実現していただいたり、電視観望のための機材もどんどん見つけてきてくれたりで、とても感謝しています。ブラックパンダさんには広報の方も紹介していただきました。まだ入社2年目の若い方で、また講演とかする場合はお世話になるのかと思います。この方、まだ撮影とかしたことがなく、難しいと言っていました。その通りだと思います。そのマニアでない意見を生かして、初心者にも優しい機材とかの意見を反映していただけるとありがたいと思います。

その後は、シュミットの方もお客さんも交えて、展示品の話題です。私も最近手に入れたSCA260が展示してありました。聞いたら初期ロットはかなり少なかったようで、手に入れられた私はかなりラッキーだったようです。でもこのSCA260、私も思った通りやはり大型なのは事実で、かなりの赤道儀に載せないと揺れてしまって撮影時の歩留まりがあまり伸びないようです。余裕で載せることができるように、EQ8とかの話題が出ましたが、流石にすぐには買えないので、軽量化の方向で進めるような話をしました。

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あとプロトタイプらしいですが、面白そうなものがありました。まだ話せる段階ではないとのことですが、少し聞いただけでも今すぐにでも欲しいと思いました。写真を見て想像してみてください。
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まだ日本では未発表のFRA”500”も置いてありました。実際に持たせてもらいましたが、かなりの重量で相当しっかりした作りのようです。
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店頭にはたくさんのフィルターが置いてありました。最初はQBPからはじまったサイトロンのフィルターですが、その後CBPやQBP II, III、IR透過フィルターや、最近のDBPなど、多種多様のフィルターを開発しています。ブースに朝早くから来ていた他のお客さんとどのフィルターがいいかの話になり、最近DBPで撮った網状星雲や、まだブログ記事にしていない胎児とハート星雲を見せたりしてました。選択肢があるので、選べるのがいいことと、値段も手頃で気軽に買えるのがいいのかと思います。見ている間にも何枚も売れていきました。

2日目シュミットブースに立ち寄った時に、ちょうどAramisさんがシュミットにいて、私が「CBPが一番使いやすいのでは」と言うと、CBPに即決でした。Aramisさんならうまく活用してくれると思います。


スコープテックブースに立ち寄ると、以前のZEROの振動解析をしたブログの記事を見てくれたスタッフの方とお話しすることができました。原村の星まつりで手に入れたSCOPETECHの望遠鏡は、いまだに観望会で毎回活躍し、稼働率No.1です。

その足で星の手帳社ブースによって、天体日めくりを買いました。ZEROの開発の時にお世話になったOさんとお話しすることができました。Oさんは前回の小海で電視観望を見てもらったのですが、そのことも覚えていてくれました。

Oさんには隣のブースのプラネタリウムソフトSUPER STARの作者の方を紹介していただきました。あとで書きますが、この方電視観望のデモでもずっと見てくれていましたし、2日目に色々話すことができました。

また、さらにOさんには誕生年と誕生日をいうと惑星の位置を教えてくれるというすごい方を紹介していただきました。どうやら頭の中で惑星を動かしながら位置を特定するらしいです。

Oさんは流石にこの業界に長くいるだけあって、顔が広く、面白い方を色々知っています。少し天文から離れているようなのですが、すごく情熱のある方なので、また戻ってきて色々開発して欲しいです。

他にも、天体望遠鏡博物館のブースでは懐かしいみなさんに会うことができました。

誠分堂ブースでは定期購読ありがとうと言われてしまいました。ブログを見てくれているとのことです。ありがたいです。

スカイバードブースでは大学の1年先輩のHBさんの近況を聞きましたが、最近お店には来ていないとのことです。コロナ禍でなかなか店舗に行くことができなかったのかもしれません。ここでは、この間手に入れた2倍のPowerMATEのTリングへのアダプターが格安で売っていたので、買っておきました。

書ききれませんが、他にも多くのブースが出ていて、立ち寄らせていただきました。


フリーマーケットコーナー


最初フリーマーケットコーナーがどこにあるかわかりませんでした。ホテルのトイレに行く際に、いくつか望遠鏡を出しているところがあったので、トイレ帰りに立ち寄ったらそこがフリーマーケットコーナーでした。

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ここでやっと、星座ビノの製作者の上板2丁目さんにお会いすることができました。3年前の小海でCokinのテレコンビノを使った星座ビノを購入しました。その後ヤフオクでNikonの星座ビノを落としたら、パッケージがCokinのものとよく似てます。もしやと思い連絡を取ったら同じ製作者で、いつかお礼を言いたいと思っていた方です。今回ようやくお礼を言うことができました。

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今回もいくつもテレコンビノがありましたが、事前情報でCanon製のものがあり、今回これを手に入れることも目的の一つでした。Canonは2つ残っているうちの一つを譲って頂きました。こちらももうなかなか出ない貴重なもので、かなりよく見えます。夜に星を見るのが楽しみです。またコレクションが一つ増えてしまいました(笑)。

別のテントでは元スターベース名古屋店の店長さんがケースを売っていました。小さめのアイピースケースを一つ購入しました。スターベース繋がりですが、今回はタカハシが参加していないので少し寂しかったです。

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他にも、昔のアイピースを売っている方がいたので、5mmのハイゲンスを一つ購入しました。これはLambdaさんの提唱する、抜けのいいアイピースをバローと合わせてできたらと思っています。でももっと焦点距離の長いものが必要だったのかもしれません。


アストロカー

この「星と自然のフェスタ」はテレスコ工房の店長さんが中心になって開催されているのですが、今年は自慢のアストロカーが登場しました。

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中には太陽望遠鏡が設置されています。GOTOの大型の望遠鏡に90mmのSolar Maxをダブルスタックで取り付けてあり、プロミネンスや太陽光球面全体のHα像がものすごい解像度ではっきりと見えました。アマチュアクラス(?)の眼視では最高峰かと思います。

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すごいのはこの車のつくりで、観測中はジャッキアップしてあって、人が載っても全く動きません。

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食事事情

ブース周りの途中で、前回プリンが美味しかったことを思い出しました。

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一口食べて、前回と全く同じ感想になりました。昔、母に作ってもらったプリンの味を思い出すのです。聞いたら使っているのは卵と牛乳と砂糖だけだそうで、シンプルですが、なんの変な味もしなくて、物凄く美味しいです。前回Twitterで宣伝したらどんどん売れたことを覚えていてくれて、今年も同じくTwitterで宣伝したら、店の人からまるで賄賂の如くりんごを一個手渡されました(笑)。

その後、天リフ編集長も私のツイートを見て食べたそうです。しばらくしてから来てみたら、今回も見事に完売。「あれからすぐにたくさん買いに来てくれた」とのことで、宣伝のお礼を言われました。。

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昼食はリエックスホテルがブースで出しているカレーを食べました。500円ですが、さすがホテルのカレー、とてもおいしかったです。ちょうど愛知の智さんもカレーを買っているところで、さらには智志君も隣にいて、いっしょに話しながら食べました。

他にも多くのキッチンカーが出ています。キッチンカーの方は2日目にローストビーフ丼を食べました。基本的に食べるものには困らないと思います。

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電視観望の準備

その後もいくつかブースを周りながら、夜の電視観望の実演の準備がてら車と会場を何度か行き来し、シュミットブースに再び。

既に長い記事になっているので、ここからのことは次の記事に書きます。




今週末の11月13、14日に長野県の小海で開催される「星と自然のフェスタ」に行くことにしています。




前回の開催は2年前の2019年
でした。



昨年2020年はコロナで中止となっていたので、やっとのリアル開催です。本州の行ける範囲ではこれがほぼ今年唯一のリアルの星まつりになります。


なんと、シュミットブースで電視観望!

前回は電視観望についてKYOEIさんと一緒に講演をしたのですが、今回はシュミットブースで電視観望の解説と実演をすることになりました。

11月13日(土)19時から20時
シュミットブースにて
電視観望の解説と実演、質問コーナーなど

特に、質問コーナーでは初心者の方にきて頂き、色々質問して頂きたいです。今のところ機材はシュミットさんが用意してくれて、私はPCを持って接続する予定ですが、当日接続なのでうまくいくかどうか?

それとは別に、個人的には今回飛騨コスモスの観望会で試したFMA135とASI294MCをカバンの中に入れてその場で出してみようと思っています。これは電視観望の、ある意味究極のコンパクトスタイルと思っていて、今回駐車場から会場まで距離があるとのことなので、できる限り軽くしたいというのもあります。

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星まつりでのリアル対面

星まつりでいつも困るのは、誰が誰かわからないことです。最近はSNSで知り合った人も多いのですが、顔もわからなければハンドルネームしか分からなくて、その場で会っても知り合いかどうかもわからないのです。なので私はネームプレートをつけていこうかと思っています。ちょっと恥ずかしい気もしますが、これで私Samが誰だかわかってもらえるのではと思っています。

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