ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:コミック

2021年2月12日(金)の週末、とうとう念願の能登半島の真脇遺跡に行ってきました。

金曜夜に突然思い立って

そもそも真脇遺跡の存在を知ったのは「君は放課後インソムニア」という天文ネタのコミックです。

この日は夜に突然思いたったのですが、いくつか理由があります。ちょうど新月で撮影したいのですが、天気が微妙です。この時期実はまだSh2-240を撮影している歳ちゅでしたが、晴れなのに結構雲が多そう。特に前半がダメそうなのです。Sh2-240は0時すぎ頃に屋根の下に沈んでしまうので、この日の撮影は無理そうです。SCWで雲の予報を見ると、明け方の天の川が出ることには能登半島はほぼ快晴の様子です。もしかしたら今から出ればちょうど能登に着く頃には晴れているのではとの見込みで、それならいっそ真脇遺跡まで行ってみようとなったのです。


真脇遺跡に向けて出発

今回は星景写真ですなので、準備も楽です。さっと準備を済ませ、21時過ぎに出発。休憩も入れて約3時間の道のりです。しかも富山から能登空港までは元々有料道路だったものが無料になった道が大半で、運転しやすく、移動時間もかからず、しかも無料。途中コンビニなどで夜食を買いながら、のんびり行っても0時過ぎには到着しました。

初めての場所なのですが、真っ暗で誰もいません。どこまで車で入ったらいいのか?本当にこんな時間に遺跡まで寄って行っていいのか?こんな時間に誰かに聞けるわけもなく、とりあえず調べたら普通に近寄って行っていいみたいなので、カメラをセットしてみました。ここら辺でやっと目も慣れてきて気づくのですが、天頂は満点の星なのですが、地上近くは割合ライトも多く、思ったより明るいです。なので、ライトが遺跡でうまく隠れるような配置にすることにしました。明け方前の天の川が一番の狙いなので、天の川が一番濃い南東を中心にしました。でもこれちょっと判断ミスで、後で見返したら、この時期は天の川が上がってくる途中で意外に早く明るくなって染むので、もう少し中心を真東に寄せて、淡くても高くに上がる天の川を狙ったほうがいいと思いました。

とりあえず誰もいなさそうなので、タイムラプス映像を撮影することに。撮影中に気づいた限りで車が2台通っていっただけでした。撮影のその間、仮眠を取ろうとしたのですが、結局眠れたのは30分くらい。気になってなかなか眠れませんでしたが、明け方まで誰も来ませんでした。

撮影できた3時間半分のタイムラプス映像。一応その場で確認してみると、天の川もチラッと写ってます。でもやはりまだ2月は早すぎるかもしれません。ちょっと上がってきたところくらいで明るくなっていました。やっぱりタイムラプスで撮影する時はカメラは2台あった方がいいかもしれません。でも広角のレンズで明るいものをたいして持っていないので、もう少し考える必要があります。

明るくなった午前6時ごろ撤収。油断すると自宅に着くのが遅くなるので、どこにも寄り道せずに帰りました。帰宅したのは午前9時頃でしょうか、そのまますぐにベットに潜り込んで昼過ぎまで寝ていました。


撮影結果

その後の撮って出しと、PixInsightでJPEG画像をそのままBlinkで動画化したものはTwitterにその日のうちにアップしたのですが、その後の真面目な画像処理はずっとほったらかしていました。重い腰を上げてとりあえず進めます。

下は、明るくなり始める直前で、一番天の川が高く写っているものです。タイムラプス映像の中から選んで個別に画像処理してます。

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  • 撮影日: 2021年2月13日5時39分
  • 撮影場所: 石川県能登町
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造)
  • レンズ: Samyang 14mm F2.8
  • 撮影: ISO6400、露光時間20秒 
  • 画像処理: Lightroom、Photosop、PixInsight、

タイムラプス映像

もう一つは午前2時30分から朝6時までの約3時間半のタイムラプス映像です。

こちらは楽をしてJPEG画像をPixInsightのBlinkでオートストレッチしました。LightroomでRAW画像から色々いじったのですが、途中どこかの街灯が消えたかついたかで、大きく背景の明るさが変わる境目がありました。それを何度も処理するのが大変すぎて、今回はオートストレッチである程度自動で明るさを揃えることで済ませました。

それでもDIGICエンジンは十分な表現力です。JPEG画像なのに、ほんとにオートストレッチするだけで十分でした。天の川の描写は甘くなりますが、滑らかさとか考えて今回は簡易的な方法をとりました。



撮影後のこと

後日談です。撮影中にTwitterに真脇遺跡に来ていることを投げていたら、「スピリッツネタ?」という投稿がありました。真脇遺跡でスピリッツというともう「君は放課後インソムニア」しかありません。でも私はコミックでまとめてしか読んでなかったので、間が開くのも嫌で、その時は「コミックで読みます」とか返事をしていました。

自宅に帰って、仮眠してから起きてみると仲のいいかんたろうさんから「今週のビッグスピリッツ見よ!」との指令が。「では今から買ってまいります!」とか返事をしてコンビニに何軒が行くが、もう売り切れでした。近くの本屋に行くと幸運なことにまだ残っていたので、その場では中身を見ずに自宅に帰ってから最初から読みました。

最近雑誌を買うことがほとんどなくなってしまったので、週刊の漫画雑誌を読むのは久しぶりでした。学生の頃は昔は立ち読み含めてほぼ全種類読んでいたのですが、久しぶりでちょっと新鮮でした。400円という値段にも驚きました。チラッと週刊少年ジャンプを見ると290円、子供の頃170円だった記憶があります。マガジンは昔と変わらずジャンプの10円プラスの300円、サンデーに至っては340円。今の雑誌は値段だけを見ても大変なのかと思います。ちょっと脱線しますが、最近読んでる単行本もスピリッツのものが結構多いと気付きました。「チ」とか「プラタナスの実」とかです。あと、アフロ田中がいつのまにか結婚してました。
さて、とうとう「君は放課後インソムニア」のページにたどり着きました。おお、なんとセンターカラーで真脇遺跡!チョーかっこいいです。しかも内容的にも盛り上がるところ。作者のオジロマコト先生が真脇遺跡をここに持ってきたかったわけがすごくわかる気がします。満天の星と太古からの遺跡の神秘的な雰囲気、他に誰もいない状況がいやが応にも気分が盛り上がります。連載と同じ、夏の真夜中に、真上に上天の川の季節に行きたかったです。

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まとめ

真脇遺跡、実際に行ってみてものすごくよかったです。夜中に見たからかもしれませんが、ホントにもうなんか地球の歴史だとか、時間の流れだとか、宇宙の大きさだとか、色々感じてしまいました。

もう少し経ってから、あと何回か行ってみたいと思います。人が多くなると思うので、タイムラプスは難しいかもしれませんが、天の川をもう少しいい位置で撮ってみたいです。石川は他にもキャンプで行った見附島とか、ボラ待ちやぐらとか、「君は放課後インソムニア」にも出てきた天の川スポットがあるので、通い甲斐があるというものです。

さてさて、この時の週末は金曜の夜から活動してましたが、満足して疲れ切って帰ってきてもまだ土曜の朝なので、休みが長く感じます。まるで3連休のような気分でした。私は自宅撮りや車で1時間程度までの近征が多く遠征はあまりしないので、久しぶりで楽しかったです。


今回は最近読んだ本の話です。ちょっと面白いことがありました。

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少し前に探偵ナイトスクープでオジロマコト作の「君は放課後インソムニア」というビッグコミックスピリッツで連載中のコミックが紹介されました。なんでも石川県の七尾の高校の天文部の話で、見た目も主人公そっくりの依頼者がモデルは自分ではないか確かめて欲しいという依頼でした。

天文を扱うコミックはあまりないので、早速当時出ていた4巻まで購入。インソムニア(不眠症のこと)の主人公が観望会を開こうとしたり、写真コンテストに出そうと星景写真にはまって行ったりで、天文好きな人なら楽しめる内容です。能登の真脇遺跡というのが星景写真として出てきました。私は真脇遺跡のことは知らなくて、俄然春か夏に天の川と一緒に写しに行きたくなりました。12月に発売された5巻には、キャンプで何度か行った見附島を撮影する場面やボラ待ちやぐらも出てきました。結構自分の中で盛り上がってきたので、来年は新月期に広角レンズをもって能登半島に何度も行くことになりそうです。 

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もう一冊は小説で遊歩新夢作の「星になりたかった君と」です。純愛小説ですが、表紙からフォーク式のリーチークレチアンだったり、SCWやら電子観望の話が出てきたりしてマニアが読んでも十分楽しめる内容です。

中でも面白かったのは、小説の中で重要な役割をする老人二人です。一人は天体軌道計算が専門の「長野秀一」氏。これはすぐに誰がモデルかわかってツボにはまりました。ところがもう一人の重要人物「秋田久雄」氏が誰のことか想像もつきません。

と、こんなことをTwitterで呟いたら、なんと作者様ご本人からコメントがあり、なんでも作者が知っている方で、当時その地域ではかなり知られた方がモデルだったとか。でも今でもその方が天文活動をしているかどうかは知らないとのことでした。尊敬の念でモデルにさせてもらったとのことです。

こんなやりとりをしていたら、次の日の朝、さっそくけにやさんから情報が。関西のあるグループの代表の方ではとのことで、調べてみると今でも活発に活躍されている方のようです。名前を見るとなるほどと思えました。作者様に確認をとると正解とのことで、しかも活動されているグループもわかったので、連絡をとり、本を送ってみるとのことです。連絡を取るのは小笠原の日食で会って以来のことだというので、10年以上ぶりのことなのでしょうか。知らない間に自分がモデルの人が小説に出てきたと知ったら、おそらく本人もびっくりするのではないかと思います。なんか、ちょっと嬉しい話です。

「星になりたかった君と」は正月1月4日と5日に日本テレビでドラマ化ということです。両日とも24時59分からとのことです。数少ない天文系のドラマなので、必ず見ようと思ってます。でも作者様のところでは地方で放送されないとのことなので、富山の日テレ系列のKNBで放送されるか今のところわかりません。それでもHuluでも放送されるとのことなので、もし地上波で見えなければこちらでみようと思っています。


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