ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:アイピース

今回の記事は




からの続きになります。


いざ夜の世界へ

さて、前回までの記事で明るいところでの準備ができたので、夜を待ってさっそく外に持ち出しましょう。

持ち運ぶ時は、経緯台の一番下のプレートを両手で持つようにしてください。上の可動部は精度が必要なところになりますので、この部分を手で持って持ち上げると、変な力がかかってしまい、ずれなどが発生する可能性があります。せっかく手に入れた機器です。長く使うことになると思います。大切に扱ってあげたいものです。

外に出て、空が開けた場所を見つけてください。地面がアスファルトなどある程度固いところの方がいいでしょう。土や草の上だと、使っているうちに傾いてしまって見ている天体がズレていってしまう可能性があります。適当な場所が見つかったら、そこにVIRTUOSOを置きます。


水平合わせは大事

この時大事なことが、水平をきちんと合わせること。経緯台のところに水準器が付いています。この泡が黒丸の中央に来るようにします。もし泡がズレていたら、泡の寄っている方向が高く、反対側が低く傾いているいということになります。薄い板のようなものを何枚か用意して、低い方向の足の下にその板を入れて、水準器中の泡が真ん中に来るように調整してください。

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この例だと、泡が右に行っているので、左側が低いということになります。
低い方向の足に用意した板を入れます。

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板を足の下に入れると、泡の位置がほぼ真ん中になりました。


この水平取りはこれからやる初期アラインメントの精度に大きく関わります。ここをサボると天体を導入するのにものすごく苦労することになるので、この水平出しは省略したりせず、きちんとやって下さい。

ついでに、鏡筒の水平出しもやってしまいましょう。パネル上のネジを緩めて鏡筒をある程度水平に設置します。左右どちらに倒すか迷うかもしれませんが、鏡筒を水平にしたときに接眼部が上に向くような向きが正しい向きです。ここで別途用意した水準器を鏡筒の上に置きます。

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水準器の泡が線と線のまんなかになるように、鏡筒の水平方向の傾きを微調整します。これも初期アラインメントの精度に関わるので、必ずやっておいた方がいいでしょう。

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次は鏡筒の先を北に向けます。経緯台下の真ん中にある大きな手回しネジを緩めて、経緯台の上部を鏡筒ごと回転させて、鏡筒を北に向けます。この際、スマホの方位磁石を使うと楽かもしれません。ただし、磁石が差す北と、本当の北はずれているので注意です。場所にもよりますが、例えばここ富山なら7度ほどずれています。スマホなどは設定で本当の北を指すようにする機能があるかもしれないので、チェックしてみてください。方位磁針などが無い場合は、北極星を目印に北に向けてください。これまでの設置で水平を精度よく取ってあれば、この時点で多少北の向きが違っていても怖いことはありません


SynScan Proと接続

最後の準備は、VIRTUOSOとスマホやタブレットを接続することです。まずはVIRTUOSOの電源を入れます。パネルのところにスイッチがあるのですぐにわかるでしょう。オンにするとWi-FiのLEDが赤く点滅します。

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ここで、スマホやタブレットを使います。ネットワークの設定で、Wi-Fiの接続先をVIRTUOSOにして下さい。これを忘れて次のSynScan  ProでVIRUTOSOに接続できないと焦る場合があるので、まずはWiFiレベルでできちんとVIRTUOSOに接続することを忘れないでください。

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Wi-Fiの接続がきちんとできたことを確認して、あらかじめインストールしておいたSynScan Proを立ち上げます。立ち上がったら上の「接続する」を押します。
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すると検索中という画面になり、

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5秒もすればVIRTUOSOが見つかり、

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接続完了になります。これでやっと準備完了です。


初期アラインメントで天体導入

それでは早速天体を導入してみましょう。初期画面から「アラインメント」を選び、次に「1スターアラインメント」を選んでみます。アラインメント方法はいくつかありますが、慣れないうちは1スターアラインメントが一番楽です。

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そのときに出ているわかりやすい天体を選びます。今回試した時は実際の空に土星が見えていたので、一覧の中から土星を選びます。

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ここで「アラインメントをはじめる」を押すと、VIRTUOSOが動き出します。

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しばらく待ってから動きが止まると、すでにある程度は土星の方向を向いているはずですが、おそらくまだ完全に捉えきれていないと思います。こんなときにはスコープファインダーを使います。

まずは空を見てどこに土星があるのか大体の位置に検討をつけます。鏡筒が向いている方向の空を目で見て、明るい星を見つけます。おそらくそれが今回の場合土星です。その位置が確認できたら、両目を使って、片側は空、片側はスコープファインダーを覗き込むと、スコープファインダーに天体が入っているかどうかが分かりやすいと思います。

スコープファインダー中の天体を見ながら、スコープファインダーの右側にある回転するスイッチをカチッと入れます。その状態でスコープファインダーを覗き込むと赤い光が見えます。この光が結構明るいので、ターゲット天体が見えにくいので、スイッチを入れたり切ったりして光を無くしてみるとわかりやすいかと思います。

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赤い光と天体がずれていたら、それが重なるように、SynScan Proの矢印を使って鏡筒の向きを調整します。
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もし、スコープファインダーの中の天体が全然動かないと感じるなら、スピードが遅いので、上の画面の方向キーの上の方の左右にある右向きの矢印を押して見てください。真ん中の数字が5から増えていきます。この数字は鏡筒の移動スピードを表していて、スコープファインダーを覗いている時は7程度の方がいいかと思います。

スコープファインダーのスイッチは、見終わったら必ず切るようにしてください。ボタン電池なので、すぐになくなってしまいます。


ここでアイピース を覗いてみよう!何か見えるかな?

鏡筒の向きを調整して、赤い光と天体が重なったら、この時点で、アイピースを除くと目標天体はそこそこ入っているはずです。

目で見るとこんなのが見えるかと思います。
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うまく見えましたでしょうか?もしはっきりした形になってないけど、何か明るいものが見えたら、ピントが合っていないのかもしれません。接眼部横のつまみをゆっくり回転させてピントをあわて見てください。

上の写真はスマホでその場でカメラをアイピース に合わせて撮影しただけなので、かろうじて土星の形がわかるくらいですが、自分の目で見ると、小さいですがもっとくっきり見えるはずです。


うまく見えてたら、SynScan Proの矢印を使って、天体を真ん中に持ってきましょう。鏡筒の移動速度を再び5とか4位まで落として、天体が視野の真ん中に来るようにします。アイピース を覗きながらなので少し大変かもしれませんが、矢印を押すと見ている天体が動くことを確認しながら、一つ一つボタンを押していきます。

うまく天体が視野の真ん中にきたら、上の画面の真ん中の星とチェックマークがある横長のボタンを押します。ただし、画面の上向の矢印のように、1つもしくは2つの矢印が点滅している場合は、それを押して点滅を無くし、その後真ん中の横長ボタンを押します。これで初期アラインメントは完了です。

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アイピースの交換

うまく真ん中にきたら、今度はアイピース を交換してみましょう。

今使っているのが25mmのアイピースです。今回使っている鏡筒の焦点距離が650mmなので、650/25=26倍の倍率で見ていることになります。

これを、付属しているもう一つの10mmのアイピースに交換します。すると650/10=65倍の倍率で見ることになります。アイピースを交換したらピントを合わせ直すことを忘れないでください。うまく見えましたでしょうか?先ほどより大きく見えますね。

もし10mmのアイピースに交換して見えなくなるようなら、今一度25mmのものに戻してください。そしてターゲット天体が真ん中にきていることを今一度確認してください。きちんと真ん中にきていれば、アイピースを10mmのものに変えてもきちんと視野の中に入っているはずです。


椅子があると便利

ちょっと脱線します。アイピースや、特にスコープファインダーを覗いたりする際、地面に近いかなり低いところを覗くことになります。足腰が強い方はいいかもしれませんが、それでもなかなか辛い体制になるので、安定して見るためには座面の低い椅子があった方がいいかもしれません。私は下の写真のような椅子を使っています。

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高さを調整できるので、低い位置にして座れば安定してアイピース を覗くことができ、あまり疲れることはありません。少し値ははりますが、天体観測にはこれ一つあるとものすごく快適になります。


次の天体を!

土星外見えていれば、木星もそれほど遠くないとことにいるはずです。次は木星を自動導入してみてみましょう。まずは一旦、アイピース を25mmに戻してください。倍率を下げて広い範囲を見た方が自動導入の成功率が上がります。

次にSynScan Proで左上にある「戻る」を何度か押して、初期画面に戻ります。そこで「天体」を押し、下の画面に行きます。

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木星は太陽系内の惑星なので、ここでは「太陽系」を押します。

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「木星」が見えていますね。ここに表れているということは、空に出てると言う意味です。そのまま「木星」を押します。

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さらに「導入」を押します。すると下のような導入中の画面になります。

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しばらく待って鏡筒の動きが止まったら、アイピースをのぞいてみてください。今回の場合初期アラインメントで土星を合わせ、そこから遠くない木星を導入したので、ほとんどアイピースの中に木星が入っているはずです。もし視野に木星が入っていない場合は、最初に設置したときに水平をうまく取れていない可能性があります。設置時の水平取りの精度はこんなところにも効いてきますので、できるだけ丁寧に設置するようにしてください。もしうまくアイピース 内に入らない場合は、土星の初期アラインメントの時のようにスコープファインダーを使うといいでしょう。

木星が視野に入っていたら、あとはSynScan Proの矢印で真ん中に持ってくるだけです。その後、画面真ん中の横長ボタンを押すと、下のように「導入成功」と出ます。

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ここまでが自動導入の手順です。見たい天体があったら、今のようなことを繰り返します。


ちょうど月が出てきたぞ

この日はちょうどこの時点で月が地平線から昇って見えるようになってきました。最後に月を導入してみましょう。

木星の時と同様に、初期画面から「天体」「太陽系」と押していき、「月」を押します。月は明るく大きいので、土星や木星より遥かに簡単に導入できるはずです。うまくアイピース に入りましたか?もし入らないようならアイピースが25mmのものになっているか確認してみてください。繰り返しになりますが、導入時は焦点距離が長い25mmの方が視野に入りやすいです。それでも入ってなかったらスコープファインダーを使ってみてください。

もし空に最初から月が出ているなら、土星や木星よりも、最初は月で練習するのがいいかもしれません。月で慣れてから、木星、土星といく方が簡単順序としては楽かと思います。

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うまく入っていたら、矢印で適当に真ん中に持ってきて、横長ボタンを押し、導入を完了させましょう。


スマホでパシャリ

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上の写真もスマホのカメラレンズのところをアイピース にくっつけて撮っただけです。この日は少し曇っていたので、雲越しのお月様が写りました。実際には月の上の雲がどんどん流れていく様子が見えます。こんなのが見えるのも、望遠鏡ならではですね。

この後どんどん曇ってきたので、この日はここで終了です。次回もお楽しみに。

 





連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう

 

 

 

 

 
 

今回の戦利品です。

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Pentaxのアイピースが特価で売っていたので、以前から欲しいと思っていたためちょうどいい機会と思い、5mmと3.5mmを買ってしまいました。特に5mmは手持ちのHyperionと直接比較ができるので楽しみです。本当はC11が特価で出ていたので、買うかどうか散々迷ったのですが、現金が必要ということで時間が足りずに今回は諦め、その分の予算をアイピースに回しました。


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Velbonの雲台も安く出ていたので購入しました。ハンドルが2本付いているのが欲しかったので、ちょうど良かったです。


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KYOEIさんがZWO製品を取り扱い始めたらしいです。店の方が惑星撮影の講演にも出ていてので、いろいろ話をすることができました。ここではIRで像が滲むという話を聞き、今回はASI224MC用にIRカットフィルターを購入しました。外側にネジが切ってあって、ASI224MCに直接つけることができるみたいです。


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抽選会では見る角度で図柄が変わる恐竜のしおりみたいなのが当たりました。子供がずいぶん喜んでいました。


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オークションでCelestronの双眼鏡を落札しました。シュミットさんからの出品らしいです。多分最低落札額だったのだと思います。その晩にテントサイトの暗がりで、曇りの中空の切れ目を見たのですが、とてもよく見えました。望遠鏡は揃えようとしているのですが、双眼鏡はずいぶん昔に買ったNikonの小さいのがあるだけ、それよりはるかに安く買えたので満足です。自宅に帰っって比べてみたのですが、倍率が違うので直接の比較は難しいですが、やはり口径の違い分くらいはよく見えます。

他にもオークションでプリズムとプラスチックセームを買いました。プリズムは子供の実験用にとおもいますが、十分すぎるくらいの精度です。早速分光させて遊んでいました。

PentaxのXO2.5を落としたかったのですが、あえなく撃沈。他にも口径10cmクラスの出所不明の屈折望遠鏡が不落だったので、後から交渉して購入しようとしましたが、別の方が私よりも高額な値段を提示したので、これもダメでした。


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帰る準備で後片付けをしているときに、同じ富山から来たという方に組み立て式の望遠鏡を頂きました。お孫さん用にと思っていたのですが、興味が無いみたいなのでということらしいです。原村の抽選の時から下の子が欲しい欲しいと言っていたので、すごくありがたかったです。お名前を聞くことができませんでしたが、どうもありがとうございました。


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最後に天文台のショップで銀河鉄道の夜のポスターを見つけたので、娘のお土産に買って行きました。最後の一枚だったのですが、娘の今年の夏休みの自由研究が宮沢賢治の銀河鉄道の夜についてなので、ちょうど良かったです。


原村の星まつりは初日の開催前から行ったのですが、今回は途中からで、そのせいもあってか掘り出し物はあまり残っていませんでした。天気も決して良くはなかったのですが、その分いろいろな人と話すことができました。今回もとても楽しかったです。できれば来年もぜひ行きたいと思います。


胎内星まつりその2

また東京に行く機会がありましたので、以前IR改造済みの中古のEOS X5を購入したSTARSHOPさんに行ってきました。

ここは中古販売やオークションもやっているショップで、ついこの間もセレストロンのC11がオークションで出ていたのですが、ショップに来るとオークションに出品されているものを実際に見ることができます。今回はセレストロンのC8やビクセンのR200SSが出ていました。C11の時は補正板のコーティングが一部剥がれてしまっていたらしいのですが、C8も補正板が少し汚れています。店の人によるとC11の時よりは全然マシとのことでした。(追記: 結局このC8を後に落札することになります。)

ここでは中古のVixenの2.5mmのアイピースを購入しました。5mmのアイピースでも土星が綺麗に見えないので、さらに拡大してみようという魂胆です。一応3倍バローレンズも以前買ったので、倍率的にはそれを超えないのですが、アイピース単体で試してみたかったことと、値段的に中古で安価だったので、せっかくの機会と思い購入しました。

その後前回と同じ、シュミット、スターベース、KYOEIと回りましたが、今回はシュミットでバーティノフマスクを購入したのと、あとは前回と同じくスターベースで雑誌のバックナンバーを少し購入しただけです。
 

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