ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:かんたろうさん

星友のかんたろうさんに誘われて、2023年1月21日(土)に開田高原まで遠征しました。私は普段あまり遠征はしないので、ここも初めての場所になります。楽しかったですが、とにかく寒かったです。


お誘いが

年末の周参見遠征の後、年が明けてからかんたろうさんから電話が。「21日どうしますか?」と。そういえば確かに観望会すると言っていました。場所を聞くと木曽の方だと言うので「雪が問題なければ参加します。」とお伝えしていました。日にちが近づいてきましたが、どうやら天気は晴れそうです。平日はいそがしいので、当日の土曜の朝に準備です。

せっかくの暗い場所なので撮影を前提とします。この日の装備はSCA260と、眼視用にTSA120、電視観望用に周参見でも披露したFMA135+ACUTERマウントです。あと、星座ビノの見比べをしたいとリクエストがあったので、星座ビノが大量に入っているケースを忘れないように車に積み込みます。寒波が来るかもしれないとのことなので、防寒対策はしっかりしておきます。

あと、手持ちのコンパクトWiFiルーターが壊れてしまったので、そこらへんにあったルーターで設定を終えておきます。StickPCなのでWiFiに固定アドレスで接続できないと、外部モニターを取り付けたりとかで、外では設定が辛いのです。


出発

自宅を出たのは昼の12時位でしょうか。朝食も昼食も食べる暇がなかったので、コンビニの座席で炒飯弁当を食べていきました。この時に念のために3切れ入りのサンドイッチとおにぎり一つ、おやつのシュークリームを買っていきました。実はこれがナイス判断で、高山市を超えて何か買おうと思っていたら、山の中の道50km以上現地までコンビニが一軒もなく、夕食とか買えそうなところがありませんでした。結局このコンビニで買った予備食が夕食と夜食になってしまいました。

途中の道は雪のところも多く、結構怖かったです。特に最後の山越えのところはずっと雪でした。そこまでは結構雲があったのですが、山を越えた途端に青空が晴れ渡っていました。現地には15時半頃に着いたでしょうか。東屋のような屋根付きで座ることができる場所もある駐車場です。周りに電灯とかはないとのことで、しかも全方向低空まで開けていて、かなり理想的な場所です。車で5分くらいの所に、冬でもありがたい暖房付きのトイレもあります。


現地到着

到着した時にはかんたろうさんと、県天のKさんがすでにいました。Kさんは以前自宅にもきて頂いた方で、どうやらかんたろうさんを師匠としているみたいです。二人ともすでに鏡筒を出していました。かんたろうさんは45cmドブを筆頭に、5−6台用意しているそうです。KさんはFSQ85をSX2に載せています。Kさんの赤道儀、以前牛岳でかんたろうさんと一緒に見た時に結構揺れがあったのですが、今回三脚が下からプレートで持ち上げるタイプのものに変わっていて、相当頑丈になっていました。でも三脚の足を結構伸ばしていたのと、ハーフピラーがまだ揺れの原因になると、かんたろうさんに指摘されてました。

私も準備を始めます。SCA260+CGX-L+ASI294MM ProとTSA120+CGEM IIを出した後、星座ビノを8個位用意しておきました。

中1のMちゃん親子も到着。流石に徹夜は厳しいというので、近くに宿を撮ったとのことです。素泊まりチェックインさえしておけばいつ宿に帰ってもよく、24時間入浴可能とのこと。星屋さんにとってはこういう宿はありがたいですね。


トラブルが

ちょっと暗くなってきて、赤道儀の極軸合わせをします。その途中、メンバーが来る途中で車が溝にハマったとの緊急連絡が。みんなで車を持ち上げたら外れるかもということで、何人かで現場に向かいます。私の車もかんたろうさんの車も機材いっぱいで人が乗る余地がないので、Mちゃんのお母様の車で向かいます。

少し迷いながら、結局歩いていけるくらいの近い距離だとわかり、現場に到着。持ち上げようとしましたが、重すぎて無理だと判断し、ちょうど事前に呼んでいたJAFの方がきてくれたのでおまかせすることに。

この撮影場所ですが、国道からおみやげ屋経由で入る経路のはいいのですが、Googleマップに従うと反対側の細い道から案内されるらしく、しかも上り坂で雪のためにスリップしてしまったとのことです。もしこの場所に初めて来られる方は、くれぐれも気をつけてください。国道沿いのおみやげ屋から奥に入るのがコツです。ちなみにスリップした方は同じ富山の方で、普段雪道に慣れている富山勢でも厳しい坂道なので、おかしいと思ったら素直に引き返す方がいいです。

さすがJAFの方、手際よく車を引き上げて、無事に脱出することができました。その際、車で道を塞いでしまっていて、たまたまそこでストップしていた名古屋からきていた方たちと待っている間色々話しました。なんでもカメラで生計を立てている方で、ここら辺にもよく撮影に来るそうです。星が専門というわけではないですが、この日は夜空を撮りにきたとのこと。撮影場所を探していたらしいのですが、結局我々と同じ場所でご一緒することになり、結局朝までいることになってしまったようです。夜も望遠鏡を見ていたのですが、明け方に明るくなってから改めて望遠鏡をじっくり観察されていました。


撮影開始

事故処理の後は現場に戻り、撮影の準備の続きです。今回のターゲットはM81です。実は、去年の春に自宅でM81とM82を別々に撮影しモザイクと思っていたのがあるのですが、画像処理の間にどうにも気に入らなくていつかやろうと思いながらお蔵入りになっていました。その時の画像です。
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10分x22枚で合計3時間40分のL画像になりますが、強度に炙り出すと埃のリングが何箇所かに残っているのと、強度に炙り出しても背景の薄いモクモクがどうしてもでなかったものです。ABEとかDBEとか駆使してもせいぜいこれくらいです。

ちなみにこちらが今回撮影したL画像です。
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5分x29枚で合計2時間25分のL画像で撮影時間は全然短いのですが、背景のモクモクは遥かに出ているがわかるかと思います。こちらはまだABEとかかける前です。さすが開田高原の暗い空です。

最近思うのは、自宅だとそこそこかなりの淡い所(例えばまゆ星雲とか、ゴースト星雲とか)までは出るのですが、本当に最淡の所はかなり時間をかけてもほとんど出てこないことがわかってきました。例えばゴースト星雲の手の下のヒレとかです。光害地なので、ある意味当たり前かもしれませんが、どこまで出るか挑戦している最中で、だんだん限界が見えてきたような所です。明るい天体は自宅でもいいのですが、本当に暗い天体はやはり遠征でとか、うまく切り分けていくのがいいと思うようになってきました。

開田高原の暗さについてです。iPhoneアプリのDark Sky Meterで測定すると、20.65とか20.91とかでそこまで暗いわけではないようです。実際、東は伊那市の明るさ、南西は名古屋の明るさがわかります。南北と天頂は暗くて、この日は冬の天の川もちょうど南北にはまるようにきれいに見えていました。ここによく来る地元の方によると「最近は明るいことも多く、この日もそこそこ明るい」とのこと。「長期的に明るくなっているのか、季節的なものなのか、たまたまなのかわからないが、今シーズンは明るい。」とのことです。それでもこの日は透明度が良かったのでしょう。ものすごい星の数でした。電話で妻が富山も星が綺麗と言っていたので、かなり広い範囲で透明度が良かったのかもしれません。


寒い、寒い、寒い

この日は寒さも広範囲で厳しかったようで、とにかく開田高原も寒い寒い。温度計は−15℃とかいう声も聞こえていました。実は富山はよっぽど寒くても-4~5℃なので、北陸勢は全員参っていました。かんたろうさんによると、今回は冬で星が見えない富山勢のための観望会で、金沢からはあんとんシュガーさんも来ていました。

私も確かにこれくらい寒いところに行ったことはあります。でもごく短時間で、一晩中この気温で外に出ていたというのは初めてでした。分厚い靴下を履いてカイロを靴の中に入れ、電熱線付きのチョッキを着て、ズボンは3枚で一番外はスキーウェアみたいなやつです。それでも耐えられないくらい寒かったです。

途中Twitterでやりとりしていると、どうも智さんが開田高原に来ていて近くにいるみたいです。せっかくなので電話で話すと、歩いてこれるくらいの距離のところで撮影しているとのこと。撮影も落ち着いているというので、遊びに来てくれました。智さんは撮影はほとんどいつも開田高原ということで、寒さについてもよく知っていました。明け方に向けてまだまだ寒くなるとか。そういえば昔、Zoomで智さんとあんとんシュガーさんと一緒に話したことがあります。今回初顔合わせとなり、お互い挨拶していました。多分これは有名遠征地ならではの光景なんですね。

0時半頃にはMちゃんが寒さと眠気でギブアップ。Mちゃん、この日はポルタを持ってきていて自分で見ていたのですが、そのうち霜が降りてきて、レンズも曇りだし、冬の天体観測の厳しさの洗礼を受けたようです。冬にはヒーターが必要なことを学んだと思います。

夜中を過ぎると自分の機材も霜がひどくなってきました。
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寒さによる今回のトラブルのまとめです。
  • M1 Macbook Proのファンが「フォー」っとすごい音を出して周りだし、しばらくして落ちました。温度間違えて認識している感じでした。
  • その一方、Surface 8Proが寒さに負けず動いていました。それでもバッテリーは満タンのはずなのに15%とか出て、なぜか全然減っていかないというミステリーでした。
  • AnkerのLifePO4バッテリーが最初から低温警告が出て動かず。
  • 鉛バッテリーは夏なら平気で一晩持つはずですが、早々とへたりました。
  • 赤道儀は最初モーターが動かず。
バッテリーは車の中で温めたら復活、モーターは何度か電源入れ直してなんとか動きました。ここまで冷えることがあるとすると、機材も少し考え直す必要がありそうです。でもまあ、機材の前に体の方が参りそうで、やっぱり自宅ぬくぬく作戦の方が楽でいいです。

あまりの寒さで、当初は電視観望を披露したり、明け方近くにZTF彗星を撮影することも考えていましたが、もうすっかり萎えてしまって、途中から車の中に閉じ込もっていました。

かんたろうさんは寒さに全く負けることなく、手袋もせずにドブで皆さんに案内していました。私も色々見せてもらいました。M42はやはりトラペジウム周りが周参見の時と同じように青とか青紫に見えます。トール兜星雲、M51子持ち星雲なども迫力がありました。4時半頃に車で寝ているところをたたき起こされてケンタウルス座アルファを見させられました。「寝てるんじゃない」ということらしいです(笑)。かなり淡くて、なんとか認識はできましたが、かんたろうさんは見えると言っていた暗黒帯どうしてもわかりませんでした。それに比べると、さそり座がもう上がってきていて、M4ははっきりと見えました。

だんだん曇ってきたみたいで、明らかに見える星の数が減っています。もう薄明が始まりそうな午前5時20分、私もここで撮影を止めにしました。あまりに霜がひどいので、片付けるのは明るくなってからにして、今一度仮眠をとります。


朝 

朝、7時20分頃に起きたでしょうか。機材はこんな感じです。
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さて片付けです。できるだけ霜を落として車の中に詰め込みますが、家に帰ったら全部陰干しする必要がありそうです。8時半頃でしょうか、全て機材を車に積み込み、開田高原を後にします。他のメンバーはこの後木曽シュミットの見学に行くそうです。私は昼に用事があるので、この日は退散です。

帰る時に撮影場所から見た御岳山がとてもきれいでした。
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朝は日の出を撮影しにきている人が多くいました。
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私もiPhoneで1枚パシャリ。
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帰り道のガスト

帰り道、スリップなどはなかったですが、これを真っ暗な夜に走るのはちょっと怖いです。

15分頃走ったところで、Mちゃん親子が泊まっている「日の出旅館」を認識しました。ちょっと距離はありますが、次回はここで宿を取るのもいいのかもしれません。

仮眠を取ったので途中眠くはなかったですが、夕食がサンドイッチとおにぎり一個、夜食がシュークリーム一個だけだったので、ドライブ中お腹が空いていました。最初のコンビニで何か買おうと思っていましたが、高山近くになってやっとコンビニが見えたので、あと少し我慢して街中の店を探しました。まだ10時前であまり空いているレストランはなかったのですが、ガストがモーニングをやっていました。

ガストのモーニングかなりいいですね。いつも行くコメダ珈琲と比べてしまいますが、ドリンクバーは飲み放題だし、コメダのパンと茹で卵だけよりももっとしっかりした食事がよく似た値段で食べることができます。この日は和食のモーニングにして、さらに10時半のランチメニューになってからから好しの唐揚げを追加で頼んでしまったので少し割高になってしまいましたが、長居もできそうなのでモーニングだけの勝負ならガストの方がいいかもしれません。


自分にお疲れ様

その後、安全運転で12時半頃に自宅に到着。すぐに機材を陰干しにし、少し用事を済ましてからは昼寝です。やはり寝不足で、ぐっすり眠れました。最近徹夜は辛いです。起きたら夕方で、ほとんど日曜は潰れてしまいました。寒かったのもあるのですが遠征はかなり体力を使います。遠征の時はやはりせっかくの暗い空を生かした撮影を目指すのがいいと改めて思いました。

自宅に着いた時、妻が富山も昨日から寒くて、昼になっても全然部屋が暖まらないとか不満を言っていましたが、長野の寒さに比べたらもう全然で、実は富山は寒くないんだということを思ってしまいました。遠征はできれば冬よりは暖かい季節のほうがよさそうです。

M81の画像処理を終えたら、また記事にします。


9月30日、飛騨コスモス天文台で観望会がありました。前半は以下の記事で。


今回の記事はその途中くらいから、観望会が終了した後のアイリス星雲を撮影した話と、残った人でDSOの眼視観望をしたお話です。


撮影準備再開

スタッフさんも解散し、最後のお客さんも帰られた23時前頃から、本格的に撮影の準備に入ります。普段富山での自宅撮影は、日本海側ということもあり北の空が明るいのですが、飛騨まで来ると北の空は十分暗くなります。北の空をスマホで簡易測定するとSQMで21.4程度でした。むしろ南が高山市の明かりで少し明るいくらいです。なので、ここにきた時に撮影は北の空を中心に撮影することがいいのかと思います。

今夜の目的はケフェウス座にあるアイリス星雲です。青く綺麗に輝く、散光星雲の仲間になります。アイリス星雲はNGC7023と言われることもあるらしいのですが、正確にはLBN 487もしくはCaldwell 4というのが正しくて、NGC7023はアイリス星雲の中にある散開星団のことを指すそうです。

機材はTSA120とEOS 6D。ここ最近モノクロ撮影できしたが、少し広角を狙いたいため、フルサイズのカラーとしました。ハロ防止にUV/IRカットフィルターを入れましたが、6Dだと赤外にそこまで感度は無い
はずなので必要なかったかもしれません。それらをいつものCGEM IIに載せます。実は機材の設置のほとんどは観望会が始まる前の夕方に済ませていました。

準備の途中にかんたろうさんが、SharpCapの極軸設定に興味があるというのでお見せすることに。かんたろうさんはPole Masterを使ったことがあるらしくて自分の中で比較していたようですが、SharpCapの極軸調整の方があまりに簡単に思えたらしく、苦笑い状態でした。SharpCapのこの機能は有料版でのみ使えるのですが、年間2000円とお小遣い程度です。カメラも汎用的なCMOSカメラが使えるので、カメラを既に持っている方には安価に精度の良い極軸調整が実現できます。

夕方の時点で撮影用のBackYardEOSでのカメラの認識がうまくいかなくて、観望会中の撮影をあきらめたので、準備はそこからの再開です。接続はBYEを立ち上げ直したらうまくいきました。これは過去にもあった現象です。もう一つは、ユーザー認証がうまくいかなかったことです。認証というのでネットワークが必要と思ったのですが、実際にインターネットは必要なく、なぜかユーザー名だけが必要でした。しかもパスワードはBYEが覚えていてくれたようです。これまでこんなことはなかったので、何かバグっぽい振る舞いです。

その後は比較的順調で、カメラのピント出しと水平出し、アイリス星雲の導入もすぐにうまくいきました。今回はアイリス星雲を右に、ゴースト星雲Sh2-136(vdB 141)を左に入れての構図です。6Dの設定は露光時間300秒、ISO1600、オートガイドもうまくスタートして撮影開始です。この時点で23時20分くらいだったでしょうか。

この時間まで残っていたMちゃんが撮影中のPCの画面を見て、「星が見えていないところがある」と気づきました。分子雲です。画面の時点で分子雲がはっきりと確認できているくらいなので、仕上がりが楽しみなのです。問題は月の出が0時40分で、この時点では時間があまりとれないと思っていました。


かんたろうさんの25cmで眼視体験

撮影開始でちょっと余裕ができたので、隣に設置しているかんたろうさんのOrionの25cmニュートン反射で眼視体験をさせてもらいます。25cmだとかなり大きく、重さは20kg程度とのことです。でも赤道儀がJPなので全然余裕みたいです。

これまでもかんたろうさんには、牛岳などで眼視で色々見せてもらっています。この日もすでに観望会中に二重星団など見せてもらっていましたが、ここからはかなりたくさんのものを見せてもらい、あまり眼視経験のない私にとってはいい経験となりました。見させてもらった順に行きます。
  • まずはリゲルBから。まだリゲルは出てきたばかりで東の低い空にあります。それでも左の揺らめいている光芒の中に時折小さな星を確認することができます。これは後ほど再度確認することになります。
  • 続いてぎょしゃ座の散開星団。多分M36かと。その後、双子座の散開星団M35。これは隣りにNGC2158という小さな散開星団があるそうです。小さい方は私にはかなり淡く見えましたが、そらし目で十分確認することができました。
ここら辺で、Mちゃんのところが帰宅です。もう0時半を過ぎていて暗いかと思います。
  • 次がM42の中のトラペジウム。さすがにE、F星までは見えませんでした。それよりも少し引いたM42の弓なりの形が見事でした。かんたろうさんが、帰ってしまったMちゃんに「見せてあげたかった」としきりに呟いていました。
  • その近くの、うさぎ座クリムゾンスター。赤い星と言われていますが、かなり濃いオレンジに見えました。
  • 燃える木を導入してもらいましたが、かんたろうさんは見えると言っています。私もそらし目を駆使し、かろうじてわかりました。でも多分、かんたろうさんほど見えてないと思えるようになってきました。眼視はおそらく知識が必要です。どこに何があるか、わかっているのといないのでは、(多分)全然見え方が違います。そう言った意味では、近くのアルニタクも見えているので、(さかさまになってはいますが)どこに燃える木があるかもわかっています。それでもかんたろうさんとは見え方に差がある気がします。もしかしたら自分の目は暗いところの感度低いのかもしれません。これまで生きてきて、サングラスを欲しいと思ったことが一度もありません。眩しいのに強いということは、暗いものに対する感度は逆に無いのかもしれないとこのとき思いました。
  • リゲルが昇ってきたので、再度リゲルBに挑戦します。今度は光芒がもっと小さくなり、常にはっきり見えるようになってきました。
うーん、眼視かなり楽しいです。でも問題は大口径になればなるほどはずで、暗い空が必要なこと。かんたろうさんも25cm以上を欲しがっているようです。もう少し撮影を楽しんで、その興味が落ち着いたら次の方向性としてはいいかもしれません。今ちょうど双望会にオンライン参加しながらこのブログを書いていますが、話を聞いていると眼視もものすごく奥が深そうです。


撮影完了までと帰宅

実は私、この日10月2日の月の出は0時40分だと思い込んでいました。でもなかなか月が出てきません。山の下に隠れているのかなと思っていましたが、0時を越えていたので10月3日の月の出を見る必要があったんですね。午前1時48分が月の出とブログを書いてて気付きました。だから月が出てこなかったのですね。時間がないと焦っていたのですが、思いっきり間抜けです。

月と言ってもかなり新月に近く暗いので、結局午前2時半頃まで撮影してました。途中、ガイドが一旦止まってしまっていたようです。午前2時前に気づいて、再度ガイドを動かしたのですが、後でチェックしたら、0時40分くらいから1時50分くらいまで止まっていたようです。星像が流れてしまっていてかなりの枚数を捨てることになってしまいました。撮影が終わってからチェックしてみると、見事にガイド鏡が曇ってしまっていました。

その後片付けをして帰宅は午前3時頃。かんたろうさんは昇ってきたシリウスのBを見ようと頑張ってましたが、流石に厳しいようでした。午前4時頃に自宅に到着。次の日は朝から2度目のワクチンだったので、そのまま片付けもせず寝てしまいました。

夜露が心配だったので、次の日曜日の朝、家を出る前に機材を出して陰干しです。


画像処理と結果

後日、自宅で部屋の白い壁を利用したフラットとフラットダークを撮影。フラットは最近ずっとこれですが、鏡筒に袋などを被せることもなく、明るい壁を直接撮影しているだけで、楽でいいです。これでフラット補正が合わなかったことは意識している限りありません。ただし、壁への光の当たり方で輝度が方向によってかわることがあるので、PixInsightのABEの1次で補正する必要があることがあります。また、天体撮影が終わった後に別の日にフラットが撮影できるので楽でいいのですが、逆に言うとフラット撮影が終わるまではカメラを外したくないので、次の撮影に使えないとかが欠点でしょうか。

バイアスとダークは過去のものを使い回しなので楽なものです。

画像処理はいつものようにPixInsightのWBPPから。途中特に不具合もなく終了。その後、ABEを(主にフラット撮影時の明るさのスロープを取るため)1次で一回、(メカニカルシャッターの影での下部のS/N低下と、画角がずれていった際の特に上下の枚数不足を補正するため)2次で一回かけます。分子雲のモクモクを残したいため、今回はDBEは使いません。PCCも順調。

結局露光時間が高々2時間なので、やはりノイズが大きいのは否めません。適度にツールを駆使し、多少見栄えがいいように調整します。

結果です。

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  • 撮影日: 2021年10月2日23時21分-10月3日0時31分
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市飛騨コスモス天文台
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー
  • フィルター: SVBONY 2インチUV/IRカットフィルター
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: Canon EOS 6D (HKIR改造)
  • ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間300秒x24枚 = 2時間0分
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC、DeNoise AI

左側のゴースト星雲は一部でバンザイ星雲?とも言われているらしくて、バンザイをした人の姿が確認できます。
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ちょっと解像度不足でわかりにくいのですが、本当は二人います。もう少し露光時間を伸ばしてノイズを減らす必要がありそうです。

あとはいつものAnnotationです。デフォルトの設定だと寂しかったので、今回はLBNなどを追加しました。
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まとめ

今回はほぼ初めての北の空の撮影になります。実際北の空に近いのは、自宅から撮影したN51子持ち銀河くらい。 この時も撮影時間不足か、今見ると解像とてきにあまり満足ではありません。ナローも始めたので、今後自宅でも北の空を撮影していきたいと思います。

あと、眼視体験はかなりインパクトがありました。ちょうど双望会も重なったので、結構な刺激をうけています。最近のLambdaさんの焦点ずらしのアイピースの件も興味があります。手を出すかなあ?ハマるとまた大変だろうなあ?


2021年9月30日、飛騨コスモス天文台で観望会がありました。この日は快晴だったからでしょうか、相当たくさんのお客さんが来ました。


観望会準備

この日は朝から食料品の買い物で、妻にコストコに付き合います。夜は観望会でいなくなるので、きちんと家族のご機嫌をとっておかないと、星活が脅かされてしまいます。コストコで毎回食べる北海道ソフトクリームは相変わらず絶品です。もう生クリームをそのままソフトにしたようです。いまだにどんな観光地でも、ここ以上のソフトに出会ったことがないです。

コストコから一旦自宅に戻り、昼くらいからキタムラに行ってカードの印刷です。観望会に来てくれた人に天体が写っている写真を配りたいとのことで、以前から頼まれていたものです。まだ試しなので、手持ちの画像20種を各一枚ずつ、(一番安い)Lサイズで印刷して、選んでもらうことにしました。

印刷方法は至って簡単。キタムラ店舗にあるたくさんのプリント用のモニターの前に座って、適当にメディアから読み込ませ、印刷したい画像を選択します。モニター上で最後に注文を完了するとレシートが2枚(店側用と客の控え用)出てくるので、それを持って受付に行きます。ポイントは受付の時に「補正なしで」とはっきり言うこと。これを指定しないと、変な色補正をかけれらてしまいます。天体写真は自分で納得した画像を作るので、下手に自動補正とかをかけると全く違うものになってしまいます。10分も待てば印刷されたものが仕上がってきます。

10枚印刷すると一枚あたり税込で45円になります。まだちょっと割高なので、次回はネットのフジプリで頼もうと思います。同サイズだと1枚あたり税込11円だそうですが、送料が毎回必ずかかってしまうので、大量発注に向いています。逆に、キタムラのいいところは、10分とそのばですぐに受け取ることができることでしょうか。これはネットプリントよりも遥かに便利です。

キタムラでの印刷後、観望会の機材を車に積み込みます。今日の機材は惑星用にAVXに載せるC8、電視観望でFMA135とASI294MC Pro、撮影用にTSA-120と6DをCGEM IIに載せます。汗をかいたので、積み込み後急いでシャワーを浴びて、16時半頃出発です。途中、ファミマで夕食がわりのおにぎりなどを購入。

でも富山ではまだ曇りで少し雨もぱらついていました。まあ、天気予報は晴れの予想だったのでそのまま現地に向かいます。

飛騨コスモス天文台到着

18時前くらいに現地に到着。空はほぼ快晴!その後一瞬だけちょっと雲が出ましたが、それからは一晩中ほぼ全面快晴です。

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私の到着に続いてすぐ、いつものかんたろうさんが到着。今日来ることを聞いてなかったので、一瞬誰か別人かと思ってしまいました。というか、最近特に暗いところでの目が悪くなっている気がします。メガネを変えた方がいいかもしれません。

まだ明るいですが、この日は機材が多いので順次手際よく出していきます。本当は暗くなるとともに撮影がしたくて、お客さんがあまりこない端のところにTSA-120をアイリス星雲狙いで設置しようとしました。地元の富山は北側が明るいので、北の空が暗いコスモス天文台は絶好のチャンスなのです。ですが、全然読みが甘かったです。


たくさんのお客さんが

暗くなりかけると他のスタッフとともに、お客さんが続々とやってきます。もう木星と土星はみえているので、スコープテックでまずは見てもらい、その間にC8で初期アラインメントを取ります。金星が山際に沈むギリギリのところで導入までできたのですが、ほんの30秒くらいの差で、一人のスタッフには見てもらい、もう一人には見てもらえなかったとかでした。気を取り直して木星を導入すると、もうお客さんが待っている状態です。暗くなってきて天の川も見え始めます。

先にテスト印刷した天体写真のカードをスタッフに渡しておき、来てくれた子供に配ってもらいました。子供だけで13枚は捌けたと言っているので、その両親も考えたら少なくとも30-40人のお客さんは来ていたことになります。カードを受け取った子供たちはいずれも大喜びで、写っている天体が何か何度も何度も尋ねられました。カードはかなり好評なので、20種で各10枚印刷しておこうという話になりました。リクエストとしては惑星の写真が欲しいと言うこと、あとは写っている天体の名前を入れておいた方がいいのではということでした。次回11月が今年最後ですが、それまでに準備しておこうと思います。

かんたろうさんも鏡筒やら双眼鏡やら出してくれて大活躍です。しかも私よりも遥かに知識があるので、来ていた方は説明に大喜びだったと思います。私の方も負けじと色々説明します。人数が多いので天の川の説明からです。織姫星、彦星、白鳥の飛ぶ方向など夏の大三角に絡めます。

この観望会のスゴイところは、天の川がカシオペアの方まで繋がっているのがはっきり見える(オリオン座が登ってくれば、オリオン座のところまで繋がっているのもわかります)ので、我々の住んでいる銀河と話を絡めることができ、それを実際に自分の目で確認することができることです。「天の川は銀河を真横から見ていますよ」という説明です。

しかも秋だとちょうどM31アンドロメダ銀河がカシオペアの隣にいるので、銀河の形自分の目で確認してもらうことができるのです。慣れた人は肉眼、難しい人は双眼鏡をセットしておきます。肉眼で挑戦して見えなかった人は星座ビノでなら見ることできます。みんな銀河の形を実感することができるので、結構満足してもらえるのではと思います。

機材での観望としては、C8を木星、土星、ベガ、アルビレオで適時入れ替えます。スコープテックは自分で操作してもらうよう、適時説明に入ったりします。もうずっと忙しくて、この日は珍しく電視観望なしでした。

ドームの方も開けて公開はしたけれども、望遠鏡の観察は無しでした。外で十分な機材の台数があることと、これだけのお客さんの人数だとドームの望遠鏡を扱うスタッフの方が足りません。スタッフは女性が多く、年配の方も多いので、無理をせず、できる範囲で地元の方に星を見る機会を提供していこうと決めています。こんな方針でまったりと気楽に、楽しくやっていけばいいのかと思います。ここは観望会としては珍しいくらいにいい環境なので、お客さんと一緒に天の川など、楽しめるものを楽しむのが一番かと思います。


Mちゃんが電視観望

途中だいぶ人もいなくなってきた頃に、いつものMちゃんがお母さんと、いとこの男子高校生とともに到着。Mちゃんが電視観望を始めてくれました。前回渡したQBPを試したかったようなのですが、最初に入れたのがM31。銀河なのでQBPは実はあまり有利になりません。また、とても暗い空なのでフィルターなしても十分よく見えるはずです。ハロ防止にUV/IRカットフィルターだけ残してQBPを外し、M31、M27、M57と入れてました。

もうお客さんも少なくなってきて、22時半頃でしょうか、スタッフの方も解散で、残ったのは結局かんたろうさん、Mちゃんのところ3人、私の5人でした。その代わり、赤道儀のウェイトのところに新たなお客さんが。かわいいケロちゃんです。

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もう誰もいなくなったと思っていたのですが、実は敷地のすみのところにまだ女性4人のグループで毛布を引いて空を見上げている方達がいるのが判明しました。暗くて全然気づけませんでした。

話を聞いてみるとすぐそこの地元の方達で「自分で望遠鏡を持ってくれば見えるのか?」とか言うので、「ここの望遠鏡とは別に持ってきてもらえれば使い方とかお手伝いしますよ」と返事をしました。ですが「望遠鏡持ってないので買うかなあー?」とか話が噛み合いません。よくよく聞くと、かなり遅くのつい先ほど来たらしくて、この観望かいに望遠鏡があることも知らなくて、まだ何も見ていないというのです。

そろそろ片付け始めようと思っていたので、片付ける前でよかったです。C8の惑星、双眼鏡でのすばるやアンドロメダ銀河、Mちゃんの電視観望とフルで見て頂きました。天の川の解説もして、短時間でしたが満足してくれたようで、次回11月6日の会も「ぜひ来たい」とのことでした。観望会自身は今年は11月で終わりです。そこから雪になってしまうので、来年の春までお休みです。

最後のお客さんも帰られ、ここからやっと撮影の準備を再開して、23時過ぎに撮影開始。予定通りケフェウス座のアイリス星雲です。その中の1枚です。既に分子雲も見えているので、やはりかなりいい空なのかと思います。画像処理はまた後日やります。

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Mちゃんのところは0時半くらいまでいたでしょうか。その間、かんたろうさんが眼視でいろいろ見せてくれました。Mちゃんのお母さんが一番満足していたような感じでした。撮影と眼視も面白かったのですが、長くなるので詳しい話はまた今度記事にします





牛岳集合

7月17日土曜日の朝、最近県天(富山県天文学会)に新しく入会されたHさんからお誘いがあり、牛岳に行くことに。ついでに天文仲間の小6のMちゃんにも声をかけておきました。Hさんは今年の3月に望遠鏡を買い、星を始めたのですがまだまだ色々悩んでいるようです。とにかく19時に待ち合わせ。私は昨晩撮影で4時に寝たのに、なぜか朝7時に目が覚めて、子供を部活最後の試合に送っていく羽目に。あまり寝てないので午後は丸々お昼寝です。

15時半頃、熟睡している途中になぜか 子供から電話が。17時に迎えに行くはずが、試合に負けてしまったとのことで迎えにきて欲しいとのことです。眠い目を擦りながら、Tシャツ短パンと、ほとんどパジャマのような格好で迎えに行き、ちょっと早いのですがかねてから約束していたくら寿司へ。今のくら寿司すごいですね。入店はタッチパネルで出てきた番号の席に行け、テーブルでの清算もお皿を自動カウント、会計も全部タッチパネルで、一度も店員さんに会うことがなかったので、パジャマのような変な格好でも全く気になりませんでした。まあ他のお客さんの目はありますが、あまり他の席の他人の格好まで気にしていないでしょう。

自宅に戻ると既にいい時間。急いで荷物を積み込み、18時半頃出発。19時10分くらいに牛岳に到着しました。既にHさんは到着していて、早速機材談義。

現在ポルタ経緯台にED80Sf(多分)を載せていているようです。当然ですが、特に高倍率だとすぐに導入した天体が逃げていってしまうのと、あとやはり揺れが気になるようです。ピントを合わせるだけで揺れてしまうのでかなり困っているとのことでした。まあ、ポルタ経緯台は入門機。片持で、三脚も柔いので、揺れに関してはある意味仕方ないです。そこで赤道儀を考えているとのことなのですが、選択肢も多くて悩んでいるみたいです。赤道儀は多分撮影までするかどうかでラインが引けるかと思います。耐荷重的には十数kg程度までの鏡筒を載せて、ガイドもできるとなると機種も限られています。日本で手に入りやすいメーカーも限られているので、あとはメーカーの特徴や予算や好みになってきます。Hさん自身も色々調べているようなので、「私だったら何を買うかなあ」とか、「次に買うんだったらどこのメーカーかなあ」とかいい所、悪い所を言い合ってました。赤道儀はCGEM IIを買うときに色々検討したので、興味のある方はここをお読み下さい。その後、ハーモニクスドライブが出てきたところが大きな違いでしょうか。でもまあ、今ならまだ最初は普通の赤道儀の方がいい気がします。

実際のCGEM IIを出して揺れの具合を見て、ピクっとも動かないことを確認してこんなに揺れないんだと驚いてました。そういえば三脚も最近はセレストロンタイプの下から押し上げるのが主流ですね。このタイプはホントに頑丈です。あとガイドでPCを使うかどうかとか、撮影用のPCにStick PCを使う話をしたりしてましたが、途中雨がぱらついてきて、機材を一旦車の中に退避させました。その後もしばらく雑談していると、月が時々見えてきたり、星が一部見えてきたり、雨も止んで夜に向かって晴れてくれそうな感じになってきました。

いつものようにその場で会った人と

話していると、子供連れの家族が一組到着。どうも星見のようなので声をかけてみると、小4の女の子で理科で星を見る宿題があるので来てみたとのこと。せっかくなので「望遠鏡見ますか?」と言って、いつものSCOPETECHの入門機を自由に使ってもらいました。最初はお父さんから挑戦して、お父さんがうまくできて安心したのか、次は子供にも月を自分で導入してもらいました。ところがこれがすごく面白かったらしく、その子はずっと望遠鏡をいじっています。Hさんと一緒に「そりゃあ自分で触った方が面白いでしょう」と頷いていました。

途中星雲の話が出てきたので、その間に電視観望の準備をして幾つかの星雲を見てもらいました。星雲の話をしているときもその女の子はソワソワしていて、どうやら望遠鏡で月を見たいみたいです。子供は興味があるもをやってもらうのが一番です。「こんな話なんかつまんないよね、どんどん好きなことをして下さい。」と言って、望遠鏡を触ってもらいます。上手く導入できると「入ったから見てー!」とか言ってパパとママに自慢げに見せるところは見ていて微笑ましいです。しきりに「望遠鏡欲しい」と言っていました。もし買うなら、ホームセンターで買うのでなく、安くてもきちんと作っているメーカーのものを買って下さいとだけアドバイスしておきました。SCOPETECHかVixen、今ならCelestronのStarSense  Explorerが面白いでしょうか。

Hさんは人に望遠鏡を見せることもほとんど初めてで、最初この女のことをMちゃんのと思っていたらしく、知り合いに話していると思っていたみたいです。でも途中で初めて会っただと気づいて、「こうやって人に見せるんですね」とか妙に関心していたみたいでした。

その後ももう一組、5歳の男の子と、もっと小さい赤ちゃんを抱っこした家族が一組きて、天の川が出るくらいの0時頃まで長居していました。木星も土星も登ってきているので、Hさんと一緒に導入にしてみてもらったりしました。途中大きな流れ星が見えてその男の子が興奮してました。

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電視観望はFMA135の実戦投入

電視観望の方はというと、今回の機材は気合を入れて準備したのに立山で活躍できなかったFMA135+ASI294MC Proです。これをAZ-GTiに載せてみました。手動導入でも良かったのですが、MちゃんがAZ-GTiを買ったというので、使える状態にしておこうと思いこの組み合わせにしてみました。感想はというと、やはり自動導入はあったほうが楽で、自分だけならまだいいのですが他にお客さんがいる時などは時間の節約になります。今回見たのは大したことなくて、M57、M27、北アメリカ星雲、M8とM20くらいです。

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下の黒い斜めの影は、南側にある建物の屋根。

何組かのご家族や、たくさんきていた富山県立大学の天文部の方達が15人くらいでしょうか、彼らに見てもらいました。学生の中に電視観望に興味がある子がいて、部員の子達に色々説明してくれていました。県立大の人たちは天文部に新1年生を迎え、新歓観望会のような感じでした。カメラをいくつか持ってきていて天の川の星景狙いっぽかったですが、それまで手持ち無沙汰のようだったので、SCOPETECHや星座ビノを使ってもらいました。何人かの子達は星座ビノ見え具合にものすごく驚いていました。

眼視も面白い、眼視と電視の比較も面白い

途中、かんたろうさんが乱入してきました。ちょうど牛岳に来る途中で電話がかかってきて、そのとき長野の御岳にいると言っていました。「どうしようかなあ」とか言っていましたが、ホントに来たようです。かんたろうさんは25cmのGINJIをJPに載せて眼視で色々見せてくれました。M8の暗黒帯、M20とその強拡大での星の密集具合など、眼視もやはり面白いです。M8とかM27とか電視観望と眼視で見比べができたのが良かったです。他の人たちも喜んでいました。

Mちゃん到着

23時前でしょうか、Mちゃんとお母さんがやっと到着しました。科学博物館の観望会に出てから、その後運転して来てくれたようです。途中山に登る道が通行止めになっていると電話があったので心配してましたが、何とか到着できたようです。

Mちゃんも早速準備を始めます。とりあえず赤道儀から試してましたが、すぐに片側のモーターが不調で諦め他みたいです。

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23時を過ぎたあたりから、どんどん人が増えてきました。今日の月の入りは23時半頃で、この頃から天の川がどんどん見えてきます。月が完全に沈んでからしばらくしての天の川は見事なものでした。おそらく透明度も相当良かったのかと思います。別れて2本になるところもはっきりと見えました。木星と土星もかなりはっきり見えたので、シンチレーションも相当良かったのかと思います。


AZ-GTiでのファーストライト

その後、Mちゃんも今日のメインのAZ-GTiを出します。いつかくる誕生日のプレゼントを先取りとのこと。ちょうど在庫が出た時に発注して、先週くらいに到着したらしいのですが、学校のテストがありしばらくの間は封印。昨日の金曜にやっとテストが終わり、本日土曜の朝から開封していたとのことです。

でも今晩は初めての機器を実際に使うので焦らずにセットアップ。ハーフピラーに取り付けるところを少し手間取ってました。鏡筒部は以前組み立てたMILTOLとASI224MC。使っていたソフトはASI Image。画面上でとりあえず何かカメラに反応があるのを確認します。途中SynScanをSynScan Proに変えたり、ちょっとした接続トラブルがあったのですが、無事に接続できました。

最初木星でアラインメントを取りますが、まずは「あー、動いたー!」と大喜び。それもそのはず、自分の機器での自動導入は初めてです。

レンズが空に向いたので、星が見えるようにピントを調節。無事に星が見えてきました。最初にアラインメントで導入した状態では木星は入りませんでしたが、少しずらすと木星が見えます。中心にマニュアルで持っていきアラインメント終了。ところが、次のすぐ近くの土星を入れてみると、全然ずれて土星が画面内に入ってきません。これだけ近いのに導入できないのは何かおかしいです。聞いてみると、どうやら水平を取っていなかったと言うのでこれが原因でしょう。三脚についている水準器を見ながらあらためて水平を取り直します。

一旦AZ-GTiの電源も落とし、初期位置に戻し、また最初からアラインメント。こんどは木星、土星と立て続けに入ります。使っていたASI Imageは本来DSO撮影用のソフトです。基本的に暗い天体用なので木星も土星も明るすぎて、縞とか輪っかとか見えません。焦点距離が200mmなので、小さすぎて形まで見ようとするとゲインとか露光時間とか調整する必要がありますが、どうもASI Imageだと調整範囲が限られていて厳しいです。ソフトをASI Liveとかに変えようとしましたが、前にインストールしたはずのものが見つかりません。まあ惑星は諦めて、淡い天体に行きます。


とうとうDSOが!

明るい星は映るものの、どうも淡い星がうまく映らないので色々パラメータをいじります。結局ゲインがLowになっていたのが問題でした。淡い星がなんとか見えたので、Mちゃんはアルビレオを見ることに。ですが赤と青の組み合わせに見える星が画面内にいくつもあり、いまいちどれか分からず。恒星はあまり電視観望は向かないですね。

次はメインの星雲。比較的大きくて明るいM27をめざします。でも一発目ではやはり入りません。そこでまずはアルタイルを入れてもらうことに。やはりアルタイルも少し画面からはみでますが、明るいので少しずらせばすぐに画面内に入ってきます。そのときどの方向にずれていたかを頭に入れておきます。次にM27を導入して、それがアルタイルがずれていた方向にあると仮定して、そこが画面中心に来るような方向にずらしてやります。するととうとうM27がはいってきました。

「わー!!!こんなに綺麗に見えるんだー!!!」ともう大喜び。よっぽど嬉しかったのでしょう。「おもしろすぎ」とか「嬉しすぎ」とかキャーキャー声を上げまくり。それもそのはず、最初はポルタ経緯台でM42を導入して、赤道儀はさらに導入が難しく、やっと自動導入する手段を得たわけです。しかも放っておいても追尾してくれて逃げていかないので、撮影も落ち着いて出来ます。その後、露光時間を30秒程度まで伸ばしてどんどん綺麗な画像を出していきます。ASIのソフトすごいですね。ストレッチを常にオートでかけているので、露光時間を伸ばすとユーザーからは単純にノイズが減った効果だけがうまく見えるようになってます。

あ、ちなみにこれらの作業全部Mちゃんがやってます。私は基本見てるだけ、どうしても困ったときにだけ声をかけてます。露光時間の設定も、どう写っているかの確認も、実際に撮影モードで画像に落とすのも、どこのフォルダに保存されるかのの設定と確認も、きちんとファイルになっているかの確認も全部Mちゃんが自分でやっています。後、やはりASIのソフトが初心者に親切だと思ったのが、ストレッチされた見たままの画面がそのまま保存され得るのがデフォルトになっていたこと。普通はRAWがデフォルトなので、保存された画像を見て暗い!なんで?と思ってしまうはずです。

「M13って見えそうですか」と聞いてくるので、「うーんまだ大丈夫じゃない」と答える間も無く、自動導入を始めてました。今度は画面下の方ですが、一発で入ってきます。AZ-GTiの自動導入に感激したのか「これかなり便利ですね。」と赤道儀と比較して言います。

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次にM31のアンドロメダ銀河。入った途端に「わー!」露光時間を何通りか伸ばして、180秒は完全にサチることを理解。最後60秒に決めて撮影。ボソッと「沼だ...」とつぶやいていたのを私は聞き逃しませんでした。

最後、M57を導入しようとして、少し見えたところでPCのバッテリー切れで終了。Mちゃんのこの嬉しそうな様子を見て、お母さんもちょっと満足そうでした。なんでも自宅だとベランダ観望になり、北側が見えないそうです。AZ-GTiなら初期アラインメントに北側の星も必要ないのでちょうどいいと思ったみたいです。

私はというと、Mちゃんの様子を見ているだけで幸せでした。小学生にとってはAZ-GTiはかなり高価なはずで、勧めたはいいけど贅沢にならないかと少し心配していました。でもこれだけ喜ぶのなら今後使うことも考えて十分な価値があるのではと思います。そうそう、夏にキャンプに行くらしくて、そこで電視観望をしたいと思っているみたいです。一番の問題はPCのバッテリー。屋外で途中充電できないので、AC電源付きの大容量バッテリーがあるとなんとかなるのではと思いました。

この時点で午前2時くらい。多分小学生には限りなく眠い時間でしょう。お母さん曰く、こんな遅くまで起きてたことはないらしいです。多分ものすごく眠いのと、ものすごく嬉しくて興奮気味で、かなりハイになっていて、機材を片付けるのが大変そうでお母さんが困っていました。どう見ても眠そうなのですが「明け方までいる」と口ではいうものの、もう限界っぽいです。それでもお母さんは「まだいてもいいよ」と言っていましたが、流石に帰ることになったようです。大学生もいたので、ホントは色々話したりするも楽しいはずです。帰りの車の中ではいい夢を見るのではないかと思います。

あ、帰るときに自宅で焼いてきたというチョコクッキーを頂きました。今朝起きてから家族で食べたら「おいしいおいしいと」言って、下の子がほとんど食べてしまいました。私と妻が食べれたのは1枚づつ。ほんとにおいしかったです。


撤収

気づくと午前2時半。この日は3時には薄明に入り始めるので、ここら辺で撤収です。Hさん、かんたろうさんともまた再開を約束して帰路に着きます。結局は私はいつものように人がいるところでは撮影できず。透明度もシンチレーションもよかったので勿体無いと言えば勿体無いのですが、それよりも人がいる時は話していた方が楽しかったりします。

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