ほしぞloveログ

天体観測始めました。

キーワード:QBPを含む記事

先日セットアップしたStick PCのテストも兼ねて、ネオワイズ彗星の電視観望とZoomでの中継をしてみました。


やっと梅雨明けか?

週末の金曜日本当に久しぶりに天気がよくなったので、NEOWISE彗星の電視観望と、Zoomでの中継をしました。

一番の目的は、世間的にはまだネオワイズ彗星を見ていない人が結構多そうで、もしその方達に少しでもいいので見てもらえればと思っていたことです。他の方の撮影結果を見ると、もう5等くらいとかなり暗くなってきていて、テイルも相当淡くなっているようです。おそらく一般の方が双眼鏡で見たとしてもほとんど分からないのではないかと思います。電視観望ならまだテイルまで見える可能性が高いです。なので、Twitterで「お子様、初心者大歓迎」と呼びかけて、できればマニア以外の一般の方に参加してほしいと思っていました。

もう一つの目的は、前回の記事で書いたStick PCの試験です。過去に何度かSURFACEを使ってやっていたリモート制御用PCを、今回はもっと気軽なStick PCで置き換えて、中継に耐えられるかを試したかったのです。当然私自身は、クーラーのついた部屋の中から快適に中継ということになります(笑)。


よし、中継の準備だ

彗星は最後、高度がかなり低くなるので、機材は二階のベランダに置きました。左右の見える範囲は狭まりますが、隣の家などの邪魔されずに低高度まで見えるようになります。2度目の中継にあたる7月19日の自宅からの中継は、北向の窓がある子供の部屋に機材を置きました。でも10日ほどの間に北西方向から真西方向に45度ほども方角が変わったので、今回は西向きに面しているベランダに移しました。

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機材は広域電視観望のセットアップに近いものなります。カメラはこれまでと同じZWO社のASI294MC Proを常温で稼働。これにNIKONの大昔の50mmのF1.4レンズをニコン->Canonアダプターをつけ、さらにCanonマウントからASIカメラにとりつけるアダプターをつけて接続しています。リモート駆動としてSkyWatcher社のAZ-GTiを経緯台モードで使っています。

いちばんの心配はWiFiの電波がベランダまで届くかでしたが、ほぼ真下にあたる1Fの電波が良好で、ここに繋ぐことで安定して接続することができました。唯一の間抜けなところが、これはStick PC以前の問題なのですが、AZ-GTiのステーションモードを5GHzの方につなげようとして、どうしてもつながらないと焦っていたことでしょうか。AZ-GTiは2.4GHzしかつながらないので注意が必要です。すっかり忘れてました。ドスパラのStick PCでは外部アンテナがあったのですが、今回の新Stick PCはそう言ったものもなくデザイン的にもスッキリしています。でもアンテナの感度はほとんど変わらないようです。

電視観望に関してはは順調そのもの。CMOSカメラを繋いだStick PC上で、SharpCapの動作も重いところなど全くありませんでした。自宅のWi-FiにAZ-GTiをステーションモードで接続、さらにStick PCも自宅Wi-Fiに接続します。Stick PC上でSynScan Proを走らせて自宅W-Fi経由でAZ-GTiに接続。私は部屋の中から別のPCでベランダにあるStick PCにリモートデスクトップで接続。さらに部屋のPCでZoomに接続してリモートデスクトップ画面を共有すると言う形をとっています。


ネオワイズ彗星見えたか?

肝心のネオワイズ彗星ですが、昼間から天気が良かったので期待できました。私としては珍しく少し早めに中継すると決心して、準備を終えアナウンスしたのが夕方。それが良かったのか、天リフさんでもピックアップで「このあとすぐ!」という触れ込みで宣伝していただけました。

その甲斐もあってか、知り合いの方、天文マニアの方はもちろんですが、(おそらく)一般の方も10人から20人くらいの規模で参加していただけました。でもほとんどの方がマイクがなくて、こちらからの説明だけで会話ができなかったのが残念です。あとでTwitterのコメントで、初めて見ることができたとかの投稿もあったので、「ああ、やって良かったな」と思いました。

多分日本全国ずっと天気が悪かったのでしょう。天文仲間もたくさん参加してくれました。なんと宣伝してくれた天リフ編集長も参加してくれたのですが「宣伝していいか迷ってた、参加人数が多くなりすぎるのが心配だった」と随分気を使って頂いていたことを聞くことができました。あと、参加者同しで「今ネオワイズ彗星中継してるよ」と電話で知らせあっていて、その時の声と電話に出ている様子がビデオ映像で流れていたのには皆さん大笑いでした。

実際の彗星の見え具合ですが、前半は継続してずっとテイルまで見えていました。もちろん、もうかなり淡くなっているので以前ほどのインパクトはないですが、はっきりとテイルの形は分かります。

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あ、今回はサイトロン社のCBP(Comet BandPass)フィルターをマウントアダプターの中に取り付けています。もともと彗星用と言うよりは星雲の青い部分を出したくて手に入れたのですがそちらは天気が悪くて全然試せてなく、せっかくなので遅ればせながら彗星にも使ってみました。 今回ははっきりと比較して比べたわけではないので詳しい評価は控えますが、それでも前日に他の方が撮影されたものや、同日撮影された画像と比較しても、高々電視観望ではっきりとテイルの形が分かったのはCBPのおかげかもしれません。

はっきりと見れていたのは21時くらいまででしょうか。だんだん雲が多くなってきて、この日は21時半頃には終了としました。きちんと数えたわけではないですが、結構人は入れ替わり立ち替わりで、全部合わせると30人は余裕で超えていたと思います。

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終わりの頃にはこんなに雲がかかってしまいました。

その一方、中継の最後の方から参加してテイルが見えなかった方もいましたし、後からコメントで中継に間に合わなかったとか、中継が終わってから誰もいない会議室を覗いてくれた方も(メールで誰か入ってきたのがわかるのですが)10人近くいました。まだ彗星を見てみたい方は少なからずいるようです。もし晴れるなら、もう一度くらい中継しようと思ったのが次の日の土曜日の朝です。


結局2日連続で中継、でも...

土曜日も朝からずっといい天気でした。でも夕方に近づくにつれ雲が出てきました。まだSCWとGPVでは予報は悪くありません。なのでまた雲も晴れると期待して、少し強引に中継を決めて再び18時くらいにTwitterでアナウンス。この日も「お子様、初心者大歓迎」と書いておきます。

もしかしたら天気が悪いかもと思い、機材を直前にベランダから庭に移しました。庭ならば、視界の限られるベランダと違い、全天を眺めることができます。もし彗星が見えなくても、せめて月とかでも見えたらと思っていました。低い光度は見えなくなりますが、彗星の高度もずいぶん上がっているので、前日の経験から、低い高度はもやで見えにくくなるので、そこまで遅くまで中継しなければ大丈夫でしょう。

19時半頃から中継を始めましたが、ずっと雲が出ています。金曜よりは人数は少なかったですが、この日は一般の方、もしくは初めましての方が多かったのが特徴でしょうか。でも実際に見えたのは、ほんの一瞬が2-3回といったところです。

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雲の切れ間の上の方、緑色の核とほんの少しテイルが分かります。

いちばん見えた時で写真よりほんの少しいいくらい、テイルが本当にかろうじてわかる、かなり厳しい状況でした。それでも見えて嬉しかったとお礼を言ってくれた方もいたので、少しだけほっとしています。

あ、一つ曇り空に花を添えたことを思い出しましたし。途中Stellariumで彗星の位置を確認していたら、Stellariumの上でISSが迫ってくるのに気づきました。すぐにカメラを少し右に寄せると、雲越しですが本当に時間通りに動いていくISSが見えました。これはちょっと面白かったです。

後半はずっと曇りで、最後は星好きが私も入れて4人残り、いつしかおしゃべりモードに。学生のnezumiさんが金沢で撮影している状況を中継してくれたり、結局23時過ぎまで話し込んでいました。

これもまたあるあるなのでしょうか、Zoom会議を終わるころには空は晴れ渡り、少しだけ白鳥座方向を電視観望で見てみると、月明かりの中北アメリカ星雲がよく見えました。右側に網状星雲も少しだけ見えていますが、月が明るすぎてせいぜいこれくらいでした。でもCPBのせいでQBPよりも青が出ているからでしょうか、見た目が自然の色に近い印象でした。

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まとめ

一応2日とも何とかネオワイズ彗星をテイルまで見ることはできました。でもあまり天気が良くはなく、見たかったけど見えなかった人もいるかと思います。でも月も満月に近づくので明るいし、今日は天気もあまり良くなさそう。もうネオワイズ彗星もほとんど終わりなのかと思います。

実を言うと、中継の準備はこの日だけでなくこの一週間、雨が降っている日以外は毎日準備していました。唯一木曜日に雲間からほんとに一瞬だけ見えた時がありました。

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映ったと言っても、薄い雲越しなのがわかると思います。そのまますぐに雲の中に隠れ、その日も中継は諦めました。天気には文句を言っても仕方ないですが、これだけの彗星が梅雨時でなかったらもっと盛り上がったのではないかと思います。

またそのうちに何か企画したいと思いますので、楽しみにしていてください。


おまけでStick PCの電源について

最後に、電視観望に平行して、別途Stick PCの電源テストをもう少しだけしました。

結論だけいうと、通常のUSB端子の電源供給ではたとえ起動することがあっても、計算負荷が高くなると落ちてしまい、実用レベルでは厳しいです。

具他的には、StellariumとSharpCapの極軸合わせを同時に立ち上げるくらいでだめになります。実際には立ち上げてからそこそこ持ちますが、特に一旦放っておいてモニターの電源が切れ、再び立ち上げようとするときに落ちるというのは、かなり再現性がありました。どうも使い続けている限りは大丈夫なようですが、復帰の時に電力を消費するのでしょうか?

昇圧するなどの方法もあるかもしれませんが、Less is moreのバッテリーの100W出力端子は不安定になるようなことは全くないので、しばらくはこれで使い続けようと思います。

 

2回目の能登半島羽咋の撮影で、ある程度枚数を稼いだのと少し雲が出てきたので、一度やってみたかったテイルのある彗星の電視観望を試してみました。


電視観望でネオワイズ彗星を見てみる

今回は簡単な電視観望なのですぐに準備は整います。1回目の撮影の時に焦っていて見つからなかったカメラアダプターも、今回はきちんとどこにあるか確認しておいたので、すぐにカメラとレンズは説明できました。赤道儀も経緯台も使わずの普通の三脚にカメラを乗せるだけなので、こちらもトランクから出してすぐにセットできます。

思い立ってから5分後には画面上に彗星が写りました。機材は一番シンプルなASI294MCにNIKKORの50mm F1.4レンズで以前やった広域電視観望にあたります。QBPなどのフィルターは入れていません。実際に見てみた画面がこちら。

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ダストテイルはもちろん、うっすらですがイオンテイルもリアルタイムで写っています。思ったよりも見えます。さすが超高感度CMOSカメラでの電視観望です。

彗星周りと下のほうにも霞んで見えるのは雲です。22時近いですが撮影するにはすでに状況が厳しくなってきているのがわかります。


ネオワイズ彗星を中継できるかも

それでも高感度カメラのおかげか、うまく見えたことに気を良くした私は、突然Zoom中継できないか思い立ちました。遠征先ですが、iPhoneのテザリング機能を使えばなんとかなるかもしれません。

ところが、最初に繋いだSURFACE PCがなぜかiPhoneまでは繋がるのですが、インターネットに繋がりません。5分くらい格闘して時間もないので諦めて、予備というかメイン機に入っているBootCampのWindowsを立ち上げ、新たにカメラをつなぎ変えてドタバタしながらなぜかこちらはすんなりとインターネットにつながりました。

その後、Zoomの会議室を準備し、すぐにTwitterで「彗星が沈むまでの短時間ですが」と断って呼びかけました。この時点で22時くらいだったと思います。すぐに何人かの方が参加してくれて、まだかろうじて尾っぽが見える状態でした。全国的にはそこまで晴れたわけではなく、この日見えなくて諦めた方も多かったようで、「リアルタイムなので見えた気分になれた」と喜んでくれる方もいました。それでも時間と共に低空に下がってきて、さらに雲がどんどん濃くなってきます。結局途中から参加された方は見ることができなくて申し訳なかったです。

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彗星は見えなくなってしまいましたが、何人かの方が参加してくれました。
  • baibaiさんがかなりはじめから参加してくださって、無事に尾っぽも見てもらいました。電視観望も中継で見るのも初めてだったとのことです。
  • シベット さん、タカsiさん、nagahiroさんも入ってくれました。特に関西勢のみなさんが天気が悪くて見えないとぼやいていました。
  • ケニ屋さんが時間が合わずに入れなかったようで、中継が終了してから入ってくれていたようです。水星が見えている時間も短く、短時間での中継だったので申し訳ありませんでした。
彗星の中継は可能性がありそうです。日本全部で晴れているわけではないので、晴れていないところからその様子を見てもらうことで、楽しんでいただけるかもしれません。彗星の見頃もあと1週間くらいですが、できるならもう少し早い時間から始めてリベンジしたいと思いました。


2回目の電視観望

そんなことを考えていた次の日の日曜日、SCWの予測によると富山は曇りの予報。でも19時頃に外に出てみるとかなり晴れています。この時GPVを確認すると富山は晴れの予報。少し差があるようです。

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自宅から見た北西の空。

とにかく彗星方向も結構見えそうなので、夕食を急いでとって車で5分くらいの河川敷に向かいました。日食を撮影した場所です。到着してすぐに昨日と同じセットアップで設置。ものの5分とかかりません。SharpCapで見えることを確認し、Zoom会議を立ち上げて、すぐにTwitterで呼びかけます。

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  • starstyleさんが仕事中にも関わらず参加してくれました。さすがに仕事中はマイクでは話せなかったみたいです。
  • 昨日に続き、タカsiさんがお子さんと一緒に参加してくれました。
  • 以前大晦日の電視観望でご一緒した智さんが参加してくれました。智さん自身も次の日広角で電視観望をしてみて見事にネオワイズも見えたそうです。双眼鏡だと厳しかったかもとのこと。やはりCMOSカメラは高感度で、ざっくり探すだけでも有効かもしれません。
  • staruzさん、三河のほうで電視観望をやりたいということで、α7Sがいいのか、ASI294MCがいいのか迷っていました。あとで、違いが多少説明してあるこのページをお勧めしておきました。
  • 昨日間に合わなかったケニ屋さんが参加してくれました。
  • CANPでお会いしたMatsuokaさんも入ってくれていたようですが、マイクの調子が悪いのか会話はできず残念でした。
  • spicaさんがお子様と一緒に参加してくださいました。親子で宇宙のことが大好きとのことでした。テカポのライブ中継の後に参加してくれたようです。東京からだとなかなか見えないそうです。でも残念ながらちょっと参加するのが遅くて、彗星が雲に隠れてしまい見せることができず、申し訳なかったです。その代わり少しだけ天の川を見てもらいました。
  • 他にも結構な人数の方、入れ替わりで十数人は入ってくれたかと思います。フォローし切れていない方もいると思いますが、申し訳ありません。
参加してくれた皆さま、どうもありがとうございました。特に、子供が参加してくれるのは嬉しいです。でも後半のspicaさんのところの女の子には見せてあげられなかったこと、これが一番悔やまれます。

最初は彗星のテイルまで綺麗に見えていたのですが、途中からどんどん雲が厚くなり、最後は核さえも全く見えなくなってしまいました。それでも夏の大三角はある程度まで見えてましたし、南の天の川中心付近も見えていました。北西方向があまり良くなかったみたいです。下の写真はZoom中の様子ですが、もうかなり炙り出した状態で、かろうじてテイルまで見えています。

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ちなみにこの時点では、肉眼ではこの方向には星も何も全く見えません。双眼鏡で見ても彗星の核も他の星も全く見えませんでした。それでも炙り出してしまう電視観望はやはり強みがあると思います。


無事に終了

さて、高度的にはまだ見えているはずなのですが、結局雲に隠れてしまって、さすがの高感度CMOSカメラでもどう炙り出しても核さえも見えなくなってしまったので、ここで終了としました。22時前くらいだったでしょうか。次の日もが仕事なので、あまり遅くならずちょうど良かったです。

電視観望も、それを中継するのもとても面白かったです。まだ見えてない人が「見た気分になれた」と言ってくれるのを聞くととても嬉しいです。晴れてくれたらもう一度くらい挑戦したいです。

できれば子供に参加して欲しいです。もちろん本当は肉眼で見て欲しいのですが、spicaさんが会議中に話してくれましたが、東京とかの明るいところでは流石に肉眼で見るのは難しいようです。双眼鏡が一つあれば結構な市街地でも見えると思うのですが、低倍率の双眼鏡でないと初めての人はなかなか場所がわからないかもしれません。実は星座ビノが低倍率で視野が広くて良かったりするんですよね。

ネオワイズ彗星の見頃もあと1週間くらい。悔いのないように楽しみたいです。
 

M13でのTSA-120とVISACの比較から、どうやら単純にはVISACの方が分解能が上のようです。以前、TSA-120とASI178MCで全く分解能のでなかったM51を、連休中にVISACで再度撮影してみました。




今年初稼働のVISAC

そもそも、TSA-120での撮影の時は透明度も全然よくなくて、風がかなり強く鏡筒が揺れていたので、出来上がりはボケボケ状態で、無理矢理炙り出したような状況でした。焦点距離が900mmと短いので、M51は結構小さく出てしまいます。そこでセンサーサイズが小さく、分解能を出す意味でピクセルサイズが小さいASI178MCを使ったのですが、感度がASI294MCとかに比べると4分の1くらいなので、淡い星雲には不利に働いたのかと思います。

さて、今回は焦点距離が2000mmと倍以上になりASI294MCで感度もいいので、前回よりも少なくとも有利なはずです。口径も120mmから200mmになり光量も2.7倍くらいになるので、それも有利に効くはずです。その一方、これまでの経験からシリウスBトラペジウムではTSA-120の方が有利だったように、星像のシャープさという点ではもしかしたら不利な点が出てくるかもしれません。

さて、この時の撮影用のソフトはまだN.I.N.A.ではなく、APTを使っています。実際にはM13より以前に撮影しています。この日は透明度もそれほど悪くなく、風もたいしたことありません。


やっと画像処理

M13の方を先に処理し出してしまったので、M51の画像処理は後回しになってしまってました。週末の日曜になってやっとやる気が出てきました。

まず撮影した結果をそのままRAWで見てみます。おーっ!一枚でも解像度はすでに前回よりはるかに上っぽいです。

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でも少し拡大してみると、

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あれ?おにぎり星像、また出たか!? 
M13の時は大丈夫だったのに〜!?
夏になると出るのでしょうか?

しかたないので、三角星像は画像処理で何とかすることにして、とりあえず進めます。

スタックまではいつものPixInsightです。今回もダークは以前の使い回し、フラット補正はサボってなしです。あ、一つトラブルがありました。最初、BatchPreprocessingが途中でスターアラインメントのところで止まってしまったのです。探ってみると、Debayerで色がおかしく出てしまています。よくわからないので、マニュアルで最初から探っていくと、どうやら一番最初のCalibrationのダーク補正のところでおかしくなっているようです。

心当たりを探ってみると、今回StickPCではなく、もっとパワーのあるSurfaceマシンで撮影して、その際APTを新規に入れたものを使ったのです。その際、オフセットの値をきちんと確認しなくて、小さな値を入れてしまっていたことが原因です。ダークファイルは使い回しで、そのオフセットはライトフレームよりも大きかったのです。ダーク補正をする際に、大きくオフセットを引きすぎてRGBのうちRとBの背景が0より小さくなってしまって、完全に緑がかった色になってしまっていました。

ここでどうするすればいいか、困ってしまいました。結局やったことは、PixInsightのHistgramTransformationの「shadow」を上げてmaster dark frameのオフセットを小さくしてみたことです。

dark_offset_cut

画面はわかりやすいようにDebayerしてカラー化してオフセットを取っていますが、実際にはBayer配列のままやっています。でもこの方法で本当に正しいのかよくわかりません。いずれにせよ、これで作ったmaster dark frameでダーク補正をすることで、背景が真っ暗になるようなことはなくなりました。そのままBatchPreprocessingでも最後まで処理できるようになりました。

その後、ABEとPCCで処理し、ArcsinhStretchで途中までストレッチして、最後はHistgramTransformationでストレッチしてPIはおしまいです。

次のトラブルは、StarNet++があまりうまくいかないことでした。大きな星は分離できてますが、細かい星がほとんど分離できません。

light_BINNING_1_integration_ABE_PCC_AS_SNP

light_BINNING_1_integration_ABE_PCC_AS_SNP_cut

何が原因か知りたかったので、とりあえず今回は2つ試して見ました。
  1. 一つはもう少しストレッチして明るくしてからStarNet++をかけて見ましたが、こちらはほとんど影響なしで分離できる星は変わりませんでした。
  2. 次にやったのが、MorphologicalTrasnformationで三角を丸に直してからStarNet++をかけて見ました。そうすると、もう少し分離でき流ようです。どうやら星の形(真円に近いという意味)を見分けて判断していることが分かります。
でも結局はかなりMorphologicalTrasnformationをかけなくてはならず、星雲部分や背景まで崩れてくるので、こちらも適用は諦めました。結局StarNet++で大きな星だけが分離できた状態で画像処理を進めました。その代わりに、分離できた分だけの恒星部の画像を作って、それをMorphologicalTrasnformationで三角になったのを少し緩和しました。


結果

画像処理の結果です。

「子持ち銀河M51」
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  • 撮影日: 2020年5月13日21時22分-23時27分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro + サイトロン QBP (37.5mm)
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: APT、ゲイン220、温度-15℃、露光時間300秒x26枚 = 2時間10分 
  • PixInsight、Photoshop CC、StarNet++、DeNoiseで画像処理

今回はかなり分解能も出ています。M101に続いて、焦点距離の長い口径の大きい鏡筒を使えば、光害地でQBPを使って、もう少し小さい系外銀河の撮影もそこそこ可能だということが分かりました。

画像処理でVISAC特有の三角星像もそこまで目立たないくらいにはなりました。でも、前回のM13で三角になることはなくて、なんでM51は三角になったのでしょうか?赤道儀の向きにも依存しているのかもしれません。もしそうだとすると、光学的な問題というよりは、メカ的な振動の可能性もあり得ます。こちらはもう少し調べてみます。


まとめ

富山の明るい北の空で、何とか系外銀河を狙う目処がやっとついてきました。おにぎり星像はまだ問題ですが、四隅で流れるようなことはないので画像処理の範囲である程度補正することはできます。それでももう少し、根本的に何が原因か探りたいと思います。


前回のTSA-120に引き続き、VISAC (VC200L) でM13を撮影してみました。




撮影時の様子と結果

と言っても撮影したのは前回の画像処理をする前。なので、反省点は生きていません。撮影条件なども基本的には同じです。

大きく変わったのは、鏡筒はもちろんですが、撮影時間を3時間以上と大幅に増やしたこと。まあこれも増やしたと言うよりは、放って置いたら3時間経ってたと言うのが正しいので、3時間に「増えてしまった」と言った方がいいのかもしれません。あと、撮影にN.I.N.A.を使ってみました。結構よかったので、これは次の記事でレポートします

撮影時に気づいたことといえば、TSA-120は鏡筒自身が長いので時間が経つとCMOSカメラ側が三脚に当たって、それで撮影が終わることが多いのですが、VISACは焦点距離が長いのに物理的な長さは短いので全然大丈夫なことです。実際、M13が天頂を超えてしまって、あーもう当たってるかもと思って急いで見に行ったらまだ全然余裕で、その後30分くらい撮影を延長しました。

撮影結果です。


「M13: ヘラクレス 座球状星団
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  • 撮影日: 2020年5月14日21時9分-5月15日0時48分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro + サイトロン QBP (37.5mm)
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: N.I.N.A.、ゲイン220、温度-15℃、露光時間300秒x38枚 = 3時間10分 
  • PixInsight、Photoshop CCで画像処理

中心部です。

light_BINNING_1_integration_ABE_ABE_PCC_STR_PS_decom3_cut



画像処理について

画像処理をした後の、いくつかの反省点と検討事項です。
  • StarNet++を試しましたが、相当明るい構成のみを一部分離できただけで、使い物になりませんでした。球状星団には向いていないです。
  • 背景ノイズを消す目的で試したのですが、相変わらずDfine2もDeNoise AIも微光星が崩れしまって、悪影響の方が大きいです。今回も使いませんでした。
  • 露光時間が長いので背景ノイズが滑らかになり、微光星とはかなりはっきり分離できています。逆に一番の問題は、露光時間が長いのでやはり星像にシャープさが無いこと。シャープさを出すために、Sharpen AIとNik collectionのSharpner Proとか色々試しましたがほぼ全滅で、唯一まともだったのがPixInsightのDecombolutionでした。ちなみに、月とかでRegistax代わりに使うMultiscaleLinearTransformも背景ノイズが増えたように見えるのでダメでした。
  • Decombolutionはまだあまりパラメータとか理解できていないので、ほぼデフォルト。Wavelet layerはデフォルトの2つだと不十分なようで、4つに増やしました。他にかなり効いたところがDeringingです。これもデフォルト設定ですが、オンにすると背景のノイズの崩れ具合がかなり改善されました。このおかげでシャープさが少し回復したのかと思います。
  • まだ口径200mmの分解能には迫っているとは思えません。特に明るい星が肥大化してしまうのはコントラストなども関わってくるので、難しいです。
  • 具体的に言うと、星が密になる境のあたりに3つ赤い星が固まっていて、一番外側の星の横に青い小さな星があるのですが、この3つの星がどうしてもくっつきがちです。シャープな画像を見ているともっと分離しています。次に短時間露光を試すときに、ここの分解能を出せるのかどうかがポイントかと思っています。
  • 以前問題になった、星像おにぎり化現象、一旦は出なくなったのですがはたして今回はと言うと、とりあえず星像を見る限り丸で、どうやら大丈夫なようです。でもこれまだ、調整不足で星像が肥大化して見えなくなっただけの可能性もあるので、結論は先送りです。

背景について

背景をわかりやすくするためにガンマを上げたものを載せておきます。

light_BINNING_1_integration_ABE_ABE_PCC_STR_PS_decom_gamma2

微光星とノイズがはっきりと見分けがついているところが今回進歩したところでしょうか。

その一方、よくみると背景に黒いシミのようなものがたくさんあるのがわかります。これがどこから来ているのか不明です。周辺減光を見てもわかりますが、今回フラット補正をしていないので、フラット補正をしたらうまく取れるかもしれません。まだフラット補正に絶対の自信がなく、出来る限り躊躇してしまっています。きちんと検証するいい機会なのかもしれません。


TSA-120の画像とVISACの画像の比較

面白いのはここからです。M13の画像をTSA120とVISACの場合で比較してみました。日にちも条件も違うので、完全な直接比較にはならないのですが、いくつか面白いことがわかりました。わかりやすいように、中心部の画像の右上4分の1を切り取って並べます。左がTSA-120、右がVISACになります。

detail_comp_TSA120_VISAC

まず、分解能についてですが、VISACの方が圧勝です。そもそも焦点距離が倍以上長いので、同じCMOSカメラで撮影した場合焦点距離の長いVISACの方が有利です。また、VISACの方が撮影時間3時間以上と3倍近い時間をかけているので、背景ノイズが小さくなっていて、微光星がよりはっきりと分離されています。
一方、明るい恒星に関しては隣同士の距離がTSA-120でもVISACでもあまり違いがありません。ここら辺はトラペジウムのE、F星がTSA-120では余裕で見えてVISACでは見えたことがないというところに通じるのかもしれません。もちろん、両撮影とも5分と露光時間が長いので、共に明るい星が肥大化してしまった可能性もあります。

星の色についてですが、基本的に白、オレンジっぽい赤、緑よりの青の3つに分かれるのは前回と同じです。赤と青がバラバラに散らばっているので、収差とかではなさそうです。また、どの星がどの色になるのかの再現性はあるようです。QBPのせいかなとも思ったのですが、他の方の画像を見ても同じように3種に分かれているのが多いです。やはりフィルターが入っているのかとも思ったのですが、Wikipediaの写真や、NASAの写真も同じような傾向です。これは一般的にこれで正しいのか?これも課題の一つです。

VISACの星像が横に伸びてしまっています。光学系のせいなのか、撮影時の流れなのか不明ですが、解決しなくてはダメそうです。TSA-120は流石に真円に近いです。

次に、左上のICIC4617周りを比較してみます。左がTSA-120、右がVISACです。

comp_IC4167

調べてみるとIC4617が15.14等級だそうです。Stellariumが18等級までデータを持っていて、改めて画像を見ると17等級後半とかは余裕で見えています。例えば、IC4617の右上にある3つ並んだ星の一番遠い矢印で指しているのが17.8等級です。VISACだと余裕ですが、TSA-120だとギリギリ見えてるかどうかというところでしょうか。

VISACはさらに暗い星が見えているようですが、もうデータがないので何等級かわかりません。きちんとデータと比べて限界等級を知っておきたい気もします。


まとめと、今後の課題

さて、VISACによる3時間撮影で、微光星の分解能は格段に上がりました。でも明るい恒星の肥大問題はまだ存在しているようです。こうやって考えると
  • VISACで10秒クラスの短時間露光撮影
  • TSA-120でシンチレーションのいい日に3時間クラスの長時間撮影
のような方向で攻めるのが次の目標でしょうか。でも、シリウスBとかトラペジウムとか考えたら、
TSA-120で10秒クラスの短時間露光撮で他数枚というのが手持ちの機器では解なのかもしれません。


 

球状星団を撮影するのは初めてになります。今回、ヘルクレス座の球状星団M13をTSA120を使って撮影してみました。全天で最も美しい球状星団と言われています。


初の球状星団撮影

連休初日に入るこの日の夜、天気は悪くなく、夜中から天の川を撮影しようと思っていたのですが、それまでの繋ぎでM13を撮影してみることにしました。よく考えたら、球状星団をまともに撮影するのは初めてのことです。もちろん、眼視や電視観望などでの簡易撮影などはあります。それでも時間をかけてまじめに撮影するのは初めて、いろいろわからないことがありそうです。
  • そもそも、撮影時間はどれくらいがいいのか?星雲ほど長くなくていいのか、それともやはり長ければ長いほどいいのか。
  • 1枚あたりの露光時間はこれまで通り5分でいいのか?
  • QBPはあってもいいのか?無いほうがいいのか?

天の川が出てくるまで1時間ほどあります。最初なのでとりあえずこれまでの星雲撮影のセッテングをベースとして、撮影時間を1時間としてみました。

撮影は順調。PHD2とAPTで、ガイドも含めて特に問題はなかったです。ちょうど同じ時間帯に、あぷらなーとさんもM13を狙っていたみたいです。


画像処理と結果

球状星団の画像処理も初めてのことで、まだ全然慣れていません。疑問だらけで、また太陽映像に取り掛かっていたこともあり、時間がかかってしまいました。

星雲の場合と違って、いじればいじるほど処理の跡が目立つような感触です。なかなかごまかしが効かない、素材の出来具合がそのまま処理後の出来に直結するような気がしました。とりあえず処理した結果です。



「ヘルクレス座球状星団M13」
light_BINNING_1_integration_ABE_PCC_STR2_cut
  • 撮影日: 2020年4月29日0時24分-1時23分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120 + 35フラットナー + サイトロン QBP (48mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: ATP、ゲイン220、温度0℃、露光時間300秒x11枚 = 55分 
  • PixInsight、Photoshop CCで画像処理
中心部です。

light_BINNING_1_integration_ABE_PCC_STR2_center

今調べたら簡易撮影では、星を始めて一番最初に撮影したメシエ天体がM13 M3(2020/5/16訂正:玄さんのコメントのおかげで4年を経てM3と気付くことができました。玄さん、どうもありがとうございました。)でした。星を始めて、一眼レフカメラを手に入れてすぐのM13 M3がこれ。1枚撮り、中心からずれてる、星がぶれてる、画像処理も何もしてない。さすがにこれを見ると、4年間で進歩したと思えます。でも望遠鏡とカメラでメシエ天体が写っただけでも、ものすごく嬉しかったこと覚えています。

IMG_0326



反省点色々

最初は、初めてにしてはそこそこ中心部まで見えたのかなと思っていました。でもやはりまだまだですね。以下、反省点です。
  • 一つ一つの星像が大きい。もっと分離してもいいはず。
  • 星雲みたいに背景を出す話ではないので、構成を分離するStarNet++が意味をなさないはずです。今回は試すこともしませんでしたが、背景のノイズを減らすのには役に立つかも知れません。今後の課題とします。
  • 背景のノイズを無くそうと、DeNoiseやDfine2も試しましたが、見事に恒星の不自然さを強調します。今回は試しただけで、結局使いませんでした。
  • 炙り出していくと、背景ノイズがまだ多いです。今回はトータルで1時間弱の撮影だったので、もう少し総露光時間を増やしていいかもしれません。
  • すでに炙り出しすぎの感もあります。中心部から少しずれたところなんかは、微光星なのかノイズなのか見分けがつかなくなってきます。
  • 明るい恒星の裾部分の階調が少し不足しています。微光星を出そうとするとこうなってしまいます。もう少し中心部の微光星を抑えても良かったかも知れません。
  • 同様に、左上に写っている銀河も階調不足の感があります。
  • 中心部の画像を見ると、色が白、オレンジ、青緑と3系統にはっきり分かれています。現実は多分そんなことはないので、何かおかしな画像処理過程が入っているようです。それともQBPのせいでしょうか?
  • やはりまだ決定的に分解能不足です。というか、星が肥大化しています。これは画像処理以前の撮影時の問題です。
画像処理以前のこととして、決定的だと思ったのは、一枚の撮影時間の5分が長すぎたではないかということです。長時間露光はどうしてもブレが積分されるので星像がボケてしまいます。もちろんシンチレーションとか風の揺れによるのですが、1枚は1分程度に抑えて、枚数を増やした方がいいのかも知れません。

揺れに関して少し考えてみます。撮像の揺れ時間スケールで見ると
  • 秒以下の揺れ: シンチレーション、地面の揺れ、風による機材の振動
  • 1秒程度の揺れ: 風
  • 10秒周期以上の揺れ: 赤道儀のピリオディックモーション、機材のたわみ
などがあります。
  • この中で改善できるのは10秒以上の揺れのみ。オートガイドです。それでも1時間オーダーではたわみが問題になってきます。
  • 1秒から10秒程度の揺れはオートガイドで多少は抑えることができますが、速い揺れほどその効果は小さくなります。
  • 秒以下は今のところ打つ手なし。AOを使うことで、シンチレーションみたいな画面の中で揺れるもの以外は改善できます。でもAO高いです。自分で作ることを考えた方がいいかも知れません。
このように考えるとすぐにわかるように、一枚あたりの露光時間を1分程度に短くしても大した効果はありません。ただ、揺れの大きさで考えると、突風などの突発的事象で星像が肥大することはあり得るので、露光時間を短くしてそれらの揺れの大きいものを省くことはできます。ラッキーイメージの考え方ですかね。

さらに、カラーCMOSカメラで撮影していることも分解能を低下させている原因の一つです。モノクロの冷却CMOSカメラでそこそこのセンサー面積のものをそろそろ本気で考えた方がいいのかも知れません。

少なくとも今回の結果は、TSA-120のが持っている光学的な分解能には全く達していないと思います。


おまけとまとめ

最後にいつものアノテーションです。少しだけ斜めになってました。念のため再度ImageSolverで計算したら回転のズレ結果は0.41度でした。上が北で、経線が縮まっていくので上の方が間が小さくなっていまるので、より斜めに見えてしまっているようです。

light_BINNING_1_integration_ABE_PCC_STR2_Annotated

本当はこの撮影の後に天の川が登ってくる時間になり、中心部の干潟とか三裂星雲を狙おうとしていたのですが、外に出たら曇り。この日は撤収しました。

画像処理まで進めて、まだまだ改善の余地がたくさんあることがわかりました。球状星団は撮影時の条件がそのまま出てごまかしが来なさそうです。今回の撮影の後、もう少し試したくて、別の日にVISACで長時間撮影してみました。 これはまた次の記事で書きます。


 

M101に引き続き、TSA-120での単体銀河撮影の第2段、M51子持ち銀河です。


ピクセルサイズの小さいASI178MCで分解能を稼ぐ

M101よりだいぶん小さいので、ASI294MCで撮影すると

Stack_21_17_47_16bits_15frames_192s
のように、かなり小さく写ってしまいます。

しかもピクセルサイズが4.6umと大きめなASI294MCでは、解像度が足りなくてTSA-120の分解能は生かせきれないことが月とPowerMATEを使った検証でわかりました。

そのため、分解能を稼ぎたくてASI178MCで撮影してみたというのが今回の主題です。

でも実は今回の撮影は、上の分解能検証よりも先に済ませてしまっています。ASI178MCで撮影したものの妥当性を知りたくて上の検証をしたというのが実際です。結局、4倍バローを持って分解能は良くなったとしても、明るさが16分の1になるので厳しいというのが結論です。なので、口径を大きくして明るくして、焦点距離を上げてカメラの分解能を活かす方向で、系外銀河に関してはVISACを用いることになっていくのかと思います。

まあ、気を取り直してTSA-120とASI178MCで撮影したM51を処理してみたいと思います。


撮影状況

撮影は先週土曜日のことなので、1週間近く経ってしまってます。もう結構忘れてしまっていますが、透明度は良くなく、北極星がかろうじて見えるくらいでした。しかも風がかなり強かったです。最近もそうですが、春なのでしょうか、なかなか透明度がよくなりませんし、風が強い日が多いです。晴れているのに北極星が見えない日も多いです。

撮って出し(300秒1枚露光をDebayerしてAutoStretch)だとこんな程度です。おそらく風のせいでしょう、星像が肥大してしまっています。

L_2020_04_25_21_04_01_Bin1x1_300s__21C_RGB_VNG

まあ、それでも一応写ってはいますね。あと炙り出すと178はアンプグローがかなりひどいです。しかも右上、右下、左下と3方向。ホットピクセルもひどいです。

結局今回は300秒露光を22枚で、トータル1時間50分の撮影。その後ダークを同条件で30枚撮影しました。


画像処理

画像処理は結構手抜きです。手抜きと言う意味は、
  1. 中心部のみを使っているのでフラット補正はそもそもあまり必要ないことと、長時間露光フラットはむしろ補正しない方が縞ノイズ回避できることがわかっていること、短時間フラット補正もイマイチまだ正しいかどうかわからないので、いずれにせよフラット補正はなし。
  2. また、UTOさんのコメントにより、Optimizeオプションのないダーク補正は、バイアス情報を含んで補正しているので、バイアスファイルも撮影せず。
と言う意味です。アンプグローが激しいので、ダーク補正だけはしっかりやります。

処理はいつものようにPixInsightでBatchPreProcessingですが、問題点が一点。星の数が少ないせいか位置合わせがうまくいかなくて、マニュアルでStarAlignmentをやり直しました。その際、「Star Detection」の「Noise Scales」を2に上げたらうまく行きました。ノイズスタック直後のオートストレッチ画像です。

integration

アンプグローがほぼ無くなっているところに注目です。バイアスノイズっぽいのも出ていません。カラーバランスですが、赤が小さく出てしまっているようです。ASI294MC Proの時とは逆のセンスです。

ここまできたら次はStarNet++。でも今回あまりうまくいきませんでした。明るい星は分離できるのですが、暗い星がうまく分離できません。おそらく風のせいで星像が甘いため分離できないのだと思います。これってStarNet++の弱点なんですかね。以前、M57やM1で試した時は全く分離できないこともありました。長焦点で星像が甘くなるとうまくいかなくなるのが一つの特徴かもしれません。

仕方ないので、一部分離できた状態でPhotoshopに渡します。ここからは適当に炙り出して、Dfine2とDeNoiseで適当にノイズをごまかして、ブレた端をトリミングして出来上がりです。

integration_PCC_AS_HT_SNP3_cut
  • 撮影日: 2020年4月25日20時48分-4月17日22時53分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI178MC
  • 撮影条件: ゲイン220、温度20℃、露光時間300秒x22枚 = 1時間50分 
  • フィルター: サイトロン QBP (48mm)
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CC、DeNoise AIで画像処理

まとめ

最後まで仕上げましたが、恒星はぼやっとしてるし、星雲は細部が出ない出ない。口径、ピクセルサイズ、透明度などもまだ問題がありますが、今回の一番の原因は風でしょう。これはリベンジ案件です。いつか取り直します。まだ未処理物がいくつか残ってます。連休中にのんびりやります。


2020/5/17追記: VISACで撮影し直しました。





少し前にリリースされた、ASILiveを試してみました。かなりいいです。

ZWO社がリリースしたASIカメラ用のASI Studioの中の3つのうちの一つで、主に電視観望などのためにライブスタックに特化したキャプチャソフトになります。 


ASI Studioのインストール

ASIStudioのダウンロードはこのページから。 2020年4月29現在、バージョンは1.01となっています。インストールしてASI Studioを立ち上げると、ASICap、ASIImg、ASILiveの3つのアプリがあるのがわかります。ASICapは惑星撮影用、ASIImgはディープスカイの撮影用、ASILiveが電視観望などのライブスタック用です。今回はASILiveを使います。


ASI Liveを使ってみよう

  1. さて3つあるアイコンの一番右を押して、早速ASILiveを立ち上げてみましょう。この時点で、ASIシリーズのカメラを接続していると、右上のところにカメラ名が出ているはずです。そのすぐ右横の三角の再生マークマークを押してみてください。早速カメラの画像が見えると思います。
  2. この時「Hist」のところがAutoになっていれば「オートストレッチ」がオンになっているので、暗い画面もかなり明るく見えていると思います。カメラに望遠鏡などをつけて星を写してみましょう。ピントもこの時に合わせてしまって下さい。
  3. さて、うまく星が見えたら早速ライブスタックをしてみましょう。 「Stack」のところにある再生ボタンが3つ重なっているようなアイコンを押して下さい。これだけです。あとは勝手に画像がスタックされてノイズがどんどん少なくなっていく様子が分かります。
  4. 調整するべきところは多くないです。「Gain」はLow、Middle、Highの3つだけ。最初はHighで始めた方がいいと思います。あ、Gainをいじることができないですか?そんな場合はライブスタックを一度止めて下さい。先ほどの「Stack」のところにある再生ボタンが3つ重なっているようなアイコンをもう一度押すと、ライブスタックが止まって、Gainが調整できるようになるはずです。
  5. 同じく「Exposure」もかえてみましょう。これもライブスタックを一旦止めて調整します。カメラの種類にもよりますが「1」秒から初めて「30」秒くらいまで写り方をみながら段階的に上げていって下さい。写りが十分ならそこまで長くする必要はないと思います。
  6. 設定を調整し終えたら、一度前回まで見えていたライブスタックの画面を消去した方がいいでしょう。「Stack」のところの、3つ目のアイコン、ホウキみたいなのを押して下さい。出てきたダイアログで「Yes」を押すと、前の残っていた画像がクリアされます。クリアした時にライブスタックがオンになっていないと、画面が出ないことがあります。そんな時はホウキボタンの右のライブスタックモードとライブスタックでないモードのとの切り替えボタンを押して下さい。単独の取り込み画面が出てくるはずです。
  7. 見栄えをよくするために「Image Processing」のところの「Brightness(明るさ)」「Contrast(コントラスト)」「Saturation(彩度)」をいじると画面がきれいになると思います。この調整はライブスタックを止める必要はなく、画面を見ながらいいところを探すことができます。
  8. 左上の矢印が2つ並んでいるところを押すと、フルスクリーンにもなります。この時、カーソルを画面の右に持っていくと、画面サイズを調整できるアイコンが現れます。3つ目のアイコンで画面いっぱいに広がるはずです。人に見せる時はフルスクリーンの方が迫力があります。こんなふうに簡単にフルスクリーン化できるのも特筆すべきことだと思います。

ちょっとやるだけで下の画面くらいのものが簡単に映るようになります。
IMG_9952

これはASI294MC Pro(冷却はしていない)に焦点距離105mmのカメラレンズをつけて、サイトロン社のアメリカンサイズのQBP(Quad BandPass)フィルターを中に入れています。ASILiveのゲインがHigh、露光時間が10秒です。他に触るところがないくらい簡単です。

右下にM8干潟星雲、左上にM17オメガ星雲が写っています。天の川の中心部ですね。10秒露光でスタック適当に何回かしたあとです。


同じ画角をSharpCapで出した時の画面です。

IMG_9946

ShaprCapとくらべてもASILiveの画像が全く遜色ないことが分かります。ASILiveに比べるといろんな調整を頑張って、やっとできた画面です。ASILiveの方がはるかに簡単です。

もう一例です。ASILiveの画面です。北アメリカ星雲とペリカン星雲です。

IMG_9954

比較のSharpCap画像です。同じ日ですが、少し早い時間に観た時のものです。

IMG_9940

SharpCapの場合、私は少し青に寄せがちです。夜空のイメージを少し出しています。でもホワイトバランスをとった方が本当は正解なので、ASIAirの方がより正しいと言えます。ここら辺の好みを反映できるかどうかはASILiveとSharpCapで方向性が違うところです。


ASILiveの特徴

少し技術的な話をします。ASILiveの凄いところは、電視観望のキーと言っていい技術
  1. ホワイトバランス
  2. オートストレッチ
  3. ライブスタック
  4. アラインメント
をデフォルトで全て、あまりユーザーに意識させずに使っているところです。これは結構すごいことです。

SharpCapではこれらを基本的に全てマニュアルで、ユーザーが意識しながらやる必要があります。ASILiveのほうがはるかに簡単で、SharpCapに慣れていないなら、ASILiveの方がおそらくきれいな画面を出すことができるでしょう。少なくとも初心者にはSharpCapよりも圧倒的にASILiveの方が楽でいいと思います。

以下、SharpCapとの比較です。
  • ASILiveではオートストレッチが標準なので楽です。ただし、SharpCapのヒストグラムの一番右の調整線に相当するのがありません。でもほとんど使うことがないので問題ないでしょう。
  • ASILiveではホワイトバランスを自動でとってくれます。自分で調整する必要がないのでかなり便利ですが、逆に微調整したいときは出来ないのもどかしい時があります。
  • アラインメント(星の位置を認識し、画面をずらして星を重ねていく機能)を実装したことはすごいです。これがあるのでライブスタックを名乗れるのだと思います。一方計算スピードはSharpCapの方が早く、一日の長があります。同じ時間をかけるなら、ASILiveは計算しきれない取り込んだ画像を捨てているようなので、短時間露光の他数枚スタックの場合はSharpCapの方がきれいな画面になるはずです。
  • ASILiveではゲインの調整、露光時間の調整はあまり細かくできません。簡単でいいのですが、これが少し不満になるかもしれません。SharpCapは相当細かく設定できます。
  • やはりSharpCapの方がはるかに高機能で、他にいろいろなことができます。もしASILiveに慣れて、調整項目や機能に不満が出るようならSharpCapに移るのがいいでしょう。
  • でも、コントラストやブライトネスはASILiveのみにある機能です。


まとめ

ASILive思ったよりはるかにいいです。ものすごくうまく機能を絞っていて、高機能なところはユーザーに意識させないようにかなり気を使っています。とりあえず電視観望を試してみたい方や電視観望初心者の方は、SharpCapよりもASILiveから始める方がはるかに敷居が低いと思います。

うーんソフトウェアの力はすごいですね。DeNoiseの時も思いましたが、初心者とベテランの技術の差が一気に縮まります。電視観望の普及にも一役買ってもらえるレベルの仕上がりです。


ここからはASIに対する要望みたいなものです。
  • RGBを個別に触れるならさらにいいのです。でもこれは逆に初心者には複雑になりすぎるので、今のスタイルで構わないでしょう。
  • できるなら別途、詳細モードとか作って、ホワイトバランスのマニュアル調整とか、できるならトーンカーブがリアルタイムでできると嬉しいです。
  • 特にRGB別のトーンカーブが実現すると、さらに電視観望での表現力が大幅に増し、LiveStackに関してはSharpCapを完全に越すことになるので、本気で欲しかったりするのですが、これは計算量も多そうなので難しいですかね。

いずれにせよ、電視観望で使えるソフトの選択肢が増えることはいいことです。ZWOさん、ありがとうございます。

月曜でしたが、在宅勤務。せっかく明るいうちから自宅にいるので、夕方の月を見ます。


夕方の月と地球照

この日は月齢4日、まだそれほど太くはありません。明るい夕方だと白い月です。最大光度に近い金星も近くにいるはずですが、肉眼だとまだよくわかりません。せっかくなので3倍の星座ビノを使ってみました。これならさすがに青い空の中の金星も一発で見つけることができました。位置さえわかれば簡単です。肉眼でもすんなりと見つけることができました。 

そうだ、地球照でも撮影しようと思い、さっそくTSA-120をセットします。まだ北極もあまり見えていないので、極軸も適当です。

夕方と食後の暗くなってから、何ショットか撮影しました。

18_59_37_lapl2_ap231_RS2_cut
  • 富山県富山市下大久, 2020年4月27日19時6分、月齢4.3
  • タカハシ TSA-120 + 35フラットナー + ZWO ASI294MC Pro (常温17.6℃) + Celestron CGEM II
  • SharpCapで撮影、露光時間 25ms, gain 50, RAW16で記録、800/1000フレームを使用
  • AS3でスタック, Registax6でWavelet, PhotoshopCCで画像処理 、月が画面に広がるようにトリミング
右下に赤い収差が見えているのは大気分散だと思われます。収差の方向と月の向き、高度からのずれの量も計算値とほぼ一致します。

ついでに、目で見た明るさに(感覚で適当に)近づけてみました。こちらはトリミング無しです。でもこういったのってどうやって客観的な明るさにすればいいのでしょう?難しいです。

18_59_37_lapl2_ap231_RS2_evening

さらに地球照です。これもどんな色が正しいかよくわからないですが、夕方感を出してみました。

19_02_07_lapl2_ap3065_evening


PowerMATEを用いての分解能比較

さて、今日の課題はここからです。TSA-120に35フラットナーを付けた状態で、宮路泉さんにまだそのままお借りしている4倍のPowerMATEでどうなるかを見てみます。焦点は出るのか、分解能はどうなるか、変な収差は出ないかなどです。

接続は特に困ることもなく、35フラットナーの後ろにそのままPowerMATEを取り付けて、特に延長塔などつける必要もなく、そのまま少しフォーカス位置をずらすだけでピントが出ました。同様に月の一部を撮影しました。結果には影響ないと思いますが、ミスでRAW8で保存してしまいました。まあ、分解能をみたいだけなので多分問題ないでしょう。

とりあえずその結果です。

20_53_02_lapl2_ap723_RS
  • 富山県富山市下大久, 2020年4月27日20時53分、月齢4.3
  • タカハシ TSA-120 + 35フラットナー + PowerMATE x4 + ZWO ASI294MC Pro (常温16.9℃) + Celestron CGEM II
  • SharpCapで撮影、露光時間 25ms, gain 300, RW8で記録、800/1000フレームを使用
  • AS3でスタック, Registax6でWavelet, PhotoshopCCで画像処理 

でもまあこれはどうでもよくて、見たいのはPowerMATEありなしの比較です。両方の画像を拡大して比較します。

comp2

左が4倍のPowerMATEあり、右がPowerMATE無しです。左はQBPを入れてしまったで色が違うとかは気にしないでください。

PowerMATE無しもかなり検討していますが、やはりジャギーが目立ってしまっています。わかりにくい場合は画面をクリックして拡大してみてください。また、以前の結果と同じくPowerMATEによる変な像の乱れは私が見る限り確認できません。結論としては、今のTSA-120とASI294MCの組み合わせでは、4倍のPowerMATEを入れた方が有意に解像度が高いと言うことが言えます。

ここで少し比較のための情報を。
  • レイリー限界が1秒角くらい1ピクセルが1秒角くらい。なので、1ピクセルがレイリー限界と等価くらい。
  • でもカラーCMOSカメラなので、モノクロCMOSカメラに比べて解像度は4分の1程度のはず。 
レイリー限界を超えて見える可能性についてです。
  • 他数枚をスタックしているのでレイリー限界以上に(多少)解像度が上がってもおかしくはないはず。
  • RegistaxのWavelet変換でシャープになっている
  • 強度の画像処理はしていないので、擬似的に解像度を上げるようなことにはなっていないはず
これらの条件はPowerMATEのある無しに関わらず同じです。また、今回はカラーCMOSカメラなので、PowreMATE無しだとレイリー限界に全然到達していない可能性が高いです。PowerMATEで分解能が上がりましたが、レイリー限界が見えているかどうかは、今回の結果だけでは良くわかりません。PowerMATEで4倍にしているので、一応カラーCMOSであることも考えると、1ピクセルがちょうどレイリー限界と計算上はコンパラなくらいです。

と思って、最後の最後でPowerMATEありの方を1ピクセルが見えるくらいに強拡大してみました。
PowerMATE_Extended
まずは大気分散リミットのようです。どうやら、PowerMATEのおかげで大気分散が姿をあらわにしてきました。一応ちょっと検証します。

赤から青まで約20ピクセル。4倍なので、もともと5ピクセル。ということは画面からの概算は、1.08秒/ピクセルをかけて約5.5秒角。この時の月の高度は14度で、計算によると大気分散は6.2度。読み取り誤差を考えると大気分散で確定でしょう。

どうやら次に進む前に本格的にADCが必要か。


まとめと今後の方針

さて、これらの結果をものすごく単純にまとめると、ASI294MC ProだけではまだTSA-120の分解能を引き出し切れていないということだけは確実に言えます。
  • エクステンダーやバローレンズ
  • よりピクセルピッチの小さいカメラ
  • モノクロのカメラ
などが必要になります。もちろんこれらには欠点もあり、
  • エクステンダーやバローレンズは暗くなりますし、像を歪める可能性もあるので、高性能のものが必要となります。
  • センサーの感度は1ピクセルの大きさに大体比例するので、ピクセルピッチが小さくなると当然感度が落ちます。
  • モノクロカメラはカラーにしたい場合はRGBで撮る必要があるなど、手間も時間もかかります。
など、トレードオフになります。このような対策をして、次は大気分散のことを考えてやる必要が出てきます。


さて、今回の結果をどう活用するか。もともとは焦点距離900mmで撮影できる系外銀河を考えていたのですが、系外銀河って意外に、と言うか当たり前ですが小さくて、900mmで撮影できるものは少ないのです。口径からくる分解能に達しているかどうかを見極めたかったのですが、今のシステムではまだバローとかで焦点距離を伸ばしても得しそうということはわかったわけです。でも拡大すると暗くなるんですよね。4倍のPowerMATEだと焦点距離3600mmですが、明るさ16分の1です。
  1. 2倍くらいの性能の良いバローにして、今のカラーのASI294MC Proで撮り続けるか
  2. 口径の大きいVISACに移すか
  3. それともモノクロのカメラを買うか
うーん、迷いますが、やっぱり2かなあ?夏も近いので一度M57でVISACの再テストですかね。TSA-120では小さい銀河は諦めて、もう少し広い領域を目指すことになりそうです。


週末の土曜日、天気がいいので撮影してたんですが、あまりに風が強くて途中で断念。その代わりに、一昨晩に試したリモート電視観望をさらにブラッシュアップしてみました。ただしこの日は中継は無しです。色々調整しながらやりたかったのと、さすがに二晩連続中継だとヘビー過ぎます。


前回の反省と、今回試したいこと

今回一番試したかったことは広域電視観望でのLiveStackです。原因は亜鈴状星雲M27がほとんと全く見えなかったこと。小さすぎるのもありますが、ノイジーだったのでLiveStackでもう少しノイズが減れば形くらいはわかったかなというものです。でもなぜか広角でのSharpCapでのLiveStackが全くうまくいきませんでした。

原因はStickPCが非力すぎたかもというのと、収差の多いレンズだったので星像が崩れて星として認識されなかった可能性が高いです。また、広角すぎたのも原因の一つかと思いましたが、ROIで画面を区切ってLiveStackしようとしてもできなかったので、広角なことが直接の原因ではない気がします。もしかしたら複合原因の可能性もあります。

というわけで今回のLiveStack実現のための改善点は
  • PCをハイスペックなものに交換。太陽撮影とかにも使っているSurface pro 7を投入します。可搬性は少し悪くなりますが、性能的には問題ないはずです。
  • もう一つは、レンズをPENTAXの6x7の105mm/F2.4に交換
です。よく考えたら、広域電視観望のLiveStackってこれまだやったことがありません。どれくらい改善されるか楽しみでもあります。

さてこのPENTAXの105mm、収差はそこまでよくはないですが、前回のNIKKOR50mmよりは遥かにマシです。というか、明るいレンズを試してくても手持ちで明るいレンズがあまりなくて、これは私が持っているレンズの中でもF3を切っている数少ないレンズの一つになります。あと手持ちの明るいレンズといえばNIKKOR35mm/F1.4、Nikkon135mm/F2.8、PENTAX 165mm/F2.8くらいですが、35mmはさすがに収差大きすぎ、あとは100をずっと超えることになってしまいます。50mmからあまり離れたくないので、今回の105mm/F2.4くらいが適当かというところです。でもこの焦点距離を倍にしたことは次の改善点と合わせて結構当たりでした。


広角時の簡単な初期アラインメント

もう一つの改善点は、
  • AZ-GTiできちんと初期アラインメントをして、自動導入と自動追尾をできるようにした
ことです。これは手間の割にかなり効果が大きかったので詳しく書きます。

そもそも、前回のコンセプトは場所も方向も気にしない「ポン置き」でした。初期アラインメントはこのポン置きを崩してしまうために避けていたのですが、今回のように広角の場合には、初期アラインメントがものすごく簡単であることに気づきました。

まず一つ目の手間は、一番最初に鏡筒をそこそこ北向きに、そこそこ水平におかなければいけないこと。ポイントは「そこそこ」です。ポン置きから考えるとたいそうな手間に思えますが、はっきり言ってかなり適当でいいです。105mmレンズでフォーサーズ相当のASI294MC Proなら計算すると画角は10度近くあるわけです。方角も水平度も10度くらいの精度で置けばいいのなら、まあ相当適当でいいでしょう。

初期アラインメントは水平が取れていない場合は「ツースターアラインメント」がいいでしょう。アラインメントの過程で水平のズレを補正してくれます。その際、明るい星を2つ選びます。今回はベガとアークトゥルス。初期アラインメントで一番難しいのが、見ている画面内に対象天体が入ってこない場合。特に焦点距離の長い鏡筒を使う場合によくあります。でも今回は焦点距離105mmで相当広角なため、余程適当に向きを置いていない限り、初期アラインメント時に一発で画面の中に入ってきます。ベガなんか一番明るい星なので、すぐにわかります。

この状態でPCの画面を見ながら、対象天体が真ん中に来るようにアランメントを2回とります。その後、対象の天体を自動導入してみると、かなりの精度で導入できます。というよりも、広角での自動導入なのであまり精度がなくても、きちんと真ん中に来てしまうと言った方がいいかもしれません。

さらにもう一つ、途中でSynScan Proで矢印ボタンでマニュアルで方向を適当にずらしても、AZ-GTiの中に現在の位置が記憶されているので、次の自動導入時もきちんと対象天体を間違えずに導入します。なので、前回やったリモートでモーターだけを使ってマニュアルで自分で天体を探すということも併用できるわけです。どれだけ好きに動かして迷ったとしても、そのまますぐに自動導入で位置確認することができるわけです。


実際のリモート電視観望

焦点距離が前回から比べて倍なので、より暗い星まで見えますが、逆に見える範囲は狭くなり、どこを見ているのかわかりにくくなります。でも今回は自動導入があるので、基本的に迷うことはありません。迷ってもまた自動導入ですぐに位置を特定することができます。これは思った以上に便利でした。中継の時に迷いながら探すのも臨場感があって楽しいですのが、いざという時に戻ったり次の天体に移動することができるのは安心感があります。

では実際に自動導入をして画面に天体を入れてみましょう。まずは手始めは、建物からのぼるM8干潟星雲。建物からのぼる「月」とかではありません。繰り返しますが建物から上る「星雲」です。
IMG_9916
画面のほぼ真ん中にM8がきているのがわかると思います。自動導入の位置精度はこれくらいなので、十分だとわかると思います。この画面はまだLiveStack無し。1.6秒露光の一発撮りなので、建物も木もぶれていません。

次は昨日見えなかったM27です。LiveStackを使ってノイズを減らしますが、今回はLiveStackも全く問題なくうまくいきました。でもPCがパワーアップしたからなのか、レンズの収差が緩和されて製造が良くなったからなのかは特定できていません。
IMG_9919
M27ですが、それでも小さいので見やすいように少し拡大しています。見え方は前回よりは多少マシで、形もなんとかわかりますが、やはりまだ焦点距離不足です。というよりはしょせんカメラレンズ、強拡大すると星がどうしても肥大化されて見えてしまいます。


あ、一応ネタとしてM57も見せますか。
IMG_9921
真ん中少し下の緑の明るいのがM57です。でも恒星に赤ハロが出ているのとほとんど見分けがつきません。さすがにもう少し焦点距離が必要です。


気を取り直して、次はサドルから少し東方向です。これは三日月星雲で自動導入しています。わかりにくいかもしれませんが、ど真ん中に写っているのが三日月星雲です。画像をクリックして、さらに拡大すると多分わかります。これもLiveStackありです。
IMG_9935


サドルからマニュアルで少し北に寄ったところ。真ん中より少し右下に見えるのがサドルです。
IMG_9936
これもLiveStackあり。左側の淡いところがどこまで見えるか試したのですが、驚くほどよく見えています。この後はまた自動導入に戻りました。

アンタレス周辺ですが、ここら辺が今回のシステムの限界でしょうか。赤と黄色は辛うじてわかるものの、青が(なんかモヤッとしている気もしますが)相当微妙です。
IMG_9926
青色はQBPの苦手とする色の一つなので、青だけヒストグラムで補強するような機能があるといいのですが、今のところリアルタイムではできません。


今回のハイライトでしょうか、屋根から上る北アメリカ星雲。自分の家の屋根なのですが、こんなのが家の中から見えるわけです。臨場感がないわけがありません。

IMG_9940


最後は再び干潟星雲とか、天の川中心部です。今度はLiveStackしています。本当にLiveStackさまさまですが、まあよく見えること。

IMG_9946


今回の問題点とまとめ

前回のシステムから少しの変更でしたが、見え方は相当変わりました。もちろん、そもそものASI294MC Proの感度が素晴らしいのと、光害地でも劇的な見え方の改善を提供してくれるQBP(Quad Band Pass)フィルターの性能があってのことです。

今回、広帯域電視観望で初めて試したLiveStackですが、やはりものすごいです。改めてその威力を実感しました。その一方、きれいな画面を見せようとすると露光時間が長く(今回は最長12.8秒)なり、さらにノイズが緩和されるまでスタックを重ねると、どうしても見栄えが良くなるまで時間がかかってしまいます。ただ、中継の時などでも実際にはそこまで頻繁に移動するわけではないです。中継で話しながら見せることになるので、話している時間でLiveStackをするとちょうどいいのかと思います。画面の移動の時は逆にリアルタイム性を出すために、露光時間を短くしたりして星の軌跡を出したりします。中継ではその辺りの作業の様子も全部見せることができるので、電視観望の技術交換にもなるかと思います。

また、今回AZ-GTiの自動導入を使ったのですが、広域電視観望でも自動導入は使った方が圧倒的にいいです。広角レンズとカメラなら、初期アラインメントで「必ず」ターゲット天体が画角に入ってきます。ベガとか明るい星を選んでおけば画面で確実にどれた対象天体かすぐにわかります。なので初期アラインメントの手間はほとんどかかりません。そしてその後の快適さが半端ないです。

レンズに関しては前回のNIKKOR50mmよりは星像はかなりマシで、自動導入もあるので今回の105mmの焦点距離でも、画角の狭さで今いる位置に迷うことはまずありません。その一方、まだ恒星周りを見ると赤ハロが目立ちます。これはピントが少し甘かったかもしれません。また、炙り出した時に出る明るい星の周りの白い大きなハロ。これは一段絞って2.8にした方がいいのかもしれません。


今後のこと

まだ多少の改善すべき点はありますが、夏の天の川がこれだけ見えるなら相当楽しいです。また時間のある時にZoomを使って中継してみたいと思います。前回参加できなかった方も、次回はよかったらぜひ参加してみてください。

ただ、天の川を見ようとするとまだこの時期は遅い時間からになってしまいます。最初はまだあまりたくさんの人数だとトラブってしまうかもしれないので、もう一回くらい遅い時間に始めるかもしれません。あ、でもこれから月が出てくるんですよね。まあ、月がある時にどれだけ見えるか試すのもいいテストになるのかもしれません。

一方、なかなか遠征などができないこの時期に中継してみなさんと繋がりたいという気持ちもあります。その場合は天の川にこだわらず、話が中心になるんでしょうか。

あと、今回の騒動が落ち着いたらいつか観望会でこのシステムを稼働させて、できるなら科学館とかのもっも街中で天の川を子供たちに見せてあげれたらと思います。

皆さん、この大変な時期に如何お過ごしでしょうか。新月期で天気もいいのに、なかなか遠征にも行けずにヤキモキしている方も多いと思います。

天リフさんでもベランダ天文台が流行っているようですが、私もZoomでの配信も見据えて家の中からリモートで、庭に置いた機材を操作して星を見えるシステムを考えてみました。


自宅からリモートで電視観望

この日は昼からずっと雨で、夜の21時くらいにやっと少し星が見え始めました。本当は庭で撮影したくて、子持ち銀河のM51狙って赤道儀を出そうと思って外に出たら、また雨がふってきました。しばらく待って、また星が見えたと思って準備をしようと思ったらまた雨。こんなことを繰り返してました。

仕方ないので待ち時間の間に超簡単なリモート電視観望装置を組んでみました。基本的には ASI294MC(Pro)に焦点距離50mmのNIKKORレンズを付けた広域電視観望システムがベース同じです。



焦点距離が短いので自動導入とかは必要なく、ただの三脚にカメラとレンズを載せて、普通のカメラのように見たい方向に、手で合わせていました。ターゲットの星雲をPCの画面でリアルタイムで「見ながら」導入するのです。今回はその手で合わせていた部分をAZ-GTiにして「リモート化」しています。

IMG_9893

自動導入もいいのですが、手軽さ重視でAZ-GTiをただのモーター付きの経緯台として使います。ポンと置くだけでいいですし、位置が気に入らなければヒョイと持ち上げて、適当なところに適当な向きにまたポンと置くだけです。

操作はというと今回はiPhoneとかiPadとかの端末は使いません。AZ-GTiをステーションモードで自宅LANに繋いでしまえば、SynScanまたはSynScan ProがインストールしてあるどのPCからでも操作することができるようになります。Wi-Fiが届く範囲にさえAZ-GTiをおくようにしてやれば、端末を持って近くにいる必要もなくなるというわけです。

画像取り込みには撮影用のStickPCを使いました。上の写真のハーフピラーのところに写っていますが、見ての通り超コンパクトです。実際にはハーフプレートにマジックテープをつけて、バッテリーとStickPCにもマジックテープをつけて、亀の子状態でくっつけてあります。ケーブルは少し長めにとって、水平方向位何回か回転しても大丈夫なようにしておきました。ただしこのStickPC、非力なのでよく落ちます。特にSharpCapは結構な計算量を必要とする時があり、今回はLiveStackの時に何度かSharpCapが落ちてしまい、その都度立ち上げなければなりませんでした。ここは少し改良の余地ありです。

機材を組み上げた後は、外に出てポンとそれを庭に置いて、AZ-GTiとStickPCの電源を入れます。別途PCの画面でカメラ映像を見ながらピントさ合わせたらそれでセッティングはおしまいです。超お手軽です。

早速部屋に移動して見てみます。

IMG_9895

画面右下に自宅の屋根が写っています。屋根が見えるということは北向きの空ということになります。この頃にはまだ方角によっては雲が残っていたりしてたのですが、こちらの電視観望の方が面白くなってしまい、この時点でこの日の撮影は諦めました。風が結構強かったこともあります。

最初の頃は、実際の空を見ていない状態での操作に慣れていないせいもあり、いまいちどこを見ているか迷いがちでした。迷うとカメラを下の方に向け、景色を見て方角を確かめます。自宅なら北から東向き、お隣さんなら北から西向き、高い木が見えたら南向きとかです。そのうち、間抜けなことにROIで画面を4分の1に制限していることに気づき、元の画角に戻したら星座全体が一画面に入るようになり、これでどこを見てるか認識できるようになり、やっと快適になりました。

これでだいたいリモートでの電視観望の方の目処がついたので、他の方にも中継で見てもらおうとZoomの準備を始めることにしました。


Zoomによる星空中継

Zoom自身は私は普段使い慣れているので特に問題ないですが、初めてで興味のある人も多いと思います。誰かが開いている会議に参加するだけならものすごく簡単で、どこかで知ったアドレスをクリックするだけです。自動的にソフトがインストールされ、パスワードを入れるなどして会議にアクセスできればそれでおしまいです。デフォルトでは立ち上げ時にマイクが入りっぱなしになっているので、声がダダ漏れになってしまうことくらいでしょうか。ミュートするのを忘れないでください。

会議を立ち上げる場合にはアカウントを作る必要があります。ネットを漁ればいろんなところにやり方は書いてあるので詳しい事は書きませんが、ポイントは会議は自分のIDでの会議室ではなく、毎回会議を個別に立て、毎回必ずIDを変えること。今回のように不特定多数の人が参加する場合はこれが必須でしょう。あとパスワードを設定して、アナウンスの際にパスワードを抜いたアドレスをアナウンスすること。Zoomに言われたアドレスをそのまま晒すと、パスワード込みなので本当に誰でも、スパンユーザーでも入ってきてしまうので注意です。パスワードは別途知らせるようにしましょう。


実際の電視観望中継、参加者は3人

やっとZoomの準備とテストもできたのが0時半頃でしょうか。Twitterで参加を呼びかけたら、このブログでもたびたびコメントしてくれるnagahiroさんがすぐに入ってきてくれました。さらに「星を求めて」でお会いした、お子さんと一緒にKYOEIの赤道儀をいじっていたzhyaさんが参加してくれました。その後しばらくしてスタベのアルバイトのK君も参加。

中継を初めてすぐの私一人の時は、まだ北の空でうろうろしていて、前回撮影したM101が見えないかなと探していたくらいでした。nagahiroさんが入ってきてからは、こと座でM57を見ましたが流石に小さすぎて点にしか見えず、ヘルクレス座の球状星団M13は結局見つからなくて諦め。仕方ないので、そのまま一気に南の空に行きました。もうこの時間だと天の川がそこそこの高度にきています。

IMG_9901

上の画面わかりますでしょうか。部屋のMacから外のStickPCにリモートデスクトップで接続し、そのリモートの画面をZoomで中継している画面です。右下にSyncScan Proも出ていますが、こちらもStickPC上で動かしています。天の川の中心部がはっきりと写っています。リモートデスクトップの遅延も、Zoomの遅延もほとんどきになりません。右下に干潟と三裂星雲、中央上にオメガ星雲とわし星雲がはっきり見えます。この画面が見えた時、nagahirozさんと二人で「おおっ」となりました。

実際の星空中継はかなり楽しく、またZoomの高解像度で遅延の少ない配信により、星のような一見ノイズと勘違いされやすい映像でもそこそこ見ることができるようです。実際自分でもモニター用に別のPCで見ていたのですが、大元で見ている画面からもあまり遜色なく見ることができています。中継中に参加全員にも聞いてみましたが、十分認識できるくらいきちんと見えているようでした。

次の画面は少し後の時間のものですが、左上に干潟と三裂星雲が写っています。この画面でもわかりますがM6とかM7の散開星団はよくわかりますが、画角には入っているはずのM19やM62などの球状星団はわかりにくいようです。この解像度では球状星団は固まりすぎて見分けがつきにくいのだと思います。最初の方のM13が見つからなかったのも仕方ないかもしれません。

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次に、南から東の空に移ります。途中アルタイルが認識でき、矢座がわかったので、M27を探してみました。下の画像の真ん中ら辺の緑色のがそうです。さすがに50mmしかないので、かなり拡大していてもせいぜいこれくら、かろうじて緑と赤の形がわかるかどうかというところでしょうか。

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ここで、LiveStackでノイズを下げようとしましたが、LiveStackが全くうまくいきませんでした。理由ですが、StickPCが非力でLiveStackの計算が重いことがあると思います。ROIでが面を区切って軽くしてもうまくいかないです。LiveStackのAlignmentのオプションで、認識できた星を表示する機能があるのですが、全然星を認識できていません。重すぎるからなのか、画角が広すぎるからか、それとも星像が歪んでいるからか?ちょっと原因不明なので、後日検討します。Zoomでの会話の中で、星の歪みならPENTAXの6x7レンズで試したらどうかという意見がありました。ちょっと暗いですが、暗さは露光時間を伸ばせばなんとかなるので、うまくいくかもしれません。

Alignment無しで、重ねるだけのLiveStackをしてもいいのですが、10秒もすると星がどんどん流れていきます。AZ-GTiのモーターはその方向に向けるためだけに使い、追尾していないので当たり前ですね。本当は自動追尾するように初期アラインメントをきちんとすればいいのですが、それだとポン置きの手軽さが失われてしまいます。ここはトレードオフです。

最後の画像はサドルから、北アメリカ星雲付近です。右下に網状星雲も見えています。

IMG_9909

富山とは言え普通の住宅地。ある意味光害地の自宅からでこれだけ中継できれば十分でしょう。もちろんアメリカンサイズのQBPが入っているおかげもあり、天の川もこれだけ簡単に見ることができます。こうやって中継で星空を見るのももちろん楽しいですが、これをネタに全国の星仲間と話ができるのも何よりの魅力でしょう。

残念ながらzhyaさんがご家族が寝ているとのことで、声を聞くことができませんでした。遅い時間からの開催でzhyaさんには申し訳なかったです。もう少しして天の川が早い時間に上がってくるようになったら、ぜひ星を求めてでお会いしたお子さんにもみてもらえたらと思います。他の二人とは結構ずっとおしゃべりモードでした。実際の交流があまりできないこの時期、こうやって話ができるのはストレス解消にもなります。また、星空中継だけでなく画像処理とかの経緯の中継にも使えそうで、会話が弾みそうです。

夜も更けてきて、zhyaさんは1時半頃には退散、結局nagahiroさんは午前2時前くらいまで、K君は結局2時過ぎまでいてくれました。K君はM57の撮影をしていたらしくて、最後私と二人になったところで、お互いに撮影状況を映しあっていました。K君は自宅すぐ前の、本当に東京近郊の街中での撮影でした。私もカメラを下に下げて横に360度一周して「こんなところだよ」とか言って説明してみました。互いにこんなことができるのもZoomの魅力かと思います。


まとめ

今回は外出が自粛される状況の中、リモート(と言っても庭ですが)で自宅からの星空の電視観望をZomを通して中継するというテストをしてみました。Zoomの性能に助けられたこともあり、ほとんど不満なく星空を共有できたと思います。また、夏の天の川で広域電視観望システムを確かめたかったのですが、こちらも自宅から天の川を十分見ることができることもわかり、大満足です。

今回はテストでしたが、また気が向いたら中継やりたいと思います。Twitterで呼びかけますので、よかったらフォローしてチェックしてください。


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