ほしぞloveログ

天体観測始めました。

キーワード:飛騨コスモス天文台を含む記事

1月末、今年の目標を考える時期になりました。書き始めたはいいのですが、反省と称してブログ見直してたら何日かにわたってしまって、とうとう2月に食い込んでしまいました。いつもに増して長い記事です。お暇な方はよろしければお付き合いください。

昨年の反省にならい
  • 機材、撮影、画像処理、考察評価など、活動、その他
と分けていきたいと思います。


機材関連

去年立てた目標を見直してみます。
  1. モノクロ冷却CMOSカメラを手に入れる。
  2. TSA-120を利用した眼視体制の強化。
  3. PENTAX 6x7レンズをできるだけ試して星景、星野の向き不向きを判別し、焦点距離の抜けを補完する。
うーん、2020年はコロナでショップに行けなかったこともあり、機材に関してはあまり進んでいない気がします。


1. モノクロ冷却CMOSカメラ
はASI294MM Proが出たので購入リストには入っているのですが、最近ASI2600MM Proが発表されたので迷っています。ただ、今もカラーカメラのブロードバンドやQBP、CBPでの撮影も面白くて、もう少し待つかもしれません。


2. TSA-120購入当初の頃はシリウスBを見たり、トラペジウムのE星、F星やさらに暗い星を見たりと、TSA-120ならではの楽しみかたで、かなり充実していました。



でもあとは惑星を少しみたくらいで、特に2020年の後半はそれほど進んでいません。その代わり、撮影に関して(後述)はQBPやCBPなどかなり進展がありました。



3. Pentax 6x7
レンズに関してはここでまとめましたが、

はほとんど進展はありません。しかも上記ページで評価した165mm、後に赤星像が肥大することがわかり、結構ショックでした。この記事で紹介した165mmが最後に購入したPentax 6x7レンズになります。

それでもNEOWISE彗星で6x7の105mmを使ったり、広域電視観望でも使ったりと、実用でもそこそこ役立っています。




あと、一昨年の目標で
  • Vixen Portaの経緯台の評価と安定化
というのがありましたが、これはZEROの評価の一環で、Vixen Portaの経緯台の評価を合わせてすることができました。


ポルタIIは入門用に広いシェアを得ています。ステップアップとしてZEROは面白いと思っていたのですが、残念ながらつい先日生産中止が決まってしまい、現行モデルでは在庫限りとなってしまっているようです。後継機が出てくれれば良いのですが、開発に大きく関わった方が引退されてしまっているというので心配です。

機材に関してはTSA-120以降、大きなものは購入していません。というかTSA-120が相当楽しいので、他を購入するモチベーションがかなり下がってしまっています。というわけで、

目標:  屈折はTSA-120でかなり満足しているので、反射のいいものが欲しい気もしています。まあ守れるかどうかわかりませんが、今年の目標としては
  1. モノクロ冷却CMOSカメラを手に入れる。
  2. 反射の口径の大きい性能の良い鏡筒を手に入れる。
としておきます。2に関しては2020年はVISACを使うチャンスがほとんどなかったので、まずはVISACを試し、それでもダメならということになるかもしれません。あと、先日SCOPIOで見た30cmのGinjiが魅力的でした。天リフのリレーで玄さんが30cmをぶん回していたのも楽しそうでした。30cmクラスは惑星や銀河用にできれば持っておきたいですが、赤道儀を選ぶことと、ここら辺までくると自宅ドームとか欲しくなります。最近自宅撮影でそこそこ満足いく結果が出てきてるので、本気で考えても良いのかもしれません。そのためにはまずは資金ですが...。


撮影

これも昨年の目標を見返してみます。
  1. TSA-120での撮影確立
  2. 飛騨コスモス天文台での満足のいく撮影
  3. ラッキーイメージングでの高分解能の追求
  4. ナローバンド撮影
  5. 電視観望技術を利用した超お手軽撮影で、どこまで迫れるか
  6. 太陽黒点の高解像度撮影
  7. 太陽アニメーションを作る手法を編み出す

1. TSA-120に関しては結構がんばったと思います。というか、昨年はTSA-120がメインの1年でした。作例だけ見ても、13あります。ちょうどCBPを手に入れた頃で、自宅庭撮りとかでも結構うまく出ました。これだけでもTSA-120を購入した甲斐があったというものです。かなりの稼働率です。













特にアンドロメダ銀河と、プレアデス星団と、オリオン大星雲は、昔撮影したものを再撮影してみたくなったものです。何年か経って、機材も画像処理の技術も随分と進化したことがわかります。

他にも、星景写真や惑星など、2020年に撮ったものは他の機材のものも含めてここにまとめてあります。



2. 飛騨コスモス天文台での撮影に関しては、雪解け時には既にコロナ禍であまり移動もできず、結局ドームでの撮影はできませんでした。飛騨コスモス天文台で観望会が3回あったのみです。

3. 4. のラッキーイメージとナローバンドに関してはほとんど進展がありません。VISACの復活とともに進めることになると思います。

5. 電視観望のお手軽撮影に関しては、SharpCapが一眼レフカメラに対応したことが大きいです。例えば6Dで連続撮影してその画像をLiveStackすることができます。電視観望をする際のいちばん大きな壁が、CMOSカメラの値段かと思います。小さな面積のASI224MCなどはまだ安価ですが、センサー面積の広いASI294MCなどは10万円近くするので、やはり初心者には敷居が高いと思われます。本当は導入の楽なセンサー面積の広いものほど初心者に使ってもらいたいのです。その点、APS-Cなどの中古の安価なカメラが電視観望ように使えるなら、かなり敷居が下がることになるかと思います。



ただ、いまだSharpCapの一眼レフ対応はベータ版で、そのまますぐに初心者におすすめというわけにはいきません。ここら辺は時間が解決してくれるでしょう。

もう一つ、サイトロンのSV305-SHJとSkyWatcherのEVOGUIDE 50EDを使った電視観望入門記事は、かなり好評だったようです。コメントの数も63とこれまでの記事で最も多いです。


6. 大口径鏡筒での太陽撮影は大きな進展がありました。C8とPSTを利用した口径20cmの太陽Hα望遠鏡です。2年越しの計画がひょんなことでうまく行きました。シンチレーションがいい日の解像度は物凄いものがあります。あくまで自己責任ですが、これはやった甲斐がありました。


その後の太陽黒点も、PSTで撮影したとは信じられないくらいの解像度で撮影できています。これは昨年の大成果の一つでしょう。




太陽関連で言うと、日食をまともに撮影したのは昨年が初めてでした。部分日食でしたが、それでも十分楽しめました。



7. 太陽アニメーション手法を確立できました。かなり複雑な手順になりますが、出来上がりを見るとやる価値はあると思います。


ただ問題は、恐ろしくディスク容量食うんですよね。節約して1コマ2GBで撮ったとしても200コマとか撮ると400GBです。処理も合わせると5-600GBとかいってしまうこともあります。なかなか気楽にはできません。


目標: 全体を振り返ると、TSA-120、お気軽電視観望、太陽まあそこそこ進んでいますね。撮影に関しては、そろそろ明るいのよりはもう少し淡いのとかが楽しくなりそうです。なので今年の目標は
  1. モクモク暗黒体を撮影する。
  2. 銀河も積極的に手を出す。
とかにします。その過程でナローになるのか、ブロードでまだ撮り続けるのか、いろいろ試しながら進めていきたいと思います。


画像処理

昨年の目標は
  1. 恒星処理
だけでした。これはまだ継続中ですが、着実に進歩していると思います。StarNetの扱いもだいぶノウハウが溜まってきました。またPixInsightでの恒星の扱いもだいぶマシになったと思います。というか、去年1年で画像処理全般の腕がかなり上がったのではと思っています。StarNetとDeNoise AIの力が大きいかと思いますが、画像処理全般について私だけでなくPixInsightの使いこなしなども含めて、特に新しい若い方を中心に進んでいる気がします。蒼月城さんのビデオ解説はもちろんですが、最近はNiwaさんのブログでの解説が非常に有用です。私も置いてかれないように丁寧な画像処理を今後も目指したいと思います。

あと、今もそうですが少し派手目な色調に傾倒しています。じっくりみると飽きてしまうのですが、最初のインパクトや画面を小さくした時でもきちんと認識されるのがいいところかと思っています。まだしばらくギリギリのところを攻めて行こうと思っています。そのうち飽きたら落ち着いた作風にするかもしれません。

あ、そういえばモニターのキャリブレーションも一時期凝ってました。印刷したものとモニター上の画面がこんなに合うとは、ちょっとびっくりでした。



カラーチャートまで作ってしまいました。

カラーマネージメントはそのうち通る道だとは思っていたので、いい経験でした。印刷に関してもある程度の知見を得ることができました。でもいまだに雑誌に投稿できてないチキンです。


目標: 画像処理に関しては、
  1. ハッと思われる画像処理を目指す。
  2. 隙のない画像処理を目指す。
としたいと思います。ちょっと抽象的なのでもう少しわかりやすくいうと、天体マニアだけでない、一般の人が見ても綺麗と思われるような、そして且つ天体マニアが見てもおかしいと思わないようなものを目指したいです。昨年末に撮ったM42もまだ少し不満が残っています。年明けに撮ったM78ももう少し感覚的でない、具体的にはPhotoshopよりもPixInsightを多用して定量的な画像処理をしてみたいです。新しい素材よりも、一度処理した画像を他の方法で処理し直す方が良い練習になるのかと思っています。M78、M42と過去に帰っていき、少し再処理を頑張ることで、次回の素材までに手法が確立できたらと思っています。


電視観望? 中継と言ってしまっても良いかも

去年は
  1. 電視観望がさらに一般的な観測手段になっていくように努力する。
という目標でした。昨年はコロナが大変で、観望会や星まつりが相当中止に追い込まれました。その代わりと言っては何ですが、電視観望がかなり広まったのではないかと思います。外に出れないので、ベランダ観望を始めた人が電視観望にも興味を持つというパターンです。

かくいう私も、Zoomを利用した電視観望中継を何度かやってみました。



あ、そういえばこの電視観望中継ですが、星ナビにも紹介されたのでした。これは大きな宣伝効果ですね。


そういえば、ネオワイズ彗星の中継なんかもしました。撮影のついでだったのですが、ずっと梅雨が続いていて全国的に天気が悪く、この中継で初めてネオワイズ彗星が見えたという方もいたみたいで、反応が大きかったです。マニアだけでなく、一般の方も結構参加してくれました。



ここら辺は広域電視観望の技術を確立できたことで、かなりやりやすくなり、見ている方も見応えが出る感があります。



広域電視観望については、この間の天リフさんのリレーでも紹介しました。昔からカメラをやっていた人にとっては、むしろこちらの方がとっつきやすいかもしれません。これも広まっていくと良いなあと思っています。


この過程で出てきた、「屋根から上る北アメリカ星雲」は電視観望ならではの臨場感で、最も気に入っているものの一つです。
IMG_9940

Zoomにおいては電視観望だけでなく、遠くのいろんな人と繋がることができる、ある意味コロナ禍でなければ気づかなかったかもしれない使い方を模索できました。

PST分解の中継
なんて、Zoomがここまで広まらなかったら多分考えもつかなかったと思います。



ブログやTwitterで質問が来て、それをZoomで相談にのるというのもありました。こんなのもやはり新しい形なのかと思います。



Zoom飲み会と称して、ノイズをネタに大勢が集まってしまって焦ってしまったこともありました。学会みたいだったと言われてましたね。


星まつりでの電視観望の講演などはコロナで実現しませんでしたが、その分結局別の方法でいろいろやることになったんだなというのが感想でしょうか。特にベランダ感冒のおかげか、ここ1年で一般の方達にも認識され始めるくらいになってきていると思います。今後も技術的なことはもちろん、リモートでの講演とかでも積極的に話して、電視観望の魅力を伝えていけたらと思っています。


目標: 今年の目標ですが、
  1. コロナ禍のうちはリモートでの企画を続ける
  2. 晴れてコロナ禍が終わったら、星まつりや観望会で電視観望の魅力を伝えていく
としたいと思います。できれば今年はコロナ収束して欲しいです。

IMG_1530


考察、実験、評価など

理論的なことは昨年は意外なほど進んでいない気がします。というより、これまで考えてきたいろいろなことが、ノイズ軽減や画像処理に生きてくるようになってきたと言っても良いのかと思います。

例えばノイズ飲み会のもとになった、天リフ編集長の疑問に答えるとかも、過去の考察があったからなのではと思います。


エタロンの直感的な理解の記事もやっと書くことができました。


CMOSカメラのコンバージョンファクターを求めることも継続していますが、カラーCMOSカメラはいまだに謎で進展がありません。Matlabの紹介くらいで終わってしまっています。



測定、評価に関しては大きく二つのことをしました。

ZEROの振動測定



大阪あすろとぐらふぃ〜迷人会の井戸端さん製作の微動自由雲台の振動測定です。



ともに、減衰特性に優れた素晴らしい機材です。惜しむらくは、ZEROが生産中止になって在庫限りになってしまったことです。井戸端さんはさらに改良を重ねているらしいので、こちらはさらに楽しみです。


他にもいろいろやってます。

CBPフィルターの検証は、彗星だけでなく、光害フィルターとしても十分に使え、しかもQBPより青系も出やすいとか、赤ハロを防ぐことができ恒星の色が出やすいとかのメリットもあるのではという面白い結果になりました。



トラペジウムを利用したバローレンズの見比べもかなり面白かったです。TeleVueいまだに借りっぱなしです。まだ使っていいよと言ってくれてますが、いい加減に返さなくてはダメですね。



縞ノイズ解析もやりました。画像処理に関連することになりますが、縞ノイズの一つの原因がフラットであることもわかりました。撮影後、暗い中で長時間かけて撮るフラット画像はノイジーということです。それよりも明るいところで短時間で撮った方がいいという結果でした。




大気収差も少し解析してみました。TSA-120で月を見て収差らしきものが見えてびっくりしたのですが、計算すると大気分散で説明ができそうでした。逆に大気分散が見えてしまうTSA-120の性能に驚きました。


シュミットさんからたまたまお借りしたEVOSTAR 72EDの勝手な評価記事は、なんと6本の分量になってしまいました。入門者の最初のED鏡筒としては手軽で扱いやすいものかと思います。タカハシのマルチフラットナーと組み合わせると像がかなり決まりますが、接続に少し苦労しました。








太陽用のBF(ブロッキングフィルター)を3.5nmのHαフィルターで置き換えられないかを、国際光器さんに協力していただいて試したのも面白かったです。結局この試み自体は失敗に終わったのですが、カメラ側に入れてやれば散乱光などを防ぐためか、コントラストが明らかに向上するという効果が見られました。この件シベットさんも追試してくれていました。その後3.5nmフィルターは返してしまいましたが、後のC8にPSTを繋げた時の散乱光の影響の大きさを見るに、やはり一定の効果があるものと今も思っています。





新しいStick PCも試しました。これすごく良くて2台持っています。電源だけが弱点ですかね。


縞ノイズの可視化は結構インパクトがあったみたいです。


固定三脚で天の川を撮影しPixInsightでスタックできるのは、結構実用性が高いと思いました。


小ネタは意外なほどウケがいいです。



あと、TSA-120を整備する過程での鏡筒周りの小ネタとか、ガイド鏡の固定方法とかケースについての考察とかです。






ソフト解説も少ししています。主に撮影ソフトですね。
 

 
 

電視観望の初心者向けにソフトの紹介です。SharpCapは初心者には思ったより敷居が高いみたいで、ASILiveの方がやはり楽みたいです。でもLiveStackは少し重いのと、微調整がやりにくいので、慣れたらSharpCapに移っていくのかと思います。

そういった意味では、ASILive自身が電視観望の普及という意味で、ずいぶん貢献してくれていると思います。

少しだけ開発もしてます。と言っても、以前pythonで書いたものの移植ですが。


こうやってみると、面白いことからくだらないことまで、相変わらず結構な量のことをやっていることがわかります。基本的にはその時に面白いと思ったことだったり、必要だったりしたことです。おそらくただそのまま撮影するよりは、何か新しいことをやってその結果を見たいというのがあるのかと思います。それでもTSA-120が来てからは、性能にはあまり疑いを持つ必要がなくなってしまったので、平日夜中中放っておいて撮影という余裕?みたいなものも出てきました。

目標: おそらくこれからも考察などは状況に応じて行き当たりばったりだったりします。機材の評価を突然頼まれたりもしますし、頼まれもしないのに勝手に評価したりもします。ここら辺は今後も、その時その時の興味の赴くままにやっていけたらいいのかと思います。


課外活動

昨年はコロナ禍ということもあり、ほとんど外で活動することができませんでした。

星まつりは福島のスターライトフェスティバルのみです。それでも開催できたのが奇跡と思えるくらいでした。



数少ない観望会飛騨コスモス天文台での観望会が3回。
 
 
 

富山市科学博物館での観望会はしばらく中止が続き、再開してからも完全予約制で人数を制限して現在も進められています。お手伝いはコロナ前が1回、落ち着いてからが2回参加できたのみです。




一方、こちらは富山のある企業が観望会を計画して実現するために機材を導入するという、少し面白い経験でした。


現在はさらに進化して、VMC260Lを発注したというから大したものです。


写真展は昨年の中では貴重な行事の一つでした。一つはコロナ第一波直後くらいでしょうか、黒部市の科学館です。


もう一つは、年末から年始にかけての富山市科学博物館での写真展です。




天文ショップには数えるほどしかいけていません。コロナ前にスターベースでTSA-120を決める時に行けたのと



コロナが落ち着いた時と、母親が骨折した時に、実家に帰って寄ったSCOPIOショップ2回のみです。




それでも新しい友人もたくさんできました。SNSなどのやりとりが主ですが、実際にあんとんシュガーさんが2度自宅に来てくれました。



科学博物館の観望会で知り合った宙ガールのMちゃんも自宅に来てくれました。相変わらず星三昧のようなので、これからどういう道に行くのかとても楽しみです。


これらの活動記録、並べてるので多少外でもいろいろやっているように見えますが、一昨年と比べると遥かに少なくなっています。一時はありとあらゆる行事が中止になってしまったので、コロナの影響はやはり大きかったです。ワクチンも出来てきて落ち着いていく方向に行くと思うのですが、今年はいろいろな行事もある程度は再開されることを期待したいです。


最後に

上の中から、昨年1年で大きく印象に残っていることを3つ挙げるとしたら
  • TSA-120購入から、テスト、撮影まで。
  • 口径20cmでの太陽Hα撮影でのものすごい分解能。
  • 画像処理の進歩
でしょうか。機材の一つは既製品の使い込み、もう一つは魔改造なので、いいバランスだったのかと思います。

画像処理は自分自身まだ進化している途中だと思いますが、自宅撮影とかでも長時間露光と相まってなのか、やっと少し満足するようになりつつあります。以前ももちろん、その当時はできる限りのことをしてきたつもりですが、今見直して再処理したくなるのがいくつかあります。当然、今いいと思っていても将来見るとまだまだだなあとなると思うのですが、昨年1年間に続き今年もこの路線を続けて、少なくとも自分で満足できるような、そしてできれば他の人が見ても納得してもらえるような方向で進められたらと思います。

ちなみに、1年で何本ブログの記事を書いたか数えてみると、2020年1月1日から12月31日まででなんと141本でした。3日に一本以上書いている計算になります。でもまだネタは全くつきず。書きたいことだらけです。

あ、去年の反省の最後に書いた「ブログの記事を短くする」は全く達成できませんでした(笑)。

こうやってみるとやはりこの1年間、たとえコロナ禍であってもいろいろやってきたんだなあと、改めて実感します。この趣味のおかげでしょうか、外に出れない厳しい環境下でもほとんどストレスなく、楽しいことに没頭できた気がしています。


前週に飛騨コスモス天文台で撮影したM45プレアデス星団(和名すばる)、良く言えば個性的な、悪く言えばみるも無残な結果でした。



画像処理を終えてかなり凹んでいたので、早速次の週末(11月21日の夜)にリベンジです。

また、これは最初の頃に撮影したメジャー天体の取り直しシリーズの第2段にも当たります。ちなみに第一弾はM31アンドロメダ銀河です。




準備

まず準備として、前回発覚したTSA-120とEOS 6Dが接続できない問題を解決しました。一眼レフカメラに接続するためのCA-35は既に購入していましたが、さらにCanonやNikonなどカメラ別にワイドリングというカメラを取り付けるアダプターが必要になります。

これ既に持っていると思っていたのですが、手持ちのものは「DX-60W」と呼ばれる、「カメラマウントDX」に「ワイドリング60C」というものが付いているもの。これはFS-60用です。

TSA-120に接続するには、「カメラマウントDX」は共通なのですが、そこに「ワイドリング」が付いている「DX-WR」というセットにしなくてはいけません。

実際には違う部分の「DX-WR」だけ購入すれば、マイナスドライバーでいちいち付け替える手間はありますが、事足ります。でもこれ、スターベースには単独では売っていなくて、KYOEIとかだと単独で売っていて3千円くらいと、高い部品ではありません。でも毎回付け替えるのが面倒かなあと思って、結局DX-WRのセットで欲しくなりました。さらに送料も惜しくなってドローチューブ減速微動装置MEF-3を買うとちょうど3万円越えで送料無料かと思って、気づくと最初の予定の10倍の値段。嬉しいのか悲しいのか、まあ、よくあることですね。

ちなみに、このMEF-3は2つ目です。FS-60Q用にずっと自作の減速機を使っていたのですが、



TSA-120用に一つ純正品を購入して取り付けてみたらかなりいいので、とうとう自作のものも置き換えです。自作の減速機は無駄にせずにFC-76に使います。


撮影場所

さて、この日は夕方くらいから晴れてくる予報ですが、富山側が天気が良く、岐阜まで行くと曇りの予報です。撮影場所は迷いましたが、結局いつも行く県境近くの山の上に行くことにしました。20時過ぎに出て、コンビニで買い出しをして21時前には到着なので近いものです。北は富山市街地方向なので明るいですが、天頂から南にかけてはそこそこ暗いところです。iPhone用の簡易測定ソフトでSQMを測定したら21.3でした。まあ気軽に行ける割にはそれほど悪い場所ではないでしょう。

ターゲットはもちろん前週に失敗したM45です。やっと念願のTSA-120と6Dで撮影ができます。もし余裕があればM42も撮影したいと最初の頃は思っていましたが、結局時間が足りなくてこちらはまた次回となりました。到着してから月が沈むまでにまだ時間はあったので、のんびり準備してました。前回忘れてしまった撮影用のStickPCも、今回は忘れてません。ELECOMの簡易ルーターを使い、StickPCも電源を入れたら自動的にこのルーターにIP固定で繋がるように設定してあります。固定IPを叩いてそのままリモート接続でき、撮影時は車の中からでも状況を確認することができます。

ちょうど準備が終わったのが月が沈む22時50分頃。この時点ですばる自身は天頂超え少し手前でしたが、自動導入すると赤道儀は子午線越えで始めてくれたので、切り替えも必要なく助かりました。恒星中心がサチることも考えて、まずISO1600で3秒露光のものを20枚撮っておきました。その後、いつも通り、PHD2でガイドしながらBackYardEOSでISO1600、300秒露光で撮影を始めました。

ちょっと風が強かった時もあり、ガイドが暴れる時もあったのですが、まあ撮影結果を見る限り星像はほぼ丸だったので、大丈夫だったみたいです。

IMG_1238



Stick PCの電源トラブル

基本的に順調だったのですが、途中撮影された画像を何枚か連続で確認していたらStickPCにかける負荷が大きすぎたのか、接続が切れてしまいました。何が起こっているか確認するために、こんな時のために購入しておいたHDMI出力をUSBに変換するアダプターを使い、母艦のMacBook Proに接続して様子を見てみると、やはりStickPC自身が完全に落ちていました。同様のことは前回のM33の撮影の時も起きていたので、やはりLess is more電源でもまだ不安定な可能性があると考え、AC出力ができる大型リチウムバッテリーにStickPCに付属のType C出力のACアダプターを使うことにしました。また不安定になることが怖くてあまり負荷はかけていませんが、少なくともこの日はこれ以降落ちることはありませんでした。

撮影中はなんとも優雅な時間でした。周りに誰もいない一人での撮影なので、妻から熊に気をつけるように言われていて、ラジオの音をガンガン鳴らし、車の中でTwitterで星仲間と繋がってました。たまに外に出て星を見て、寒くなると車に戻ります。ラジオからは昔の懐メロがかかっていて、誰もいないので大声で歌っていました。

オリオン座が高く上がってきたので、M42に移るか迷いましたが、途中のトラブルもあり撮影時間が中途半端になりそうだったので、結局そのままM45を撮影し続けることにしました。


画像処理について

明るい天体で、撮影時間も4時間越えと十分で、画像処理も楽でした。
  • フラットは前回同様、TSA-120の先にスーパーの白い袋を二重にして被せ、太陽が出ているときの部屋の中の影になっている白い壁を同ISO1600、ヒストグラムのピークが真ん中らへんにくる1/200秒で写しました。
  • フラットダークもそのまま同条件で鏡筒に蓋をして暗くして100枚撮影。
  • バイアスは以前撮った同ISO1600、最小時間の1/4000秒で100枚撮ったものから作ったマスターバイアスを使い回し。
  • ダークは冷蔵庫の中に入れ撮影したものを、IrfanViewを使い温度情報を引き出して確認して使いました。
画像処理はいつも通りPixInsightです。最近PixInsightを使う人が増えてきて、皆さん成果を上げています。日本ではかなり以前から蒼月城さんが動画と共にとても詳しい解説をしてくれています。最近でもNiwaさんが丁寧な解説記事を書いてくれていますし、M&Mさんはこれまでの画像処理方法から変えて100日でPIをマスターすると宣言して、PIであからさまによくなった結果を出してきています。

私は基本的にストレッチまではPIで、それ以降はPhotoshopに渡しています。星雲部を分離することができるのでStarNetを使うことも多く、背景の炙り出しに関してはずいぶん楽にできるようになってきました。その反面、恒星に対する無頓着さが目立ってきて、恒星の飛びや、合成時の不連続性が気になるようになってきました。まだ試行錯誤中ですが、今回特にスバルということで、とにかく恒星中心があまり辺にならないように気をつけてみました。具体的には蒼月城さんが動画で解説しているPinkstarを解決したり、ストレッチもAS一辺倒でなく、少し工夫しています。

ただ、やはりPIだけで処理してしまうのはまだ難しいので、途中からPhotoshopを併用します。操作性に関しては慣れのせいもありPhotoshopが楽です。その際、NikCollectionやDeNoiseなどの便利すぎるフィルターを使うことができるため、特にノイズ処理と細部出しにおいてPIでどこまで処理すればいいのか迷っています。

SCNRはわかりやすく効果も見えやすいのでいいのですが、TGVDenoiseに関してはまだ全然使いこなせていません。どうもボヤッとしてしまうのを避けきれなくて、うまくいった時のDeNoiseには及ばない気がしています。細部出しに関しても、LHEを何度か試していますが、実際に適用するまでに至っていません。PIでのマスク処理に関しては少し慣れてきたので、LHEとの組み合わせも結構目処はついてきていますが、ストレッチとStarNetの分離、PSへの引き渡しとを考えるとどのタイミングで細部出しをすればいいのかまだ迷うところです。

これと同様に、MorphologicalTransformation(MTF)を使った星像のシャープ化もどのタイミングでやるのかを迷っています。やはりPSに渡す直前でしょうか。でもできるならPSで処理した結果を見てMTFを適用するか決めたいのですが、またいちいちPIに戻るのもPSのレイヤー構造などが全て破棄されるので、躊躇してしまいます。今回はMTFは無しです。

また、いつも使うStarNetも今回は使っていません。使わなかった理由ははっきりしていて、一度StarNetで分離したら青い分子雲の中の恒星が分離できなくて、処理を進めると周りの恒星との輝度に明らかな違いが出てしまったからです。そのため一旦戻ってStarNet無しで進めることにしました。分子雲を含めた背景はStarNetありで進めたものを保存しておいて、StarNetなしで同等程度にすることを目標としました。こうやって同じ画像で処理し直すと、StarNetで分離したときにいかに楽に処理できていたかが実感できます。また恒星部に関しては、StarNetありだとよく言えばシャープ、悪く言えば貧弱になるので、今回のStarNetなしの場合は多少ボテっとしますが、微光星まで出ているのかと思います。

あと、これまで背景の暗黒帯をあまり出してこれなかったので、今回少し目立たせるようにしました。でも結果を見ると、もう少し出してもいいくらいなのかもしれません。

上のオレンジの恒星はアクセントになるので、撮影時から構図に気をつけました。この画角だとギリギリ入るくらいでしょうか。 


結果

最近思うのは、2時間と5時間の撮影時間では結果に大きく差が出るのではということです。特に暗部のノイズに差が出るので、結果として仕上がり具合が違ってくるようです。今回は4時間越えで、そこそこの時間をかけています。結果ですが、下のようになります。

「M45プレアデス星団(すばる)」

masterLight_integration_DBE1_PCC_HSV_AS_PIP_all6_cut

  • 撮影日: 2020年11月21日23時12分-4時52分
  • 撮影場所: 富山県富山市伏木
  • 鏡筒: タカハシ TSA-120 (口径120mm, 焦点距離900mm) + 35フラットナー
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • ガイド: PHD2 + 120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS, ISO1600,  露光時間: 300秒 x 51枚 = 4時間15分
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC, DeNoise
どうでしょうか?少なくとも、前週に飛騨コスモス天文台で撮影した微妙な光条線付きのものよりはもう全然マシで、青い分子雲に関しても刷毛で書いたような模様が綺麗に出ています。細かいところはまだ手を入れ切れてないところもあるのは十分承知ですが、私的にはそこそこ満足です。

Annotatinon付きの画像です。

masterLight_integration_DBE1_PCC_HSV_AS_PIP_all6_cut_Annotated


ちなみに、4年前のM45が下の画像です。

New5_histgram_digital_ps_SI_print

とにかく背景を出したくてかなり無理をしていました。それでもいまだに色は嫌いではありません。一見よく見えるかもしれませんが、画像をクリックして拡大してみて下さい。ノイズがすごく目立ち、これを見ると今回の撮影で4年経った進歩を感じることができます。


エピローグ


帰り道、立山連峰を見たらものすごく綺麗でした。これだけきれいに見えるということは、透明度は良かったんだなあと思いながら、午前6時頃には自宅に到着。近場は楽でいいです。この日の撮影は仮眠を取らなかったので、ベットに入るとすぐに寝てしまいました。

IMG_1244

 

飛騨コスモス天文台での観望会の日、新月期で天気も良さそうなので、観望会終了後そのまま撮影を続けました。


TSA-120と6Dで撮影できない!?

同日午後、準備を兼ねて機材の接続確認をしていました。TSA-120に6Dをつけて撮影しようと買っておいたアダプター「CA-35」の出番がやっと来ます。と思って午後明るいうちに接続してみたら、ネジのオスメスが違いどうも接続できません。ワイドマウントを使うと書いてあるのですが、よくよく調べてみると持っているものはどうやら「ワイドリング60C(DX-60W)」が付いているFS-60用。TSA-120に接続するには「ワイドリング(DX-WR)」が付いている主にCA-35に接続するアダプターが必要そうです。よく調べてからCA-35を買えばよかった。コロナ禍で出張がないのでなかなか実店舗に行けず、送料がまたかかってしまいます。

結局この時点で今日のターゲットはFC-76に6Dをつけ、M45すばるの撮影にほぼ決まりました。最近は撮影用のカメラはASI294MCか、EOS 6Dなのですが、なんだかんだ言って撮影は6Dの方が好きみたいでし、結果も出ている気がします。これはピクセルサイズが4.3umと6.3umの差なのでしょうか、6Dの方がやはりノイズが少なく、感度がいい気がしています。


観望会後の撮影は失敗だらけ

観望会の話は前回の記事に譲るとして、Mちゃんたちが帰るとあとは一人ぼっち。クマさんに近くに来て欲しくないので、鼻歌を歌ったり、わざと大きな声を出しながら撮影準備です。

でもこの日はいろいろ失敗しまくりでした。まず撮影用のStick PCがどこにも見当たりません。仕方ないのでSurface PCを使ったのですが、6Dを使おうと思っていたのにBackYard EOSが入っていません。仕方ないのでテザリングで繋いでダウンロードし、インストールとライセンス認証を山奥ですることになりました。

ところが付け焼き刃のインストールです。設定が十分でなくて、ディザリングの幅を大きくすることを忘れてました。ディザリングはされていたようなのですが、焦点距離がそこまで長いわけではないのでほとんど動いていなかったみたいです。どれくらい動いていなかったかというと、位置合わせせずにスタックしたのが下の画像です。

noalignment

約3時間半の撮影でこれだけのズレなので、ほとんどずれていなかったことになりますが、逆にこれだけの揺れに抑えることができるなら、あぷらなーとさんがやっていたようなノイズ除去を考えてもいいのかもしれません。

でもずれなかったのが良かったのかというと、実はそうではなく、後の画像処理で分かったのですが、縦に走る縞、センサーのゴミが多数でて、画像処理に相当苦労しました。動いているピクセル数が十分でなくて散らばせられなかったために、悪いところが全部出てしまいました。試しに上の画像をABEで被りを除去してから、STFでオートストレッチしてみると、

noalignment_ABE

センサーのゴミがどこかしこに見えること、バイアスノイズ起因だと思うのですが、縦縞が残ってしまっています。

でも、これだけのゴミがあるということは、一度センサーを掃除する必要があります。またゴミの濃さが変わっているのですが、これは3時間半の間に動いているということを意味するのでしょうか?いずれにせよ折を見て掃除をします。

縦縞に関しては、今回バイアス補正を無くしたり、バイアスファイルを取り直したり、フラット補正のありなし、ダーク補正の有無、さらにフラットダークの有無でのフラット補正有無など、考えられることをほぼ全て試しましたが、この縦縞を消すことはできませんでした。

相当炙り出した場合での話ですが、ディザーで散らしたほうが簡単に消えるノイズがあるのではというのが今回の結論です。なので、少なくとも私の場合はたとえガイドで星像が完全に動かなかったとしても、七難隠すディザリングで、ディザーはやはりあった方がいいみたいです。ディザーなしで長時間露光を目指すなら、徹底したセンサー面のクリーニングと、解決できない縦縞ノイズをなんとかする必要があります。


寒い寒い

なお、この日はどんどん寒くなってきました。車の窓が凍り付いていたので、確実に氷点下だったと思います。対物レンズもかなり曇りました。ヒーターを巻いたのですが、結局追いつかず、携帯カイロを持っていたので2つ取り付けました。ガイド鏡も当然曇ります。こちらは少し出力の高いヒーターを巻いたらなんとかなりました。

あと、すごい湿気でPCもすぐにベトベトになるので、机の上のPCなどの機材には福島のスターライトフェスティバルの抽選でいただいたヤッケをかぶせておきました。撮影終了時にはヤッケに結構な厚さの霜が降りていました。

IMG_1146
黒いヤッケが少し白く見えますが、全部霜です。

やっと撮影が軌道に乗った午前1時半頃、ふもとの街のコンビニまで夜食を買いに行きました。10kmくらいありますが、夜なので他の車もまず走っていないので、すぐに着きます。結構お腹が空いていたので、ビーフカレーと惣菜パン一個、結構ガッツリ暖かいうちにとコンビニでぺろっと食べてしまいました。

天文台に戻ると午前2時過ぎ、車の中でTwitterとかみながら暖を取っているとだんだん眠くなってきました。午前2時半頃でしょうか、霧が濃くなってきました。でも眠くてたまらなくなってきて寝ました。4時半頃目が覚めたら霧は晴れてました。

午前5時過ぎまで撮影していましたが、目で見て明るくなってきたと感じたところで撮影を止めました。片付ける直前に東の空に金星が明るく輝いていました。

IMG_1153


画像処理ともう一つの失敗

さて、画像処理です。ガイドズレもなく、ディザー幅が小さすぎたためにほとんど動いていなかったので、縮緬ノイズは問題にならなかったです。縦縞が一番問題になっていて、これが制限で炙り出しきれていません。

ことろが、多分対物レンズの曇りのおかげだと思いますが、恒星の周りに奇妙な光条線が出ました。確かに撮影時の確認でも少し出ていて、あまり気にしなかったのですが、画像処理をするとものすごく目立つようになりました。ただ、レンズを見ても曇っていない時でもその場の画像でこの甲状腺も見えていたで、白濁レンズの影響かもしれません。これまでこのFC-76で撮影していてもこんなのは気づかなかったので、白濁と曇りかけたのの複合原因なのかもしれません。機会があるときに、明るい星を写してチェッックしてみます。

出来上がったのは見せる価値があるのかよくわかりませんが、載せておきます。

masterLight_EXPTIME_180_5_integration_ABE_DBE2_STR_all
  • 撮影日: 2020年11月14日1時32分-5時5分
  • 撮影場所: 岐阜県飛騨市数河高原
  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • ガイド: PHD2 + 120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS, ISO800,  露光時間: 180秒 x 53枚 = 2時間39分
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC, DeNoise

まとめ

いずれにせよ、本件リベンジ案件です。TSA-120+6Dで先週、撮影し直したので、また記事にします。

というか、撮影し直すことができたので今回の記事をやっと書く気になったようなものです。せっかくの最高の透明度を無駄にしてしまいました。

 

昨晩は飛騨コスモス天文台の観望会でした。12月は雪が降るため今月の観望会が今年最後になります。


天気も良さそう

先月自宅に来てくれたMちゃんにも「飛騨で観望会があるよ」と知らせていたのですが、SCWの天気予報があまりにも快晴なので、改めて「冬の天の川が見えるかも」とお誘いのメールを出しておきました。するとお母様から「課題が終わったら行けそう」と返事があったので、「『課題がんばれ』と伝えて下さい」と書いたら「俄然やる気になってくれて助かる」とのこと。この分なら来てくれそうです。

今回は新月で、快晴で、休日前と、条件がすごく揃うので、そのまま観望会後に撮影も敢行しようという計画です。撮影の方はまた別の記事で書くとして、観望用の機材は惑星用にCelestronのC8 + Advanced VX、電視観望用にタカハシのFS-60CB + ZWOのASI294MC Pro(常温使用) + SkyWatcherのAZ-GTi、子供に触ってもらうようにSCOPTECHの60mmです。準備が大体終わって、午後少し仮眠を取り16時前に起きてシャワーを浴び荷物を詰め込んで、16時半過ぎに自宅を出発しました。


飛騨コスモス天文台に到着、天の川がすごい

途中工事とかで車が混んでて、現場に到着したのは結局18時過ぎくらい。まだもうすっかり暗くなっています。外に出ると空にはすでに天の川が全天にかかっています。秋から冬にかけての天の川が、これだけはっきり見えるのは珍しいです。白鳥座のあたりで2本の川に分かれているのがはっきりとわかります。

観望会の開始は19時半からなので、ゆっくり準備します。今回は鏡筒3本に、のちの撮影用にCGEM IIもあらかじめ出しておいたので結構な数です。鏡筒を3本全てマウントするくらいで最初のお客さんがきてくれました。若いカップルのようです。聞いたら高山からとのこと。初めての参加のようです。まだ準備が残っているのでSCOPETECHの望遠鏡をいじってもらおうと思っていたら、さらに子供連れのお客さんが。小学3年生と言うので望遠鏡をいじるのをその子にやってもらおうとしましたが、遠慮してかやりたがらないのと、その後続々お客さんがきてしまっているので、パッと私が木星だけ導入して見てもらいました。


すごいお客さんの数

スタッフも随時到着して天文台も開けてもらいましたが、その間にも続々とお客さんがきています。SCOPETECHのところにも列ができてしまっています。「望遠鏡もいいですが、今日は空が綺麗なので、是非とも天の川をじっくり楽しんでください」といって、夏の大三角とかの説明をします。

もともと観望会の場所はラグビー場の駐車場なので、車も入ってきてもらっていましたが、もう車を入れるスペースがなくなってきて、何人かの方には橋の向こうの離れた駐車場に車を止めてもらいました。普段の観望会は、少ない時はスタッフと知り合いの1-2家族です。一年一回のペルセウス座流星群のお祭りイベント以外でこんなに人が来たのは初めてです。先月は台風で中止、しかも今月で終わりというのが重なったのでしょうか?あと、各新聞社が扱ってくれた(お金はないので広告ではないと思います)ようです。とにかく対処し切れないほど人が来たので、スタッフみんなちょっとびっくりしていました。

でも、こんな時こそ焦るとたいてい失敗します。子供たちはすでに「これ見えるの?」とかいってC8のところに列を作ってますが、私は頑なにC8の極軸と取ります。でも子供たちの会話を聞いてるともう面白くって。

多分幼稚園か小学校低学年くらいだと思いますが、男の子が女の子に向かって自慢げに「俺、炭治郎に似てるって言われるんだ。」流行の鬼滅ネタです。すると隣に並んでた女の子が「えー、すごい!」でも暗くて顔は全く見えてないと思います。男の子はちょっと得意げに「顔に傷があるんだ。だから似てるって言われる。」「えー、どこどこ?」周りの子たちも騒ぎ出しますが、やっぱり暗くて全然見えてないと思います。

そんなこんなで極軸調整も終わる頃に、SCOPETECHの方からヘルプが。スタッフの一人が頑張って木星を追ってくれてたみたいですが、いなくなってしまったようです。あらかた木星は見てくれてたみたいので、土星を入れておきます。20mmのアイピースなので小さいですが、それでも輪がはっきりと見えるのにみんな喜んでくれます。まもなくC8も準備ができ、木星を導入します。「こちらでも木星見えますよー」と言うと、続々と人が集まってきます。衛星も縞も見えるので、皆さん驚きの声を上げています。

子供と大人で背の高さが全然違うので、アイピースの向きを変えて対処したりと結構忙しいです。でも極軸をSharpCapでかなりの精度で合わせてあるので逃げていく心配は全く無し。子供が大体見終わると、大人は放っておいてもよくなります。こうなると私の方も少し手が開くので、次はSCOPETECHの面倒をみたりとそれでもやっぱり大忙し。C8も木星の次は土星です。その頃にはドームの方も木星や土星を入れていたみたいなのですが、お客さんに聞くと外のC8のほうがはっきり見えるとのこと。ドームの方は温度順応がまだできていなかったのかもしれません。でも手が離せなくてそちらに行くことができないほどの人で、ドーム組のスタッフには申し訳なかったです。

そんな中、誰かが「火星を見たい」といい出しました。でも木星がもう沈みそうなので「木星最後になりまーす」といって再度木星を導入。新しく来た人でまだまだ木星を見逃してた人もいるみたいです。子供たちは相変わらず何度も並んで「もう俺3回見た」とか言っています。興味を持ってくれるのは嬉しいことです。低空なので収差がひどく、大人には赤と青に分かれているところも説明したのですが、「七色に分かれて見えて綺麗だ」との評価です。マニアとは視点が全く違うので、我々が気にするところは一般的には結構どうでもいいのかもしれません。

そうそう、並んでいる子供たちがあまりに騒ぐので、お母さんでしょうか「もう少し静かにしてねっていってるでしょう!」と周りのことを考えてか少し申し訳なさそうに怒っていました。そんな時は「騒いでくれるとクマさんが来なくなるのでいいですよ。どんどん騒いでください。」と言います。でもさすがに駆けずり回り出した時は「頼むから鬼ごっこはやめて!」と親が叫んでました。望遠鏡は手の届く範囲に固めたるので、ぶつかって倒れるようなことはないのですが、それより暗いので転んで怪我をしたら大変です。この時ばかりはお母様にまかせることにしました。

さて、木星がもう沈むのでいよいよ火星を導入です。だいぶ小さくなってますが、まだまだ見応え十分です。C8だと模様も多少見えるので「じっくり見ると黒いところがわかります」と言うと、子供は一瞬見ただけで「模様も見えた!」といいます。多分暗示だと思うのですが、もしかしたら目の感度がいいのか、ダイナミックレンジが広くて、本当にすぐに見えるのかもしれません。


Mちゃんも到着

このころでしょうか、課題を終えたと思われるMちゃんが到着しました。でもあまりに人が多くてなかなか相手になってあげられません。そのうちにC8の補正版が曇ってきてしまい、ヒータをつけても焼け石に水。仕方ないので少し休憩としました。Mちゃんを探すと、なんと自分の赤道儀を持ってきていました。

VixenのGPくらいでしょうか。きちんとは確認できなかったのですが、聞いたら前回自宅に一緒にいらしたUさんから頂いた(使わなかったら返してねと言うことらしいです)とのことです。でもこの駐車場、多少傾斜があり、うまく水平が出せないようで悩んでいたみたいです。というより、マスクで眼鏡が曇っていろんなものがうまく見えないみたいでした。多分時間がかかりそうだったので、「せっかくなので天の川を楽しんだほうが得だよ」といって、この間手に入れた「ナイトウォッチ」を車から持ってきて貸すことに。お母さん曰く「この間のメシエ天体の本も夢中になりすぎるのでしばらく禁止」らしいのですが、今回の本は読み出したらそれこそずっと読んでいることになると思います。

IMG_1048

本を見ながらMちゃんはすごく嬉しそうで、赤道儀がうまく行かなかったことも忘れたみたいで、それからお母さんとMちゃんと3人で天の川を見てました。とにかく車から降りた時に、あまりの空の凄さにびっくりしたそうです。「こんな空を見たのは初めて」だそうで、富山の街中では絶対見ることができないので、ものすごく喜んでいました。誘った甲斐があったというものです。Mちゃんは「プラネタリウムみたい」と言いますが、「いやいや、それは逆でしょう。プラネタリウムが真似をしたんだよ。」とすかさず私が突っ込みます。お母さんは「天の川がカシオペアを超えて、オリオンまでつながってる!こんなの凄過ぎ!」と大興奮です。お母さんと、Mちゃんの会話を聞いていると、お母さんの星座の知識も相当だとわかります。「すごい詳しいですね。」と言うと、「毎週科学博物館で聞いているので流石に覚えてしまいました。」とのことです。そもそも今回も富山の街中から1時間半くらいかけてここに来てるはずです。このお母さんあってのMちゃんなのでしょう。


今日は電視観望もよく見える

オリオン座が登り始めで、Mちゃん念願のオリオン大星雲を見たいと言うので、じゃあということで電視観望を始めました。でもまだM42には少し時間が早く、とりあえずM42すばるを。流石に今日は透明度もいいのでしょうか、電視観望でさえも分子雲が余裕で見えています。この写真の時点で3.2秒、87枚スタックでトータル4分30秒とのことですが、電視観望でここまで見えたのは初めてのことです。空も十分に暗いのでフィルターなども無しです。

IMG_1139

ちなみにすばるがモニターに映る頃にはモ結構な人が集まってきていて、Mちゃんは全然見えてなかったそうです。「こんなに分子雲が見えるのはラッキーなんですよ」と説明すると、子供たちが幸運のアイテムを発見でもしたかのように騒ぎ出します。子供に価値が伝わるか心配でしたが、この綺麗さは十分に伝わったようで、子供ながらに楽み方を工夫してくれているようです。

次に北アメリカ星雲です。本当はQBPをつけるともっとはっきりするのですが、フィルターをつける時間ロスが惜しかったのでノーフィルターです。

IMG_1140

もうだいぶ西の方に傾いていましたが、QBP無しでここまで見えるのはやはり空がいいのでしょう。

どなたか女性の方が「馬の星雲をどうしても見たい」とかいうので、「あ、馬頭星雲ですね。」というと、子供の一人が「バトウって何?」というので、「馬の頭と書いて馬頭(ばとう)星雲、星雲が馬の形に見えるんだよ。近くに燃える木といって、木が燃えているような形に見える星雲もあるんだよ。」というと、興味津々。というわけで次は馬頭星雲を導入し、みんなで見てみました。燃える木はすぐに形まで分かったのですが、馬頭の方は最初なかなか馬の形が見えてこなく、露光時間を12.8秒まで伸ばしてやっとはっきりしました。下の写真で20スタック、4分16秒です。

IMG_1141

電視観望はリアルタイム性を求めるために時間の制限もあり、一般的にゲインが高いので、リードノイズが効きやすいです。そのためノイズを減らすのに露光時間を伸ばすことが効果的なことがよくあります。

写真を撮り忘れてしまいましたが、途中M31アンドロメダ銀河とM33三角座の回転銀河も電視観望で見ました。特にアンドロメダ銀河の方は腕の構造もきちんと見えて「わー綺麗!」とか「本で見たのとおんなじ!」など、かなり迫力があったようです。そうそう、「アンドロメダですが、アンドロメダ〇〇って、なんて言いますか?」と聞いたら、ほぼ全ての人が「アンドロメダ星雲」でした。「アンドロメダ星雲は昔の呼び方で、最近はほとんどアンドロメダ銀河です。昔はボヤーっと見えていたので星雲と勘違いしたみたいですよ。」と言うと皆さん「へーっ!」と。アンドロメダ青雲とアンドロメダ銀河の名前の違いはここの解説が詳しいです。でも、真面目なページなので某アニメについての記述がないのが残念です。

他に、沈む寸前の網状星雲を見ましたが、少し見えたくらいであまりはっきりとは見えず、この時点で夏の星雲はあきらめました。 

最後はやっと上ってきたM42オリオン大星雲です。実は最初少し早い時間に、金網越しでM42をみたのですが、網の縁の太い枠で暗くなっているところがあったり、まだ低空なこともあり、解像度がイマイチでした。ランニングマンもいまいち形を認識できていません。22時前くらいになる、とある程度きちんと見えてきたんで、Mちゃんもやっと満足したみたいです。

IMG_1143



片付け

電視観望もひと段落した頃にはもう22時近くになっていて、だんだんお客さんも少なくなってきます。私もやっと周りを見る余裕ができてきて、残っていた他の方達とも少し話すこともできました。

22時半頃から少しずつ片付けを始めました。23時頃にはドームの方も閉めたようです。今回全然ドームのほうに顔を出すことができなかたので残念でした。ドームはかなり混んでいて、人数制限をしていたみたいで、Mちゃんもドームのほうに行けなかったので、片付け寸前に飛び込みで中を見せてもらったみたいです。

この日のスタッフは4人か、5人。忙しくてあまり顔も合わせられないような状況でした。昨年Yさんが亡くなってから、残りのスタッフだけでまずは1年、コロナで大変でしたがなんとか観望会を続けることができました。Sさんは年間の日程や、宣伝などいろいろ細かいことをやって頂いています。今回こんなに人が集まったのも、地道な宣伝の成果かと思います。まだ11月ですが、今年は今回で終わりということで少し早いですがスタッフ同士で「よいお年を」と挨拶をしました。せっかくお客さんも楽しみに来てくれているので「来年も無理しない範囲で、頑張って続けましょう」と誓いを新たにしました。Yさんの撒いた種は確実に地域に根差しています。

スタッフの方が帰ったのが23時半くらいでしょうか、最後にMちゃんとお母さんだけまだ残っていて、私と話したりしながら天の川を楽しんでいました。今日来る前にやった課題のことをMちゃんに聞いてみたらどうも学校の宿題みたいで、「同じことばっかりでつまんない」とのこと。お母さん曰く「ためてやるからダメなんだ」とのこと。難しくはないとのことなので、多分反復が辛いのでしょう。私も昔ドリルとか大嫌いでした。まあ、仕方ないですね。理科はすごい好きとのことです。あれ、そういえばこの日は富山で思考大会があったはずで「あれ?思考大会でなかったの?」と聞くと、「あー、あの算数の難しそうなやつ?」とのこと。多分挑戦するとかなり楽しいはずなので「来年は出るといいよ」と勧めておきました。

ちょっと脱線しますと、思考大会というのは数学オリンピックのミニ富山版みたいなやつで、小学生と中学生の部に分かれています。問題を見ても、知識というよりは論理性を問う良問ばかりなので、学年はほとんど関係ありません。ちょうどうちの下の子が今年も中2で受けてましたが、最近は部活にのめり込んでいて、Scratchとかもほとんど触ってなく論理的な考え方をする機会が減っているせいでしょうか「できんかった」と、半分泣きそうにブスッとしていました。うちでは毎年恒例で、思考大会の後は近所の「是空」というつけ麺を食べに行くことになっていて、ここで答え合わせをします。でも今年はコロナ禍で密を避けるため、解答の張り出しもなかったので、解けなかったところの答えを一緒に考えていました。こういった試みは、数学や科学に興味を持つ子にはたまらないイベントです。昭和32年から富山独自で続けているそうです、毎年1000人位参加するそうです。富山のこのような素晴らしい取り組みには頭が下がります。


まだまだこれから撮影

さて、観望会は一通り終わりましたが、私はまだまだこれから撮影です。こんな条件のいい日は年に何日もあるわけではありません。23時半以降、Mちゃんが全然帰りたがらないので、お母さんがヤキモキしていました。お父さんからも電話がかかってきてましたが、それでもなかなか帰ろうとしません。ところが、0時近くになって、私とお母さんのほうがまだ話を続けようとしているところに、今度はMちゃんが「撮影の邪魔になるから!」とやっと帰る気になったようです。「またいつでも遊びに来て下さい。」とお別れしましたが、Mちゃんも少し眠そうでした。車の中でいい夢を見るんだと思います。

とにかく今回の観望会は、初めてというくらい数多くの人に来てもらい、皆さんにかなり満足してもらえたようです。どこかしこから「すごくたくさんいろんなのが見えた!」とか「来てよかったー!」とか、しみじみ行っている声が聞こえてきました。やはりいい空と言うのは何ものにも替え難いです。また来年を楽しみに、そして今後も長く続けられたらと思います。


昨晩は本当に久しぶりのごくごく普通の観望会で盛り上がりました。飛騨コスモスの月例の観望会です。

先月もペルセウス流星群で観望会はあったのですが、これは特別行事に相当します。天気もあいにくで、ほぼ解散してからやっと星が見え始めたくらいで、残っていた一般参加の方は1組のみ。今回は定例の観望会で、お客さんもたくさん来てくれて、普通に見えるものを見ます。天気も最初はそこまで良くはなかったですが、惑星とかはちょくちょく見え、最後は全面晴れ渡り、結局大盛り上がりでとても楽しい観望会となりました。調子に乗って書いてしまったので、また長い記事となってしまいました。もしよろしければ、昨晩の様子にお付き合いください。


いざ出発

夕方荷物を車一杯に積み込み、一人で出発。最近は子供は全然付いてくる気はないみたいです。なので機材は後部座席も助手席にもたくさん入ります。富山を出る時点ではそこまで晴れてなかったですが、それでも雲間から青空がまだ見えていました。なので機材の選定は微妙です。とりあえず惑星がメインになりそうなので、口径20cmで比較的軽量なC8、電視観望セット一式。あと迷ったのですが、子供用にSCOPETECHを最後に押し込みました。でもこれが大活躍。子供たちがくるような普通の観望会では、こういった自由に触れる望遠鏡は意外なほど好評です。

途中コンビニに寄り、夕食を買って運転しながらのおにぎりだけの簡易ディナー。天気も富山から出た時より悪くなっています。現場に着いたのは18時半頃でしょうか。国道から天文台へ行く脇道に入る時に、対向車線からちょうど車が来て同じ方向に行くようでした。先に行ってもらったのですが、ゆっくりと途中何ヶ所かの曲がり角を確かめながら進んでいるようでした。やはり観望会のお客さんで、年配の女性の方。今日初めてだそうです。


最初のお客さん

すでに木星が出ていたので「あれが木星ですよ」と伝えました。自分で双眼鏡を持ってきたらしくて見始めていましたが、なんと30年以上の昔の大きな双眼鏡で、倍率が25倍!メーカーも聞いたことないようなものなので、私が以前星まつりで手に入れた双眼鏡のような国内の小さな光学メーカーが作ったものの一つかと思います。

問題はその倍率で「わー、線が見える!」とか言っていたので、「え、木星の縞が見えるの?すごい!」と一瞬思ったのですが、双眼鏡をお借りしてみたら納得。手ぶれで木星が大きく揺れてしまうのが線になって見えてしまうのです。「さすがに25倍は手持ちでは難しいです。三脚がいりますよ」とか説明して、その間にSCOPETECHを用意して木星を見てもらうと「止まって見える!」と喜んでもらえました。

でもびっくりしたのはそこからで、衛星が見えるのはもちろん、木星の縞も余裕で見えるし、空を見上げて「木星の横の星は?」とか言うのですが、私にはまだ全然見えてません。もちろんそれは土星だったのですが、聞いたら視力2.0とのこと。そりゃよく見えるはずです。老眼だそうですが、ちょっと羨ましいくらいでした。


皆さん続々と集合

それからスタッフも、お客さんも続々と集まってきました。今回あまり確認できていませんが、お客さんだけで全部で7-8組くらいは来ていたと思います。ほとんど飛騨市や高山市の地元の人ばかりでした。多分私が富山からで一番遠いくらいです。スタッフも合わせたら20人くらいはいたと思います。
  • 上に書いた、一番乗りで私とほぼ同じ時間から来てくれた年配の女性の方。参加は初めてですが、実はスタッフと知り合いの方でした。しかも、昨年亡くなられたこの飛騨コスモス天文台の設立者のYさんが計画していた山歩きとかには、何度か参加してたそうです。
  • 子供を連れてきている家族が3組くらい。子供は小1の女の子が一人、小5の男の子が一人、あともう一人いました。やっぱり子供がいると観望会っぽくなっていいです。
  • 他にもカメラが趣味で、撮影どうですか?と勧めたら自前の6Dで撮影を始めたカップル。
  • あまりお話できなかったですが、双眼鏡を持ってきているご夫婦。 
  • 他にもいたと思いますが、暗くて把握しきれませんでした。

最初は雲間の惑星から

到着直後はまだ晴れ間が見えてたのですが、その後はすぐにずーっと雲がほぼ全面にいきわたって、ごく切れ間から明るい惑星が時折り見えるくらいです。でも雨が降るような雲でもなさそうだったので、機材の準備は進めることにしました。最初SCOPETECHで20mmのアイピースで小さな木星と土星を見てもらって、そのうち準備のできたC8で見てもらいました。まず比較で木星を見てもらうと、C8での明るさと、大きく細かく見えるその姿にみんな「わーっ!」と声をあげます。「衛星が3つ見えた!」「いや4つある!」「右に3つあるでしょ!」「2つしかないよ!」など、感想も様々です。さらに土星を入れるとその輪っかの美しさに皆さん簡単の声をあげます。一番最初に来た方の「あー、あの腰巻きがあるやつね」という独特の表現にはちょっとびっくりしましたが。

この日は気流が安定していたのでしょう。C8ではカッシーニの間隙もかなりはっきり見えていて、来ていた方達に「輪っかの中に黒いすきまがあるのわかりますか?」と聞くと、ほぼ全員がよく見えたようです。本当は惑星が揺れるのを見てもらって、大気の揺れのことを説明したかったのですが、その揺れが眼視ではわからないほど安定でした。

小1の女の子の食いつきがものすごかったです。木星も土星も、とにかくもう興味津々。一瞬天頂に夏の大三角が見えた時には、ずーっと説明してくれてました。わし座のアルタイルが出てこなくて、助け舟で「わ、わ、わ、、、、わし、わし、わし、、、」と言うと、「あ、わし座!」。「ア、ア、ア、、、、アル、アル、アル、」とヒントを出すと「あ、アルタイル!」とか反応がすごく可愛かったです。「星が大好きなんだよ!」とか言ってくれて、将来が楽しみな女の子です。

その後、所々晴れる場所も出てきて、上り始めたばかり火星を見てもらって「あー赤い!ぼやけてる!」と感想が。高度が低くて、グランドののフェンス越しなので仕方ないです。

たまたまれた晴れた天頂付近で、アルビレオを入れて見てもらったら「わーっ、綺麗!」「赤と青」「オレンジに見える」「あー、トパーズ色かぁ!」とか、皆さんそれぞれの色を楽しんでくれたみたいです。

IMG_0752

途中、シートで寝っ転がって見ている人も。地面が暖かくて気持ちいんですよね。眠くなってしまいそうです。


撮影に興味がありそうな人も

お客さんの中に星にすごく興味がありそうな若いカップルの方がいました。入門用のSCOPETECHを覗いて土星とかもよく見えるのに驚いて「これ幾らくらいなのですか?」と聞かれました。特価でゴニョゴニョ千円」くらいですと答えます。「わー、それだったら欲しい!撮影とかもできますか?」となんか写す方に興味がありそうです。よくよく聞いてみると、カメラ好きで星の撮影もしたいとのこと。しかもフルサイズというので「え、機種は?」と聞いてみるとなんとEOS 6D。どうも星を写すことも考えて、あえて感度の良い6Dにしたみたいです。「レンズは?」と聞いてみるとTamronの45mm F1.8。星景なら十分です。しかもこの日も持ってきてるというので「じゃあ、撮影してみませんか?」ということで、まだ雲が多かったですが雲間の星を狙って急遽撮影開始。

これまでも星は撮ったことはあるようでしたが、そこまで本格的に撮っていたわけではないようです。最初「ISO100でも写ります」とか言って撮影してくれたのですが、さすがにF1.8でもISO100では恒星は写ることは写りますが、暗すぎます。「じゃあ、ISO1600で10秒とか20秒で撮影してみてください。」とか言うと「ずいぶん明るくするんですね」とのことです。さらに、温度が高すぎてかなり赤によっているので「温度を下げてください。夜空のイメージが欲しかったら3500度くらいまで下げてもいいですよ。」とアドバイスを。きちんとRAWで撮っているので後からどうとでもなりますが、他の一般の人にお見てもらえたらと思い、少し青目にしてもらいました。何枚か写してもらい、さらには南西方向に少し雲の切れ間があったので、そこを写してもらうと雲越しの天の川もバッチリ。

途中アンドロメダ方向を撮ってくれて、M31が写っていたので、これはいいと他の方にも見てもらうことに。わーっと人が集まってきました。もしかしたら、こうやって見てもらう楽しみも味わってもらえたかもしれません。

200mmくらいの明るいレンズも持ってるとのこと。星雲とか、銀河とか、惑星とかの対象によってレンズもしくは鏡筒が変わること、赤道儀もそのうち必要になるかも、星景写真だったら三脚だけでもしばらく大丈夫なこととか話して、わからなかったまた連絡して下さいと伝えておきました。


SCOPETECHが大活躍

この日一番活躍したのはSCOPETECHでしょう。星を始めた年の原村の星まつりでSCOPETECHブースで手に入れた特価品ですが、意外なほどよく見えるのと、秀逸な二つ穴のファインダー、軽量、手に入れた値段から気軽に扱えることなどで、基本的に子供用に解放して自由に使ってもらっています。時には天頂プリズムに付いたアイピースを、まるで何かのレバーのようにレンズのところに親指を押し当てる子もいたりしますが、そんなことを気にするようではまだまだです。今回も、微動ハンドルがすっぽ抜けて「壊れたー」とか騒いでいましたが、それも経験です。

最初に夢中になったのは、なぜかスタッフのSさん(だったと思います。暗くて見えてなくてすみません)。これまで怖くて操作したことがなかったらしいので、今回は木星から挑戦です。最初なかなかうまくいかなかったのですが、少し離れて鏡筒がまず大まかに木星に向いているかどうか、縦と横から見ること。例えば今回の場合、横方向はいいけど、縦方向が大きくずれていることを理解してもらいました。その後、二つ穴ファインダー、見にくかったらファインダーを使うこと。ファインダーは片目で見てもいいけど、両目で見ると入れやすいこととか説明して、しばらく触ってもらいました。最後、とうとう自分で入れることができたようで、すごく喜んでくれ、もう大はしゃぎでした。ここら辺は子供も大人も変わりありませんね。自分で初めて導入して見た天体は、言うまでもなく格別でしょう。

次に夢中になったのは小5の男の子。お母さんは少し心配そうにしてましたが、「もう遠慮なく、壊す気で触ってもらって構いません。」と伝え、思う存分いじってもらいました。子供は目がいいので、2つ穴ファインダーの方が楽みたいです。粗動と微動の違いを伝え、しばらく触ってもらって土星を入れることができ、もう大喜びでした。最初のうちこそ2つ穴ファインダーでさえもかなり苦労してましたが、すぐに慣れ、さらには木星も入れることができてました。面白かったのは「火星入れていいですか?」とわざわざ離れたところにいる私に聞きにくるのです。「もちろんです。聞きにくる必要なんてないですよ、自由にやってください。」と伝えると、あとは色々自分で試していたみたいです。途中、よほど嬉しかったのか、成果を見てもらいたかったのか、「火星うまく入れることができたので見にきてください」とお誘いが。見てみると、えらい大きく見えています。ピントがずれていたのですが、今の火星はずれていても模様のようなものが見えるので、大きい方がよく見えるように思ってしまったのでしょう。


突如、少年期の記憶が

と、これを見て突然小さい頃の記憶が蘇ってきました。多分小学校低学年のころ、父親が買ってきてくれた望遠鏡、KENKOの屈折だったと思うのですが、それで木星を見たときのことです。「縞が見えた」と喜んでいたのですが、今思うと多分収差を縞と勘違いしたのです。その時の像が突然頭に蘇ってきて、この時も大きな像でピントがずれていて、たぶん今回見た火星のようにそれを正しい木星だと思ってしまったのです。「あー、やっぱり同じことするんだ」と、多分40年くらいしてやっと当時の謎、私の中の数少ない少年期の星の記憶が一つ蘇ったのでした。

SCOPETECHでピントを合わせてあげると「こんな小さいんだ」とびっくりしていたようでした。それではと、上ってきた火星をC8で見てもらうと模様も見えるくらいはっきりとしていました。


終盤に近づき

もう終盤に近づいたころ、何人かの女性グループでM31アンドロメダ銀河探索が始まりました。前回のYさんの命日の時もそうでしたが、星座ビノを使って見るのです。「あ、見えた!」とか「どうしても見えん!」とか、もうわーわーキャーキャー大騒ぎです。

そのうち場所がわかってくると「肉眼でも見える!」とか言い出し、7倍の双眼鏡で見てもらうと「わーはっきりわかる!」とか、本当に楽しそうです。最後は皆さん、アンドロメダ銀河の位置はバッチリわかっったようで、大満足みたいでした。

途中、「アンドロメダ銀河を望遠鏡で見たい」と言うリクエストがあったのですが、多分大きく見え過ぎるので「双眼鏡くらいが楽しいですよ」と伝えておきました。これは後にM42プレアデス星団(すばる)をSCOPETECHで入れた時に理解してくれたみたいです。実際にすでにアイピースにすばるは入っているのに、どこだか分からないようなのです。対象が大きいので少し周りからみないとわからないんですね。「アンドロメダ銀河も同じ理由です。スバルはまだ明るいけど、銀河は暗いので中心だけがぼーっとして見えるくらいです。」とか言ったら妙に納得してくれてました。でも実際見てもらったほうがよかったのかもしれません。ただ、経緯台でマニュアル導入なので、ちょっと敷居が高いんですよね。でもいい訓練かも。次回挑戦してもらいましょう。

あ、今回電視観望は(珍しく)使いませんでした。正確にいうと、ほんの一瞬だけ6DとSharpCapではくちょう座辺りを見たのですが、網状星雲が1ー2ショット映って、すぐに雲に隠れたりとかで、今回は出番無しでした。

22時に差し掛かるくらいでしょうか、お客さんもぽちぽち帰り始め、だんだん人が少なくなってきた頃です。全面が晴れてきて、天の川が南西から北東に大きく架かるのが見えました。下手なところに行くよりも、天の川を見るならここは気軽に来ることができ、安全で、トイレもあり、充分暗くて、とてもいい場所です。

しかもここはなぜか私にはとても相性がいい場所で、どんなにダメそうな日でも、たとえ雨が降っていても、必ず途中から晴れて星に巡り合える、今のところ空振りは0の不思議な場所です。この日も短時間でしたが天の川まで見ることが出きて、最後まで残ってくれたお客さんたちは大満足なようでした。

あ、大満足で思い出しました。この日流れ星が結構多かったです。主にカシオペア方向でしょうか、21時過ぎくらいから22時過ぎくらいまで、大きなものも含めて多分10個以上は流れたと思います。流れ星を初めて見た人もいて、すごく喜んでくれていました。私は残念ながらかすみ程度のを一つ見ただけです。


あー、楽しかった

私自身も久しぶりの至極真っ当な観望会で、しかも惑星、アルビレオ、天の川、流れ星とフルコース。SCOPETECHも大活躍。電視観望こそありませんでしたが、大満足でした。

来月は私は行くことができませんが、一ヶ月たつと2時間ぶん空が進んでいます。この日の21時に見えた空が、来月は19時に見えることになります。火星もすばるも最初から見えていることでしょう。来月も楽しんでもらえたらと思います。

8月23日は飛騨コスモス天文台を作ったYさんの命日です。星を見ながらYさんとの思い出を語ろうと、飛騨コスモスの会の仲間で集まりました。

IMG_0486

机を用意し、Yさんの写真を飾り、蝋燭と線香を立て、一人づつお祈りしました。

Yさん天文関係の写真を持ち寄り、昔話に花を咲かせます。Yさんは全国に星仲間がいて、各地に足を伸ばしていたようです。写真を見ると2016年の胎内星まつりにも行っていたとのことで、私も初めての星まつりのとしでまだ知り合いではなかったですが、どこかで会っていたかもしれません。オークション会場の写真があり、私もそこにいたはずなのですが、残念ながら写ってはいませんでした。

せっかく星仲間が集まったので、やはり星を見ます。今回は惑星用にC8を出しました。結構雲が多かったですが、ほとんどの時間、所々抜けているところがあり、月に始まり、木星、土星と見ることができました。コロナ禍で本当に久しぶりの観望会の方もいて、今年初めて見る木星と土星に年甲斐もなくキャーキャー言っていました。多分Yさんも、こんなふうにみんながコスモス天文台に集まって星を見ているのを、空の上から喜んでいてくれるのかと思います。

もう一つは、雲が多かったので135mmのレンズにASI294MC Proをつけて多少広角の電視観望にしました。三脚と自由雲台だけの手動導入です。手動導入にしては少し星雲を探すのは難しいくらいの画角なのですが、それでも雲に隠れた網状星雲が片方の東側だけ見えたとか、三裂星雲と干潟星雲とかをこの間撮った写真と比べながら「今この方向に見えているのがコレですよ。」などと説明しました。最後は北アメリカ星雲とペリカン星雲を見ました。

その後撤収したのですが、その最中にアンドロメダ銀河が見えるかというので盛り上がってしまい、最初は双眼鏡から、でもなかなか見えないので視野の広い星座ビノを人数分出してみんなでM31探しです。「ペガススの四角形の左下とカシオペアの間くらい」「もうちょっと下、ボヤーっとしたやつ」とか、色々言いながら無事に全員見つけることができました。一度コツがわかると、どこにあるか再びすぐに探し出せるみたいです。

終わってみたら月から惑星、星雲、銀河とフルコースでした。Yさんの命日で、もう一年経ったのかと思うのと同時に、やっぱり星が好きな人が集まった時は、しんみりするよりは星を見てるのがいいなと思いました。Yさんもいてくれたらもっと楽しかったのになあ。コロナ禍でなかなか集まることもできなかったですが、これからも活動続けていきますので、天国から見守っていてください。


極大日の水曜に飛騨コスモス天文台で少しだけ見えたペルセウス流星群



火球クラスの明るいのが見えたのですが、機材も何も出してなくて撮影はできませんでした。天文マニアの悪い癖で、少しくらい画像に残しておきたいと思ってしまいます。


残りものでもいい、なんとか撮影したい

今年のお盆は天気予報では全然だめそうだったのですが、次の日の木曜日、夕食後に外を見てみると思ったより晴れてます。極大日は過ぎましたが、せっかくだからとペルセウス座流星群の残り狙いで、5月終わりにアンタレス付近を撮影した場所に向かうことしました。

場所は国道から少しだけ入ったところで、自宅から車で20分ちょっとの距離なので近いものです。19時半頃自宅を出て、途中コンビニに寄って虫除けを買い、20時には到着していました。暑いかと思ったらそこそこ涼しく、標高は調べたら600mちょっと。下界より3-4度は気温が低いことになります。

ただ、来る途中もそうだったのですが、どうもこの日は北の方が晴れていて、南に行くほど曇りみたいです。到着した時も結構雲があって少し迷ったのですが、まあそのうち晴れるだろうととりあえずセットアップです。


遅れた撮影開始、天頂を大きな流星がすぎていく...

北は街明かりで明るいですが、天頂から南にかけては結構暗いです。前日に北から南に向けて天頂付近を明るいのが流れたので、そんなのを狙うためにカメラを天頂に向けます。機材は単純で、EOS 6DにSamyangの14mm F2.8をつけて、30秒露光で三脚にのせて放っておくだけ。

今撮影された記録を見たら、撮影開始は20時45分でした。なんで20時について簡単な機材でこんなにかかったかというと、準備をしている最中に実家の母から電話があってからです。今年はコロナ禍で実家に帰ルキはなかったのですが連絡をし忘れていて「帰ってくるのかわからんかった」だの、「お墓参りは誰と行けばいいのか」だの、延々と話が続きました。その最中にかなり大きな流星が天頂近くをスーッと流れていきます!もういてもたってもいられなくなり、「忙しいからまた電話する」と半ば無理やり電話を切って、やっと撮影開始となったのです。今思えば本当に惜しかった。ちょうど撮影しようとしていた方向で、あと5分早く電話を切っていたら絶対に入っていたはずです。

機材のセットアップをして撮影が始まると、しばらくは車の中にいて待っていました。とにかく虫が多いのです。虫除けも全然効きません。それでも時間がもったいないので、22時半頃からもう一つのセットアップを始めました。こちらはASI294MC Proを常温のまま、これにAPS-C用のシグマの10-20mm F3.5の安いレンズをつけて、登りつつあるペルセウス流方向に向けて、これも固定三脚で撮影します。こちらは20秒露光です。


いまいち気合が入らず、撮影終了

そのあとは車の中で寝てしまいました。目が覚めたら午前2時くらい。空を見ると雲が全体に広がっていたので、ここで撤収としました。2時半くらいに現場を出て、自宅についたのは3時くらいでした。

結局この日は最初の目で見ただけの流星が一番大きくて、あとは小さいものばかり。しかも撮影中もずっと雲がかかっていました。6Dの方は30秒露光で606枚撮影して、写ったのはわずか3枚、ASI294の方は20秒露光で487枚撮影して、写ったのは6枚です。


見るも無残な結果

まずはEOSのほう。とりあえず画像処理だけはしました。一枚目は薄雲越しで無理やり出しているのでひどいものです。最初レンズが曇ったのかと思いましたが、そのあと綺麗に撮れているので、やはり雲のようです。でもこれが今回撮影できたなかで一番大きな流星でした。3枚目がまだまともですが、流星はすごく小さいです。

IMG_7253_ABE-edit

IMG_7522_DBE1

IMG_7558_DBE1


続いてASI294MC Proのほうです。こちらはもう全然やる気なしでDebayerしてオートストレッチしただけです。

Blink00001

Blink00002

Blink00003

Blink00004

Blink00005

Blink00006

本当は比較明合成とかして放射点から出てくるのとかやりたかったのですが、ここまで雲が多いとさすがにやる気がなくなります。

あまりに冴えなかったので、2本ともタイムラプスにしました。でもどちらも冴えないです。これを見ても雲だらけなのがわかります。




というわけで、雲だらけで全然満足できず。結局ペルセウス座流星群を追いかけるのは次の日にも続くのでした。
 
 

コスモス天文台でペルセウス座流星群の観望会がありました。

夕方まだ明るいうちに現地に到着。雲がありましたが、青空も一部見えます。18時半頃準備のためにメンバーのSDさん、STさんが一緒に到着、ついでTさんも到着。冬が明けてもコロナ禍と雨で月例の観望会がずっとできなかったので、本当に久しぶりの顔合わせです。

A120E222-99AD-419F-A89D-61BED2D1E9B4

今回、コロナ禍ということもあり飛騨市と高山市に限って宣伝したとのことです。結構問い合わせもあったとのこと。本当に久しぶりの観望会です。張り切って看板を並べてシートを出して準備をします。受付には体温計と消毒用のアルコール、虫除けと、さらに念のために参加者全員に名前と住所と電話番号をかいてもらうリストを用意しました。 

今回はペルセウス座流星群がメインですが、木星と土星が見頃なので、C8をCGEM IIに載せて見てもらおうと準備しました。天気が心配なので、赤道儀に鏡筒を載せるまで、電源などはつながずに大物だけの設置です。とろこが、準備が終わって暗くなってきた頃には一面の雲。ちょうどその頃に、いつものS君も到着して望遠鏡を2台も出しはじめました。

20時頃、早速お客さんも来ましたが、残念ながら何も見るものがありません。しかたないのでパッと ASI294MC Proに50mmのレンズをつけて、雲越しの星を見ました。星の隙間から星が見えていたので、来ていたお客さんに「こちらで星が見えますよー!」声をかけ「目では見えない星が高感度カメラを使うとこんなに見えるんです」と説明しました。子供も含めて皆さん「こんなに見えるんだ!」驚いていましたが、それも最初の5分くらい。すぐに雲が厚くなってしまって、もうどの方向を見ても全く何も見えません。しかたないので真っ暗の中ドームをカメラで映して「まるで昼間みたいに見ええます」とかお茶を濁していました。

そんなことをしていたら、雨がポツポツ降ってきました。機材も車の中に全て退散させ、シートも全てしまいます。雨はどんどんひどくなってきて、流石に何もできないので、ドームに交代で入ってもらいました。望遠鏡の説明とかをS君が中心になってしてくれます。

私はお客さんと一緒に雨宿りしながら、先日撮影したネオワイズ彗星の写真や、飛騨コスモス天文台で撮ったカニ星雲を見せたりしました。彗星はつい先月のことだったので、知っているお客さんも結構いて盛り上がりました。iPadに写真を出して「彗星は朝上ってくるときには尾っぽから、夜沈むときには尾の方向と垂直くらいの方向に落ちていきます」とか説明したら、「えー、なんで?」と反応が大きかったです。一部ニュースでネオワイズ彗星を「流星」と表現したものがあり、お客さんは彗星を見て最初に「あ、流星」とさけんだので、ニュースの影響の大きさを実感することができました。やはり彗星も流星のように流れているイメージだったようです。「彗星はほとんど動くことはなく、地球の自転で動いているように見えるのです。でも長く見ていると、ほかの星とは違う動きをするんですよ。」とか説明をしました。

でも天気だけはどうしようもありません。21時頃でしょうか、雨がひどいのでもう片付けにはいります。結局お客さんは3−4組だったでしょうか。場所は広いので密になることもなく、何も見えませんでしたが、一応無事に終了となりそうでした。

SD3によると、この時点で連絡をくれて到着をしていないお客さんがいたらしいのですが、道に迷っているらしいです。片付けも全部終わった頃に、やっと場所がわかって到着。車が2台きて、最後の2組のお客さんとなりました。ドームの中くらいしか見せるものがなく、もうシートとかでぐちゃぐちゃになっていたのですが、最後に少しだけ見てもらいました。「何も見えませんので申し訳ありません」と言うしかなく、2組のうち1組の方は帰っていかれました。最後、お喋りをしていたS君も、S君を迎えにきたお母さんと妹のYちゃんも帰ってしまい、残ったのはスタッフのSDさんもSTさんと、もう1組のお客さんだけ。この方、どうもまだ名残惜しいようです。

この時点で21時半頃だったでしょうか。「私はもう少しだけ粘ろうかと思ってます。」とそのお客さんと話していると、ほんの少しですが星が見えてきました。お客さんも車の中から子供二人を呼び出します。SDさんとSTさんはもう車に乗って帰る寸前。大きな声で「星出てきましたよー!」と叫ぶと車から降りてきました。一部ですが、確実に星が綺麗に見えています。そのまま椅子を出して見続けました。雲間なのでわかりにくいですが、白鳥座から伸びる天の川も見えます!子供たちもきちんとわかったみたいです。「天の川初めて見た」とか言って興奮してました。

そんなときです。火球クラスのかなり大きな流星が、来たから南にスーッと大きく流れました。120度くらいは流れたでしょうか。長かったので「あーっ‼︎」と叫んでから見ても十分に見えます。そこにいた6人全員が見ることが出来ました。これにはみんな大興奮。「待った甲斐があった」とか、「最後まで粘った勝利」とか、もう大騒ぎです。これを見ることが出来ただけで、もうこの日の不満が全て吹っ飛びました。せっかく観望会に来てくれたのに、多くの参加者にはこのすごい流星を見せることができなくて、本当に残念でしたが、1組だけでもお客さんに見てもらえたのは本当によかったです。

その後も、雲が掛かっているので小さい流星はほとんど見えず。数は多くありませんでしたが、そこそこ明るいものが5つ確認できました。私はその中の3個を見ましたが、最後まで参加してくれていたお客さんは5つ全部見れたそうです。23時前になって、再び全面厚い雲に覆われてしまいやっと終了です。

全然ダメかと思っていたペルセウス座流星群で、結局機材も出さずに見ていただけですが、最初の大きな火球クラスを見えたことはかなりラッキーでした。

8月28日は飛騨コスモス天文台を作ったYさんの命日です。その日にまた集まって星を見ましょうと言って23時ちょうどに解散しました。Yさんも、みんながコスモス天文に集まって星を見ることを喜んでくれると思います。


結局この日はなにも撮影できなかったので、次の日撮影に向かうことになります。


 

先日、富山県天文学会で新年の例会がありました。そこで話すために昨年やったことを見直していたのですが、昨年もちょうどこの時期にやりたいことを書いています。




いい機会なので、それがどれくらい達成できたかの反省と、今年のやりたいことを書いていきたいと思います。いつものように長文です。読みにくくてごめんなさい。

IMG_2315



機材関連


とりあえず去年の目標を再度書き出してみます。
  1. FS-60Qにカメラを付けたままでしまえるケース
  2. MEAD 25cmシュミカセ用フードをヒーターに改造
  3. Vixen Portaの経緯台の評価と安定化
  4. α7sの入手
  5. 焦点距離100mmくらいの、いいカメラレンズを手に入れる
  6. FS-60Qより長焦点の撮影鏡筒を手に入れる
  7. 双眼鏡の性能がわかるようになる
パッとみても、うーん微妙です。まず、進んだことです。

 6. ここ最近で一番大きなことですが、つい最近TSA-120をとうとう手に入れてしまったことでしょうか。TwitterでTSA-120が来たときと購入までの経緯の記事の報告をしたときは、みなさん新しい機材の購入の喜びを知っているのでしょう、凄いおめでとうコメントの数でとても嬉しかったです。他にもゴールデンウィーク中にFC-76も手に入れてます。白濁したレンズの格安のものですが、作りは素晴らしく、マルチフラットナーとの組み合わせで撮影にも使えます。一方、さらなる長焦点としては夏にVISACもヤフオクで落札しましたが、おにぎり星像が解決されたのかまだ確証がなくて、こちらはさらに検証が必要です。

1. ケース関連はホームセンターで売っているプラスチックケースを利用するというのが大体定着しつつあります。TSA-120用にも、Twitterでりょーじんさんにアイリスオーヤマのケースでちょうどいい大きさだという情報をいただきました。私も同様のものを考えていたのですが、すでに使っていて実用的だという情報はありがたいです。

5. カメラレンズですが、最近PENTAXの中判の6x7レンズを集めています。すでに6本目を手に入れていて、当たり外れも多いですが、安価なので気軽に様々な焦点距離のものを試すことができます。いつかSIGMAのArtのような高級機にも手を出したいですが、しばらくはPENTAXで楽しむことにします。

スライド25


7. 双眼鏡はブログであまり報告していないですが、SVBONYを昨年初めに購入していて、庭の鳥を見るのに使ったりしています。他にも「星もと」で50年くらい前のJasonというクラシック双眼鏡を買ったりしています。どちらも高級機というわけではないので、シビアな性能は求められないと思いますが、私の目には十分不満なく見えています。ということはあまり目が肥えたというわけではないのかもしれませんが、東京に行くたびに秋葉原のヨドバシに行って双眼鏡を見比べています。明るさとか収差とか周辺像とかは、多少見分けがつくようになってきました。ただ、星を見たわけではないので、星を見ながらじっくり比べてみたいと思っています。

双眼鏡での見え方もそうですがせっかくTSA-120を買ったので、眼視の方も少し真剣にやりたいと思っています。アイピースは実は最初の頃に買ったPENTAXとかもあるのですが、あまり活用できていなかったので、今後は使う機会を増やせるかと思います。


逆にあまり進まなかったことです。

2. ヒーター関連は完全にサボってます。材料とかはとっくに揃っていたのですが、昨年は天気が悪く撮影回数が少なかったことと、自宅の庭で撮影するのがほとんどで、曇りはあまり影響ありませんでした。加えてLambdaさんの放射冷却対策の話が出てきたので、そちらの方の材料も買っているのに、これもまだ未対策。あまり進展ないです。

3. 経緯台はSCOPETECHのZEROに期待しています。Vixen Portaの方持ち経緯台との比較とかしてみたいです。

4. α7sは結局購入に至っていません。その前にモノクロ冷却CMOSカメラを購入したいのですが、予算申請がまだ認められそうにありません。


以上を踏まえて、今年の目標です。
  1. モノクロ冷却CMOSカメラを手に入れる。
  2. TSA-120を利用した眼視体制の強化。
  3. PENTAX 6x7レンズをできるだけ試して星景、星野の向き不向きを判別し、焦点距離の抜けを補完する。
大物は1番目の一つですね。後は眼視もPENTAXレンズもそれほど大きな買い物にはならないかと思います。

屈折はTSA-120の購入でしばらく物欲は抑えられそうです。少なくともTOAが(予算も含めて)視界に入ってくるまでは何年もかかるでしょう。反射は飛騨コスモス天文台の振動が抑えられて星像がもう少しシャープになれば満足するかもしれません。さらにVISACもあるので、反射もしばらく物欲は抑えられそうです。赤道儀も今のCGEM IIとサブでAdvanced VX、お気楽でAZ-GTi(こちらは主に経緯台で使用)で特に不満はありません。

細かいものはTSA-120用のフラットナーとかレデューサー、他にもフォーカサーとか、ASIAIR Proとか他にも色々欲しいもはありますが、これからしばらくは子供にお金もかかりそうで、あまり無駄遣いはせず地道に行くことになりそうです。

庭撮りがうまくいっているので、気軽に撮影するために固定で設置できるドームとかも欲しいかなと少し思い始めていますが、これはさらなる長期計画でしょう。


撮影

去年の目標です。
  1. FS-60CBでのレデューサとマルチフラットナーを使った継続的な撮影
  2. AZ-GTiの赤道儀モードでのガイド撮影
  3. C8での太陽Hα撮影
  4. シュミカセのコマ収差の補正
  5. シュミカセを使ったラッキーイメージ法での遠方銀河の撮影
  6. 冷却CMOSカメラに慣れる
  7. モノクロでの天体撮影
  8. モノクロ冷却カメラの入手と撮影

こちらも進んだことから。

1. FS-60CB、FS-60Q、FC-76でのフラットナーやレデューサーを組み合わせての撮影は天気さえ良ければコンスタントに進んでいると思います。特にQBPを使った庭撮りが結構満足がいくレベルになってきていて、例えばFC-76とQBPで自宅で撮影したバラ星雲なんかは白濁レンズの影響を微塵も感じません。



でもとにかく去年は天気が悪かった。夏場から秋ははほとんどだめでした。秋の終わりから年末にかけて少し晴れて進んだくらいです。特に進んだのは、PENTAXレンズでの星野に近い広角での撮影でしょうか。



こちらはレンズを揃えると色々焦点距離を選択できるのではと思っています。

2. AZ-GTiの赤道儀モードでの2軸ガイドでの撮影は一応目処がつきました。600mmで5分露光で、85%以上の採用率なので結果としては十分でしょう。でもこれを常時使うかというと、結構設定も大変で、風に弱かったりもするので、車で重い赤道儀でも運べるならば、普通の赤道儀を使います。海外とか徒歩とか、制限された環境のためのテストだったと言えるでしょうか。

5. ラッキーイメージングは少しは試しました。結果としてあるのはMEADE25cmでの10秒露光x50枚のオリオン大星雲



が大した処理もせずにトラペジウムまで余裕で写っています。このとき0.1秒5000枚とかやりましたが、流石にノイズが大きく無理がありました。もう一つはVISACでのM57の中心星まではっきり見えたときのものくらいでしょうか。




次はできなかったことです。

4. MEADEは周辺像が悪く、コマ収差の補正のためにクローズアップレンズなども購入したのですが、まだ試せていません。コマ収差がいやでVISACを試したのに星像が三角になるなど、なかなか思い通りにいきません。

いずれにせよ、天気が悪いのと、平日は流石に時間も取りにくく、撮影回数が少なかったために、そもそも色々試す機会も少なく、他はほとんど成果が出ていません。

3. 太陽も昨年はほとんど成果がありませんでした。C8での20cmPSTの準備はしてますが、こちらも黒点が全然出ないのでなかなか盛り上がらず進んでいません。

6, 7, 8. 冷却、モノクロも全然です。


そんなことから今年の目標ですが、結構継続が多いですね。
  1. TSA-120での撮影確立
  2. 飛騨コスモス天文台での満足のいく撮影
  3. ラッキーイメージングでの高分解能の追求
  4. ナローバンド撮影
  5. 電視観望技術を利用した超お手軽撮影で、どこまで迫れるか
  6. 太陽黒点の高解像度撮影
  7. 太陽アニメーションを作る手法を編み出す

1のTSA-120は眼視と共に撮影は大きな目標の一つです。

2の飛騨コスモスは機材としては優れているはずです。振動を抑えることとコマ収差を抑えることで、撮影レベルで実用となればと思っています。

3、4は継続ですね。

5ですが、凝った撮影とは全く逆の方向です。いかに低予算、軽量で、初心者でも撮影できる方法がないかという検証です。電視観望の技術が応用できそうで、広角なカメラレンズ、経緯台、ソフトでの補正などでどこまで迫れるかといものです。制限をつけるところと、力を入れる所を緩急つけてみようと思っています。

6, 7は黒点が出ないとあまり面白くないですが、アニメーションを作るために太陽をきちんとガイドする方法を編み出したいです。色々アイデアはあるのですが、太陽自身が活動していないのでいまいち盛り上がっていません。太陽関連でもう一つ、3.5nmのHαフィルターをBF(ブロッキングフィルター)の代わりに使えないかという試みを考えていました。国際光器さんに提供して頂いたフィルターなのですが、すでに過去すでに2度試して結果がうまくいかなくて、結局お蔵入り状態の記事になっています。今一度確認して、結果をきちんと記事にしたいと思っています。

撮影はどうしても時間がかかります。仕事も忙しくて平日はなかなか時間が取れないので、休みの日くらいは晴れて欲しいと今年も願うのですが、まあ天気ばかりは仕方ないです。富山も今日からやっと雪がふっています。


画像処理

去年はFS-60CBに凝っていました。
  1. FS-60CB用+レデューサーの四隅の処理法
  2. FS-60CB用+マルチフラットナーの四隅の処理法
が昨年の目標になります。特にレデューサーは四隅が少し流れるのですが、そこまで不満かというと、許容範囲の気もするので、画像処理での補正もあまり進んでいません。というより、やはり少し不満だからレデューサーで撮影する機会も少ないので進まないというのもあります。

今年はそれよりも
  1. 恒星処理
を目標にします。一つだけです。

難しい光害があるような中でも、一番最初の目的の「天体写真を撮ってみたい」という観点からでは自分ではそこそこ満足するようになってきました。まだ分子雲の炙り出しとかありますが、ここからは時間、お金など全てをかけなければならない修羅の道になっていくはずです。私はまだそこまでの覚悟はできていません。

それでも最近の不満はやはり恒星で、これまで星雲の方ばかりに力を入れていて、恒星の方は少し軽視していました。目標としては画像処理で恒星が飛ばないこと、周りへの自然なつながりです。画像処理にあたっては最近はStarNet++を結構使うことも多いです。星雲と恒星に分けた後、再び合わせるときにどうしても恒星とのつなぎが不自然になってしまいます。今年はTSA-120も参戦するはずなので、そこらへんに気をつけながら画像処理ができればと思っています。

一方、PixInsightに流石に慣れてきて、もうこれなしでは画像処理ができなくなりつつあります。いまだに使いこなせていない機能もたくさんあるのですが、使っている機能だけでも相当強力です。特にフラットは私はiPadとかのLEDでサボってしまっているので、PixInsightのDBEに頼りっきりです。


電視観望

去年の目標は
  1. 季節ごとの電視観望に適した天体リストの作成
  2. 電視メシエマラソン
で全然進んでいないのですが、ある意味一番進んだのが電視観望かもしれません。 これは技術的にというよりは、普及という意味です。

このブログでも紹介していますが、昨年はCANP小海の星と自然のフェスタで、2度電視観望関連の講演をしています。 CANPは本当のマニアが来ているので聞く人は限られていますが、小海の方は一般の天文好きな人も自由に参加できます。

そもそもCANPでのんたさんが「電視観望の講演一番面白かった」と言ってくれて、星まつりでも話すことができないかと助言してくれました。KYOEIのMさんとも話が進み、合同で話すことになりました。そのときのスライドをここに公開しています。エッセンスを詰めたつもりなのでよかったらご覧ください。小海では講演に続いて夜に電視観望の実演までできて、多くの方に実際に見えてもらえたのはとても有意義でした。特に小海でいっしょだったシベットさんが、各種フィルターを使った電視観望の様々な試みを凄い勢いで進めてくれています。毎日に近い頻度で更新されていて、例えば今日の記事はこれですし、6ヶ月のまとめの記事なんかは秀逸です。



また、ネットを見ていると全国的に電視観望をやったという話が普通に出てきます。このブログを参考にして試されている方も多いようです。Twitterなんかでも、例えばどこかの大学の天文部の学生さんでしょうか、多分女の子だと思うのですが、「電視観望凄い」などと呟いてくれています。もう普通の人にも認識されそうな勢いです。これはとても嬉しいことです。以前KYOEIのMさんが言っていたのですが「電視観望をブームにしたくない」と。「ブームだと必ず落ち込みが来るので、じわじわと広まっていくような形で、観測手段の一つとして広まって欲しい」というようなことを言っていました。さすがハレー彗星の時の盛り上がりとその後を知っている方の意見です。電視観望は一般の人たちにも広まりつつあって、ちょうど今そんな感じにうまく広まっている最中なのかと思います。折しもMさんが今月発売の星ナビで電視観望について書いてくれているとのことです。まもなく発売なので、私も記事を楽しみにしています。

技術的にはシベットさんが進めているフィルター関連を追試して行きたいかなと思っています。撮影のところでも書きましたが、光害防止フィルターと安いレンズなど、安価で初心者でも気軽にトライできる電視観望を提案できたらと思っています。観望会で誰かがやっている電視観望で見たりするのも楽しいですが、やはり自分で星雲とか色付きでリアルタイムで見るのが一番楽しいはずです。

でもこうやって書いていると、基本的な技術はある程度確立してきているので、電視観望のタネを播くというのは終わりに近づきつつあるかなと思ってしまいます。シベットさんのように全国で新しいことを進めてくれる人がどんどん出てくるはずで、私個人では思いつかないようなアイデアがたくさん出てくることに期待したいです。電視観望で講演とかできるチャンスがあれば、普及につながると思いますので、頑張りたいと思います。なので、目標は
  1. 電視観望がさらに一般的な観測手段になっていくように努力する。
というのを今年の目標にしたいと思います。


考察、実験、評価など

昨年の目標は
  1. シュミカセの補正レンズの設計と簡単な試験
  2. FS-60CBの光学設計を理解、フラットナー、レデューサーでの星像の再現
  3. CMOSカメラのゲインの最適値の議論
でしたが、1,2のレンズ関連はほとんど進展ありません。クローズアップレンズなども関連するので、また興味が出たときに進めるつもりです。

2modes

一方、昨年もまた興味の赴くままに、たくさんの考察や実験をしました。3に関連することでは、最近またMATLABで再開しましたが、結論出ずです。いや、実は結論出たと思って長い記事を書いたところで理解不足に気づき、一本記事がまるまるお蔵入りになっています。でもまだ諦めてはいません。

色々やっているので、何をやったか時系列で箇条書きでまとめておきます。
  1. リードノイズの温度依存性 (2019/1/27)
  2. リードノイズの実測 (2019/1/31)
  3. FS-60でのエクステンダー、フラットナー、レデューサの比較 (2019/2/9)
  4. コンバージョンファクターの実測 (2019/3/2)
  5. ラッキーイメージングでどこまで見えるか (2019/4/14)
  6. 星座ビノのレビュー (2019/4/27)
  7. 白濁レンズの眼視電視観望撮影画像処理への影響 (2019/5/11-6/29)
  8. 光学的分解能の考察とカメラの分解能の関係 (2019/8/17)
  9. 地面などの振動がどう星像に表れるかの考察 (2019/9/1)
  10. 光害下での電視観望でのQBPの効果の検証 (2019/9/15)
  11. 格安電視観望の試み (2019/11/4)
  12. アトムレンズの放射線測定 (2019/11/20)
  13. 顕微鏡でCMOSセンサー面を見る (2020/1/12)
書き切れないのもあるのですが、振り返るとまあ色々やっていますね。中にはくだらないのもありますが、これだけ楽めているのならこの趣味を選んだ甲斐があったというものでしょう。少しだけ補足です。

1,2. リードノイズ止まりで、結局まだ次のダークノイズの解析までたどり着いてもいません。
4. コンバージョンファクターはEOS 6Dのユニティーゲインを測定するのがいまだに目標です。
5. ラッキーイメージングもまだまだ入り口に立ったくらいです。
6. 星座ビノはすでに沼ですね。
スライド24


7. 白濁レンズは多分誰も欲しいとは思わないでしょうが、驚くほど全然使えます。
8. 分解能の検討はガイドカメラなどになってしまいあまり日の目を見なかった高解像度のASI178MCの再利用につながりました。
9. 地面振動は飛騨コスモスでの撮影につなげようと思っています。
13. 顕微鏡はすでにあぷらなーとさんが結果を出しているのですが、自分でもやってみようと思っています。

目標を立てるのは難しいです。その時その時で興味がわっと沸いて、結構短期間で終わらせています。ノイズの方の考察はもう少し実践に即したスカイノイズとかも考えてみたいです。


課外活動

IMG_8217


県天の資料でまとめたもののコピペです。

星まつり等参加
  • 6/15-16: CANP、電視観望の講演
  • 8/2-8/:4 原村星まつり、電視観望の実演
  • 8/24: 胎内星まつり
  • 9/22: 星をもとめて
  • 10/12-14: 星の村スターライトフェスティバル中止
  • 10/25-27: 小海星と自然のフェスタ、電視観望で講演と夜の実演

電視観望実演
  • 県天: 8/6山室、9/6富山駅前ゲリラ
  • 富山市科学博物館観望会: 3/9、3/16、3/24、5/25
  • 飛騨コスモス天文台観望会: 4/27、7/6、9/7星と二胡のコラボ、10/7、11/4
  • 名古屋名城公園観望会: 1/2、9/16、12/31、4/30
  • 牛岳: 4/12
  • 自宅観望会: 5/25星座ビノ、6/2白濁FC-76、8/17、 8/10法林寺、9/14QBP
 
天文ショップ訪問
  • KYOEI東京(5-6回)
  • スターベース東京(5-6回)
  • SCOPIO(名古屋: 5/11、9/21)
  • シュミット(東京: 3/30)
  • スターベース名古屋 (5/1閉店直前)
  • SKYBIRD(西国分寺: 1/11)
  • 三基光学館(相模原: 2/20)
  • CAT(春日部: 5/10)
  • ケンコートキナーサービスショップ(東京中野: 10/10)
  • ヨドバシカメラ秋葉原(5-6回)
  • キタムラ秋葉原店(5-6回)、東京駅八重洲口店(12/19)
  • トップカメラ(名古屋) (夏と冬)
もう毎年のことになりつつありますが、 結構いろんなところを飛び回っているのがわかります。よくもまあ飽きもせずと言ったところでしょうか。いや、もちろん全然飽きてないです。はい。


その他

その他、ソフト関連、工作や分解などもちょこちょこやってたみたいです。

AZ-GTiの不具合 (2019/1/6)
PythonとOpenCVを使った簡単な四隅切り出しプロブラム (2019/2/7) 
天文棚を2本作った (2019/8/10, 8/31)
電源内のバッテリー交換 (2019/12/24)

工作とかは好きなので、その場その場で必要なことをこれからもやっていくのかと思います。

スライド22



まとめ

ああ、また今回も記事が長くなってしまいました。今年の目標はブログを短くとかですかね(笑)。

目標は少し数を減らしました。数が多すぎてもやり切れなくて意味がないかなと反省しています。

昨年はなかなか忙しくて時間があまり取れませんでしたが、それでもまとめると色々やっていたことが実感できます。ブログの楽しみ方の一つが自分で書いた記事を読み返すことです。昔のことをずいぶん忘れていることに気づきます。なので、その時その時の気持ちだとか、他人には役立たないと思うので申し訳ないのですが、できるだけ細かく書いていこうと思っています。こうやって一年間のことをすぐにまとめることができるのも、こまめに記事を書いているかいあってのことなのだと思います。

今年も自分のできる範囲で、無理をせず、気をてらわず、気の向くままに突き進んでいきたいと思います。今後とも「ほしろloveログ」をよろしくお願いいたします。
 

最近時間がなくて全然ブログ更新できていませんが、ちょくちょく小物は増えています。今回はカメラ関連です。


L字型アルカスイスプレート

今回手に入れたものはEOS 6D本体につけるL型のアルカスイスのクリックリリースプレート。アマゾンで見つけた安いものです。汎用タイプとカメラの機種ごとの専用タイプがありますが、今回は6D専用品にしました。6D Mark II用もあり、今ではそちらの方が種類が多かったりするので間違えないように注意です。

IMG_8853


機種専用プレートの利点は、アクセルが必要なところには適切な穴が開いていて、ケーブルなどの取り付け時にも邪魔にならないことでしょうか。

IMG_8856

なんでL字プレートが必要になったかの理由です。まず、一眼レフカメラを赤道儀に雲台など使わずに直接載せた時、カメラ底面が基準になるので水平はある程度保証されます。ところが、画角によってちょうど90度カメラを回転させたい時にカメラの横面にはプレートを取り付けるねじ穴がないので手がありません。

実際に飛騨コスモス天文台で一晩に複数枚撮影した時にカメラを回転させる手がなくて、泣く泣く自由雲台を追加して無理やり寝かせるような形にして90度視野を回転させました。でも重さバランスが悪くてレンズの重さも相まって何度かずれて傾いていくのを、自由雲台のボールを相当硬く絞めることで何とか回避しました。

そんな時などに、このL字の短い方にアルカスイスの溝が切ってあるので、ここを利用することで正確にかつ簡単に90度傾けることができます。

IMG_8861



大型自由雲台

すでに上の写真に写ってしまっていますが、もう一つ、大型の自由雲台、VelbonのPH-173を手に入れました。こちらも飛騨コスモスでの撮影の時のように、カメラの重量にボールの摩擦が負けて滑ることがあり、安定性の観点からずっと欲しいと思っていました。秋葉原のキタムラで、かなり古いものですが格安で手に入れることができました。

IMG_8855


実は上部を外してアルカスイスクランプを取り付けようとしたのですが、その場合ボールを貫通して通っているネジをはず必要があることがわかりました。かなり頑張って(潤滑剤、衝撃など)そのネジを外そうとしたのですが結局固すぎてどうやっても外すことができませんでした。今回は諦めて普通にアルカスイスクランプを取り付けるだけにしました。

IMG_8862

IMG_8860



手持ちの自由雲台よりもかなり頑丈そうです。星景写真などに活躍してくれそうです。


 


 

このページのトップヘ