ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測機器 > FC-76

FC-76のセカンドライトで電視観望を試してみました。

名古屋スターベースの閉店前に手に入れた
対物レンズが白濁しているFC-76。昼間にアイピースで景色を見て全く問題なさそうなので実戦投入を決意。夜に一度月でコントラストの低下を試してみたのですが、他の鏡筒と比べると少し落ちるものの、単体ではわからないくらいでした。

次の課題は星や星雲などを試すことです。どれくらい白濁が影響するのか?先ずは簡単に電視観望で見てみました。


機材、条件など

鏡筒: タカハシ FS-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + 旧フラットナー
架台: AZ-GTi(経緯台モード)
三脚: Gitzo GT3840Cをシステマティック化 + AZ-GTi用のハーフピラー 
センサー: ZWO ASI294MC Pro
フィルター: なし 
日時: 2019年6月1日、22時半頃から
場所: 富山市下大久保
月齢: 27.1
SQM: 19.05 

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FC-76本体より高くついたK-ASTECの鏡筒バンド、プレート、持ち手は快適そのもの。特に持ち手は、これくらいの大きさがあるとしっかりホールドして運ぶことができます。持ち手のところにつけたASI178MCでの電視ファインダーも、特に運搬に邪魔になるようなことはありません。水準器も上手い具合についたので、AZ-GTiの初期アランメントの水平出しも簡単で、今回も一発でベガが入りました。

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AZ-GTiだとカメラのケーブル一本だけの接続なのであいかわらず楽なもんです。FS-60CBより鏡筒は重くなっていますが、AZ-GTiで特に問題なく駆動することができました。


電視観望に適した焦点距離

これまで電視観望はFS-60CBを主に使ってきましたが、FC-76にした場合に一番大きく違うところは焦点距離です。FS-60CBは355mmでしたから、2倍を切るくらいの焦点距離になります。そのため小さいものはより大きく見えるのですが、大きいものが画面に入りきらなくなってきます。カメラはフォーサーズのASI294MC Proを使っているのですが、なかなかフルサイズで電視観望に適したものを探すのは大変ですし、むしろさらにセンサーサイズが小さくなる方が最初に試す場合などは現実的なのかと思います。

今回見た惑星状星雲のM57なんかはかなり小さいので焦点距離が長い方が有利なのです。一方、例えば今回も試したのですが、北アメリカ星雲は全体像が見えなくてよくわからなかったですし、M8ラグーン星雲でも結構いっぱいいっぱいでしょう。秋冬だとM31アンドロメダ銀河やM42すばるは全然入りきらず、M42オリオン大星雲は画面いっぱいに広がります。

こうやって考えると、電視観望で見せることのできるネタの結構な割合を落としかねないので、実は焦点距離600mmというのは、フォーサーズカメラでも電視観望にはすでに長すぎの感があります。必要ならレデューサーなどの併用を考えて、焦点距離を短くできるようにしておいた方がいいかもしれません。

また、焦点距離が長いということは鏡筒の長さも長いということを意味します。実際に動かしてみて気づいたのですが、M57が天頂近くに来た時に、鏡筒に取り付けたカメラが三脚に当たるということがありました。アラインメントを合わせなおしになってしまい、時間が勿体無いのでこれも注意が必要です。

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実際の観望の様子

この日は昼くらいからずっと曇っていて、22時頃から少し星が見えてきた程度です。夏の大三角はまあまあわかります。ここらへんの北東の一部の分を除いて、基本的に薄い雲がかかり透明度はかなり悪い方でした。例えば肉眼だと、南では木星は見えますが、アンタレスは時間によってなんとか分かるくらいで、さそり座の形はほとんど全くわからないというくらいです。西はほとんど星が見えなく、北も光害と雲でダメ、天頂近くにある北斗七星は形がわかるくらいでした。こんな状態なので、とりあえず見えそうなものだけを試してみることにします。

先ずはM57。2秒露光で、Live Stackしています。ほおっておくと3分経つと一からスタックするようにしていて、下の写真は2分20秒くらい経ったところで撮影しています。実際には最初の10秒、20秒くらいでノイズがどんどん落ちていくのがわかり、あとは見た目はほとんど変化ないです。

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透明度の割に思ったより綺麗に見えています。中心星も何とか見えているので、分解能もまずまずです。これまでの口径60mmから76mmに変わった効果が出ているようです。これだけ見えるなら、少なくとも電視観望レベルではレンズの白濁はあまり気にしなくていいのかと思います。

ちなみに、上の画面ではかなり拡大表示していて、実際の画角は下を見てもらえればわかります。M57はやはりかなり小さい印象です。ASI294MCの画素数が多いため、上の画面くらいまで拡大してもそこそこ見えるわけです。

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次はM27。結果だけ載せておきます。ちょっと淡いですね。

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ついでに三烈星雲です。かなり無理してかろうじて色が出た感じです。透明度が悪いのでまあこのくらいなのでしょう。
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まとめ

あまり空の様子は良くなかったのですが、M57を見ている限り今回の目的のレンズの白濁は電視観望くらいでは特に問題にならないレベルなのかと思います。ただ淡いのが出なかったので、空の透明度のせいでなく、もしかしたら白濁レンズのせいもあるかもというのがふと頭をよぎりました。もう少し空がいい状態の時に今一度試してみたいと思います。

今回は白濁の問題というよりも、FC-76の焦点距離の長さでいろいろ制限されてしまったような感じでした。FS-60CBの方が軽くて取り回しがいいし、より広角なので見える天体が増えて、電視観望に適しているのではないかということです。

むしろFC-76を撮影に使ってみたくなりました。新フラットナーのFC-76用のリングはもう買ってあるので、次は撮影を試してみようと思います。FS-60Q状態と焦点距離が同じなので、直接の比較ができそうです。これでもし白濁が問題になるようなら、白濁除去の方法を考えようと思います。


CATに行った後にまだ少し時間があったので、FC-76を整備する目的で秋葉原に移り少しショップを回りました。

スターベース 


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まず寄ったのが、いつもの秋葉原のスターベース。目的は前回名古屋スターベースで手に入れた、ジャンクFC-76の新型フラットナー用のリングを買うことです。撮影までするかはまだ未定ですが、4隅の点像がどこまで出るかを確かめておきたいからです。到着して、いつも相談に乗ってくれS君はいなかったのですが、店長さんが「S君もうすぐ帰ってくるよ」と教えてくれたので、少し待つことにしました。10分も経たないうちに遅めの昼食を携えてS君が戻ってきました。まず目的のFC-76用リング。大した値段ではないので、テスト目的でも気軽に買うことができます。リングだけで各機種に対応できる新型フラットナーはずいぶんコストパフォーマンスがいいと思います。

今回は買い物だけでなく、情報として得るものが多かったです。S君がこのブログを読んでくれていたので話が早く、まずタカハシでFC-76の清掃をまだ受けつけているということを教えてくれました。実際にタカハシ工場でするもので、これには分解、清掃、組み立て、光軸調整が含まれるらしいです。問題は清掃がどこまでになるかはスターベースでもわからないようなのです。まず、白濁の具合によって完全に綺麗にならない場合があること。これはもちろん了承です。傷とかついていればそれは無理でしょうし、劣化がコーティングだけでなく、レンズ基材にまで食い込んでいたらそれも厳しいでしょう。でも実際の清掃というのが、ただ掃除するだけなのか、コーティングを剥がすのか、はたまた再コートまで(流石に値段的にはないと思いますが)してくれるのか、それはどうも職人さん判断の様で、店舗ではわからないという意味だと理解しました。

見積もりも見せてもらいましたが、タカハシの清掃、調整でも値段は全然許容範囲。鏡筒を特価で買った値段より安いです。また、タカハシの調整だけでなく、TOMITAさんでの清掃、調整もスターベース店舗で受け付けてくれるとのことです。TOMITAさんの方はさらにリーズナブルな値段でした。いずれにせよ、タカハシで清掃を受け付けてくれるとわかったことは大きいです。でもまだ自分で分解して屈折の光軸調整の方法を学びたいというのもあるので、もう少し様子見です。

一緒に店頭にあるFC-76DCを見ていると、現行機種がずいぶん細くなっているのを思い知らされます。筒の部分はFS-60CBと同じ太さです。私が手に入れた旧機種のFC-76は現行のFSQ-85EDPと同じ太さです。現行のFC-76DCのフードを外してみてみると、対物レンズ枠の外径が筒の径ギリギリまできていて、かなり頑張った構造になっているのがわかります。と、ここまでが前置きで、面白かったのがS君がフードをはめるときでした。ねじ込み式なので回転させながらはめるのですが、なぜか逆回転ではめようとしています。最初間違っているのか思い「回転逆では」と聞いてみたとこと、わざと逆に回転させて、ねじ込みの最初の位置を探しているとのことです。うまく垂直にフードを当てて逆回転で探っていくと、カタッと入り込むところがあり、そこから反転して通常の向きに回していくと、噛んだりすることなくきちんとはまっていくとのこと。私はこれまでそんなことに気を使ってこなかったので、目から鱗でした。さすがタカハシです。ものを長く大切に持たせる術を知っていて、きちんと店員にまでその教育が行き届いています。

あと、S君から白濁に関して面白い提案がありました。月を見てみると白濁の影響がよくわかるのでは?というのです。確かにうまくいくと(悪くすると?)コントラストが悪くなりそうです。早速帰ったら試してみようと思いました。

もう一つ、FC-76の鏡筒バンドを頑張ってK-ASTECのものにするか、もう少し安価なMOREBLUEのものにするか迷っていたのですが、スターベースでMOREBLUEの鏡筒バンドの扱いを始めたようです。ただし、今の所は鏡筒とのセット販売のみ。単体であれば買っていたかもしれません。


KYOEI

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さて次はKYOEIです。ところがいつも相談に乗ってくれるMさんは不在とのこと。KYOEIさんはK-ASTECの鏡筒バンドを扱っているのですが、事前のネット販売の方では大阪店には在庫があるけれど、東京店には在庫はないとの情報でした。それでも一応FC-76の旧型にあう95mmのものがあるか聞いてみると、たまたま一つだけ在庫があるとのこと。ついでにと思って、斜めに取り付けることができるとってもあるか聞いてみたら、こちらもたまたま一つだけあるとのこと。これも縁と思い、対応する上下プレートも合わせて購入してしまいました。でも鏡筒を買った価格より、鏡筒バンドの方が高価です。うーん、だんだん本末転倒になってきました。


戦利品

今回の戦利品です。斜めハンドルがポイントでしょうか。

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実際にFC-76と組んでみました。上部のハンドルの間にアルカスイスプレートをつけました。これは電子ファインダー用にCMOSカメラを取り付けるためです。あと下のプレートのさらに下に、手持ちのアリガタを取り付けました。

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うーん、かっこよくなってきました。

ちょっと重くなったので、後日もう少し軽量化するかもしれません。

注意ですが、鏡筒バンドには低頭ネジの長いのが4本、短いのが4本ついてきます。上下にプレートをつけるのですが、長いネジはもう少し厚い板用に用意されたものか、K-ASTECのプレートには長すぎて途中までしか入っていきません。短いネジを別途用意しておいた方がいいのですが、低頭ネジでないとはみ出てしまうので、あらかじめどこかで見つけて購入しておいた方がいいでしょう。私は手持ちで2本だけあったので、とりあえずトップは4カ所でなく2カ所で止めています。



FC-76ファーストライト

富山に帰ってから、FC-76の対物レンズの白濁の影響を検証するために、実際に月を見てみました。単体だとわかりにくいので、FS-60CBとVixenのポルタの80mmとも見比べてみます。アイピースは相変わらずポルタに付属の20mmです。倍率も低いので分解能の比較は難しいです。

まあ、はっきりいうと差は見えましたが、正直言ってごくわずかでほとんど気にならない程度でした。コントラストでいうと
ポルタ => FS-60CB > FC-76

と言ったところでしょうか。地球照が見えるかどうかで比較したので、ポルタの口径が大きいのが効いている気がします。それでもFC-76が口径の割にコントラストは低かったのは、やはり白濁のせいでしょう。よく比べると、FC-76で少し顔を動かして接眼レンズと目の相対位置を変えてみると、コントラストが少し変わるのがわかりました。これは白濁の酷さが局所的に違いがあるからだと思います。

でも何度か見比べて初めてわかるくらいのもので、単体でFC-76を覗いただけだったら、先入観なしでは、少なくとも眼視の経験があまりない私は白濁があるとは気づけないと思います。でも経験豊かな人はすぐにわかるかもしれません。

結論としては撮影に使わなければ、とりあえず十分です。値段が値段だったので、私としては満足です。はっきり言って撮影でも使えそうな気もしています。でも付属品の方が高くついてくるのは、まあ仕方ないですね。

次は電視観望で試してみます。

先日、名古屋に帰省したときに生えてきたFC-76を、自宅に帰ってから実際に試してみました。

FC-76はフローライトレンズを使った口径76mm、焦点距離600mmのアポクロマート鏡筒です。往年のタカハシの作り込み感が半端なく、質実剛健、細部ものすごく丁寧、高級感に溢れていて、持っているだけでも満足感が満たされます。レンズキャップが鋳造物で、重いので下を向けると落ちてしまうと購入時に注意を受けました。キャップだけみても今では考えられないこだわりです。元々はファインダーもあったようですが、今回はファインダーはついていませんでした。でもどうせCMOSカメラで電子ファインダーにしてしまうので特に問題ありません。問題は対物レンズ。結構な白濁です。その分本当に、その場で決断できるくらい格安でした。

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レンズの白濁について

いろいろ調べてみると、この白濁現象は1987年くらいまでの初期のFCシリーズに使われたレンズの反射防止膜がモノコートだった時代のものに、時間が経つとどうしても起きてしまうようで、避けようがないとのこと。1987年より後の後期型のマルチコートになったものはこのような白濁現象は起きないとのことです。

白濁が起きる場所は、弱いと言われている2枚目のフローライトではなく、最初の一枚目の対物レンズの背面(接眼側)だそうです。確かによく見てみると、表面は綺麗。中のどこかが汚くて、ちょうどその表面に見えるレンズの裏面くらいの位置に見えます。

結構ひどいので、この白濁をなんとかできないか調べてみました。まずタカハシはもう清掃や再コーティングなどは受け付けていないようです。(2019年5月11日追記: スターベース東京で確認したところ、現在でも清掃、調整を受け付けているとのことです。)他のメンテナンス会社でも、いくつか清掃をしてくれるところが見つかりました。自分で分解して、レンズ研磨のようなことをして強者もいるみたいです。一眼レフカメラの昔のレンズの白濁除去で探すと、アルカリ溶液でコーティングを除去してしまう例も見つかりました。

おそらく今回のものはコーティングの劣化なので、コーティングを除去してしまえば白濁は無くなるだろうと予測しています。その代わり反射防止の効果がなくなるので、一般的には4%ほどの反射が出てしまいます。ARコートは普通1.数%の反射率に抑えてくれるので、3倍くらいの反射光が出ることになります。大したことないかもしれませんが、多重反射でゴーストにもつながるので注意が必要です。

あと、自分で分解してクリーニングする場合には、光軸調整をきちんとして元に戻さないとダメなようです。私は屈折の光軸調整はごくわずかしかなく、全然自信がないのが正直なところです。これを機会に屈折の光軸調整に挑戦してもいいのかとも思いますが、タカハシなのでやはり躊躇してしまう気持ちもあります。まあとりあえずこの白濁が実際にどれくらい影響するかよくわからないので、まずは一度覗いてみることにしました。


FC-76の実際の見え味

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接眼側から対物側を覗いても、白濁がはっきり分かるので心配でした。とりあえず手持ちのタカハシの鏡筒バンドでサイズが合うものに取り付けて、アリガタを噛ませて赤道儀に載せました。アイピース口も元々25.4mm用ですが、手持ちのVixenの31.7mm交換アダプターで現行のアイピースが使えるようにします。アイピースはとりあえずそこらへんにあった、Vixenのポルタに付属の格安のものです。

昼間の景色を見てみます。白濁のひどさからあまり期待していなかったのですが、覗いた瞬間、その見え味にうっとりしてしまいました。もちろん白濁の影響はあるのでしょうが、アイピースで見ている限り全く気になりません。多分コントラストは落ちているのでしょう。確かに少し眠い気もします。それでも収差の少なさ、カリッカリの分解能の良さ、これで2諭吉さんちょっとなら十分すぎるくらいの性能です。FS-60Qでもそうですが、やっぱりフローライトっていいんですかね。分解清掃はもっと白濁が耐えられなくなるくらい進むまでしないことにしました。電視観望用にと考えていましたが、この分解能だともったいないくらいです。新型フラットナーを持っているので、うまくいくと撮影にも使えそうです。

試しにFC-76にASI294MC Proをつけて直焦点で撮影してみました。.serファイルで動画で撮影した一枚をjpegにまで落として、上下ひっくり返したものです。画像処理は何もしてません。拡大してみるとわかりますが、遠くのBSアンテナの4つのビスまできちんと写しこんでいます。ぱっと計算すると、ビスの直径が13秒角くらい、ビスの円を描いている黒線が3秒角くらいで、これだけみるともう少し出てそうです。3秒角でもすでにエアリーディスク径の2倍くらいなので、まあ相当なもんです。

test1

実は同じ構図でMEADEの25cmと比較していたのですが、分解能は口径と焦点距離の分FC-76が不利なはずなのに、口径差3倍以上でもFC-76も決して負けていません。焦点距離を合わせたら口径の差は消えてしまいそうなくらいです。それよりも考えさせらたのは画像の安定度で、軽いこともあるでしょうし、光軸調整が流石にタカハシレベルなのもあるのでしょうか、むしろFC-76の方がブレないです。この件もう少しまとまったらまたレポートします。

というわけでかなり使えそうなので、まずは鏡筒バンドとアリガタプレートなど、実戦配備に耐えうるように少し予算を割くことにしました。


GW特集の記事、もしかしたらもう一本書くかもしれませんが、こちらはちょっと時間がかかるかもしれません。

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