ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測機器 > フィルター

1月9日、ここ最近の北陸の冬本当にめずらしく晴れ渡っていて、透明度も高そうだったので、新月期ということもあり平日ですが撮影を試みました。でも次の日は東京行きで始発に近い新幹線で移動です。あまり無理はできないので、撮影開始後できるだけ放っておけるようにセットアップしました。

最初に結果を示しておきます。ベテラン勢から見たらまだまだかもしれませんが、私としては自宅からこれだけ写るなら結構満足です。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS_PS5





目的

今回の目的は、撮影はもちろんですが、月が出ていない時のQBPの効果を知ることです。

満月の日の撮影では、露光時間が約4倍に伸びました。月明かりが太陽光の反射で白色光と仮定した場合に、QBPの波長領域から考えた光量変化からの露光時間の伸びの予測4倍と、よく一致しました。

今回は新月期で、月の光がない場合にQBPで街明かりがどれくら除去できるかを見たいというのが目的の一つです。


ターゲット天体

ターゲットはいろいろ迷って、今のFS-60Qの焦点距離600mmとフルサイズの6Dの画角で撮りやすいものを考えました。計画の段階ではクラゲ星雲だったのですが、これをなぜか間違えてパックマン星雲を導入して明るい北西の方向を指してしまい、あれ?あんな方向だったかなと思い、さらになぜかクラゲに行く前にすぐ隣のモンキーを見たら気に入ってしまい、モンキーに決定。モンキーとクラゲをいっぺんに入れることも考えましたが、画角がギリギリなのでこの日はモンキー一本に決めました。フラットナーを購入したので、モンキーとクラゲの同時撮影はまたいつか試したいと思います。

でもなんでこんなことを書くかというと、最近はplate solvingがひたすら快適で、位置決めがものすごく簡単にしかも精度よく、再現性もありで進められるので、途中で迷っても全く問題ないからです。最初のラフな導入から、EOS6Dでの自動撮影、plate solvingでの解析と座標決定、ずれの赤道儀の位置へのフィードバック、再撮影と解析まで、全部リモートでできます。最近のASiairが羨ましくてまたplate solving始めたのですが、あまりに便利なので、そのうちにまとめ記事にでもしようかと思っています。


機材セットアップ

最近は自宅セットアップはほぼ固定です。でも先日のスターベースでフラットナーとレデューサーを購入したので、これからはちょくちょく入れ替えての撮影になると思います。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間5分x25枚、計2時間5分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 日時: 2019年1月9日、21時半頃から
  • 月齢: 3.4


撮影

さて実際の撮影です。その日の家族との夕食を振り切って三日月の地球照の撮影をしたのは前回書いたのですが、家族が食べ終わった後に戻って、一人寂しく夕食をとり、その後赤道儀を設置して撮影開始です。

外でのセットアップは、SharpCapでの極軸と、BackYardEOSでのピント合わせ、CGEM IIでワンスターアラインメントでの初期アラインメントだけです。あとは外でやることはないため一旦自宅に入ります。撮影もStick PCを用いてRemote Desktopで繋げているため、自動導入とPlate Solvingでの座標決定まで含めて、自宅でヌクヌクしながらなので非常に快適です。

実際の撮影ですが、露光時間を決めるためにいつも撮影しているくらいの設定として、ISO3200で露光時間3分で一枚撮ってみたのですが、まだまだ全然暗いです。とりあえず5分露光で写してみてびっくりしました。下がその撮って出しJPEG画像でなんの加工もしていないものです。すでにこんなにコントラストがあります。

LIGHT_6D_300s_3200_+3cc_20190109-22h27m23s267ms

背景の明るさをみると、まだ露光時間を伸ばせそうですが、5分でも私のこれまでの撮影の中では最長の部類に入るので、成功率を上げるために今回は5分で行くことに決めました。

ちなみにQBPフィルター無しの場合は、今回撮影することができませんでした。理由はフラット画像をその日のうちに撮る時間がなくて、フィルターを外してしまうとフラットが合わなくなる恐れがあったからです。その代わりに1年ちょっと前に撮った馬頭星雲が、同じ鏡筒、同じカメラ、同じ場所で、この日も月はなく透明度が良かったと覚えているので比較してみます。露光時間だけは違っていてこの時は3分で明るくなってまって、これ以上時間を伸ばそうとは思えなかったです。こちらも撮って出しJPGでなんの加工もしていません。

HORSE_LIGHT_6D_180s_3200_+10cc_20171128-01h26m49s143ms

見ての通りフィルター無しでははるかに明るくて、Photoshopで両方の背景を測光してみると、馬頭星雲の方が今回のモンキー星雲に比べて、ほぼ2倍明るくなっています。露光時間が5分と3分で、明るさが2倍なので、2 x 5/3 ~ 3倍となります。言い換えると、QBPのおかげで光害は3分の1程度に抑えられ、露光時間でいうと3倍時間をかけることができるということです。

実はもう少し改善されるのかと思っていましたが、この値は光源の種類や、光害のひどさに強く依存します。3倍くらいしか変わらなかったということは、逆にいうとそれほどひどい光害地ではないということが言えるのではないかと思います。

撮影ですが、次の日のこともあるので、23時くらいから仮眠をとりました。午前2時頃起きて片付けたのですが、後で見てみると0時過ぎで赤道儀が端まで行ってしまっていたみたいで、30枚中5枚が失敗でした。それ以前の25枚は星像を見てもほぼすべて点像で、全部成功。赤道儀がきちんと動いていた時だけ考えたら100%の成功率です!


画像処理

問題は画像処理でした。明るい恒星が赤でサチッてしまいます。赤だけ考えたらすでに露光時間が長すぎるか、ISOを落とす必要があるかもしれません。一方、青と緑は全然余裕があるので、例えばIRフィルターを入れて恒星の赤のサチりを抑えるとか、HDRように短時間露光の画像を撮っておくことなどを考えた方がいいのかもしれません。

実は関東に行っている間に、Light画像と以前撮ったBias画像だけで一旦処理したのですが、やはり周辺減光の影響が見られたので、自宅に帰宅して時間に余裕があった今日、PCの画面を元にフラット画像を撮影して再度処理をすることにしました。リニア処理は基本的にはPixInsightです。Ditherしているので、Dark補正はしていません。Integration後、DBEでカブリを取り、PCCで色合わせをしました。フラット画像は別で撮っているので、空からくるカブリはどうしても残ってしまいますが、私はPixInsightのDBE (DynamicBackgroundExtraction)で困らないレベルになります。ストレッチはAS (ArcsinhStretch)である程度出してから、Photoshopに引き渡しました。

問題はPhotoshopに引き渡す時点で、すでにいくつかの恒星が赤飛びしてしまっていることでした。いろいろ考えたのですが、Photoshop上でRedとGreenの差の絶対値を取り、星マスクを作ることで赤飛びしている星だけをうまく引き出すことができました。色バランスがずれてしまっていやなのですが、今回は仕方ないので、このマスクを使って赤飛びしたところを抑えました。こうして仕上げたものが、最初の画像になります。


QBPフィルターについて

今回は月が出ていなければ、QBPがあると自宅の庭の場合3倍ちょっとの露光時間を稼ぐことができることがわかりました。赤飛びなどの画像処理は多少苦労しますが、個人的には庭撮りでこのクオリティーなら、もう相当満足です。

新月期の休日前には遠くに足を延ばすかもしれませんが、月が出ていたり、新月期でも平日ならもう庭撮りで数を出した方が全然満足度が高いです。QBPフィルターがなければ、とてもではないですがこのような感想にはならなかったと思います。

自宅取りの見通しが出てきたので、もう少し真面目に撮影に取り組む気になってきました。先日フラットナーとレデューサーを手に入れたのも、このQBPの影響が大きいです。


明けましておめでとうございます。2019年は忙しそうなのですが、それでもできる限り趣味としての星も楽しみたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします。

さて年末年始ですが、実家の名古屋に家族と一緒に帰っていました。天気は良かったのですが、さすがの光害地でのまじめな撮影は結構大変そうです。そんな中、1月2日の夕方17時半くらいから、名城公園という、その名の通り名古屋城が見える公園で電視観望を試してみました。


明るすぎる場所

名城公園といってもかなり広いのですが、ちょっと前にスターバックスとか、イタリアンレストラン、コンビニを含むおしゃれな一角ができて、昨年の年始もスーパームーンの時にここでみていました。2階に上がるテラスみたいなところもあるので、今年はこの2階部分にあがって機材を出してみました。

IMG_6094
名古屋城がきれいに見えています。

地下鉄の駅から近く、休日には道路沿いに車を駐車することもできるので、機材を運ぶのも簡単です。食事やコンビニで買い物もできるし、近くにトイレもあるしで、とても便利な場所で、雰囲気もいいので人が集まって観望会をするならかなりいい場所になると思うのですが...

ただし、光害という観点からいうと、相当酷いところになります。名古屋の方はよく知っていると思いますが、名城公園は名古屋最大の繁華街の栄からほど近く、とにかく明るいです。公園内も安全のためか街灯がいたるところにあり、またスターバックスとレストランの明かりも煌々としています。でも今回はそんな光害のある街中で電視観望がどこまでできるかを見極めたいというのが目的です。

IMG_6121
奥の階段の上に機材を出しました。


機材など

鏡筒: タカハシ FS-60CB (口径60mm, 焦点距離355mm) + 旧フラットナー
経緯台:AZ-GTi
センサー: ZWO ASI294MC
フィルター: サイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
日時: 2019年1月2日、18時頃から
場所: 名古屋市名城公園
月齢: 26.1


名古屋での天文仲間

実はその日の午後くらいに、Twitterに名古屋で観望会やりますと投稿しておいたら、やくもふさんが機材を持って参加しますとの反応がありました。機材を出し終えた18時すぎくらいでしょうか、やくもふさんが到着、さらに同僚のKさんもしばらくして到着、楽しい観望会となりました。

やくもふさんもつい最近AZ-GTiを購入したとかで、それにVixenのED70SSとx0.5のレデューサにASI385MCをのせての電視観望です。今回、フィルターはIDAS LPS-P2を使っているそうです。やくもふさんは一年前の帰省の時に名古屋の天文ショップスコーピオでお会いした方で、このブログもよく見てくれている方です。話を聞くと、地元のN大の天文部出身で、就職してからはしばらく天文から遠ざかっていて、2年ほど前に復帰されたとか。最初はアイピースでの観望だけに抑えようとしていたとのことですが、アイピースだけだと飽きてしまうのと、物欲には抗えなくて機材がどんどん増えているようです。まあ、マニアはどこも似たような状況ですね。N大天文部つながりで、結構共通の知り合いの方もいました。中でも私の高校の同じクラスで、高校当時から天文部だったSN女史は、大学時代やくもふさんの2年上くらいの先輩にあたり、大学天文部では車で連れまわされていたそうです。SNさん当時は天文雑誌によく載っていたようなのですが、もう天文やっていないのでしょうか?と、こんな話で大盛り上がりでした。

一方、やくもふさんに誘われてきたというKさんは天文というよりはカメラが好きなようで、ずっとお城や我々の観望風景を撮影してくれていました。なんでも版画をやっている芸術家のような方で、私の周りにはあまりいないタイプの方なので面白かったです。最近やくもふさんにちょくちょく誘われ星を見ておおはしゃぎしているとのことですが、天文機材はハマりそうなので買わないと言っていました。でもいつまでその決心が続くことやら。今度会った時はすごい機材を見せてくれそうな気もします。

IMG_6100
今日のゲストのやくもふさんとKさんです。
ASI385MCでもM42が綺麗に見えます。


光害地での電視観望


Fさんが到着した頃に最初に入れた天頂付近のM31アンドロメダ銀河です。Quad Band Passフィルーターが入っていると思い込んでいたのですが、そういえば年末に取り外していたことを後から気づきました。なので、なんのフィルターも入っていない状態です。流石にこの光害では相当あぶり出す必要があるため、階調が厳しいですが、それでも暗黒帯も少しですが見えています。

IMG_6097


続いて、M42オリオン大星雲です。これもQBPフィルターなしです。

IMG_6103


ちなみにどれくらいの光害地かというと、街灯があるとオリオン座の3つ星が全然見えなくて、街灯を手で隠してやっと三つ星が見えるくらいなので、まあ酷いところと言えるでしょう。こんな中でこれくらい見えるのだから、まあ十分ではないでしょうか。

ここで、QBPフィルルターが入っていないことに気づいて、フィルターを取り付けました。それが下の写真になります。

IMG_6105

赤がよく見えるようになるのはいいのですが、四隅のカブリがなぜか出てしまうのと、下半分にさらに明るい被りが出てしまいます。少なくとも四隅の被りはQBPが原因かと思います。QBPはちょっと癖があるみたいなので、露光時間とゲインを固定してしまって、リアルタイムのフラット補正をしてしまった方がいいのかもしれません。

本当はもっといろんなパラメーターも試したかったのですが、昼間の晴れから一変、意外に夕方から雲が多くて、これらの電視観望も雲の合間に短時間であぶりだしたものが多いです。時間的にも7、8割は雲のために観望というよりは喋っていた気がします。

ちょうどこの頃に家族がきて、実家の母もM42をリアルタイムで観ていきました。星雲は初めて観たというので驚いていました。というよりも、星雲というものがあること自体初めて知ったようです。家族はそのままイタリアンレストランで食事です。私は注文したものが出てきた時に呼ばれて、時間が勿体無いのでピザ何枚かだけ食べてまたすぐに外に出ていきました。

IMG_6107
食べてる途中の写真で申し訳ありません。
富山だとあまりないような、おしゃれなところでした。

途中、何人かの一般の方が興味を持ってくれましたが、雲がかかっている時間が多く、その場で星雲を見せることはできませんでした。それでも先に写した写真を見せると、「こんなのが見えるんだ!」というように驚いてくれました。

ここから少し淡い天体です。まずはバラ星雲。

IMG_6113

被りはM42の時と同じ傾向ですが、まあ名古屋の真ん中でバラ星雲が形だけでもよくこれだけ見えるなと。これは確実にQBPの威力です。フィルター無しだと富山の自宅でもこれだけ見るのは大変です。もちろん階調はさすがに厳しいですが。ちなみに、上の写真で3.2秒露光で11回スタックしていますが、一発目から形もなんとかわかるくらいに見ることができます。

続いて馬頭星雲と燃える木です。こちらは思ったよりはっきり出ました。富山の自宅で見たよりもはっきり見えます。QBPの得意な対象なのかもしれません。

IMG_6116


最後はモンキー星雲です。相当無理してあぶりだしていますが、存在はわかります。

IMG_6117

カブリの問題など、まだ改善の余地はありそうですが、こんな都会のほぼど真ん中でこれだけ見えるのはある意味驚異的と言ってもいいかもしれません。QBPは撮影だけでなく、電視観望においても相当強力と言えると思います。露光時間も1.6秒とか3.2秒をスタックしているくらいなので、QBPを入れたからと言ってたいして長くなるわけでもありません。やくもふさんのASI385MCにIDAS LPS-P2でも同じような見え具合でした。感度のいいCMOSカメラと光害カットフィルターでの電視観望というのも、酷い光害地では観望会の可能性を広げてくれそうです。

23時頃でしょうか、一時期少しましになった雲も再びたくさん出てきました。ここら辺で解散となりました。それにしても楽しかったー。同じ趣味の仲間なので、多少天気が悪くてもものすごく盛り上がります。北陸での星不足が久しぶりに解消されました。またいつかやりたいと思います。




 

クリスマスイブ。連休の最終日です。昼間は雲が多かったのに、なぜか夜は全面晴れ。次の日仕事でしたが、今週から雪らしいのでもうチャンスもなかなかなくなると思い、家族とのクリスマスパーティー後、下の子の「トランプやって!」の声を振り切って、21時頃から庭に機材を出しはじめました。この日の目的は、前回からの引き続きでQBPのテストです。満月後わずか2日目、まだまだ空は明るいです。一昨日のQBPのテストは輝度の高いM42オリオン座大星雲でしたが、もう少し淡い星雲はQBPでどのくらいまで撮ることができるのか見極めるのが今回の目的です。 


ターゲット天体

あまり夜遅くなると次の日の仕事に響くので、ターゲットは一つとしました。画角に当てはまることと、そこそこ淡く、月にそこまで近くないという条件から、
  • IC405 勾玉星雲とIC410
としました。それでも月から40度角ないくらいなので、比較的明るい領域と言えます。


機材セットアップ

 前回と同じセットアップです。ほとんど組み直すことなく使えるのですぐにセットアップできて楽です。
  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)、ISO3200、露光時間3分x10枚、2分x11枚の計52分
  • ガイド: ASI178MC + 50mm Cマウントレンズ、PHD2 + BackyardEOSでガイド+ディザー撮影
  • フィルターサイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
  • 日時: 2018年12月24日、22時頃から
  • 月齢: 17.2

撮影

前回のM42はISO1600、露光時間1分くらいが限界でしたが、今回はISO3200、露光時間3分での撮影が可能でした。ISOで2倍、時間で3倍で、前回と比べて計6倍明るく撮れている計算になります。
  • 月が満月よりは少し暗くなったこと、
  • 以前より月からもう少し(10数度角くらい)離れていること、
  • 色温度を6000度にして、青を落としてRGBのバランスをとったため、サチルまでに余裕が出たこと
などが理由かと思います。

露光時間を取れたのはいいのですが、その代わりに星が流れてしまうのでガイドありでの撮影になりました。前回は600mm、1分でガイドなしで大丈夫でしたが、3分になると流石にCGEMIIでもガイドなしでは少し流れてしまいます。それと、以前縞ノイズで懲りたので、PHD2とBackyardEOSの連携でディザーもしています。

そういえば最近またAstroTotillaを使ったPlatSolvingで画角を決めています。これ、ものすごく楽なので、またそのうちに一度記事にまとめたいと思います。

実際の撮影は、ぬくぬく自宅の中からリモートでと、至って快適でしたが、カメラの電池が切れてしまった夜中の1時頃、風も少し出てきたのでその時点で撤収としました。


画像処理


前回のM42の時の画像処理と大きく違うのが、フラット補正をしたことです。鏡筒の先にスーパーの袋を2重にしたものをつけて、PCの画面を明くして白で埋め、そこを1/100秒の露光時間で撮影しました。ISOはライトフレーム撮影時と同じ3200としました。

今回は赤い領域が全体に広がっていたので、PixInsightのDBEでは周辺減光を取ることが困難だったからです。今回のフラット補正は結構効果が大きくて、変なムラみたいなのも一切出なくなりました。基本的なことをサボっていたのがそもそもの問題なのですが、QBPを使うときにはフラット補正は必須かと思いました。これは一度きちんと検証したいと思います。

その後の画像処理はこれまでとそう変わりません。PixInsightで処理して、DBEで最後のカブリを取り、PCCで色を合わせて、ArcsinhStretchでストレッチします。その後、Photoshop CCで仕上げます。


撮影結果

撮影結果を示します。

light_BINNING_1_integration1_AS_DBE_cut


撮影時間が52分と長くはないため、ノイズがまだ結構残っていますが、満月2日後の、自宅庭からのお気楽撮影でこれだけ出ればまあ満足です。恒星の青もそこそこ出ています。

もちろん、新月期に遠征をして光害の少ない場所で撮影するよりは、撮影した素材画像のクオリティーは絶対悪いです。そのため、色バランスやフラット補正など、多少画像処理で苦労はします。それでも、自宅で気楽に撮影ができ、数がこなせることは何物にも代え難く、私的にはこのQBPは買ってよかったものの一つと言えます。


週末土曜日、満月の日。一晩中明るい月が出ていますが、北陸の貴重な晴れの日と、週末が重なったので、こんな日は絶好の機材のテスト日和です。

せっかくなので、先日シュミットで購入した月明かりでも撮影が可能だというQuad BP フィルターを試してみたいと思います。そこそこ写るなら遠征に行けない「平日」でも、「月」が出ていても、「自宅で気楽に」撮影を楽しむことができます。


セットアップ

  • 鏡筒: タカハシ FS-60Q (口径60mm, 焦点距離600mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D(HKIR改造)
  • 日時: 2018年12月22日、22時頃から
  • 月齢: 15.2、満月
  • テスト対象: サイトロン Quad BP フィルター(クアッド バンドパス フィルター、 以下QBP)
少し困ったのが、QBPをFS-60Qにどうやって取り付けるかです。フィルター径は48mm。ところが、FS-60シリーズは回転装置の出口部分内側に52mmのフィルターネジが切ってあるため、48mm径のフィルターはそのままでは取り付けられません。いろいろ試してみると、回転装置と延長鏡筒の間に挟み込むと、ねじ込みや固定はできないのですが、うまい具合にピッタリはまって取り付けられそうです。

IMG_5912


コツは、フィルターのネジが切ってある側を鏡筒の対物レンズ側に入れ込むことです。こうしないと延長鏡筒を1-2回転くらいしかねじ込めなくて、不安定になります。まあとりあえず大丈夫そうなので、今回はこの状態で撮影してみます。


対象天体

M42 オリオン大星雲:
  • これまでなんども撮っているので比較しやすい。
  • 満月との距離が25度角程度とあまり遠くなく、この日は非常に明るい領域。
  • 肉眼で見ている限り、リゲルとベテルギウスはなんとか月の光に負けずに見える。3つ星はほとんど見えないくらい。

画像比較1: 同じ露光時間でQBPありなしでの比較


まずは、露光時間を同じにしてQBP有り、無しで比較してみます。JPEG撮って出し画像での比較です。

  • QBPなしの通常の撮影: ISO1600, 10秒露光
M42_LIGHT_6D_10s_1600_+8cc_20181222-22h07m33s760ms

10秒以上の露光だと明るすぎなので、これくらいまでしか露光できません。

  • QBPありでの撮影: ISO1600, 10秒露光
M42_LIGHT_6D_10s_1600_+14cc_20181222-22h21m29s692ms


同じ時間でもQBPフィルターがあると、当然の結果ですが随分暗くなることがわかります。


なお、上の2枚とも色温度設定が3200Kと低いので青が強く出てしまっています。


画像比較2: 露光時間を変えて背景明るさを合わせる

これもJPEG撮って出しです。
  • QBPなしの通常の撮影: ISO1600, 10秒露光(画像比較1と同じもの)
M42_LIGHT_6D_10s_1600_+8cc_20181222-22h07m33s760ms

  • QBPありでの撮影: ISO1600, 30秒露光
M42_LIGHT_6D_30s_1600_+10cc_20181222-22h28m12s224ms

  • QBPありでの撮影: ISO1600, 60秒露光
M42_LIGHT_6D_60s_1600_+8cc_20181222-22h37m16s270ms



実際の背景の明るさを比べると、最初のQBPなしの1枚と、後のQBPありの2枚を比べるとわかりますが、露光時間が3倍だとまだ少し暗く、6倍だとかなり明るいくらいなので、4倍程度の違いでしょうか。


QBPによる背景明るさの変化の簡単な推定


月の明かりが太陽の反射なので白色光に近いとして、太陽光のスペクトル

SunLightSpectrum-280-2500nm-J
(Wikipediaより引用)

にセンサーの感度曲線をかけたものと、さらに今回のQBPの透過率

qbpf_g
(シュミットの販売ページより引用)

をかけたものとの面積比を比較すると、この明るさの比になります。太陽のスペクトルは調べるとすぐにでくるのですが、EOS 6Dセンサーの感度曲線が調べても出てきません。しかも天体改造してあるので、さらに良くわかりません。

それでもものすごくざっくりとした見積もりをしてみます。太陽のスペクトルが350nmくらいから900nmくらいまではそこそこ一定とし、一般的なCOMSセンサーの感度も350nmくらいから700nmくらいまでは一定と考えます。そうすると、QBPの透過率がある部分が465-510nmと640-685nmくらいまでと読み取ります。それぞれ透過幅はともに45nmとなり、合計90nmです。透過率は95%と程度としますが、ざっくり1としてしまってもいいでしょう。すなわち、350nmのうち90nmくらい通すと考えてしまうと、90/350 x 0.95 = 0.24となり、QBPと通すと月の光で制限されるような背景の場合の光量は24%程度になるということです。言い換えると、1/0.24 ~ 4なので、露光時間が4倍くらいで同じ明るさになるということで、実際の撮影結果にもかなり合っています。

これとは別に、月明かりがない場合の人工光による光害が支配的な場合、露光時間をどれくらい伸ばせるかはまた興味深いところです。これは場所や光源の種類に大きく依存するはずですが、LED灯でも上記くらいの改善比、水銀燈やナトリウム灯ならかなり高い改善比が期待できるはずです。


画像処理をした場合のQBPの効果


さて、一番興味のあるフィルターの効果の確認ですが、画像処理をかけた場合を想定して比較したいと思います。できるだけシンプルでわかりやすくするために、PixInsightで1枚どりの上記RAW画像に
  1. ScreenTransferFunctionでLink RGB Channelsをオフにして各色のロックを外してからオートストレッチをかけて
  2. HistgramTransformationで実際に画像に適用し
  3. JPGで保存
というような工程をとりました。

上記工程で、上の3枚の画像処理したものを比較してみます。

  • QBPなしの通常の撮影: ISO1600, 10秒露光
M42_LIGHT_6D_10s_1600_+8cc_20181222-22h07m33s760ms

  • QBPありでの撮影: ISO1600, 30秒露光
M42_LIGHT_6D_10s_1600_+14cc_20181222-22h21m29s692ms

  • QBPありでの撮影: ISO1600, 60秒露光
M42_LIGHT_6D_30s_1600_+10cc_20181222-22h28m12s224ms


検討してみます。
  • まず、10秒という同じ露光時間のものでも、QBPありの方が構造がはっきり出ていることがわかります。
  • 次に、QBPありの場合はさらに露光時間を延ばすことができ、より構造が鮮明になります。
  • QBPなしとQBPありで思ったより色の変化がないです。これは意外でした。
最近シュミットから出たM42のデモ画像は、思ったより赤が出ていたので、青が相当出にくいのかと思っていましたが、そうでもないようです。他の方の例を見ても青は思ったより普通に出ていたので、青の出方に関してもそれほど心配ないというのが今回自分で試した上での感想になります。


簡易画像処理

QBPを通して撮った画像をスタックして、画像処理をしてみました。と言っても、結局雲間での撮影で、きちんと撮影できたのは60秒の露光でわずか18枚の、総露光時間18分の画像です。

画像処理はPixInsightでプリプロセッシング、(フラット撮影はサボってしまったので)DynamicBackgroundExtraction (DBE)で背景ムラを整えて、PhotometricColorCalibration (PCC)で恒星の色を合わせました。恒星の色がうまく出るか心配だったのですが、確かに少し近似直線上から分布がずれるきらいはありましたが、それほどおかしくないレベルで色は出ているのかと思います。

結果だけ示します。

light_BINNING_1_integration_DBE_CP_Stretched_cut

本当はもっとあぶり出したかったのですが、かなり大きなレンジ(空間周波数が低いという意味)での色むらが残ってしまっていて、背景を出すと目立ってくるので、ここら辺までに押さえておきました。この色むらはフィルターのせいなのか、総露光時間が足りないからなのか、はたまた雲が常時流れていてその合間を縫っての撮影なのでその影響が出てしまったのかなどの判断はまだできていません。

本当はM42の後、もう少し淡いカモメ星雲を撮りたかったのですが、雲が多くなってきて撮影できるレベルではなくなってしまったので、ここで撤収しました。


Quad Band Pass フィルターを使ってみて 

うーん、今回のQBPかなり良いのではないでしょうか。満月下でこれだけ遊べれば十分満足です。色が思ったより変わらなかったのも、私的には気軽に楽しめるので、いい点です。今回は雲のために実際の撮影時間が短かったのでちょっとしたテストくらいでしたが、長い時間かけてじっくり撮影してみたいです。

元々の目的が、平日で遠征などできないときに、自宅の庭で月明かりや光害下でも気軽に撮影が楽しめたらというものです。このくらいの目的ならば十分に達成できそうです。あとは、月がない環境で自宅の光害下でどれくらい効果があるかを試してみたいです。以前の結果からも、透明度がいいときはそこそこ撮影も楽しめるくらいの環境です。ただし、暗い天体は今の所、フィルター無しでは自宅庭からでは全滅です。このQBPでもう少し暗い天体も狙えるようになれば、購入しただけの価値は十二分にあります。また試してみます。


関東に来る機会があり、恒例の天文ショップ巡りをしてきました。

まず最初は秋葉原から新宿の方に移動したシュミットさんです。富山からだと大宮で新幹線を降りて、埼京線で行く方が値段も時間も得するみたいです。新宿駅で都営大江戸線に乗り換えです。最寄駅は都営大江戸線の落合南長崎駅です。もともとサイトロンの商品の展示場があったところで、一度行きたい思っていたのですが、結局これまで行けずじまいだったので、今回のシュミットの店舗の移転がいい機会となりました。駅からは徒歩でほんの数分くらいです。近づくと「シュミット」と書かれたのぼりが見えるのですぐにわかるでしょう。道から階段を降りて半地下のようなところのフロア一帯の、手前側にシュミットの移転してきた店舗があり、奥にものすごく広いサイトロンの展示場があります。

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新しいシュミットは、店舗スペース自身も広くなっているのですが、意外や意外、タカハシやVixenなどのサイトロン以外のメーカの製品がたくさん置いてありました。店長さん曰く、CelestronやSky-Watcherの製品は奥の展示場で思う存分見ることができるから、それと比較してもらう意味でサイトロン以外の製品を置いているとのことです。もちろん倉庫の方に在庫があるのでCelestronやSky-Watcherを購入することもできるとのことです。というよりも、以前展示場だけだった時にはそこで製品を見ても購入することができなかったので、これからはサイトロン展示場で見て気に入ったものがあればシュミットの店舗の方で購入ができるようになり、お客さんにとっても、より便利になるのではとのことです。

IMG_5826

一方サイトロン展示場の方は圧巻で、ほぼ全ての現行のCelestron製品といくつかの現行モデルから外れてしまった過去のものも展示してあります。また、米国のCelestronのページにはあって日本では未発売のものもいくつか置いてあります。特に入門機についてはカタログ未掲載のものもたくさんあるとのことで、これは主にホームセンターなどの販売店の方に実際にものを見てもらうためにおいてあるとのことでした。

IMG_5830
展示場はとても広くてパノラマで撮ってやっと入りきるくらいです。

Sky-Wacherの方も現行モデルの大多数のものがおいてあります。私のところでも最近フル活躍のAZ-GTiは、鏡筒の違いによって3台もおいてありました。ここでは経緯台にもなるAZ-EQシリーズと、赤道儀オンリーのEQシリーズを直接比較することができます。AZ-EQは数少ないデュアルエンコーダー搭載でしかも経緯台としても使える多機能タイプです。どちらか迷っている人はここにきて、実際に触ったり、揺らしたりしてみるといいかと思います。ネットの情報だけではわからない、意外ないろいろなことがわかると思います。

展示場の方は担当のKさんが小一時間くらいずっと付き合ってくれて、いろいろ話すことができました。展示場のみでは商品を購入することができなくて話すだけなので、逆に無理に何かを買う必要もなく、じっくりとものを見たい、いろいろ相談したいという方はうってつけなのかと思います。他にもアイピースやコントローラーなどもショーケースの中に展示してあって、頼めば覗かせてくれるそうです。まだまだ展示したいものはたくさんあって、ショーケースの中には収まりきらないと言っていました。

展示場を楽しんだ後は、再びショップ側のシュミットの方に行き、店長さんとまた少しお話をしました。先週くらいに富山のY君が店舗に寄ってくれたという話も出てきました。Y君ですが、こちらも店舗を相模原に移動した三基光学のほうも行ったみたいです。実は三基光学の新しい場所は、妻の実家のすぐ近くなので、早いうちに行ってみたいのですが、残念ながら今回はチャンスがありませんでした。

この日、シュミットでは2つのものを購入しました。一つはAZ-GTiのハーフピラー部分です。AZ-GTiで電視観望や撮影していると、たまに知らないうちに鏡筒やカメラが三脚に当たってしまい、ずれてしまうことがあります。そんな時にハーフピラーは持っておいてもいいかなと思いました。しかも三千円程度と安価ですが、ものすごく丈夫そうです。

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もう一つは一部ですごい話題になっているHα、Hβ、OⅢ、SⅡの4輝線付近のみを一度に通すQuad BP(クアッド バンドパス) フィルターです。東京の江戸川区で撮影した馬頭星雲とか、満月で撮影したバラ星雲とかのデモ写真を見ていると相当の優れものだということがわかります。富山でどれくらい必要になるのかはわかりませんが、平日に時間がなくて遠出ができない時に、庭先で気軽に撮影ができればいいなと思っての購入です。ただ、デモ写真を見てもわかるのですが、青が出にくいようなので、それをどう扱うかが決め手になるかもしれません。

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ちなみにこのQuad BPフィルターですが、先週の金曜に発売して、わずか5日で初期ロット完売だそうです。私が言った時に残り二つで、一つ買ったので、最後の一つもその日に売れてしまったことになります。店長さんによると100枚以上用意したとのことなので、本当にものすごい勢いで売れたみたいです。あ、ハーフピラーも私が買ったのが最後の一本でした。今回は目的のものがギリギリ残っていたので運が良かったです。

その後、まだ時間があったのでKYOEIさんの方に移動しました。いつもMさんと話すのですが、今回もずっと話し込んでしまいました。購入したのは天文雑誌2誌だけで、申し訳ないくらいです。Mさんは野鳥の方でも活躍されているとのことで、天文と野鳥の違いをいろいろ聞くことができ、なかなか興味深かったです。「天文に興味がある人は野鳥にあまり興味がなくて、野鳥に興味がある人はもれなく星にも興味がある」とか、「野鳥の方では天文ほど機材が重要ではなく、撮影にそれほどこだわるわけでもない」とかです。なんか聞いていると、都会でも田舎でも場所をあまり選ばず、昼間に見ることができて、色も豊かで、曇りでも雪でも楽しめてと、星に比べてなんかものすごく健全な気がしました。星は機材は大変だし、基本的に夜だけだし、月にも左右されるしで、なんでこんなに苦労するのかと思いますが、まあこの苦労もまた楽しいんですよね。

あと、子供が観察会や観望会で参加するのはどちらも同じですが、野鳥の方でも天文と同じように年配の方が多くて、若い人があまり参加していないことに危機感を感じているようです。すでに若手だけの野鳥の会みたいなのにも力を入れているとか、対策にも乗り出しているとのことです。天文も若い人がなかなか入ってこないので、Mさんも危惧していました。趣味として縮小してしまうのは残念です。なんとしても裾野を広げたいというので、Mさんと一緒に盛り上がっていました。電視観望がその助けになればと思っています。

あ、そういえばここでもY君の話が出ました。Y君の行動力すごいです。Y君みたいな若い人がどんどん出てくれば安泰だとおもうのですが。

あと、帰る時間ギリギリで頑張ってスターベースにもよったのですが、定休日があることをすっかり忘れていて、店の前で呆然としてしまいました。仕方ないので、店に寄る分のあまった時間で、近くにある「麺屋武蔵」でつけ麺を食べてきました。美味しかったです。

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休みで残念。




 

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