ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:調整・改造 > 評価

久しぶりの晴れ、TSA-120の5th (フィフス) ライトです。トラペジウムE星、F星の撮影時のバローとの比較記事が元で、宮地泉さんからお借りすることができたPower MATEを試すことができました。




TSA-120の環境改善、ロスマンディー規格のアリガタ

メインのバロー比較の前に、TSA-120の改良について少しだけ。下のプレートが少し進化しました。ロスマンディー規格の304mm長のアリガタをMORE BLUEから購入しました。ヤフオクの方のみにある特価品みたいです。届いたものは多少傷がありましたが安かったので不満はありません。

実際にTSA-120に取り付けて、赤道儀に固定してみるとずいぶん安定化しました。どれくらいかというと、数値的には何も比べていないので感覚でしかないです。というより、落下の不安から解放された方が大きいかもしれません。CGEM IIのVixen規格のアリミゾは深さがあまりないので、いつも落下の不安が拭えません。

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鏡筒バンドをどうするか、まだ迷っています。K-ASTECと思っていたのですがMORE BLUEに傾きつつあります。安いのと軽いのと、思ったよりカッコ良さそうなことです。上のプレートとハンドルも色々考えています。


まずはシリウスで本日のシーイングチェック

さて、実際の比較に入る前にもう一つ、今日のシーイングチェックです。シリウスを導入して、この前見ることのできたシリウスBを見ることができるかチェックです。



15分くらいは粘ったでしょうか、この前はあんなに簡単に見えたシリウスBですが、全く同じ設定のPENTAXのXW3.5mmで結局見ることができませんでした。途中フッと「あ、もしかしたらこれ?」というのはありましたが、最後まで確証は持てませんでした。

焦点内像(フォーカサーが短くなる方向、でいいんですよね?)方向からジャスピン位置に迫ると、その間中ずーっと綺麗なリングが見えていて、リングがどんどん小さくなります。最後に点近くに収束して行きジャスピン位置ではディフラクションリングが見えます。この日は多分シーイングがそこまで良くはないのでディフラクションリングは多少揺れています。

ところが、そのまま焦点外像方向に進めると、内蔵で見えていた綺麗なリングとは程遠いグチャグチャな像になり、さらに外像方向に進めると再び綺麗なリングになり、そまま大きくなってます。外像から内像に進めても、外像側の一瞬グチャグチャになる様子は必ず見えるため、再現性もありです。これって正しい振る舞いなのでしょうか?ここら辺もまだまだよくわかっていないので、これから色々考えていこうと思います。

さて、この日のシーイングの確認も終わり、前回ほど良いというわけではないけれど、ディフラクションリングの揺れ具合から見て、そこまで極悪というわけでもないという状態で、トラペジウムに移行します。


トラペジウムでのバローレンズ比較

今回、TSA-120の直焦点撮影を2回とバロー系レンズ4種類の、計6回の撮影を比較しました。基本的に撮影は鏡筒がTSA-120にASI294MC Pro(常温で使用)を取り付け、赤道儀としてCGEM IIをに載せています。

撮影条件と画像処理ですが基本的に露光時間が100msでser形式の動画で撮影。そのうちの上位35%をAutoStakkart!3でスタックしてます。それをPixInsightで一旦オートストレッチして、E星、F星が一番みるように少しいじっています。なので出来上がり画像の明るさなどは多少違いがあります。

バローレンズごとに変わるパラメーターですが、一つはフレーム数。基本500フレーム撮影していますが、一部ファイルはミスで100フレームとか200フレーム程度になっています。ただ、フレーム数の違いは今回の結果にはほとんど影響していないと思いまう。もう一つのパラメーターがSharpCapでのカメラのゲイン設定です。バローを使わない直焦点撮影の時にSharpCap上のゲインを320にしました。バローの倍率によって暗くなるので、その分の補正をゲインを上げることでしています。

どの撮影も露光時間は100msのまま触っていなくて、例えば2倍ならゲインを60上げる、4倍なら120上げる、5倍なら140上げるとかです。Gainの200が20dB=10倍に相当するので、これで同等の明るさになるはずです。

ちなみに、10倍は20dB、2倍は6dB、3倍は10dBくらいまではよく知られていると思いますが、5倍が14dBはすぐに出ますでしょうか?考えればすぐにわかりますが、これきちんと考えて納得しておくと役に立つ時が多いです。答えは最後の方に書いておきます。

試したバローレンズは下の通り。

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  • TeleVue製PowerMATE 4倍: 宮路泉さんにお借りしたものです。言わずと知れた高級機です。
  • Scientific Explorer社製 5倍: ずっと前にKYOEIで買ったもの。あまり使ってません。
  • Celestrons製 3倍: 惑星用にC8と組み合わせてよく使ってます。
  • Vixen製 2倍: 一番最初に買ったバロー。当時のスターショップ(旧誠報社)で買った低価格のもの。
となります。


19時52分: TSA-120直焦点撮影

0.1秒を100フレームほどの撮影です。そのうち35枚をスタックしたことになります。

19_52_29_lapl2_ap1_ST

直焦点撮影のうち、トラペジウムが写っているほぼ中心部を切り出しています。画像が小さいですが、100x85ピクセルしかありません。ブログ上で大きく表示しようとすると解像度を上げる必要があり、解像度を上げるとどうしてもピクセル間が補完されてしまいなめらかになって客観的でなくなります。なので実際に見ている画面上で拡大などしてみてください。

E星ははっきりと、F星もかろうじてですが分離しています。ただし、ASI294MC Proの解像度だとピクセルサイズが4.6umと大きいこともあり、1ピクセルで約1秒角。C星とF星の中心感の距離はわずか4.5秒なので、分解能不足がたたってF星の分離がそこまでうまくいっていないようです。


20時11分: PowerMATE 4倍

次に一番試したかった、宮路泉さんにお借りした4倍のPowerMATEです。こちらの結果は面白いです。0.1秒を100フレーム撮影し、35%使ったので35フレーム分です。

20_11_11_lapl2_ap5_ST

CMOSカメラ側の分解能が足りていなかった直焦点撮影に比べて4倍に拡大しているので、カメラの分解の不足の制限からは解放され、鏡筒本来の性能に迫っています。F星の分解のが明らかに上がっていることがわかります。また、4倍のレンズを入れたことによる弊害もほぼ何も出ていないと思われます。さすがPowerMATEと言ったところでしょうか。

TSA-120の口径が120mmなので、レイリー限界はほぼ1秒角。直焦点撮影の場合のASI294MC Proの1ピクセルが約1秒に相当するので、4倍のPowerMATEで1秒を4ピクセルで表現することになります。スタックしているのと、ピクセルあたりの分解能がレイリー限界より4倍ほどいいので、画像を見る限りレイリー限界以上に分解しているようです。ここらへんの話は、以前ピクセルサイズと光学的分解能の話を検討しています。



一番明るいC星とその隣のF星の距離は約4.5秒。なので、PowerMATEによってこの距離を18ピクセルくらいで表現しているので、かなり余裕が出たということが言えます。結論としては、PowerMATEは分解能向上に明らかに貢献し、変な収差なども追加しない、評判通りの非常に高性能な拡大レンズだということがわかります。


20時23分: Scientificn Explorer 5倍

次はテレセントリック設計のScientificn Explorer 5倍バローレンズになります。こちらは倍率がさらに高いので、期待大です。500フレーム撮影して、175枚使っています。

ところが、期待していたにもかかわらず、撮影時からPowerMATEに比べて明らかに見え具合は悪かったのです。結果です。

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E星は分離できていますが、F星の分離が厳しくなっています。星像も明らかに肥大しています。ピントズレの可能性も否定はできませんが、相当気を遣っていたのと、あと少しシンチレーションが悪くなってきている気がしました。それでも先の撮影からわずか12分後くらい、そこまで大きな変化はないと思っていて、それらマイナス要因を差っ引いても星像の悪化は無視できません。


20時31分: Celestron 3倍

前回も試したCelestronの3倍のバローレンズです。惑星で一番使っているものです。500フレーム撮影して、175枚使っています。

20_30_11_lapl2_ap5_ST

E星はOKですが、ほとんどF星が分離できていません。前回と同じような結果なので、ある程度再現性はあるのかと思います。上の5倍の時の見え具合とと同等か、少し悪いくらいでしょうか。


Vixen 2倍バロー

星を始めた最初の頃に、簡易的なバローと言われた上でお試しで買ったものです。値段的にも5-6千円だったと記憶しいて、今回の中では一番安価です。こちらも500フレーム撮影して、175枚使っています。

20_35_11_lapl2_ap1_ST

E星もボケ気味、F星分離できていないですね。

ここまでで「まあ予測された性能とまあ大体一致した結果かな」と思っていたんです。ところが、です。次の結果で色々覆されました。


20時41分: 直焦点再び

どうも、シンチレーションが悪くなってきたようなので、念のために直焦点でバローなしの場合を今一度撮影しておきました。撮影枚数は200枚です。処理後少し考え方を改めました。

20_41_09_lapl2_ap1_ST

50分前にはきちんと分離できていたF星はおろか、E星さえもほとんど分離できていません。シンチレーションが実際にどれくらい変わったかを、GIFアニメにしてみました。一コマが0.1秒露光に相当します。

まずは19時52分:
19_52_29_cut_F001-102
E星、F星も分離できていますし、そもそも星がほとんど動いていません。

次に20時41分の動画です:

20_41_09_cut_F001-225

トラペジウム全体の揺れ幅も大きくなっていますが、一つ一つの恒星のビヨビヨした歪み具合もすごいです。ピントの影響はないとは言えませんが、これだけみると明らかにピントというよりはシンチレーションが悪化したといえるでしょう。

ついでに、トラペジウム周りの星雲を少しだけ炙り出してみました。

シンチレーションの良かった19時52分:
_19_52_29_lapl2_ap1_ST_Preview01

シンチレーションが悪化した20時52分:
_20_41_09_lapl2_ap1_Preview01

前者と後者を比べると明らかに星雲部分の分解能も落ちていることが分かります。これは今後の撮影において、大きな指標となりそうです。すなわち、星雲の分解能を出そうと思ったらシンチレーションのいい日を選んだ方があきらかに有利だということです。


比較結果の考察

今回の結果は色々と示唆に富んでいます。まず、シンチレーションの影響はものすごく大きく、製品比較の結果を左右するくらいであったこと。なので、安価だからと言って撮影結果から安易に性能が悪いとは言い切れません。また、撮影枚数の影響も避けきれません。ピントの再現性がどこまであるのかも客観的には検証できていません。

ただ、それらを差っ引いても、PowerMATEの性能の素晴らしさが突出しています。TSA-120単体ではもともとある焦点距離と一般的なカメラセンサーの分解能から、その性能を引き出しきれているとは言い難いです。バローレンズは明らかにその性能の引き出しに貢献すると言えるでしょう。その際のPowerMATEの精度は少なくとも実際の撮影において十分に鏡筒の性能を劣化させずに引き出すものであるということは、今回なんとか示せたかと思います。

一方、その直後に見た5倍のバローは時間の経ちかたから言ってそこまでシンチレーションが悪くなっていたとは言えず、PowerMATEに比べて性能に差があったように思えます。

今回自信を持っていえるのはそこらへんまでかと。これ以上は環境の変化の影響が大きかったということで推測になってしまうので、結論は出さないことにします。

画像処理に関しては、撮影してスタックした画像はその時点でもう引き出せる情報はある程度決まっていて、どのようにストレッチ加減をいじっても、分離できているものはすぐに分離できるし、分離できていないものはどういじっても分離できないということが分かりました。Wavelet変換相当のことをすると(今回は適用していません)もう少しエッジを立てたりして見栄えは良くなりますが、撮影した画像の順位を変えるには至りません。例えば今回示した6つの撮影画像の背景の暗さが多少違いますが、一番分離できるところに合わせているため、肥大していると背景が暗くなっていたりします。シンチレーションは順位に関係すると思いますが、そのシンチレーションで撮影された画像は、どう明るくしても暗くしても順位はわかることはありませんでした。

あと気になることとして、どの画像にも右斜め上に青ハロ、左下に赤ハロが出ていますが、これは直焦点撮影にも僅かにですが見えているので、大気収差によるものでしょう。前回セレストロンの3倍バローに青ハロが出ていると言いましたが、もしかしたら大気収差が強調されてしまっているものだった可能性があります。ただし、直焦点撮影に比べて明らかにE星、F星が見にくくなったことは確かなので、青ハロのせいというよりは、やはり分解能を悪化させる原因が少なからずあるものと思われます。時間的に悪くなっていった可能性は否定できません。

一つ面白い小話を。TSA-120のセカンドライトで金星を見た時の話をスターベースでしていたのですが、「せっかく鏡筒を買ったのに収差が見える」と意外に苦情が来るのがTOAとかTSAの高性能鏡筒なんだそうです。性能がいいので大気収差が普通に見えてしまい、それを鏡筒の収差と間違えてしまうそうです。大気収差はいつも方向が同じなので、そこが鏡筒による収差とは違うところですね。


まとめ

多くの機材を一度に比較するのは難しいということを実感しました。同じ環境を用意するのがいかに難しいかということです。シンチレーションは時間とともに自分が思っているより大きく変わっているようです。

シンチレーションがいいか悪いかは、シリウスやトラペジウムを直接見ることである程度把握できるようになってきました。シンチレーションのいい時間帯は貴重だということでしょう。もしいい時間帯があったら無駄にせずに、分解能の必要な撮影をしていけたらと思いました。

また、たかだか口径12cmの鏡筒の性能を引き出すだけでも相当大変だということがわかってきました。機材そのものの性能もそうですし、オプションの機材にも気を使う必要がありそうです。カメラの分解能もよく考えないと、せっかく鏡筒が高性能でももったいないです。あと、シンチレーションという運が一番重要で大変だということもよく分かりました。今回の結果を、今後の撮影に活かせたらと思います。

今回も楽しかったです。単に見るだけでなく色々比較することで、推測だけではわからなかったこともだんだんと見えてきます。こんなテストを自分でできるのも、天文趣味の醍醐味なのかと思います。

宮路泉さん、PowerMATEお貸し頂き、本当にありがとうございました!試すまでに時間がかかってしまって申し訳ありません。とても有意義なテストとなりました。今回の結果で、このクラスのものを手に入れておく必要性を感じました。購入を考えたいと思います。返却に関しては、またダイレクトメッセージの方で連絡します。よろしくお願いいたします。




最後はおまけです。

倍率とゲインとdBの関係

あ、最初の方に書いた5倍が14dBというのの考え方ですが、こんなふうに考えるとすぐに出ます。

5倍は10倍の2分の1です。10倍は20dB、2分の1は-6dBなので、20-6で14dBとなります。

この考え方を身に付けておくと、0.2もすぐにわかりますね。 0.2は5分の1なので、10分の1の2倍ということになります。-20dBと6dBで-14dBですね。他にも理解しておくといいのは
  • 4倍は? 2x2なので6+6=12dB。
  • 6倍は? 2x3なので、6+10=16dB。
  • 8倍は? 2x2x2なので6+6+6=18dB。
  • 7倍は6倍と8倍の間でざっくり17dB。
  • 9倍は8倍と10倍の間なのでざっくり19dBです。 
  • ルート2倍は? 2のルートなので対数の6dBだと半分になって3dB、すなわち約1.4倍が3dBですね。
  • 5dBは10dBの半分なのでルート3、すなわち約1.7倍
これくらいでしょうか。わかりにくい残りは1dB(1.1位)、2dB(1.2位)、4dB(10dB-6dBなので、3/2=1.5位)、7dB、8dB、9dB(1.4の3乗なので2.8というのはレンズを触っている人には馴染みがあるかも)11dB、13dB、15dB(1.73の3乗=3x1.7=5.2です)くらいだと思います。

重要なのはこれらを覚えることではなく、こういった導き方もあるということを理解しておくこと。この考え方を身につけておけば、いざという時に覚えていなくても導き出すことができます。

dBに10をかけたものがZWOシリーズのカメラのゲインになりますので、これは覚えておくといざという時に楽にゲインを合わせるとかできて便利でしょう。 例えばゲイン0は0dBで1倍、ゲイン60は6dBなので2倍、ゲイン400は40dBなので、100倍とかです。
 

今回はEVOSTAR 72EDでのいくつかの失敗などの裏話です。

前回までで、EVOSTAR 72EDのフルサイズの星像とレデューサーをつけた時の星像、追加でタカハシのマルチフラットナーを試した場合の星像を実際に撮影して示しました。





ところがこの試み最初全然うまくいかなかったのです。今回のお話は、何がうまくいかなかったのか、なんでうまくいかなかった、そんな反省の記事です。


フルサイズの撮影にいたるまで

EVOSTAR 72EDを受け取ったのが1月30日、最初のテストでASI178MCで簡易星雲撮影をしたのが2月1日、





2つめの記事の公開が、2月10日になります。主にこの2つめの使用記でのコメントをもとに、フルサイズの星像に挑戦しようと思うとともに、同じくリクエストのあった72ED用の専用レデューサーを借りることができないか、シュミットさんの方に問い合わせてみました。すると、ちょうど一つサンプルでレデューサーがあるというので、送ってもらえることになりました。

やはりアクロマートと言っても2枚玉なので、そのままフルサイズで写すだけだと星像の流れが大きいことが予想されます。でもレデューサーがあれば俄然やる気が出てきます。とりあえずレデューサーが到着するまで、撮影を進めることにしました。


ASI294MC画像の片ズレ

短時間だけ晴れた2月14日(金)の夜中近く、EVOSTAR 72DとASI294MC Proを使って、いきなりフルサイズには行かずに、まずはフォーサーズ相当での画像チェックをしてみました。なぜフルサイズにいかなかったかいうと、3つくらい理由があって、
  1. アメリカンサイズのQBPをCMOSカメラに取り付けての撮影テストを同時に試したかった。
  2. いきなりフルサイズだと、大きすぎる星像の流れが予想された。
  3. 手持ちのEOS 6Dへの接続準備がまだできていなくて、前回と同じCMOSカメラをアイピース口に差し込むだけの方が簡単だった。
ということくらいです。あまりたいした理由でないですね。単にフルサイズの接続が、その時面倒だっただけとも言えます(笑)。

ASI294MCをAZ-GTiをEVOSTAR 72Dとに取り付け、AZ-ZTiに載せ経緯第モードで薔薇星雲を自動導入します。SharpCapで10秒露光をLiveStackで18枚重ねて保存し、それを1枚の画像とします。合計5枚撮影したので15分ぶんの画像があります。他にも4枚の12分ぶんの馬頭星雲と燃える木も撮影しました。

ところがどの画像を見てもなぜか片側がずれるのです。その中の1枚です。撮影したFITS画像をPixInsightでオートストレッチして、JPEGに変換してあります。四隅の切り出し画像も載せておきます。

Stack_00_40_54_16bits_18frames_180s

Stack_00_40_54_16bits_18frames_180s_cut9

レデューサーなどの補正レンズをまだ使っていないので、四隅で流れるのは仕方ないのですが、明らかに左右のズレ方が違います。左側の方がズレが大きく、右側の方がズレが小さいです。他の4枚の画像も、馬頭星雲4枚も比べましたが、全て同様の傾向でした。私は当時この片ズレを鏡筒のせいだと思い込んでいました。


レデューサーでも片ズレ、しかも星像改善みられず

その後、シュミットさんからレデューサーが届いたのが2月15日、次に晴れた2月19日の平日、曇るまでの少しの間レデューサーをつけて、再度ASI294MC Proで同様の撮影をします。この時もAZ-GTiに載せて10秒露光の18枚LiveStackで180秒露光が一枚画像なのは変わりません。この日は10枚のバラ星雲を撮影しました。その中の1枚ですが、他の9枚も同様の映り具合です。

Stack_20_10_37_16bits_18frames_180s

Stack_20_10_37_16bits_18frames_180s_cut9

やはりこの場合も左側の星像の伸びが大きくて、右側が小さいです。右側は前回より少しだけマシかもしれませんが、それでも全然です。問題はこの時きちんとレデューサーつけてるんですよね。レデューサーは星像をかなりマシにするはずです。もしこの結果が本当だとしたらレデューサーでの星像改善が全然なされない!?ことになります。

ここでそうとう悩みました。もしこの片ズレが鏡筒から来ているのなら、カメラ側のスケアリング調整で直る可能性もあります。一旦シュミットさんと電話で相談して、「もしスケアリング調整でも片ボケが直らないのなら一度送り返してもらって調整してみましょうか?」という提案も頂きました。この個体だけなのか、もし他のユーザーにも同様の傾向があるなら販売店として心配だという思いがありありと伝わってきました。「いずれにせよ次の晴れ間に再度確認して、それでもダメなら送り返します。」という約束をして、次の晴れ間を待つことに。結構気合の必要なテストなので、ある程度の時間安定した晴れ間が必要です。


TSA-120での片ズレ!?

その間、短い晴れ間を利用してTSA-120のテストなどをしていたのですが、ここで重要なことに気づきました。

3月3日のトラペジウム撮影の際のことです。M42をTSA-120をCGEM IIに載せてASI294MC Proで1秒露光で60回LiveStackして、それを14枚重ねました。

integration1

integration1_cut9

20時41分から21時17分となっているので、実際にはスタック失敗のコマ落ちがたくさんあり、36分間かけて14分ぶんの画像を撮影しています。その14枚をスタックしたものをですが、ガイド撮影とか何もしていないため36分で一方向に結構な距離流れてしまい、縞ノイズが見えています。

四隅を気をつけて見てみると、右下の星像の伸びが一番ひどく、左上もまあひどい。一方、右上と左下はそれほどでもありません。このズレは当然、ガイドなしのために30分の撮影の間に赤道儀が左上から右下にかけて流れて知ってしまったために起こったものなのですが、少なくとも右下左上と右上左下でここまで違いが出るのです。

ここで「あ、EVOSTAR、片ズレとか言っていたけど、もしかしたら追尾のせいかも」と思うに至りました。EVOSTARでの撮影、鏡筒が軽いのをいいことに手を抜いてAZ-GTiで撮影していたのです。しかも1枚の画像が180秒露光に相当します。そもそもAZ-GTiの経緯台モードで撮影しているので、画面は1日で360度回転します。

例えAZ-GTiが誤差なしで完全に天体を追尾しても、3分間だと360度 x 3分 / (24時間 x 60分) = 18/24度 = 45分角と結構ズレます。これは0.013radに相当するので、画像の横幅が4144ドットとすると、4144 x 0.013 = 54ドットもずれていることになります。回転ズレはあぷらなーとさんが以前コメントしてくれたように、南天で最大、東と西で最小になりますが、この時はまだ西に沈む前。そこそこの回転速度のはずです。さらに加えてAZ-GTiの追尾誤差が入ってきます。

今回のズレの主な原因が回転だとしたら、効きは当然左右で逆方向になります。片ズレにもなるわけです。また、これだけずれていたらレデューサーの星像補正もへったくれもありません。


赤道儀を使った短時間露光撮影でやっと解決

というわけで、改めて鏡筒の片ボケ(まだこの時は片ボケも仮定はしていました)と視野の回転から来るズレを分離するために、まずは赤道儀に載せます。今回はCGEM IIを使い、極軸もSharpCapの極軸ツールを使い1分角以下のズレまで抑えました。また、露光時間も30秒に抑え、時間によるずれの効果を少なくしました。カメラも当然一気にフルサイズです。

その結果が、前回の



になるわけです。実際に撮影してみると、鏡筒の片ボケなんかは存在せず。純粋にAZ-GTiでの経緯台モードでの撮影から来る回転と、追尾の精度(光学系による星像の悪化を評価するには、露光時間が長すぎたということ)が問題だったということがわかりました。

その上でレデューサーの星像補正の効果も十分に見ることができたというわけです。これでやっと一安心できました。


反省点

今回のことは色々教訓を含んでいます。まず技術的な面。
  • 経緯台での自動追尾は長時間露光だと星像が大きく流れてしまう。
  • 誤差は一番大きなものが出てしまうので、レデューサーの微妙な補正効果などは吹っ飛んでしまう。
  • 赤道儀でも長時間の追尾ズレ(ノータッチガイド、ガイド鏡のたわみなどによるガイドのドリフト)でも星像を壊す可能性が十分にある
  • いくら性能のいい鏡筒を使っても、運用上のずれでその性能は容易に台無しになってしまう可能性がある
といったところでしょうか。普段気を付けているつもりだったのですが、今回軽い鏡筒ということもあり「AZ-GTiでいいや」と完全に油断しました。撮影時は精度が必要と、今後肝に銘じておく必要があります。

もう一つ、こちらは別の意味でもっと重要なのですが、機器をお借りしての評価なので、間違った方法で判断してしまうと、メーカーの信頼を損なう恐れがあることです。もともと勝手に始めた評価だったのですが、自分の発した言葉には必ず責任が伴ってきます。自分のことだけならまだしも、他人を巻き込んでのことなので、安易な結論を出す前に、きちんと考える必要があります。以下が、今回得た教訓と言ってもいいのかもしれませんが、
  • おかしなことがあっても、必ず別の日、別の条件などで再現性があるか試す。
  • 納得がいかなかったら、原因を色々考える。
  • 安い機材だからダメだとか、高級機だからいいとか、先入観を持たない。
以上のことは、お借りした機材だけでなく、自分だけのテストでも心がけるようにしたいと、切に思うようになりました。

実際、今回は鏡筒がおかしいと判断して送り返してしまう一歩手前まで行きました。当然送り返した先の検査では問題ないと出たでしょうし、そうなると泥沼です。このブログを読んでくれている方に間違った情報を伝えてしまいますし、このブログの内容も信頼をなくすことになるでしょう。もしかしたら機材の売り上げにも影響するかもしれません。

もちろん、所詮個人が試しているレベルのことなので、ミスもあるでしょうし、これからも勘違いもあることでしょう。完璧は難しいですが、今回のことを反省材料に、できる限り客観的に、精確に評価できるよう心がけてきたいと思います。


まとめ

正直、実際に撮影しながらレデューサーの性能が出た時、やっとほっとしました。評価終了までずいぶんと時間がかかってしまったので、サイトロンさんには申し訳なく思っています。

今回の反省記事も含めて4回(最初の簡易星雲撮影も入れたら5回 (2020/3/30 追記: ついでにおまけ記事撮影まで試したので計7回の記事になりました。) )にわたりEVOSTAR 72EDについて書いてきました。色々紆余曲折もありましたが、実際に触りながらのレポートで、EVOSTAR 72EDの魅力も十分に伝わってくれていればと思います。

EVOSTAR 72EDですが、電視観望鏡筒として、入門機の次のステップとして、初めての撮影になど、すでに持っている方も、今後実際に購入して試す方もたくさんいらっしゃるかと思います。レデューサーはじめ、いろいろ工夫することで撮影にも十分耐えうる鏡筒だと思います。値段も付属品の充実具合とともに、アポクロマートとしては十分魅力的だと思います。

今回の私のような失敗をしないように、いや例え失敗したとしてもきちんと検証して次に進み、鏡筒が持っている性能をうまく引き出すことができるようになると、さらに楽しさが増すのかと思います。今回のEVOSTAR 72EDは、そんなテストにも十分耐えうるだけの性能を持ち、かつ値段的にもいろんなテストが気軽にできる、ある意味とても使いがいのある鏡筒なのかと思います。鏡筒の性能を十二分に引き出して、もしそこで不満が出たら次のステップに進むのも、さらにまた道が広がっていくのかと思います。

EVOSTAR 72EDシリーズの記事もこれでひと段落になります。また何か面白いことがあったら記事にします。

追記: その後撮影の一例として、レデューサーにASI294MC Proをつけ、バラ星雲を撮影し画像処理まで進めてみました。


おまけ、カメラ落下事件

あ、撮影中にカメラ(EOS 6D)を落下させたこと書くのを忘れてました。これも失敗の一つです。

私の持っているM42から2インチスリーブへの変換のカメラアダプター、長さが1cm位と短いのです。しかもそのアダプターを固定する2インチスリーブの3つあるネジの一つを閉め忘れて赤道儀に鏡筒を取り付けたら、6D君が見事に外れてそのままアスファルトの地面に落下。落下はC8以来、久しぶりにやらかしました。

実はこのカメラL字アルカスイスプレートをつけてあって、後で傷を見たら、ラッキなーことにそのL字プレートのところで地面に激突したみたいです。

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動作も問題ありませんでした。L字アダプターさまさまです。アダプターの選択と、ネジの閉め忘れには十分なご注意を。



先日テストした、シュミットさんからお借りしているEVOSTAR 72EDですが、簡易星雲撮影ということで、カメラに1/1.8インチというセンサー面積の小さいASI178MCを使い、星像が綺麗な中心像を主に使った例を示しました。




コメントの中で、APS-Cやフルサイズ面積の星像もみたいというリクエストがありました。天気もあまりチャンスがなく、トラブルなどもありなかなか進展していませんでしたが、やっとまともに検証できたので結果を示したいと思います。


一眼レフカメラの取り付け

72EDには2インチアイピース口が標準となります。基本的には他のアダプターなどは付属していないので、一眼レフカメラを取り付けために、いくつかのアダプターをあらかじめ準備しておく必要があります。

まずは、EVOSTAR 72EDの販売ページに行ってみます。



そこに色々なオプションパーツへのリンクが張ってあります。この中で必要なものを挙げていきます。

とりあえずはカメラ接続だけなら2インチの延長等を兼ねたM42への変換アダプター



が必要になります。これがあればあとはカメラメーカーごとに対応したT2マウントアダプターがあれば、手持ちの一眼レフカメラに直接接続できます。




撮影だけの場合は上記のものでいいのですが、普通は31.7mmサイズのアイピースも使うと思いますので、上記の代わりに別のM42ネジになっていないタイプの2インチ延長筒と、2インチから1.25インチの変換アダプターにしておいた方がいいかもしれません。





この場合、カメラを取り付けるにはさらに2インチスリーブとM42ネジへの変換アダプターが必要になります。



実はカメラを鏡筒に取り付けるだけなら、2インチスリーブとM42ネジへの変換アダプターだけでもいいのですが、フォーカサーの伸びに限界があるためピントが出ません。そのため実際には延長筒は必須になります。

私は今回は後者のタイプでカメラを接続しています。後者の場合もT2マウントアダプターが必要なのは、前者と同様です。

実際に接続した場合、下の写真のようになります。

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惜しむらくは、鏡筒バンドを取り付けることのできる位置が限られているので、一眼レフカメラを取り付けるとどうしても後ろが重くなりがちになってしまうことです。赤道儀などに取り付ける際はバランスに注意が必要です。


72ED用、専用レデューサー

前回の評価記事のコメントの一つに「レデューサーの性能も見たい」と言うようなコメントがありました。でも今回お借りしたのは鏡筒だけで、レデューサーは無いんですよね。

と・こ・ろ・が、前回の記事を見てシュミットさんが、な、なんと、レデューサーも評価用のサンプルがたまたまあるとのことで、貸してくれることになりました。これで俄然撮影の方もやる気になってきます。

ジャンジャカジャーン!とうとう専用レデューサー到着でーす。

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「焦点距離を0.85倍に縮小し(焦点距離357mm 口径比4.9)、視野周辺の星像を改善する」とのことなので期待大です。定価は40,975円(税込)ですが、今ホームページを見ると20%オフになっていて税込 32,780円になっていました。鏡筒の値段が税込 47,300円なので、決して安いものではありませんが、価値があるかどうかは後の実際の画像を見て判断してみてください。


専用レデューサーの実際の取り付け

レデューサーの取り付けは、中にマニュアルが入っているので迷うことはないかと思います。ただ、日本語になっていないので少しわかりにくいかもしれません。簡単にですがここで解説しておきます。

まず、付属の2インチスリーブを回して取り外し、代わりにレデューサーに付属のアダプターリングを取り付けます。レデューサー本体の前後のキャップを回して外し、そのアダプターリングに直接取り付けるだけです。

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(お詫び: 初出記事にレデューサーのネジ径に間違いがありました。レデューサーのカメラ側の接続ネジはM48径が正しいです。ご迷惑をおかけしました。)

次にカメラ用アダプターの接続ですが、ここで問題が発生しました。レデューサーのカメラ側のネジがM48ではないようで、普通のT2アダプターだとM42が標準のようでねじ込むことができません。

ホームページ
にはきちんとM48と書いてあります。しかもよく見ると「同社」専用アダプターを使って下さいと書いています。

EOS用、NIKON用があるようです。





さらに専用の回転装置もあるようです。



回転装置は鏡筒とレデューサーの間に挟むものなので、レデューサーとカメラ間の距離はカメラアダプターのみで決まるようです。

さて、レデューサーについているカメラ側のネジを実測するとM53のやはりM48のようです。私の場合はたまたま持っていたタカハシのカメラマウントDX-S EOS:KA01250がM53の一段下がった内側についているネジがM48だったので、接続だけはできました。

下の写真の左がレデューサー、右側のアダプターが一般的なT2アダプターでM42(自宅にあるのは3つともM42でした)、真ん中がタカハシのM53ので外側がM53、内側にM48が切ってあります。径の違いが写真でもわかるかと思います。カメラ接続アダプターを購入するときはT2(M42)でなく、間違えずにM48のものを選んでください。バックフォーカスも考えると、上記の専用品を買うのが良いのかもしれません(すみません、今回は検証できていません)。


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今回このタカハシのM53のアダプターの内側のM48を使って固定することで撮影しましたが、専用品と違ってカメラセンサーまでの距離が変わりますし、ねじ込みも数回転しかねじ山が引っかからずに少し不安だったので、あり合わせのものを使わずに、専用品を購入した方がいいでしょう。

さて、とりあえず撮影の準備ができました!実際に撮影して星像を見てみましょう。


撮影環境

今回はセットアップしたEVOSTAR 72EDを手持ちの赤道儀CGEM IIに鏡筒を載せて撮影しています。
  • 露光時間30秒でM42付近を撮影しています。
  • テスト撮影で星像を見るだけなので、1ショットの30秒短時間撮影の撮って出しとしています。
  • スタックなどの画像処理は一切していません。
  • QBPなどのフィルター類も入れていません。
  • カメラはEOS 6D。天体用に赤外線フィルターを外したものです。

赤道儀への取り付けですが、先に書いた通り、前後バランスはやはりカメラがついているせいもあり、後ろ側が重いです。赤道儀に取り付ける際、できるだけ前の方に取り付けるようにします。


フルサイズ星像

撮影結果です。まずは鏡筒単体です。露光時間30秒は全部共通、ここでのISOは3200です。JPEGの撮って出し画像になります。

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やはり、アポクロマート鏡筒と言っても2枚玉の限界、さすがに四隅の星像は大きく歪んでしまっています。さらに気になるのが周辺減光です。撮って出しなのでなんの加工もしていません。思った周りが暗くなるようです。

四隅を拡大して見てみます。300ピクセル四方を切り出しています。最周辺の8マスがフルサイズ換算、中の周囲8マスがAPS-C相当になります。

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中心像はいいのですが、やはり素のままの鏡筒ではフルサイズでもAPS-Cでも星像の流れは大きいです。


専用レデューサーでの星像

次に、専用レデューサーでの星像です。0.72倍で明るくなるので、ISOを1600に落としてあります。あとは露光時間30秒も含めて全て同じ条件です。あ、回転角は取り付け時にサボって合わせなかったために(合わせるためにはイモネジを緩めて調整する必要があります)適当です。こんなことを回避するためにも専用回転装置はあったほうがいいのかと思います。

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レデューサーのおかげで鏡筒単体に比べて、圧倒的に星像が改善されています。あと、特筆すべきが周辺減光の改善です。普通は周辺減光厳しくなるのかと思いましたが、JPEG撮って出しで特に何もしていないので、実際に改善されているものと思われます。

四隅も拡大して見てみます。

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相当いいです。フルサイズだと、よく見るとまだ少し歪んでいるところもありますが、APS-Cだとほぼ点像になっています。しかも今回使ったカメラ接続アダプターが専用のものではないので、レデューサーとカメラセンサー間の距離がメーカー推奨値と違うため、最適化されたものとはまだ違う可能性があることも考慮に入れておく必要があります。それでも十分な星像です。

手持ちのものに例えるなら、フルサイズだとFS-60CBにレデューサーをつけたものとそう変わりはないくらいでしょうか。この値段でこれだけの星像を得られるのは、ある意味驚きです。撮影にも余裕で耐えることのできる十分な性能だと思います。


まとめ

今回の記事で、フルサイズまでの星像を見てみました。素のままでは2枚玉の限界もあり、四隅の星像は乱されてしまいますが、レデューサーをつけることで相当改善することがわかりました。APS-Cサイズならほぼ点像、フルサイズでも十分許容範囲の星像です。

初めてのアポクロマートとしては相当魅力的な値段がつけられているEVOSTAR 72ED。前回の記事で電視観望用として最適ではと書きましたが、レデューサーを取り付ければ撮影用鏡筒としても十分な性能を発揮しそうです。


EVOSTAR 72ED関連の記事、まだ続きます。あと2つくらいネタがあります。乞うご期待。

2020/3/15 追記: 次の記事でレデューサーに引き続き、フラットナー?を試しています。




手持ちでまだ試していないレンズが2本あって、少しの晴れ間にその2本の星像チェックをしてみました。

これまでも主にPENTAXレンズでの星像を試していますが、例えば前回の2本は期待の135mm F4がいまいち、300mm F4が意外に良かったなど、なかなか予想し難くて、これまでの成績は1勝、2敗、2分け(自己評価)といったところです。

 

 





機材と撮影条件

今回試すのは
  • PENTAX 6x7 165mm F2.8
  • Nikkon 135mm F2.8
です。実は先週末に両レンズとも一度試したのですが、赤道儀に載せるのをサボってしまい、カメラ三脚と自由雲台で撮影して見たら5秒露光でも星像が流れてしまってうまく評価できなかったので、今回はきちんと赤道儀に乗せて少なくとも30秒くらいまでの露光では星像が流れていかないようにしてのテストです。

撮影した領域はオリオン座のM42と三つ星が入るくらい。リゲルもギリギリ入っています。それぞれのレンズにCANON EF用の変換マウントを取り付け、EOS 6Dで撮影します。カメラはCGEM IIにアルカスイス互換マウントを取り付け、カメラに取り付けたL字プレートに固定します。撮影条件は
  • ISO1600
  • 露光時間5秒
が基本です。


Nikon 135mm F2.8

まずは、昨年10月前半に手に入れていたNikkonの135mm F2.8です。

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このレンズを買った直後の、同じ10月の後半からPENATXレンズに走り始めてしまって、いまいちNikonレンズに対する盛り上がりに欠けてしまっていて、ずっとほっぽらかしでした。いや、元々の動機はFS-60CB+レデューサの焦点距離255mmを下回るレンズを探していたことにあります。以前撮影したアンタレス周辺をもう少し広角で撮影したいというのが最初の動機です。このレンズはちょうど255mmの半分くらいの焦点距離で良かったのですが、なにしろPENTAXの方が面白くなってしまったのが原因で今になってしまったというわけです。

カメラのモニターで見る限りは拡大してもそれほど悪くありません。ピントは回し切って少し戻すくらいが星像の最小点になります。中心像ではピント最小点で赤ハロ、青ハロ共に消えてくれます。

ISO1600、5秒の撮って出しJPGです。取っているときに気づいたのですが、薄ーい雲がかかってき始めていたようで、星いっぱいというわけにはいきませんでした。

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それでも四隅の像を比較することはできます。いつもの300ピクセルを切り出して見てみます。

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右上と右中にに少しコマ収差が出てしまっていますが、それ以外はそれほどひどくはなく、一応使えるレベルでしょうか。コマ収差も一部のみの方向ですし、大きさそのものも105mmの時よりはマシです。

少しわかりやすいように、上の画面をPixInsightでオートストレッチをかけてみました。

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細かく見ると、右側以外にも四隅ともコマ収差は確認できます。そのために星像の外側が角ばっているような印象を受けます。それでもひどいものではないので、拡大して見ない限りはそれほど気にならないくらいだと思います。



PENTAX 6x7 165mm F2.8

次は先月、中古TSA-120をスターベースで見る前に、同じ秋葉原のキタムラで見つけてしまったPENTAX 6x7 165mm F2.8です。

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ISO1600、5秒の撮って出しJPGです。この頃には結構雲がかかってしまい、続行するか迷いましたが、同じ日で比べたいので、とりあえず撮影だけはしておきました。

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四隅です。
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そもそも雲であまり星の数が写っていませんが、それを差っ引いてもかなりいいです。間違いなく当たりクラスです。75mmのときも悪くないと思っていましたが、それでも強拡大すると周辺で十字になっていたりします。今回の165mmはそれと同等か、それよりもいいくらいです。

念のため、これもオートストレッチをかけたものを載せておきます。
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多少の崩れは見えてきますが、それでも全然悪くありません。比較しやすいように75mmの星像も再掲載しておきます。

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これも当時はかなり良く思えましたが、今回の165mmの方がやはりいいと思います。


まとめ

今回は2本とも悪くないです。特にPENTAXの方は大当たりで、しかもF2.8と、そこそこ明るいので使いがいがありそうです。今年の春から初夏にかけてこれでアンタレス付近を攻めることになると思います。

さて、今回のものを含めて順位で言うと、
  1. PENTAX 165mm F2.8 >
  2. PENTAX 75mm F4.5 >>
  3. PENTAX 300mm(全面に青ハロによるわずかの星像肥大) =
  4. NIKKON135mm F2.8(右側コマ小) >
  5. PENTAX 105mm F2.4(全体にコマ中) >>
  6. PENTAX 135mm F4(全体にコマ中大) >>
  7. PENTAX 200mm F4(全体にコマ大、赤ハロ大)
 と言ったところでしょうか。勝敗で言うと上から、2勝、3分け、2敗と言う自己評価です。

ちなみに値段は

3.5諭吉 > PENTAX 105mm F2.4 >> PENTAX 165mm F2.8 > 2諭吉 > NIKKON135mm F2.8 > 1諭吉 > PENTAX 75mm F4.5  > PENTAX 135mm F4 > PENTAX 200mm F4 >> PENTAX 300mm > 1漱石

と言ったところです。値段はあまり当てにならないようです。

今回ダメだったらもうPENTAXは諦めようと思っていたのですが、こんなふうに当たってしまうときがあると思うと、ますますレンズあさりはやめられないです。安いからまだいいですが、これもまた沼ですね。
 

今回の記事は、ここ何回かの過去記事の裏話的なことから始まります。前回の記事を見て、「あれ?SkyWatcherの鏡筒がなぜあるの?」と思った方もいらっしゃることでしょう。

AZ-GTiのレビュー依頼

実は今回、QBPを送って頂いた際に、普段から使っているAZ-GTiのレビューをお願いできないかをサイトロンさんに頼まれました。AZ-GTiは稼働率断然No.1。本当によく動いてくれるのですぐに快諾しました。

最初のやりとりで「電視観望によく使っているので、そのことを書きましょうか?」と提案すると、「それは面白い!」と。電視観望の時の様子や、画面に出ている様子の写真もあるといいとのこと。

ところがその際に「AZ-GTiで何か作例がないのでしょうか?」との相談を受けたのです。電視観望はあくまでリアルタイムで見ることを目的としているので、普段PCの画面を撮っていますが、あれはむしろ記録として撮っているに近くて、作品として人様に見せるようなものではありません。

それでパッと思いついたのが、以前AZ-GTiを赤道儀化して2軸ガイドでテスト撮影したものです。「それでもいい」と言ってくれたのですが、よくよく考えるとAZ-GTiの赤道儀化って、メーカの正式の使い方ではないんですよね。それなら「新たに経緯台モードで撮影してみようかと思っている」と相談したら、「せっかくなので同じSkyWatcherのEVOSTAR 72EDを使ってみてくれないか?」とトントン拍子に話が進みました。その時の結果が前回の記事の「AZ-GTi経緯台モードを使っての簡単星雲撮影」につながっています。




SkyWatcher EVOSTAR 72ED

EVOSTAR 72EDが到着したのがTSA-120が到着した週の木曜日。TSA-120が到着したばかりで、1週間も空けずにさらに大きな箱が届くので、怖いことにならないように妻にはあらかじめ「評価用のサンプルだからね!買ったんじゃないからね!」と強く念を押しておきました。

EVOSTAR 72EDはコンパクトなEDレンズを使った2枚玉アポクロマート鏡筒です。焦点距離が420mmと短いので、電視観望にもってこいです。電視観望で使えるなら、今回の目的の簡単撮影でも十分に使えるのではとの考えです。

実売で税込5万円を切っているので、手の出しやすい価格だと思います。この値段で、まずアルミ専用ケースがついてきます。専用ケースは持ち運びや保管にはやはり便利なので、素直にいいと思いました。

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蓋を開けてみると、鏡筒バンド、アリガタまでついているのでもう至れり尽くせりです。

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さらにフォーカサーには減速器もついていて、そのまま撮影にも使えそうです。

その一方、アイピースは付属していません。アポクロマートクラスを選択肢にするような人だと、アイピースは好みがあるので付属されていなくても問題ないと思います。一方、ファインダーも標準ではついていないとのことです。オプションで純正のファインダーが用意されているので困ることはないのですが、初心者にはわかりにくいので、購入時はショップなどでサポートが必要かもしれません。

シュミットのEVOSTAR 72EDの販売ページからオプションを選ぶことができます。惜しむらくは専用ファインダーが載っていないことでしょうか。

私の場合は電子ファインダーを使ってしまうか、420mmと焦点距離が短いのでそのまま鏡筒を使って、強引に自動導入の初期アラインメントに持っていってしまうと思います。このようにファインダーが必要のない人もいるので、その分オプションにして値段を下げるというのは、選択肢が増えるという意味で正しい方向なのかと思います。


実際にEVOSTAR ED72を使ってみて

2月1日、本当に久しぶりの晴れの週末の土曜日、もうこの日しかないと思い、TSA-120のファーストライト、広角リアルタイム電視観望、さらに今回のEVOSTAR ED72を使ったAZ-GTiの経緯台モードでの簡単星雲撮影の、3つを同時並行で進めることになってしまいました。

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簡単星雲撮影の話は前回の記事を読んでもらうとして、ここではEVOSTAR ED72の使い勝手について書きます。
  • サイズ的にはAZ-GTiにも余裕で載るくらいの軽量でセッティングも楽です。
  • 焦点距離420mmと短いので、比較的広角で見ることができます。
  • 口径72mmなので、F5.8。実際に使ってみてもそこそこの明るさがあります。
  • CMOSカメラを鏡筒にそのままつけると、フォーカサーの稼働範囲内では短すぎて焦点が出ないので、予めアイピース口にはめる延長筒を用意しておくといいでしょう。
  • 光学性能は少なくとも電視観望にはもったいないくらい十分。撮影レベルでも前回の結果を見ていたければ分かる通り、星像はほぼ点像。組み立て精度も悪くなく、十分な性能を持っていることが分かります。
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  • ただ一点、撮影時にSharpCapのPCの画面を見て気付いたのですが、恒星周りに少しだけ青ハロが出るようです。
スタックしただけの未処理に近い写真を見てもらうとわかりますが、恒星の周りが少し青くなっているのが分かると思います。
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と言ってもひどいものではなく、電視観望では逆にこれが画面にカラフルな印象を与えてくれて悪くないのですが、やはり画像として仕上げるときには気になる人もいるかと思います。

シュミットの店長さんにも電話でこの件を話しましたが「いえ、正直に書いていただいて結構です。」とのこと。欠点を隠したりしない姿勢はとても好感が持てます。やはりアポクロマートと言っても、ここらへんは2枚玉の限界のようです。

SkyWatcherの屈折鏡筒を調べてみると、アポクロマートだけでも3クラスあるようです。
  • 一番上のクラスはEspirit apoシリーズ。3枚玉の高級機です。日本では正式には未発売のようで、アマゾンで一部取り扱っているだけです。
  • 真ん中がBK EDシリーズ。値段的にはEVOSTARの倍くらいでしょうか。
  • そして今回の72EDを含むEVOSTARシリーズ。アポクロマートの入門機の位置づけで、値段的にも手頃です。
  • さらにEVOLUXというシリーズもできるそうです。これもEDレンズを使っているようなので、これを合わせるとアポクロマートは4クラスになるのでしょうか。

青ハロの簡単な改善方法

さて、わずかの青ハロですが、せっかくなので簡単に改善する方法を考えてみましょう。

きちんと処理しようとすると、RGBの各チャンネルに分けて、B画像の星像を縮小するような加工をかけたりするので、結構な手間となります。でもここで提案するのは、Photoshopの「色相・彩度」をいじる簡単な方法です。

Photoshopの「イメージ」メニューの「色調補正」「色相・彩度」と進みます。出てきたダイアログで「マスター」と出ている選択肢を「ブルー系」に変えます。その後、「彩度」もしくは「明度」を弄ります。通常は明度を下げるだけで十分でしょう。今回は-30ほどにまで下げてみましたが、それだけで以下のようになります。

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これだけの操作ですが、青ハロがほとんど目立たなくなっていることが分かると思います。このテクニックは画面の中に青い部分がそれほどない画像に使えます。プレアデス星団など、青い部分が多い画像では一番出したい部分を目立たなくしてしまうので、先に挙げたRGBに分離するなどして丁寧に処理流必要がありますが、今回のようなHαがメインの画像には簡単に使える有効なテクニックです。


まとめ

今回、ひょんなことからEVOSTAR ED72を使うことになりました。最初に書いた通り元々はAZ-GTiのレビューの依頼でした。でもAZ-GTiに関してはこれまでこのブログでも散々書いているので、今回は頼まれてもいないEVOSTAR 72EDの方を、勝手にレビューしてしまいました。あ、一応ブログに書くと言うことは伝えてあります。「正直に書いてください」と言うことなので、忌憚なく書かせていただきました。

2枚玉のアポクロマートということで、星像に関しては思っていたより全然鋭く、形もきれいに点像になります。青ハロが少しでますが、人によっては気になる方もいるかもしれません。それでも画像処理で簡単にどうこうなるレベルです。それよりも、最初からアルミケースがついている、減速機付きのフォーカサーもついていると、遠征や撮影まで考えて、この値段でこれだけ付属品をつけてくるのはすごいです。特にケースは、後から適したサイズのケースを探す苦労を考えると、純正品でついてくるのは大きな利点です。

個人的には「電視観望に最適なのではないでしょうか」と、お勧めしたいです。値段的にも手頃で、かつ星像もしっかりしているので、前回の簡単星雲撮影なんかを試すのにも十分適した鏡筒だと思います。電視観望に気軽に使えるアポクロマートという位置づけで考えたら、現実的に周りを見渡しても、値段と性能のバランスから、多分ベストの選択肢に近いのではないかと思えました。これでもし不満が出てきたなら、撮影用に次にステップアップするのもいいのかと思います。

さてこの鏡筒、まだしばらく使っててもいいということなので、もう少し楽しんでみます。また何か面白いことがあったら報告します。

2020/3/15 追記: その後、フルサイズ域での星像を、素のままの鏡筒とレデューサーをつけた場合で撮影比較してみました。


帰省で生えたレンズ2本

年末年始に実家の名古屋に行った際、PENTAX 6x7レンズが2本生えてきました。帰省生えの一種ですね。

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今回見つけたのは
  • ASAHI OPT Super-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR/6x7 135mm F4
  • ASAHI OPT Super-Multi-Coated TAKUMAR/6x7 300mm F4
です。購入先はトップカメラ。名古屋では昔からある大型カメラ店で中古品もたくさん扱っています。135mmはアメ横の中のトップカメラで、300mmは栄本店での購入です。栄の本店は中部地区では最大級の中古在庫があると店員さんがいっていました。

PENTAX 6x7レンズも選ぶのに困るほどたくさんあって、中でも300mmは大きくて場所をとるせいかかなり割安な値段のものが多かったです。その中でもなぜか一本だけ1980円とホントかと思うような値段のものがあったので、店員さんになんでこんなに安いんか聞いてみました。やはりあまり出ないらしく、特に問題があるわけではないが、安くでも売ってしまいたいとのことでした。レンズを覗いてみましたが、問題もなさそうです。FS-60CBが焦点距離355mmでレデューサーをつけたら255mmになるので被ってしまいます。さらに前回の同じく格安の200mmは赤ハロで使い物にならなかったので、若干というか、かなり心配なのですが、まあこの値段なら多少被っても失敗してもいいやと思い購入です。


これまでのPENTAX 6x7レンズ

これまで75mm/f4.5、200mm/f4、105mm/f2.4と3本のPENTAXの6x7レンズを試してみましたが、





戦績は1勝(75mm)、1敗(200mm)、1分け(105mm)と言ったところでしょうか。今回の2本も星像を比較してみます。


期待の135mm

まずは135mmです。前回買った105mmからFS-60CB+レデューサーの255mmまで2.5倍の開きがあるので、そこを埋める意味でも欲しかった焦点距離の一つです。f4で暗いのは仕方ないですが、期待しながらのテストです。

たまたま途中から晴れた週末の金曜日、満月の夜なので撮影も気乗りしないので、絶好のテスト日和です。オリオン座付近で撮影してみました。条件は以下の様になります。
  • EOS 6Dに6x7からCANON EFようの変換マウントを取り付け
  • ISO1600
  • 露光時間5秒
  • f4
カメラのモニターで10倍に拡大してピントを合わせます。星像が最小になる点を超えるのでピント合わせをきちんとすることはできます。最小点を超えると盛大に赤ハロが出ます。赤ハロが出る直前が再焦点と判断し、そこに合わせました。

全景と、中心/周辺像です。
IMG_5378

IMG_5378_16

あれあれ?という感じです。これだとさすがにコマ収差が大きくて使い物になりそうにないです。何とかならないかと絞ってみました。
  • ISO3200
  • 露光時間5秒
  • f5.6
IMG_5380_16

同じく
  • ISO3200
  • 露光時間10秒
  • f6.8
IMG_5382_16

絞れば多少はマシになりますが、やはり厳しそうです。ちょっと期待していたのに、残念ですがお蔵入り決定のようです。


ついでの300mm

こちらは正月で半分浮かれたかったレンズなので、あまり期待していません。全くだめだった200mmより安かったくらいです。あと、重い。条件は以下の様です。
  • EOS 6Dに6x7からCANON EFようの変換マウントを取り付け
  • ISO1600
  • 露光時間5秒
  • f4
こちらもピント合わせは問題なく、同様に最小点を超えると赤ハロが出ます。こちらも赤ハロが出る直前に合わせました。


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IMG_5377_16

おおっ!135mmより遥かにマシです。周辺減光も流石に中判なのでかなり良好。ただ、星像のキレがあまりないか。というか、青ハロみたいなのが出ていますね。撮影に使うにはどうでしょう?ちょっと厳しいでしょうか。でもこのレベルならなんか使い道はありそうです。


次回テスト

本当はもう少しテストを続けたかったのですが、ここらへんで曇ってきておしまいです。例えば105mm/f2.4を絞ってf4くらいで撮ってみるとか、NIKONの135mm/f2.8もまだテストしていないので試してみたいです。曇ったついでに月に少し傘が出ていたので撮影してみました。こちらはSamyangの14mmです。右下にオリオン座が入っています。

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この日は半影月食でしたが、曇ってきたので諦めて寝てしまいました。でもどうやらその後晴れたみたいです。残念。



まとめ

一枚画像ですが、とりあえず星像を見てみました。結果は1敗(135mm)、1分け(300mm)と言ったところでしょうか。PENTAXレンズトータルでは1勝、2敗、2分け(自己評価)となります。

まだ懲りていないです。Wikipediaによると6x7レンズ21種類あるとのこと。あまり必要ない300mm以上やズームを除いても14種類あります。その中で持っているのはまだわずか4つ。最初に当たってしまうとダメですね。75mm位の使えるレンズに当たるをの追い求めてもう少し集めることになりそうです。



 

いまの若い人には全く通じないタイトルですが、気分はホントにこんな感じです。

あっかさんのブログ
で、笠井から3倍の星座ビノCS-BINO 3x50が発売されていたことを知って、私も年末に早速注文しました。年越し観望には間に合いませんでしたが、年明けに実家の名古屋から富山に帰ってすぐに届きました。それでも富山は全然晴れなくてなかなか試せません。この日もずっと曇りで、夜もダメかと思ったのですが、22時頃外に出てみたら、少し薄い雲があるところもありますが、結構晴れています。月齢11日の明るい中ですが、早速3倍ビノの見え味を試してみました。

ちなみに、以前7種類の星座ビノの見比べの記事を書いたことがあります。よかったらご覧ください。




笠井の星座ビノたち

笠井からは3 種類、単眼を合わせたら4種類の星座ビノが販売されていることになります。
  • 古くから販売されているWideBino28
  • WideBino28の廉価版と言ってもいいCS-BINO 2x40。2019年春の発売。これはSIGHTRONのStella Scanと色違いの同等品とのことです。
  • 単眼バージョンのCS-MONO 2x40というのもあるので、これも入れたら笠井から販売されている星座ビノ(単眼にビノはおかしい?)は4種になります。
  • そして今回発売されたCS-BINO 3x50です。
前回のまとめ記事ではまだCS-BINO 2x40を手に入れてなかったのですが、5月の連休の時に名古屋のSCOPIOで手に入れ、その後見え味などのレポートも書いています。今回はまとめて3種レビューしてみようと思います。


CS-BINO 3x50と、CS-BINO 2x40のレビュー

CS-BINO 3x50と、よく考えたら前回のまとめ記事以降CS-BINO 2x40はきちんとレビューしていないので、ついでにこちらもまとめて書いておきます。

CS-BINO 3x50、2x40ともにはケース付きの星座ビノで、落下防止の首からかけるヒモがついています。2x40の時には付いてこなかったレンズキャップも、対物側だけですが付属されるようになりました。

品名: CS-BINO 3x50
販売: 笠井トレーディング
倍率: 3倍
口径: 公称48mm (対物側が実測で47.5mm、接眼側が実測で18.5mm)

長所: 倍率が高いので、暗い星までよく見える。CS-BINO 2x40よりは高いが、それでもまだ安価。
短所: 周辺の歪みが多少ある。倍率が高すぎるので、星座ビノというには星座の全景が見えにくい。

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品名: CS-BINO 2x40
販売: 笠井トレーディング
倍率: 2倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で40.5mm、接眼側が実測で17.5mm)

長所: 安価。星座ビノの中では最安。星座ビノとしては一般的で十分。 
短所: 周辺の歪みが多少ある。

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では3種を比べてみましょう。上からCS-BINO 3x50、CS-BINO 2x40、WideBino28です。

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付属品なども含めてです。あ、どれもレンズ拭き取り布が付属していますが、今回はケースの中に入れっぱなしです。

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外観を見るとCS-BINOは2x40とCS-BINO 3x50は作りがよく似ています。同じメーカーなのでしょうが、倍率の違いを除けば歪みも含めて見え味もよく似ているので、設計思想がやはり同じなのかと思われます。接眼レンズの大きさはWideBino28がかなり小さいのに比べて、CS-BINOは2x40, 3x50はともに同じ大きさに見えます。ですが実測すると少し違いがある様です。3x50はその名の通り対物レンズが50mmと一番大きいのですが、前後の長さが意外に長いので、比べると大きい印象を持ちます。それでも普通の双眼鏡に比べたら遥かにコンパクトで軽いので、ずっと首からぶら下げていてもそれほど気にならないでしょう。ただし紐が細いので、できればもう少し太い紐だと首に食い込まなくていいかもしれません。


明るいところでの見え味

まずは昼間の明るいとことで覗いてみます。
  • 視野ですが、CS-BINO 2x40が倍率2倍、WideBino28が2.3倍、CS-BINO 3x50が3倍なので、当然倍率が高くなるほど見える範囲も狭くなってきます。
  • 明るさの違いは昼間ではほとんど分かりません。
  • 中心像は3機種ともどれもそれほど大差ないように見えます。分解能も特に不満はありません。低倍率なので手持ちで使う分には十分な性能だと思います。
  • WideBino28は光軸中心から目がずれるとボケるのですが、CS-BINOは2x40、 3x50も同様にボケます。さらに周辺の歪みがWideBino28より大きいと感じます。ですが以前のレビューでも書いたように、昼間では気になる周辺の歪みも夜に星を見ている限りは、(少なくとも私は)ほとんど気になりません。
まあ、昼間に見てもただの倍率の低い双眼鏡にしか見えないので、その魅力は全くわかりません。夜の評価に移りましょう。


実際の星を見て

夜の星を見てみました。見比べたのは月齢11日の上弦の月を越えて満月に近づきつつある、かなり月明かりのある日です。ここでもWideBino28が基準になります。

一般的に星座ビノを使うと、この日の月の明るさや自分の目の悪さもあり、肉眼で見るより遥かに見える星の数が増えます。星座早見番をみながら、一つ一つの星が十分にトレースすることができるくらいです。WideBino28は基本性能もしっかりしていて星座を見るという目的は十分に達成することができます。星座早見盤に載っていない様な小さな星も見ることができるので、そこら辺がさらなる星座ビノの面白さと行ったところでしょうか。

それに比べてCS-BINO 2x40は倍率が少し低いため、見える範囲が広がって星座の全景が見やすくなる反面、逆に暗い星が見えにくくなるので見える星の数が減ります。ですが印象としては両方共ほとんど変わらないと言っていいかと思います。歪みも共に昼間に見るときほど気になりません。あえていうなら、CS-BINO 2x40のほうが星を見た時のインパクトが少し小さいかということくらいでしょうか。倍率が少し低いということとほぼ同義なのですが、見える範囲が広くて星座の形がわかりやすい代わりに、細かい所が少し見えないということです。でも繰り返しますが大した差ではないです。むしろWideBino28のバランスの良さを褒めるべきでしょう。

さて、肝心のCS-BINO 3x50です。一言で言うとものすごくよく見えます。いや、はっきり言って想像以上の見え方です。あっかさんがブログで言っていたことがよく理解できます。

まず星の数が圧倒的に増えます。ある明るさの空でどこまで暗い星が見えるかは(口径に依らずに)倍率のみで決まる(理由は以前の評価記事、もしくは望遠鏡で見える星の数の記事参照)ので、2倍と3倍の比較なら単純に3/2=1.5の2乗で、2.25倍暗い星、大雑把にいうと1等分位暗い星まで見ることができます。2等星と3等星の星の数の違い、3等星と4等星の星の数の違いを考えてもわかるように、数で考えると1等暗い星が見えると飛躍的に星の数が増えて見えます。

星座を見ていても細かいところの星までよくわかるようになります。例えばオリオンの小三つ星ですが、CS-BINO 2x40だと「あ、星が縦に並んでいる」というくらいです。これがCS-BINO 3x50だとはっきりと「星が3つある」という感想に変わります。月のすぐ横にあったM45プレアデス星団すばるも、CS-BINO 2x40だと「あ、すばるだ」とひとまとめの感想ですが、CS-BINO 3x50だといくつ星があるか数えたくなってきます。明るい環境でも暗い環境でも単純に見える星の数が増えるので、この日も月明かりに負けることなく十分に楽しむことができました。


星の色がよくわかる

星の数の違いはある程度予測できていて期待通りだったのですが、期待していなかった違いは星の色でした。そこに気づいたのはしし座の首の根本の星Algiebaを見た時でした。Algiebaは赤い星で目立つのですぐにわかるのですが、そのすぐ横にある小さな星が青く綺麗に対比して見えるのです。この対比はCS-BINO 2x40で見ても、WideBino28で見ても、まあ頑張れば見えることは見えるのですが、気付くことはありませんでした。あと、北極星ポラリスはこんなにオレンジなんだとか、すばるって他と比べるとやっぱり青いんだとか、ほかの星と広範囲で見比べることができるので、倍率の高い双眼鏡でその星だけ見ていてもなかなか気づけないことに気づくことができます。星座の形と対比して一つ一つの恒星の特徴が分かるので、例えば牡牛座の角のところのアルデバランもすごく目立ちます。これは今までの星座ビノにない面白さです。


欠点

一方、拡大率が大きいので、これまでの2倍程度のビノで楽しめた星座の全景が入らなくなりがちで、どの星座を見ているのか分かりにくくなることがあります。オリオン座とか、あからさまに星座の形がはっきりわかっているもはいいのですが、星座自身は知っていてもその形まで覚えていないものは、途中で迷ってしまうことがありました。加えて星の数も増えるので、特に初心者だと少し混乱してしまうかもしれません。


CS-BINO 3x50は買いか?

では、はじめての星座ビノとしてCS-BINO 3x50は買いかどうかということですが、これが最初だとしても間違いなく面白いと思います。でも、できるなら通常の2倍程度の星座ビノを一度見てから、もしくは併用しながら見ると、その違いや星座の全景と細かいところが交互に見えるなど、より「星座」というものを認識できると思います。私個人の意見としては、3x50は2台目の星座ビノとしてが一番のお勧めでしょうか。

こうやって考えるとWideBino28のバランスの良さがよくわかります。倍率2.3倍というのは星座全景も多く楽しめて、細かいところまで見える、絶妙なバランスなのかもしれません。

実は星座ビノではないのですが、MIZARの倍率4倍という双眼鏡を持っています。普通の双眼鏡としてはかなり低倍率の部類です。星座用にと2017年の原村星まつりでたまたま見つけたものです。これ確かに星の数が増えるのですが、4倍だともう拡大しすぎで星座の形を捉えること自体が困難になってきます。なので、結局あまり使っていなくてお蔵入りになってしまっています。4倍は星座全景を見ようとすると倍率が高すぎることは確かで、そういった意味では3倍という倍率はギリギリの線なのかもしれません。

値段的にはCS-BINOシリーズは星座ビノとしては最安の部類に入ります。最初から2x40と3x50をまとめて買ってしまっても、得られる感動と実用度から考えたら相当パフォーマンスがいいのかもしれません。


まとめ

結論ですが、星座ビノを既に持っていてその性能を実感できる人にはCS-BINO 3x50は絶対お勧めです。見え方の違いを存分に楽しめるでしょう。初めての星座ビノとしてCS-BINO 3x50を使う場合、星座の全景を見るのに少し慣れは必要ですが、夜空にはこんなに星があるのかと実感できることでしょう。特に都会や、月夜の明るいときに見ると劇的な星の数の増加にびっくりするはずです。CS-BINO 3x50で天の川はまだ見ていませんが、これも夏になった時の楽しみの一つです。

レビューを兼ねたCS-BINO 3x50のファーストライトでしたが、感想はとにかく「あー面白かった」です。この値段なら間違いなく「買ってよかった」です。常時車の中に入れておいて末長く使うこととなりそうです。 

梅雨の合間にも関わらず珍しく晴れたので、久しぶりの撮影です。といっても平日なので宅撮り。

今日の課題は白濁したレンズのFC-76で撮影を試してみて、実用で耐えうるかどうかです。比較しやすいようにFS-60Qでも同様の撮影をしてみます。白濁したレンズでも電視観望では問題なさそうという結果でした。果たして撮影レベルではどうなるのでしょうか?


機材、撮影条件など

鏡筒1: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm、対物レンズが白濁) + 新フラットナー(x1.04)
鏡筒:2 タカハシ FS-60Q (FS-60CB+エクステンダー相当、口径60mm, 焦点距離600mm) 
赤道儀: Celestron CGEMII
センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
フィルター: サイトロン QBP(Quad Band Pass) filter
日時: 2019年6月25日、22時頃から
場所: 富山市下大久保
月齢: 22.1、ほぼ下弦の月
撮影対象: M8干潟星雲とM20三裂星雲、猫の手星雲を同画角内に 


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FC-76のセットアップ。

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FS-60Qに交換後。赤道儀は反転。


FS-60Qとの共通オプション

FC-76での撮影をしてみてまず気づいたのが、これまで集めたFS-60Q用のオプション器材がかなり共通で、そのまま使えることです。
  • 具体的にはまずはカメラの回転装置。これはSKY-90用となっているのですが、タカハシのシステムチャートによるとFC-76もFS-60Qも接眼部へのネジの径が共通なために、これが標準の回転装置となります。
  • 同様に、ワイドタイプのカメラマウントDX-60Wもシステムチャートによると共通で使えます。
  • さらに新フラットナーもアダプターさえFC-76用を買い足せば使い回しがききます。アダプターは数千円と安価なので気軽に買うことができます。
実際今回撮影用途で購入したのはこのアダプターだけで、あとは何も買い足す必要がなかったのはありがたかったです。

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このように、FS-60CB用の機材がほぼそのまま使えます。


実際の撮影

実際の撮影ですが、久しぶりのこともあり、少し手間取りました。

今回撮影用のコンピュータとしてStick PCを使ったのですが、StickPCの動作がなぜか重い。64bit版のSharpCapはポーラーアラインメントを開始するとすぐに止まってしまいます。仕方ないので32bit版にしたら、こちらはなんとか最後まで動きました。あと、PlateSolvingで使っているAstroTortillaがうまく位置を検出してくれません。仕方ないので、All Sky Plate Solverを使いましたが、こちらは位置検出まではしてくれるものの、赤道儀へのフィードバックがうまくいきません。時間もあまりないことなので諦めて、何度かテスト撮影をして位置を決めました。でもFS-60Qに交換した時にPlateSolvingがなかったことが原因で、位置ズレと、さらにピンボケを導入してしまいます。

あと、これもStickPC関連かもしれませんが、BackYardEOS(BYE)が安定しなくなる時がありました。なぜかBYEが立ち上がらなくなること、接続はうまくいっているのになぜか撮影ボタンが押せなくなることでした。前者はPCを再起動することで、後者はBYEを再度立ち上げることで解決しました。これまであまりなかったことなので、少し気になります。

さらに、鏡筒をFS-60Qに切り替える時に、対象が南天を超えていたので赤道儀反転したこともあり、今一度アラインメントからやり直しました。その際、CGEMIIのハンドコントローラーにStickPCからのケーブルが繋がっていて電力が多少供給されていたので、赤道儀本体の電源スイッチを落としても電源が完全に落ちません。それに気づかずに、再度スイッチを入れた時にコントローラの明かりが半分暗いような状態になってしまって、あ、故障かも!と少し焦りました。電源を落として、かつハンドコントローラーに繋がっているケーブルを抜くことでこれも回避です。

これに加えて、もう一つ関連した問題が発生しました。FS-60Qに交換したた時に、鏡筒が軽くなりすぎてしまって、赤経方向の重量バランスが取れなくなり、初期アラインメントの途中でトルク不足で止まってしまうのです。ウェイトを一番内側まで持っていってもまだバランス不足でだめでした。今回はCelestronのパワータンクでなく、40000mAhくらいの大容量のリチウムイオンバッテリーを使ったのですが、このせいかもしれません。結局、ハンドコントローラーにUSBケーブルをつないで電力を少し加えたらなんとうまく初期アラインメントができました。FS-60QにCGEMIIは大げさすぎるのかもしれません。いずれにせよもう少し軽いウェイトを用意しておいたほうがよさそうです。

撮影時間はFC-76の180秒露光が10枚で計30分、300秒露光が6枚で計30分、FS-60Qでは300秒露光が6枚で同じく計30分となります。その他、ISOは全て3200で固定。撮影時間の違いの影響をできるだけなくすために、撮影対象の位置をちょうど南天を挟んで前半がFC-76、後半がFQ-60Qというようにしてあります。なので赤道儀も前半と後半で反転しています。

惜しむらくは、次の日仕事ということもあり、時間があまりなかったので、FS-60Qでのピントが少し甘くなったことです。途中で気づいてやり直そうか迷ったのですが、もう月が昇ってくるのと、対象が木の陰に隠れそうだったので泣く泣く諦めました。後で見たらやはり少し星像が肥大していました。


撮って出し

撮って出しJPG画像です。それぞれ撮影の1枚目の画像になります。このブログにアップロードするのに画像サイズが大きすぎたので、縦横2分の1に縮めました。

M8_LIGHT_6D_180s_3200_+24cc_20190625-21h59m48s127ms_cut
FC-76、180秒露光。

M8_LIGHT_6D_300s_3200_+25cc_20190625-22h45m11s577ms_cut
FC-76、300秒露光。

M8_LIGHT_6D_300s_3200_+27cc_20190626-00h42m55s063ms_cut
FS-60Q、300秒露光。星がはっきりしているように見えますが、
単にピンボケで星像が肥大しているだけです。拡大するとダメなのがよくわかります。

それぞれFC-76、FS-60Qが、干潟星雲、三裂星雲、猫の手星雲ともに綺麗に出ています。透明度は悪くなかったのですが、自宅でもこんなに出るのはやはりQBPの威力かと思います。後半のFS-60Qでは午前1時半頃まで撮影していたので月が少し上っていたはずですが、その影響もQBPのおかげかほとんど無いようです。これをみる限り、露光時間の違いによる明るさの違いはきちんとFC-76の300秒>FS-60Qの300秒> FC-76の180秒と順番通りになっていることと、FS-60Qでのピンボケ以外に、撮って出し画像ではほとんど差はわかりません。FC-76の周辺減光が少し目立ちますでしょうか。

少なくとも撮って出しだけではFC-76の白濁の影響があまりよくわからないという、ポジティブな意味です。



ダークとフラット画像

その後、次の日に180秒と300秒のダーク画像を撮影、さらにその次の日もかけてFC-76とFS-60Qのフラット画像を撮影しました。フラット画像はiPadのColor Screenというソフトを使い、モノクロ色にして最大の明るさで撮影しまして。全てISO100、露光時間1/4秒です。不思議なのは撮影条件を同じにしてもFC-76とFS-60Qでヒストグラムで見てヒストグラムのピークの位置がほとんど変わらないことです。口径で76/60=1.26倍の違いがあるので、光量ではその2乗の1.6倍の違いがあるはずです。この口径差がピーク位置に出てこないのが不思議です。

ただし、ピーク位置は変わりませんが、その広がりは雲泥の差があります。FC-76のヒストグラムがかなりブロードなのに対し、FS-60Qが非常に鋭いピークなのです。


IMG_7564
FC-76ではフラット画像のヒストグラムが広がっている。

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FS-60Qのフラット画像のヒストグラム。もう、全然鋭いです。

最初これが白濁の影響かと思いました。でもどうやらそれも間違いで、周辺減光の違いが大きいということがわかりました。下の画像、出すのも恥ずかしいのですが、適当にストレッチするとセンサー面のゴミがFC-76ではまだはっきり見えていないのに、周辺減光がすでに顕著です。一方FS-60Qでは相当余裕を持ってストレッチできていて、センサー面のゴミがはっきり見えていますが、まだ四隅は暗くなっていません。

IMG_7561
FC-76のフラット画像。まだあぶり出しきっていないのに、
周辺減光が大きく、ゴミもはっきり見えきっていません。

IMG_7563
一方FS-60Q。かなりあぶり出していて、ゴミがくっきり見えていますが、
まだ周辺減光は顕著ではありません。

これはちょっと意外でした。単純にFC-76のほうが口径が大きいので、周辺減光も余裕があると思っていたのですが、カメラの絞りと同じで、より絞ってあるFS-60Qの方がより均一に撮影できるということでしょうか。


リニア処理後の画像

画像処理の準備が整ったので、PixInsightでそれぞれリニア処理です。同様の手順がFC-76の180秒と300秒、FS-60Qの300秒と3通りあるので、手間を省くためにScriptのBatchPreProcessingを使います。バイアス、ダーク、フラット補正をしています。

出てきた結果をPhotometricColorCalibrationを使い、色を合わせます。それらをScreenTrasferFunctionでオートストレッチし、JPEGで保存したものを示します。まだ彩度を出す前の過程なので派手やかさはないですが、比較するには十分かと思います。

light-BINNING_1_PCC
FC-76、180秒露光。

light-BINNING_1_PCC
FC-76、300秒露光。

light-BINNING_1_PCC
FS-60Q、300秒露光。

検討

3枚を見比べます。
  • まずFS-60Qはピントが甘かったので星像が肥大しています。
  • 同じ600mmの鏡筒ですが、フラットナーが1.04倍の倍率があるので、FC-76の方が画角が少し狭いです。
  • ノイズに関してはFS-60Qが一番ザラザラしているように見えます。これは口径の違いからくる明るさの違いで説明できそうです。
  • 一見FS-60Qがコントラスト良く見えます。これらはオートストレッチが影響しているのかと思います。オートストレッチはフラット補正がどれくらいうまく当たっているかなど、最大/最小輝度に大きく依存するので、まあ誤差の範囲かなと。FC-76でも180sの方が一見コントラストがよく見えているので、白濁の影響でコントラストが悪くなっているとはこれだけで言うことは難しいと思います。
それ以上のことは、私の目ではほとんど差を見い出すことができません。


とりあえずの結論

できるだけ同じ撮影条件にしようとしましたが、それでもまだなかなか結論めいたことを言うのは大変そうです。ただ一つ言えることが、たとえ多少白濁があっても、撮影レベルで使ってももそれほど遜色なく写ってしまうということでしょうか。これは結構意外というか、驚きの結果です。

白濁が一番効果に現れるのはコントラスト低下かと思います。眼視の場合にはなかなか避けることは難しいでしょうが、それでもこのFC-76では多分よほど目の肥えている人でないと気づかないのではというのが、以前の記事の結論でした。一方、画像処理の過程では、低下したコントラストを補正するのは難しくありません。もちろんノイズとの交換条件になりますが、撮影の方が白濁の不利さは少なくなるのではというのが今回考えたことです。少なくとも私の画像処理のレベルでは、コントラスト差が問題になる程、結果に影響が出てこないようです。

白濁も、レンズについたゴミなども、どれくらい汚いと本当にダメになるのか、一度きちんと検証したほうがいいのかもしれません。特にニュートン反射の主鏡とか、汚れやすいけれども分解しないと綺麗にできないような部分も結構気にせず使ってしまっているので、意外なほど許容範囲は広いのかもしれません。撮影への影響まで含めて、何か定量的に評価できないものなのでしょうか?反射系の副鏡のMTFへの影響なんかは、うまい評価方法なのかもしれません。

今回は一応これで一区切りです。せっかく撮影したので、次の記事でこれら3枚を合わせて、最後まで画像処理をした結果を見せます。


星座用のビノがたまってしまいました。いつの間にやら7個です。今回は実際に見たときの感想も含めて、それぞれレビューしてみます。

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左上から下に向かって、
WideBino28(新)、WideBino28(旧)、星座望遠鏡(双眼)、星座望遠鏡(単眼)、
右に移ってテレコンビノで、cokin、JAPAN OPTICS(?)、Nikonです。

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接眼レンズ側です。cokinのレンズ径の大きさが群を抜いています。



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ケースやキャップなども一緒に。順序は上と同じです。

タイトルには星座用ビノと書きましたが、正式な一般名称がよくわかりません。もともと2倍テレコンを利用して自作していたのが主流だったこともあり「テレコンビノ」と呼ばれていることもあります。商品名になるのでしょうが「星座望遠鏡」は分かり易い名前だと思います。でも一般の人にはそれでもなんのことやら、星座用の望遠鏡って???だと思います。「星座観察用双眼鏡」なんて長い呼び方もあるようです。とりあえずここでは「星座ビノ」と呼ぶことにします。


星座ビノとは

ここで少し、どれくら星座ビノがすごいのか説明しようと思います。まずこれらのビノを昼間にのぞいてもほとんどその価値はわかりません。ちょっと拡大されるだけで目で見るのとあまり変わらない。なんでこんなものにこんな値段を出すのか、全くわからないと思います。実際私がそうでした。原村の星まつりで昼間にのぞいても全然理解できなかったのです。でもこれを夜に、しかもある程度の光害地で使うと評価は全く変わります。大抵は「何これ!」「めっちゃくちゃ見える!」「こんなに星があるの!」と驚嘆の声を上げることでしょう。


見える星が増える理由 

見える星の数が増える理由はひとえに低い倍率にあります。普通双眼鏡というと10倍とかそこそこの倍率で、一見倍率が高い方がいいと思ってしまうかもしれません。ところが星座ビノの倍率はどれも2倍程度です。この2倍というのが非常にバランスが取れた倍率なのです。2倍の倍率ということは、2x2=4で4倍暗い星まで見ることができます。これはビノをのぞいたときに一辺2倍の長さに拡大してみるということなので、面積で考えると4倍に拡大してみることになります。すなわち明るさは4分の1になるわけです。ところが星は点光源なので、面積がなく広がらないために明るさは変わりません。星の明るさは変わらず周りの明るさを4分の1にするので、4倍暗い星まで見えるということになります。

では4倍暗い星(明るさが4分の1倍の星)とはどういうことでしょう?星は等級という単位で明るさを表します。都会や光害地では肉眼ではせいぜい2等星程度までしかみることができません。3等星まで見ることができればまだそこそこ暗いところになりますい。この等級という単位、2等級の差があると明るさは5倍違います。星座ビノでは4倍くらいの暗い星を見ることができるので、ざっくり2等級近く暗い星まで見ることができます

では等級ごとにいくつくらいの星があるのでしょうか?

1等星:21個、2等星:68個、3等星:183個、4等星:585個、5等星:1858個、6等星:5503個

だそうです。たとえば2等星までしか見えない都会や光害地では約90個の星が見えます。これが2等級余分に見えるようになって4等星まで見えるとすると、約850個にまで見える数が増えます。なんと約10倍の数の星が見えるのです。実際には上の表には南半球で見える星も入っているので、数としては半分程度ですが、10倍近くの数の星が見えるようになるということは変わりません。高々2倍倍率を上げるだけで、10倍近くの星の数が増えるというのだから効率がものすごくいいのです。

では調子に乗ってさらに倍率を上げたらどうでしょうか?確かにより暗い星までみえるので、見える星の数は増えます。が、今度は視野が狭くなって「一度に」見える星の数が減ってきます。しかも狭い範囲を見ることになるので、いったい空のどこを見ているかがわからなくなってくるでしょう。この2倍程度という倍率は、大多数の星座の一つ一つがすっぽり視野に入るくらいの倍率なので、自分がなんの星座を見ているかすぐにわかるのです。しかも星座にある小さな星まで見えてくるので、星座早見盤と見比べながら星座を自分で一つ一つ確認して形をトレースすることができます。自分でやってみるとわかりますが、これはかなりおもしろいですよー。星座ってホントにこんな形を結んでできているんだと実感することでしょう。こんな理由から「星座」ビノなんて呼ぶのが適しているのかと思います。

2倍という倍率は本当に微妙で、覗いてみてもあまり視野が狭くなった気がしません。もちろん視野は狭くなっているのですが、人間の目が焦点を合わせられる範囲はそれほど広くはないので、ちょうどそこらへんの範囲と、星座ビノで視野が狭くなる範囲が一致するくらいにあるためだと思います。一方星の数は上の理屈通り、本当に増えて見えます。これはびっくりするくらい増えたように感じます。「わー、こんなに星が隠れてたんだー」という言葉を発したくなるくらいです。

さて長くなりましたが、いよいよレビューといきます。まずは現行機種で、簡単に手に入れらるものからです。


現行機種

WideBino28

販売: 笠井トレーディング
倍率: 2.3倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で39mm、接眼側が実測で8mm)
入手方法: アマゾン、各種天文ショップ
値段: 1万6千円程度

長所: 入手しやすい。歪みは少ない。おすすめ。
短所: 接眼側の径が小さい。ピント合わせが軽いので首からぶら下げておくと服とかに当たってずれる。光軸中心から目がずれると大きくぼやける。現行機種の中では少し値段が高いほう。


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私が一番最初に手に星座ビノです。星を始めた年の原村の星まつりで見たのが最初です。もっとも、その時は価値を全く理解できずに、「なんだ大して拡大もしないのに高い双眼鏡だなと」思ってしまいました。望遠鏡で暗い星が見えるようになる理由がわかってから、天の川を倍率の低い双眼鏡で見たらどうなるのだろうと思った時に、初めて「あ、だから原村であんなのが売ってたんだ!」とやっと理解できてすぐに入手しました。

もともと笠井トレーディングからの販売で、私はKYOEIで買いましたが、一般の天文ショップでも売っています。今ではAmazonで手に入れられるとのことで、とても入手しやすくなっています。たまにヤフオクとかで元の笠井よりも高額な値段をつけてあることがありますが、専門業者でもなんでもないところが高く売りつけようとしているだけなので、こんなところでは買わないように注意してください。

とても見やすく、値段もそこそこ。入手性もよく、一番おすすめです。ピントも合わせやすいですが、つまみが軽くて、首からぶら下げていると服とかに当たって勝手につまみが回ってしまい、ピントがずれてしまうことがよくあります。見え方も特に不満なく、よく見えます。倍率も2倍より少し高いので、多少暗い星まで見ることができます。

接眼レンズが少し小さいのですが、視野に関しては特に不満はありません。光軸中心から目の位置がずれると大きく像がボケるのが気になります。なんでこんなことを書くかというと、子供はなかなか上手く光軸中心に目を合わせられないからです。子供は最初はピントを合わせるのさえも難しいです。大人なら多分全く問題ないです。

私としては入手性や見え方なども考え、これが一番おすすめで、とにかく迷ったらこれです。


星座望遠鏡(単眼、両眼)

販売:  スコープテック
倍率: 1.8倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で42mm、接眼側が実測で20mm)
入手方法: アマゾン(単眼双眼セット)、各種天文ショップ
値段: 単眼7千円程度、両眼1万4千円程度

長所: 現行機種では接眼側のレンズ径が大きい。入手しやすい。日本での開発、設計で、スコープテックが日の出光学に持ち込んで企画したもの。単眼だと一番安価(ただし、この記事を書いている間に笠井から最安値のCS-BINO 2x40が販売されました)。
短所: 周辺が少し歪む。

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発売は2017年だったと思います。原村星まつりで販売された直後のものをスコープテックのブースで手に入れました。もともと単眼で売っていたものを、去年2018年の原村の星まつりの頃に両眼アダプターの販売が始まりました。2つとアダプターを買うと双眼になるというものです。私は双眼の方も原村の星まつりで手に入れました。今では双眼用のセットとして、2つとアダプターが一緒になって売っているようです。

私が買った時は全部単眼(合計3つ)でレンズキャップがついてこなかったですが、今は単眼のものは対物側のキャップは付属するみたいです。でもアマゾンの写真を見ている限り、双眼セットにはキャップがついてこないように見えますが、どうなのでしょうか。

倍率が1.8倍とより視野を広く取れる代わりに、暗い星までは少し見えにくくなっています。光軸ずれに対しては上のWideBino28よりはるかにマシですが、周辺像が少し歪みます。でも実は、星座ビノ一般に言えることですが、歪みは昼間は目立って気になるかもしれませんが、夜に星を見ているとそこまで気にならないです。

値段が安いのも特徴で、試しに単眼でというなら7千円程度で購入できます。倍率も低いのであっさりした見え味が特徴でしょうか。でもこのあっさりというのは、コストも考えたらなかなかできるものではなく、日本のメーカーという特徴が出ている一品だと思います。とりあえず単眼で試してみたいというのならこれ一択です。


その他、現行機種

現行機種でまだ購入していないものが2つ (3つ?) あります。VixenのSG2.1×42とサイトロンの星空観測双眼鏡Stella Scan 2x40です。Vixenのは現行機種では結構高めなのと、サイトロンのは店舗に行ったときに何も欲しいものがないときに買おうと思ってとってあります。特にサイトロンのものはケーズデンキで購入することもできるので、天文ショップなどがないところでも、実際のものを見て決めることができると思います。これらはいつか購入したらまたレビューしたいと思います。

さらにこの記事を書いている間に、つい先日WideBino28を販売している笠井トレーディングからCS-BINO 2x40という星座ビノが発売されましたが、どうやらこれはサイトロンのものと同等の色違いらしいという噂があるのですが、実物を見たわけではないのでわかりません。単眼でも販売しているようで、価格もかなり戦略的なものになっていて、星座望遠鏡よりも安価になっているようです。(追記: 初出でCS-BINO 2x40の販売元を間違ってしまいました。ご迷惑をおかけしました。)


旧型機

ここからは現在では普通には販売されていない、多少入手困難なものです。入手順に書いていきます。普通のお店で手に入れるのは難しくなりますが、それでも特筆すべき特徴を持ったものもありますので、参考に書いておきます。


旧型WideBino28

まずはWideBino28の旧型。

販売: 笠井トレーディング
倍率: 2.3倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で39mm、接眼側が実測で8mm)

長所: 歪みは少ない。
短所: 接眼側の径が小さい。光軸中心から目がずれると大きくぼやけるのは現行機種と同じだった。

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三重県のアイベルに行ったときに入手しました。現行機と違って白色がベースです。笠井のページで見ると、旧型機でも黒いので、さらにもう少し昔のもかと思われます。適合目幅や重量など多少違いはありますが、倍率など大きなところは同じです。見え味も現行機とほとんど変わらない印象です。中古のせいか、紐がついていなかったりキャップがなかったりします。安く入手できるのでなければ、現行機を買ったほうがいいかと思います。



テレコンビノ

ここからはテレコンビノと呼ばれる、デジタル用の2倍程度のテレコンを双眼用に自作したフレームに取り付けたものになります。基本的にピントを合わせる機構がないので、目が悪い人は星もボケて見えてしまいます。その代わりにレンズ径が大きいので、メガネをかけても視野が狭くなりません。目が悪い人はメガネをかけて見るほうがいいです。


cokin テレコンビノ

販売: ケンコートキナー (DIGITAL TELE LENS-200-52mm)
倍率: 不明、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡とほぼ同じなので1.8倍?
口径: 対物側が実測で65mm、接眼側が実測で38mm

長所: とにかくレンズ径が大きい、ピント合わせをする必要がない(できない)ので、子供でも扱いやすい。
短所: 周辺ひずみが大きい。分解能が少し劣る。

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cokin製の2倍のテレコンを利用した自作のビノです。昨年の小海の星フェスで、趣味で作っているという方から手に入れました。このビノの特徴はとにかくレンズ径が大きいことです。対物側も大きいのですが、接眼側もそれに負けないくらい大きいのが特徴です。そのためすぐに星を視野に入れることができて、ほとんど迷うことなくすぐに見ることができます。初心者の方、特に子供に大人気です。観望会でも「これが一番いい」という方が多いです。欠点はピント調整ができないこと。これはテレコンビノに共通で、私はこのピント調整ができないということを最初知らなくて、購入してから「あ、しまった」と思いました。ところが意外や意外、観望会では調整をする必要がない(できない)ので、逆に扱いやすく、これも一番人気の理由です。このことが元で、もっとテレコンビノが欲しくなり、下の2種を最近ヤフオクで落としました。

ピント調整ができないと言っても、パンフォーカス(被写界深度を深くする事によって、近くのものから遠くのものまでピントが合っているように見える)なので、調整がないこと自体は気になりません。それでも目が悪い人はそれなりにしか見えないので、眼鏡をかけて見たほうがいいです。私は最近度が進んでしまっていてメガネがあまりあっていないので、ちょっとボケてしまいます。

見え味ですが、レンズが大きく見やすいのはとてもいいのですが、かなり歪みます。夜だとあまり歪みが気にならないのと、レンズ径が大きいのには代え難い扱いやすさがあるので、もし入手できるのならこれはかなりおすすめです。ただ、分解能が少し劣るのを不満に思う方がいるかもしれません。


メーカー不明 テレコンビノ

販売: 不明、JAPAN OPTICS? (DIGITAL HIGH DEFINITION 2X TELEPHOTO LENS)
倍率: 公称2倍?、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡とほぼ同じなので1.8倍?
口径: 対物側が実測で45mm、接眼側が実測で31mm

長所: ひずみが少ない。軽い。安価だった。
短所: 多分入手がすごく困難。色収差が目立つ。分解能が少し不満。

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まだ購入したばかりなので、実戦では使えていません。でも明るいところで見る限り、歪みとかは少ないです。あえていうなら少し色収差が大きく、分解能が他と比べると足りないことがわかります。


Nikon TC-E2 テレコンビノ

販売: Nikon (Tele Converter TC-E2 2x)
倍率: 公称2倍、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡より倍率は高く、笠井WideBino28よりは倍率が低い。
口径: 対物側が実測で52mm、接眼側が実測で17mm

長所: ほとんど文句がない。キリッとしていて、ひずみも少ない。意外に入手しやすい。
短所: 中古だが、最近レンズ単体が高騰していて高い。

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念願のNikon TC-E2を使ったテレコンビノをやっと手に入れることができました。以前、小海で実物を見せてもらったのですが、見え味は素晴らしかったです。その時は他に買いたいものもあり手が出ませんでしたが、ヤフオクで手の届く値段で出ていたので今回落札しました。ところが、フレームの作りやパッケージがcokinのテレコンビノとよく似ています。もしやと思ってヤフオクで連絡を取ってみたら、小海でcokinを売ってくれた方と同じ人で私のことも覚えていてくれていたらしく、Facebookでも友達になってしまいました。この方はまだいくつもNikonのTC-E2を持っているとのことで、最近フレームを大量に作ったのでこれからもいくつか販売するらしいです。フレームを自作するのは結構大変そうなのと、テレコン自身も高騰しているのですが、こういった方から入手できるというのはありがたいことです。

見え味は改めて見ても素晴らしいです。歪みも色収差も少なく、これがテレコンの最高峰と言われている理由がよくわかります。接眼側のレンズ径がcokinには負けているので、子供とかの評価ではパッと見の視野は負けるかもしれませんが、大人なら間違いなくこちらの方が見え味に納得すると思います。


まとめ

7機種(実質はWideBino28が新旧の違いだけ、星座望遠鏡が双眼と単眼の違いだけなので5機種)をじっくり見比べてみました。1機種だけだとあまり気にならないことも、さすがにこれだけ一度に見比べると違いがよくわかります。Nikonは間違いなく見え味は最高でしょう。ピントを合わせられないのが唯一の欠点と思えてくるくらい、本当に素晴らしいです。今ならまだ入手することもそれほど難しくはありません。笠井のWideBino28は現行機種の中ではおすすめです。SCOPTECHの星座望遠鏡は双眼で買っても2つの単眼として二人で使うこともできるのでお得です。私は持っていませんが、サイトロンのStella Scanは全国にあるケーズデンキで実物を見ながら購入できるので、こちらもいいかもしれません。

色々比べましたが、基本的にはどの機種を持っていっても、実際の星空を見ればびっくりするでしょう。本当に「こんなに星が隠れてたのか!」というのを実感できるはずです。一般の方にはこんな小さな双眼鏡にしては少し高価に感じるかもしれませんが、下手な望遠鏡とか、倍率の高い双眼鏡よりもはるかに楽しかったりします。まだ経験されたことがない方は、騙されたと思って是非とも一度お試しください。

つい最近(2019/3/24)、Stellariumが0.19.0にバージョンアップされました。最近Stellariumがかなりすごいです。


星雲星団の実画像表示

星雲星団の実画像の充実に気づいたのは何ヶ月か前、バージョン0.18.2から0.18.3にアップデートされた時(アップデート自身は2018/12/22)です。ちょうどプラネタリウムソフトで星雲や星団がきちんと写真レベルで表示されないかなと思って色々試している時でした。撮影時の実際の星雲の広がり具合とかをあらかじめ比べたかったからです。あれ、0.18.3になってなんか綺麗な画像が増えたなと思って当時ちょっと調べてみました。Mac版の場合、アプリケーションフォルダの中のStellariumのファイルを右クリックして、「パッケージの内容を表示」で、Contents->Resources->nelulae->defaultの中を見ると、実際の星雲星団の画像がたくさん入っているのがわかります。

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上の写真の一番下のファイル数で比べると、0.18.2->0.18.3で248ファイルから439ファイルと倍増近くになっています。0.18.3->0.19.0は439->473と数はそれほど増えたわけではないですが、細かく見ると画像のクオリティが上がってたりするのがわかります。

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左が0.18.3付属のIC1805、右が0.19.0のもの。
サイズは1MB->509kBと小さくなっているのに、
クオリティは明らかに上がっている。

例えばオリオン座のM42です。Stelalrium上でかなりの画質で表示させることができます。

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これを見るとトラベジウムあたりは飛んでいってしまていますが、拡大すると徐々に画像を消すなどしてうまくトラベジウムが見えるようにしているようです。

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それでも星雲の画像を表示させたくないときもあると思います。そんな時は、右の端にカーソルを持っていくと出てくる「設定画面」から「Extras」タブで「星雲の背景ボタンを表示」にチェックをしておいて、カーソルを画面下に持っていって出てくる「深宇宙の背景画像」をオフにしてやれば下の画面のように画像を消すことができます。

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まだ一部もやっとした光も残っていますが、これは天の川の一部として低解像度で表示されているものです。これも右端で出てくる「空と表示の設定」から「空」タブで「Milky Way brightness/saturation」をオフにすると完全に消すことができます。


自分の持っている機材で視野角を確認

さて、前項のこういった星雲や星団の実画像があると何が便利なのか?それは撮影時の実際の視野角と簡単に比較することができるからです。

ご存知の方も多いと思いますがStellariumでは自分で持っている機材を登録して、視野を直接画面の中に表示することができます。右上の左から二番目の四角の枠だけのアイコンを押すと、画面の中に赤い枠が出てくると思います。これが現在設定されている視野です。これを自分の持っている機材に変更します。同じく右上の一番右のアイコンを押します。タブに「望遠鏡」、「補正レンズ」、「CCD」、「アイピース」がありますが、それぞれ設定します。「望遠鏡」は鏡筒、「補正レンズ」はバローレンズやレデューサなど、「CCD」はCCDカメラやCMOSカメラ、一眼レフカメラでももちろん構いません。赤道儀の機能は「望遠鏡」のところの「赤道儀」をクリックします。実際の視野の回転は「CCD」のところの「回転角(度)」で調整します。ここは大抵0度か90度ですね。

いくつか鏡筒やカメラを登録すると、右上の左から二番目の四角アイコンを押した時に、登録した機材を画面を見ながら変更することができます。この時、星雲の実際の画面があると、どれくらいの視野で、どのような機材で撮影すればいいのかが一発でわかるのです。


他波長での背景表示

もう一つ面白い機能を紹介します。多波長で空を見た場合、その画像をStellariumの背景として表示させることができます。これはバージョン0.18.0から搭載された機能で、まだテストレベルのようです。

画面右端で出てくる「空と表示の設定」から「Surveys」タブで「Deep Sky」を選び、ズラーっと出てくるリストが衛星や観測装置など研究レベルで撮影されたデータになります。たくさんあるのですが、アマチュア天文で撮影に使用する場合はほとんどがあまり関係なく、この中でお勧めできるのは「DSS colored(2つあるうちの下の方の)」と「DSS2 Red(F+R)」です。

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DSS colored

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DSS2 Red(F+R)

上のように分子雲モクモクの背景を表示させることができます。写真ではカラーの方が見栄えが良くなってしまっていますが、実際のPCの画面ではモノクロの方が見やすいかと思います。特に構図を決める時はかなり狭角で見ることになるので、モノクロの方がより分子雲の度合いがわかります。一方、広角で見る場合はモノクロの場合はつぎはぎになってしまうのでカラーの方がお勧めです。

この画面を表示させるためにはもう一つやることがあります。このやり方が最初どうしてもわからなくてしばらくの間ずっと画像を表示できなくてやきもきしていたのですが、色々調べてやっとわかりました。画面右端にカーソルを持っていくと出てくる「設定画面」から「Extras」タブで「Show HiPS button」をオンにして、画面下に出てきた「Toggle Hierarchical Progressive Surveys (experimental)」をオンにすると、やっと上のような画像が出てきます。でもこの機能はとても重いのと、多分データをその都度ダウンロードしているようなので、ある程度早いCPUパワーとネットワークが必要になるかと思います。

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他に面白いのは、「IRAS IRIS HEALPix survey, color」でしょうか。天の川全体を表示させるような場合は、IRAS IRIS HEALPix survey, color上のDSS coloredのように、カラー化されたものの方が見やすそうです。

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IRAS IRIS HEALPix survey, color

Surveysの方のリストはたくさんありすぎて私も全部は見ていません。いくつかのデータは表示してもほとんど何も変化がなかったりもするので、もしかしたら多少加工しなければ見えないようなデータもそのまま表示してしまっているのかもしれません。もしリストの中で他にも撮影の役に立ちそうなものがあったら、コメントなどで情報共有してもらえるとありがたいです。

あと全く別の同様の機能に、「デジタル・スカイ・サーベイ(DSS)ボタン」があります。こちらも画面右端にカーソルを持っていくと出てくる「設定画面」から「Extras」タブで設定できます。画面下に出てきた「デジタル・スカイ・サーベイ(TOAST)」ボタンを押すと、分子雲なども多少見ることができる背景が表示されますが、「Survey」で表示されるものの方が見やすいかと思うので、あまりこの機能はお勧めしません。

いずれにせよ、上の両機能ともものすごく重いので、お勧めの表示のさせ方を書いておきます。
  • まずプラネタリウム表示の時間経過を止める。画面下の三角ボタンを押すと止まります。
  • 画面を移動する時には、両機能ともオフに。
というくらい気を使うことになると思います。

また、最近のステライメージも最新版では多波長に対応しているとのこと。おそらく、画像を多少加工してあるのでしょうか、ステライメージの方が見やすくなっているようなので、こちらもお勧めです。

分子雲モクモク画面を見ていると、かなり構図決定の参考になるかと思います。これからもこういったものを撮影に活用していければと思います。

 

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