星をもとめてで購入したVixenファインダーアイピースですが、コメントをいただいたりっくんさんのリクエストに答えて、早速SCOPIOのf800mmに取り付けて試してみました。焦点距離が100mmのアイピースと同等なので、8倍という双眼鏡クラスのかなり低倍率になります。31.7mmのアイピース取り付け口に普通に差し込むことができます。


まずファインダーとしてです。
  • 両目導入をしたいと考えると、天頂プリズムなどは当然使うことができません。このアイピースは普通のアイピースに比べて大きいのと、長さがかなりあるため、結構しゃがんで覗かなくてはいけません。天頂の方をのぞく時などは普通のファインダーの位置よりかなり覗くところが下になります。
  • 両目導入は普通にできます。右目をファインダー、左目を裸眼で両方いっぺんに見ます。左目のターゲットに合わせて右目の十字線を左目のターゲットに合わせて持ってくると視野に入ってきます。
  • 普通のファインダーのような初期調整を全く必要としないところは、初心者には優しいと思います。
  • ピントが合う範囲が意外に広いので、唯一必要なピント調整も苦労することはないと思います。
  • 結構重いので、アイピースホルダーからストンと落ちそうになったことがありました。でも、切り欠きがあり落下防止が付いているので、落ちることはなかったです。


次に長焦点距離のファインダーとしてです。実は私はこちらの方に期待していました。
  • まず、長い本体にさらに結構長めのアイリリーフと言っていいのでしょうか、長いゴム状の筒がついています。そのためりっくんさんがコメントされたように、底を覗く感じという表現がぴったりです。
  • なんでこんなものがついているのかと思ったのですが、簡単に外れるので外してみてその理由がわかりました。思ったより像が見える位置が限られるのです。光線上にうまく瞳を持ってこなくては見えないという意味です。なので、アイリリーフで長い距離を稼いで、光軸と瞳を合わせようとしているのだとわかりました。
  • もう一つ重要な点ですが、倍率は低いけれども、決して視野が広いというわけではないということです。試しに月をこの100mmのファインダーアイピースと、20mmの別の星まつりで買った格安アイピース(特に視野が広いわけではないごくごく普通のという意味)で見比べてみるとよくわかるのですが、見ることのできる範囲は実際にはほとんど変わらなく、100mmの方が(倍率が低いために)小さく見えるというだけです。同じ範囲を遠くから見るか(100mmファインダーアイピース)、近くで大きく見るか(普通の20mmアイピース)と言った表現が近いでしょうか。

月をスマホでそれぞれ撮ってみました。

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100mmのファインダーアイピースの見え方


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一般の20mmのアイピースでの見え方

月の明るすぎるとか、ピントが合っていないとか、雲がかかってるとかは気にしないで下さい。外の円に対して月がどれくらいの比率で見えるかが重要です。結局見えている視野角としてはほとんど変わらないのがわかると思います。その代わりに月の大きさは焦点距離の倍率に従って5倍くらい変わっているのがわかります。この印象は目で見たときも同じです。

あわよくば焦点距離400mmくらいの短焦点の鏡筒にこの100mmのアイピースを使って4倍くらいにして視野を広げて星座でも見ようかと思っていました。その思いが拭い去れずに、ダメだと思いつつタカハシのFS-60CB(焦点距離355mm)で実際に小さい部類のこと座を見てみました。もうわかってはいましたが、さすがに視野がそこまで広いわけではないので、なかなか星座の形として認識することはできず、WideBinoのようにはいかないです。


でもせっかくなので、使う場面を想定してみましょう。私の場合、例えばFS-60やMEADEの25cmのシュミカセもそうなのですが、シンプル化や電子ファインダーを使ってしまうために、あえて鏡筒にファインダーをつけていないことも多いです。たまにどうしても導入がうまくいかなくて、でもファインダーをつけるのがめんどくさくて、鏡筒の直線部分を延長してのぞいて、無理やり、しかも苦労して導入することがあります。そんなときにはこのファインダーアイピースが役に立つのではと思いました。


あと、多分この種のものはある意味変わり種といいますか、使ってみると苦労して設計されたのが分かる気がするのですが、私はこれが製品化されたこと自体をすごく評価したいと思います。しかも定価4500円と、お試し価格のような素晴らしい値段設定で、気になったら本当に気楽に試すことができます。こういったメーカーの冒険心はいつか画期的な素晴らしい製品に結びつくのではと、ついつい期待してしまいます。厳しい昨今、売り上げがどうかとかは私にはわかりませんが、どうかこの手の火を絶やさないでいただきたいと切に願います。


最後にまとめですが、初心者にとって、普通のファインダーの初期調整というのは意外に難しいとよく聞きます。大きめで少し癖のあるこのファインダーアイピースですが、その初期調整が省けるというだけでも価値はあるのかと思います。定価で税別4500円と値段的にはかなり安い部類に入ると思うので、試しに持っておくのはいいのかもしれません。