今回サイトロンさんから、まもなく発売される予定の入門用のCMOSカメラをお借りすることができました。まだ型番もついていない段階のものです。いい機会なので、このカメラを使ってできるだけ手軽な電視観望を試してみることにしました。
(2020/10/12追記) 2020年10月10日に正式発表されました。型番はSV305-SJとなります。SJはサイト論ジャパンの頭文字だそうです。販売ページはこちらになります。
星や宇宙のことに興味があり、できるなら星雲や星団、銀河などを見てみたいけれども、難しいのではないかと思っているような方にお役に立てたらと思います。もしよければ、この記事を読んでぜひ電視観望を試してみてください。
昔は確かにそうだったかもしれません。でも最近はCMOSカメラと呼ばれる高感度なカメラを使うことで、以前からは考えられないくらい小さな望遠鏡で、はるかに手軽にきれいに星雲などを見ることができるようになってきました。今回もガイド橋と呼ばれる、むしろ普通の望遠鏡よりも小さな鏡筒を使っています。
今回紹介する電視観望と呼ばれている方法は、大きくわけて4つのものが必要になります。
カメラはCMOSカメラと呼ばれる、天体用に販売されているものが適しています。今回使用するサイトロン から販売されるCMOSカメラは、電視観望をすることができるカメラの中では最も安価な部類になると思います。
実はこのカメラ、SVBONY社のSV305と同等品で、違いはフィルター部のみ。SV305はセンサーの前に赤外線カットのフィルターが入っているため、星雲のHαの赤色を出すのに苦労しているという情報があります。今回のサイトロン社のカメラはフィルター部を通常の保護ガラスに変えているとのことで期待できそうです。
上の写真にはカメラの先端にUV/IRカットフィルターというものが付けてあります。これは赤ハロと呼ばれる星が肥大することを防いだりする役割があります。(2020/10/12追記: 正式発表を見るとこのUV/IRカットフィルターが付属した形での販売となっています。)
カメラが入門用で比較的安価に購入できる反面、センサーの面積が小さく、天体の導入がなかなか大変になります。そのため、鏡筒(望遠鏡)はできるだけ短い焦点距離のものにして、広角で広い範囲を見るようにして、導入をしやすくしようと思います。例えば焦点距離が200mm台くらいになるとアンドロメダ銀河が画面にちょうど収まるくらいになります。ところが、焦点距離200mm台の短めの鏡筒を探すのは意外に難しく、今回はガイド鏡として販売されているSky-WatcherのEVOGUIDE 50EDを使ってみることにしました。
焦点距離は242mmなのでちょうどいいくらい、またEDレンズを使いながら税込で実売2万5千円くらいと、性能の割に比較的安価です。
EVOGUIDEを箱から出すと、ガイド用のマウントがついています。
このままだと扱いにくく、経緯台や赤道儀に直接取り付けたいので、下のマウント部を取り外し、代わりにVixen規格のアリガタを取り付けました。
今回は上の写真のように手持ちのアリガタを使いましたが、例えば下のリンク先のアリガタのように真ん中に溝が切ってあるものならネジとナットで止めることができるはずです。このように、自分でいろいろカスタマイズすることで応用が広がります。
鏡筒にCMOSカメラを取り付け準備完了です。ちなみに、緑のリングはこれくらいの位置でピントが出るはずです。実際に使う場合は参考にしてみてください。
電視観望の場合、目的の天体を次々見ていくことになるので、自動導入ができる経緯台や赤道儀があると便利です。今回はSky-Watcherの自動導入経緯台AZ-GTiを使います。
AZ-GTiを三脚に乗せ、鏡筒とカメラを取り付けます。この時、AZ-GTiについている水準器を見て、きちんと水平に設置されているか確認します。また、AZ-GTiの背の部分についている大きなネジを緩めて、鏡筒もできるだけ水平になるようにして再びネジを締めます。さらに、AZ-GTiの下の方についている小さいネジを緩めて、水平方向に回転させて鏡筒の先が北になるように向け、最後にネジを締めます。
電視観望にはWindowsコンピュータが必須です。ノートPCだと便利です。手持ちのPCがあればまずはそれで試すので構いませんし、もしあまりのPCとか無ければPCを別途用意して下さい。少し前の安い中古PCでも十分楽しむことができます。Windows10が入っている時代のものならば十分なはずです。
PCにはSharpCapというソフトを入れてください。この際、必ず32bit版を使うようにしてください。今回のカメラはまだ64bit版では動かないようです。
PCの準備ができたら、次に、カメラをコンピュータにUSBで接続します。USB2.0という少し前の規格になりますので、ケーブルの種類に気をつけてください。コネクタの中の色い白いプラスチック部分が見えるケーブルなら使うことができます。
SharpCapを立ち上げて、メニューのCameraのところから接続します。SharpCapからはSVBonyのSV305と認識されるので、やはり同等品ということがわかります。
さて、画面に何か写っていますでしょうか?鏡筒が水平を向いているので、鏡筒が向いている先の地上の何かが写っているはずです。でもおそらくピントが合っていないはずなので、ぼんやりと写るだけだと思います。最初慣れないうちはいきなり夜ではなく、昼間に試して遠くの方を見てピントをある程度合わせておいた方がいいかもしれません。
ここでAZ-GTiの電源を入れて、スマホやタブレットで接続します。スマホやタブレットにはあらかじめSynScanまたはSynScan Proを入れておいてください。「アラインメント」でどこか明るい星を導入し、どの方向を向いているのかAZ-GTiに教えてやります。最初はワンスターアラインメントでいいでしょう。火星などの明るく見える惑星でもいいですし、秋ならこの季節唯一の一等星のフォーマルハウトでもいいでしょう。
この状態でSharpCapの画面に移ります。まず、Exposure(露光時間)を1秒程度にします。Gain(ゲイン)はとりあえず7.5とかでいいでしょう。SharpCapの画面に何か反応があるはずです。
ここで重要なのは、右下の赤、青、緑の線が出ている「Display Histgram Stretch」画面で、真ん中の黄色の点線を左の山の手前まで動かし、一番左の黄色い点線を山の左側まで持ってくることです。こうすることで、暗く映りにくい星や、星雲などを明るく映し出すことができます。
この状態で星が既に写っていればいいですが、写っていなければピントが合っていない可能性が高いです。EVOGUIDEの場合は、太い緑リングの横の少し大きめのネジを緩めて、その緑リングをクルクル回してピント位置を探します。ピントが合ったら、先ほど緩めた大きめのネジを締めて置きましょう。これでこれ以上ピントはずれないはずです。
どうしても星が見えない場合は、鏡筒がきちんと星の方向を向いているか、(よくあることですが)レンズキャップがついたままになっていないかなどチェックしてみてください。
何かの星が見えたら、最初にターゲットにした明るい恒星がSharpCapの画面に入っているか確認してみてください。入っていなければSynScanでAZ-GTiをコントロールして鏡筒の向きを変えて、ターゲットの恒星を探します。三脚の水平がきちんと取れていれば、SynScanの左右ボタンだけを押して左右に振るだけで見えるはずです。それでももし見えなかったら、上下方向も少し動かしてみてください。
うまくターゲットの星が入ったら初期アラインメントは完了です。ではいよいよ星雲や銀河で電視観望を始めましょう。
例えば秋ならM31「アンドロメダ銀河」を見てみましょう。SynScanで「ディープスカイ」からメシエのところに「31」と入れるか、「名前がつけられた天体」を押して「アンドロメダ星雲」(銀河なのに何故か星雲となっています)を探して押します。
アンドロメダ銀河は、SharpCapの画面上でボーッとした淡い楕円に見えるはずです。明らかに他の星とは違って見えます。もし画面内にそのような楕円が入っていなかったら、SynScanの方向ボタンを押して少し周りを探ると(初期アラインメントさえうまくいっていたら)それほど遠くない位置に見つかるはずです。うまく画面内に入ってきたら、できるだけ真ん中に持っていってください。
ここでSharpCapで露光時間(Exposure)を15秒くらいにしてみて下さい。よりはっきり見えてきたと思います。もっとはっきりさせたい場合、SharpCapの上の真ん中らへんの「Live Stack」というボタンを押してください。しばらく待つと、見えている画面が何枚も重なってノイズが減り、より天体がはっきり見えてくるはずです。その際、画面下のヒストグラムの左と中央の黄色い点線を先ほどと同じように、山の両側に持ってきてください。さらに、画面右の小さなヒストグラムに拡大された山が見えると思います、そこで微調整してみてください。
うまくいくとアンドロメダ銀河が下の画面くらい見えるようになると思います。暗黒帯も少し見えていて構造もわかると思います。近くのM32も見えていますね。
ヒストグラムの黄色い点線の位置は写真くらいの位置で見やすくなると思います。参考にして下さい。
一つ目ん天体が見え、十分満喫できたら、次のターゲットに挑戦してみましょう。
例えばアンドロメダ銀河のすぐ近くにある、さんかく座のM33回転銀河です。近い天体なので、アンドロメダ銀河がきちんと入っていればM33も問題なく入るはずです。アンドロメダ銀河に比べると流石に淡いですが、なんとか形は分かります。
だんだん時間が経つと、冬の代表的な星雲のM42オリオン座大星雲も登ってきます。濃淡の広がりがよくわかる大迫力の星雲です。目ではなかなか見えないのに、こんなに色鮮やかな天体が夜空には隠れてるんですね。
オリオン大星雲の近くにある馬頭星雲と燃える木です。燃える木はまだ見えていますが、馬頭星雲の方はさすがに淡いです。もう少し露光時間を伸ばした方がいいのかもしれません。上に見える明るい星は、オリオン座の三つ星の一つ「アルニタク」です。
最後はM45「プレアデス星団」、和名で「すばる」です。青い分子雲も多少見えています。これは少し驚きました。今回自宅から電視観望をしているのですが、分子雲がこの場所でこんなに見えるのは初めてです。馬頭星雲は相当淡かったですが、すばるの分子雲は期待した以上に見えました。どうもこのカメラは赤よりも青い方の方が見やすいようです。
いかがでしたでしょうか?比較的安価なSV305相当で、かつフィルター部分が星雲用に改善された、サイトロンからまもなく販売されるCMOSカメラを使って、どんな機材を使えば電視観望ができるかを紹介してみました。
この記事を見て電視観望に挑戦してみようと思っている方、実際に挑戦してみた方、もし分からないことがあったらメントに書き込んでください。できる限り答えようと思っています。また、うまくいった!という報告も大歓迎です。
今回の記事を読んで電視観望をやってみようと思った人に、もっと突っ込んだ記事を続編で書いてみました。実際に当たる壁と思われるようなことなども書いてあります。よかったら読んでみて下さい。
(2020/10/12追記) 2020年10月10日に正式発表されました。型番はSV305-SJとなります。SJはサイト論ジャパンの頭文字だそうです。販売ページはこちらになります。
星や宇宙のことに興味があり、できるなら星雲や星団、銀河などを見てみたいけれども、難しいのではないかと思っているような方にお役に立てたらと思います。もしよければ、この記事を読んでぜひ電視観望を試してみてください。
電視観望で宇宙を見る
もしかしたら、星雲や銀河を見るためには大きな望遠鏡が必要だと思っていませんでしょうか?
昔は確かにそうだったかもしれません。でも最近はCMOSカメラと呼ばれる高感度なカメラを使うことで、以前からは考えられないくらい小さな望遠鏡で、はるかに手軽にきれいに星雲などを見ることができるようになってきました。今回もガイド橋と呼ばれる、むしろ普通の望遠鏡よりも小さな鏡筒を使っています。
今回紹介する電視観望と呼ばれている方法は、大きくわけて4つのものが必要になります。
- CMOSカメラ
- 鏡筒(望遠鏡)
- 自動導入の経緯台もしくは赤道儀と三脚
- Widowsコンピュータ
1. CMOSカメラ
カメラはCMOSカメラと呼ばれる、天体用に販売されているものが適しています。今回使用するサイトロン から販売されるCMOSカメラは、電視観望をすることができるカメラの中では最も安価な部類になると思います。
実はこのカメラ、SVBONY社のSV305と同等品で、違いはフィルター部のみ。SV305はセンサーの前に赤外線カットのフィルターが入っているため、星雲のHαの赤色を出すのに苦労しているという情報があります。今回のサイトロン社のカメラはフィルター部を通常の保護ガラスに変えているとのことで期待できそうです。
上の写真にはカメラの先端にUV/IRカットフィルターというものが付けてあります。これは赤ハロと呼ばれる星が肥大することを防いだりする役割があります。(2020/10/12追記: 正式発表を見るとこのUV/IRカットフィルターが付属した形での販売となっています。)
2. 鏡筒
カメラが入門用で比較的安価に購入できる反面、センサーの面積が小さく、天体の導入がなかなか大変になります。そのため、鏡筒(望遠鏡)はできるだけ短い焦点距離のものにして、広角で広い範囲を見るようにして、導入をしやすくしようと思います。例えば焦点距離が200mm台くらいになるとアンドロメダ銀河が画面にちょうど収まるくらいになります。ところが、焦点距離200mm台の短めの鏡筒を探すのは意外に難しく、今回はガイド鏡として販売されているSky-WatcherのEVOGUIDE 50EDを使ってみることにしました。
焦点距離は242mmなのでちょうどいいくらい、またEDレンズを使いながら税込で実売2万5千円くらいと、性能の割に比較的安価です。
EVOGUIDEを箱から出すと、ガイド用のマウントがついています。
このままだと扱いにくく、経緯台や赤道儀に直接取り付けたいので、下のマウント部を取り外し、代わりにVixen規格のアリガタを取り付けました。
今回は上の写真のように手持ちのアリガタを使いましたが、例えば下のリンク先のアリガタのように真ん中に溝が切ってあるものならネジとナットで止めることができるはずです。このように、自分でいろいろカスタマイズすることで応用が広がります。
鏡筒にCMOSカメラを取り付け準備完了です。ちなみに、緑のリングはこれくらいの位置でピントが出るはずです。実際に使う場合は参考にしてみてください。
3. 自動導入経緯台AZ-GTi
電視観望の場合、目的の天体を次々見ていくことになるので、自動導入ができる経緯台や赤道儀があると便利です。今回はSky-Watcherの自動導入経緯台AZ-GTiを使います。
AZ-GTiを三脚に乗せ、鏡筒とカメラを取り付けます。この時、AZ-GTiについている水準器を見て、きちんと水平に設置されているか確認します。また、AZ-GTiの背の部分についている大きなネジを緩めて、鏡筒もできるだけ水平になるようにして再びネジを締めます。さらに、AZ-GTiの下の方についている小さいネジを緩めて、水平方向に回転させて鏡筒の先が北になるように向け、最後にネジを締めます。
4. Windowsコンピュータのセットアップ
電視観望にはWindowsコンピュータが必須です。ノートPCだと便利です。手持ちのPCがあればまずはそれで試すので構いませんし、もしあまりのPCとか無ければPCを別途用意して下さい。少し前の安い中古PCでも十分楽しむことができます。Windows10が入っている時代のものならば十分なはずです。
PCにはSharpCapというソフトを入れてください。この際、必ず32bit版を使うようにしてください。今回のカメラはまだ64bit版では動かないようです。
PCの準備ができたら、次に、カメラをコンピュータにUSBで接続します。USB2.0という少し前の規格になりますので、ケーブルの種類に気をつけてください。コネクタの中の色い白いプラスチック部分が見えるケーブルなら使うことができます。
SharpCapを立ち上げて、メニューのCameraのところから接続します。SharpCapからはSVBonyのSV305と認識されるので、やはり同等品ということがわかります。
さて、画面に何か写っていますでしょうか?鏡筒が水平を向いているので、鏡筒が向いている先の地上の何かが写っているはずです。でもおそらくピントが合っていないはずなので、ぼんやりと写るだけだと思います。最初慣れないうちはいきなり夜ではなく、昼間に試して遠くの方を見てピントをある程度合わせておいた方がいいかもしれません。
初期アラインメント
ここでAZ-GTiの電源を入れて、スマホやタブレットで接続します。スマホやタブレットにはあらかじめSynScanまたはSynScan Proを入れておいてください。「アラインメント」でどこか明るい星を導入し、どの方向を向いているのかAZ-GTiに教えてやります。最初はワンスターアラインメントでいいでしょう。火星などの明るく見える惑星でもいいですし、秋ならこの季節唯一の一等星のフォーマルハウトでもいいでしょう。
この状態でSharpCapの画面に移ります。まず、Exposure(露光時間)を1秒程度にします。Gain(ゲイン)はとりあえず7.5とかでいいでしょう。SharpCapの画面に何か反応があるはずです。
ここで重要なのは、右下の赤、青、緑の線が出ている「Display Histgram Stretch」画面で、真ん中の黄色の点線を左の山の手前まで動かし、一番左の黄色い点線を山の左側まで持ってくることです。こうすることで、暗く映りにくい星や、星雲などを明るく映し出すことができます。
この状態で星が既に写っていればいいですが、写っていなければピントが合っていない可能性が高いです。EVOGUIDEの場合は、太い緑リングの横の少し大きめのネジを緩めて、その緑リングをクルクル回してピント位置を探します。ピントが合ったら、先ほど緩めた大きめのネジを締めて置きましょう。これでこれ以上ピントはずれないはずです。
どうしても星が見えない場合は、鏡筒がきちんと星の方向を向いているか、(よくあることですが)レンズキャップがついたままになっていないかなどチェックしてみてください。
何かの星が見えたら、最初にターゲットにした明るい恒星がSharpCapの画面に入っているか確認してみてください。入っていなければSynScanでAZ-GTiをコントロールして鏡筒の向きを変えて、ターゲットの恒星を探します。三脚の水平がきちんと取れていれば、SynScanの左右ボタンだけを押して左右に振るだけで見えるはずです。それでももし見えなかったら、上下方向も少し動かしてみてください。
うまくターゲットの星が入ったら初期アラインメントは完了です。ではいよいよ星雲や銀河で電視観望を始めましょう。
電視観望の開始!
例えば秋ならM31「アンドロメダ銀河」を見てみましょう。SynScanで「ディープスカイ」からメシエのところに「31」と入れるか、「名前がつけられた天体」を押して「アンドロメダ星雲」(銀河なのに何故か星雲となっています)を探して押します。
アンドロメダ銀河は、SharpCapの画面上でボーッとした淡い楕円に見えるはずです。明らかに他の星とは違って見えます。もし画面内にそのような楕円が入っていなかったら、SynScanの方向ボタンを押して少し周りを探ると(初期アラインメントさえうまくいっていたら)それほど遠くない位置に見つかるはずです。うまく画面内に入ってきたら、できるだけ真ん中に持っていってください。
ここでSharpCapで露光時間(Exposure)を15秒くらいにしてみて下さい。よりはっきり見えてきたと思います。もっとはっきりさせたい場合、SharpCapの上の真ん中らへんの「Live Stack」というボタンを押してください。しばらく待つと、見えている画面が何枚も重なってノイズが減り、より天体がはっきり見えてくるはずです。その際、画面下のヒストグラムの左と中央の黄色い点線を先ほどと同じように、山の両側に持ってきてください。さらに、画面右の小さなヒストグラムに拡大された山が見えると思います、そこで微調整してみてください。
うまくいくとアンドロメダ銀河が下の画面くらい見えるようになると思います。暗黒帯も少し見えていて構造もわかると思います。近くのM32も見えていますね。
ヒストグラムの黄色い点線の位置は写真くらいの位置で見やすくなると思います。参考にして下さい。
星雲、銀河が次々と!
一つ目ん天体が見え、十分満喫できたら、次のターゲットに挑戦してみましょう。
例えばアンドロメダ銀河のすぐ近くにある、さんかく座のM33回転銀河です。近い天体なので、アンドロメダ銀河がきちんと入っていればM33も問題なく入るはずです。アンドロメダ銀河に比べると流石に淡いですが、なんとか形は分かります。
だんだん時間が経つと、冬の代表的な星雲のM42オリオン座大星雲も登ってきます。濃淡の広がりがよくわかる大迫力の星雲です。目ではなかなか見えないのに、こんなに色鮮やかな天体が夜空には隠れてるんですね。
オリオン大星雲の近くにある馬頭星雲と燃える木です。燃える木はまだ見えていますが、馬頭星雲の方はさすがに淡いです。もう少し露光時間を伸ばした方がいいのかもしれません。上に見える明るい星は、オリオン座の三つ星の一つ「アルニタク」です。
最後はM45「プレアデス星団」、和名で「すばる」です。青い分子雲も多少見えています。これは少し驚きました。今回自宅から電視観望をしているのですが、分子雲がこの場所でこんなに見えるのは初めてです。馬頭星雲は相当淡かったですが、すばるの分子雲は期待した以上に見えました。どうもこのカメラは赤よりも青い方の方が見やすいようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?比較的安価なSV305相当で、かつフィルター部分が星雲用に改善された、サイトロンからまもなく販売されるCMOSカメラを使って、どんな機材を使えば電視観望ができるかを紹介してみました。
この記事を見て電視観望に挑戦してみようと思っている方、実際に挑戦してみた方、もし分からないことがあったらメントに書き込んでください。できる限り答えようと思っています。また、うまくいった!という報告も大歓迎です。
今回の記事を読んで電視観望をやってみようと思った人に、もっと突っ込んだ記事を続編で書いてみました。実際に当たる壁と思われるようなことなども書いてあります。よかったら読んでみて下さい。