ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:鏡筒 > PST

休日で晴れているので太陽撮影です。大きな目的は粒状班ですが、まずはHα画像から。


セットアップ

取り掛かったのは、がストのモーニングでのんびりして帰ってきてからの、ちょうど正午12時くらいからでしょうか。

まずはいつものC8とPSTです。まずPCの画面に写した段階で、そこまでシンチレーションは酷くはないですが、前回の9月10日の時よりも明らかに揺れています。もうこの時点で粒状班は諦めました。Hα画像も処理をしてみると分解能が明らかに劣っています。なのでこの日の画像は記録程度の意味しかありません。


Hα画像

結果だけ示します。真ん中ら辺に目立つ黒点が2つ出ていました。宇宙天気ニュースによると、大きい方からAR3435とAR3440だそうです。番号が小さいほうが先に出ていたもので、先に裏側に回り込みます。

AR3435
12_44_01_lapl4_ap485_IP


AR3440
12_31_29_lapl4_ap530_IP

シンチレーションがいいとImPPGのSigmaが小さい値でかなり細かい模様が残り、分解のがいいことがよくわかります。9月10日の画像は1.5とかせいぜい2でした。シンチレーションが悪くなると、Sigmaの値を大きくしてごまかすような形になります。今回は3とか4でしたので、やはり分解能がでないです。

プロミネンスもいくつか出ていましたが、一つだけ撮影しました。

12_15_48_lapl4_ap530_IP

撮影データです。
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 撮影時間: 2023年9月24日12時15分-12時44分
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.1 (64bit)
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理


VISACでの粒状班撮影

シンチレーションが悪いので多分ダメなのはわかっているのですが、一応粒状班を撮影してみました。前回PowerMATEの2倍では拡大率が不十分だったので、今回はPowerMATEの4倍を使いました。

今回はC8だけでなく、VISACでも撮ってみました。もしかしたらC8に固有の問題があるかもしれないとも思ったからです。でも見た限りだと、C8もVISACもどちらも同様で劇的な違いはなく、どちらも全然ダメでした。

IMG_8604

撮影したものですが、結局画像処理をするとC8でとったものの方が少しだけよかったので、こちらを載せておきます。

13_12_03_lapl4_ap667_PI_cut

でもまだ分解能が全然足りていません。また休日に晴れていたら撮影してみます。


今年の夏は殺人的な暑さでした。9月に入ってやっと少しだけ暑さが和らいだのと、休日と晴れが重なったので、久しぶりに太陽撮影を試みました。2023/9/10の撮影分になります。前回の太陽撮影はゴールデンウィークの頃なので、もう4ヶ月も前のことになります。


今回の主な目的は2台のPSTを比較して2台目の方が良像範囲が広いと判断した5月の検証を再度確かめることです。




黒点

黒点群AR3423です。この日はシンチレーションも悪くなく、そこそこ細部まで出たのかと思います。

10_02_58_lapl4_ap530_cut
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • 撮影時間: 2023年9月10日10時2分
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.1 (64bit)
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理

元のモノクロのカット前の画像が下になります。

10_02_58_lapl4_ap530_mono

左側がのっぺりしているのがわかると思います。これを見る限り良像範囲は8割程度でしょうか。前のPSTが3-4割といったところだったので、かなり使える範囲が増えたのかと思います。 細部もそこそこでているので、今後も2台目PSTでそのまま継続できるかと思います。

一つ心配なのが、真ん中から右にかけてなぜかピントがずれたように見えます。もっと右に行くと大丈夫そうなのですが、少し謎です。再発するようなら原因を探ってみます。


プロミネンス

この日はプロミネンスもたくさん出ていました。目立つものをいくつか載せておきます。画像処理はあまり気合が入っていません。

まずは、かなり広い範囲に渡ったプロミネンスですが、手前側の光球面上に広がっている様子もわかります。プロミネンス越しでは光球面の細部が出にくくなっているのがわかると思います。
10_05_35_lapl4_ap539_cut

こちらも下部からプロミネンスが伸びて繋がっているのがわかります。やっとここら辺を出せるようになってきました。
10_07_34_lapl4_ap539_cut

スピキュールがピンピンしてますね。こんなときはシーイングがいい日だということがわかります。
10_07_50_lapl4_ap539_cut


粒状斑

前回C8にアルミシートを巻いて、少し熱流対策をしました。その効果かわかりませんが、2倍のPowerMATEで少し粒状斑が出ました。

11_43_47_F0001-1000_raw_lapl7_ap3392_IP._cutjpg

でもまだ動画の時点ではっきり出ているとは言い難いので、まだシーイングがかなりいいとは言えないでしょう。太陽撮影は休日に限られてしまうのでタイミングが難しいのですが、できるだけシーイングがいい日を探して継続していきたいと思っています。


まとめ

やっと昼間に太陽を見る気になるような気温になってきました。忙しくてブログをまとめてなかったのですが、明日から日曜、月曜と連休を利用しての京都の「星をもとめて」なので、それまでにまとめておこうと画像処理も含めて記事を書き上げました。

今日の夜は飛騨コスモス天文台で観望会、でも天気は微妙です。明日は朝から京都「星もと」へ移動です。星もとでは胎内に引き続いて、ユニテックブースでSWAT+AZ-GTI=SWAgTiの展示とデモをする予定です。関西の星仲間に会えるのを楽しみにしています。


ゴールデンウイーク初日に久しぶりに太陽に復帰したのですが、まだいまいち調子が出ません。



今回も改めて認識できたのですが、長年懸念の大きな課題が2つあります。
  • 一つはPSTのHαの良蔵範囲が小さいのが気になること、
  • もう一つがシーイングはそこそこなのに粒状班がなかなか出ないこと
です。

この記事では、まずはPSTのHαの良蔵範囲について考えたいと思います。


エタロン取り出し

最近のPSTを使っての太陽のHα画像を見ていて、どうもシマシマやモジャモジャのみえる良蔵範囲が狭いのではないかと思うようになってきました。まずはエタロンの設置角度が悪いのではと思い、最初に分解して以来、久しぶりにエタロン部を分解してエタロン本体を取り出してみました。

7BA32E20-ADD0-4B40-BF93-1E95DEB46A61

いい機会なのでついでにエタロンを少し観察してみます。

エタロンは、開発者のCharles FabryとAlfred Perotの二人の名前を冠したファブリーペロー干渉計などとも呼ばれ、2枚の鏡を合わせ鏡状態で平行に並べた光共振器になっています。鏡の平行度がとても大切で、鏡が傾いて取り付けられると光がうまく干渉せず、共振状態になりません。どれくらいの角度の精度が必要かは鏡間の距離に依存しますが、評価はTEM(Transverse ElectroMagnetic、横モード)00モードが他の高次モードに比べてどれだけ出てくるかで評価します。PSTでは2枚の鏡の間に等厚のスペーサを4つ入れて、角度の精度を出しているようです。上の写真をよく見ると、鏡の隙間の中にスペーサーがあるのが分かります。

エタロンを正面から見てみましょう。
D3A5F56D-E037-4049-AE97-8A87EA2FE186

4隅にスペーサーがあるのがわかると思います。でもスペーサーの形が超適当です。これは下手なカットをして端部で厚みが変わるのを避けているためと思われます。接着はこの手のものはオプティカルコンタクト(表面の平面度を出して、分子間力で接合する方法)かと思われます。

裏面を見てみます。PSTのやばいデザインの一つ、スポンジでの固定です。
1E9CF658-5986-4974-9FE5-0578D1FE02C7

これも理由がきちんとあって、PSTの回転リングでエタロン本体にかかる圧力を変えて透過波長を調節します。スポンジでDC的な圧力変動に対して追随するというわけです。

このスポンジも面白くて、2つのカケラを貼り付けることで平行度を出しているようです。真横から見ると、この2つのかけらがあって初めてまっ平になっているように見えます。一番上の写真を見直してみると、スポンジに欠けがあります。これはわざとなのかたまたまなのか、理由も含めてよくわかりません。でもなんか欠け際に焦げたような跡が見えるので、もしかしたら何か意味があるのかもしれません。

よくよく考えると、なぜエタロン外側の回転リングを回すと入射光に対してエタロンの角度が変わるのか、まだ理解できていません。回転リングはぱっと見平行に回しているように見えます。言い換えると、均等に圧をかけているだけの気がします。これだけだと角度変化にならない気がします。もしかしたらスポンジの裏面のカケラを置くことで、スポンジの密度を変えていて、そこを支点に入射光に対するエタロンの角度が変わっているのかもしれません。もしそうならコストを抑えたものすごいアイデアです。

とりあえず、見ている限り設置でのエタロンの平行度は問題なさそうなので、元に戻します。


2台目のPST

PSTですが、なぜか自宅にもう一台転がっています。以前やったPST分解講座の前にジャンクで安く出てたのを購入しておいたものです。

844F37C2-8F45-48F7-AD8E-4D7DE55F0225

今回、2台のPSTを2/3インチのセンサーサイズの大きいApollo-M MINIを使って、少し広い範囲で見てみました。結果はというと、
  1. これまでのPSTはPSTのリングを回すと円状に明るく(Hαからずれている)なったり暗く(Hαに合っている)なったりします。
  2. 2台目のPSTはPSTのリングを回すと筋状に明るく(Hαからずれている)なったり暗く(Hαに合っている)なったりします。
1. 円状に良像が変化するということは、レンズ系とエタロンのモードが合っていないなどが考えられます。エタロンを構成する鏡が平面鏡なのか曲率がついているものなのかは不明ですが、曲率がずれている可能性もあります。F10の鏡筒がエタロン手前のレンズで平行光になるように設計されているはずですが、レンズの焦点距離がずれている可能性もあります。もしくはエタロンと鏡筒の位置が間違っている可能性もあります。

2. 一方、スジ状に良像が変化する場合は、エタロンの鏡の平行度がおかしいとか、エタロンが傾いて取り付けられているなどの可能性があります。

いずれにせよ、Apolloに比べて1/3インチセンサーのASI290MMの方が狭い範囲を見ていて、この範囲内に良像が入っていればいいという観点で判断します。

実際の画像を見てみます。ASI290MMで撮影しています。まずはこれまでのPSTです。前日水曜日に撮ったもので、クロップ前のものです。Hαのシマシマが出ている良像範囲としては中央から右と右下方向のみで全画面の4分の1からせいぜい3分の1程度でしょうか。
13_15_56_lapl4_ap551_IP

念のため良像範囲を検討した時の2019年の画像を見てみると、点々でなくきちんとHαのシマシマが出ているのはやはり4分の1程度です。

Capture_08_54_54__08_54_54_lapl5_ap2514_IP

これまで、大きな黒点とかはそこを中心にしてクロップするので、うまく写っていないところをカットして良く見せているだけでした。なので今回撮影したように、中くらいの大きさの複数の黒点が画面全体に広がっている場合は、それらを全部入れようとするとどうしてもHαが出ないところがあるというわけです。

少なくとも2019年から良像の割合はほとんど変わっていないので、エタロンの経年劣化などはないと判断しました。逆にいうと、今回エタロンを取り出してまた入れ直したりしましたが、それくらいでは良像範囲は大きく変わらないということです。エタロンは平行度が命で、自分の手で何かをして良像範囲を劇的に改善するのはかなり難しいとも言えます。

次に、2台目のPSTで連休2日目の木曜に撮ったものです。
15_12_11_lapl4_ap530_IP

2日目のほうがシーイングが悪いので分解能は出てないのですがそれは無視するとして、Hαという意味ではどうも新しいPSTの方が良蔵範囲が広いようです。全画像の半分以上はシマシマが出ているように見えます。

一見黒点付近ではそれにも増して分解能が悪いようも見えますが、波長がHαに近づいてくると(シマシマがより見えるようになるために)白色光では良く見える黒点の形が分かりにくくなってくるはずで、シーイングのせいで分解能が悪いのを差っ引いても、正しい方向に向かっている気がします。


補足: 
そもそもエタロンの劣化はあまり考えにくく、ダメになる時は鏡がずれてしまったりで全く見えなくなる可能性の方が高いと思います。徐々に見えなくなるというシナリオは、鏡の反射面になんらかの支障が出る場合ですが、合わせ鏡の内側のことで、汚れたりコーティングが徐々に劣化していくことも稀かと思います。エタロンというよりは、BF(ブロッキングフィルター)やERFの経年劣化の可能性の方が遥かに高く、全体に暗くなったとかは大抵エタロン以外が原因です。実際エタロンが全く見えなくなった話はたまに聞きますが、だんだん見えなくなってきたという話はこれまで聞いたことがありません。

良像範囲はほぼエタロンの出来で決まるので、ユーザーは改善の手立てがあまりありません。せいぜい傾いていないかの位置調整くらいです。その確認の意味で、先のエタロンの位置を確認してみたというわけです。以前の議論にも書きましたが、物によっては当たりのエタロンもあり、そういったものを手に入れられるなら、大きな範囲で安定したHα像を得られるはずです。そのようなことを議論したのが、4年前の記事:



になります。今回やっと、この時不満に思っていたことを、2台目のPSTと見比べることにより、多少なりとも改善、進化に繋げることができるのかと思います。


まとめ

2台のPSTの比較で、一応の結論は出ました。
  • エタロン自体の改善はユーザーレベルではやはり難しい。
  • ASI290MMの範囲で見る限り、2台目の方が良像範囲が広い。
などです。というわけで今後しばらくは2台目のPSTで進めていこうかと思います。


最近全然画像処理が追いつていません。実は制御勉強会をやった5月22日の日曜の昼間も太陽を撮っていました。太陽は速報性が大事なので、本当はその日のうちに処理した方がいいのですが、その後もなかなか時間が取れなくて、やっと画像処理が終わりました。

まだGW前に撮ったものとGW中に撮ったものが残っているのに、さらに次の新月期が来たので今週また撮影をはじめてしまいました。未処理のものがM104ソンブレロ銀河(RGB)、NGC4038アンテナ銀河(RGB)、M17オメガ星雲(AOS)、アンタレス付近(6D)、M81(LRGB)、M82(LRGB)、M57リング状星雲(ラッキーイメージ)、M99(RGB)などです。それぞれブログ記事にもしたいので、完全に発散状態ですね。

まあ気を取り直して日曜の太陽からです。最近の目的は粒状斑を出すこと。皆さんうまく出しているのですが、私はどうもうまく出すことができません。Orionの太陽用の減光フィルターを使っているのですが、もしかしたらこれが悪いのか、単にシンチレーションが悪いのか、フィルタリングが悪いのか?

とりあえず粒状斑の前に通常のPSTでのHα撮影です。シンプルに黒点群(AR3014とAR3015)と、南西に出てた一番大きなプロミネンスだけ。
64466eaa_cut

f43321f4cut
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 撮影時間: 2022年5月22日14時27分-15時12分
  • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 4.0 (64bit)
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理

最後が粒状斑です。OrionのNDフィルターに今回はYellowを付けてみました。今回はたいした画像処理もせず、少し粒状斑っぽいものが見え始めているようです。

15_12_50_lapl3_ap540_IP

あと、フィルターで波長を絞る必要があるのは確からしくて、バーダーのサイトを見ると540nmで10nm幅のフィルターで粒状斑がうまく見えるらしいです。でもこのフィルターもう売ってないんですよね。

それに、なんで540nmなのか理由がわからなかったので調べてみました。粒状斑の模様を作るのは太陽表面にベナール対流があり、その上昇の温度と下降の境の温度が6000Kらしくて、この温度を境に明るく見えたり透明になって下の暗い層が見えるのが理由だそうです。500nm程度の波長で見ると、上昇が6500K、下降が6000Kに見えて模様になるということのようです。なので必ずしも540nmである必要はなく、その付近の波長、中には赤外などでうまく見えている人もいるようです。

今回、QBP IIIとバーダーのBlack blue、Yellowを組み合わせたりして試しましたが、Yellow単体が一番よく写りました。おそらくC8にASI290MMだとカメラ的に解像度がギリギリで、せっかくシンチレーションがそこそこ良かったのに、バローを入れられなかったところが惜しかったです。次回リベンジです。

あと、540nmのフィルターですが、Player Oneから新たに発売されているのですが、まだ日本では扱っていないようです。サイトロンに問い合わせてみましたが、一応発売されているものは扱う予定があるとのことのなので、今しばらく待とうと思います。ちなみに直接Player Oneの本国のサイトから買おうとしたら、どうもシステムの問題でPayPal支払いができず諦めました。


    4月25日に引き続き、今日も在宅勤務。天気もいいのでこの日も太陽撮影です。

    粒状斑をみるべくNDフィルターをつけて見てみます。これまでの黒点の粒状斑はそこそこ分解できています。黒点外周にある瞳孔の線のようなところの太さよりも、粒状斑の方がまだ大きいはずなので、見えないことはないはずだと思うのですが、今のところはっきりとは全く見える様子がありません。この日は波長依存性などあるかと思い、いくつかフィルターを試しました。試したものは
    • Baaderのダークブルー
    • Baaderの黄色から赤外にかけて
    • Baaderのオレンジから赤外にかけて
    • サイトロンの800nm以上
    • CelestronのMars filter
    です。でもいずれもフィルター無しの場合に比べて、どれかが特に見えるということもなく、粒状班というには程遠い写りです。もしかしたらOrion製のNDフィルターが悪いのか、C8の200mmの口径がまだ足りないのか、やはりシンチレーションがまだまだ良くないのか、いまのところは不明です。GW中、天気が良ければ引き続き何度か試したいと思います。

    その一方、Hαは色々面白いことがありました。まずは、ものすごく大きなプロミネンスが出ていました。撮影中には気づかなかったのですが、実はこれの倍くらいの高さでプロミネンスがさらに左側に広がっていたようです。残念ながら撮影できなかったですが、これだけでもかなり迫力があります。せっかく黒点(AR3001)が近くにあるので、一緒に収めてみました。

    13_31_34_lapl3_ap2098_IP_cut
    • 撮影時間: 2022/4/28 13時31分
    • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
    • エタロン: Coronado P.S.T.
    • 赤道儀: Celestron CGX-L
    • カメラ: ZWO ASI290MM
    • 撮影ソフト: SharpCap 4.0 (64bit)
    • gain150, 0.5ms x 1000フレーム中上位80%を使用 
    • 画像処理: AS3にてスタック、Registaxで細部出し、PhotoshopCCで後処理
    今回やっと光球面も同時にうまく広い範囲で出せるようになったのかと思います。理由は撮影時にリアルタイムフラット補正をしてみたことです。Twitterで知り合いのKym さんがPlayer Oneの太陽撮影解説サイトがいいとつぶやいていたので、ちょっとみてみました。ほとんどは自分でもやっていることですが、その中でリアルタイムフラット補正がいいと書いてありました。とりあえず試してみたら、より広い範囲にわたって均一な明るさになり、画像処理が格段しやすくなったのかと思います。これまでPSTだとHα領域があまり広範囲で出ないと思っていましたが、これまで明るさの違いで見えにくかったエリアの情報をより引き出せるようになったと思います。

    それでももちろん制限はあり、下の画像を見るとわかりますが、特に左右で言うと、画面右側は比較的Hαに合いやすいですが、画面左側はズレるようです。
    13_28_23_lapl3_ap2556_IP
    AR2993、 2994はもう消えかけですね。AR2995はまだ少し楽しめそうです。

    他にも何枚か撮影したのですが、見せることができるのはギリギリでこれくらいです。明日からゴールデンウィークで、おおっぴらに昼間に連続して太陽撮影ができます。せっかくなので、普段できないことをしたいと思います。晴れるといいなあ。


    ふへーっ!晴れが続くと夜も昼も忙しくて寝不足になります。3月12日の土曜日は朝から快晴。久しぶりの太陽撮影です。 


    久しぶりの太陽撮影

    今日の目的はhiroさんが連日コメントで投げてくれているLusol-Guideでの太陽オートガイドのテストなのですが、その前にシーイングもそこそこなので一通り撮影してみました。機材はいつものC8+PSTです。

    詳細を書いておきます。 
    • 鏡筒: Celestron C8、口径203mm、焦点距離2032mm、F10
    • エタロン: Coronado P.S.T.
    • 赤道儀: Celestron CGEM II
    • カメラ: ZWO ASI290MM
    • 撮影ソフト: SharpCap 4.0 (64bit)
    • 撮影時間: 2022/3/12 13時0分-13時35分 gain120-170, 1ms x 1000フレーム中上位50-80%を使用
    • 画像処理: AS3にてスタック、Registax or PixInsightのMultiscaleLinearTransformで細部出し、PhotoshopCCで後処理 
    ほとんどがgain120で、ごく一部のみ170、またほとんどが50%フレームを使用で、最初の2枚のみ80%使用です。 


    太陽黒点

    まずは黒点です。いつの間にかすごい数になっていますね。コンスタントにこれだけあると撮影も楽しいです。位置がどこかわからないので、全体を見る方法もあった方がいいかもしれません。また10cmクラスを用意しますか。一度に複数鏡筒は大変かなあ?
    • 最初は南西方向にある一番大きなAR2960。そこそこの解像度ですが、やはり画面左がHαから離れてしまっています。いつかエタロンの調整をする必要がありそうです。モノクロ版とカラー版を載せておきます。
    13_00_24_lapl4_ap2556_PI_ABE
    _13_00_24_lapl4_ap25561_ABE

    • さらに南西のAS2964、2966黒点群。まもなく裏に回りそうです。
    13_01_12_lapl4_ap1492_PI

    • 北東方向のAR2965です。賑やかですね。左上の方は細かい黒点が散りばめられています。
    _13_07_09_lapl6_ap2568_ABE_PI

    • さらに北東の出てきたばかりのものです。まだ番号はついていないみたいです。
    13_06_25_lapl6_ap450_IP


    プロミネンス

    続いてプロミネンスです。ぐるっと一回りして撮影しましたが、大きなものが3つありました。迫力があって綺麗ですね。

    • 南側のものです。光球面も少し出たので出しておきます。
    13_03_07_lapl6_ap245_IP

    • 北東方向です。
    13_03_57_lapl6_ap189_IP

    • 西です。淡い外側のつながっているのを出そうと思ったので、光球面との境のちょっと処理が甘いです。
    13_05_00_lapl6_ap288_IP


    粒状斑

    そもそもこんなのをこの段階で出していいのか?

    一応粒状斑らしきものが写るようになってきました。今回はORIONの直系20cmの太陽フィルターにTeleVueの2倍のPowermateを噛ませています。

    13_35_28_lapl6_ap551_IP

    ただしこれ、かなりの強画像処理をした後に出てくるので、まだ何が撮れているのか確証が持てません。それでもシーイングが悪いとこんなのさえ全く出ないので、何かが写っているとは思いますが、どうなのでしょうか?

    いつかベナール対流をタイムラプスで撮ってみたいです。口径20cm、焦点距離4000mmではまだ足りないのか、やはりシーイングのせいなのか?実現はまだまだ先のようです。


    まとめ

    太陽撮影ですが、最近とても賑やかなのは嬉しいのですが、反面数が多いと処理が大変です。時間も結構かかっているので少し方法を考えたほうがいいかもしれません。

    あと、オートガイドのLusol-Guideについては長くなるので別記事にします。

    さらに夜の分は馬頭星雲とM100、M101の画像処理が残っています。順に片付けます。

    このページのトップヘ