ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測機器 > ASI294MC

先週、今週と2回にわたり撮影したホタル。前回記事にした静止画に引き続き、今回動画をまとめました。ホタルのリアルタイム撮影は超高感CMOSかめらを手に入れてからずっとやって見たいと思っていたことでした。

カメラはこれがあって初めてリアルタイムのホタル撮影が実現したと言ってもいいZWO社のASI294MCで、そこに50mmのオールドNIKORレンズをつけています。F1.4なので、ASI294MCの高感度と相まってかなり明るく撮ることができます。ソフトはいつものSharpCapです。それでも実際のホタルが飛ぶのが映るくらいのリアルタイムでの撮影は相当暗かったので、いくつか工夫をしています。

まず動画と言うためには、最低10FPSほどないとスムーズに見えないことがわかりました。できれば20FPSくらいあるとかなり滑らかになります。露光時間でいうと50msということです。今回の動画は主に20FPSで撮ったもので、一部10FPSです。それ以下のものはホタルの軌跡に飛びができてしまっていて使うことを諦めました。15FPS程度が明るさとスピードの妥協点くらいかもしれません。

FPS数を大きくすると、当然一コマあたりの露光時間が短くなるの、でゲインを上げる必要があります。ゲインを上げすぎるとノイズが大きくなり、ダイナミックレンジが小さくなってくるのであまり上げたくありませんが、それでも明るく取ろうとするとほぼ最大ゲインレベルに近いものが必要となります。

それを回避するためにハードウェアビニングを2としました。これで明るさが4倍になります。解像度は落ちますが、それでももともとASI294MCは高解像度なのでビニングしても2072x1410ピクセルで撮影でき、Full HD(1920x1080)を十分確保できます。実はASI294MCのフル解像度4144x2822で撮影すると転送速度の制限で数FPS程度にまで落ちててしまいます。4Kのリアルタイム撮影は、画素数的には足りていてもかなり厳しいのかと思います。

解像度だけを落として転送速度を上げることもできますが、それだと画面の一部だけ切り取ってしまうので、ASI294MCの特徴の4/3インチ大センサーの恩恵が生きてきません。ビニングだと画角は最大のままで解像度だけ落ちるので、大センサーの恩恵が使え、そのまま広角で撮ることができます。


一つ不思議だったのが、RAW16で撮影すると表示画面が相当暗くなってしまうことです。撮影されたファイルを見てもRAW16の方が見た目暗くなるようです。仕方なく今回はRAW8で撮影しましたが、なぜこうなるのか理由がわかっていません。もしかしたらバグの可能性もあります。


撮影した動画の編集はMac上のiMovieで行いました。SharpCapのRAWファイルは.ser形式なので、まずはSER PlayerでAVIに変換します。それでもiMovieはAVIをそのまま読み込むことはできないので、例えばHandBrakeでMP4形式などに変換するか、QuckTime PlayerでMOV形式に変換します。最初HandBreakでやっていたのですが、どうもQuickTimeの方が階調が豊かに出るようです。もちろんビットレートなどの条件によるので一概には言えませんが、編集環境がMacで閉じるならば標準でついて来るQuckTime Playerの方が最初から強制的にMOVに変換して表示してくれるので楽だと思いました。

iMovie上では多少の画像処理ができます。ホワイトバランス、Brightness、コントラスト、レベル補正に相当するもの(ただしRGBまとめて)、彩度、カラーバランスくらいでしょうか。ないよりは遥かにマシですが、やはり少し物足りません。本当は動画上でトーンカーブがいじれればもう少ししまった仕上がりにできたのかもしれませんが、無料のiMovieにそこまで求めるのは酷かもしれません。Premireクラスだとそういったこともできるのでしょうか?他にも、タイトルとかキャプションももう少し豊富だとありがたいと思いました。

タイトルです。シンプルなものを選びました。

vlcsnap-2018-06-14-09h01m27s072

最初の動画は、歩いて行くと一番初めに見えてくる川べりです。いつもはここはそれほど飛んでいないのですが、今年は大量に飛んでいました。さすがに暗いのである程度ノイジーになってしまいます。

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娘のNatsuの手の中で遊んでいるところです。捕まえると小さい子とが寄ってきます。ここは地区を挙げてホタルを保護しているところです。当然ですが、すぐに逃がしてあげます。持って帰るようなことをする人は見たことがないです。地域の方とおしゃべりすることができるのもこの場所の魅力でしょう。ここまでがASI294MCとNIKKOR50mmでの撮影です。

vlcsnap-2018-06-14-09h05m32s269


水路のところの遠景と近景です。この景色が一番好きかもしれません。この2ショットはASI294MCとNIKKOR35mmで10FPSでの動画です。初日でビニングも思いつかなかった、まだ試行錯誤段階の時です。

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次が前回も出した比較明合成のために撮ったもののタイムラプス映像です。EOS 60DとシグマのF3.5, f10-22mmです。

vlcsnap-2018-06-14-09h07m32s302

再びASI294MCとNIKKOR50mmで動画撮影です。かなり暗くて相当厳しいです。

vlcsnap-2018-06-14-09h07m15s043


最後がASI294MCシグマのF3.5, f10-22mmでの天の川撮影です。天の川はそこそこ出ているのですが、調整不足で周辺がかなり流れてしまっています。

vlcsnap-2018-06-14-09h06m48s740


さて、実際の動画ですが、下がYouTubeにアップしたものになります。まともに動画を編集しようとしたのは今回が初めてで、YouTubeへのアップも初めて少し真面目にやって見ました。推奨のH.264で15Mbpsでアップしましたが、それでもやはりオリジナルのものからは、特に階調と細部描写は多少落ちてしまっているようです。ここら辺はもう少し最適化の余地があるかと思います。




この動画を作るにあたって、ホタルの動画を検索しましたが、ホタルが飛んでいる動画を、リアルタイムかつ明るく、なめらかに撮っているものはそれほど多くは無いようです。いくつかSONYのα7Sで撮影しているものが見つかりましたが、暗いものも多いです。センサー自身はASI294MCよりα7Sの方が高性能のはずなのですが、ASI294MCは計算機を必要とする代わりに、ビニングなどの微調整をPC上でできるのが有利に働いているのかもしれません。それでもいくつかはα7Sで綺麗に撮れているものがありました。レンズなどの機材や撮影技術にももちろん依るのかと思います。あと、NIKONのD800で今回の私と全く同じ場所を撮った素晴らしい動画がありました。この方は動画編集にAdoveのPremireを使っているようです。ものすごく綺麗な画質で出ています。

私も相当昔、まだ学生の頃、動画処理がやっとできるかどうかという時代に秋葉原の当時のTSUKUMOでIEEE1394カードと、SCSI3(!)接続の不思議な格安の10GBの大容量(笑)HDDを買って、そこについてきたPremireを使って動画編集をしていたことがあります。今ではもうほとんどどんな機能だったか忘れてしまいましたが、その当時から飛び抜けて高機能だったので、今もすごいのかと想像してしまいます。高感度カメラもどんどん一般になって来るので、将来はもっと楽に取れるようになるのかと思います。



今回の反省点です
  • いくつかのホットピクセルと思われる輝点が出てしまっています。露光時間も感度も決まっているので、ダーク補正をリアルタイムするべきでした。
  • ASI294MCにZWOのCanonレンズアダプターを付けて、さらにNIKORレンズにCanonアダプターを付けて撮影しています。そのため周辺がボケまくってしまいました。レンズからセンサー面の距離をきちんと調整していないためかと思われます。あと、少しガタがあるので間にテープなどを詰めてガタつかないようにしなくてはいけません。
  • 動画はASI294MCが適していますが、比較明合成するための20秒程度の長時間露光はEOS 60Dの方が楽だと思いました。当たり前ですが計算機など必要無く単体で撮ることができます。露光時間をかけることができ、画像処理もじっくりできるなら、わざわざCMOSカメラで撮る必要はないという意味です。動画の場合は高感度センサーのASI294MCの方が圧倒的に有利です。

反省点は多々ありますが、今回初の本格的な動画編集で、念願のホタル動画が撮れたこともあり、結構満足です。

ちなみに今日は自分の誕生日。いつのまにやらもう46です。家族には先週末に祝ってもらい、物は赤道儀をかなり前に先物買いしてしまったので、この動画は自分自身の誕生日記念になりそうです。


 

5月24日、平日ですがとても晴れているのでASI294MCをMEADEの25cmシュミカセLX200-25に取り付けての電視観望です。焦点距離が1600mmのf6.3と、焦点距離があまり長くなく明るいので電視観望に向いてそうです。

実はこの日は惑星撮影のためにMEADEの25cmのシュミカセを使っていたのですが、実際の撮影をするにあたり、やはりまだ色々準備不足なところがあることが判明しました。まず、C8での惑星撮影の時に使っていたマイクロフォーカスを使うことができません。 もともとこの鏡筒は頂き物で、接眼部がオリジナルのものかどうかはわからないのですが、少なくとも付属のアダプターで手持ちのマイクロフォーカスを直接取り付けることはできませんでした。そのためミラーシフトを避けることができず、ピント調整がとても厳しいです。また、フードを用意していないため、しばらくすると補正板が曇ってきてしまいます。自宅で電源が取れたので無理やりドライヤーで温めたりしたのですが、ヒーターなども用意する必要があるかもしれません。あと副鏡の調整もまだ全然甘そうだということも判明しました。一度明るいところで合わせたのですが、内外像は全然ダメで、逆に内外像から合わせていくとピントを合わせた時に全然ダメです。そんなこんなでこの日は一旦惑星は諦めて、お気楽な電視観望へと路線変更したというのが実情です。

さてそんな適当な動機の電視観望でしたが、夏の星雲星団は久しぶりで、しかも新カメラと明るい鏡筒なので思いのほか楽しむことができました。まずは定番のM57です。

Stack_40frames_160s


SharpCap上で適当にスタックしたのを一旦PNG形式で保存して、ブログにアップするためにjpgに変換しただけの、後からの加工などは何もしていない、実際に画面でリアルタイムで見えている画像そのものです。4秒露光で、記録を見ると40回スタックしているので、計2分40秒の露光になります。拡大すると中心星もきちんと2つ写っています。解像度が高いカメラなので、リアルタイムで拡大しても画面が破綻しないです。ピントが甘く、流れてしまっているのは惑星撮影の際の鏡筒の副鏡調整の失敗であきらめたときの名残ですのでご容赦ください。

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右端の方に、近くの渦巻銀河IC1296も入ってはいますが腕はさすがに全く見えていません。IC1296の腕とともにM57をいつか綺麗に撮るのが目標の一つです。

ちなみに今回の電視は一回の露光時間を4秒、ゲインを470に固定して、dark画像を撮ってリアルタイムで補正をしています。dark補正をしないと

Stack_40frames_160s_hot

のようにホットピクセルによる偽色が出てしまいます。dark補正をすると普通に見るぶんには問題にならないレベルくらいにはなります。また、赤道儀の極軸の精度が悪くて画面が流れていくと、星をうまく重ねていくアラインメントの効果で画面をずらしながらスタックしていくので、ホットピクセルが目立たなくなります。露光時間やゲインを固定しての電視は厳しいことも多いので、わざと極軸をずらすというテクニックはTipsとして知っておいてもいいかもしれません。

ちなみにこの偽色はASI294MCだけの問題ではなく、ASI224MCでも同様に出て来ます。というより、以前はじめてまともに極軸をきちんと合わせてから電視観望をやって、そのときにやっとホットピクセルに気づいたという経緯があります。


次も定番のM27です。ライブスタックで見たままのものです。4秒露光で46回、計3分4秒です。

Stack_46frames_184s

ちなみにその時の画面をiPhoneで撮ったものがこちらです。ちょっと明るく写っていますが、基本的にはノイズも色もその場で見るのと同じような見え味です。

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さすがに撮って出しだと少しノイジーなので、 Photoshopで3分加工です。お気楽3分露光に3分加工でこれならまあ許容範囲でしょうか。

Stack_46frames_184s

次はM13の撮って出しです。

M13_Stack_46frames_184s


やはり周辺減光が激しいので、今度はフラット補正をリアルタイムでするといいかもしれません。ちなみにこれもPhotoShopでガンマだけいじる30秒加工で見栄えだけはもう少し良くなります。

M13_Stack_46frames_184s_gamma



最後は三日月星雲。画面を撮ったのしか残ってませんでした。

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自宅からなのでこれくらいが限界です。あ、ちなみにこの日は上弦の月を過ぎたくらいで、この時間にはまだ月が明るく照らしていました。なので条件はそもそも良くないです。月がなければもう少し全体的にましになるかと思います。

久しぶりの一人電視観望でしたが、夏の星雲、星団を見ることができて結構満足でした。平日で次の日も仕事なのであまり遅くなることもできず午前0時前には退散でした。



 

ASI294MCを使っての電子観望を以前レポートしましたが、鏡筒は口径わずか60mmのFS-60Qを使ったため、暗いというのが印象でした。口径のもっと大きな鏡筒を使えばこの問題は解決するのではと思い、今回は焦点距離が800mmと比較的近いBKP200を使って試してみます。

計算上は口径が200mm/60mm = 10/3倍、焦点距離が800mm/600mm = 4/3倍なので、明るさは ((10/3)/(4/3))^2 = (5/2)^2 = 25/4 ~ 6倍くらいになります。FS-60Qの6秒露光がBKP200での1秒露光に相当するということです。


まずオリオン大星雲。明るいので非常に見やすいです。今回は動画です。

 



さすがは口径200mm。500ms露光ですがほぼリアルタイムになっていて、見ていても全く見劣りしません。もちろんASI294MCの高感度と高解像度、高い飽和容量も効いているでしょう。

ライブスタックの様子も映像でアップしておきます。画像調整を少ししているので、上の動画とは少し見え味が違いますが、スタックしていくにつれてノイズが減っていくのがわかると思います。



最後は馬頭星雲と燃える木ですが、今日は少し霞みがかっているせいか、自宅からではあまりはっきりとは見えませんでした。こちらは6.4s露光でのライブスタックになります。最初見えなかった馬頭星雲が、スタックするにつれて、見えてくるのがわかると思います。


他にもいろいろ見たのですが、一つ気づいたことがあります。どうも迫力に欠けるのです。最初は春霞のせいかと思っていました。でも先の馬頭星雲でも、FS-60Qの時の方が暗いのですが迫力がある気がするのです。例えば以前撮った写真の記事と比べて見てください。明らかにFS-60Qの方がよく見えています。

ここでやっと気づいたのは、BKP200にセンサー面先の大きいASI294MCをつけると、周辺減光が激しいのです。周辺減光といっても普通に眼視する分には全く気にならないレベルです。でも電視の場合にはある意味明るさの違うごくわずかな色領域をリアルタイムであぶり出すようなことをするので、どうしても周辺減光が目立ってしまいます。これが圧倒的に迫力を無くしています。フラットで補正すればいいかもしれませんが、露光時間、ゲインごとにフラットを用意して、リアルタイムでそれぞれの設定によって変えていくなんてことは現実的ではありません。

また、これは反射のせいなのでしょうか、コントラストが低い気がします。副鏡などがあるので反射の方がコントラストが低くなるという話はよく聞きます。通常の撮影では画像処理でコントラストを多少持ち上げることができるのですが、今のSharpCapではコントラスト調整はありません。V3.0以前はコントラストなどがあったので、もしかしたら古いバージョンの方が見栄えがいいかもしれません。最近雷ボタンに頼りすぎなのですが、調整機構を省かれてしまった弊害が出ているのかと思います。

今回の状態はBKP200のため明るさ十分、ASI294MCのため解像度十分過ぎ、でも周辺減光影響大の状態です。解像度が十分すぎるので、もしかしたら焦点距離が3ぶんの2以下になるFS-60CB状態にして、明るさを2倍以上にして、解像度は犠牲にし(それでもまだPC画面の解像度に比べて十分すぎ)、より広い範囲で見るのが一番楽しいかもしれません。



週末の金曜日、岐阜方面の山側が晴れていたので、富山ももしかしたら今日は晴れるかなと期待しながら、夕方仕事帰りに自宅近くまで来ると、雲はないはずなのになぜか一面のすごい濃霧。たまたま雲がない日になんでまたこんな霧が...と思いました。

あまりの天気の悪さに、ずっとネタ切れでブログの更新も止まっていたのですが、今回はいくつか新しいことがありました。まず夕飯を終えて自宅でのんびりしていると、この間落札した35mm f1.4のNIKKOR -NC Autoレンズが届きました。目的は主に電視観望用ですが、味のある写りらしいので普通の撮影に使っても意外に面白いかもしれません。NIKKORのオールドレンズは50mmに続きこれで2本目になります。


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NIKKOR NC Auto 35mm f1.4


この前シグマの10mm-22mm f3.5をASI294MCに使ってみたのですが、もう少し明るいものが欲し買ったのと、同じく50mm f1.4のNIKKORもASI294MCで試したのですが、これよりもう少し広角が試したかったからです。ASI294MCはセンサーサイズがフォーサーズとASI224MCより大きくなっているので、CマウントやCSマウントレンズが使えません。カメラ用の明るいレンズは焦点距離が短くなって来ると非常に高価なので、どうしても古いものになってしまいます。APS-C用のシグマの35mm f1.4も考えたのですが、フルサイズでも使えるものと思い、オークションで出ていたものを落としました。

手にれたレンズは相当昔のもので、俗にいう「アトムレンズ」、別名「放射能レンズ」「トリウムレンズ」とかいうものとのことで、かなり「黄変」といって黄色くなってしまっています。

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PCの画面を白くして撮って見ました。明らかに黄変しています。

そう思って見て見ると、以前買った50mmの方も気にしていなかったのですが、今見るとやはり黄変しています。どうせホワイトバランスは画像調整で整えるのであまり気にならないのですが、透過率が悪いのはもったいないです。紫外線で透明に戻るという情報もあるので、そのうちに試してみようと思います。あと、途中のレンズにアイリスの羽根の跡が少し残っているのが気になりましたが、撮影にはほとんど影響ないみたいです。いつか分解した時に掃除しようと思います。少し調べてみるとこのNCというのは1973-1976年に製造されたもののようで、今から40年以上前のレンズです。今では珍しいと思われる、金属製のフードがついています。

さて、レンズ到着の時に外に出てみると、霧もすっかり晴れて本当に久しぶりに星空が広がっていました。早速届いたレンズを試してみます。このレンズで試したかったことが、前回あまりうまく見えなかったバーナードループです。しかもガイドなしどころか、赤道儀も追尾もなしの、カメラ三脚にASI294MCを取り付けて、玄関先にポンと置いただけの完全固定撮影です。どこまで手を抜いて撮影ができるかです。

レンズの見え味は、まあ予想の範囲内。50mm f1.4をそのまま少し広角にしたような感じです。f1.4でフルに開放すると星像がぼやけてしまったので、一段階だけ絞ってf2にしました。これでぼやけ具合は気にならない程度です。

今回は試しなので5秒露光で100枚撮ってみました。露光8秒あたりから、拡大すると星が流れ出すのが見えるようになったのでもう少し短い時間にというのが5秒の理由です。ヒストグラムのピークをそこそこ右に持って来るために、ゲインは相当高く400/570にしています。 

一枚一枚はこんな感じです。うっすらバーナードループが見えているのと、左上にバラ星雲が薄く見えています。

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電視観望と違い、撮影になるので今回始めてSharpCap上でフラット補正とダーク補正もしてみました。フラットフレームの撮影はこんな感じになります。

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後ろの画像が撮影したフラットフレームですが、撮影時と同じパラメータで、10枚撮って平均化しています。レンズにスーパーの袋を被せたのですが、なぜか赤っぽくなってしまっています。フラット撮影時にダーク補正が必要なのかどうかよくわかりませんでしたが、今回はダーク補正はせずにフラットだけで試しました。ダークも含めて何枚くらい取る必要があるか、ゲインと露光時間はいいのですが、他にカラーバランスやガンマ、ブライトネスなど、どのパラメータが効いてくるのかもう少し検証が必要そうです。ただ、フラットはに関してはやるとやらないでは、不完全でもやったほうが周辺減光の影響は大きく軽減されることがわかりました。

固定撮影の場合、スタック処理はこれまでのSteller Imageだとずれてしまってうまくできないみたいなので、今回始めてPixinsightと戦っています。


次の記事に続く。

先日のASI294MCの電視でファイルに保存しておいた画像を少しだけ、お手軽処理してみました。目的は時間をかけて追求してすごい画像を出すのではなく、むしろ正反対のできるだけ時間をかけない簡易撮影、簡易画像処理が使い物になるかどうかを試すことです。

今回3種類を比較しています。 
  1. Live Stackをヒストグラムなどの処理を含めて見たままpng形式に落とした画像: 4sec x 35stacks = 140秒
  2. Live Stackをヒストグラムなどの処理が入らないRAWに近い状態で32bitのfits形式に落とした画像(カラーで保存): 4sec x 33stacks=132秒
  3. Live Stackをしない、CaptureでRAWに近い状態でfits形式に落とした画像(Bayer): 4sec x 35枚=140秒


1. 見たままのpngからの処理

まず、保存されたままの加工なしの画像です。4秒露光で、35回スタックしたところで16bitのpng形式で保存されています。SharpCapで表示されている画像を見たまま保存することになります。ブログアップのために8bitのjpgに落としています。

Stack_35frames_140s_png


相当青に寄っています。ライブビュー重視で、夜のような雰囲気を出そうとしたのだと思いますが、改めて見ると結構ひどいです。これをPhotshopでホワイトバランスを整えて、彩度を強調し、最後に少し好みの色にするためにトーンカーブで青を少しいじっただけです。所要時間は数分でしょうか。超お気軽画像処理です。以下のようになりました。

png_Stack_35frames_140s


よく見るとピクセルが飛んでいるところが何箇所かあるようです。少なくとも7箇所、引っ掻き傷のように色が飛んでいるところが見つかりました。見落としているだけで探せばもっとあると思います。

hotcool


最初何かわからなかったのですが、どうやらホット/クールピクセルがスタックしている間のアラインメントを合わせる際にずれていってしまったのがトレースされているみたいです。

それでもpngからの処理にしてはそこそこ見えるものになってしまっています。口径6cm、露光4秒が35スタックで計140秒と思うと、たいしたものです。


2. スタックされたのfits形式

4秒露光で33回スタックしたところで、32bitのfits形式で保存しました。どんなファイルになっているのか開くまでわからなかったのですが、どうやらヒストグラムなどSharpCap上で画像処理した効果は入ってこないようです。RAWに近いですが、ベイヤー→RGB変換はすでにされているようです。それをブログアップのためにそのままjpgに落とした画像です。

Stack_32bits_33frames_132s_notouch


これをまずはステライメージのレベル補正で、レベルとホワイトバランスを整えて、デジタル現像をして飽和をできるだけ押さえます。あとはPhotoshopに移動して、1の処理と同じで彩度とトーンカーブのみです。これも所要時間は5分程度でしょうか。

結果は以下のようになりました。M42中心部の飽和は元の画像ですでに飽和しているので、デジタル現像などでもトラベジウムなどを復元することはできませんでした。ピクセルが飛んた引っ掻き傷もやはり残っています。

stackfits_Stack_32bits_33frames_132s




3. Captureで撮った複数のfits形式の画像をコンポジット

多分これが一番一般的な撮影の仕方なのでしょう。4秒露光のfits形式のファイルを35枚、ステライメージ8でコンポジットしています。上2つと違うのは、ホット/クールピクセル除去の処理を行っているので、引っ掻き傷のようなものは消えています。ダーク減算、フラット補正などの処理はしていません。かぶり、周辺減光などの処理もしていないので、上2つと条件はホット/クールピクセル以外はほぼ同じです。コンポジット後は2の処理と同じで、レベル、ホワイトをとって、デジタル現像、その後Photoshopに移動して、彩度とトーンカーブです。コンポジットはのんびりやっていたので30分くらいでしょうか、その後は5分くらいしかかけていないのは2と変わりません。結果は以下のようになります。

composite_35_140s


引っ掻き傷が消えているのはいいのですが、一番の問題はなぜか苦労して自分でコンポジットしたものの方がノイズが多いのです。画像処理はマニュアルでやっているので多少の差は出るのですが、その範囲を超えてノイズの量に差が出てしまっています。SharpCapのスタック時になにか余分なノイズキャンセル処理をしているのでしょうか?ShaprCapもステライメージも実際のスタックやコンポジットで内部でどのような処理をしているのか不明なので、結局理由はよくわかりませんでしたが、ここはもう少し検証してもいいかもしれません。


さて、3枚改めて比べて見ると、ノイズに差が出た以外は決定的に大きな差が出ているようには見えません。たとえpng画像からの加工でも、このレベルでは差が出ないようです。もっと露光時間をかけた、暗い天体では差が出るかもしれませんが、電視観望で見るような明るい天体を簡易撮影、簡易画像処理ではこれで十分なようです。

露光時間がわずか2分半程度でここまで出るのも驚きです。ただしこれには少しトリックがあって、F10の暗い鏡筒での電視観望に合わせるために、ASI94MCのゲインを500と相当大きくしています。そのため淡い部分が時間の割によく出る代わりに、明るい部分が飛んでしまいます。特にトラペジウム周りをきちんと出したい時はゲインをきちんと下げて、露光時間を長くするか、別途HDRように短時間画像を撮っておいて合成するなどの工夫が必要になります。簡易という観点では少し手間がかかってきます。

こうやって考えると、ライブスタックでfits画像一枚、もしくはいっその事割り切ってpng画像でもとるだけとっておいて、あとでちょいちょいと画像処理してしまえば、一晩に多数の天体を回ったまとめなんかも簡単に作ることができそうです。その際、SharpCapではダークとフラット補正も撮影中にできてしまうので、最初だけ少し手間をかけてダークフレームとフラットフレームを撮っておくのもいいかもしれません。結論としては、電視で撮った画像でも飽和さえ気をつければ簡易画像処理でそこそこ使えるものかと。

ここまでくると、次は本格的に低いゲインでダイナミックレンジを稼いで(具体的に言うとASI294MCだとゲインが120を超えたあたり) 、もっと長時間露光して撮影してみたくなってきます。今回ゲインが500で例えばゲイン140で撮影するとすると、ゲイン差が360なので、360 = 36dB = 64倍の明るさの差になります。4秒露光だったものは4 x 64 = 256秒なので、4分ちょっと。この長さだとガイドが必要になってきます。













昨晩は楽しかったです。夕方から外に出ていたのですが、19時ころからどんどん雲が多くなってきたので諦めていたのですが、22時過ぎにまた外に出てみると、なんと雲がほとんどなくなり晴れ渡っています。やっと新カメラでテストが思う存分できそうです。星はそれほど多くは見えないので透明度は大したことないですが、赤道儀をセットして準備を始めました。

場所とセットアップは先日と同様、自宅の庭で新CMOSカメラASI294MCをつけたFS-60QをAdvanced VXに載せています。口径は60mm、焦点距離は600mmのF10になります。 

まず試したのは先日の最後に雲がかかってしまったM42、オリオン大星雲です。4秒露光で、16回スタックです。淡いモクモクまで見え始めていて、もう前回よりも圧倒的にすごいです。これでわずか総露光1分ちょいです。ASI294MCのポテンシャルがわかる一枚です。ちなみに先日ASI224MCで撮ったものがこちら。恒星の飛び具合(224のはピンボケとうわけではないです)もかなり改善されているのがわかります。

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このオリオンもそうですが、今回見て回った天体のうちいくつかは、各露光のフレームをfits形式で残してあります。また、ライブスタックをした結果も画面で表示されたままのものをPNG形式で、またトーンカーブとかの効果が入っていない、スタックしだけのそのものをRAW形式で保存してあるので、後日画像処理をしてそれぞれの結果を比較したいと思います。

これ以降、電視て見ていった時間順に示します。

次に、バラ星雲です。以前のASI224MCの結果と比べると飽和は抑えられていて、色も自然ですが、かなり暗くなっています。これはSharpCapの新機能のトーンカーブ調整であわせているためで、画面のコントラストなどの調整がなくなっているからです。明るさを出したい時もあるので、トーンカーブのみでなく画面調整の項目も残しておいて欲しかったです。

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続いて馬頭星雲と燃える木です。これも以前と比べると明るさが足りないです。明るさが足りない理由の一つがやはりノイジーということもありますが、今回はスタックを重ねることができなかったことも原因の一つです。冬場で寒いので、StickPCに繋げてリモートで家の中から接続してます。接続自身は多少の画質劣化はあってもそれほど問題はないのですが、それよりもStickPCのUSBの転送速度のせいでしょうか、フレームレートが高すぎて取り込みを落としている可能性があるとの警告がしょっちゅう出ています。実際、結構な率で取りこぼしや、アラインメント失敗が起きています。これは実際に外でまともなPCに接続して直接見ていた時には気づかなかったことなので、やはり電視にはSrtickPCは少し非力なのかもしれません。

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オリオン座星雲内で、M78です。実は自分で見るのは初めてです。別れている様子はなんとかわかりますが、細かい構造はさすがに厳しいです。

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M45、すばるは結構進展がありました。自宅で星間分子雲がこれだけ見えたのは初めてです。

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クラゲ星雲です。さすがに淡い天体は厳しいです。

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ペルセウス座の二重星団です。星団は比較的電視に向いているかもしれません。もう少し露光時間を伸ばすなど、まだ工夫の余地がありそうです。

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続いてモンキー星雲。これもバラ星雲やクラゲ星雲と同じくやはり暗くて色が薄いです。結構露光時間を取ってもこれなのでリアルタイム性という観点からいくと厳しいかもしれません。口径の大きい鏡筒を試してみたいです。

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M1、カニ星雲のリベンジですが、前回とあまり変わりありません。今回も結構拡大しています。やはりこの口径の鏡筒ではこれくらいが限界か。

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午前3時過ぎ、夜も更けてきた最後の方はもう春の星座になってきます。系外銀河です。「マルカリアンの鎖」と呼ばれるM84、M86、M87周りです。NGC4402, 4388, 4413, 4425, 4435, 4438, 4461なども見えています。このころになるとまた透明度が悪くなってきて、星が見えにくくなっていました。それでもこれくらいは見えるので結構驚きました。

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富山は海に面している北のほうが街なので、北の空は明るくてこれまでほとんど見たことがなかったのですが、夜中で街灯りも多少はマシかと思い、少し見てみました。下はM106、りょうけん座の渦巻銀河です。腕の様子も多少見えています。他にもNGC4217やNGC4220も写っています。色がつかないので電視のメリットは半減しますが、それでも光害の中、系外銀河も意外に見えるようです。

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午前3時半過ぎ、風が強くなってきました。フクロウ星雲を狙って見ましたが、光害と風でかろうじて穴二つが見えているくらいでしょうか。風で赤道儀が揺れているというよりは、繋がっているケーブルの揺れのようです。

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最後の最後で真北のM81を見てみましたが、さすがにこの方向は厳しいみたいです。空も透明度が相当悪くなっていて、外に出るとほとんど星も見えない状況でした。

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少し時間を戻して、同じ日の夕方過ぎにオリオンが登り始める18時半ころにSIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmにしてASI294MCに取り付けて見てみました。焦点距離が短いので星の数は大したことないですが、かなり広い範囲を見渡せます。ヒアデス星団、すばるがはっきり見えています。雲があるのと、透明度もよくなかったので目ではすばるがやっとぼやーっと見える程度でしたが、PCの画像を通すとはるかに星の数が多くなります。WideBino28で見た時と同等か、それ以上でしょうか。複数の星座が一度に見えるので、星座をみんなでトレースしながら確認するのとかに使えるかもしれません。

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今回のまとめ

やはり全般に暗いというのが挙げられると思います。特に淡い天体は厳しいです。この面積のセンサーを有効活用するためには、できるだけ焦点距離をキープしたまま鏡筒の口径を大きくする必要がありそうです。

あと、まじめに撮影をしようとすると厳しいかもしれませんが、富山でも意外に北の空も電視だと楽しめることがわかったので、今度もう少し探索してみたいと思います。

とにかく昨晩は久しぶりに晴れた空を満喫してかなり満足でした。後日、fitsで保存した画像を加工したものも比較してみます。そこそこ見える画像になるのか、それとも全くダメなのか。もし撮影の道がひらけそうなら、次はノイズを最適化して、ガイドで長時間露光でしょうか。

 

週末の金曜日、夕方ものすごく晴れていたので張り切っていたら、食事を終えた午後7時頃にはまた雲が。それでも昇りかけのオリオン座は見えていたので、短時間ですがASI294MCに再びNIKKORの50mm f1.4をつけてバーナードループに挑戦しました。

結果はかなり厳しかったです。 6.4秒露光を50回ほどスタックしていますが、数十回くらいからはほとんど改善しません。よく見ると三つ星の下を回り込むように、本当にうっすらループが見えている程度でしょうか。馬頭星雲と燃える木は小さいですがきちんと色がついて見えています。

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レンズは十分に明るいので、やはり厳しいのは自宅庭の光害のせいかと思います。電視だと流石に淡いものはなかなか手強いです。次の手は光害防止フィルターを入れるとかでしょうか?あと、SharpCap自身にフラット補正の機能があるので、それも試す価値があるかもしれません。

あまりに寒いのでしばらく家に入り、温まってから外に出たら雲一面と、ものすごい風でした。ショックだったのはPCが風で吹っ飛んでいたこと。少し傷がつきましたが、一応問題なく動いて今もこのブログを書いています。机から落ちていたのによく壊れなかったです。短時間でも放っておくのはちょっと心配です。反省しました。

 

前回のASI294MCのファーストライトはほんの晴れ間でしたが、12月21日、昼間くらいから本当に久しぶりに晴れ渡ったので、やっと念願のASI294MCのフルテストができそうでした。前回赤道儀を使ったのは記録によると11月27日。さすがに北陸といっても天気悪すぎです。

場所は自宅の庭。セットアップとしては口径60mm、焦点距離600mmのFS-60QをAdvanced VXに載せたいつものものです。たくさんやりたいことはありましたが、残念ながら途中から雲が出てきてしまい、結局試せたのは焦点距離600mmでの電視で、数も限られた天体だけでした。

これまで電視はセンサーサイズが1/3インチとかなり小さいASI224MCであったため、焦点距離の355mmと短いFS-60CBにさらに0.5倍のレデューサーをつけて、焦点距離が180mm程度になっていました。今回はASI294MCでセンサーサイズが4/3インチと、これまでに比べて各辺で4倍、面積で16倍と大きくなったため、焦点距離が600mmと4倍くらい長いFS-60Q状態で使えるようになりました。その代わり、4倍くらい暗くなっているので、そこらへんがどうなっているかが見ものです。

最初はM31、アンドロメダ銀河です。いつものようにPCの画面をiPhoneで写しているだけで、実際の見え味にかなり近いものです。これで6.4秒露光を16回スタックしたものです。スタック回数は適当な時に写真を撮っただけで、こんなにスタックしなくても数回でそこそこ見えるくらいになってきます。

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新しいASI294MCでの電視によるアンドロメダ銀河。


先月11月に志摩に遠征に行った時にASI224MCで撮ったものが下になります。空は志摩の方が圧倒的にいいです。今回のは自宅で、しかも決して環境がいい方ではないですが、それでも今回の方が全然良くなっていることがわかります。ソフトの進歩もあるでしょうが、やはりカメラの差だと思います。

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これまでのASI224MCでの電視によるアンドロメダ銀河。

相違点を上げていきます。

  • ノイズが以前よりかなり少なくなっています。確かに実際にノイズ自身少なくなっているようなのですが、解像度がかなり高くなっているので、そのことによりノイズが目立たなくて少なくなっているような印象も受けます。
  • 飽和しているエリアが小さくなっています。これはダイナミックレンジが増えた効果、もしくはfull wellが大きくなった効果といっていいと思います。
  • 0.5倍のレデューサーのせいでしょうか、星像がかなり歪んでいたのが、今回は綺麗な点像になっています。
  • 色もより自然になっています。これはヒストグラムを見ながら調整できるせいでしょう。
  • やはり今回焦点距離が長く以前より暗いので、ゲインを最大の570にしてしまっています。最大ゲインでこれくらいのノイズで抑えられているのもすごいのですが、それでも6.4秒くらいの露光時間がないと写りが悪くなります。また、これ以上露光時間を長くするとリアルタイム性がなくなってきます。もう少し明るい鏡筒にしたいです。
これまでずっと電視を試して来て色々不満な点もありましたが、それでもやっと満足できるレベルになって来ました。M31が自宅で、しかもその場でリアルタイムでこれだけ見えるのなら、電視観望としてはもう実用と言っていいレベルなのかと思います。



次はM45、プレアデス星団です。

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ASI294MCで見たプレアデス星団。

さすがに自宅だと分子間雲が少し見えるくらいです。だんだん霞みがかってきたので、もう少し空がいい日ならば自宅でもまだましになるかと思います。

下が、去年の10月に同じ自宅でASI224MCで見た時です。飛びまくっていますし、かなり無理して色を出していました。今回の上の方が無理をせずに自然な色になっているのがわかります。分子間雲も自然な感じで見えています。

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昨年10月に同じ自宅でASI224MCで見たプレアデス星団。


M1、カニ星雲はさすがにフィラメントまでは見えませんでした。所詮600mmでかなり小さくしか見えないので、相当拡大しています。そのためノイジーに見えてしまいます。実はM1を見たのは一人メシエマラソンの時だけで、その時も月明かりでほとんど全く見えなかったので、実質初めてかもしれません。これは長焦点でリベンジしてみたいです。

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最後はM42、オリオン大星雲です。

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もう雲がかかってきてしまっています。ギリギリで最後に撮ったものです。晴れていればこれはさすがにもっともっと綺麗に見えるはずです。これ以降は完全に雲がかかってしまい、今日はここまでになってしまいました。

実は雲の中、ASI294MCに手持ちのシグマの10-22mmのf3.5のレンズをつけて、かなりの広角でも見てみました。写真には残さなかったですが、目で星がほとんど何も見えない状態でも、雲の薄いところだと星を炙り出してくれます。さすがにこれくらいの広角だと複数の星座が一度に余裕で見える画角なので、都会の観望会で星座をトレースするのに使えるかもしれません。これはセンサーサイズも解像度も足りないASI224MCでも、明るさがどうしても足りないASI178MCにもできなかった芸当です。ASI294MCの利点の一つになるかと思います。またもう少し晴れた日にきちんと試してみます。

とりあえず、少しですがASI294の実力がわかってきました。はっきり言って電視目的にはかなり満足できるレベルになりそうです。ただし、センサーサイズの拡大に伴って焦点距離が長い鏡筒になってくると、そもそも暗くなってくるので、もう少し口径の大きい鏡筒を使った方がより露光時間を短くできるので、より臨場感が出そうです。最初に買った口径20cm、F4のニュートン反射のBKP200がいよいよ再稼働かもしれません。口径比では(20cm/6cm)^2 ~ 11.1倍の明るさ、焦点距離で(600mm/800mm)^2 ~ 0.56の明るさになるので、11.1 x 0.56 = 6.2となり、ざっくり6分の1の時間で同じように見えるはずです。今回更新6.4秒だったので、1秒になれば相当リアルタイム性が出るかと思います。それに伴い、視野が少し狭くなるのですが、ギリギリ許容範囲かもしれません。もったいないですが、これに安価な0.5倍のレデューサを入れるか。これだとより広角に見えて、明るさは4倍です。カメラの解像度はPCの画面の解像度に比べてあり余るほどあるので、適当にズームすればよく、こちらの方が有利かもしれません。

もう一つ、今思い出したことがありました。解像度が高いので有効活用するために途中ビニングをしたのですが、この効果がいまいち見えません。例えば2x2でビニングすると解像度は半分になるので画面の大きさはSharpCap上で4分の1の面積になります。これは確かめることができました。ただし、そのぶん明るくなって欲しいのですが、画面で見てもヒストグラムで見ても変化があるようには見えません。もしかしたらバグなのかもしれません。そして、分解能が下がるのに伴ってノイズの解像度も下がるので、点々が目立つようになってしまい、実質余計ノイジーになったように見えてしまいます。3x3、4x4のビニングでも同様です。もう少しバージョンが安定するまで見続ける必要がありそうです。



まだまだ試したいことだらけです。冬なのでペースが天気にものすごく左右されますが、できる範囲で色々やっていこうと思います。



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今日のセットアップ。この時はまだ極軸合わせのため、
ASI294MCが鏡筒の上に載っています。

もう、ムハッという感じです。ASI294MCすごすぎです。電視の画面の中で神々しいくらいの星がちりばめられています。

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オリオン座の三つ星付近です。画面は何の加工もしていません。
露光時間800ms、ゲイン450で、スタックも何もしていません。
iPhoneでPCの画面をそのままとっただけです。


今日もずっと雪で天気が悪かったのですが、夜に外に出て見ると雲が少し切れているところがあったので、駄目もとと思いながらASI294MCを出しました。

カメラ側はZWO製のCanonアダプターを付けて、レンズはNIKKOR-S 50mm F1.4のオールドレンズにCanonアダプターを付けてです。二つをくっつけて、簡単に三脚の自由雲台に乗せてのマニュアル導入です。中くらいの星座がちょうど入るくらいの画角なので、かなり広角で、手で合わせるので十分です。

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雲の切れ間といっても、けっこう霞んでいるので、目ではほとんど星なんて見えないです。たまに明るいプロキオンが見えるくらいで、リゲルもベテルギウスもほとんど見えません。とにかく動画を見てください。



ものすごい高感度のためにまるで昼間みたいに見えますが、れっきとした夜の映像です。場所は自宅の庭。露光時間は400ms、ゲインは500。ASI294MCの最大ゲインは570なのですが、それに近いゲイン500でもノイズがこれまで使ってきたカメラよりも圧倒的に少ないです。アップロードのために解像度を1024x698に落としていますが、もとは4144x2822の超高解像度映像です。

何本か撮影したうちの一つですが、間も無く雲が多くなってきて撤収しました。とにかくASI294MCですが、凄いポテンシャルかと思います。早く晴れたににじっくり見たいです。


その5: 2017/12/21にFS-60Qで電子を試しました。
 

先日の記事で、メーカーが出しているASI294MCの性能のグラフの読み方を考えてみました。実際の性能を確かめるため、SharpCapを使い手持ちのASI294MCの実測もしたのですが、記事自体はかなり一般論になっていて、じゃあ具体的にどのような設定で使えばいいのかという話まではまだ繋がっていません。今回はそこら辺のところを考えてみたいと思います。難しい理屈は嫌だという方は、今回の記事だけ読んでも実用的には役に立つのかもしれません。

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さて今回は
  1. 電視観望
  2. 空が暗く、非常にいい環境での撮影
  3. 光害地での撮影
という3パターンに分けて考えてみましょう。



1. 電視観望

まずは電視観望から始めます。普通の天体撮影をされる方にとっては電視観望というのはあまり一般的ではないかもしれませんが、電視観望はかなり極端な設定を必要としますので、性能の限界を考える時にはなかなか面白いのです。

電視観望では、短時間でのリアルタイムビューを重要視するために、内部ゲインを相当上げて、露光時間をできるだけ短くして臨場感を出します。その代わりにノイズは大きいですし、そのノイズを緩和するためにライブスタックと呼ばれる、いわゆるコンポジットをリアルタイムで行なっていきます。

かなり基本的なところから考えます。まず、内部ゲインを上げるとは一体どういうことなのでしょうか?物理的にはセンサーの後に増幅回路があって、その増幅回路のゲインを上げるということなのですが、これがメーカのグラフの上でどのようなことを意味するのかを考えてみます。

電視観望ではZWOの言うGainを400とか500とか600近くまで上げます。Gainは200で20dB、すなわち10倍、400で40dB、すなわち100倍、600で60dB、すなわち1000倍ということです。簡単のため電視で仮に400まで上げたとしましょう。ZWOが出しているページのグラフの横軸で400のところを見ると、Read noiseは1.4 [e-] 程度とかなり小さい値を示しています。でも画面ではなぜかノイズが目立ちます。Read noiseは小さいはずなのになぜ?という疑問が湧くかもしれません。そこにコンバージョンファクター(ZWOのグラフではGAIN(e-/ADU)となっている2つ目のグラフ)がキーとなります。この値はGain400ではかなり低く、0近くになっていてグラフから読み取ることも困難です。昨日実測した値を見て見ると0.036 [e-/ADU]と記録されています。この値でADCのカウントでどれだけノイズが目立つのか計算してみると、

1.4 [e-]  / 0.036 [e-/ADU] = 39 [ADU]

となり、何とADCの読みで39カウントもノイズが出ていることになります。じゃあ39カウントのノイズって何だと言う話になりますが、分散とかの話をすると難しくなるので、まあざっくり39カウントくらいの間で明るくなったり暗くなったりしているピクセルが画面中にバラついていると考えてください。それよりも意識しておきたいことがあって、このGain400の時のfull wellの値です。full wellとは内部ゲインが高すぎる時にセンサーの出力が限られてしまい、これ以上ADCの値が上がらない上限値のことを指します。これも昨日の実測値を見てみると、何とわずか585です。ADCの値にすると、585が最大値でそのうちの39がノイズだとしたら、1割とは行かないまでもレンジの約7%がノイズになってしまっていることを示します。これじゃあ画面がノイズだらけなのは致し方ないと言うことです。

(追記1: すみません、上の記述勘違いしていました。[e-] が単位のfull wellと、[ADU]が単位の画面のサチレーションを勘違いしていました。ADCのサチレーションカウント16384の中で39カウントノイズになっているだけです。ちなみにゲインを600まで上げると400カウントくらいがノイズになります。これだと4%くらいになるので、これくらいでさすがに目に見えるくらいですね。)

(追記2: 改めてSharpCapのfull wellの値を見ているのですが、どうもこれは真面目に全てのゲインで飽和カウントを測定したわけではなく、単にADCのフルレンジ16384をコンバージョンファクターで割っているだけのようです。これはSharpCapだけでなくZWOの測定結果も同様の方法で簡易的に出しているだけのようです。そう言った意味ではセンサーが出せる最大出力という意味での真のfull wellとは言えないので注意が必要です。あくまで、ADCの最大カウントからくるfull wellがZWO及びSharpCapで示されているに過ぎないということでしょう。)



ライブビューを謳うので露光時間もあまり上げることができません。残る手はSharpCapの秘技、LiveStackです。これは単に画面を重ね合わせるのではなく、恒星の位置を数十個自動認識して、それらが重なるように画面をリアルタイムでコンポジットしていきます。上の読み出しノイズは枚数に正比例(注: 枚数のルートに比例してではありません、ノイズに関しての詳しい議論は後日します。)して減っていきますので、見ている間に劇的にノイズが軽減されていくというわけです。

(追記: 2017/12/212017/12/23実際にASI294MCで電視を試してみました。)


2. 空が暗く、非常にいい環境での撮影

次に、かなり空が暗いすごく環境の良い状態で、撮影をすることを考えて見ましょう。まず、空が暗いということは、長時間露光してもサチルことがないので、一枚一枚の露光時間を長くとることができます。 内部ゲインx 露光時間でヒストグラムのピーク位置が決まります。ピークの位置が左から3分の1程度になればいいとか言われている(これもまた議論の余地があると思いますが、いつか検証します。)ので、適当にゲインと露光時間を調節するのですが、じゃあゲインは具体的にはどれくらいにすればいいのでしょうか?

こんな時に指標になるのが、3つ目のグラフDR、すなわちダイナミックレンジです。ダイナミックレンジはFull wellをRead noiseで割ったものをbit換算したものになります。グラフを見ると一番いいところで13[stops]くらいでしょうか、これは2の13乗を意味し、2^13=8192となるので、信号部分である天体を最大8192階調で表すことができると言うことを示しています。ここで面白いのが、Read noiseが横軸のGain120あたりのところで、いきなりジャンプして劇的に良くなっていることです。このためダイナミックレンジも最初Gainとともに落ちていくのが、Gain120のあたりで再び良くなっています。これはGain120より多少大きいあたりで撮影するのが一番得だということを示しています。このGainでヒストグラムのピークが3分の1くらいになるような露光時間で撮るのが、最も効率のいいセッティングになります。これで時間が許す限り取れるだけの枚数を撮ってしまい、あとはコンポジットしてノイズを減らしていきます。


3. 光害地での撮影

最後に光害地での撮影です。基本的には上の最も効率のいいGain120で、露光時間を短くすることでヒストグラムのピーク位置を3分の1程度のところに持って来ればいいのですが、それでも明るすぎる場合には、Gainを0近くに持ってくる手もあるのかと思います。ダイナミックレンジが一番得をするところを探すという考え方は同じです。ただ、同じクオリティーの画質を出すのにより長い時間かかってしまうので、結局は損をしてしまうと思います。



3パターンで考えましたが、センサーの性能を理解していると、効率のいい設定をあらかじめ予測することができます。もちろんこの設定が完璧というわけではなく、例えば雲が多くて時間が限られている日には多少恒星が飽和するのを覚悟して、Gainを上げて短時間で撮影するなどの戦略をとることもできます。実はこのカメラが欲しかった理由の一つが、センサー感度がいいことを利用しての短時間露光のシンチレーション回避を試してみたいと思っていることなのですが、これはまた上の原則には当てはまらずに、いろいろ戦略を練ることになりそうです。ここら辺は追い追い試していきます。

(追記: 実は上のことだけ考えていると、一般的なカメラ撮影でもダイナミックレンジが一番広い低感度で撮る、すなわちiso100とか極端なのがいいという変な結論に陥ってしまいますが、もちろんそんなわけはないです。これをきちんと考えるためには、撮りたい天体の極限等級、露光にかけたい時間などの要求値をあらかじめ決めておかなければならず、それらの条件のものでノイズを考え、その時のS/Nから要求が満たせるかどうかの判断をして、その要求が充たせる範囲の中でゲインや露光時間を調整すべきです。S/Nの話は、定性的なお話や、定式化までは簡単なのですが、定量的に考えようとすると、読み出しノイズやダークノイズなどのカメラの性能だけでなく、ターゲット天体の明るさを信号として、空の明るさなどをノイズとして数値的にきちんと評価してやらなくてはいけません。具体的にこのブログのレベルで示せるものなのか、ちょっと今試行錯誤中です。)




さて、外を見ると今日は一日中雪が降り続いています。晴れるのはいつになることやら。

もう少し、次はノイズについてちょっとだけ議論したいと思います。


( 追記: ノイズについていろいろ検討してみました。定式化までですが、参考になればというくらいです。定量化はもう少し。)

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