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天体観測始めました。

カテゴリ:観測機器 > EOS 6D

アンタレス付近を撮影した際のフラット補正に続き、EOS 6Dで撮影した場合のダーク補正について少し述べます。

元々あまり面白くない内容と思い、お蔵入りしようとしていた記事です。でもNINAの使い方の記事コメントでTKさんが撮影時の温度について述べてくれたので、どこまで意味があるか分かりませんが記事にだけしておこうと思いました。大したことは言ってませんが、何かの参考になれば程度です。

温度変化させ撮影した6Dのダークフレーム

今回ダークフレームは180秒露光で冷凍庫と冷蔵度と室温で適度に出し入れしれ温度の上下を行き来させて撮影しています。撮影できた温度は

-2度:3枚
-1度:1枚
0度:2枚
1度:3枚
2度:2枚
3度:2枚
4度:4枚
5度:4枚
6度:3枚
7度:4枚
8度:3枚
9度:4枚
10度:3枚
11度:2枚
12度:3枚
13度:1枚
14度:3枚
15度:5枚
16度:1枚
17度:18枚
18度:12枚
19度:1枚
21度:1枚
23度:1枚
25度:1枚
26度:1枚

の計89枚です。実際に撮影した順序は温度が上下していますが、それを温度別に並べています。実際にダーク補正で使ったものはこの中のうち11度から17度の34枚です。実際のライトフレームは13度から15度までの温度変化なのですが、ダークの枚数を稼ぐために少し温度範囲を広げています。

ちなみに、この温度はBackYard EOSで測定したものなのですが、この温度情報TKさんのコメントによるとファイルのExif情報として書き込まれているとありました。ところが、EOSの中でも温度情報が書き込まれているものと書き込まれていないものがあるらしくて、6Dは私が探した限りは温度情報はファイルには書き込まれていないようでした。他にもAPTでは温度を読めるという情報もありますが、私はまだ試していません。


撮影されたダークフレームの比較

まず、これらのダークファイルを温度が上がっていく方向で動画にしてみたのですが、Youtubeにアップした時点で最初だけブロックノイズが発生し、うまくいきません。まあ、動画で見てもあまり得るものはないので、諦めて幾つか比較するだけにします。

一番温度の低いものをオートストレッチしたもの
Blink00004

と、一番温度の高いものを、(一番温度が低いもののオートストレッチのパラメーターで)ストレッチしたもの
Blink00089
です。この2枚を比べると明らかに温度が高い方が明るく、ノイジーなことがわかります。温度が低いときには縦横の線が見えて、温度が高くなるとその線が熱が上がったことによるノイズで覆い隠されているという状況です。


スタックしたマスターダークの様子

次に、実際のダーク補正に使った、55枚をスタックしたマスターダークフレームです。

masterDark_BINNING_1_EXPTIME_181_integration_RGB_VNG_cut
ランダムノイズがスタックでルート55分の1に減少し、固定ノイズが残ったような状態です。これを見ると、横縞はランダムノイズ成分が多く、縦縞は固定ノイズ成分が多いことがわかります。これはバイアルファイルを見ることでもわかります。

下が、同ISO800で露光時間最小の1/4000秒で100枚撮影してスタックしたマスターバイアスになります。

20190206_bias_6D_ISO800_s4000_x100_integration_RGB_VNG_cut
バイアスノイズは縦縞が多く、これがマスターダークに乗っかっていることがわかります。

上2枚の比較は、オートストレッチ時にパラメータが違うので直接の比較はできません。マスターバイアスのパラメータでマスターダークを表示させたものは直截比較ができるはずで、以下がそれになります。

masterDark_181_integration_RGB_VNG_calibrted_to_master_cut
マスターバイアスに比べて、相対的に青味がかった横縞成分のダークノイズが乗っかっていることがわかります。


輝点ノイズの傾向と、温度変化で出てくるノイズ

次に、撮影時RAWと同時にJPEGで保存されたダークフレームを動画にしたものです。


JPEG動画の方は比較的理解しやすいです。
  • まず、EOSのDIGICエンジンで、背景の細かいノイズがものの見事に真っ黒になっています。
  • ポツポツとある輝点のはホットピクセルに相当するものだと思います。
  • 輝点も固定されたものと、ランダムなものがあるのがわかります。
  • 最後にノイズがバッと増えるのがわかりますが、これが温度が高くなった時です。
  • 不思議なのが、温度が9度前後のところに一枚だけノイズが格段に大きいものがあります。もしかしたら途中光が漏れた可能性が完全には否定できませんが、これ一枚だけというのもあまりありそうでない話で、それよりも冷蔵庫や冷凍庫への出し入れの際に急激な温度変化が起こって、読み取り温度と実際のセンサーの温度が違った可能性の方が高いと思われます。
結局、何が正しいかはここでは決着はつけられないのですが、一つ言えることは、たとえ温度が問題ないように見えてもノイジーなダークフレームが混ざる可能性は否定し切れないということです。今回はこの画像は必要な温度外にあったので使いませんでしたが、ダーク補正の前に一応念のためにおかしなファイルができていないかは、確かめた方がいいということくらいは言えるのかと思います。



まとめ

大した内容ではないですが、一応まとめます。
  • BackYard EOSで記録された温度は、必ずしもセンサーの温度と一致はしていない可能性が高い。 
  • 撮影された個々のダークフレームにはバイアスノイズ+ランダムなノイズ+固定されたダークノイズ(固定されたホット、クールピクセル含む)
  • スタック(他数枚を加算して、平均化されたという意味)されたマスターダークにはバイアスノイズ+スタック枚数のルート分の1されたランダムなノイズ+固定されたダークノイズ(固定されたホット、クールピクセル含む)
と、今回せいぜい言えるのはこれくらいでしょうか。

こうやって考えると、ダーク補正には輝点ノイズを除去するという役割が大きく、他には「ある温度である長時間露光した時の固定ノイズ」を補正するという役割があるはずですが、今回の結果ではあまりあらわにはその状況を表すノイズだけを可視化するには至っていません。マスターダークからマスターバイアスを除去した画像がそれになるはずですが、うまく除去する方法がわかりませんでした。仮にうまく除去できたとしても、それが本当に固定されたものなのか、ランダムノイズが消し切れずに残ったものなのかは切り分けは難しいでしょう。

もっというと、今回見せた画像は全てPIのオートストレッチで炙り出して初めて見えた画像です。あぶり出さなかったら、全く見えず効果の程は全然わかりません。ではダーク補正は見えていないので効果はないかというと、もちろんそんなことはなく、欲しいライトフ画像も炙り出して得られるもので、その結果ノイズが浮き出てきて、その状態でのダークノイズの除去は効果があるはずです。

でも今回は全部定性的な話のみで、定量的には何も示せていません。もう少し評価方法をいろいろ考えてみたいと思います。

あまり大した結果を示していなくて読んでいただいた方には申し訳ないのですが、ノート程度と思っていただければありがたいです。


最近時間がなくて全然ブログ更新できていませんが、ちょくちょく小物は増えています。今回はカメラ関連です。


L字型アルカスイスプレート

今回手に入れたものはEOS 6D本体につけるL型のアルカスイスのクリックリリースプレート。アマゾンで見つけた安いものです。汎用タイプとカメラの機種ごとの専用タイプがありますが、今回は6D専用品にしました。6D Mark II用もあり、今ではそちらの方が種類が多かったりするので間違えないように注意です。

IMG_8853


機種専用プレートの利点は、アクセルが必要なところには適切な穴が開いていて、ケーブルなどの取り付け時にも邪魔にならないことでしょうか。

IMG_8856

なんでL字プレートが必要になったかの理由です。まず、一眼レフカメラを赤道儀に雲台など使わずに直接載せた時、カメラ底面が基準になるので水平はある程度保証されます。ところが、画角によってちょうど90度カメラを回転させたい時にカメラの横面にはプレートを取り付けるねじ穴がないので手がありません。

実際に飛騨コスモス天文台で一晩に複数枚撮影した時にカメラを回転させる手がなくて、泣く泣く自由雲台を追加して無理やり寝かせるような形にして90度視野を回転させました。でも重さバランスが悪くてレンズの重さも相まって何度かずれて傾いていくのを、自由雲台のボールを相当硬く絞めることで何とか回避しました。

そんな時などに、このL字の短い方にアルカスイスの溝が切ってあるので、ここを利用することで正確にかつ簡単に90度傾けることができます。

IMG_8861



大型自由雲台

すでに上の写真に写ってしまっていますが、もう一つ、大型の自由雲台、VelbonのPH-173を手に入れました。こちらも飛騨コスモスでの撮影の時のように、カメラの重量にボールの摩擦が負けて滑ることがあり、安定性の観点からずっと欲しいと思っていました。秋葉原のキタムラで、かなり古いものですが格安で手に入れることができました。

IMG_8855


実は上部を外してアルカスイスクランプを取り付けようとしたのですが、その場合ボールを貫通して通っているネジをはず必要があることがわかりました。かなり頑張って(潤滑剤、衝撃など)そのネジを外そうとしたのですが結局固すぎてどうやっても外すことができませんでした。今回は諦めて普通にアルカスイスクランプを取り付けるだけにしました。

IMG_8862

IMG_8860



手持ちの自由雲台よりもかなり頑丈そうです。星景写真などに活躍してくれそうです。


 


 

ちょっと前の記事になりますが、入門者向けにEOS Kiss X7牛岳で天の川を撮影した時に、同時に天体改造済みのEOS 6DとSAMYANG 14mmを使い、同じ場所から天の川を撮影していました。その時の画像処理を終えたので記事にまとめておきます。以前の記事の番外編のような位置付けです。

まずは天の川の一枚どりの画像処理です。EOS Kiss X7の画像処理の時は無料のDPPもしくはGIMPしか使っていませんが、今回は特に制限はしません。また実際の処理もDPPもしくはGIMPでの処理も、明るさ、コントラスト、トーンカーブ、ホワイトバランスしか使わなかったですが、今回はそういった制限もせず、多少複雑な処理もしています。

特徴としては、レンズプロファイルを適用し、歪みと周辺減光を軽減するために、Lightroom Classic CCを使ったことと、さらなる周辺減光とカブリの除去にPixInsightのDBE(DynamicBackgroundExtraction)を使ったことくらいでしょうか。PixInsightの「MaskGeneration」の「RangeSelection」で雲のあたりのマスク、恒星のマスクを作っています。この機能を使うと、ものすごく手軽にマスクを作ることができます。あとはPhotoshop CCに引き渡して適当に処理しています。マスクもPhotoShopで利用して画像処理しています。結果は以下のようになります。

IMG_0843_DBE_ps4
撮影地: 富山県富山市牛岳, 2018年7月13日23時2分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, JPG), 露出20秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC
Lightroom、PixInsight、PhotoShopで画像処理


入門記事で処理した画像(DPPで処理したバージョンを下に再掲載)と比べてみましょう。

IMG_8261_02_white_tone.JPG



今回の方が天の川が圧倒的に濃いことと、ノイズが少ないことがわかると思います。これは露光時間が長いことによると思います。入門記事ではISO6400で10秒、今回はISO3200で20秒です。ISOと露光時間の積は同じですが、後者の方が露光時間が長い分、読み出しノイズが少なくなります。もちろん、カメラ本体の差もあるでしょう。6Dはセンサーの一素子のサイズが大きく、ノイズが少ないカメラと言われています。ノイズが少ないと当然、対象をより濃くあぶり出すことができます。

ソフトの違いも相当大きいです。入門記事ではせいぜいトーンカーブを少し弄る程度までです。例えば今回6Dの画像では天の川は明るいのに、雲の方は逆に目立たなくなっています。これはマスク処理のおかげで、雲の部分とその他の部分を分けて処理できるために、雲を暗いままにしておくことができます。

また、周辺減光が目立たなくなっていることもわかります。フラットフレームはとっていませんが、PixInsight上で周辺減光とカブリをなくしたことが効いています。これは天の川をより濃くあぶり出すことにもつながっています。

今回の方が、より広い範囲で天の川を捉えていることもわかります。これはカメラのセンサーサイズの違いで、X7の場合はAPS-Cといい、6Dの場合はフルサイズとか言います。各辺の長さが1.6倍違うために、同じ焦点距離のレンズを使って写すことのできる範囲も1.6倍かわってきます。しかも、使っているレンズもX7の方は標準の18mm、6Dの方は14mmなので、1.6 x 18/14 = 2.05と約2倍違います。面積にすると2 x 2で4倍の違いですね。


うーん、こうやってみるとさすがに結構違いますね。でも露光時間も違うし、ソフトの制限もかなり大きい違いなので、そういった差をなくして、カメラ単体の違いだけでどこまで迫れるのかもいつかやってみたいと思います。


  1. EOS kissで天の川を撮ろう (その1): 撮影の準備  
  2. EOS kissで天の川を撮ろう (その2): 実際の撮影  
  3. EOS kissで天の川を撮ろう (その3): 画像処理  
  4. 番外編: 天文っ子のためのカメラ選択 
  5. 番外編: EOS 6Dで天の川を撮ろう

先日自宅の庭で撮影した馬頭星雲と燃える木がかなり冴えなかったので、色々見直しました。

まず画角ですが、APS-Cサイズの60Dだとできた画面を見ていても無理に入れ込んでる感じでイマイチ迫力がありません。これはフルサイズにした方が良さそうです。ということで、9月にハヤタ・カメララボでなぜか一台だけ他より安くで出ていたHKIR改造済みのEOS 6Dを初投入です。

6Dですが、バッテリーが60Dと共通なのと、以前なぜか60D用と6D用を間違えて買ってしまったレリーズが余っています。まあそのうちレンズが欲しくなるのでしょうが、今のところ他にあまり買い足すものもなく使えるので便利です。バッテリーはこれまで2つあったのですが、さらに一つついてきたので3つを使いまわして6Dと60Dを使うことになりそうです。

ピント合わせや初期アラインメント時に、付属モニターのライブビュー画像で明るく星を見たいので、X5と60Dに引き続き今回もMagic Lanternを6Dに導入しました。完全自己責任ソフトなのですが、まあ中古で安く買っているので、あまり気にしないでガンガン使い込んでいきます。以前X560Dで比較で試した、付属モニターライブビュー画像での電視も試して見たいですが、それはまた今度の機会とします。

11月27日、この日は風もなく空に雲もほとんどない非常に綺麗な空だったので、平日だったのですが、リモート撮影であとは寝てればいいかと思い撮影を敢行しました。先週末に試した60Dでのリモート撮影の状態を崩さずにとっておいたために、最初のセットアップも短時間ですみます。なのでいつものFS-60QをAdvanced VXに載せ、これに6Dをとりつけたものになります。

月が沈む0時頃から撮影を始めました。HDR合成用に3秒露光のものを10枚、あとは180秒の枚数をできるだけ稼ぎます。感度はとりあえずこれまで60Dで使っていたISO3200で試しました。アラインメントをして撮影が始まってしまえば特にすることもなくなるので、明日が仕事ということもあり、そのままベッドに入って寝てしまいました。

さて朝起きて確認してみると、午前2時半頃まではうまくいっているのですが、後は流れていってしまっています。結局天頂を超える前に撮影を始めて、天頂を超えてある程度は持っていたのですが、限界がきて追尾できなくなってしまった様です。これは失敗でした。

もう一つわからなかったのが、PHD2で「最大撮影時間を過ぎた」みたいなメッセージが英語で出ていたのですが、これの変更方法がわかりません。以前もこれで撮影が中断されたことがあったので、なんとか解決したいのですが、マニュアルを見てもイマイチどこを触ったらいいかわかりません。

あと、先週は風が強くてぶれまくっていて、精度面で修理できたかどうか判断を先送りしていたAdvanced VXですが、写っている画像を見ている限り星は全て円像に写っていて、壊れたAdvanced VXは精度面においても直ったと言っていいと思います。後は修理に使ったM2.6のネジを太くして本数を増やすことで、強度面でも元の性能に近いものに戻ると思います。


さて、この日はダークもフラットも何も取らなかったのですが、ライト画像は衛星が写り込んでいるものをカットしても34枚、一枚3分なので計1時間42分が使える画像になりました。試しに10枚だけステライメージ8の自動処理で簡易画像処理をして見たのですが、これだけでも先週末の60Dよりはるかに綺麗に撮れていることがわかりました。こうなってくると欲が出てきて、ダークとフラットも撮影したくなります。次の日、また平日ですが懲りずに撮影し、それも込みで処理したのがこれです。

HORSE_LIGHT_6D_180s_3200_+7cc_20171128-00h09m41s_x34_PS_photo
富山県富山市, 2017年11月28日0時12分
FS-60Q + Advanced VX赤道儀
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出3分x34枚 総露出1時間42分
f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
Steller Image 8、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理


前回の冴えないのと比べると、雲泥の差です。この原因は何かと考えました。風がなかったのは一因ですが、星雲の明るさには関係ないはずです。雲が少なくて透明度が高かったことはまずあると思います。後は60Dと6Dの差でしょうか。いろんな人から6Dはノイズが少なくていいと聞くのですが、その噂はやはり本当みたいです。今回は撮影した日時も違うので条件が合っていなくて何も結論めいたことは言えませんが、条件を限りなく同じにして、60Dと6Dで定量的に比較してみたくなりました。


追記: 後日画像処理をし直して、もう少しおとなしい色合いにしました。





 

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