ちょっと間が空きましたが、N.I.N.A.の試用記の続編です。
前回の記事を書いてからなかなか晴れなくて、やっと日曜の夜に少しだけ星が見えたのでテストしました。本当は撮影までしたかったのですが、結局曇ってしまいNINAのテストだけで終わってしまいました。
第一回の撮影までに加えて、今回は少し応用編。導入など、撮影の準備に相当する部分になります。撮影までのことなので、本当はこちらを先に説明しても良かったのですが、一度赤道儀で導入して撮影まで進めてしまえば見通しが良くなると思ったからです。
最初に左アイコン群の「スカイアトラス」でターゲットを調べるといいでしょう。左上に対象とする天体を入力します。例えばM57と入力すると、その情報が出てきます。
その際、「オプション」「一般」タブの「スカイアトラス画像ディレクトリ」を設定しておくといいでしょう。ここはスカイアトラスで画像を表示するために使います。サイトのダウンロードページの一番下にある「Misc」のところの「Sky Atlas Image Repository 」をダウンロード、展開して、「スカイアトラス画像ディレクトリ」で設定したディレクトリに置くと、「スカイアトラス」の「詳細」のところにカタログ画像が表示されるようになります(TKさんに教えてもらいました。ありがとうございました。)。
このスカイアトラスのところで「導入」ボタンを押してしまっても導入はできるのですが、次のフレーミングで導入した方がいいでしょう。
撮影時にPCがインターネットに接続されているなら、フレーミング機能が便利です。デフォルトで縦横3度の視野角を見るようになっていますが、画像を落とすのに結構時間がかかります。今どれくらいダウンロードしたか表示があるとよかったかもしれません。
一旦ダウンロードした画像はキャッシュに保管され、キャッシュを表示することを選べばインターネットがない環境でも確認することができます。撮影時にインターネット環境がないなら、事前に対象天体の検索して画像をダウンロードしておくといいでしょう。
ダウンロードした画像があると、撮影時の画角や位置を確認できます。
M57を囲んで大きな四角い枠が見えます。これが接続されているカメラと、この画面の「画像の読み込み」の「カメラパラーメーター」の「焦点距離」から計算された、撮影した場合の画角になります。
黄色の丸は、現在赤道儀(望遠鏡)が向いている位置になります。上の写真の場合、M57の中心からは少しずれた位置にいることになります。でもこれは実際に向いている位置とは限らなくて、N.I.N.A.が「赤道儀が向いていると思っている」位置です。この数値は接続した赤道儀から得ています。なので、この状態で撮影しても、黄色の場所が中心なるとは限らず、後のプレートソルブを使い誤差を無くします。
さて、画角を示すこの四角は移動することができます。四角の中心が導入したい目的の位置になります。今はM57の中心が四角の中心になっているので、ここで「導入」ボタンを押してみます。すると実際の赤道儀の向きに合わせて、一旦黄色い丸が画面からはみ出し、しばらく待つと
のように、黄色い丸が画角の中心にきます。
この際、もしガイドをしっぱなしなら、PHD2のオートガイドを外すのを忘れないようにしてください。また、導入が終わったら、撮影前に再びPHD2のオートガイドをオンにするのを忘れないでください。
でもまだ注意です。ここですでに画面中央に目的の天体が導入されたかに見えますが、本当にその向きに向いているかどうかの保証はありません。赤道儀の持っている情報と実際の向きが合っているかは保証がないからです。ここで次のプレートソルブの出番です。
プレートソルブは思ったよりはるかに簡単にできました。もともとAPTで「PlateSolve 2」と「All Sky Plate Solver(ASPS)」をインストールしていたからというのもあります。この場合は「オプション」「プレートソルブ」のところでパスを通すだけで使えてしまいました。
具体的には、撮像ページで右上「ツール」アイコン群の左から3つ目「プレートソルブ」を押してプレートソルブパネルを出します。
パネルの位置がわかりにくいかも知れません。「画像」パネルの下のところに「プレートソルブ」タブが出ていると思いますので、それを選択します。ここで「同期」が「オン」になっていると、プレートソルブが成功した際の位置情報が赤道儀にフィードバックされ、赤道儀上の一情報が書き換わります。その際「ターゲットの再導入」を「オン」にしておくと「エラー」の値よりも誤差が大きい場合に再度自動で導入し直してくれますが、導入は後で自分でもできるので、とりあえずはオフでいいでしょう。「露出時間」と「ゲイン」なども適当に入れます。準備ができたら、真ん中の三角の再生マークのところの「画像素取得してプレーとソルブ処理します。」を押します。
勝手に撮像が一枚始まって、プレートソルブが始まり、うまく位置が特定できると「成功」のところにチェクマークが出ます。
フレーミングでM57を中央にしたにもかかわらず、やはり実際に撮影するとずれしまっていて、その誤差を赤道儀側にすでにフィードバックしているので、今一度フレーミングを見てみると、
のように、黄色い丸がずれているのがわかると思います。横にずれたのはカメラが90度回転しているからです。この状態で再度「導入」を押すと黄色い丸がM57のところに行き、実際に撮影してみると
のように、今度は本当に赤道儀がM57の方向をきちんと向いていることがわかります。
ASI290MMでLRGB撮影をやってみようと思っていて、かなり前に勝手ずっと使っていなかったZWOのフィルターホイールを繋いでみました。ポイントはEFW用のASCMOドライバーをZWOのページから落としてきてインストールしておくことと、NINAを一度再起動することです。これでNINAの「機材」の「フィルターホイール」からZWOのフィルターホイールとして認識され、選択することができるようになります。
フォーカスに関して
だいたい試したのはこれくらいでしょうか。2度に渡って使用して、その使い勝手をレポートしましたが、2回目は撮影まではしていないので、まだ説明が不十分なところもあるかもしれません。例えば、フォーカサーとかフラットパネルと接続した撮影の機能もあるみたいで、ここら辺は機材を持っていないので試すことができません。
とりあえず十分すぎるくらいの機能があることもわかって、撮影するには何も不便なところはなく、ベータ版でもすごく安定しています。
前回と今回の記事を読めば導入して撮影するまでできるのではないかと思います。わかりにくいところがあったらコメントしてください。私も全部理解しているわけではないですが、質問に答えがてら理解していきたいと思います。
前回の記事を書いてからなかなか晴れなくて、やっと日曜の夜に少しだけ星が見えたのでテストしました。本当は撮影までしたかったのですが、結局曇ってしまいNINAのテストだけで終わってしまいました。
第一回の撮影までに加えて、今回は少し応用編。導入など、撮影の準備に相当する部分になります。撮影までのことなので、本当はこちらを先に説明しても良かったのですが、一度赤道儀で導入して撮影まで進めてしまえば見通しが良くなると思ったからです。
スカイアトラス
最初に左アイコン群の「スカイアトラス」でターゲットを調べるといいでしょう。左上に対象とする天体を入力します。例えばM57と入力すると、その情報が出てきます。
その際、「オプション」「一般」タブの「スカイアトラス画像ディレクトリ」を設定しておくといいでしょう。ここはスカイアトラスで画像を表示するために使います。サイトのダウンロードページの一番下にある「Misc」のところの「Sky Atlas Image Repository 」をダウンロード、展開して、「スカイアトラス画像ディレクトリ」で設定したディレクトリに置くと、「スカイアトラス」の「詳細」のところにカタログ画像が表示されるようになります(TKさんに教えてもらいました。ありがとうございました。)。
このスカイアトラスのところで「導入」ボタンを押してしまっても導入はできるのですが、次のフレーミングで導入した方がいいでしょう。
フレーミング
撮影時にPCがインターネットに接続されているなら、フレーミング機能が便利です。デフォルトで縦横3度の視野角を見るようになっていますが、画像を落とすのに結構時間がかかります。今どれくらいダウンロードしたか表示があるとよかったかもしれません。
一旦ダウンロードした画像はキャッシュに保管され、キャッシュを表示することを選べばインターネットがない環境でも確認することができます。撮影時にインターネット環境がないなら、事前に対象天体の検索して画像をダウンロードしておくといいでしょう。
ダウンロードした画像があると、撮影時の画角や位置を確認できます。
M57を囲んで大きな四角い枠が見えます。これが接続されているカメラと、この画面の「画像の読み込み」の「カメラパラーメーター」の「焦点距離」から計算された、撮影した場合の画角になります。
黄色の丸は、現在赤道儀(望遠鏡)が向いている位置になります。上の写真の場合、M57の中心からは少しずれた位置にいることになります。でもこれは実際に向いている位置とは限らなくて、N.I.N.A.が「赤道儀が向いていると思っている」位置です。この数値は接続した赤道儀から得ています。なので、この状態で撮影しても、黄色の場所が中心なるとは限らず、後のプレートソルブを使い誤差を無くします。
さて、画角を示すこの四角は移動することができます。四角の中心が導入したい目的の位置になります。今はM57の中心が四角の中心になっているので、ここで「導入」ボタンを押してみます。すると実際の赤道儀の向きに合わせて、一旦黄色い丸が画面からはみ出し、しばらく待つと
のように、黄色い丸が画角の中心にきます。
この際、もしガイドをしっぱなしなら、PHD2のオートガイドを外すのを忘れないようにしてください。また、導入が終わったら、撮影前に再びPHD2のオートガイドをオンにするのを忘れないでください。
でもまだ注意です。ここですでに画面中央に目的の天体が導入されたかに見えますが、本当にその向きに向いているかどうかの保証はありません。赤道儀の持っている情報と実際の向きが合っているかは保証がないからです。ここで次のプレートソルブの出番です。
プレートソルブ
プレートソルブは思ったよりはるかに簡単にできました。もともとAPTで「PlateSolve 2」と「All Sky Plate Solver(ASPS)」をインストールしていたからというのもあります。この場合は「オプション」「プレートソルブ」のところでパスを通すだけで使えてしまいました。
具体的には、撮像ページで右上「ツール」アイコン群の左から3つ目「プレートソルブ」を押してプレートソルブパネルを出します。
パネルの位置がわかりにくいかも知れません。「画像」パネルの下のところに「プレートソルブ」タブが出ていると思いますので、それを選択します。ここで「同期」が「オン」になっていると、プレートソルブが成功した際の位置情報が赤道儀にフィードバックされ、赤道儀上の一情報が書き換わります。その際「ターゲットの再導入」を「オン」にしておくと「エラー」の値よりも誤差が大きい場合に再度自動で導入し直してくれますが、導入は後で自分でもできるので、とりあえずはオフでいいでしょう。「露出時間」と「ゲイン」なども適当に入れます。準備ができたら、真ん中の三角の再生マークのところの「画像素取得してプレーとソルブ処理します。」を押します。
勝手に撮像が一枚始まって、プレートソルブが始まり、うまく位置が特定できると「成功」のところにチェクマークが出ます。
フレーミングでM57を中央にしたにもかかわらず、やはり実際に撮影するとずれしまっていて、その誤差を赤道儀側にすでにフィードバックしているので、今一度フレーミングを見てみると、
のように、黄色い丸がずれているのがわかると思います。横にずれたのはカメラが90度回転しているからです。この状態で再度「導入」を押すと黄色い丸がM57のところに行き、実際に撮影してみると
のように、今度は本当に赤道儀がM57の方向をきちんと向いていることがわかります。
その他
ASI290MMでLRGB撮影をやってみようと思っていて、かなり前に勝手ずっと使っていなかったZWOのフィルターホイールを繋いでみました。ポイントはEFW用のASCMOドライバーをZWOのページから落としてきてインストールしておくことと、NINAを一度再起動することです。これでNINAの「機材」の「フィルターホイール」からZWOのフィルターホイールとして認識され、選択することができるようになります。
フォーカスに関して
- オートフォーカス機能はあるようですが、マニュアルでのフォーカスをサポートするような機能は見当たらない。と思っていたら、撮像の右上のツールのところにありました。今度使ってみます。
まとめ
だいたい試したのはこれくらいでしょうか。2度に渡って使用して、その使い勝手をレポートしましたが、2回目は撮影まではしていないので、まだ説明が不十分なところもあるかもしれません。例えば、フォーカサーとかフラットパネルと接続した撮影の機能もあるみたいで、ここら辺は機材を持っていないので試すことができません。
とりあえず十分すぎるくらいの機能があることもわかって、撮影するには何も不便なところはなく、ベータ版でもすごく安定しています。
前回と今回の記事を読めば導入して撮影するまでできるのではないかと思います。わかりにくいところがあったらコメントしてください。私も全部理解しているわけではないですが、質問に答えがてら理解していきたいと思います。